JPH07184966A - 歩行補助装置 - Google Patents

歩行補助装置

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JPH07184966A
JPH07184966A JP5334937A JP33493793A JPH07184966A JP H07184966 A JPH07184966 A JP H07184966A JP 5334937 A JP5334937 A JP 5334937A JP 33493793 A JP33493793 A JP 33493793A JP H07184966 A JPH07184966 A JP H07184966A
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JP
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user
walking
holding arm
control
holding
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JP5334937A
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English (en)
Inventor
Chuichi Miyazaki
忠一 宮崎
Masakatsu Fujie
正克 藤江
Tomoyuki Tani
知之 谷
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】歩行機能障害者の機能補助および機能回復のた
めに用い、介助者を必要とせず効果的な歩行介助を行な
える歩行補助装置を提供する。 【構成】使用者からの力が作用する使用者の保持部1
1、保持ア−ム6、ア−ム6を駆動するアクチュエ−タ
部、移動機構3駆動部などに作用力検出器24を設け、
前記検出器24からの検出値とその目標値とを比較して
前記使用者保持部11を力制御する制御手段とを備え、
常にその保持部11に作用する力が、目標値と等しくな
るように保持ア−ム6を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高齢者やリハビリテ−シ
ョンを必要とする者の歩行を介護することができる歩行
補助装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の移乗機や歩行介助装置においては
大きく2つに分類される。その1つはリフトタイプのも
のであり、吊り具などを介して小型クレ−ン、ホイスト
などのような物で吊り上げられ、完全に宙に浮いた状態
でリモコンなどを使用して移動するものである。もう1
つは、従来型手動車椅子または電動車椅子に代表される
ような、車輪が付いた移動機構の上に自力または介助者
の助けを借りて乗り、機能が衰えていない上半身の力や
介助者の助けを借りて移動するものである。
【0003】また、移動を補助する装置においては障害
物の衝突回避や、目的地、例えばトイレの便器などへの
アプロ−チ制御は、それを運転するものの力量にまかさ
れていた。
【0004】さらに実開平2−42625号公報には、
使用者を上方へリフトすることにより重力を軽減して歩
行を容易にし、しかも歩行中その軽減重量を一定にする
歩行訓練機が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では多くの
場合、移動時には脚に全く負担がかからないことが共通
点であり、ある意味では使用者にとって楽ではあるが、
逆に軽度の障害の段階では脚を使わないことによって機
能の衰えが加速するという問題点があった。
【0006】さらに、これらの装置を使って介助者の助
けを借りて排泄を済ます場合、他人に見られたくないと
いうのが人間の心理であり、また特にクレ−ンタイプの
移動装置では、精神的には荷物としての扱いを受けてい
ると感じ、人間の尊厳を損なわれかねないというような
問題点があった。
【0007】また、、公知例に開示されているような訓
練機では、歩行範囲が制限され、例えばベッドからの移
乗や、トイレへの歩行補助への適用は考慮されていなか
った。 さらに、運転するものの力量によっては、移動
の際に経路上に障害物がある場合、移動装置の陰になっ
てそれに気付かずに衝突する危険があったり、それをよ
ける操作にてこずったり、また目的地、例えばトイレの
便器などへのアプロ−チにてこずり、介護されるひとの
失禁を招いたりする問題点があった。
【0008】本発明の第1の目的は、完全な支持ではな
く、力制御により部分的な支持を行なうと同時に移動補
助を行なうことにより、弱った足腰の機能の衰えをゆっ
くりにするような歩行補助装置を提供することにある。
【0009】また、本発明の第2の目的は、対話型の簡
単な操作により介護者な助けなしで使用できるようにす
ることで、例えばベッドからの抱き上げ、トイレへの移
動、トイレへの抱き下ろしまでの一連の動作を実現する
ことが可能な歩行補助装置を提供することにある。
【0010】また、本発明の第3の目的は、前記の歩行
補助装置において、経路上の障害物を検知して衝突を回
避したり、目的地への接近をサポ−トする制御が可能な
歩行補助装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の第1の目
的は、歩行補助装置において、使用者からの力が作用す
る使用者保持部、保持ア−ム、ア−ムを駆動するアクチ
ュエ−タ部、移動機構部、あるいは移動機構駆動部など
に作用力検出手段を設け、さらに、前記検出器からの検
出値とその目標値とを比較して前記使用者保持部を力制
御する制御手段とを備えることにより達成される。
【0012】また、本発明の上記の第2の目的は、前記
歩行補助装置において、例えばベッドからの抱き上げ制
御、トイレへの移動制御、トイレへのアプロ−チ制御、
トイレへの抱き下ろし制御などを組み合わせた動作シ−
ケンスを記憶した記憶装置と、そのシ−ケンスを使用者
に知らせる表示装置と、その表示に対して使用者が応答
する入力装置とを備えることにより達成される。
【0013】また、本発明の上記の第3の目的は、前記
歩行補助装置において、障害物との衝突や目的地対象物
への接近が予想される部分に近接検出手段を備え、さら
に、前記検出器からの検出値の変化分が所望の方向(増
加又は減少)に変化するように制御する制御手段とを備
えることにより達成される。
【0014】
【作用】この構成において、本発明の上記の第1の目的
は、使用者保持部に保持された使用者が、移動のために
力をかけたり姿勢を変化させたりすると、からの力が作
用する使用者保持部、保持ア−ム、ア−ムを駆動するア
クチュエ−タ部、移動機構部、あるいは移動機構駆動部
などに設けた前記作用力検出手段により検出される。そ
の検出結果は、制御手段に伝えられる。制御手段では、
力検出値とその目標値とを比較し、力検出値が目標値に
一致するように使用者保持部への作用力を制御する。こ
れにより、常にその保持部に作用する支持力(上向きの
力)が、あらかじめ設定した一定値となるように支持部
機構系を制御することで、常に一定の割合で体重の一部
を支えることができる。
【0015】こうして、使用者の全体重を完全に保持す
るのではなく、使用者の脚力の障害の程度により常に一
定の割合で体重の一部のみを体幹保持部により支持し、
残りの体重については使用者の脚力で支持する構成にす
ることにより、使用者の脚力の低下を抑える。
【0016】また、本発明の上記の第2の目的は、使用
者が電源投入後、記憶装置にあらかじめ記憶された動作
シ−ケンスのうち、次に実行される動作が表示装置によ
り使用者に知らせる。その表示に対して使用者が対話形
式で入力装置に応答することによりあらかじめ記憶され
た動作シ−ケンスがステップ的に進められ、例えばベッ
ドからの抱き上げ、トイレへの移動、トイレへの抱き下
ろしまでの一連の動作を介助者の助けなしにひとりで実
現できる。
【0017】さらに、本発明の上記の第3の目的は、障
害物との衝突や目的地対象物への接近が予想される部分
に備えられた近接検出手段による近接情報検出値の変化
分が所望の方向(増加又は減少)に変化するように回避
またはアプロ−チ制御することにより達成される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜10を参照し
て説明する。
【0019】図1は本発明の装置の一実施例を示す斜視
図であり、この図1において、1は歩行補助を受ける使
用者、2は使用者1の歩行を補助する歩行補助装置であ
る。
【0020】歩行補助装置2は、移動機構3と、この移
動機構3の前方に設けた支柱4と、この支柱4の上端に
回転軸5を中心に回動可能に設けた保持ア−ム6とを備
えている。
【0021】保持ア−ム6は、可動ア−ムホルダ7とそ
の内部に内蔵された並進用アクチュエ−タ9、および、
両端にストッパ10と使用者保持部11とを備えた可動
ア−ム8とから構成されている。また、使用者保持部1
1の付け根部分には作用力検出器24を、また使用者保
持部11の近傍で使用者1が腕をかけたときに手が届く
範囲に操作盤12を備えている。
【0022】また、回転軸5を中心に保持ア−ム6を回
動するための回転用アクチュエ−タ13および14を、
支柱4の上部と可動ア−ムホルダ7を斜めに支持するよ
うに前後に備えている。
【0023】移動機構3は、その後方に左右に設けた駆
動輪60と、それらの近傍に設けそれらを駆動するサ−
ボモ−タ62と、移動機構3の前方に設けた従動輪61
と、移動機構制御装置15よりなる。
【0024】さらに、移動機構制御装置15の近傍に
は、保持ア−ム制御装置16、センサ制御装置17、電
源装置18などを備えており、これらは移動機構3、支
柱4などと共にボディ−カバ−19によりカバ−されて
いる。
【0025】ボディ−カバ−19の後方には位置決め用
のタッチセンサ20と近接センサ21が、またボディ−
カバ−19の下縁部両サイドと、保持ア−ム6先端のス
トッパ10部には障害物衝突回避用の近接センサ23が
設けられている。
【0026】図2は本発明の装置の制御ブロック図を示
すものであり、この図においてはCPU25を中心に制
御ブロックが構成されている。
【0027】CPU25は記憶装置26に記憶されたプ
ログラムを実行し、動作シ−ケンスを順次実行してゆ
く。CPU25に接続されている操作盤12は、使用者
1への表示と使用者1からの入力をつかさどる。
【0028】同じくCPU25に接続されている保持ア
−ム制御装置16は、使用者保持部11の付け根に設け
た作用力検出器24における保持ア−ム6と使用者1と
の間の作用力測定結果を入力とし、保持ア−ム6を制御
する。
【0029】同じくCPU25に接続されている移動機
構制御装置15は、使用者保持部11の付け根に設けた
作用力検出器24における移動機構3と使用者1との間
の作用力測定結果を入力とし、移動機構3を制御する。
同時に移動機構制御装置15は、外界27からの近接情
報や接触情報を歩行補助装置2の各部に設けた近接セン
サ21、22、23やタッチセンサ20により検出し、
移動機構3を制御するための情報とする。
【0030】図3は本発明の装置の保持ア−ム制御装置
16の制御ブロック図を示すものであり、この構成を説
明する。
【0031】並進用アクチュエ−タ9および回転用アク
チュエ−タ13、14により保持ア−ム6が駆動され発
生する使用者1との作用力44を変換する変換器55
と、目標値41を変換する変換器42と、減算器55、
56、加算器57、および制御ゲイン乗算器48、速度
ゲイン乗算器51より構成される。
【0032】図4は本発明の装置の操作盤12の構成を
示すものであり、電源スイッチ30、Yスイッチ31、
Nスイッチ32、表示部33、スピ−カ−34、マイク
35を備えた構成となっている。
【0033】次に、この構成において各部の動作を説明
する。
【0034】まず、保持ア−ム6の動作を詳しく説明す
る。
【0035】図1において、可動ア−ム8は可動ア−ム
ホルダ7に対して矢印36または矢印37の方向に、並
進用アクチュエ−タ9により駆動される。この場合並進
運動範囲は、並進用アクチュエ−タ9のストロ−クで決
まるが、それが可動ア−ムホルダ7より長い場合には可
動ア−ム8の右側に付いているストッパ10と、可動ア
−ム8の左側に付いている使用者保持部11により制限
され、これらが可動ア−ムホルダ7の両端面に当たらな
い範囲でスライドできる。
【0036】一方、可動ア−ムホルダ7、つまりは保持
ア−ム6全体は回転用アクチュエ−タ13および14に
より支柱4に対して矢印38または矢印39の方向に駆
動される。この場合回動範囲は、回転用アクチュエ−タ
13、14のストロ−クで決まる。
【0037】歩行障害を持った使用者1、例えば高齢者
や障害者は、両腕をかけ脇の下を支持する使用者保持部
11を先端に付けた保持ア−ム6により駆動さる。具体
的には、前記各アクチュエ−タにより保持ア−ム6の姿
勢が変化し、それにより使用者保持部11の位置がこの
図面内で2次元的に変化する。使用者保持部11の位置
変化は使用者1との相対位置変化となり、それにより使
用者1から使用者保持部11への作用力が変化する。こ
のような作用力変化は作用力検出器24により検出され
る。この図では作用力検出器24は使用者保持部11の
根元に配置されているが、使用者からの作用力が検出で
きる例えば保持ア−ム6部、保持ア−ム6を駆動するア
クチュエ−タ9、13、14部、支柱4部、または駆動
輪60に相当する移動機構駆動部などに設置してもよ
い。
【0038】例えばアクチュエ−タ9、13、14や駆
動輪60の駆動に電動モ−タなどの回転駆動源を使用し
ている場合には作用力検出器24としてはトルクセンサ
などが、また保持ア−ム6、支柱4などに作用する力を
検知する場合には作用力検出器24としては、たわみ量
を測定する歪ゲ−ジなどが使用できる。
【0039】このようにして、例えば使用者保持部11
の根元に配置された作用力検出器24により検出された
下方向の力は、保持ア−ム6の制御に利用される。
【0040】制御系の詳細は図3の制御ブロック図を用
いて詳細に説明するが、簡単に言えば、作用力検出器2
4で検出される下方向の作用力が、あらかじめ記憶装置
26に記憶されている目標値と常に等しくなるように保
持ア−ム6の姿勢が保持ア−ム制御装置16によって制
御される。
【0041】この例では使用者保持は脇の下を支持する
構成となっているが、使用者の障害程度などにより腰な
ど他の部位の支持方式、またはそれらの複合による支持
方式でもよい。
【0042】歩行補助のためには各種の制御モ−ドを切
り替えて介助を行う。例えば、まず車椅子やベッドに座
っている使用者のところへ保持ア−ム6を差し伸べるた
めに使用者保持部11側を下げ、保持ア−ム6を伸ばし
て使用者にアプロ−チし、使用者が乗り易くする。使用
者が腕をかけた後、保持ア−ム6を縮めながら使用者保
持部11を上げ、抱き起こしまたは抱き上げ制御を行
い、使用者が立った状態では一定の上方向介助力を発生
させる力制御を行う、というように各アクチュエ−タが
動作する。
【0043】このとき抱き起こしまたは抱き上げ制御で
は使用者1の全体重に近い保持力を発生する必要がある
ので、記憶装置26にあらかじめ記憶しておく保持力目
標値は使用者の体重またはそれに近い値とすればよい。
一方、使用者1が立った状態での一定上方向介助力を発
生させる力制御では、使用者1の障害の度合いに応じて
記憶装置26にあらかじめ記憶しておく保持力目標値を
変えてやれば、その目的にあった歩行補助を実現するこ
とが出来る。
【0044】例えば、脚がかなり弱ってほとんど脚力が
ないような使用者の場合は、目標値を使用者の体重に近
い値に設定し、ほとんど体が浮くような状態で補助され
る。
【0045】また、少しの補助があれば歩行可能な使用
者の場合は、その状況に応じた目標値を設定すればよ
い。
【0046】このように、完全に使用者1を支持するば
かりでなく、体重の一部分だけを支えて、あとは自分の
脚力で歩くことを実現することが本発明の最大の特徴で
ある。このようにすることで、使用者1の脚力のさらな
る低下が防げるばかりでなく、自分で歩行補助装置を操
作して一部分は自力で歩いているという意識により自立
意欲を向上させる効果もある。さらに、この歩行補助装
置をこのような状態で繰り返し使う中で脚力が回復した
場合は、その度合いに応じて次第に保持力目標値を下げ
ることにより効果的な歩行訓練が実現できるというメリ
ットもある。
【0047】次に移動機構の動作を詳しく説明する。
【0048】図1に示す歩行補助装置では、前記保持ア
−ム6は移動機構3の上に搭載されており、移動機構3
とともに移動する。この図では移動機構3の駆動は駆動
輪60であり、車輪として図示してあるが、脚、キャタ
ピラ、その他どのような駆動方式でも本発明は実施でき
る。
【0049】移動機構3の下部には駆動輪60と従動輪
61を持ち、平面内を走行可能である。この例では駆動
輪60の駆動源としてサ−ボモ−タ62がその近傍に設
置されており、図示されていない変速機構、ベルトなど
で動力が伝達される。この実施例の場合は駆動輪60は
左右2つで、その駆動速度の差や駆動方向の違いによっ
て操蛇方向を決定する方式で信地旋回など小さな回転半
径を実現する構成とし、従動輪61はキャスタ−タイプ
のものひとつで、車輪の向きは駆動輪60による操蛇方
向に自由に向く構成としているが、この方式は一例であ
り、従動輪、駆動輪の数の組み合わせやそれらの配置な
どは設計思想に応じて自由に変えてもよい。また当然、
操蛇方式も操蛇機構を設けた例なども実施できる。
【0050】使用者保持部11の根元に配置された作用
力検出器24により検出された前方向の力は、移動機構
3の制御に利用される。つまり、先と同様に作用力検出
器24で検出される移動方向作用力検知により、使用者
の進みたいとしている方向と作用力を演算し、その作用
力があらかじめ記憶装置26に記憶されている目標値と
常に等しくなるように駆動輪60の駆動力が移動機構制
御装置15によって制御される。この目標値は例えば作
用力の20パ−セントと設定し記憶しておけば、常に前
方向移動力の20パ−セントがこの発明の歩行補助装置
により補助され、残りの移動力は使用者が発生して移動
を行なうことで移動補助が実現される。
【0051】補助する力の度合いは使用者の状態に合わ
せてあらかじめ自由に設定することができる。こうする
ことによって、使用者が進みたい方向に力を加えるだけ
でその方向への移動補助が実現され、何ら複雑な操作は
必要でなく、高齢者や障害者にとって使いやすい優しい
システムとなる。当然、使用者がその位置に停止してい
ることを希望している場合はこれらの作用力はゼロであ
り、車輪駆動補助も行わない。
【0052】さらにこの実施例では、障害物検知用とし
て近接センサ23を保持ア−ム6の先端部に、また近接
センサ22をボディカバ−19の下縁部などに設置し、
使用者が移動中に気付かずに接近した障害物を検知して
警報を出す、または回避する機能を持っている。近接セ
ンサの実装部位は衝突の可能性がある部位全体に設置す
ることが本来効果的だが、処理すべきセンサデ−タ量や
処理時間が膨大になり、さらにコストが高くなるなどの
兼ね合いも考慮して、この実施例では衝突の可能性が高
く、特にガラス製の障害物と衝突した場合にガラスを割
って使用者が怪我をする危険性が考えられる部分にのみ
実装している。またボディカバ−19の下縁部の近接セ
ンサ22は、歩行補助装置が段差に衝突して転倒した
り、装置の一部が段差に乗り上げて動けなくなるといっ
た不都合を防止する効果もある。このような用途に使用
される近接センサとしては、超音波式(超音波のパルス
を発信し反射パルスまでの時間差で測定)のものや光学
式(光を投射し反射光量より測定)、あるいはカメラ画像
を利用したものやレ−ザレンジファインダなどが一般的
だがどのようなタイプのものでも適応可能である。
【0053】また、駆動輪60後方の近接センサ21
は、障害物回避用途のみならず、場合によっては制御方
式を衝突回避からアプロ−チ制御に切り換えて、例えば
あとの例で詳しく説明するような簡易トイレへのアクセ
スのときなどに、既知のタ−ゲットに接近するアプロ−
チ制御用のセンサとしても使用することができる。さら
に、同じ部位に位置するタッチセンサ20は、所定のタ
−ゲットに正しくアプロ−チが完了し接触したことを検
知するセンサであり、同じく簡易トイレへのアクセスな
どのときに不完全なアプロ−チ状態で歩行補助装置が使
用者を抱き下ろし、便座とずれたところへ着座して使用
者が怪我をする等の危険性を回避する効果を持つ。
【0054】本装置の前方、低い位置には移動機構制御
装置15、保持ア−ム制御装置16、センサ制御装置1
7、電源装置18などを備えており、これらは移動機構
3、支柱4などと共にボディ−カバ−19によりカバ−
されている。電源は家庭用のAC100Vでもバッテリ
でも構わないが、いずれの場合も各制御装置15〜17
に必要な電圧に変換する変圧器を備えている。これら制
御装置15〜17、電源装置18の重量は歩行補助装置
の重心を下げる効果もあり、これにより歩行補助装置が
転倒する危険性を少なくすることに効果がある。
【0055】また、並進用アクチュエ−タ9および回転
用アクチュエ−タ13、14ともにこの実施例ではフィ
ルム状の電極パタ−ンを組み合わせたフィルム型静電ア
クチュエ−タを積層構造とした積層型静電アクチュエ−
タを使用している。このアクチュエ−タは比較的軽量で
高いエネルギ−密度を発生できるため、最大で大人の全
体重を支持する必要のあるこの実施例のような用途では
その強い駆動力が有効である。尚かつ、図1のように構
造の上部に実装する際にそれ自身が軽量という特性は、
歩行補助装置全体の重量を低減する効果と、歩行補助装
置の重心を低く設定できる効果もあり、それにより安定
性が良く転倒しにくい歩行補助装置を実現できる。
【0056】静電アクチュエ−タの代わりに、従来から
使用されているモ−タと変速機やベルト、ボ−ルネジを
組み合わせたアクチュエ−タや、空気圧または油圧式の
シリンダなどのアクチュエ−タで構成してもよい。
【0057】次に図2を用いて本発明の歩行補助装置全
体のシステム構成を、信号のやりとりを中心に説明す
る。
【0058】使用者1は、操作盤12の表示に対し応答
を入力し、記憶装置26に記憶されている動作シ−ケン
スをCPU25において順次実行してゆく。この動作シ
−ケンスの詳細についてはあとで詳しく説明する。CP
U25は実行するステップに応じ保持ア−ム制御装置1
6、または移動機構制御装置15に指令を送り、それぞ
れ実行命令に対応する制御を要求する。保持ア−ム制御
と移動機構制御は片方が単独に行なわれる場合もあれ
ば、両方が同時に実行される場合もある。例えば、あと
で詳しく述べる抱き上げ、及び抱き下ろし制御のステッ
プでは、保持ア−ム制御だけが単独で行なわれ、その間
移動機構制御は行なわれない(定位置制御を行なって停
止させてもよい)。一方移動制御では保持ア−ム制御と
移動機構制御が同時に行なわれる。これは保持ア−ムに
より体重支持制御をしながら移動機構を移動補助制御し
て走行する場合に相当する。
【0059】保持ア−ム制御は先に詳しく述べたよう
に、使用者1が保持ア−ム6に作用する作用力を作用力
検出器24で検出し、それをフィ−ドバックすることに
より保持ア−ム6を制御する。
【0060】一方、移動機構制御も同様に、使用者1が
移動機構3に作用する作用力を作用力検出器24で検出
し、それをフィ−ドバックすることにより移動機構3を
制御するが、外界27からの障害物接近情報、または位
置決め対象物接近情報などが近接センサ21、22、2
3から、また位置決め対象物との接触情報がタッチセン
サ20からも情報として入力され、その情報が移動機構
制御に利用される点が少し異なる。
【0061】図3は保持ア−ム6の制御ブロック図であ
る。この図を用いて使用者支持制御の概要を説明する。
【0062】保持ア−ム6先端に位置する使用者保持部
11への作用力44は、使用者保持部11の付け根に設
けた作用力検出器24で検出され、アクチュエ−タの指
令値43と同じ物理量(一般の電動モ−タの場合には例
えばトルク)をもつ制御量46に変換器45において変
換される。一方、支持力の目標値41も同様に変換器4
5において変換されアクチュエ−タの指令値43とな
り、減算器55と加算器57に送られる。加算器57に
向かう流れがフィ−ドフォワ−ド制御である。減算器5
5においては、前記制御量46とアクチュエ−タの指令
値43の偏差を求め、制御ゲイン乗算器48においてフ
ィ−ドバックゲインKtを前記偏差に乗じて求めた操作
量を加算器57に送る。減算器55、制御ゲイン乗算器
48がフィ−ドバック制御系を構成する。加算器57で
加算されたアクチュエ−タ目標値49は減算器56に送
られる。
【0063】アクチュエ−タにより発生した速度50
(モ−タの場合は角速度)は、速度ゲイン乗算器51に
おいてあらかじめ設定された速度フィ−ドバックゲイン
Kvを乗じ、その結果を操作量として減算器56に送
る。減算器56ではそれぞれの操作量の差、つまりアク
チュエ−タ制御量偏差52を最終的な操作量としてアク
チュエ−タ9、13、14に送る。
【0064】これら一連の制御により、保持ア−ム6か
らの作用力が常に一定に使用者に作用し、常に一定の支
持力で使用者を保持する制御が実現できる。
【0065】また、目標値41を適宜変更することによ
り、使用者の障害の度合いに応じた適切な介助が実現で
きる。
【0066】さて、この歩行補助装置の使用者である高
齢者や障害者は場合によって判断力や理解力等が衰えて
いることも想定され、このような使用者にとって精神的
にも優しく使いやすい装置であるためには、複雑な操作
や判断は必要とはせず、必要最小限の判断と操作で安全
・確実に動作する装置であることが重要である。
【0067】図4には本歩行補助装置の操作部の一例を
示した。操作盤12上には動作状態や意志確認などを表
示する表示部33があり、例えば「これから抱き上げま
す。よろしいですか?」など、これからの動作予告やそ
れに体する意志確認メッセ−ジなどが表示される。この
表示部33は例えば液晶パネルなどで構成できるが、大
きな文字で明るく見やすくしてあることが重要である。
【0068】また操作盤12の上部にはスピ−カ−34
があり、この例では表示とともに音声により使用者に伝
達する構成としている。このような操作盤により使用者
は対話式で歩行補助装置を操作することが可能となる。
使用者への伝達は、この例のように表示と音声の両方に
限らず、いずれか一方だけでも本発明は実施できる。
【0069】使用者からの入力手段としては例えばスイ
ッチによる入力や音声による入力などが考えられる。
【0070】この実施例では両者を実現するものとして
右上にマイク35が設けられている。従って、以下に示
す「はい」または「いいえ」の返答を音声で応答しても
よい。
【0071】スイッチとしてはメインの電源スイッチ3
0のほか、意志確認に対する返答用として「はい」を表
すYESスイッチ31(以降、Yスイッチ31と記す)
と、「いいえ」を示すNOスイッチ32(以降Nスイッ
チ32と記す)の3つのみの簡易な構成としている。Y
スイッチ31とNスイッチ32は、照光式の押しボタン
スイッチであり、それぞれの入力要求時のみ点灯する。
さらに具体的には、Yスイッチ31はこの歩行補助装置
が持つ各動作モ−ドが終了して(動作中は消灯)、次の
動作モ−ドへ移行準備ができた時点(ホ−ルド状態)で
点灯すると同時に次の動作を表示部33に表示すること
により使用者に知らせる。この問いかけに使用者は「は
い」または「いいえ」(Yスイッチ31またはNスイッ
チ32押下)で答え、使用者の意志(Yスイッチ31押
下)を確認したあと動作する。Nスイッチ32は常時点
灯(常時入力待ち状態)であり、ホ−ルド状態における
次の動作への意志確認に対してのNスイッチ32押下
は、まだ使用者の準備ができてないものと判断し、しば
らくインタ−バルをとったあと再度問いかけを行う。ま
た、動作中にNスイッチ32を押下すると歩行補助装置
は非常停止し、その時の状態を再度Yスイッチ31が押
されるまでホ−ルドする。
【0072】またメインの電源スイッチ30は、この図
には示されていないがリモコンを使用して遠隔位置から
投入することも可能であり、さらに自動走行プログラム
を組み込んでおけば、使用者の待つ位置へ無人で自動ア
プロ−チすることなども可能である。
【0073】もちろん入力装置は音声またはスイッチの
いずれか一方、またはキ−ボ−ド入力、ディスプレイへ
のペン入力など他の入力方法でも本発明は実施できる。
【0074】次に、本発明の装置を使用環境を想定した
動作を図5乃至図10を用いて詳細に説明する。
【0075】図5は、この歩行補助装置の応用の一例と
してベッド−トイレ移乗機として使用される場合の想定
環境を示すものである。図6、図7はベッドアクセス状
態、図8、図9はトイレアクセス状態の想定図である。
図10は、この歩行補助装置の応用の一例としてベッド
−トイレ移乗機として使用される場合の動作を説明する
ためのフロ−チャ−トである。
【0076】図5に示す想定環境においては、ドア86
と、窓87、88、クロ−ゼット85を備えた6畳間9
2にベッド80、簡易トイレ81をはじめ、テレビ8
2、棚83などが置かれている。ドア86は6畳間92
から廊下84への出入りに利用される。89は本発明の
歩行補助装置2が通常置かれる待機位置を表し、同じく
90は歩行補助装置2のベッドアクセス位置、91は歩
行補助装置2のトイレアクセス位置を示す。仮りに脱臭
機能がついているとしても、心理的にはトイレはなるべ
くベッド80から離れたところに置きたいという心情か
ら、簡易トイレ81はベッド80から少しでも離れた図
5のような位置に設置してある。
【0077】また、図6および図7の93はベッドアプ
ロ−チ用の位置決めタ−ゲット、図8および図9の94
はトイレアプロ−チ用の位置決めタ−ゲットである。
【0078】本発明の歩行補助装置2は、普段使用しな
いときには部屋の隅(ベッドアクセス位置からまっすぐ
前進したところ)の待機位置89に待機している。使用
者1は尿・便意を催すとリモコンで歩行補助装置をコ−
ルする(手順100)。リモコン信号により歩行補助装
置2のメイン電源30がONとなり、まっすぐ後退して
ベッドサイドのベッドアクセス位置90へ移動(手順1
01)して車輪をロックし、あらかじめメモリされた初
期設定位置に保持ア−ム6の姿勢をセットしロックす
る。ここで表示部33には「抱き上げます。よろしいで
すか?」の表示が出ると同時にYスイッチ31が点灯し
て使用者1の応答を待つ(手順102)。
【0079】使用者1は使用者保持部11に腕をかけ、
抱き上げられる準備がOKならYスイッチ31を押下す
る。この時の状態が図6および7に示す状態である。歩
行補助装置2はベッド80の下に設置された位置決めタ
−ゲット93に対して位置合わしてロックされている。
使用者1のYスイッチ31押下のあと抱き上げ動作が開
始され(手順104)、制御信号(関節角、座標、作用
力)より抱き上げ動作完了を検知し、移動制御モ−ドへ
の移行待ちとなる。ここで表示部33には「移動しま
す。よろしいですか?」の表示が出ると同時にYスイッ
チ31が点灯して使用者1の応答を待つ(手順10
5)。
【0080】使用者1が移動準備OKならYスイッチ3
1を押下し、移動制御モ−ドへ移行する。移動制御モ−
ドに切り替わった以降での前方作用力を先に述べた作用
力検出器24により検知すると車輪のブレ−キを解除
し、前方向移動力補助を行う(手順107)。移動制御
モ−ドでは、使用者の体重の一部を常に支える体幹支持
と、前方向への移動力の一部を補助する移動制御の両方
を行う。使用者1の意志(作用力検出器24への作用力
検知による制御)に従い簡易トイレ81の方向に移動す
る。移動の間、経路上の障害物への接近は、近接センサ
21、22、23により検知されプロテクトされる。
【0081】使用者1の感覚に従い簡易トイレ81にア
プロ−チする(手順108)。後方近接センサ21の出
力はトイレの位置決めタ−ゲット94に接近するほど大
きくなるので、その出力がより大きくなる方向へ移乗機
の向きや位置などを修正しながら所定のトイレアクセス
位置91に接近し、タッチセンサ20による位置決めタ
−ゲット94への接触検知によりブレ−キをかけ車輪を
ロックする。ここで表示部33には「抱き下ろします。
よろしいですか?」の表示が出ると同時にYスイッチ3
1が点灯して使用者1の応答を待つ(手順109)。
【0082】使用者1が、抱き下ろされる準備OKなら
Yスイッチ31を押下。抱き下ろし制御を行い(手順1
11)、一旦簡易トイレ81の便座に腰掛けさせる。所
定高さとなったら抱き下ろし制御を終了し、着脱衣制御
待ちとなる。ここで表示部33には「脱衣のため再度抱
き上げます。よろしいですか?」の表示が出ると同時に
Yスイッチ31が点灯して使用者1の応答を待つ(手順
112)。
【0083】再度抱き上げられる準備OKならYスイッ
チ31を押下。着脱衣制御として腰が浮く程度(設定
値)に再度抱き上げる(手順114)。この間に使用者
1は便座のフタを開け、脱衣し(手順115)再度Yス
イッチ31押下で再度抱き下ろし便座に座る。この状態
でア−ムもロックし、再度着脱衣制御待ちとなる。ここ
で表示部33には「着衣のため再度抱き上げます。よろ
しいですか?」の表示が出ると同時にYスイッチ31が
点灯して使用者1の応答を待つ(手順117)。
【0084】このときの状態を図8および9に示す。こ
の状態で使用者1は用便を済ませる(手順116)。使
用者は使用者保持部11を付けたままにしていても外し
ても自由である。
【0085】用便終了後、温水洗浄、温風乾燥ののち抱
き上げられ着衣する準備ができたらYスイッチ31を押
下。着脱衣制御として腰が浮く程度(設定値)に再度抱
き上げ(手順119)、この間に着衣して(手順12
0)便座のフタを閉じ、再度Yスイッチ31押下で再度
抱き下ろし便座に座る。所定高さとなったら着脱衣制御
を終了し、抱き上げ制御待ちとなる。ここで表示部33
には「抱き上げます。よろしいですか?」の表示が出る
と同時にYスイッチ31が点灯して使用者1の応答を待
つ(手順121)。
【0086】抱き上げられる準備ができたらYスイッチ
31を押下。抱き上げ制御動作が開始される(手順12
3)。抱き上げ動作完了を制御信号(関節角、座標、作
用力)より検知し、移動制御モ−ド移行待ちとなる。こ
こで表示部33には「移動します。よろしいですか?」
の表示が出ると同時にYスイッチ31が点灯して使用者
1の応答を待つ(手順124)。
【0087】移動準備OKならYスイッチ31を押下。
移動制御モ−ドに切り替わった以降での前方作用力を作
用力検出器24により検知すると車輪のブレ−キを解除
し、前方向移動力介助を行う(手順126)。使用者1
の意志に従いベッド80の方向に移動する。移動の間、
経路上の障害物への接近は、近接センサ21、22、2
3により検知されプロテクトされる。
【0088】使用者1の感覚に従いベッド80にアプロ
−チする(手順127)。後方近接センサ21により位
置合わせしながら所定位置の位置決めタ−ゲット93に
接近し、タッチセンサ20による位置決めタ−ゲット9
3への接触検知によりブレ−キをかけ車輪をロックす
る。ここで表示部33には「抱き下ろします。よろしい
ですか?」の表示が出ると同時にYスイッチ31が点灯
して使用者1の応答を待つ(手順128)。
【0089】使用者1が、抱き下ろされる準備OKなら
Yスイッチ31を押下。抱き下ろし制御を行い(手順1
30)、ベッド80に腰掛けるところまでサポ−トす
る。所定高さとなったら抱き下ろし制御を終了し、使用
者1は使用者保持部11をはずす。ここで表示部33に
は「退避します。よろしいですか?」の表示が出ると同
時にYスイッチ31が点灯して使用者1の応答を待つ。
【0090】使用者1のYスイッチ31に押下により、
まっすぐ前進して壁際の待機位置89で停止し車輪をロ
ックする。歩行補助装置2はスリ−プ状態に戻り、全動
作を終了する(手順131)。
【0091】以上は、本発明の歩行補助装置を使用する
具体例を示す一実施例であり、使用環境、使用条件など
によりいろいろなシ−ケンスでの使用方法が考えられ
る。
【0092】例えば、高齢者は一般に残尿感が多いと言
われ、一旦トイレを済ませたものの、ベッドへ戻る途中
で再度尿意を催すというようなことも想定される。この
ような問題の対策としては、例えば割り込み再スタ−ト
ボタンを設けておき、移乗機がどのような動作状態にあ
っても、再度抱き上げを行ない(抱き上げられている場
合はそのまま)、移動補助制御へ移って使用者の意志に
従い再度トイレへ向かうことができるようなシ−ケンス
としておけばよい。
【0093】動作シ−ケンスや補助を行う条件(補助制
御の割合)、制御パラメ−タなどは制御プログラムを直
すことにより容易に変更することができる。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、使用者の脚の機能の衰
えを補助し、自由に動きまわれる歩行補助装置を実現す
ることができる。この歩行補助装置によれば100%力
を介助してしまうのではなく、あくまで一部の力を補助
することにより、機能の衰えを防ぐ、また場合によって
は衰えた機能を回復する効果がある。
【0095】また、この歩行補助装置を介護に利用する
ことにより人間の尊厳に係る排泄や入浴などの行為を他
人の介助なしに実現することができ、使用者の尊厳を守
ることができるばかりでなく、使用者の自立意識を育む
ことができる効果もある。
【0096】さらに、近接センサをはじめとする各種セ
ンシング技術により、使用者が予期できない衝突を回避
したり、煩雑な操作なしに確実に目標にアプロ−チする
制御が実現できるので、結果として使用者にとって安全
で使いやすい優しい歩行補助装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歩行補助装置の一実施例を示す斜視図
である。
【図2】本発明の歩行補助装置の制御構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】本発明の歩行補助装置の保持ア−ムの制御ブロ
ック図である。
【図4】本発明の歩行補助装置に用いられる操作部の斜
視図である。
【図5】本発明の歩行補助装置が使用される想定環境の
一例を示す配置図である。
【図6】本発明の歩行補助装置のベッドアクセス状態を
示す斜視図である。
【図7】本発明の歩行補助装置のベッドアクセス状態を
示す側面図である。
【図8】本発明の歩行補助装置のトイレアクセス状態を
示す斜視図である。
【図9】本発明の歩行補助装置のトイレアクセス状態を
示す側面図である。
【図10】本発明の歩行補助装置の動作フロ−チャ−ト
図である。
【符号の説明】
1…使用者、2…歩行補助装置、3…移動機構、4…支
柱、6…保持ア−ム、9…並進用アクチュエ−タ、12
…操作盤、13、14…回転用アクチュエ−タ、15…
移動機構制御装置、16…保持ア−ム制御装置、17…
センサ制御装置、18…電源装置、20…タッチセン
サ、21、22、23…近接センサ、24…作用力検出
器、25…CPU、26…記憶装置、30…電源スイッ
チ、31…Yスイッチ、32…Nスイッチ、33…表示
部、60…駆動輪、61…従動輪、80…ベッド、81
…簡易トイレ、93、94…位置決めタ−ゲット。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用者の歩行を補助する装置において、移
    動体と、この移動体に設けた支柱体と、この支柱体の上
    端に回転可能に設けた保持ア−ムと、この保持ア−ムを
    駆動するアクチュエ−タと、前記保持ア−ムに設けた使
    用者の保持部と、保持ア−ムに設けられ、使用者から作
    用する力を検出する作用力検出手段と、前記作用力検出
    手段からの検出値とその目標値とを比較して前記保持ア
    −ムを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする歩
    行補助装置。
  2. 【請求項2】使用者の歩行を補助する装置において、移
    動体と、この移動体に設けた支柱体と、この支柱体の上
    端に回転可能に設けた保持ア−ムと、この保持ア−ムを
    駆動するアクチュエ−タと、前記保持ア−ムに設けた使
    用者の保持部と、保持ア−ムに設けられ、使用者から作
    用する力を検出する作用力検出手段と、前記作用力検出
    手段からの検出値とその目標値とを比較して前記移動体
    を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする歩行補
    助装置。
  3. 【請求項3】動作パタ−ンおよび制御パタ−ンの記憶手
    段と、それ以降の動作を使用者に知らせる表示装置また
    は音声装置またはそれら両方と使用者がそれに対して答
    えるための入力装置と、使用者と対話型で動作パタ−ン
    を切り換えながらシ−ケンスを実行する手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の歩行補
    助装置。
  4. 【請求項4】動作パタ−ンおよび制御パタ−ンの記憶装
    置と、それ以降の動作を使用者に知らせる表示装置また
    は音声装置またはそれら両方と使用者がそれに対して
    「はい」または「いいえ」で答えるための入力装置とを
    備え、使用者が「はい」、または「いいえ」の2者択一
    式の対話形式で動作パタ−ンを切り換えながらシ−ケン
    スを実行する手段とを備えたことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の歩行補助装置。
  5. 【請求項5】動作パタ−ンおよび制御パタ−ンの記憶装
    置と、それ以降の動作を使用者に知らせる表示装置また
    は音声装置またはそれら両方と使用者がそれに対して答
    えるためにいくつかの数n個のボタンまたは入力スイッ
    チ類を持つ入力装置と、使用者が2者択一、3者択一…
    またはn者択一式の対話形式で動作パタ−ンを切り換え
    ながらシ−ケンスを実行する手段とを備えたことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の歩行補助装置。
  6. 【請求項6】歩行補助装置近傍への物体の接近を検知
    し、警報音や表示などの指示を出力する検知手段を備え
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載の歩行補助装置。
  7. 【請求項7】歩行補助装置近傍への物体の接近を検知
    し、歩行補助装置のそれ以上の接近を防止する指令を移
    動体の制御手段に出力する検知手段を備えたことを特徴
    とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の歩行補
    助装置。
  8. 【請求項8】保持ア−ムを駆動するアクチュエ−タとし
    て静電型のアクチュエ−タを使用することを特徴とする
    請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の歩行補助装
    置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009172413A (ja) * 2003-01-23 2009-08-06 Senoo Yoshiko 起立座位補助装置
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