JPH0718361Y2 - 食器洗浄器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は食器洗浄器に関するものである。

「従来の技術」 一つのポンプの正転、逆転で噴射と排水を夫々行う場合
正転洗浄を行う時は、噴射時の強力な水圧によってポン
プ内の閉じられた可動弁の隙間より漏水がおこり、吐出
口より外部に流出するため中間に電磁弁或いは、圧力弁
を介在して遮断していた。

「考案が解決しようとする問題点」 従来は噴射用、排水用として一つのポンプの正、逆転で
行う場合は、排水口管に電磁弁を介在して正転つまり噴
射の時は、該弁の電磁コイルへの通電を切り、閉路にし
て噴射時の漏水をなくし、ポンプを逆転して排水時は該
弁の電磁コイルに通電して、開路にして吐出口より外部
に流出させていた。そのため、電磁弁と言う高価な機器
を使用しなければならなかった。本考案が解決しようと
する問題点は、電磁弁を使用せず単なるバネ又はゴム性
の弾力で水圧に応じて開閉出来るような圧力弁にしたも
のであるが、噴射時点の漏水の水圧と排水時の水圧との
差が少ないので、圧力弁に使用するバネ圧力又はゴム圧
力を水圧差に対し調整するのが難しく、又量産時の圧力
弁、ポンプのバラツキによってもバネ圧、コム圧を一定
にする事が難しいと言う問題点があった。

「問題を解決するための手段」 本考案は上記の種々の問題をなくすよう、排水口と吸水
口との間をバイパス細管で結合する事により、電磁弁を
使用しないで且つ圧力弁に使用するバネ又はゴムの圧力
を一定にしても、無調整のまま圧力弁としての機能を果
たすようにしたものである。

「作用」 駆動用モータの軸に取付けたポンプのインペラの位置が
ポンプ中心より偏心している構造の場合は、噴射効果が
高いので逆転して排水する時、噴射口に特別に噴射口を
閉路する可動弁を設ける必要がない事が実験上認められ
たが、インペラがポンプ中央に配置した場合は噴射、排
水力は同一であるため、噴射口を閉路する可動弁がない
と排水時の効率が噴射口より空気を吸入して悪くなる事
が実験上認められた。本考案は前者、後者の場合を問わ
ず、可動弁をポンプ内の排水口に取付けた場合について
述べると正転、逆転の際のポンプ内の渦流の流れが順応
する場合は閉路に働き、逆向の場合は開路に働くように
した可動弁を設けたポンプ構成に、排水口と吸水口との
間にバイパス細管を特設し併せて、外部に汚水を吐出さ
せる吐出口と排水口との間に圧力弁を介在させた構成に
しておくと、噴射時の強力なポンプ圧によって閉じられ
た筈の可動弁の隙間から漏水が始まり、その圧力が大き
くなって圧力弁を押し上げようとするのもバイパス細管
を通して吸水口へ漏水が吸込まれるため、排水口より出
た漏水圧力は零に近くなって、バネで押されているピス
トン弁の圧力弁を押し上げる事が出来ない。又逆転排水
時は可動弁が開き、その排水能力は大きいのでたとえ、
バイパス細管を通して汚水が逃げても全体の量の数％で
あるため、圧力弁のバネに抗して水流がピストンを押し
上げ、所定の位置までピストンが上がった処で吐水口の
口が開き、そこより汚水が外部に吐出すようになる。

「実施例」 本考案を図について説明すると（１）は本体蓋、（２）
は食器洗浄器本体、（３）はモータで、モータ（３）の
回転軸にポンプ（４）が取付けられ、ポンプ中央吸水口
（５）は洗浄水槽（９）に導かれる。ポンプ（４）の洗
浄水噴射口（６）上には洗浄水噴射用の回転ノズル
（７）が噴射の反動で回動自在に動くよう冠着される。
（８）はポンプを逆転した場合の汚水の排水口で導管を
通し吐出口（21）より外部に排出される。（11）はポン
プ（４）のインペラで、（12）は可動弁で、該弁（12）
の支点には丸棒状とした支点軸（14）があり、該軸（1
4）はポンプ本体のケース枠の凹部（16）に自由に可動
出来るようにかん納される。該弁（12）上には浮子（1
3）が設けられ、該浮子（13）の水の浮力で該弁（12）
を常時開路に働かせるようにしてある。該弁（12）は支
点軸（14）に対する傾度が渦流に対し、順方向（実線の
矢印）の場合は水圧により傾倒して排水口（８）を閉じ
るが、ポンプのインペラ（11）が逆転して排水する場合
は逆渦流となり（点線の矢印）水流の一部が浮子（13）
に当たり、該弁（12）は支点軸（14）を中心として押し
上げられて開き、排水口（８）へ汚水が排出される。
（15）は可動弁（12）が閉じる場合のストッパー兼用の
シール枠である。（17）は本考案のバイパス細管で、排
水口（８）と吸水口（５）との間で連結される。（18）
は圧力弁でバネ（20）でピストン（19）が開口受部（2
2）を押圧して、常時開口受部（22）を閉ざしめる。（2
3）はピストン上部に取付けたガイドピンである。（1
0）は食器である。

「考案の効果」 以上述べたように本考案は、高価な電磁弁を省略してポ
ンプ内の過流の水圧で作動する簡単な可動弁とバイパス
細管とで代替することによって大幅なコストダウンがで
きると共に、上記簡単な構造の可動弁がもつ機能的な欠
陥、即ち噴射時に閉じられている筈の可動弁の隙間から
漏水が始まり、排水口管内の水圧が上昇し、吐出口と排
水口管かとの間に設けられている圧力弁が押し上げられ
て洗浄水が外部に吐出されてしまう、といった現象を、
排水口と吸水口との間にバイパス細管を設けたことによ
って排水口に流入した漏水を吸水口へ吸込ませ、これに
より排水口管内の水圧の上昇をなくして洗浄水が外部に
漏出することを確実に防止することが出来る、といった
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は食器洗浄器の側断面図、第２図は本考案の拡大
断面図である。 （４）……ポンプ （５）……吸水口 （８）……排水口 （９）……洗浄水槽 （17）……バイパス細管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】排水口近くに可動弁が設けられ、ポンプの
   正転逆転で洗浄水槽よりポンプの吸水口へ吸引された洗
   浄時の洗浄水の噴射と洗浄後の汚水の排水を行うように
   した食器洗浄器において、ポンプの正転逆転によるポン
   プ内の過流の水圧で可動弁を開閉出来るようにし、且つ
   洗浄時の洗浄水の噴射を行うポンプ正転時に排水口に流
   入した漏水を吸水口へ逃がすように排水口と吸水口との
   間にバイパス細管を設けたことを特徴とする食器洗浄
   器。