JPH07183585A - 超伝導回路 - Google Patents

超伝導回路

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JPH07183585A
JPH07183585A JP5328366A JP32836693A JPH07183585A JP H07183585 A JPH07183585 A JP H07183585A JP 5328366 A JP5328366 A JP 5328366A JP 32836693 A JP32836693 A JP 32836693A JP H07183585 A JPH07183585 A JP H07183585A
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superconducting
ground plane
power supply
circuit
opening
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JP5328366A
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Takeshi Imamura
健 今村
Tetsuyoshi Shioda
哲義 塩田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超伝導電源線を超伝導デバイスに対して超伝
導接地面の反対側に設ける構造の超伝導回路において、
超伝導接地面に設けられたモートの機能を有効に発揮
し、超伝導デバイスの磁束トラップによる誤動作を防止
した超伝導回路を提供することを目的とする。 【構成】 超伝導デバイス13と、超伝導接地面11
と、超伝導配線12とを有して構成し、超伝導デバイス
13と超伝導配線12が、超伝導接地面11を挟んで対
向して配置されている超伝導回路において、超伝導配線
12は、超伝導接地面11に設けられている超伝導で囲
われた開口部17と、当該超伝導回路の上部より見て重
なりを持つような開口部18を備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超伝導デバイスを用いた
超伝導回路の構造に係り、特に、超伝導電源線を超伝導
デバイスに対して超伝導接地面の反対側に設ける構造の
超伝導回路において、超伝導接地面に設けられたモート
の機能を有効に発揮させ、超伝導回路の誤動作の原因と
なる超伝導デバイスへの磁束トラップを予防した超伝導
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超伝導回路、例えばジョセフソン
回路では、共通の超伝導接地面上に接合、抵抗、配線等
の回路構成要素が配置されている。従来の超伝導回路
(第1従来例)の断面図を図6(a)に示す。
【0003】図6(a)において、51は超伝導接地
面、52は電源線、53はジョセフソン素子、54はジ
ョセフソン素子の下部電極、55はジョセフソン素子の
上部電極、56はジョセフソン素子のトンネルバリア
層、57は超伝導接地面に設けられた開口部(モー
ト)、58はモート57を貫く外部磁束、59は基板を
表す。
【0004】尚、同図では基板59と超伝導接地面5
1、超伝導接地面51と電源線52、超伝導接地面51
と下部電極54の間に存在する層間絶縁膜は省略されて
いる。また、実際の回路では、ジョセフソン素子53以
外に抵抗及び配線、並びに層間絶縁膜の開口部を通した
コンタクト等の回路構成要素が存在するが、同図では省
略している。
【0005】超伝導接地面51は、素子電流が最終的に
流れ込む共通グランドとしての役割だけでなく、超伝導
ストリツプ配線の接地面としての役割も果たし、信号の
高速伝搬に寄与している。更に別の重要な役割は、チッ
プの有効領域の殆ど全てを超伝導面で覆うことにより、
外部磁場からジョセフソン素子53を遮蔽し、ジョセフ
ソン素子53の磁束トラップによる誤動作を防ぐ点にあ
る。
【0006】超伝導体は外部磁場を排除するが、ピンホ
ール等のため超伝導性が弱い場所では、磁束58をトラ
ップする性質を持つ。磁束トラップは磁束量子Φ0(2
×10-15 [Wb])単位で起こる。地磁気(0.3
[ガウス])をμメタル等で遮蔽して外部磁場を弱めて
も、超伝導回路チップの周囲には、地磁気の1/100
程度の残留磁場が残る。つまり、一辺100[μm]の
正方形の面積内の残留磁場を全て集めると、磁束量子に
相当する磁束になる。
【0007】超伝導回路を液体ヘリウムで冷却する過程
で、この残留磁場を超伝導接地面51が排除する必要が
あるが、例えば、5[mm]角のチップ全面では250
0Φ0にもなり、その全てを排除することは確率的に困
難である。
【0008】そこで、超伝導接地面51中にモートと呼
ばれる開口部57を、ジョセフソン素子53から離れた
場所に複数箇所設け、そこに残留磁場を意図的にトラッ
プさせる方法が取られてきた(IEEE Trans. Magn., Vo
l.MAG-19, p.1160, 1983.参照)。
【0009】具体的には、図6(a)に示すように、各
ゲート(例えば、20×30[μm 2 ]の大きさ)の周
辺部に相当する場所の超伝導接地面51に、数〜数10
[μm2 ]の大きさの開口部(モート)57を設ける方
法である。
【0010】これにより、残留磁場(外部磁束58)は
超伝導接地面51に設けられたモート57を貫き、ジョ
セフソン素子53を貫通することがない。また、ジョセ
フソン素子53に流れる電流や、電源線52に流れる電
流からも離れており、トラップされた磁束58が回路動
作中に移動する可能性は少なく、ジョセフソン素子53
の誤動作を起こさない。
【0011】ジョセフソン回路の電源線52は、ある素
子のスイッチングが他の素子に与える影響を小さくする
ため、その配線インピーダンスを低く、即ち線幅を太く
する必要がある。
【0012】しかしながら、このような線幅の広い電源
線52(例えば、50[μm]幅)は、回路の集積度を
上げていく場合には障害となる。また、数10〜数10
0のゲートに電流を供給するためには、大電流(例え
ば、数100[mA]程度の電流)を流す必要があり、
その大電流の作る磁場がジョセフソン素子53と結合し
て誤動作の原因となる。
【0013】これら二つの問題を解決するために、回路
内の電源線52を、超伝導接地面51に対してジョセフ
ソン素子53と反対側に設ける方法が提案されている
(特開平3−229473)。例えば、電源線52を超
伝導接地面51の下側に設け、超伝導接地面51上のジ
ョセフソン素子53に電流を供給する方法がそれであ
る。図6(b)に電源線を超伝導接地面の下側に設けた
超伝導回路(第2従来例)の断面図を示す。
【0014】この方法によれば、チツプ面内で、素子及
び抵抗、或いは線幅の細い信号線等に使用出来る面積が
実効的に増えたことになる。また、超伝導接地面61の
磁気遮蔽効果により、電源線62を流れる大電流のジョ
セフソン素子への悪影響を防ぐこともできる。
【0015】しかし、線幅の広い電源線62を超伝導接
地面61の下側に移した場合、超伝導接地面61のモー
ト67の直下に超伝導の電源線62が存在する可能性が
ある。この場合、モート67が超伝導電源線62の広い
面で下側より蓋をされたことになり、チップ冷却時に磁
束68をトラップするというモート67本来の機能を損
ねる恐れがある。この場合は、外部磁束68が超伝導接
地面62のモート67中にトラップされにくく、外部磁
束を捕捉するモートとして機能しにくい。
【0016】また、図6(b)のように、超伝導電源線
62が超伝導接地面61のモート67の直下にある場合
には、外部磁束68がモート67にトラップされた場合
でも、モート67を突き抜けた外部磁束68は、超伝導
電源線62の内部には侵入できないので、超伝導接地面
61と電源線62の間の薄い絶縁層内部を抜けて外部に
出ることになる。この場合、電源線62には大電流が流
れるので、外部磁束68がその影響を受けて移動するこ
とがあり、ジョセフソン素子63の誤動作の原因とな
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
超伝導回路では、残留磁場を意図的にトラップさせるた
めにモートを複数箇所設け、また、大電流供給するため
に回路内の超伝導電源線を超伝導接地面に対して素子と
反対側に設けた構造を備えているが、超伝導電源線が超
伝導接地面のモートの直下にある場合には、トラップさ
れた外部磁束が超伝導電源線の内部には侵入し難くな
り、外部磁束が移動して素子の誤動作を引き起こす恐れ
があるという問題があった。
【0018】本発明は、上記問題点を解決するもので、
超伝導電源線を超伝導デバイスに対して超伝導接地面の
反対側に設ける構造の超伝導回路において、超伝導接地
面に設けられたモートの機能を有効に発揮し、超伝導デ
バイスの磁束トラップによる誤動作を防止した超伝導回
路を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。請求項1に記載の超伝導回路は、超伝導デバ
イス13と、超伝導接地面11と、超伝導配線12とを
有して構成し、前記超伝導デバイス13と前記超伝導配
線12が、前記超伝導接地面11を挟んで対向して配置
されている超伝導回路において、前記超伝導配線12
は、開口部18を備えて構成する。
【0020】また、請求項2に記載の超伝導回路は、請
求項1に記載の超伝導回路において、前記超伝導配線1
2の開口部18は、前記超伝導接地面11に設けられて
いる超伝導で囲われた開口部17と、当該超伝導回路の
上部より見て重なりを持つ。
【0021】また、請求項3に記載の超伝導回路は、請
求項1または2に記載の超伝導回路において、前記超伝
導配線12は、当該超伝導配線12内の複数の開口部1
8が連結され、1つの超伝導ループで囲われている。
【0022】また、請求項4に記載の超伝導回路は、請
求項1または2に記載の超伝導回路において、前記超伝
導配線12は、当該超伝導配線12内の複数の開口部1
8が連結され、且つ当該超伝導配線12の一端で該開口
部18が開放され、超伝導ループで囲われない。
【0023】
【作用】図1は、本発明の原理を示す超伝導回路の構造
断面図である。図中、11は例えばNbからなる超伝導
接地面、12は例えばNbからなる電源配線層(超伝導
配線)、13はジョセフソン素子(超伝導デバイス)、
14は例えばNbからなるジョセフソン接合の下部電
極、15は例えばNbからなるジョセフソン接合の上部
電極、16は例えばAl0xからなるジョセフソン接合
のトンネルバリア層である。17は超伝導接地面11に
設けられたモート(開口部)、18は電源配線層12に
設けられた開口部、19はモート17にトラップされた
外部磁束である。
【0024】尚、従来例と同様に、同図では基板20と
電源配線層12、超伝導接地面11と電源配線層12、
超伝導接地面11と下部電極14の間に存在する層間絶
縁膜は省略されている。また、実際の回路では、ジョセ
フソン素子13以外に抵抗及び配線、並びに層間絶縁膜
の開口部を通したコンタクト等の回路構成要素が存在す
るが、同図では省略している。
【0025】本発明の特徴の超伝導回路では、超伝導接
地面11も挟んで、ジョセフソン素子13と反対側の面
に設けられた電源配線層12に開口部18を設け、該開
口部18を超伝導接地面11のモート17と重なる部分
があるように配置させている。
【0026】これにより、超伝導接地面11のモート1
7が超伝導面12で覆われることがないので、超伝導接
地面11のモート17への磁束トラップを有効に起こ
し、モートとしての機能を効果的に発揮させることがで
きる。尚、図1では超伝導接地面11の上側にジョセフ
ソン素子13があり、下側に電源配線層12があるが、
配置が上下逆であっても同様の効果がある。
【0027】このように、電源配線層12を超伝導デバ
イス13に対して超伝導接地面11の反対側に設ける構
造の超伝導回路において、超伝導接地面11に設けられ
たモート17の機能を有効に発揮し、超伝導デバイス1
3の磁束トラップによる誤動作を防止することができ
る。また、電源配線層12の開口部18を連結したり、
更に、開口部18の一端を電源線の端部で開放すること
により、開口部18の周囲の円電流と電源電流の重畳に
よる問題を防止することができる。
【0028】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を図面に基
づいて説明する。ここでは、Nbを超伝導電極とする超
伝導回路、特にジョセフソン回路の場合を例として述べ
る。しかし、Nb以外のNbN等の金属超伝導体やYB
CO等の酸化物系超伝導体からなる超伝導回路において
も同様の効果が期待出来る。
【0029】また、ここでは、超伝導接地面の上側に超
伝導デバイスを含む超伝導回路が、下側に電源線がそれ
ぞれ配置される場合の実施例を述べるが、上下が逆の構
成でも本発明の効果は同様に期待できる。第1実施例 図2に本発明の第1実施例に係る超伝導回路の平面図及
び断面図を示す。図2(a)は超伝導回路の平面図、同
図(b)は切断線A−A’での断面図である。
【0030】図中、21は超伝導接地面、22は超伝導
接地面の下側に設けられた電源線(電源供給線)、23
は超伝導接地面上に設けられる回路のゲートまたはセル
等の構成要素、24は超伝導接地面に設けられたモート
(開口部)、25は電源線22に設けられた開口部、2
6はモート24と開口部25にトラップされた外部磁束
を表す。
【0031】同図に示すように、超伝導接地面21のモ
ート24に位置する場所の直下の電源線22に開口部2
5を設けることにより、モート24を貫通する外部磁束
26は、電源線22の開口部25を通過して外部へ抜け
る。このため、電源線22が超伝導接地面21の下に存
在しても、チップ冷却時にモート24が外部磁束26を
トラップする効果を妨げることはない。
【0032】同図では、超伝導接地面21上に設けられ
た回路(素子、抵抗配線等)は省略し、ゲート23の大
きさを示す点線の正方形で代表させている。接地線、電
源線、及びジョセフソン素子の電極は全てNb膜、抵抗
はMoやZr膜、層間絶縁膜はSi02 でそれぞれ形成
される。ジョセフソン素子のバリアにはAlの表面を自
然酸化したAl0xを用いる。また、Nb,Al,M
o,及びZr膜は直流又は交流スパッタ法により、Si
2 膜は交流スパッタ法によりそれぞれ成膜する。
【0033】また、接地面、電源線、及び層間絶縁膜の
膜厚は、200〜400[nm]程度である。抵抗の膜
厚は100[nm]、ジョセフソン素子の下部Nb電極
は100〜300nm,上部Nb電極は100〜200
[nm]、Alは5〜10[nm]、Al0xは約2
[nm]である。尚、パターン加工は、フォトプロセス
により作成されたレジストをマスクとしてRIE(反応
性イオンエッチング)で行う。エッチングガスは、Nb
にはCF4 を、Si02 にはCHF3 等をそれぞれ用い
る。
【0034】尚、従来技術でも述べたように、ジョセフ
ソン回路は、ジョセフソン素子、抵抗、及び配線インダ
クタンス等を含むゲートや、ユニツトセルと呼ばれる構
成要素23から作られる。これら構成要素23を配置
し、各要素への電源供給線や、各要素間の信号線を配す
ることにより、回路が構成される。
【0035】ゲート23は、数100[μm2 ]の面積
(例えばMVTLゲートの場合、20×30[μ
2 ])を有するため、チップ冷却時に残留磁場により
磁束トラップの可能性がある。そこで、超伝導接地面2
1の各ゲートの周囲又は内部に相当する箇所に数カ所、
モート24を設けている。
【0036】図2に示す構造は、各ゲート23の外周部
に1個の長方形のモート24を設けた構成例である。通
常、モート24の大きさは、幅1〜2[μm]、長さは
数〜20[μm]程度である。図2では、モート24の
直下の、電源線22に設けた開口部25は、モート24
より小さな面積を有し、当該超伝導回路の上部より見
て、モート24に含まれる形状となっている。
【0037】しかし、二つの開口部24及び25の大小
関係はあまり重要ではない。位置関係に関しては、超伝
導接地面21のモート(開口部)24と電源線22の開
口部25は、当該超伝導回路の真上から見た場合に、少
なくとも両者の開口部24及び25に重なりがあること
が望ましい。真上から見て両開口部24及び25に重な
りが全くない場合には、本発明の効果はやや減少するこ
とが予想される。
【0038】次に図4(a)及び(b)を参照して、本
実施例の電源線上における電流について考察する。先
ず、図4(a)に示す第2従来例の電源線62上では、
電源線62は幅広であっても、超伝導接地面61と対向
している限り、供給電流は線幅に対して均一に流れる。
図中、72は電源電流の流れを表す。流しうる最大の電
流は、超伝導膜の膜質や膜厚で決まる(単位幅当たり
の)臨界電流密度と線幅の積とで決定される。
【0039】一方、本実施例の(超伝導体内の開口部2
4及び25が外部磁束26をトラップした)場合には、
図4(b)に示すように、その開口部25の周りには超
伝導の円電流が流れる。ここで、(円電流の作る磁束密
度)×開口面積=磁束の関係となる。また図中、25は
開口部、26は開口部にトラップされた外部磁束、73
は電源電流の流れ、75は磁束を保持する円電流であ
る。
【0040】従って、電源線22を流れる供給電流73
と円電流75の向きが同じ場所では、両方の電流が重畳
される。このため、大きな外部磁束26をトラップして
いる場合(即ち、大きな円電流が流れている場合)に
は、局部的に重畳された電流が、電源線22の臨界電流
密度を越えて、膜の超伝導性が破壊されて発熱を起こす
恐れがある。
【0041】更に、一ヶ所の超伝導性が破壊されれば、
その発熱により周辺が加熱され、超伝導の破壊は周囲に
広がっていき、結果として、回路全体が超伝導性を失っ
て回路動作しなくなる。この問題を解決する方法とし
て、次の二つの方法(第2及び第3実施例)がある。第2実施例 図3に本発明の第2実施例に係る超伝導回路の平面図及
び断面図を示す。図3(a)は超伝導回路の平面図、同
図(b)は切断線A−A’での断面図を示す。
【0042】同図において、31は超伝導接地面、32
は超伝導接地面31の下側に設けられた電源線(電源供
給線)、33は超伝導接地面31上に設けられる超伝導
回路のゲートまたはセル等の構成要素、34は超伝導接
地面31に設けられた開口部(モート)、35は電源線
32に設けられた開口部を示す。
【0043】本実施例では、電源線32に設けられた複
数の開口部同士が連結され、大きな開口部35が形成さ
れている。つまり、開口部を連結して開口面積を大きく
することにより、磁束トラップに伴う円電流を小さく
し、電源電流との重畳による電流密度が臨界電流密度を
越えることを防いでいるものである。
【0044】その原理を図4(c)に示す電源線上にお
ける電流の流れの説明図を参照して説明する。図4
(c)では、2つの開口部が連結され、面積がn倍にな
っているとする。図中、35は連結された開口部、36
は連結された開口部35にトラップされた外部磁束、7
4は電源電流の流れ、76は外部磁束を保持する円電流
である。
【0045】第1実施例(図4(b)参照)の場合で
は、2つの開口部の内1つが磁束量子X個に相当する量
の外部磁束26をトラップし、他の1つはトラップして
いない状態であるのに対し、図4(c)の本実施例で
は、それら連結された開口部35も同様の量の外部磁束
36をトラップしたと仮定する。
【0046】トラップされた外部磁束36は、電源線3
2の真上の超伝導接地面31のモート34にトラップさ
れた磁束量で決まるので、電源線32の連結された開口
部35についても第1実施例と比べて全磁束量は変わら
ない。即ち、同じ外部磁束をn倍の面積の開口部35で
保持することになり、周囲に流れる円電流76の大きさ
は1/nになる。
【0047】従って、連結された開口部35により開口
部の面積を大きくすることで、磁束トラップに伴う円電
流76を小さくし、電源電流74との重畳による電流密
度が臨界電流密度を越えることを防ぐ効果がある。第3実施例 図5に本発明の第3実施例に係る超伝導回路の平面図及
び断面図を示す。図5(a)は超伝導回路の平面図、同
図(b)は切断面A−A’での断面図を示す。
【0048】図中、41は超伝導接地面、42は超伝導
接地面41の下側に設けられた電源線(電源供給線)、
43は超伝導接地面41上に設けられる超伝導回路のゲ
ートまたはセル等の構成要素、44は超伝導接地面41
に設けられた開口部(モート)、45は電源線42に設
けられた開口部を示す。
【0049】本実施例では、電源線42に設けられた複
数の開口部が連結され、更にその開口部の一端46が電
源線42の端部で開放された構造を備えている。この構
造では、電源線42の開口部45を取り囲む超伝導ルー
プは存在しないので、開口部45を外部磁束が貫通して
も円電流は電源線42内に発生しない。従って、円電流
と電源電流の重畳による問題は発生しない。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電源線を超伝導デバイスに対して超伝導接地面の反対側
に設ける構造の超伝導回路において、超伝導接地面に挟
んで、素子と反対側の面に設けられた電源配線層に開口
部を設け、該開口部を超伝導接地面のモートと重なる部
分があるように配置させることとしたので、超伝導接地
面に設けられたモートの機能を有効に発揮し、素子の磁
束トラップによる誤動作を防止することができ、また、
電源線の開口部を連結したり、更に開口部の一端を電源
線の端部で開放することにより、開口部周囲の円電流と
電源電流の重畳により発生する発熱による回路動作停止
の問題を防止しうる超伝導回路を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図(回路構造断面図)であ
る。
【図2】本発明の第1実施例に係る超伝導回路に関し、
図2(a)は超伝導回路の平面図、図2(b)は切断線
A−A’での断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る超伝導回路に関し、
図3(a)は超伝導回路の平面図、図3(b)は切断線
A−A’での断面図である。
【図4】電源線上における電流の説明図であり、図4
(a)は第2従来例、図4(b)は第1実施例、図4
(c)は第2実施例である。
【図5】本発明の第3実施例に係る超伝導回路に関し、
図5(a)は超伝導回路の平面図、図5(b)は切断線
A−A’での断面図である。
【図6】従来の超伝導回路の断面図(動作説明図)であ
り、図6(a)は第1従来例、図6(b)は第2従来例
である。
【符号の説明】
11,21,31,41,51,61…超伝導接地面 12,22,32,42,52,62…電源線(電源供
給線),電源配線層(超伝導配線) 13,53,63…ジョセフソン素子 14,54,64…ジョセフソン素子の下部電極 15,55,65…ジョセフソン素子の上部電極 16,56,66…ジョセフソン素子のトンネルバリア
層 17,57,67…モート(超伝導接地面の開口部) 18…配線層の開口部 19,26,36,46,58,68…トラップされた
外部磁束 20,59,69…基板 23,33,43…ゲートまたはセル等の構成要素 24,34,44,57,67…モート(超伝導接地面
の開口部) 25…電源線の開口部 35…連結された開口部 45…一端が開放された開口部 72,73,74…電源電流の流れ 75,76…磁束を保持する円電流

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導デバイス(13)と、超伝導接地
    面(11)と、超伝導配線(12)とを有し、前記超伝
    導デバイス(13)と前記超伝導配線(12)が、前記
    超伝導接地面(11)を挟んで対向して配置されている
    超伝導回路において、 前記超伝導配線(12)は、開口部(18)を備えるこ
    とを特徴とする超伝導回路。
  2. 【請求項2】 前記超伝導配線(12)の開口部(1
    8)は、前記超伝導接地面(11)に設けられている超
    伝導で囲われた開口部(17)と、当該超伝導回路の上
    部より見て重なりを持つことを特徴とする請求項1に記
    載の超伝導回路。
  3. 【請求項3】 前記超伝導配線(12)は、当該超伝導
    配線(12)内の複数の開口部(18)が連結され、1
    つの超伝導ループで囲われていることを特徴とする請求
    項1または2に記載の超伝導回路。
  4. 【請求項4】 前記超伝導配線(12)は、当該超伝導
    配線(12)内の複数の開口部(18)が連結され、且
    つ当該超伝導配線(12)の一端で該開口部(18)が
    開放され、超伝導ループで囲われないことを特徴とする
    請求項1または2に記載の超伝導回路。
JP5328366A 1993-12-24 1993-12-24 超伝導回路 Withdrawn JPH07183585A (ja)

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