JPH0718052Y2 - アクセッサ機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案はアクセッサ機構に関し、特にコンピュータの外
部記憶装置である集合光ディスク装置のアクセッサ機構
の構造に関する。

従来技術 従来、この種の集合光ディスク装置の媒体把持機構は、
媒体を把持するハンドと、ハンドを押し開くソレノイド
とを分離し、ソレノイドシャフトの先端部を円錐形状に
し、ハンドの方をシャフトの形状に合わせた漏斗状の形
状にすることによって、ソレノイドがハンドを押し開く
場合は互いに位置ずれを生じていても自動調心され、ソ
レノイドの励磁が解除され、ハンドが閉じた場合はハン
ドにある程度の自由度が生ずる構造となっていた。

上述した従来の媒体把持機構は、ハンドとソレノイドと
が分離された構造となっているので、ソレノイドの励磁
が解除された場合、ハンドは自重で重力方向にずり落ち
てしまう。このため媒体を収納庫に出し入れする際、媒
体の中心と格納庫の案内枠との中心がずれてしまいこじ
りを生ずるという欠点があった。

そこで、こじらない様にするために案内枠と媒体との間
に大きなギャップを設けることが考えられるが、媒体が
所定の位置にきちんと格納できなくなったり、装置内の
媒体収納密度が低下してしまうという欠点があった。

考案の目的 本考案の目的は、ハンドの自重にするずれを防止すると
共に媒体を格納庫やリード／ライトステーションから出
し入れする際にスムーズな動作が可能なアクセッサ機構
を提供することを目的とする。

考案の構成 本考案によるアクセッサ機構は、一対の把持部材と後端
部とを有しこの後端部を第１の方向に押圧することによ
り前記把持部材が前記第１の方向に対し垂直な第２の方
向に開き前記後端部に漏斗状の凹部が設けられたハンド
と、前記一体の把持部材を閉じる方向に付勢する第１の
バネ手段と、先端が円錐形状を呈しこの先端が前記ハン
ドの前記後端部の前記漏斗状の凹部を押圧するソレノイ
ドシャフトと、このソレノイドシャフトを前記第１の方
向に駆動するソレノイドと、前記ソレノイドシャフトを
前記第１の方向に付勢する第２のバネ手段とを有する。

実施例 次に本考案について図面を参照して説明する。

第１図は本考案の実施例である集合光ディスク装置の外
観図である。保護枠１に入った媒体１−ａが複数個収納
された収納庫２があり、媒体が案内枠４によって等間隔
に並べられ、格納庫２の下方に媒体処理を行うリード／
ライトステーション３が設置される。

一方、収納庫２とリード／ライトステーション３間を媒
体を把持して搬送するアクセッサ機構５は、収納庫２と
平行に設置された下レール８と、上レール７とに支えら
れ、水平方向に移動する。又、第２図を参照すると媒体
を把持する把持部６には、ハンド11とソレノイド12及び
本考案の主構成品であるスプリング21が組み合わされ、
ボールネジ13により収納庫２に対して往復運動し、媒体
を出し入れする。尚把持部６にも媒体を支える案内枠14
が設けられている。

第４図を参照すると、スプリング21はソレノイドシャフ
ト19をハンド後端部30に向けて付勢する。また、ソレノ
イドシャフト19にはスプリング21の他にソレノイド本体
12から抜け落ちないようにストッパ20が付加されてい
る。

アクセッサ機構５の通常の動作としては、収納庫内の１
つの媒体の位置にＸモータ15、Ｙモータ16により水平方
向及び垂直方向のそれぞれに位置決めされて静止する。
次に、ハンド11がソレノイド12によって押し開かれ、Ｚ
モータ17により格納庫２に向かって前進する。

ハンド11が目的の媒体保護枠に当たると、ハンド11はソ
レノイド12が作動を停止することにより、スプリング18
の力で閉じられて媒体保護枠の一部を把持する。再びＺ
モータ17が逆転し把持部６内に引き込まれる。この媒体
をリード／ライトステーション３に挿入し処理された
後、再び所定の格納庫に戻すというのが一連の動作であ
る。

次に把持部の詳細な動作について第２図〜第５図を参照
しつつ説明する。

第４図を参照すると、ハンド11を開くときは、ソレノイ
ド本体12がソレノイドシャフト19をハンド後端部30に向
けて駆動する。この結果、ソレノイドシャフトは第４図
のＡの位置まで移動する。

ソレノイドシャフト19の先端19aは円錐形状になってい
る。また、ハンド後端部30のうちソレノイドシャフト19
の先端19aと接触する部分には、ソレノイドシャフト19
の先端19aの形状に適合する漏斗状の凹部が設けられて
いる。

第５図（ａ）を参照すると、ハンド11を開くためにソレ
ノイドシャフト19がＡ方向に駆動されているとき、ソレ
ノイドシャフト19の中心とハンド後端部30の中心とは同
じ高さになる。ソレノイドシャフト19の先端19aがハン
ド後端部30の凹部の最深まで挿入されるためである。

第５図（ｂ）を参照すると、ハンド11で保護枠１を把持
するとき、ソレノイド本体12の励磁が解除される。ソレ
ノイド本体12の励磁が解除されることにより、ソレノイ
ドシャフト19はスプリング21の付勢力Ｃのみにより図中
Ａ方向に付勢される。しかし、スプリング18の付勢力
は、スプリング21の付勢力に勝る。このため、ハンド11
はスプリング18の付勢力により図中Ｂ方向に閉じる。閉
じたハンド11により保護枠１が把持される。

第５図（ｂ）では、保護枠１の中心がソレノイドシャフ
ト19の中心よりも上方向にずれている。したがって、保
護枠１を把持したハンド11も上方に移動る。このため、
ソレノイドシャフト19の中心とハンド後端部30の中心が
ずれる。このとき、ソレノイドシャフト19は中心とハン
ド後端部30の漏斗状凹部の内面に沿って後方に移動す
る。ソレノイドシャフト19の移動に伴って、スプリング
21が圧縮されるが、スプリング21の押圧力は弱いのでソ
レノイドシャフト19の移動を妨げることはない。

第５図（ｃ）を参照すると、把持した保護枠１を収納庫
２から抜き出したとき、ハンド後端部30の凹部の最深ま
で挿入される。これにより、ソレノイドシャフト19の中
心とハンド後端部30の中心が再び一致する。このとき、
ハンド11全体が下方に移動する。保護枠１は既に収納庫
２から抜き出されているので、ハンド11の移動は妨げら
れない。

以上のように、本考案のアクセッサ機構では、スプリン
グ21によりソレノイドシャフト19を付勢しているので、
媒体把持時においてソレノイドシャフト19の中心とハン
ド11の中心が一時的にずれても、媒体抜出後にはこれら
が自動的に調心される。

ハンド11が媒体保護枠１を把持しながら把持部が往復動
作する時、アクセッサ機構の中心と収納庫若しくはリー
ド／ライトステーションの中心がずれていても第４図の
Ｂで示す様に自由度がありこじりを生ずることなく出し
入れが可能となる。

考案の効果 以上説明したように、本考案によれば、ソレノイドとハ
ンドとの間に圧縮コイルバネを付加することにより、ハ
ンドの自重によるずれを防止すると共に、媒体を格納庫
若しくはリード／ライトステーションから出し入れする
際、こじること無くスムーズに行い装置内の媒体実装密
度を高める効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である集合光ディスク装置の外
観図、第２図は媒体把持部を上から見た図、第３図は第
２図の側面図、第４図はソレノイドシャフトとハンドの
接触部の詳細図、第５図（ａ）〜（ｃ）はアクセッサ機
構の動作を示す図である。 主要部分の符号の説明 11……ハンド 12……ソレノイド 19……ソレノイドシャフト 21……コイルバネ 30……ハンド後端部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−117755（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−56124（ＪＰ，Ａ) 特公 昭48−9501（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の把持部材と後端部とを有し、この後
   端部を第１の方向に押圧することにより前記把持部材が
   前記第１の方向に対して垂直な第２の方向に開き、前記
   後端部に漏斗状の凹部が設けられたハンドと、 前記一体の把持部材を閉じる方向に付勢する第１のバネ
   手段と、 先端が円錐形状を呈し、この先端が前記ハンドの前記後
   端部の前記漏斗状の凹部を押圧するソレノイドシャフト
   と、 このソレノイドシャフトを前記第１の方向に駆動するソ
   レノイドと、 前記ソレノイドシャフトを前記第１の方向に付勢する第
   ２のバネ手段とを有することを特徴とするアクセッサ機
   構。