JPH0718386A - 耐バリ性に優れるFe−Cr合金 - Google Patents
耐バリ性に優れるFe−Cr合金Info
- Publication number
- JPH0718386A JPH0718386A JP16062293A JP16062293A JPH0718386A JP H0718386 A JPH0718386 A JP H0718386A JP 16062293 A JP16062293 A JP 16062293A JP 16062293 A JP16062293 A JP 16062293A JP H0718386 A JPH0718386 A JP H0718386A
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- Japan
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- burr
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- burr resistance
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Abstract
(57)【要約】
【目的】耐バリ性に優れたFe−Cr合金の提供。
【構成】重量%で、Cr:3〜60%、C≦0.002
5%、N≦0.0050%、O≦0.0050%かつC
+N+O≦0.01%、S:0.003〜0.1%を含
み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる耐バリ性に
優れるFe−Cr合金。さらに、下記(1)〜(3)の
グループの少なくとも1種を含有するFe−Cr合金。 (1)Mo:0.1〜20% (2)Ti、Nb、Zr、V、Ta、WおよびBの1種
または2種以上をTi+Nb+Zr+V+Ta+W+5
0Bが0.01〜6%の範囲。 (3)Si、Mn、P、Al、Ni、Co、およびCu
の1種または2種以上を2Si+Mn+P+3Alが3
0%以下、Ni+Co+2Cuが6%以下の範囲。
5%、N≦0.0050%、O≦0.0050%かつC
+N+O≦0.01%、S:0.003〜0.1%を含
み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる耐バリ性に
優れるFe−Cr合金。さらに、下記(1)〜(3)の
グループの少なくとも1種を含有するFe−Cr合金。 (1)Mo:0.1〜20% (2)Ti、Nb、Zr、V、Ta、WおよびBの1種
または2種以上をTi+Nb+Zr+V+Ta+W+5
0Bが0.01〜6%の範囲。 (3)Si、Mn、P、Al、Ni、Co、およびCu
の1種または2種以上を2Si+Mn+P+3Alが3
0%以下、Ni+Co+2Cuが6%以下の範囲。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐バリ性にきわめて優れ
るFe−Cr合金に関する。
るFe−Cr合金に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にFe−Cr合金は耐食性に優れた
材料として多用され、フェライト系ステンレス鋼などが
その好例である。この合金は剪断加工および打ち抜き加
工に供されることが多く、このとき発生するバリは軽度
であるほど有利である。
材料として多用され、フェライト系ステンレス鋼などが
その好例である。この合金は剪断加工および打ち抜き加
工に供されることが多く、このとき発生するバリは軽度
であるほど有利である。
【0003】一方、Fe−Cr合金として、下記の技術
が開示されているが、いずれも耐バリ性を向上させる技
術ではない。 (1)特開昭63−161145号:Cr15〜26
%、Ni9〜35%の高純度鋼を特徴とする鋼管用合
金。 (2)特開昭63−145751号:Cr9〜15%、
Ni3〜13%、N≦0.0020%の高純度鋼を特徴
とするマルエージング鋼。 (3)特公昭56−34626号:Cr16〜25%、
Ca0.0005〜0.025%、でかつ高純度鋼を特
徴とするフェライト系ステンレス鋼。 (4)特公昭59−11659号:C≦0.005%、
N≦0.007%、S≦0.007%、O≦0.005
%、Cr10〜20%、でかつTi0.05〜0.30
%を特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
が開示されているが、いずれも耐バリ性を向上させる技
術ではない。 (1)特開昭63−161145号:Cr15〜26
%、Ni9〜35%の高純度鋼を特徴とする鋼管用合
金。 (2)特開昭63−145751号:Cr9〜15%、
Ni3〜13%、N≦0.0020%の高純度鋼を特徴
とするマルエージング鋼。 (3)特公昭56−34626号:Cr16〜25%、
Ca0.0005〜0.025%、でかつ高純度鋼を特
徴とするフェライト系ステンレス鋼。 (4)特公昭59−11659号:C≦0.005%、
N≦0.007%、S≦0.007%、O≦0.005
%、Cr10〜20%、でかつTi0.05〜0.30
%を特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術にFe−
Cr合金が開示されているが、これらには耐バリ性の向
上を示唆する技術は示されていない。本発明は、とくに
耐バリ性、あるいはさらに耐孔食性、高温強度、溶接部
の耐粒界腐食性に優れるFe−Cr合金を提供すること
を目的とするものである。
Cr合金が開示されているが、これらには耐バリ性の向
上を示唆する技術は示されていない。本発明は、とくに
耐バリ性、あるいはさらに耐孔食性、高温強度、溶接部
の耐粒界腐食性に優れるFe−Cr合金を提供すること
を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は重量
%で、Cr:3〜60%、C≦0.0025%、N≦
0.0050%、O≦0.0050%かつC+N+O≦
0.01%、S:0.003〜0.1%を含み、残部F
eおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする耐バ
リ性に優れるFe−Cr合金を提供する。
%で、Cr:3〜60%、C≦0.0025%、N≦
0.0050%、O≦0.0050%かつC+N+O≦
0.01%、S:0.003〜0.1%を含み、残部F
eおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする耐バ
リ性に優れるFe−Cr合金を提供する。
【0006】本発明はさらに、上記成分に加えて、下記
の(1)〜(3)の少なくとも1つのグループを含有す
るFe−Cr合金を提供する。 (1)Mo:0.1〜20% (2)Ti、Nb、Zr、V、Ta、WおよびBの1種
または2種以上をTi+Nb+Zr+V+Ta+W+5
0Bが0.01〜6%の範囲 (3)Si、Mn、P、Al、Ni、Co、およびCu
の1種または2種以上を2Si+Mn+P+3Alが3
0%以下、Ni+Co+2Cuが6%以下の範囲
の(1)〜(3)の少なくとも1つのグループを含有す
るFe−Cr合金を提供する。 (1)Mo:0.1〜20% (2)Ti、Nb、Zr、V、Ta、WおよびBの1種
または2種以上をTi+Nb+Zr+V+Ta+W+5
0Bが0.01〜6%の範囲 (3)Si、Mn、P、Al、Ni、Co、およびCu
の1種または2種以上を2Si+Mn+P+3Alが3
0%以下、Ni+Co+2Cuが6%以下の範囲
【0007】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
の耐バリ性に優れるFe−Cr合金の構成成分、それと
請求項および実施例との関係を理解し易いように、下表
にまとめて示し、各成分についての作用および限定理由
について説明する。
の耐バリ性に優れるFe−Cr合金の構成成分、それと
請求項および実施例との関係を理解し易いように、下表
にまとめて示し、各成分についての作用および限定理由
について説明する。
【0008】
【表1】
【0009】〔Cr〕Cr合金としての耐食性等を付与
するために3%以上必要であるが、60%を超えると圧
延による製造が困難となるので3〜60%に限定する。
耐食性の観点から好適範囲は5%以上である。
するために3%以上必要であるが、60%を超えると圧
延による製造が困難となるので3〜60%に限定する。
耐食性の観点から好適範囲は5%以上である。
【0010】〔C、N、O〕いずれの不純物もそれぞれ
0.0025%、0.0050%、0.0050%以下
とすることで耐バリ性向上に有効である。とくにCは図
1に示すように0.0025%以下としないと後述のS
の有効利用が図れない。C、N、Oの総量は0.01%
以下とする必要がある。C、N、Oのとくに好適な範囲
は、それぞれ0.0020%以下、0.0030%以
下、0.0030%以下であり、総量の好適範囲は0.
0070%以下である。
0.0025%、0.0050%、0.0050%以下
とすることで耐バリ性向上に有効である。とくにCは図
1に示すように0.0025%以下としないと後述のS
の有効利用が図れない。C、N、Oの総量は0.01%
以下とする必要がある。C、N、Oのとくに好適な範囲
は、それぞれ0.0020%以下、0.0030%以
下、0.0030%以下であり、総量の好適範囲は0.
0070%以下である。
【0011】〔S〕Sは本発明において最とも重要な元
素である。図1に示すように0.003〜0.1%が耐
バリ性向上に有効で、とくに0.005〜0.07%が
好適である。S添加の効果として、硫化物の形態変化に
起因すると考えられる。
素である。図1に示すように0.003〜0.1%が耐
バリ性向上に有効で、とくに0.005〜0.07%が
好適である。S添加の効果として、硫化物の形態変化に
起因すると考えられる。
【0012】〔Mo〕Moは本発明において重要な元素
である。耐バリ性の向上と耐孔食性を兼備するためには
図2に示すように0.1%以上必要であり、20%を越
えるとその効果が飽和するのみならず、熱延性、冷延性
が急激に劣化する。したがってMo含有量は0.1〜2
0%とする。好適範囲は0.3〜17%である。
である。耐バリ性の向上と耐孔食性を兼備するためには
図2に示すように0.1%以上必要であり、20%を越
えるとその効果が飽和するのみならず、熱延性、冷延性
が急激に劣化する。したがってMo含有量は0.1〜2
0%とする。好適範囲は0.3〜17%である。
【0013】〔Ti、Nb、Zr、V、Ta、W、B〕
優れた耐バリ性と高温強度を兼備させるためには、これ
らの一種以上を含有し、0.01%以上、下式に示す範
囲必要である。図3に示すように下限は0.01%であ
るが、とくに0.02%以上が好適である。上限はその
効果が飽和することと経済性から6%とする。 0.01%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦6% ……(1) なお、各元素の好適範囲はTi:0.01〜0.05
%、Nb、Zr、V、Ta、W:0.01〜1%、B:
0.0003〜0.1%である。
優れた耐バリ性と高温強度を兼備させるためには、これ
らの一種以上を含有し、0.01%以上、下式に示す範
囲必要である。図3に示すように下限は0.01%であ
るが、とくに0.02%以上が好適である。上限はその
効果が飽和することと経済性から6%とする。 0.01%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦6% ……(1) なお、各元素の好適範囲はTi:0.01〜0.05
%、Nb、Zr、V、Ta、W:0.01〜1%、B:
0.0003〜0.1%である。
【0014】〔MoとTi、Nb、Zr、V、Ta、
W、Bとの共存〕Ti、Nb、Zr、V、Ta、Wおよ
びBよりなる群より選択された少なくとも1種の成分は
Moと共存することによって、Fe−Cr合金の耐バリ
性および溶接部の耐粒界腐食性を向上させることができ
る。その範囲は下式に示すとおりである。下限より少な
いと上記効果はなく、上限をこえるとその効果が飽和
し、経済的でない。 0.01%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦6% ……(1) Moと上記元素との共存による効果を図4に示す。Mo
が0.1%以上存在するときに、式(1)で示されるよ
うに下限(0.01%)以上において顕著な耐粒界腐食
性が発揮される。
W、Bとの共存〕Ti、Nb、Zr、V、Ta、Wおよ
びBよりなる群より選択された少なくとも1種の成分は
Moと共存することによって、Fe−Cr合金の耐バリ
性および溶接部の耐粒界腐食性を向上させることができ
る。その範囲は下式に示すとおりである。下限より少な
いと上記効果はなく、上限をこえるとその効果が飽和
し、経済的でない。 0.01%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦6% ……(1) Moと上記元素との共存による効果を図4に示す。Mo
が0.1%以上存在するときに、式(1)で示されるよ
うに下限(0.01%)以上において顕著な耐粒界腐食
性が発揮される。
【0015】〔Si、Mn、P、Al、Ni、Co、C
u〕これらの元素は下記式に示される範囲内で含有して
いてもよいが、上限をこえると耐バリ性を損うので、上
限以下に止めるべきである。 2Si+Mn+P+3Al≦30% ………(2) Ni+Co+2Cu≦6% ………(3)
u〕これらの元素は下記式に示される範囲内で含有して
いてもよいが、上限をこえると耐バリ性を損うので、上
限以下に止めるべきである。 2Si+Mn+P+3Al≦30% ………(2) Ni+Co+2Cu≦6% ………(3)
【0016】上記以外の添加可能な元素として、Ca、
Mg、REM、Pb、Bi、Sn、Sb、As、Se、
Te、Beがあり、いずれも耐バリ性向上を劣化させな
い範囲が存在する。Caは0.0005%未満が好適で
ある、それ以外の元素については0.1%以下であれば
耐バリ性への影響がない。
Mg、REM、Pb、Bi、Sn、Sb、As、Se、
Te、Beがあり、いずれも耐バリ性向上を劣化させな
い範囲が存在する。Caは0.0005%未満が好適で
ある、それ以外の元素については0.1%以下であれば
耐バリ性への影響がない。
【0017】本発明のFe−Cr合金は下記に例示する
方法により製造できる。C、N、Oを目的とする範囲に
する製鋼法として真空脱ガス法などが適する。鋳造は生
産性、品質上連続鋳造法が好ましく、所定板厚の鋼材と
するために、熱間圧延、冷間圧延などが実施できる。製
品としては熱延鋼板、冷延鋼板、およびそれらの表面処
理鋼板などが可能である。
方法により製造できる。C、N、Oを目的とする範囲に
する製鋼法として真空脱ガス法などが適する。鋳造は生
産性、品質上連続鋳造法が好ましく、所定板厚の鋼材と
するために、熱間圧延、冷間圧延などが実施できる。製
品としては熱延鋼板、冷延鋼板、およびそれらの表面処
理鋼板などが可能である。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例1)表1に示すFe−Cr合金の製鋼をRH脱
ガスおよびまたはVOD法により行ない、すべて連続鋳
造法によりスラブとした。約200mm板厚のスラブを
1100〜1230℃に加熱・均熱し、熱間圧延機で仕
上温度850〜910℃で板厚約4mmとした。再結晶
焼鈍(850〜900℃)後、酸洗・冷間圧延により約
0.6mmの板厚とした。約850℃で焼鈍・酸洗し、
試料を得た。表面仕上げはいずれも2Bであった。耐バ
リ性試験は次のようにして行なった。板厚0.6mmの
試験片で直径50mmの円形に打ち抜いた後、鋼板圧延
方向に対して0°、45°、90°の3方向についてレ
ーザーによる非接触式粗度計によりバリ高さを測定し、
3方向の平均値をとった。発明例のFe−Cr合金はい
ずれも打ち抜きバリ高さが5μm以下で、極めて耐バリ
性に優れている。
明する。 (実施例1)表1に示すFe−Cr合金の製鋼をRH脱
ガスおよびまたはVOD法により行ない、すべて連続鋳
造法によりスラブとした。約200mm板厚のスラブを
1100〜1230℃に加熱・均熱し、熱間圧延機で仕
上温度850〜910℃で板厚約4mmとした。再結晶
焼鈍(850〜900℃)後、酸洗・冷間圧延により約
0.6mmの板厚とした。約850℃で焼鈍・酸洗し、
試料を得た。表面仕上げはいずれも2Bであった。耐バ
リ性試験は次のようにして行なった。板厚0.6mmの
試験片で直径50mmの円形に打ち抜いた後、鋼板圧延
方向に対して0°、45°、90°の3方向についてレ
ーザーによる非接触式粗度計によりバリ高さを測定し、
3方向の平均値をとった。発明例のFe−Cr合金はい
ずれも打ち抜きバリ高さが5μm以下で、極めて耐バリ
性に優れている。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】(実施例2)実施例1と同様の方法により
表2に示す組成の試料を得た。これらの試料を用いて、
耐バリ性および耐孔食性の評価を行なった。その結果も
併せて表2に示す。なお、図1および実施例2に示した
耐孔食性試験は以下の方法に従った、試料の表面を#5
00エメリー紙で研摩し、80℃、(10%FeCl3
+1/20NHCl)水溶液中で4hr浸漬した後の腐
食減量により算出した腐食速度で評価した。
表2に示す組成の試料を得た。これらの試料を用いて、
耐バリ性および耐孔食性の評価を行なった。その結果も
併せて表2に示す。なお、図1および実施例2に示した
耐孔食性試験は以下の方法に従った、試料の表面を#5
00エメリー紙で研摩し、80℃、(10%FeCl3
+1/20NHCl)水溶液中で4hr浸漬した後の腐
食減量により算出した腐食速度で評価した。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】(実施例3)実施例1と同様の方法により
表3に示す組成の試料を得た。これらの試料を用いて、
耐バリ性および高温強度(高温引張特性)の評価を行な
った。その結果も併せて表3に示す。図3および実施例
3における高温引張特性はJIS G0567に従い、
850℃で耐力を測定した。
表3に示す組成の試料を得た。これらの試料を用いて、
耐バリ性および高温強度(高温引張特性)の評価を行な
った。その結果も併せて表3に示す。図3および実施例
3における高温引張特性はJIS G0567に従い、
850℃で耐力を測定した。
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】(実施例4)実施例1と同様の方法により
表4に示す組成の試料を得た。これらの試料を用いて、
耐バリ性および耐粒界腐食性の評価を行なった。その結
果を併せて表4に示す。なお、図4および実施例4に示
した溶接部の耐粒界腐食性は以下の方法に従った。試料
の表面を#500エメリー紙で研摩し、TIG溶接(ビ
ードオン)を施し、JIS G−0572に準拠した硫
酸−硫酸銅試験後の溶接部曲げ試験(r=2t、180
°曲げ)による割れの程度を5点評価(1:割れなし、
5:大きな割れ)した。
表4に示す組成の試料を得た。これらの試料を用いて、
耐バリ性および耐粒界腐食性の評価を行なった。その結
果を併せて表4に示す。なお、図4および実施例4に示
した溶接部の耐粒界腐食性は以下の方法に従った。試料
の表面を#500エメリー紙で研摩し、TIG溶接(ビ
ードオン)を施し、JIS G−0572に準拠した硫
酸−硫酸銅試験後の溶接部曲げ試験(r=2t、180
°曲げ)による割れの程度を5点評価(1:割れなし、
5:大きな割れ)した。
【0028】
【表8】
【0029】
【表9】
【0030】
【発明の効果】本発明では鋼成分の適正化でFe−Cr
合金の耐バリ性を飛躍的に向上させたものであり、従来
耐バリ性が課題で適用できなかった精密打ち抜き加工な
どへの適用が可能となった。また、付加成分により耐バ
リ性に加えて、耐孔食性、高温強度、溶接部の耐粒界腐
食性に優れたFe−Cr合金を提供できる。この鋼板は
あらゆる表面処理法や、表面仕上げ法に適用できるので
Fe−Cr合金のすべての適用分野へ応用できる。
合金の耐バリ性を飛躍的に向上させたものであり、従来
耐バリ性が課題で適用できなかった精密打ち抜き加工な
どへの適用が可能となった。また、付加成分により耐バ
リ性に加えて、耐孔食性、高温強度、溶接部の耐粒界腐
食性に優れたFe−Cr合金を提供できる。この鋼板は
あらゆる表面処理法や、表面仕上げ法に適用できるので
Fe−Cr合金のすべての適用分野へ応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 N含有量と耐バリ性との関係を示す図であ
る。
る。
【図2】 Mo含有量と耐孔食性との関係を示す図であ
る。
る。
【図3】 (Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50
B)と高温耐力の増加との関係を示す図である。
B)と高温耐力の増加との関係を示す図である。
【図4】 Moおよび(Ti+Nb+Zr+V+Ta+
W+50B)の共存と耐粒界腐食性との関係を示す図で
ある。
W+50B)の共存と耐粒界腐食性との関係を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横 田 毅 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 冨 樫 房 夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で、Cr:3〜60%、C≦0.0
025%、N≦0.0050%、O≦0.0050%か
つC+N+O≦0.01%、S:0.003〜0.1%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなることを
特徴とする耐バリ性に優れるFe−Cr合金。 - 【請求項2】請求項1に記載の成分に加えて、Mo:
0.1〜20%を含むことを特徴とする耐バリ性に優れ
るFe−Cr合金。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の成分に加えて、
Ti、Nb、Zr、V、Ta、WおよびBの1種または
2種以上をTi+Nb+Zr+V+Ta+W+50Bが
0.01〜6%の範囲で含むことを特徴とする耐バリ性
に優れるFe−Cr合金。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の成分に加
えて、Si、Mn、P、Al、Ni、Co、およびCu
の1種または2種以上を2Si+Mn+P+3Alが3
0%以下、Ni+Co+2Cuが6%以下の範囲で含む
ことを特徴とする耐バリ性に優れるFe−Cr合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16062293A JPH0718386A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 耐バリ性に優れるFe−Cr合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16062293A JPH0718386A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 耐バリ性に優れるFe−Cr合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0718386A true JPH0718386A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15718918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16062293A Pending JPH0718386A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 耐バリ性に優れるFe−Cr合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0718386A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7258570B2 (en) | 2004-06-25 | 2007-08-21 | Smk Corporation | Connector for flexible board |
JP2012211379A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Nisshin Steel Co Ltd | 二次加工性および耐Cr蒸発性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16062293A patent/JPH0718386A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7258570B2 (en) | 2004-06-25 | 2007-08-21 | Smk Corporation | Connector for flexible board |
JP2012211379A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Nisshin Steel Co Ltd | 二次加工性および耐Cr蒸発性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030212 |