JPH07181723A - 静電荷像現像用現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用現像剤

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JPH07181723A
JPH07181723A JP5345944A JP34594493A JPH07181723A JP H07181723 A JPH07181723 A JP H07181723A JP 5345944 A JP5345944 A JP 5345944A JP 34594493 A JP34594493 A JP 34594493A JP H07181723 A JPH07181723 A JP H07181723A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 大画像面積のカラー原稿の連続複写を行って
も画像濃度の低下及びカスレの生じないキャリア及びト
ナーを有する静電荷像現像用現像剤を提供する。 【構成】 トナーの重量平均粒径より直接計算した比表
面積をSとし、個数平均分布から算出した比表面積を
としたとき、Sが1.0≦S≦1.8(m
g)であり、且つSとSの比が下記の範囲にあり、 1.20≦S/S≦1.70 キャリアが粒径5〜100μm及び嵩密度が3.0g/
cm以下のキャリアであって、下記の式を満たすこと
を特徴とする静電荷像現像用現像剤。 [式中、σ1,000及びσ300は、夫々磁気的に飽
和させた後の1,000及び300エルステッドにおけ
る磁化の強さ(emu/cm)を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷等における静電荷像を現像する為の現像剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】静電手段によって光導電材料の表面に像
を形成し現像することは従来周知である。即ち、米国特
許第2,297,691号明細書、特公昭42−239
10号公報及び特公昭43−24748号公報等、多数
の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用
し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、
次いで該潜像上にトナーと呼ばれる極く微細に粉砕され
た検電材料を付着させることによって静電潜像に相当す
るトナー像を形成する。
【0003】次いで必要に応じて紙の如き画像支持体表
面にトナーを転写した後、加熱、加圧或は溶剤蒸気等に
より定着し複写物を得るものである。又、トナー画像を
転写する工程を有する場合には、通常残余のトナーを除
去する為の工程が設けられている。電気的潜像をトナー
を用いて可視化する現像方法は、例えば、米国特許第
2,221,776号明細書に記載されている粉末雲
法、同第2,618,552号明細書に記載されている
カスケード現像法、同第2,874,063号明細書に
記載されている磁気ブラシ法、及び同第3,909,2
58号明細書に記載されている導電性磁性トナーを用い
る方法等が知られている。
【0004】これらの現像法に適用されるトナーとして
は、一般には熱可塑性樹脂に着色剤を混合分散後、微粉
化したものが用いられる。熱可塑性樹脂としては、ポリ
スチレン系樹脂が最も一般的であるが、ポリエステル系
樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂等も用いられる。着色剤としてはカーボンブラックが
最も広く使用され、又、磁性トナーの場合には、酸化鉄
系の黒色の磁性粉が多く用いられる。いわゆる二成分系
現像剤を用いる方法の場合には、トナーは通常ガラスビ
ーズ、鉄粉等のキャリア粒子と混合されて用いられる。
【0005】紙等の最終複写画像形成部材上のトナー像
は、熱、圧力等により支持体上に永久的に定着される。
従来より、この定着工程は熱によるものが多く採用され
ている。又、トナー画像を転写する工程を有する場合に
は、通常、感光体上の残余のトナーを除去する為の工程
が設けられる。近年、複写機等においてモノカラー複写
からフルカラー複写への展開が急速に進みつつあり、2
色カラー複写機やフルカラー複写機の検討及び実用化も
大きく為されている。例えば、「電子写真学会誌」Vo
l 22,No.1(1983)や「電子写真学会誌」
Vol 25,No.1,P52(1986)の如く色
再現性及び階調再現性の報告もある。
【0006】しかしながら、テレビ、写真、カラー印刷
物の様に実物と直ちに対比されることはなく、又、実物
よりも美しく加工されたカラー画像を見なれた人々にと
っては、現在実用化されているフルカラー電子写真画像
は必ずしも満足し得るものとはなっていない。更に、近
年、複写機の高精細及び高画質化の要求が市場では高ま
っており、当該技術分野では、トナーの粒径を細かくし
て高画質カラー化を達成しようという試みが為されてい
るが、粒径が細かくなると単位重量当りの表面積が増
え、トナーの帯電気量が大きくなる傾向にあり、画像濃
度薄や耐久劣化が懸念されるところである。
【0007】即ち、前記静電潜像の現像において、トナ
ーは比較的大粒子であるキャリアと混合され、電子写真
用現像剤として用いられる。トナーとキャリアの両者の
組成は、相互の接触摩擦によりトナーが光導電層上の電
荷と反対の極性を帯びる様に選ばれる。又、両者の接触
摩擦の結果、キャリアはトナーを表面に静電的に付着さ
せ、現像剤として現像装置内を搬送し、又、光導電層上
にトナーを供給する。しかしながら、この様な二成分現
像剤を用い電子複写装置で多数枚連続複写を行うと、初
期には鮮明で良好な画質を持った画像が得られるが、数
万枚複写後はカブリの多いエッジ効果が著しく、階調性
及び鮮明性に乏しい画像となる。
【0008】有彩色トナーを用いるカラー複写において
は、連続階調性は画質に影響を及ぼす重要な因子であ
り、多数枚複写後に画像の周辺部のみが強調されるエッ
ジ効果が生じることは画像の階調性を大きく損なう。実
際の輪郭の近傍にエッジ効果による疑似輪郭を形成する
等、カラー複写における色再現性を含めた複写再現性を
貶めるものとなる。又、従来の白黒コピーで使用される
画像面積は10%以下であり、画像として手紙、文献、
報告書等、殆どライン画像部分であるのに対して、カラ
ー複写の場合には、画像面積が最低でも20%以上であ
り、画像も写真、カタログ、地図、絵画等、階調性を有
するベタ画像がかなりの頻度又は領域を占めている。
【0009】この様な、画像面積が大きい原稿を用いて
連続複写を行うと、通常、初期は高画像濃度の複写物が
得られるが、次第に二成分現像剤へのトナー補給が間に
合わなくなり、濃度低下が生じたり、帯電不十分の状態
で補給トナーとキャリアとの混合が為され、カブリの原
因となったり、現像スリーブ上で部分的なトナー濃度
(トナーとキャリアの混合比を示す。)の増減が生じ、
画像のカスレや画像内濃度の一様性が得られなくなる傾
向がある。この傾向はトナーを小径化した場合一層顕著
である。
【0010】これは、現像剤中のトナー内包量(即ち、
トナー濃度)が低すぎること又は補給トナーと二成分現
像剤中のキャリア間の速やかな摩擦帯電の立上りが悪
く、非制御性で不十分な帯電量のトナーが現像に関与す
ること等により、これらの現像不足やカブリが発生する
と思われる。カラー現像剤としては大画像面積の原稿の
連続的な複写で良画質の画像を常に出力することが出来
る能力は必須である。従来、画像面積が大きく、トナー
消費量が非常に多い原稿に対処する為、現像剤自身の改
良よりも現像装置の改良により多くは対応していた。即
ち、現像スリーブの静電潜像への接触機会を高める為
に、現像スリーブの周速を早めたり又は現像スリーブの
大きさを大口径のものにすること等が行われている。
【0011】これらの対策は現像能力はアップするもの
の、現像装置からのトナー飛散による機内への汚染や、
現像装置駆動への過負荷により装置寿命が著しく制限を
受けること等が生ずる。更には、現像剤の現像能力不足
を補う為に多量の現像剤を現像装置内に投入することで
対応する場合もあるが、これらも、複写機の重量の増加
や装置の大型化によるコストアップ、上述と同様に現像
装置駆動への過負荷等を招く結果となり、あまり好まし
いものではない。そこで、長期にわたり高画質を維持す
る目的でトナー及びキャリア双方からの改良検討が報告
されている。
【0012】即ち、これまでに、画質を良くするという
目的の為に、幾つかの現像剤が提案されている。例え
ば、特開昭51−3244号公報では、粒度分布を規制
して、画質の向上を意図した非磁性トナーが提案されて
いる。該トナーにおいて、8〜12μmの粒径を有する
トナーが主体であり、比較的粗く、この粒径では本発明
者らの検討によると、潜像への均密なる“のり”は困難
であり、且つ5μm以下が30個数%以下であり、20
μm以上が5個数%以下であるという特性から、粒径分
布はブロードであるという点も均一性を低下させる傾向
がある。
【0013】この様な粗めのトナー粒子であり、且つブ
ロードな粒度分布を有するトナーを用いて、鮮明なる画
像を形成する為には、トナー粒子を厚く重ねることでト
ナー粒子間の間隙を埋めて、見かけの画像濃度を上げる
必要があり、所定の画像濃度を出す為に必要なトナー消
費量が増加するという問題点も有している。又、特開昭
54−72054号公報では、前者よりもシャープな分
布を有する非磁性トナーが提案されているが、中間の重
さの粒子の寸法が8.5〜11.0μmと粗く、高解像
性のトナーとしては未だ改良すべき余地を残している。
【0014】特開昭58−129437号公報では、平
均粒径が6〜10μmであり、最多粒子が5〜8μであ
る非磁性トナーが提案されているが、5μm以下の粒子
が15個数%以下と少なく、鮮鋭さの欠けた画像が形成
される傾向がある。本発明者らの検討によれば、5μm
以下のトナー粒子が、潜像の輪郭を明確に再現し、且つ
潜像全体への緻密なトナーの“のり”の主要なる機能を
もつことが知見された。特に、感光体上の静電荷潜像に
おいては電気力線の集中の為、輪郭たるエッジ部は内部
より電界強度が高く、この部分に集まるトナー粒子の質
により画質の鮮鋭さが決まる。
【0015】本発明者らの検討によれば、5μm以下の
粒子の量が画質の鮮鋭さの問題点の解決に有効であるこ
とが判明した。そこで、本発明者らは、特開平2−22
2966号公報が、5μm以下のトナー粒子を15〜4
0個数%含有するトナーを提案したが、これにより、か
なりの画質向上は達成されたが、更に向上した画質も望
まれている。
【0016】更に又特開平2−877号公報で、5μm
以下のトナー粒子を17〜60個数%、更に特開平2−
284151号公報で5μm以下のトナー粒子を60個
数%以上含有するトナーが夫々提案されているが、これ
により確かに画質及び画像濃度は安定したが、写真原稿
の様にトナー消費量の多いオリジナル画像を連続してプ
リントした場合、どうしても粒度分布が変化してしま
い、単に微粉量を制限しただけでは長期に渡って安定し
た画像が得られず、これまでの様な5μm以下のトナー
粒子の存在量をコントロールするだけでは、高画質高耐
久性を満足するトナーを提案出来ずにいた。
【0017】一方、二成分系現像剤を構成するキャリア
は、鉄粉に代表される導電性キャリアと鉄粉、ニッケ
ル、フェライト等の表面を絶縁性樹脂により被覆したい
わゆる絶縁性キャリアとに大別される。高画質化を計る
為に交番電界を印加する場合、現像剤キャリアの抵抗が
低いと潜像電位をキャリアがリークし、良好な画像を得
られなくなる為、キャリアとしてはある程度以上の抵抗
が必要で、キャリアコアが導電性の場合、コートをして
用いるのが好ましく、又、抵抗がある程度高いフェライ
トがコア材として好ましく用いられている。
【0018】又、鉄粉は、高磁気力の為、現像剤トナー
が現像される現像領域において、現像剤ブラシが硬くな
る為にハキ目を生じたり、ガサツキ等を生じる為に高画
質な画像を得ることが出来ない。そこで、キャリアの磁
気力を低くして高画質化を計る為にもフェライトが好ま
しく用いられている。高品位画像形成の為に、特開昭5
9−104663号公報にキャリアの飽和磁化の値を5
0emu/g以下にすることで、ハキ目のない良好な画
像を得ることが出来ると提案されているが、飽和磁化の
値を徐々に小さくしたキャリアを用いると、細線の再現
性は良好になる反面、磁極から離れるに従ってキャリア
が静電画像担持体、いわゆる感光ドラム上に付着する現
像(キャリア付着)が顕著になってくる。
【0019】又、特公平4−3868号公報には、保磁
力が300ガウス以上という、いわゆるハードフェライ
トをキャリアとして用いることが提案されている。しか
しながら、これは高保持力であるハードフェライトをキ
ャリアとして使いこなす為の系であり、装置の大型化が
避けられない。小型高画質カラー複写機を実現する為に
は、固定磁芯を用いた現像剤担持体を使用することが好
ましく、この場合、高保持力を有するハードキャリア
は、その自己凝集性の為、かえって搬送性が悪くなると
いう問題がある。
【0020】更に、特開平2−88429号公報に、ス
ピネル相及びランタノイド系元素を含むマグネットプラ
ンバイト相よりなるハードフェライトをキャリアとして
用いることが提案されているが、これは、上記問題点に
加え、導電性を有する為に、より高画質画像を得る為の
交番電界による現像を行うシステムにおいては、電荷が
キャリアを通してリークする為に現像を乱すという点で
好ましくない。従って、交番電界による現像を行うシス
テムにおいて、キャリアの抵抗はある程度以上あること
が必要である。以上の様に、キャリア付着を防止しつ
つ、高画質、特にハイライトの再現性を満足する様な現
像剤キャリア及び現像剤は未だ十分なものが得られてい
ない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決したキャリア及びトナーを有する静
電荷像現像用現像剤を提供することにある。即ち、本発
明の目的は、大画像面積のカラー原稿の連続複写を行っ
ても画像濃度の低下及びカスレの生じないキャリア及び
トナーを有する静電荷像現像用現像剤を提供することに
ある。本発明の更なる目的は、カブリのない鮮明な画像
特性を有し、且つ耐久安定性に優れたキャリア及びトナ
ーを有する静電荷像現像用現像剤を提供することにあ
る。本発明の別の目的は、トナーとキャリア間の摩擦帯
電の速やかな立上りの得られるキャリア及びトナーを有
する静電荷像現像用現像剤を提供することにある。
【0022】本発明の別の目的は、摩擦帯電の環境依存
性の少ないキャリア及びトナーを有する静電荷像現像用
現像剤を提供することにある。本発明の別の目的は、現
像器内での搬送性の良好なキャリア及びトナーを有する
静電荷像現像用現像剤を提供することにある。本発明の
別の目的は、キャリア付着を防止しつつ、原稿に忠実な
現像を可能とするキャリア及びトナーを有する静電荷像
現像用現像剤を提供することにある。本発明の目的は、
交番電界の現像においても、キャリア付着のない高画質
な画像を得るキャリア及びトナーを有する静電荷像現像
用現像剤を提供することにある。本発明の目的は、高画
質画像を得る為の固定磁系現像剤担持体を用いた小型現
像器用のキャリア及びトナーを有する静電荷像現像用現
像剤を提供することにある。
【0023】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち本発明は、少なくともトナー及
びキャリアとから構成される二成分系カラー静電荷像現
像用現像剤において、該トナーがコールターカウンター
の体積平均分布データーより算出されるトナーの重量平
均粒径より直接計算したトナーの比表面積をSA とし、
個数平均分布から算出したトナーの比表面積をSB とし
たとき、SB が1.0≦SB ≦1.8(m/g)であ
り、且つSA とSB の比が下記の範囲にあることを満足
し、 1.20≦SB /SA ≦1.70 且つ4μm以下の粒径を有するトナーを10〜70個数
%含有するカラートナーであって、該キャリアが粒径5
〜100μm及び嵩密度が3.0g/cm3 以下のキャ
リアであって、磁気的に飽和した後の1,000エルス
テッドにおける磁化の強さ(σ1,000 )は30〜150
emu/cm3 であり、磁場0エルステッドにおける磁
化の強さ(残留磁化:σr)が25emu/cm3 以上
であり、保磁力が300エルステッド未満であり、その
とき下記の式を満たすキャリアであることを特徴とする
静電荷像現像用現像剤である。 [式中、σ1,000及びσ300は、夫々磁気的に飽和させた
後の1,000及び300エルステッドにおける磁化の
強さ(emu/cm)を示す。]
【0024】
【作用】本発明者らは、現像剤の画像濃度、ハイライト
再現性及び細線再現性について鋭意検討した結果、トナ
ーの比表面積と粒径分布の広がりをコントロールするこ
とにより高画像濃度、ハイライト再現性及び細線再現性
に優れた高画質化を達成することが出来ることを見い出
し、更に4μm以下の粒径を有するトナーが10〜70
個数%含有されている時、特にハイライト再現性向上に
大きく寄与し、更にキャリアとして特定のキャリアを用
いた時、ガサツキの少ない良好なハイライト再現性が得
られ、長期耐久性に優れた静電荷像現像用現像剤を提供
出来ることを見い出したものである。
【0025】上記の比表面積SA と比表面比SB /SA
とを満足するトナーは、感光体上に形成された潜像に忠
実に再現することが可能であり、網点及びデジタルの様
な微小なドット潜像の再現にも優れ、その結果、ハイラ
イト再現性及び解像性に優れた画像を与える。更にSB
/SA によって表現されるところの粒度分布の広がりこ
そが、耐久での画像劣化やトナー飛散及びカブリにも影
響大であり、これを適正化することによって長期に渡っ
て高画質を維持することが可能であることを見い出し
た。本発明のトナーにおいては、この様な効果が得られ
る理由は、必ずしも明確でないが、以下の様に推定され
る。
【0026】先ず、本発明の第一の特徴は、コールター
カウンターにより算出されるトナーの個数平均分布から
計算されるところのトナーの比表面積SB が、1.0≦
B ≦1.8(m2 /g)の範囲内にあることにある。
従来まで高画質化を達成すべく本発明者らは、トナーの
平均粒径を細かめにシフトさせてきたが、キャリアとト
ナーの摩擦帯電一つを例に取り上げてみても、キャリア
表面との接触チャンスがトナーの帯電の立ち上がりに
も、又、安定した帯電性を得るにも重要であり、真に画
質を維持、コントロールする為には、トナーの比表面積
こそが重要な因子であるととらえて鋭意検討したとこ
ろ、上記範囲内にSB がある時に、良好な結果が得られ
ることを見い出したものである。即ち、SB が1.0m
2 /gよりも小さい時は、基本的に高画質化に寄与し得
る微粒子トナーが少ないことを意味し、確かに高い画像
濃度が得られ易い。
【0027】更には、トナーの流動性に優れる等のメリ
ットもあるものの、ドラム上の微細な潜像上には忠実に
付着しずらく、ハイライト再現性に乏しく、更に充分な
解像性も得られなくなってしまう。又、SB が1.0m
2 /gよりも小さい時は、必要以上の現像、即ちトナー
の乗りすぎが起こり、トナー消費量の増大を招き易い傾
向にもある。逆に、トナーの比表面積SB が1.8m2
/g以上の時は、トナーの単位重量当たりの帯電量が極
端に高くなることを意味し、濃度薄、特に低温低湿下で
の画像濃度薄が顕著となる。これではグラフィック画像
等の画像面積比率の高い用途には不向きである。
【0028】更に、SB が1.8m2 /g以上では、キ
ャリアとの接触帯電がスムーズに行なわれず、充分に帯
電し得ないトナーが増大し、非画像部への飛び散り、即
ちカブリが目立つ様になる。これに対処すべくキャリア
の比表面積を稼ぐべくキャリアの小径化が考えられる
が、SB が1.8m2/g以上では、トナーの自己凝集
も起こり易く、キャリアとの均一混合が短時間では達成
されず、トナーの連続補給耐久においては、どうしても
カブリトナーが生じてしまう傾向にある。よって本発明
においては、トナーの非表面積SB は、1.0m2 /g
以上、1.8m2 /g以下、好ましくは1.05m2
g以上、1.7m2 /g以下が好ましい。
【0029】本発明の第二の特徴は、重量平均粒径(通
常D4 と表示)から直接計算されるところのトナーの比
表面積をSA とした時のSB /SA なるものが、トナー
の粒度分布の広がりを示し、これが耐久での画像劣化
や、トナー飛散やカブリにも影響が大であり、これを適
正化することこそが長期に渡って高画質を維持する為の
キーポイントとなる技術であることを見い出したことに
ある。
【0030】本発明者らは、粒度分布の状態と現像特性
を検討する過程で、上記のSB /SA なるものが、1.
20≦SB /SA ≦1.70の範囲内にある時に、本発
明の目的を達成するに最も適した粒度分布の存在状態で
あることを知見した。即ち、SB /SA が1.20より
も小さい時は、一般的な風力分級によって粒度分布を調
整した場合、極端に微粉がカットされた系がこれに当て
はまり、確かにトナー流動性に優れ、高い画像濃度が得
られ易い。更には、耐久による粒度変動が少なく、長期
の耐久において有利というメリットはあるものの、先に
述べた様なハイライト部の再現に必須の成分である微粉
が少ない為に、どうしても階調性に劣り、本発明の目的
を満足することが出来ない。加えて、トナーのコストア
ップがどうしても避けられず、コストメリットの高いト
ナーにはなり得ない。
【0031】逆に、SB /SA が1.70よりも大きい
時は粒度分布がブロードになり、特に微粉側のトナーが
多くある様な系がこれにあたる。この様な粒度分布で
は、全体にカブリの多い画像になるし、微粉増量による
流動性の低下は避けられず、結局ドラム上の微小潜像に
対して忠実にトナーで現像することが出来ない。よって
本発明においては、トナーの粒度分布としてSB /SA
が1.20以上1.70以下、より好ましくは1.20
以上1.60以下を満足する時、優れた流動性と階調
性、並びに優れた長期耐久安定性が得られる。
【0032】又、本発明のトナーは、これまで述べてき
たことを基に、4μm以下の粒径のトナー粒子が全粒子
数の10〜70個数%、好ましくは15〜60個数%で
ある。4μm以下の粒径のトナー粒子が、10個数%未
満であると、高画質の為には必須な成分である微小のト
ナー粒子が少ないことを意味し、特にコピー又はプリン
トアウトを続けることによってトナーが連続的に使われ
るに従い、有効なトナー粒子成分が減少して、本発明で
示すところのトナーの粒度分布のバランスが悪化し、画
質が次第に低下する傾向を示す。
【0033】又、4μm以下の粒径のトナー粒子が、7
0個数%を超えると、トナー粒子相互の凝集状態が生じ
易く、本来の粒径以上のトナー塊として振る舞うことも
多くなり、その結果、粗れた画像となったり、解像性を
低下させたり、又は潜像のエッジ部と内部との濃度差が
大きくなり、中抜け気味の画像となり易く、好ましくな
い。
【0034】以下に本発明における粒度分布測定、並び
にトナーの比表面積の計算法について述べる。測定装置
としては、コールターカウンターTA−II型(コール
ター社製)を用い、個数平均分布及び体積平均分布を出
力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パー
ソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し電解液は
1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製
する。
【0035】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更
に測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した
電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行
い、前記コールターカウンターTA−II型により、ア
パチャーとして100μmアパチャーを用いて2.00
〜50.80μmの粒子の粒度分布を測定して、体積平
均分布及び個数平均分布を求める。本発明に係るところ
の微粉個数(4.00μm以下)は、個数平均分布より
算出した微粉個数とした。
【0036】トナーの比表面積SB の計算に当たって
は、2.00〜50.80μmの粒子を14チャンネル
に分割して、各チャンネル毎の個数分布を求め、各チャ
ンネルの代表値とトナーの比重により、トナーを球形近
似した際の比表面積を求め、各チャンネル毎の個数比率
によりトナーの比表面積を求めた。本発明においては、
各チャンネル毎の代表値を各チャンネルの上下限値の対
数を取り、この2点平均のイクスポーネンシャルの値と
した。
【0037】一例として、例えば、3.17〜4.00
μm間のチャンネルの代表値は、 であり、他の13チャンネルについても同様にして代表
値を求め、各チャンネル毎にトナーの比表面積を求め、
先に述べた個数分布により換算して最終的にトナーの比
表面積SB を求めた。尚、SA の計算に当たっては、ト
ナーの重量平均粒径と比重により直接算出した球形近似
による比表面積とした。
【0038】以下、本発明に用いるキャリアについて詳
細に説明する。本発明に用いるキャリアが従来のキャリ
アの持つ諸欠点を改善し、キャリア付着を防ぎつつ、原
稿に忠実、即ち、潜像に忠実な現像をすることが出来る
のは、以下の理由によると考えられる。本発明の特徴で
ある潜像に対して忠実な現像を行う為には、現像極での
磁場においてキャリアの磁化の強さを30〜150em
u/cm3 にすることで達成することが出来た。これ
は、現像極における磁場の強さは、一般に1,000エ
ルステッド程度であり、そのときのキャリアの磁化の強
さが弱いことで、現像剤の磁気ブラシが短く且つ密にな
り、更にブラシが柔らかくなることで潜像に対して忠実
な現像が達成出来たものと考えられる。この様な磁気ブ
ラシが短く且つ密で、柔らかくなることにより、特に現
像剤を振動させる交番電界を印加する現像においては、
現像効率が上がり、又、より高い忠実な現像が出来ると
考えられる。
【0039】又、本発明のもう一つの効果である画質の
劣化を防止し、初期の高画質画像を維持することが出来
るのは、この様な低磁気力のキャリアを用いることで、
現像スリーブに現像剤をコートする際、規制部材付近で
のキャリアブラシの磁気的な結合力が弱く、穂が柔らか
い為にトナーに対してシェアを余りかけず、高画質画像
を長期にわたって維持することが出来ると考えられる。
特にこの様な効果は、トナーを小粒化した時により顕著
であった。
【0040】又、詳細な検討を行ったところ、キャリア
付着は磁場の強さが0〜300エルステッドにおいて生
じ易く、そのときのキャリアの磁化の強さがある程度高
いときには起こらないことが判明した。又、キャリア付
着は現像のバイアス条件にも左右され、特に交番電界に
よる現像を行う場合、直流電界に比べてキャリアが電荷
を有すると現像され易くなり、それを現像スリーブに引
き止める為には磁気力が必要となる。従って、キャリア
付着を抑える為には、上記磁場における磁化の強さが必
要であると考えられる。そこで本発明は、図1のヒステ
リシスカーブに示される様に、1,000エルステッド
での磁化の強さσ1,000 は、30〜150emu/cm
3 と従来キャリアに比べ小さいながらも、0〜300エ
ルステッドでの磁化の強さを強くすることによって、高
画質化を計りつつ、キャリア付着を防ぐことが出来ると
考えられる。
【0041】又、一般に残留磁化の大きな磁性材料は保
持力も大きい。いわゆる永久磁石の様なハードフェライ
トの如き磁性材料であり、先述の様に自己凝集によるト
ナーとの混合性や現像剤搬送性の不良となってしまい、
現像剤担持体が回転磁芯アプリケータの如き、大型で特
殊な現像器が必要となる。しかして本発明は、その様な
一般的なハード磁性材料を用いるのではなく、保磁力が
300エルステッド未満であるキャリアを用いることに
より、固定磁芯系現像剤担持体を用いた小型現像器でも
トナーの混合性及び現像剤搬送性の良好な現像剤を達成
することが出来ると考えられる。
【0042】次に本発明に用いられるキャリアについて
更に詳細に説明する。本発明に用いられるキャリアは、
該キャリア粒子の磁気特性が以下の様になることが必要
である。即ち、磁気的に飽和させた後の1,000エル
ステッドにおける磁化の強さ(σ1,000 )は30〜15
0emu/cm3 であることが必要である。更に高画質
化を達成する為に好ましくは、30〜120emu/c
3 である。150emu/cm3 より大きい場合に
は、現像極での現像剤ブラシの密度が従来とあまり変わ
らず、本発明の様な高画質な画像が得られにくくなる。
30未満であると、0〜300エルステッドにおける磁
気的な拘束力も減少する為にキャリア付着を生じてしま
う。
【0043】又、残留磁化の強さは25emu/cm3
以上であることが必要である。25emu/cm3 未満
であると、特に高画質化の為にコントラスト電位を大き
くとったり、又は振幅の大きい交番電界を用いる現像シ
ステムにおいて、キャリア付着が生じ易くなり、現像後
の転写プロセスにおいてキャリア付着部分が転写不良を
起こす等により高画質な画像が得られない。更に、保持
力が300エルステッド未満であることが必要である。
300エルステッド以上であるとキャリア自体の自己凝
集の為に、トナーとの混合性に劣ったり、特に固定磁石
を内包した現像スリーブにおいてキャリアが容易に動く
ことが出来ず、現像スリーブ上での搬送性が悪くなり、
現像剤のコート状態が悪くなる為に高画質な画像が得ら
れない。
【0044】更に本発明において重要なことは、磁場0
〜300エルステッド近傍における磁化の強さである。
従って下記の式を満たすことである。 [式中、σ1,000 及びσ300 は、夫々磁気的に飽和させ
た後の1,000及び300エルステッドにおける磁化
の強さ(emu/cm3 )を示す。]好ましくはこの値
が0.30以下である。ここで、0.40を越えると、
本発明の高画質化を計りつつ、キャリア付着を防ぐとい
う効果を両立させることが出来なくなる。
【0045】即ち、σ1,000 を満足する様な値をとると
高画質化は計れる反面、キャリア付着を生じ易くなる。
又、σ300 を満足する様な値をとるとキャリア付着は防
ぐことが出来る反面、σ1,000 の値が大きくなることで
本発明の様な高画質な画像を得ることが出来なくなる。
尚、本発明における磁気特性の測定は、理研電子(株)
製の直流磁化B−H特性自動記録装置BHH−50を用
いて行った。磁性材料は、一般に10キロエルステッド
の磁場で飽和する為、本発明においてキャリアの飽和磁
化は10キロエルステッドの値をもってその値とした。
従って、磁気特性値は±10キロエルステッドの磁場を
作り、そのときのヒステリシスカーブにより求めた。
【0046】本発明における磁気特性は、サンプルを円
筒状のプラスチック容器に緩く入れた後、10キロの磁
場をかけて着磁した状態で強くパッキングを行い固定
し、その状態での磁気特性を測定した。これを本発明の
磁気特性として用いた。その時のサンプルホルダーの体
積は0.332cm3 であり、これをもって単位体積当
たりの磁化の強さを求めた。本発明のキャリア粒子の平
均粒径は、5〜100μmの範囲で好ましく、更に好ま
しくは20〜80μmである。5μmより小さいと感光
体へのキャリア付着が生じ易くなり、又、100μmを
越えると現像極における磁気ブラシが粗になり高画質な
画像が得られない。尚、本発明のキャリアの粒径は、光
学顕微鏡によりランダムに300個以上抽出し、ニレコ
社製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フ
ェエ径をもってキャリア粒径として測定した。
【0047】本発明のキャリア嵩密度は、3.0g/c
3 以下が好ましい。3.0g/cm3 を越えると現像
スリーブの回転により、キャリアがスリーブ上に磁気的
に保持される力に比べ、キャリア1個にかかる遠心力が
大きくなり、キャリア飛散を生じ易くなる。尚、本発明
のキャリアの嵩密度の測定はJIS Z 2504に記
載の方法に準じて行った。
【0048】本発明のキャリアの球形度は2以下が好ま
しい。本発明のキャリアは、上記球形度が2を越える
と、現像剤としての流動性が劣る様になり、現像極にお
いて磁気ブラシの形状が悪くなる為に高画質な画像が得
られなくなる。尚、本発明のキャリアの球形度の測定
は、東芝(株)製のフィールドエミッション走査電子顕
微鏡S−800によりキャリアをランダムに300個以
上抽出し、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3
を用いて、次式によって導かれる形状係数を求めること
で行った。 MX LNG:キャリアの最大径 AREA :キャリアの投影面積 ここで、SF1は1に近いほど球形に近いことを意味し
ている。
【0049】本発明のキャリアの比抵抗は108 〜10
13Ω・cmの範囲が適当である。108 Ω・cm未満で
は、バイアス電圧を印加する現像方法では現像領域にお
いてスリーブから感光体表面へと電流がリークし、良好
な画像が得られない。又、1013Ω・cmを越えると、
低湿の如き条件下でチャージアップ現象を引き起こし、
濃度薄、転写不良、カブリ等の画像劣化の原因となる。
尚、本発明において、比抵抗の測定には、図3の如き測
定方法を用いた。即ち、セルAに、キャリアを充填し、
該充填キャリアに接する様に電極1及び2を配し、該電
極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定するこ
とにより比抵抗を求める方法を用いた。上記測定方法に
おいては、キャリアが粉末である為に充填率に変化が生
じ、それに伴い比抵抗が変化する場合があり、注意を要
する。本発明における比抵抗の測定条件は、充填キャリ
アと電極との接触面積S=約2.3cm2 、厚みd=約
1mm、上部電極2の荷重275g及び印加電圧100
Vとした。
【0050】本発明のキャリアの最大の特徴である前記
の磁気特性を達成する為に、金属酸化物磁性材料或は鉄
系の合金、例えば、炭素鋼、クロム鋼、コバルト−クロ
ム鋼、バイカロイ、アルニコ合金等を用いることが必要
である。好ましくは、フェライトよりなり、該フェライ
ト粒子が周期律表IA、IIA、IIIA、IVA、VA、VI
A、IB、IIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII族の
中から選ばれる元素を少なくとも1種以上含有してお
り、その他の元素の含有量が1重量%未満であるキャリ
アを用いることが出来る。ここで、他の元素が入ると本
発明の所望の磁気特性を示すキャリアが得られにくくな
り、更に抵抗が下がり易くなる為に好ましくない。
【0051】又、本発明のキャリアは、スピネル構造単
相、マグネットプランバイト構造単相、少なくともスピ
ネル構造又はマグネットプランバイト構造を有する複合
相、スピネル構造及びマグネットプランバイト構造の複
合相であり、そのとき、スピネル相とマグネットプラン
バイト相とのモル比が1:1〜10:1が好ましく用い
られる形態である。又、スピネル構造、マグネットプラ
ンバイト構造を有する磁性粒子は互いに余り反応しない
ことが好ましい。この様な組成形態をとることにより、
磁気的に飽和した後の1,000エルステッドにおける
磁化の強さ(σ1,000 )は30〜150emu/cm3
であり、残留磁化σrが25emu/cm3 以上であ
り、保磁力が300エルステッド未満の磁気特性を有す
るキャリアを得ることが出来る。本発明において、キャ
リアを構成する結晶の測定は、X線回折法及び蛍光X線
を用いて行った。
【0052】本発明のキャリアは、焼結法及びアトマイ
ズ法等の製造方法によって製造が可能であり、必要に応
じて2種以上の結晶微粉末を混合焼結させる等の方法に
より、本発明の磁気特性を持つキャリアを製造すること
も出来る。又、本発明のキャリアは、磁気的に飽和させ
た後に用いることで本発明の特徴的な磁気特性を達成す
ることが容易となる。尚、磁気的な飽和の方法として、
直流の電磁石により±10キロエルステッドの磁場中に
キャリア粒子を暴露すること等が挙げられる。
【0053】又、本発明のキャリアは、前記の比抵抗コ
ントロールを行ったり、耐久性を向上させる為に、必要
に応じてキャリア粒子表面を任意の樹脂でコートして用
いることが出来る。コート用の樹脂としては、公知の適
当な樹脂を用いることが出来るが、例えば、アクリル系
樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂
等を用いることが出来る。尚、キャリアの磁気特性の測
定装置としては、BHU−60型磁化測定装置(理研測
定社製)を用いる。測定試料は約1.0g秤量し、内型
7mmφ及び高さ10mmのセルに詰め、前記の装置に
セットする。
【0054】測定は印加磁場を徐々に加え、最大3,0
00エルステッドまで変化させる。次いで印加磁場を減
少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカー
ブを得る。これより、飽和磁化、残留磁化及び保磁力を
求める。又、キャリアの粒度分布の測定として、その装
置はマイクロトラック粒度分析計(日機装(株)製)の
SRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設
定で行った。
【0055】以下に本発明に用いるトナー及びキャリア
について説明する。本発明の着色剤含有樹脂粒子に使用
する結着物質としては、従来より電子写真用トナー結着
樹脂として知られている各種の材料樹脂が用いられる。
例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合
体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレン系共重合
体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体の様なエチレン系共
重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル
フタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
マレイン酸系樹脂等である。又、いずれの樹脂もその製
造方法等は特に制約されるものではない。
【0056】これらは樹脂の中で、特に負帯電能の高い
ポリエステル系樹脂を用いた場合、本発明の効果は絶大
である。即ち、ポリエステル系樹脂は、定着性に優れ、
カラートナーに適している反面、負帯電能が強く帯電が
過大になり易いが、本発明の構成にポリエステル樹脂を
用いると弊害は改善され、優れたトナーが得られる。
【0057】特に、次式
【化1】 (式中Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及びy
は夫々1以上の整数であり、且つx+yの平均値は2〜
10である。)で代表されるビスフェノール誘導体若し
くは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸
又はその酸無水物又はその低級アルキルエステルとから
なるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸等)とを共縮重合したポリエステ
ル樹脂がシャープな溶融特性を有するのでより好まし
い。
【0058】特に、トラペンでの光透過性の点で、90
℃における見掛粘度が5×104 〜5×106 ポイズ、
好ましくは7.5×104 〜2×106 ポイズ、より好
ましくは105 〜106 ポイズであり、100℃におけ
る見掛粘度は104 〜5×105 ポイズ、好ましくは1
4 〜3×105 ポイズ、より好ましくは104 〜2×
105 ポイズであることにより、光透過性良好なカラー
OHPが得られ、フルカラートナーとしても定着性、混
色性及び耐高温オフセット性に良好な結果が得られる。
90℃における見掛粘度P1 と100℃における見掛粘
度P2 との差の絶対値が、2×105 <|P1 −P2
<4×106 の範囲にあるのが特に好ましい。
【0059】本発明に使用される着色剤としては、公知
の染顔料が用いられるが、例えば、次の様なものが挙げ
られる。マゼンダ用着色顔料としてはC.I.ピグメン
トレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、1
9、21、22、23、30、31、32、37、3
8、39、40、41、48、49、50、51、5
2、53、54、55、57、58、60、63、6
4、68、81、83、87、88、89、90、11
2、114、122、123、163、202、20
6、207、209;C.I.ピグメントバイオレット
19;C.I.バットレット1、2、10、13、1
5、23、29、35等が挙げられる。
【0060】顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔
料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画
像の画質の点からより好ましい。マゼンダ用染料として
は、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、2
4、25、27、30、49、81、82、83、8
4、100、109、121;C.I.ディスパースレ
ッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、1
4、21、27;C.I.ディスパースバイオレット1
等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、
12、13、14、15、17、18、22、23、2
4、27、29、32、34、35、36、37、3
8、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、
3、7、10、14、15、21、25、26、27、
28等の塩基性染料が挙げられる。
【0061】シアン用顔料としては、C.I.ピグメン
トブルー2、3、15、16、17;C.I.バットブ
ルー6;C.I.アシッドブルー45又は(1)式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等で
ある。
【化2】
【0062】イエロー用着色顔料としてはC.I.ピグ
メントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、1
1、12、13、14、15、16、17、23、6
5、73、83;C.I.バットイエロー1、3、20
等が挙げられる。着色剤の使用量は結着樹脂100重量
部に対して0.1〜60重量部、好ましくは0.5〜5
0重量部である。
【0063】又、本発明におけるトナーは、負帯電性或
いは正帯電性に限定されるものではないが、負帯電性ト
ナーをつくる場合は、特に負荷電特性を安定化させる目
的で荷電制御剤を添加することが好ましい。負荷電制御
剤としては、例えば、アルキル置換サリチル酸の金属錯
体(例えば、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロ
ム錯体又は亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げられ
る。
【0064】正帯電性のトナーを作製する場合には、正
帯電性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェ
ニルメタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピ
リジン等を用いてもかまわない。又、カラートナーを作
製する場合においては、正帯電性を示すメタクリル酸ジ
メチルアミノメチル等の含アミノカルボン酸エステル類
をモノマーとして0.1〜40mol%、好ましくは1
〜30mol%含有させた結着樹脂を用いるか、或はト
ナーの色調に影響を与えない無色又は淡色の正荷電制御
剤を用いることが望ましい。
【0065】更に本発明におけるトナーにおいて、トナ
ーの流動性を向上させる目的で、流動性向上剤を添加し
てもかまわない。本発明に用いられる流動性向上剤とし
ては、着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、添加
前に比べて流動性が増加し得るものであれば、どの様な
ものでも使用可能である。
【0066】例えば、フッ素系樹脂粉末、即ちフッ化ビ
ニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末
等、又は脂肪酸金属塩、即ちステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸鉛等、又は金属酸化
物、即ち酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化
亜鉛粉末等、又は微粉末シリカ、即ち湿式製法シリカ、
乾式製法シリカ、それらシリカにシランカップリング
剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル等により表
面処理を施した処理シリカ等がある。
【0067】本発明に係る着色剤含有樹脂粒子を作製す
るには、熱可塑性樹脂を必要に応じて着色剤としての顔
料又は染料、荷電制御剤、その他の添加剤等をボールミ
ルの如き混合機により充分混合してから加熱ロール、ニ
ーダー或いはエクストルーダーの如き熱混練機を用いて
熔融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中
に顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕
し厳密な分級を行って本発明に係るところの着色剤含有
樹脂粒子を得ることが出来る。本発明に係るトナーと混
合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現
像剤中のトナー濃度として、2重量%〜15重量%、好
ましくは4重量%〜13重量%にすると通常良好な結果
が得られる。トナー濃度が2重量%以下では画像濃度が
低く実用不可となり、15重量%以上ではカブリや機内
飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0068】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。 実施例1 [トナーの作製] プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得られたポリエステル樹 脂 100部 フタロシアニン顔料 5部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4部
【0069】上記成分をヘンシェルミキサーにより十分
予備混合を行い、2軸式押出機で溶融混練し、冷却後ハ
ンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次い
でエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更
に得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して本発明
の粒度分布を有する着色剤含有樹脂粒子を得た。次に比
表面積200m /gのケイ酸微粉体アエロジル#2
00(日本アエロジル社製)100部にヘキサメチルジ
シラザン(HMDS)20部で処理を行った後、ジメチ
ルシリコンオイルKF−96 100cs(信越化学
(株)製)10部を溶剤で希釈したもので処理を行い、
乾燥後約250℃で加熱処理を行い、ヘキサメチルジシ
ラザン処理後ジメチルシリコンオイルで処理されたケイ
酸微粉体を得た。前述の着色剤含有樹脂粒子100部に
対して、上記のケイ酸微粉体を1.0部、並びに酸化ア
ルミニウム微粉体(BET120m2 /g)0.5部を
外添してシアントナーAを得た。
【0070】[キャリアの作製]モル比で、Fe23
=60モル%、CuO=20モル%、ZnO=20モル
%になる様に秤量し、一方、Fe23 =82モル%、
SrCO3 =10モル%、ZnO=8モル%になる様に
秤量し、夫々ボールミルを用いて混合を行った。これら
を各々仮焼した後、ボールミルにより粉砕を行い、前記
処方を夫々2:1の割合で混合し、ポリビニルアルコー
ル、消泡剤及び分散剤を加えスラリーを作り、スプレー
ドライヤーを用いて造粒乾燥して焼結を行った。更に分
級することで平均粒径が55μmのキャリア粒子を得
た。そのとき得られたキャリアの形状はほぼ球径をして
いた。
【0071】又、X線回折及び蛍光X線の分析の結果、
スピネル相(Cu−Zu−フェライト)とマグネットプ
ランバイト相(Srフェライト)との比は、ほぼ仕込量
と同量の2:1になっていた。又、嵩密度は、2.32
g/cm3 であった。又、キャリア粒子の抵抗を測定し
たところ、6.2×109 Ω・cmであった。このキャ
リアを10キロエルステッドの磁場で飽和させた後、磁
気測定を行った結果、そのときの磁気特性はσ1,000
142emu/cm3 、σr=104emu/cm3
σ300 =122emu/cm3 、Hc=260エルステ
ッドであった。そのとき|σ1,000 −σ300 |/σ
1,000 =0.14であった。
【0072】更に、このキャリアの表面に、スチレン−
メタクリル酸2−エチルヘキシル(共重合比45/5
5)共重合体を流動層式コート方法によりコーティング
した。その時のキャリアの比抵抗は9.5×1012Ω・
cmであった。該キャリアを10キロエルステッドの磁
場で飽和磁化した後、キャリアとトナーとをトナー濃度
5%となる様に混合し現像剤を得た。これをキャノン製
フルカラーレーザー複写機CLC−500を改造して用
いて画像出しを行った。
【0073】現像スリーブと現像剤規制部材との距離は
400μmであり、現像スリーブと感光ドラムとの周速
比が1.3:1であり、又、現像条件は、現像極の磁場
の強さ1,000エルステッド、交番電界2,000V
P-P 、周波数3,000Hzであり、スリーブと感光ド
ラムの距離は500μmとした。このとき、現像スリー
ブ上の現像極付近の現像ブラシの穂立ちを顕微鏡観察し
た結果、緻密で穂長が短くなっていることがわかった。
画像出しの結果、ベタ画像の濃度も十分であり、又、ガ
サツキもなく、特にハーフトーン部の再現性及びライン
画像の再現性が非常に良好であった。更に、画像部及び
非画像部共にキャリア付着は認められなかった。又、現
像器を200rpmのスピードで空回転を30分間行っ
た。その結果ハーフトーン部のガサツキがやや見られた
が、その他は良好であった。
【0074】実施例2 実施例1のフタロシアニン顔料に代えてキナクリドン顔
料を使用し、実施例1と同様にして赤色樹脂粒子を得
た。上記赤色樹脂粒子100部に対して、実施例1で使
用のケイ酸微粉体を0.8部、更に酸化アルミニウム微
粉末0.3部外添してマゼンダトナーBを得た。それ以
外は実施例1と同様にして画像出しを行ったところ、良
好な結果が得られた。
【0075】実施例3 実施例1のフタロシアニン顔料をジスアゾ系の黄色顔料
に代えて黄色樹脂粒子を得て、更に、 ジスアゾ系イエロー顔料 2部 モノアゾ系レッド顔料 2.8部 銅フタロシアニン系ブルー顔料 2.4部 の3種の顔料を用いて、実施例1と同様にして黒色樹脂
粒子を得た。
【0076】夫々の着色樹脂微粒子100部に対して、
実施例1で使用のケイ酸微粉体を0.8部、並びに酸化
アルミニウム微粉体0.5部外添して、イエロートナー
C及びブラックトナーDを得た。実施例1と同様にして
現像剤を調製し、実施例1で使用のシアン系現像剤、実
施例2で使用のマゼンダ系現像剤と合わせて、4色のト
ナーで画像出しを行なった。その結果、オリジナル画像
を忠実に再現する良好な画像が得られた。又、耐久試験
においても高い画質を維持し続け、階調性に優れたフル
カラー画像が長期に渡って得られた。又、OHPフィル
ムの光透過性も極めて良好であった。更に、23℃/5
%RH及び30℃/80%RHの環境下で同様に画像出
しを行ったところ、カブリもトナー飛散もなく良好な結
果が得られた。
【0077】比較例1 下記表1記載の粒度分布を有するシアントナーEを、ト
ナー濃度6%でキャリアと組み合わせて、実施例1と同
様に画像出しを行ったところ、ハイライト再現性が低下
してしまった。本系においては、外添剤量及びトナー濃
度等を種々変更して検討してみたものの、ハイライト再
現性向上は達成することが出来なかった。
【0078】比較例2 下記表1記載の粒度分布を有するシアントナーFを、ト
ナー濃度6%でキャリアと組み合わせて、実施例1と同
様に画像出しを行ったところ、高い画像濃度が得られた
ものの、どうしてもハイライト再現性向上は達成するこ
とが出来なかった。
【0079】比較例3 下記表1記載の粒度分布を有するシアントナーGを用い
て画像出しを試みたが、どんなに外添剤量を変更しても
流動性が向上せず、ガサついた画像濃度の低い画像しか
得られなかった。
【0080】実施例4 モル比で、Fe23 =50モル%、CuO=20モル
%、ZnO=30モル%になる様に秤量し、一方、Fe
23 =85モル%、BaO=12モル%、ZnO=3
モル%になる様に秤量し、夫々ボールミルを用いて混合
を行った。これらを各々仮焼した後、ボールミルにより
粉砕を行い、前記処方を夫々1.5:1の割合で混合
し、ポリビニルアルコール、消泡剤及び分散剤を加えス
ラリーを作り、スピラコーターを用いて造粒乾燥して焼
結を行った。更に分級することで平均粒径が45μmの
キャリア粒子を得た。そのとき得られたキャリアの形状
はほぼ球径をしていた。
【0081】実施例1と同様に、X線回折測定及び蛍光
X線測定の結果、スピネル相とマグネットプランバンド
相のモル比はほぼ仕込量と同じ比率(1.6:1)であ
った。又、嵩密度は、2.30g/cm3 であった。
又、キャリア粒子の抵抗を測定したところ、9.2×1
9 Ω・cmであった。このキャリアを10キロエルス
テッドの磁場で飽和させた後、磁気測定を行った結果、
そのときの磁気特性はσ1,000 =67emu/cm3
σr=36emu/cm3 、σ300 =52emu/cm
3 、Hc=170エルステッドであった。そのとき|σ
1,000 −σ300 |/σ1,000 =0.22であった。得ら
れたキャリアを実施例1と同様にして表面コートした。
このときのキャリアの比抵抗は1.3×1012Ω・cm
であった。
【0082】更に、得られたキャリアを実施例1のキャ
リアと同様に磁化した後、このキャリアと実施例1で用
いたトナーとを実施例1と同様に混合して現像剤とし
た。この現像剤を実施例1と同様にして、画像出し試験
を行ったところ、現像スリーブ上での磁気ブラシの密度
が密で、ハーフトーン部でのガサツキもなく、又、細線
の再現性に非常に優れていた。更にσ1,000 の値が小さ
いにもかかわらず、画像部及び非画像部共にキャリア付
着は良好であった。又、空回転後の画像は、黒ベタ部の
濃度も十分で、ハーフトーン部もガサツキもなく、キャ
リア付着は認められなかった。
【0083】実施例5 モル比で、Fe=61モル%、Al=9モル%、Ni=
15モル%、Co=15モル%になる様に調合し、その
溶湯から水アトマイズ法を用いてキャリア粒子を得た。
得られたキャリアを熱処理を行い、更に風力分級機によ
り分級し、平均粒径が42μmのキャリア粒子を得た。
そのとき得られたキャリアの形状はほぼ球形をしてい
た。又、嵩密度は2.96g/cm3 であった。又、キ
ャリア粒子の抵抗を測定したところ2×100 Ω・cm
であった。このキャリアの磁気測定を行った結果、その
ときの磁気特性はσ1,000 =89emu/cm3 、σr
=37emu/cm3 、σ300 =60emu/cm3
Hc=165エルステッドであった。そのとき|σ
1,000 −σ300 |/σ1,000 =0.33であった。
【0084】得られたキャリアに実施例1で用いた樹脂
を実施例1と同様にしてコートした。このときのキャリ
アの比抵抗は2×109 Ω・cmであった。このキャリ
アを実施例1のキャリアと同様に着磁した後、このキャ
リアと実施例1で用いたトナーとを実施例1と同様に混
合して現像剤とした。この現像剤を実施例1と同様にし
て画像出し試験を行ったところ、現像スリーブ上での磁
気ブラシの密度が密で、特にハーフトーン部でのガサツ
キがなく、又、細線の再現性に非常に優れていた。又、
画像部及び非画像部共にキャリア付着は良好で、高画質
な画像を出力出来た。又、空回転試験でもハーフトーン
部のガサツキ、画質は初期とほぼ同等であり、キャリア
付着は認められなかった。
【0085】比較例4 モル比で、Fe23 =85モル%、SrCO3 =15
モル%になる様に秤量し、ボールミルを用いて混合を行
った。混合粉を仮焼し、その後粉砕した。粉砕した試料
をスラリー状にし、そのスラリーをスプレードライヤー
にて造粒し、造粒粉の焼結を行った。
【0086】得られた焼結粉末を風力分級機により分級
し、平均粒径が59μmのキャリア粒子を得た。そのと
き得られたキャリアの形状はほぼ球形をしていた。又、
嵩密度は2.01g/cm3 であった。又、キャリア粒
子の比抵抗を測定したところ9.5×108 Ω・cmで
あった。このキャリアを10キロエルステッドの磁場に
おける磁気測定を行った結果、そのときの磁気特性はσ
1,000 =101emu/cm3 、σr=76emu/c
3 、σ300 =87emu/cm3 、Hc=2040エ
ルステッドであった。そのとき|σ1,000 −σ300 |/
σ1,000 =0.12であった。
【0087】得られたキャリアを実施例1と同様にして
表面コートした。このときのキャリアの比抵抗は3.5
×1012Ω・cmであった。このキャリアを実施例1の
キャリアと同様にして飽和磁化した後、このキャリアと
実施例1で用いたトナーとを実施例1と同様に混合して
現像剤とした。この現像剤を実施例1と同様にして、画
像出し試験を行ったところ、キャリアの自己凝集性の為
に現像スリーブ上での現像剤の流動性が悪く、トナーの
混合や現像剤の搬送が良好に出来なかった。
【0088】比較例5 実施例1で用いたスピネル相(Cu−Zuフェライト)
とマグネットプランバイト相(Srフェライト)との混
合比を1:2に変える以外実施例1と同様にキャリアを
作製し、平均粒径が52μmのキャリア粒子を得た。そ
のとき得られたキャリアの形状はほぼ球形をしていた。
又、X線回折及び蛍光X線の分析の結果、スピネル相
(Cu−Zu−フェライト)とマグネットプランバイト
相(Srフェライト)との比は、ほぼ仕込量と同量の
1:2になっている。又、嵩密度は2.07g/cm3
であった。又、キャリア粒子の抵抗を測定したところ
5.1×109 Ω・cmであった。このキャリアを10
キロエルステッドの磁場で飽和させた後、磁気測定を行
った結果、そのときの磁気特性はσ1,000 =117em
u/cm3 、σr=94emu/cm3、σ300 =10
6emu/cm3 、Hc=1090エルステッドであっ
た。そのとき|σ1,000 −σ300 |/σ1,000 =0.0
9であった。
【0089】得られたキャリアを実施例1と同様にして
表面コートした。このときのキャリアの比抵抗は7.5
×1012Ω・cmであった。このキャリアを実施例1と
同様にして飽和磁化した後、このキャリアと実施例1で
用いたトナーとを実施例1と同様に混合して現像剤とし
た。この現像剤を実施例1と同様にして、画像出し試験
を行ったところ比較例1と同様にキャリアの自己凝集性
の為に現像スリーブ上での現像剤の流動性が悪く、トナ
ーの混合や現像剤の搬送が良好に出来なかった。
【0090】比較例6 モル比で、Fe23 =62モル%、ZnO=16モル
%、CuO=22モル%になる様に秤量し、ボールミル
を用いて混合を行った。これを比較例1と同様にして平
均粒径が50μmのキャリア粒子を得た。そのとき得ら
れたキャリアの形状はほぼ球形をしていた。又、嵩密度
は2.77g/cm3 であった。又、キャリア粒子の抵
抗を測定したところ4.0×109 Ω・cmであった。
このキャリアを10キロエルステッドの磁場における磁
気測定を行った結果、そのときの磁気特性はσ1,000
214emu/cm3 、σr=2emu/cm3 、σ
300=113emu/cm3 、Hc=10エルステッド
であった。そのとき|σ1,000 −σ300 |/σ1,000
0.47であった。
【0091】得られたキャリアを実施例1と同様にして
表面コートした。このときのキャリアの比抵抗は3.2
×1012Ω・cmであった。更に、得られたキャリアと
実施例1で用いたトナーとを実施例1と同様に混合して
現像剤とした。この現像剤を実施例1と同様にして、画
像出し試験を行ったところ現像スリーブ上での現像剤の
流動性は良好であり、搬送性には優れていたが、現像極
における現像剤の磁気ブラシが粗くなっているのが観察
され、画像上ハーフトーン部でのガサツキが見られた。
又、実施例1と同様に空回転試験を行ったところ、特に
ハーフトーン部でのガサツキが見られた。
【0092】比較例7 モル比で、Fe23 =60モル%、SrCO3 =3モ
ル%、ZnO=21モル%、CuO=16モル%になる
様に秤量し、ボールミルを用いて混合を行った。これを
比較例1と同様にして、平均粒径が52μmのキャリア
粒子を得た。そのとき得られたキャリアの形状はほぼ球
形をしていた。X線回折測定及び蛍光X線測定の結果、
スピネル相(Cu−Znフェライト)とマグネットプラ
ンバイト相(Srフェライト)とのモル比は、ほぼ1
5:1であった。又、嵩密度は2.32g/cm3 であ
った。又、キャリア粒子の抵抗を測定したところ1×1
9 Ω・cmであった。このキャリアの磁気測定を行っ
た結果、そのときの磁気特性はσ1,000 =58emu/
cm3 、σr=6emu/cm3 、σ300 =20emu
/cm3 、Hc=60エルステッドであった。そのとき
|σ1,000 −σ300 |/σ1,000 =0.66であった。
【0093】得られたキャリアを実施例1と同様にして
表面コートした。このときのキャリアの比抵抗は1.5
×1012Ω・cmであった。更に、得られたキャリアを
実施例1のキャリア同様に飽和磁化した後、このキャリ
アと実施例1で用いたトナーとを実施例1と同様に混合
して現像剤とした。この現像剤を実施例1と同様にし
て、画像出し試験を行ったところ、σ1,000 の値が小さ
くなっている為現像スリーブ上での磁気ブラシの密度が
密で、ハーフトーン部でのガサツキもなく、又、細線の
再現性に非常に優れていたが、0〜300エルステッド
における磁化の強さが弱い為非画像部にキャリア付着が
認められ、それに伴い非画像部でのトナーカブリが観察
された。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、特定の粒度分布を有す
るトナーと特定のキャリアとを使用することによって長
期に渡って高精細、高画質及び高画像濃度を達成するこ
とが出来る。
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例におけるヒステリシ
スカーブを示す図。
【図2】比抵抗の測定方法を説明する図。
【符号の説明】
C:セル 1;上部電極 2:下部電極 3:絶縁物 4:電流計 5:電圧計 6:定電圧装置 7:キャリア 8:ガイドリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/107 G03G 9/08 361 381 9/10 321

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともトナー及びキャリアとから構
    成される二成分系カラーの静電荷像現像用現像剤におい
    て、該トナーがコールターカウンターの体積平均分布デ
    ーターより算出されるトナーの重量平均粒径より直接計
    算したトナーの比表面積をSA とし、個数平均分布から
    算出したトナーの比表面積をSB としたとき、SB
    1.0≦SB ≦1.8(m/g)であり、且つSA
    B の比が下記の範囲にあることを満足し、 1.20≦SB /SA ≦1.70 且つ4μm以下の粒径を有するトナーを10〜70個数
    %含有するカラートナーであって、該キャリアが粒径5
    〜100μm及び嵩密度が3.0g/cm3 以下のキャ
    リアであって、磁気的に飽和した後の1,000エルス
    テッドにおける磁化の強さ(σ1,000 )は30〜150
    emu/cm3 であり、磁場0エルステッドにおける磁
    化の強さ(残留磁化:σr)が25emu/cm3 以上
    であり、保磁力が300エルステッド未満であり、その
    とき下記の式を満たすキャリアであることを特徴とする
    静電荷像現像用現像剤。 [式中、σ1,000 及びσ300 は、夫々磁気的に飽和させ
    た後の1,000及び300エルステッドにおける磁化
    の強さ(emu/cm3 )を示す。]
  2. 【請求項2】 キャリアが実質的に球形であり、球形度
    の≦2である請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤。
  3. 【請求項3】 キャリアが、フェライトよりなり、該フ
    ェライト粒子が周期律表IA、IIA、IIIA、IVA、V
    A、VIA、IB、IIB、IVB、VB、VIB、VIIB及びV
    III族の中から選ばれる元素を少なくとも1種以上含有
    しており、その他の元素の含有量が1重量%未満である
    請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤。
  4. 【請求項4】 キャリアが、スピネル構造単相、マグネ
    ットプランバイト構造単相、少なくともスピネル構造又
    はマグネットプランバイト構造を有する複合相、スピネ
    ル構造及びマグネットプランバイト構造の複合相であ
    り、そのとき、スピネル相とマグネットプランバイト相
    とのモル比が1:1〜10:1である請求項1に記載の
    静電荷像現像用現像剤。
  5. 【請求項5】 キャリアの比抵抗が108 〜1013Ω・
    cmである請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤。
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