JPH07185241A - 細粒セラミックス瀘材及びその製造方法並びに該瀘材を用いた瀘過装置 - Google Patents

細粒セラミックス瀘材及びその製造方法並びに該瀘材を用いた瀘過装置

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JPH07185241A
JPH07185241A JP5350579A JP35057993A JPH07185241A JP H07185241 A JPH07185241 A JP H07185241A JP 5350579 A JP5350579 A JP 5350579A JP 35057993 A JP35057993 A JP 35057993A JP H07185241 A JPH07185241 A JP H07185241A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 砂瀘過用の単一の瀘過槽を用いて50μm以
下の濁質や溶解性の有機汚濁やアンモニアイオンや菌類
等の瀘過にも効果を上げることができる瀘材およびその
製造方法並びに瀘過装置を提供すること。 【構成】クリストバライトを主材料とした半練り状物質
を押出成形し(101,102)、この押出成形したも
のを転動成形によりほぼ球形に整形して(103)、そ
の後焼成すること(104)により実質的最大粒径が2
mm以下の多孔質セラミックス瀘材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砂瀘過用の単一の瀘過
槽を用いて濁質や溶解性の有機汚濁やアンモニアイオン
や菌類等の瀘過にも効果を上げることのできる細粒セラ
ミックス瀘材及びその製造方法並びに該瀘材を用いた瀘
過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、プールや浴槽の水
は、人が入ることによって、人体から分泌される有機性
物質(例えば、脂肪酸エステル,飽和脂肪酸,不飽和脂
肪酸,蛋白質等)、アンモニア性窒素、微細な塵埃、大
腸菌、一般細菌などの汚染を受ける。
【0003】そこで、このように汚染された水を、適当
な瀘過槽に循環させて浄化することで、水資源や熱資源
の節約を図る瀘過装置(浄化システム)の研究が種々な
されている。 例えば、水中の浮遊物質除去を主目的と
した瀘過装置の場合は、瀘過槽に装填される瀘材の素材
によって、次の3つの方式が挙げられる。 (1)珪砂を瀘材とした砂瀘過方式。
【0004】(2)珪藻土粉末をプレコートしたリーフ
(板状体)、あるいはエレメントを瀘材とした珪藻土瀘
過方式。 (3)中空糸巻の繊維エレメントを内蔵したカートリッ
ジを使用するカートリッジ方式。 また、最近では、前述した(1)乃至(3)の方式の瀘
過槽を通過した循環水をさらに活性化槽に通す複合処理
方式にして、さらなる汚染の低減、ミネラル溶出、pH
調整、水質活性化等を目指した瀘過装置も種々研究され
ている。この場合、前記活性化槽中に使用する瀘材とし
ては、麦飯岩と称される石英斑岩、天然・人工ゼオライ
ト、活性炭、シラスバルーン、化石サンゴ、多孔質セラ
ミックス等が知られている。
【0005】また、上記のいずれの方式の場合において
も、必要に応じて滅菌装置が付加され、瀘過槽(前述の
複合処理方式の場合は、活性化槽)を通過した後の循環
液を該滅菌装置に通すことにより、滅菌を行うようにし
ている。滅菌装置としては、次亜塩素酸ソーダによって
滅菌を行うものが普及しているが、最近では、紫外線や
オゾンを利用する装置も開発されている。
【0006】また、最近では、瀘過槽を多段に設け、最
終瀘過が終了した循環水に対して、所定の滅菌装置によ
り滅菌処理を行う瀘過装置も提案されている。図8は、
このような瀘過装置の従来例を示したものである。この
図8の瀘過装置は、浴槽の温水処理用として、特開平5
−15897号公報に開示されたもので、浴槽1内の温
水は、ポンプ2によって第1の瀘過槽3,第2の瀘過槽
5に順に送り、第2の瀘過槽5を通過した温水を滅菌装
置として装備された紫外線殺菌燈8によって滅菌した後
に浴槽1へ戻す。この場合、前記第1の瀘過槽3には、
瀘材として直径が約200μmのガラスビーズ4が装填
され、また、第2の瀘過槽5には、瀘材として多孔質セ
ラミックスを装填されるとともに、槽内を好気雰囲気に
保つためのエアポンプ7が装備されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の各
種瀘過装置においては、上記(1)に示した砂瀘過方
式、あるいはそれに次亜塩素酸ソーダ注入により滅菌を
行う滅菌装置を付加した形式のものが一番普及してい
る。これは、装置構成が単純であるとともに瀘材も比較
的に安価であり、使用により汚れた瀘材を逆洗浄等によ
り簡単に浄化することもでき、装置コスト、ランニング
コストが安価で済むと共に、メンテナンスが容易という
メリットがあるからである。しかし、このような装置構
成の場合は、約50μm以上の濁質の除去にしか有効で
なく、溶解性有機汚濁やアンモニア性窒素や菌類の除去
には効力が及ばない。
【0008】使用する瀘過槽を、上記(2)に示した珪
藻土瀘過方式、あるいは、上記(3)に示したカートリ
ッジ方式に代えることによって、5μm程度の濁質の除
去も可能になるが、この場合にも、溶解性有機汚濁やア
ンモニア性窒素や菌類の除去に有効でないという問題は
残ってしまう。しかも、瀘材のコストが増加したり、瀘
材の交換が必要になるといったメンテナンス上の問題も
発生する。
【0009】また、前述した石英斑岩等を瀘材とした活
性化槽をさらに加えた複合処理方式にすれば、溶解性有
機汚濁やアンモニア性窒素や菌類の除去までも有効にな
り、瀘過能力の点では優れたものになるが、処理槽が増
えるために、装置構成が繁雑化して、装置コストの増加
や装置の大型化、ランニングコストの増加といった問題
が生じる。
【0010】前述の特開平5−15897号公報に開示
された構造のように瀘過槽を複数装備するようなもの
も、同様に、装置構成が繁雑化して、装置コストの増加
や装置の大型化、ランニングコストの増加といった問題
が生じる。そこで、上記(1)の砂瀘過方式に使用する
瀘過槽に、瀘過材として、通常の珪砂サンドの代わり
に、該珪砂サンドと同程度の粒径の石英斑岩等の活性石
を装填することが考えられている。このようにすると、
一つの瀘過槽による処理で、砂瀘過による効果と活性石
による効果との双方が得られ、装置構成の単純化と瀘過
機能の向上とを同時に達成することが可能になるからで
ある。
【0011】しかし、石英斑岩等の活性石は、一般に珪
砂サンド等と比較して機械的強度が低く、逆洗浄等を行
うと瀘材の粒が壊れて目詰り等の不都合を引き起こすと
いう問題があり、実用的でない。また、従来にあっては
粒径が例えば2mm以下と極めて微細な濾過素材におい
ては、天然石から採取することが非常に困難であるだけ
でなく、採取できたとしてもその機械的強度に難点があ
り、実用的でなかった。さらにまた、このような粒径の
小さい濾材を焼成等により生産性良く製造することがで
きないのが現状であった。
【0012】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、砂瀘過用の単一の瀘過槽を用いて50μ
m以下の濁質や溶解性の有機汚濁やアンモニアイオンや
菌類等の瀘過にも効果を上げることができ、瀘過装置の
装置コストやランニングコストの低減と同時に装置の小
型化やメンテナンスの容易化を達成することのできる細
粒セラミックス瀘材及びその製造方法並びに該瀘材を用
いた瀘過装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、主
材料がクリストバライトからなり、かつ実質的最大粒径
が2mm以下でほぼ球形に焼成されてなる多孔質セラミ
ックスよりなる細粒セラミックス瀘材により達成され
る。また、クリストバライトを主材料とした半練り状物
質を押出成形し、この押出成形したものを転動成形によ
りほぼ球形に整形して、その後焼成することにより前記
多孔質セラミックスを得ることを特徴とした細粒セラミ
ックス瀘材の製造方法によって、実質的最大粒径が2m
m以下のほぼ球形の前記細粒セラミックス瀘材が得られ
て、上記目的を達成することができるものである。
【0014】また、瀘過対象液を貯留した液槽と、瀘材
として前記請求項1の細粒セラミックス瀘材が装填され
るとともに該瀘材を通過させる液の流れ方向を変えるこ
とによって流入させた液の瀘過あるいは前記瀘材の洗浄
が可能な瀘過槽と、前記液槽内の液を該液槽と前記瀘過
槽との間で循環させる循環ポンプとを備えたことを特徴
とする瀘過装置よって、上記目的を達成することができ
るものである。
【0015】
【作用】本発明の上記構成によれば、細粒セラミックス
瀘材は、珪砂サンドと同等の粒径のほぼ球形で、しか
も、多孔質であるから、これを珪砂サンドの代わりに砂
瀘過用の瀘過槽に瀘材として装填して用いることによっ
て、珪砂サンドとしての瀘過効果と、多孔質性の吸着等
による瀘過効果との双方を得ることができ、石英斑岩等
の活性化石を装填した活性化槽を付加してなる複合処理
方式のものと同様に、50μm以下の濁質や溶解性の有
機汚濁やアンモニアイオンや菌類等の瀘過にも優れた瀘
過効果を上げることができる。
【0016】しかも、処理槽は、砂瀘過用の単一の瀘過
槽だけで済ませることができ、また、細粒セラミックス
瀘材の機械的強度は焼成工程により向上して珪砂サンド
と同様の強度確保が可能で、逆洗浄時等における瀘材粒
の壊れも防止できるため、逆洗浄等の簡易な瀘材浄化法
を取入れることも可能になる。したがって、瀘過装置の
装置コストやランニングコストの低減と同時に装置の小
型化やメンテナンスの容易化を達成することができる。
【0017】また、瀘材には、例えば、用途等に応じ
て、最大粒径、摩滅率、塩酸可溶率、有効径、均等係数
等の各種物性が規格化され、要求されることになるが、
クリストバライトの半練り状物質を押出成形後に転動成
形する製造方法によって、例えば、日本水道協会によっ
て瀘過砂に要求されている物性規格を満足する実質的な
最大粒径が2mm以下の前記細粒セラミックス瀘材を生
産性よく容易に得ることが可能になる。
【0018】
【実施例】図1および第2図は本発明に係る細粒セラミ
ックス瀘材の製造方法の一実施例を示し、図3は前記細
粒セラミックス瀘材を用いた瀘過装置の構成を示したも
のである。本発明に係る細粒セラミックス瀘材は、主材
料が天然クリストバル岩(以下、クリストバライトと称
する)からなり、かつ実質的な最大粒径が2mm以下で
ほぼ球形に焼成されてなる多孔質セラミックスである。
【0019】この細粒セラミックス瀘材は、図1に示す
工程により製造する。まず、クリストバライトの粉末に
ベントナイトをバインダーとして加えて、これに純水を
噴霧して調湿しつつ、ヘンシェルミキサーやパドルミキ
サー等の強制撹拌ミキサーで混練することにより半練り
状物質を生成する(ステップ101)。この場合に、使
用するクリストバライトの粉末は、直径が150μm以
下、望ましくは、直径が20μm程度までに粉砕された
ものである。また、バインダーとして添加されるベント
ナイトのクリストバライトに対する配合比は、5wt%
程度であるが、バインダーを無添加で、純水による調湿
だけで混練することも可能である。
【0020】クリストバライトの粉末とバインダーとの
混合物への調湿は、これらの混合物を入れた強制撹拌ミ
キサーの混練容器内にノズルから水を噴霧するスプレー
噴霧器を使用することが好ましい。次いで、所定の粘度
に混練されたら、その半練り状物質をディスクペレッタ
ーで、所定寸法の粒状に押出成形する(ステップ10
2)。
【0021】最大粒径が2mm以下の細粒セラミックス
瀘材を得るためには、押出成形物が直径0 .8mm、長さを
最大20mm程度の細い円柱状になるように、ステップ10
1における調湿処理(水分含有量が25〜35wt%)
を制御すると表面が滑らかに成形される。そして、押出
成形した粒は、載置容器上で転がして所定形状に整形す
るため、パン型ペレッタイザーを使用してパン回転数と
パン傾斜角度を調整し転動することによって、最大20mm
程度の細い円柱状物を所望の長さに分断することによ
り、ステップ102で形成した粒をほぼ球形の粒に成形
する(ステップ103)。
【0022】また、転動成形の際には、図2に示すよう
に、容器10内に2つ以上のノズル11から水を噴霧す
る二流体型のスプレー噴霧器を用いて調湿する。ステッ
プ103で整形した球形の粒は、回転式ロータリーキル
ンを用い、800〜1000℃で30分〜1時間焼成す
ることにより、所定強度の固体粒として(ステップ10
4)、製造工程を終了する。
【0023】図3に示した瀘過装置は、瀘過対象液を貯
留した液槽14と、瀘材として本発明に係る細粒セラミ
ックス瀘材15が装填されるとともに該瀘材15を通過
させる液の流れ方向を変えることによって流入させた液
の瀘過あるいは前記瀘材15の洗浄が可能な瀘過槽16
と、前記液槽14内の液を該液槽14と瀘過槽16との
間で循環させるための循環ポンプ17とを基本構成とし
たものである。
【0024】ここに、前記液槽14は、例えば、浴槽や
プール等であり、液槽14内の液を瀘過槽16に送り込
むための送り管路18上には、毛髪等を除去する集毛器
19や、瀘過助材やpH調整材を添加する薬液溶解槽2
0が装備され、瀘過槽16を通過した液を液槽14に戻
す戻り管路21上には、瀘過後の液に対して塩素滅菌等
の滅菌処理を行う滅菌装置22が装備された構成となっ
ている。
【0025】前記瀘過槽16は、砂瀘過用の瀘過槽で、
底部側に敷き詰められた砂利層24の上に、本発明に係
る細粒セラミックス瀘材15による瀘過層25が位置し
ている。そして、砂利層24中には前記戻り管路21に
連通した集水装置27が配置され、瀘過層25の上方に
は、その上の排気層28に向けて開口するとともに前記
送り管路18に連絡した散水装置29が配置されてい
る。
【0026】以上の構成により、通常、液槽14内の液
は、送り管路18から散水装置29を介して瀘過槽16
内に散水され、瀘過層25を通過することによって瀘過
された後、砂利層24から集水装置27および戻り管路
21を得て液槽14に戻される。前記細粒セラミックス
瀘材15の汚染が進んだ場合には、前記送り管路18お
よび戻り管路21における液の流れ方向を変えて、瀘過
槽16内を通常とは逆方向に液を流す逆洗浄により、細
粒セラミックス瀘材15を浄化し、再利用可能にする。
【0027】本願発明者は、前述の製造方法によって実
際に製造した本発明の細粒セラミックス瀘材15につい
て、機械的強度その他の物性や、前述の瀘過装置に使用
した場合の瀘過性能を調べた。以下に、その結果を説明
する。まず、物性試験用の細粒セラミックス瀘材15と
して、試料Aと、試料Bとを製造した。そして、それぞ
れの試料について、粒度分布や、物性を測定した。粒度
分布としては、有効径(単位;mm)や均等係数も求
め、物性としては、嵩密度や圧潰強度(単位;kgf/cm
2)、摩滅率(単位;%)、塩酸可溶率(単位;%)を
測定した。
【0028】それぞれの測定結果は、次の表1に示す如
きとなった。
【0029】
【表1】
【0030】なお、表1において、有効径とは試料の全
重量の内の10%が通過するふるい目の大きさであり、
均等係数とは、試料の全重量の内の60%が通過し、4
0%が残留するふるい目の大きさと前記有効径との比で
ある。これらは、各試料毎に、ふるい目の大きさに対す
る重量通過率を測定する粒度分布測定の測定結果を、対
数確率紙の上にプロットして求めた図4の粒度加積曲線
(実線が試料Aに対するもの、破線が試料Bに対するも
の)に基づいて、算出している。
【0031】表1にも示されるように、前述の製造方法
によって製造した細粒セラミックス瀘材15は、約97
%の粒が粒径2mm以下となり実質的最大粒径が2mm
以下ということができ、また、有効径が0.5mm以
下、均等係数が1.52以下、摩滅率が0.34%以
下、塩酸可溶率が3.2%以下となり、水泳プール浄化
装置工業連盟によって瀘過砂に要求されている物性規格
を満足する値となっている。 また、前述の本発明の製
造方法によって製造した細粒セラミックス瀘材の内、粒
径が0.59〜1.19mmのものを検体に添加して、
循環水の浄化性能試験を行った。この試験は、活性化石
としての浄化能力を確認するためのもので、アンモニア
イオンの吸着特性試験と、稼働中のプール水を試料とし
た浄化実証試験とを行った。
【0032】アンモニアイオンの吸着試験は、循環水で
ある標準溶液からのNH4 + イオンの経時的変化をラボ
試験するもので、具体的には、塩化アンモニウム標準液
(NH4 + ;11.4mg/リットル)300mリット
ルを3角フラスコに注入して、そのフラスコ内に本発明
の所定粒径(0.59〜1.19mm)の細粒セラミッ
クス瀘材を入れた検体と、入れない検体とを作る。それ
ぞれの検体は、フラスコの開口をゴム栓で密封して、オ
ートシェーカー上でゆっくり往復動させて撹拌し(80
往復/分)、一定時間毎に、残留アンモニアイオンを測
定した。測定結果は、表2および図5に示す如きであっ
た。
【0033】
【表2】
【0034】用意した検体は、No.1からNo.5まで
の5検体で、No.1は本発明の細粒セラミックス瀘材
を全く添加していないブランク水、No.2は本発明の
細粒セラミックス瀘材を15g添加したもの、No.3
は本発明の細粒セラミックス瀘材を30g添加したも
の、No.4は本発明の細粒セラミックス瀘材を45g
添加したもの、No.5は本発明の細粒セラミックス瀘
材を90g添加したものである。
【0035】傾向としては、本発明の細粒セラミックス
瀘材の添加量が多くなるほど、アンモニアイオンの残留
が減少しており、本発明の細粒セラミックス瀘材がアン
モニアイオンの除去に効果的であることが確認された。
本発明の細粒セラミックス瀘材によるアンモニアイオン
の除去は、クリストバライトの主成分である珪酸の結晶
構造(SiO4 4-;シラノール基)による吸着によって
起こっていると考えられる。即ち、結晶外面がシラノー
ル基によりマイナスに帯電しているため、プラスイオン
であるNH4 + が引き寄せられ、電気的に中性を保つこ
とに起因していると考えられる。
【0036】尚、使用した本発明の細粒セラミックス瀘
材は、いずれも十分に新鮮であり、硝化バクテリア(ニ
トロソモナス,ニトロバクタ)による生物的硝化(NH
4 +→NO2 - NO3 2-)によるNH4 + の低減とは
考えられない。一方、稼働中のプール水を試料とした浄
化実証試験は、稼働中のプール水を採取したものを検体
とし、それに粒径が0.59〜1.19mmの本発明の
細粒セラミックス瀘材を添加して、振動撹拌による有機
汚濁(過マンガン酸カリウム消費量)、NH4−Nの経
時的な低減、大腸菌の有無等を測定した。
【0037】プール水の採取は、該当のプールが最も高
負荷となる夕方6時半に行い、採取後直ちに振動テーブ
ル上のポリ容器に入れたプール水に本発明の細粒セラミ
ックス瀘材15等を添加した検体を作り、毎分95回の
往復動により撹拌処理した。その時の室内温度は、5℃
であり、一定時間経過毎に、過マンガン酸カリウム消費
量およびNH4−Nの経時的な低減、大腸菌の有無等を
測定した。
【0038】なお、測定した検体は、No.1からNo.
5までの5種類であり、No.1はプール水そのままの
ブランク水、No.2は本発明の細粒セラミックス瀘材
を5g添加したもの、No.3は本発明の細粒セラミッ
クス瀘材を30g添加したもの、No.4は本発明の細
粒セラミックス瀘材ではなく石英斑岩を5g添加したも
の、No.5は本発明の細粒セラミックス瀘材ではなく
珪砂を5g添加したものである。No.4の検体に添加
した石英斑岩には破砕後に本発明の細粒セラミックス瀘
材と同程度の粒度にふるい分け(粒径が0.59〜1.
19mmのもの)したものを使用し、No.5の検体に
添加した珪砂には4号珪砂(粒径が0.42〜0.84
mmのもの)を使用した。
【0039】過マンガン酸カリウム消費量の経時変化は
表3および図6に示す如きであり、NH4−Nの経時的
変化は表4および図7に示す如きであり、大腸菌の有無
は表5に示す如きであった。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】表3および図6に示したように、過マンガ
ン酸カリウム消費量の経時変化からみると、本発明の細
粒セラミックス瀘材は、12時間後には、添加量の大小
に拘らず、ほぼ同じ程度の有機汚濁低減効果をあげてい
る。そして、石英斑岩を添加した検体では12時間後の
有機汚濁の低減が約12%程度に留っており、また、珪
砂を添加した検体でも14%程度に留っているのに対
し、本発明の細粒セラミックス瀘材を添加した場合で
は、約21%の低減が見られ、有機汚濁の低減効果は、
本発明の細粒セラミックス瀘材の方が、石英斑岩や珪砂
よりも優れた瀘過性能を示すことが確認された。
【0044】なお、No.4の検体の場合は、1時間経
過後は、一旦、10.3mg/リットルに低減するが、
その後、検体であるプール水が薄い褐色になる程度に、
濁りが現れ、これが試験終了まで続いた。この濁りの成
分は、酸化第一鉄であり、この還元性物質のために過マ
ンガン酸カリウム消費量が逆に上昇したと考察される。
また、No.2,3の検体およびNo.5の検体において
は、前述のような濁りは発生しない。
【0045】また、表4および図7に示すように、NH
4−Nの経時的変化も、ブランク水のNH4−Nの濃度に
比して、No.2,3の検体ではそれぞれ約42%,4
7%の低減率が得られ、石英斑岩や珪砂よりも優れた瀘
過性能が得られることが確認された。また、大腸菌の有
無は、各検体を1時間および4時間撹拌後に、それぞれ
の検体を1mリットル採取して、市販の細菌試験紙に浸
漬した後、36℃、20時間の培養を行った結果であ
る。表5に示したように、本発明の細粒セラミックス瀘
材では、良好な除去効果が得られた。
【0046】以上より、一実施例の細粒セラミックス瀘
材によれば、細粒セラミックス瀘材は、珪砂サンドと同
等の粒径のほぼ球形で、しかも、多孔質であるから、こ
れを珪砂サンドの代わりに砂瀘過用の瀘過槽に瀘材とし
て装填して用いることによって、珪砂サンドとしての瀘
過効果と、多孔質性の吸着等による瀘過効果との双方を
得ることができ、石英斑岩等の活性化石を装填した活性
化槽を付加してなる複合処理方式のものと同様に、50
μm以下の濁質や溶解性の有機汚濁やアンモニアイオン
や菌類等の瀘過にも優れた瀘過効果を上げることができ
る。
【0047】しかも、処理槽は、砂瀘過用の単一の瀘過
槽だけで済ませることができ、また、細粒セラミックス
瀘材の機械的強度は焼成工程により向上して珪砂サンド
と同様の強度確保が可能で、逆洗浄時等における瀘材粒
の壊れも防止できるため、逆洗浄等の簡易な瀘材浄化法
を取入れることも可能になる。したがって、瀘過装置の
装置コストやランニングコストの低減と同時に装置の小
型化やメンテナンスの容易化を達成することができる。
【0048】また、瀘材には、例えば、用途等に応じ
て、最大粒径、摩滅率、塩酸可溶率、有効径、均等係数
等の各種物性が規格化され、要求されることになるが、
クリストバライトの半練り状物質を押出成形後に転動成
形する製造方法によって、例えば、日本水道協会によっ
て瀘過砂に要求されている物性規格を満足する実質的最
大粒径が2mm以下の前記細粒セラミックス瀘材を容易
に得ることが可能になる。
【0049】
【発明の効果】本発明の細粒セラミックス瀘材によれ
ば、細粒セラミックス瀘材は、珪砂サンドと同等の粒径
のほぼ球形で、しかも、多孔質であるから、これを珪砂
サンドの代わりに砂瀘過用の瀘過槽に瀘材として装填し
て用いることによって、珪砂サンドとしての瀘過効果
と、多孔質性の吸着等による瀘過効果との双方を得るこ
とができ、石英斑岩等の活性化石を装填した活性化槽を
付加してなる複合処理方式のものと同様に、50μm以
下の濁質や溶解性の有機汚濁やアンモニアイオンや菌類
等の瀘過にも優れた瀘過効果を上げることができる。
【0050】しかも、処理槽は、砂瀘過用の単一の瀘過
槽だけで済ませることができ、また、細粒セラミックス
瀘材の機械的強度は焼成工程により向上して珪砂サンド
と同様の強度確保が可能で、逆洗浄時等における瀘材粒
の壊れも防止できるため、逆洗浄等の簡易な瀘材浄化法
を取入れることも可能になる。したがって、瀘過装置の
装置コストやランニングコストの低減と同時に装置の小
型化やメンテナンスの容易化を達成することができる。
【0051】また、瀘材には、例えば、用途等に応じ
て、最大粒径、摩滅率、塩酸可溶率、有効径、均等係数
等の各種物性が規格化され、要求されることになるが、
クリストバライトの半練り状物質を押出成形後に転動成
形する製造方法によって、例えば、日本水道協会によっ
て瀘過砂に要求されている物性規格を満足する最大粒径
が2mm以下の前記細粒セラミックス瀘材を容易に得る
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る細粒セラミックス瀘材の製造方法
の一実施例の工程説明図である。
【図2】本発明に係る細粒セラミックス瀘材の製造方法
における混練時の説明図である。
【図3】本発明に係る細粒セラミックス瀘材を用いた瀘
過装置の概略構成説明図である。過装置
【図4】各試料の粒度加積曲線を示すグラフ図である。
【図5】本発明の一実施例の細粒セラミックス瀘材によ
るアンモニアイオンの経時変化の説明図である。
【図6】本発明の一実施例の細粒セラミックス瀘材によ
る過マンガン酸カリウム消費量の経時変化の説明図であ
る。
【図7】本発明の一実施例の細粒セラミックス瀘材によ
るNH4−Nの経時変化の説明図である。
【図8】従来の瀘過装置の構成説明図である。
【符号の説明】
14 液槽 15 細粒セラミックス瀘材 16 瀘過槽 17 循環ポンプ 18 送り管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 3/10 ZAB A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主材料がクリストバライトからなり、か
    つ実質的最大粒径が2mm以下でほぼ球形に焼成されて
    なる多孔質セラミックスよりなる細粒セラミックス瀘
    材。
  2. 【請求項2】 クリストバライトを主材料とした半練り
    状物質を押出成形し、この押出成形したものを転動成形
    によりほぼ球形に整形して、その後焼成することにより
    前記多孔質セラミックスを得ることを特徴とした細粒セ
    ラミックス瀘材の製造方法。
  3. 【請求項3】 瀘過対象液を貯留した液槽と、瀘材とし
    て前記請求項1の細粒セラミックス瀘材が装填されると
    ともに該瀘材を通過させる液の流れ方向を変えることに
    よって流入させた液の瀘過あるいは前記瀘材の洗浄が可
    能な瀘過槽と、前記液槽内の液を該液槽と前記瀘過槽と
    の間で循環させる循環ポンプとを備えたことを特徴とす
    る瀘過装置。
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