JPH071850U - 炭を詰め物として使用した寝具 - Google Patents

炭を詰め物として使用した寝具

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JPH071850U
JPH071850U JP3782893U JP3782893U JPH071850U JP H071850 U JPH071850 U JP H071850U JP 3782893 U JP3782893 U JP 3782893U JP 3782893 U JP3782893 U JP 3782893U JP H071850 U JPH071850 U JP H071850U
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和己 柴田
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株式会社ハヤミ
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Abstract

(57)【要約】 [目的]湿気の吸排性、脱臭性等に優れ、四季を通じて
快適に使用できる寝具を提供する。 [構成]マットレス1は、詰め物2を通湿性、通気性、
撥水性、抗菌性、柔軟性等に優れた柔軟性シート3で包
んだ構造を有している。詰め物2は、植物系の炭粒と籾
殻とを適宜割合で混合したものである。マットレス1の
外周縁部とマットレス1を長さ方向に均等に三分割する
二箇所には、ヒートシールにより溶着部4が設けてあ
る。マットレス1には、内部の詰め物2が移動したり偏
りを生じたりしないように交差方向に複数の縫製部5を
設けて全体にキルティング加工が施されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、湿気の吸排性、脱臭性等に優れた植物系の炭を詰め物として使用し た寝具に関するものである。
【0002】
【従来技術】
寝具の条件としては、適度なクッション性があり、触感柔軟で安眠のできる状 態で、保温性、防暑性、衛生的性質を備えていること、および耐久性があること などが必要とされている。 従来の寝具、例えば布団は、基布の中に詰める詰め物として、綿、絹綿、羊毛 、羽毛、ゴムスポンジ等が用いられている。また、布団の基布としては絹、木綿 、麻、化繊等の織物が使用されている。
【0003】 また近年においては、高齢化社会への移行に伴って、いわゆる寝たきり老人の 問題が顕在化してる。人間は寝ているときでも相当の汗をかき、この汗は布団に 吸収される。汗の中にはアンモニアが含まれているため、特に寝たきりの場合、 布団はアンモニア臭を放つようになるので、頻繁に取り替えて洗濯する必要があ る。しかし、この布団の洗濯は大変な手間を要し、介護者不足の問題ともあいま って、現実問題として頻繁に洗濯するというわけにはいかない。
【0004】 ところで、炭には湿気を吸排する湿度調節機能、においを吸着して脱臭効果を 果たす脱臭機能、および保温機能等に優れていることは知られている。本考案者 はこの炭を寝具の詰め物に使用すれば、四季を通じて快適に使用できる寝具が得 られることに着目した。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上記したように炭の湿気の吸排、脱臭、保温あるいは腐菌防止、イオン交換な どの作用は古くから知られていた。しかし、炭は粉化しやすく粒子も小さいので 、綿布等の従来のいわゆる織物素材を基布とすれば、炭粉が織目から外に漏れ出 るために、寝具には使用できなかった。かといって、基布が合成樹脂シートでは 、上記課題点は生じないものの通気性が得られず、炭の持つ上記作用が発揮でき なかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本考案の手段は次の通りである。 第1の手段にあっては、 植物系の炭またはこの炭を含む詰め物を、通気性及び通湿性を有し且つ撥水性 を有する柔軟性シートで包んだ、炭を詰め物として使用した寝具である。
【0007】 第2の手段にあっては、 寝具がマットレス状であり、寝具全体にキルティング加工が施されている、第 1の手段にかかる炭を詰め物として使用した寝具である。
【0008】 第3の手段にあっては、 詰め物内にクッション材で形成された細片が混入してある、第1または第2の 手段にかかる炭を詰め物として使用した寝具である。
【0009】 第4の手段にあっては、 詰め物内にクッション材で形成された芯材が設けてある、第1、第2または第 3の手段にかかる炭を詰め物として使用した寝具である。
【0010】 第5の手段にあっては、 炭は、植物系材料を炭化炉において400℃〜1100℃で炭化させたもので ある、第1、第2、第3または第4の手段にかかる炭を詰め物として使用した寝 具である。
【0011】 本考案に使用する柔軟性シートとしては、例えばフラッシュ紡糸法によるポリ エチレン100%の不織布をあげることができる。この不織布の一例としては、 ルクサ(商標名:旭化成工業(株))があげられる。このルクサは、通湿性、通 気性、撥水性、抗菌性、柔軟性等に優れた素材である。 また、柔軟性シートのシート面に各種印刷、染色、型押しを施すことは任意で ある。
【0012】 詰め物として使用される植物系の炭としては、木、竹、草、籾殻、椰子殻等を 熱分解して炭化させたもの、またはこれらに活性化処理を施した各種活性炭等が あげられる。 なお、詰め物としての炭の形態は、流動性を有する粒子状のものと、木材や竹 材を炭火炉にて炭化し、接着剤を混合して板状としたものがあげられる。 ところで、木材炭のうち針葉樹炭は柔らかく微粉化しやすく、広葉樹炭は逆に 固い。また、竹材炭は脱臭効率に優れるが、竹の繊維が固く刺さりやすいので、 細かくチップ状にして角を除く必要がある。竹材炭の固さは針葉樹炭と広葉樹炭 との中間程度である。
【0013】 マットレスの場合、これらの炭は、例えば竹材炭20重量%、針葉樹炭50重 量%、広葉樹炭30重量%の割合で配合されるが、それに限定されるものではな く、例えば竹材炭10〜30重量%、針葉樹炭40〜60重量%、広葉樹炭20 〜40重量%の範囲内で適宜設定することもできる。また、炭の固化防止のため に籾殻や蕎麦殻あるいはスポンジ細片を混入する等、寝具の種類によって適宜設 定される。 また、炭を通気性および通湿性を有し且つ撥水性を有する柔軟性シートで包ん で基布となし、この基布を使用して、例えば中綿を挟み込むなどして掛け布団等 の寝具を形成することもできる。
【0014】 本考案にいう寝具とは、就寝時に使用する掛け布団、敷き布団、枕などの他、 こたつ布団、椅子用クッション、自動車等の座席用クッション、座布団等を含む 概念である。自動車の座席用クッションとして使用する場合は、静電対策用とし ても有用である。 なお、本考案の構造は寝具の他、家具のクッション部、例えば椅子の座部、肘 掛け、脇息等にも利用可能である。
【0015】
【実施例】
本考案を図面に示した実施例に基づき更に詳細に説明する。 図1は本考案の第1の実施例例を示す一部切欠斜視図である。 符号1は、炭を詰め物として使用した寝具であるマットレスで、詰め物2を柔 軟性シート3で包んだ構造を有している。詰め物2は、植物系の炭粒21と籾殻 22(図4に図示)とを適宜割合で混合したものである。 マットレス1の外周縁部と、マットレス1を長さ方向に均等に三分割する二箇 所には、ヒートシールにより貼着部4が設けてある。 また、マットレス1には、内部の詰め物2が移動したり偏りを生じたりしない ように、交差方向に複数の縫製部5を設けて全体にキルティング加工が施されて いる。なお、マットレス1を押し入れ等に収納する場合は溶着部4で折り畳むこ とができる。
【0016】 本実施例における詰め物2の炭粒21は粒径が3mm以下で、木材および竹材 をチップ状にし炭化炉で400℃〜1100℃前後の高温にて炭化させ水分率5 %前後にしたものである。また炭粒21は、木材炭と竹材炭を混合したものを使 用しており、それらの配合割合は、木材炭の針葉樹炭50重量%、木材炭の広葉 樹炭30重量%、竹材詰め物20重量%である。
【0017】 また、柔軟性シート3は不織布により形成されている。本実施例においては、 フラッシュ紡糸法によるポリエチレン100%の不織布である「ルクサ(商標名 :旭化成工業(株))」を使用している。「ルクサ」は、通気性および通湿性を 有し且つ撥水性、抗菌性、柔軟性等に優れた素材である。また、通気目が細かく 、詰め物2は外部に漏れ出ることはない。 なお、柔軟性シート3は、少なくとも通気性および通湿性を有し、通気目から 詰め物2が外部に漏れ出ないものであれば、紙、天然繊維、合成繊維、または合 成樹脂シートなど、他の素材を使用することもできる。
【0018】 柔軟性シート3の溶着部4の貼着は、本実施例においてはヒートシ−ルによっ て行なっているが、仕上がりをよりきれいにするために、例えば柔軟性シート3 をミシンにて縫い合せ、その上を粘着テープ6にてカバーするようにしてもよい (図4参照)。 なお、本実施例の柔軟性シート3(ルクサ素材)は超音波により接着すること もできる。
【0019】 (作 用) 図1を参照して本実施例の作用を説明する。 マットレス1は、通常はシーツ(図示省略)を掛けて使用される。詰め物2に は湿気を吸排する湿度調節機能、においを吸着して脱臭効果を果たす脱臭機能、 および保温機能等があり、使用者が寝ているときにかいた汗による湿気や、体臭 のにおい成分の一部は、通気性および通湿性を有する柔軟性シート3を通って詰 め物2の炭粒21に吸着される。なお、柔軟性シート3は撥水性も備えており、 汗がシーツを通っても柔軟性シート3ではじかれ、詰め物2に吸収されることは ない。
【0020】 また、詰め物2の炭粒21の吸着能力が低下した場合は、詰め物2を取り替え ればよい。その際、古くなった詰め物2は土中に埋めて土壌改良材として使用で きるので、産業廃棄物を生じない。また、従来の布団等の中綿とは相違して、洗 濯しないでよいので手間が省ける。 このように、マットレス1は、シーツを使用するなどして柔軟性シート3を清 潔に保ちながら必要に応じて詰め物2を取り替えれば、四季を通じて快適に使用 できるものである。
【0021】 図2は本考案の第2の実施例を示す一部切欠斜視図である。 本実施例の枕1aの詰め物2aは、層状の炭粒21の中心部にスポンジ製の芯 材23が収容してあるもので、枕1aはこれを柔軟性シート3で包み、前記マッ トレス1よりやや厚く形成されている。 枕1aの外周縁部は、ヒートシールにより溶着部4が設けてある。また、柔軟 性シート3内部の炭粒21は移動できるようになっており、これにより炭粒21 の吸着面が有効に活用されて吸着能力が長持ちする。また、芯材23の作用によ りクッション性に優れ、使用感が良好である。なお、他の作用効果については、 前記マットレス1とほぼ同様である。
【0022】 図3は本考案の第3の実施例を示す一部切欠斜視図である。 本実施例の座布団1bの詰め物2bは、炭粒21にスポンジ製の細片24が実 質的に均一に分散するように混入されているものである。これによると、座布団 1bは細片24の作用によりクッション性に優れ、使用感が良好である。なお、 他の作用効果については、前記マットレス1とほぼ同様である。 本考案は図示の実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲の 記載内において種々の変形が可能である。
【0023】
【考案の効果】
本考案は上記構成を備え、次の効果を有している。 (a)植物系の炭は、湿度調節機能、脱臭機能、保温機能等に優れてはいるが、 炭の粒子は小さく、綿布等の従来の素材では炭粉が織り目から外に漏れ出てしま うために活用できないでいた。しかし本考案では、通気性および通湿性を備えな がら、通気目が細かく、撥水性を有する不織布からなる柔軟性シートで炭を包む ようにしたので、炭粉が外部に漏れ出ず、マットレス等の寝具として使用ができ るようになった。これにより、湿気の吸排性、脱臭性等に優れた、四季を通じて 快適に使用できる寝具が提供できる。
【0024】 (b)寝具の詰物として植物系の炭を使用したので脱臭性に優れ、例えば寝たき り病人の寝具のアンモニア臭対策にも有用である。 (c)寝具を押し入れに収容した場合は、炭が押し入れの中の室内調湿材として の機能も果たすので便利である。 (d)詰め物の交換の際に生じる古くなった炭は、土に埋めれば土壌改良材とな るので無公害で廃棄でき、無駄がない。 (e)詰め物内にクッション材で形成された芯材および細片を収容混入したもの は、寝具のクッション性に優れ、使用感が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す一部切欠斜視図。
【図2】本考案の第2の実施例を示す一部切欠斜視図。
【図3】本考案の第3の実施例を示す一部切欠斜視図。
【図4】柔軟性シートの溶着部分の他の例を示す説明
図。
【符号の説明】
1 マットレス 2 詰め物 21 炭粒 22 籾殻 23 芯材 24 細片 3 柔軟性シート 4 溶着部 5 縫製部

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物系の炭またはこの炭を含む詰め物
    を、通気性及び通湿性を有し且つ撥水性を有する柔軟性
    シートで包んだことを特徴とする、炭を詰め物として使
    用した寝具。
  2. 【請求項2】 寝具がマットレス状であり、寝具全体に
    キルティング加工が施されている、請求項1記載の炭を
    詰め物として使用した寝具。
  3. 【請求項3】 詰め物内にクッション材で形成された細
    片が混入してある、請求項1または2記載の炭を詰め物
    として使用した寝具。
  4. 【請求項4】 詰め物内にクッション材で形成された芯
    材が設けてある、請求項1、2または3記載の炭を詰め
    物として使用した寝具。
  5. 【請求項5】 炭は、植物系材料を炭化炉において40
    0℃〜1100℃で炭化させたものである、請求項1、
    2、3または4記載の炭を詰め物として使用した寝具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017153906A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 医療用保温具及び医療用保温キット

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52134407U (ja) * 1976-04-05 1977-10-13
JPH04128656U (ja) * 1991-05-16 1992-11-24 株式会社チヤコール 弾縮性袋体

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JP2502707Y2 (ja) 1996-06-26

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