JPH07183041A - 燃料電池による発電装置での窒素循環方法及び装置 - Google Patents

燃料電池による発電装置での窒素循環方法及び装置

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JPH07183041A
JPH07183041A JP5324514A JP32451493A JPH07183041A JP H07183041 A JPH07183041 A JP H07183041A JP 5324514 A JP5324514 A JP 5324514A JP 32451493 A JP32451493 A JP 32451493A JP H07183041 A JPH07183041 A JP H07183041A
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洋 新海
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裕 宮川
Takeyoshi Kamiyama
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Kunihiro Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料電池による発電装置において、電池シー
ル用やパージ用等の窒素ガスを安価に得る。 【構成】 原料空気を酸素分離装置70に導入して酸素
ガスを分離精製し、この酸素ガスを燃料電池38の酸素
極40Bに導入する。上記酸素分離装置70の排ガスで
ある富窒素ガスを富窒素ガス移送通路72を通じて窒素
分離装置74に移送し、この窒素分離装置74で精製分
離した窒素ガスを燃料電池38のシール部39に供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池による発電装
置において、窒素ガスを循環させて燃料電池本体のシー
ルや装置内部のパージ等に利用するための方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の燃料電池による発電装置
の一例を示したものである。この装置におけるガスの流
れは、主として燃料ガス系統と、空気系統とに分けられ
る。
【0003】A)燃料ガス系統 まず、原燃料ガス(天然ガス)は、圧送機10から熱交
換器12、脱硫反応器14、及び熱交換器16を順に通
って改質器18に導入され、この改質器18に設けられ
たバーナによる加熱で改質ガスに変化する。この改質ガ
スは、上記熱交換器16、熱交換器20、高温CO変成
器22、上記熱交換器12、熱交換器24、低温CO変
成器26、熱交換器28、排熱回収熱交換器30を順に
通って燃料ガス気水分離器32に導入される。この気水
分離器32で分離された水分は水処理装置34へ導入さ
れ、ガス分の一部は循環用ブロア36によって天然ガス
側に戻される。残りのガスは上記熱交換器28を通じて
各燃料電池38の燃料極40Aに供給され、この燃料電
池38内で反応することにより電力を発生させる。反応
後のガスは燃料極40Aから電池排燃料として導出さ
れ、通路41Aを通じて改質器18のバーナに供給され
る。
【0004】B)空気系統 この系統では、原料空気が圧縮機52、冷却器54、及
び圧縮機56を順に通って各燃料電池38の空気極40
Bに供給され、この空気内の酸素が上記燃料の燃焼に消
費されて残りのガスは窒素ガスに富んだ電池排空気(ア
ノード排ガス)となる。この電池排空気は、通路41
B、及び熱交換器20,42を通じて上記改質器18の
バーナへ送られる。
【0005】なお、上記改質器18で発生した燃焼ガス
は、上記熱交換器42、タービン44、熱交換器46、
及び冷却器48を順に通って排ガス気水分離器50に送
られ、分離された水分は上記水処理装置34へ送られる
一方、ガス分は排気筒52を通じて系外へ排出される。
【0006】ところで、このような発電装置では、燃料
電池本体内外のシール用や昇圧用、パージ用等として多
量の窒素ガスが消費される。例えば、通常運転時には、
燃料電池本体を外部からシールするために図8(a)に
示すように窒素ガスが少量ずつコンスタントに消費され
る。また、装置起動時には、同図(b)に示すように、
改質系を昇圧させるのに窒素ガスが使用された後、昇温
時間をおいて燃料電池の昇圧に再び窒素ガスが使用され
る。さらに、装置停止時には、同図(c)に示すよう
に、降温時間が経過した後に燃料電池電極のパージ用、
改質系のパージ用としてそれぞれ窒素ガスが使用され
る。
【0007】そこで従来は、上記窒素ガスを発電装置に
供給すべく、図7に示すような液体窒素タンクローリ車
58及び窒素貯蔵装置60を設置し、この窒素貯蔵装置
60から通路62や通路63を通じて窒素使用個所に窒
素ガスを分配することが行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来
は、比較的高価な窒素ガスを全て装置外部から多量に装
置内に供給するようにしているので、これが発電コスト
削減の大きな妨げとなっている。
【0009】本発明は、このような事情に鑑み、燃料電
池による発電装置において、電池シール用やパージ用等
の窒素ガスを安価に得ることができる方法及び装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、燃料極及び酸素極を有する燃
料電池を備え、上記燃料極に燃料ガスを導入するととも
に上記酸素極に酸素含有ガスを導入し、各極からそれぞ
れ排燃料及び排空気を導出するように構成された燃料電
池による発電装置において、この発電装置に設けられた
ガス通路において空気よりも窒素濃度が高いガスが流れ
る部分からこのガスを取出して窒素分離装置に導き、こ
の窒素分離装置で分離精製した窒素ガスを上記発電装置
の窒素使用個所に供給するものである(請求項1)。
【0011】この方法では、上記窒素分離装置で精製さ
れた窒素ガスの一部を一旦貯蔵しておき、後にこの貯蔵
ガスを上記発電装置の窒素使用個所に供給することが、
より好ましい(請求項2)。
【0012】また本発明は、上記方法を実施するための
装置として、供給されるガスから酸素ガスを分離する酸
素分離装置と、この酸素分離装置で分離精製された酸素
ガスを上記酸素極に導く酸素供給通路と、供給されるガ
スから窒素ガスを分離する窒素分離装置と、上記酸素分
離装置において上記酸素ガスが分離された後の残りの富
窒素ガスを上記窒素分離装置に供給する富窒素ガス移送
通路と、この窒素分離装置で分離精製された窒素ガスを
発電装置における窒素使用個所に供給する窒素供給通路
とを備えたものである(請求項3)。
【0013】この装置では、上記酸素分離装置で分離精
製された酸素ガスとともに原料空気を上記酸素極に導入
する空気供給通路と、この空気供給通路を通じて酸素極
に導入される原料空気と上記酸素分離装置から酸素極に
導入される酸素ガスとの比率を変化させる酸素濃度調節
手段とを備えることが、より好ましい(請求項4)。
【0014】また本発明は、上記方法を実施するための
装置として、供給されるガスから窒素ガスを分離する窒
素分離装置と、上記酸素極から導出された富窒素ガスを
抽出して上記窒素分離装置に導入する富窒素ガス抽出通
路と、この窒素分離装置で分離精製された窒素ガスを発
電装置における窒素使用個所に供給する窒素供給通路と
を備えたものである(請求項5)。
【0015】
【作用】請求項1記載の方法によれば、発電装置に設け
られたガス通路からガスを取出してこのガスから窒素分
離装置で窒素ガスを分離精製し、窒素ガスの使用個所へ
供給するようにしているので、発電装置の運転に必要な
窒素ガスの少なくとも一部は発電装置内で精製されるこ
とになる。すなわち、発電装置内で窒素ガスが循環され
ることとなり、その分、外部からの供給を要する窒素ガ
ス量を削減し、もしくは0とすることができる。しか
も、上記ガスの取出しは空気よりも窒素濃度が高いガス
が流れる部分から行っているので、原料空気を直接窒素
分離装置に取り込む場合に比べ、窒素分離装置による窒
素回収率は高くなる。
【0016】特に、請求項2記載の方法では、窒素分離
装置で精製分離された窒素ガスのうちの余剰分を一旦貯
蔵しておき、その後適当な時期に使用することにより、
精製窒素ガスをより有効に活用することができる。
【0017】請求項3記載の装置では、酸素分離装置に
おいて上記酸素ガスが分離された後の富窒素ガスが窒素
分離装置に移送され、この窒素分離装置で分離精製され
た窒素ガスが窒素供給通路を通じて窒素使用個所に供給
される。また、上記酸素分離装置で分離精製された酸素
ガスが燃料電池の酸素極に導かれるので、従来のように
燃料極に原料空気が直接導入される場合に比べ、燃料電
池の出力が高められる。
【0018】さらに、請求項4記載の装置では、空気供
給通路を通じて酸素極に導入される原料空気と上記酸素
分離装置から酸素極に導入される酸素ガスとの比率を酸
素濃度調節手段によって調節することにより、上記酸素
極に供給される酸素含有ガス中の酸素濃度を適宜調節す
ることができる。
【0019】また、請求項5記載の装置では、上記酸素
極で酸素が消費された後の富窒素ガスが窒素分離装置に
導入され、この窒素分離装置で分離精製された窒素ガス
が窒素使用個所に供給されることとなる。
【0020】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図4に基づいて
説明する。なお、この実施例において発電装置全体の構
成は前記図7に示したものと同等であり、ここではその
説明を省略する。
【0021】この実施例に示す装置では、図1に示すよ
うに、エアフィルタ64を通じて酸素極40Bに原料空
気を導入する空気供給通路68が設けられ、この空気供
給通路68の途中に流量調節弁(酸素濃度調節手段)6
6が設けられるのに加え、原料空気から酸素ガスを精製
分離する酸素分離装置70が設置されており、この酸素
分離装置70で分離精製された酸素ガスが上記空気供給
通路68を流れる原料空気と合流して酸素極40Bに導
入されるようになっている。また、酸素分離装置70の
排ガス(すなわち上記酸素ガスが分離された後の残りの
富窒素ガス)が富窒素ガス移送通路72を通じて窒素分
離装置74に移送され、この窒素分離装置74で分離精
製された窒素ガスが、通路76及び前記図7に示した通
路62を通じて、燃料電池38においてその本体を囲む
シール部39に導入されるようになっている。このシー
ル部39は、両極40A,40Bを含む燃料電池本体
と、燃料電池38外部とをシールするために設けられた
ものであり、このシール部39内に窒素ガスが供給され
ることにより上記シールが行われるように構成されてい
る。
【0022】上記酸素分離装置70及び窒素分離装置7
4の具体的な構成を図2に示す。この実施例では、酸素
分離装置70は酸素PSA装置で構成され、窒素分離装
置74は窒素PSA装置で構成されている。
【0023】上記酸素分離装置70は、エアフィルタ7
8、原料空気ブロア80、3塔の吸着塔82、吸着塔上
流側の切換弁84、吸着塔下流側の切換弁86、排ガス
ブロア88、酸素レシーバー90、弁92、酸素ガス圧
縮機94、冷却器96、酸素ガスホルダ98、弁10
0、及びセパレータ102を備えている。各吸着塔82
には、例えばゼオライトモレキュラシーブ等、窒素を優
先的に吸着する吸着剤が充填されている。
【0024】この装置において、吸着工程では、エアフ
ィルタ78及び原料空気ブロア80を通じて各吸着塔8
2に原料空気が導入され、この原料空気中の窒素が吸着
剤に吸着される一方残りの酸素ガスが酸素レシーバー9
0、弁92、酸素ガス圧縮機94、及び冷却器96を通
じて酸素ガスホルダ98内に貯蔵される。そして、この
酸素ガスホルダ98内の酸素ガスが適宜弁100を通じ
て上記空気供給通路68内に払い出されるようになって
いる。一方、残りの富窒素ガスは排ガスとして排ガスブ
ロア88及びセパレータ102から富窒素ガス移送通路
72を通じて窒素分離装置74に移送される。
【0025】窒素分離装置74は、窒素圧縮機104、
活性炭塔106、2塔の吸着塔108、吸着塔上流側の
切換弁110、吸着塔下流側の切換弁112、及び窒素
ガス槽114を備え、各吸着塔108には、例えばカー
ボンモレキュラシーブ等、酸素を優先的に吸着する吸着
剤が充填されている。
【0026】この装置において、吸着工程では、上記富
窒素ガス移送通路74から導入された富窒素ガスが窒素
圧縮機104及び活性炭塔106を通じて吸着塔108
に導入されて酸素が吸着剤に吸着され、窒素ガスは窒素
ガス槽114内に貯蔵される。そして、この窒素ガス槽
114内の窒素ガスが通路76を通じて適宜通路62内
に払い出されるようになっている。また、脱着工程では
上記吸着剤から脱着されたガスが排気されるようになっ
ている。
【0027】次に、この実施例装置の作用を説明する。
【0028】原料空気は、エアフィルタ64及び流量調
節弁66を有する空気供給通路68を通じて直接酸素極
40Bに供給されるが、酸素分離装置70では原料空気
から酸素ガスが精製分離されており、この精製酸素ガス
も、上記空気供給通路68において上記流量調節弁66
よりも下流側の部分を通じて酸素極40B内に供給され
る。従って、酸素極40Bには原料空気よりも酸素濃度
の高いガスが供給されることとなり、この酸素含有ガス
中の酸素濃度は流量調節弁66の操作によって調節可能
となる。具体的には、流量調節弁66の開度が絞られる
ほど、供給ガスの酸素濃度は高められる。
【0029】一方、上記酸素分離装置70の排ガス、す
なわち上記酸素ガスが分離された後の残りの富窒素ガス
は、富窒素ガス移送通路72を通じて窒素分離装置74
に移送され、この窒素分離装置74で窒素ガスが精製分
離される。この窒素ガスは、窒素ガス供給通路を構成す
る通路76,62を通じて燃料電池38のシール部39
内に供給され、燃料電池本体のシールに供される。
【0030】なお、燃料極40A内及び酸素極40Bの
燃焼ガスは、通路41A,41Bをそれぞれ通じて改質
器18のバーナ19に供給される。
【0031】従って、この装置によれば、次のa),
b)の2つの効果を同時に得ることができる。
【0032】a)酸素分離装置70で原料空気から酸素
ガスを分離精製し、この酸素ガスを原料空気とともに酸
素極40B内に供給するようにしているので、この供給
ガス中の酸素濃度を原料空気よりも高めることができ、
その分燃料電池38の出力を高めることができる。
【0033】図3は、燃料電池入口酸素濃度に対応する
酸素利用率及び出力向上率(従来のように原料空気を用
いた場合と比較しての向上率)をグラフに表したもので
ある。なお、ここでいう酸素利用率は、燃焼に消費され
た酸素量と供給ガス中に含まれる総酸素量との比であ
り、この酸素利用率が低いほど供給ガス中の酸素濃度に
余裕があることを示している。
【0034】このグラフから明らかなように、上記酸素
分離装置70を用いて燃料電池入口酸素濃度を高めるこ
とにより、燃料電池の出力を向上させることができる。
【0035】しかも、この実施例装置では、流量調節弁
66を設けて供給ガスの酸素濃度を調節できるようにし
ているので、電力消費量の低い期間(例えば夜間)には
酸素濃度を下げる等して酸素ガスの節減を図ることが可
能である。ただし、本発明ではこのような酸素濃度調節
手段を省略してもよく、酸素分離装置70で精製された
酸素ガスのみを酸素極40Bに供給するようにしてもよ
い。
【0036】b)上記酸素分離装置70の排ガスから富
窒素ガスを取出して窒素分離装置74に導入し、この窒
素分離装置74で窒素ガスを精製分離することにより、
燃料電池38のシール用窒素ガスを発電装置内で精製す
ることができる。このため、外部から(図1では窒素貯
蔵装置60から)供給しなければならない窒素ガス必要
量を大幅に削減し、場合によっては外部供給を完全に省
略することができる。従って、必要な窒素ガスを極めて
安価に得ることができ、発電コストを削減することがで
きる。
【0037】しかも、上記窒素分離装置74には、窒素
酸素分離装置70の排ガスである富窒素ガスを供給する
ようにしているので、例えば原料空気を窒素分離装置7
4に供給する場合に比べ、窒素ガスの回収率をより高め
ることができる。
【0038】図4は、窒素分離装置74に送られるガス
の酸素濃度と窒素回収率との関係をグラフにしたもので
ある。この図から、原料ガス中の酸素濃度が低いほど、
すなわち窒素濃度が高いほど、窒素回収率が高められる
ことが理解できる。例えば、原料空気(酸素濃度約21
%)から窒素分離を行う場合には、約20%の窒素回収
率しか得られないが、酸素濃度を10%まで下げれば窒
素回収率を約50%まで向上させることができる。従っ
て、この実施例に示すように酸素分離装置70で酸素が
除去された後の富窒素ガスを用いて窒素ガスを分離精製
することにより、窒素回収率を大幅に高め、より安価に
窒素ガスを得ることが可能となる。
【0039】次に、第2実施例を図5に基づいて説明す
る。この実施例では、窒素分離装置74で精製された窒
素ガスの余剰分を弁116及び圧縮機118を通じて窒
素ガスタンク120内に一旦圧入しておき、その後の適
当な時期に窒素ガスタンク120内から弁122を通じ
て窒素使用個所に窒素ガスを供給するようにしている。
【0040】このような装置によれば、窒素ガスをより
効率よく用いることができ、運転コストをさらに削減す
ることができる。
【0041】なお、この実施例装置においても、前記第
1実施例と同様に空気供給通路68及び流量調節弁66
を設けて酸素濃度調節を行うことが可能である。
【0042】次に、第3実施例を図6に基づいて説明す
る。この実施例では、前記第1実施例及び第2実施例に
おける富窒素ガス移送通路72に代え、酸素極40Bの
排出側に接続された通路41Bと窒素分離装置74とを
接続する富窒素ガス抽出通路124が設けられ、上記通
路41B内のガスが上記富窒素ガス抽出通路124を通
じて窒素分離装置74に供給されるようになっている。
【0043】このような装置においても、酸素極40B
の排ガス、すなわち、既に酸素極40Bで酸素が消費さ
れて窒素濃度に富んだガスが窒素分離装置74に供給さ
れるので、この窒素分離装置74において高い回収率で
窒素ガスを分離精製することができ、このガスを燃料電
池本体シール用ガスとして利用することができる。
【0044】なお、この装置においても、前記図5に示
した圧縮機118や窒素ガスタンク120を設け、余剰
の窒素ガスを窒素ガスタンク120に貯蔵しておくこと
により窒素ガスをより有効に活用できることはいうまで
もない。
【0045】また、本発明は以上の実施例に限定される
ものでなく、例として次のような態様をとることも可能
である。
【0046】(1) 上記実施例では、窒素分離装置74で
分離精製した窒素ガスを燃料電池38のシール用ガスと
して利用するものを示したが、この精製窒素ガスは装置
昇圧やパージに用いるようにしてもよい。
【0047】(2) 上記実施例において、酸素分離装置7
0として酸素を優先的に吸着する装置を用い、窒素分離
装置74として窒素を優先的に吸着する装置を用いるこ
とも可能である。この場合、酸素分離装置70で酸素を
吸着除去し、それを脱着したガスを酸素極40Bに供給
し、窒素分離装置74で窒素を吸着除去し、それを脱着
したガスを窒素使用個所に供給するようにすればよい。
【0048】(3) 本発明において、窒素分離装置74や
酸素分離装置70には、上記吸着装置の他、高分子膜を
はじめとする分離膜装置等を用いることも可能である。
この分離膜装置には、窒素及び酸素のいずれか一方(一
般には酸素)のみを透過するものを用いるようにすれば
よい。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明は、発電装置に設け
られたガス通路からガスを取出してこのガスから窒素分
離装置で窒素ガスを分離精製し、窒素ガスの使用個所へ
供給するようにしているので、発電装置の運転に必要な
窒素ガスの少なくとも一部は発電装置内で精製すること
ができ、その分、外部から供給が必要な窒素ガスの量を
削減し、もしくは0とすることができる。しかも、上記
ガスの取出しは空気よりも窒素濃度が高いガスが流れる
部分から行っているので、その分上記窒素分離装置によ
る窒素回収率を高めることができる。従って、従来のよ
うに必要な窒素ガスを全て外部から供給するものに比
べ、発電コストを削減することができる効果がある。
【0050】特に、請求項2記載の方法では、窒素分離
装置で精製分離された窒素ガスのうちの余剰分を一旦貯
蔵しておくことにより、精製窒素ガスをより有効に利用
し、運転コストをより削減することができる効果があ
る。
【0051】また、請求項3記載の装置では、酸素分離
装置において上記酸素ガスが分離された後の富窒素ガス
から窒素ガスを精製分離することにより上記効果を得る
と同時に、上記酸素分離装置で分離精製された酸素ガス
を燃料電池の酸素極に導入することにより、燃料極に原
料空気が直接導入される従来装置に比べ、燃料電池の出
力も高めることができる効果がある。
【0052】さらに、請求項4記載の装置では、空気供
給通路を通じて酸素極に導入される原料空気と上記酸素
分離装置から酸素極に導入される酸素ガスとの比率を酸
素濃度調節手段によって調節することにより、上記酸素
極に供給される酸素含有ガス中の酸素濃度を適宜調節す
ることができ、例えば電力消費量の少ない期間では酸素
濃度を下げることにより、酸素ガスの節減を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における発電装置の要部を
示すフローシートである。
【図2】上記発電装置における窒素分離装置及び酸素分
離装置を示すフローシートである。
【図3】上記発電装置における燃料電池入口の酸素濃度
と酸素利用率と出力向上率との関係を示すグラフであ
る。
【図4】上記窒素分離装置における原料ガス酸素濃度と
窒素回収率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施例における発電装置の要部を
示すフローシートである。
【図6】本発明の第3実施例における発電装置の要部を
示すフローシートである。
【図7】従来の発電装置の一例を示すフローシートであ
る。
【図8】(a)(b)(c)は上記発電装置における窒
素ガスの消費期間及び消費量を示すグラフである。
【符号の説明】
38 燃料電池 39 シール部 40A 燃料極 40B 酸素極 62,76 通路(窒素供給通路) 66 流量調節弁(酸素濃度調節手段) 68 空気供給通路 70 酸素分離装置 72 富窒素ガス移送通路 74 窒素分離装置 120 窒素ガスタンク 124 富窒素ガス抽出通路
フロントページの続き (72)発明者 新海 洋 川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機 株式会社内 (72)発明者 宮川 裕 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 上山 剛由 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 井上 邦博 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料極及び酸素極を有する燃料電池を備
    え、上記燃料極に燃料ガスを導入するとともに上記酸素
    極に酸素含有ガスを導入し、各極からそれぞれ排燃料及
    び排空気を導出するように構成された燃料電池による発
    電装置において、この発電装置に設けられたガス通路に
    おいて空気よりも窒素濃度が高いガスが流れる部分から
    このガスを取出して窒素分離装置に導き、この窒素分離
    装置で分離精製した窒素ガスを上記発電装置の窒素使用
    個所に供給することを特徴とする燃料電池による発電装
    置での窒素循環方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池による発電装置
    での窒素循環方法において、上記窒素分離装置で精製さ
    れた窒素ガスの一部を一旦貯蔵しておき、後にこの貯蔵
    ガスを上記発電装置の窒素使用個所に供給することを特
    徴とする燃料電池による発電装置での窒素循環方法。
  3. 【請求項3】 燃料極及び酸素極を有する燃料電池を備
    え、上記燃料極に燃料ガスを導入するとともに上記酸素
    極に酸素含有ガスを導入し、各極からそれぞれ排燃料及
    び排空気を導出するように構成された燃料電池による発
    電装置において、供給されるガスから酸素ガスを分離す
    る酸素分離装置と、この酸素分離装置で分離精製された
    酸素ガスを上記酸素極に導く酸素供給通路と、供給され
    るガスから窒素ガスを分離する窒素分離装置と、上記酸
    素分離装置において上記酸素ガスが分離された後の残り
    の富窒素ガスを上記窒素分離装置に供給する富窒素ガス
    移送通路と、この窒素分離装置で分離精製された窒素ガ
    スを発電装置における窒素使用個所に供給する窒素供給
    通路とを備えたことを特徴とする燃料電池による発電装
    置での窒素循環装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の燃料電池による発電装置
    での窒素循環装置において、上記酸素分離装置で分離精
    製された酸素ガスとともに原料空気を上記酸素極に導入
    する空気供給通路と、この空気供給通路を通じて酸素極
    に導入される原料空気と上記酸素分離装置から酸素極に
    導入される酸素ガスとの比率を変化させる酸素濃度調節
    手段とを備えたことを特徴とする燃料電池による発電装
    置での窒素循環装置。
  5. 【請求項5】 燃料極及び酸素極を有する燃料電池を備
    え、上記燃料極に燃料ガスを導入するとともに上記酸素
    極に酸素含有ガスを導入し、各極からそれぞれ排燃料及
    び排空気を導出するように構成された燃料電池による発
    電装置において、供給されるガスから窒素ガスを分離す
    る窒素分離装置と、上記酸素極から導出された富窒素ガ
    スを抽出して上記窒素分離装置に導入する富窒素ガス抽
    出通路と、この窒素分離装置で分離精製された窒素ガス
    を発電装置における窒素使用個所に供給する窒素供給通
    路とを備えたことを特徴とする燃料電池による発電装置
    での窒素循環装置。
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