JPH0718007B2 - ジルコニウム基合金部材の製造方法 - Google Patents

ジルコニウム基合金部材の製造方法

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JPH0718007B2
JPH0718007B2 JP60120968A JP12096885A JPH0718007B2 JP H0718007 B2 JPH0718007 B2 JP H0718007B2 JP 60120968 A JP60120968 A JP 60120968A JP 12096885 A JP12096885 A JP 12096885A JP H0718007 B2 JPH0718007 B2 JP H0718007B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は、例えば原子炉燃料用の被覆管、チャンネルボ
ックス等を構成するジルコニウム基合金部材の製造法に
関するものである。
[発明の背景] ジルコニウム基合金は、その優れた耐食性と非常に小さ
な中性子吸収断面積をもっていること、及び強度や延性
などの適当な機械的特性を合せもっているため、原子力
プラントの燃料被覆管及び燃料チャンネルボックス等の
構造材料として用いられている。
これらの構造物は原子炉内で長期間中性子の照射を受
け、同時に高温高圧の水または水蒸気にさらされるた
め、腐食が進むと表面にジルコニウムの酸化皮膜を形成
する。更に、ノジュラ腐食とよばれる斑点状の白色酸化
物がその表面に生成することもある。この斑点状の白色
酸化物は、腐食反応の進行につれて粗大化し、ときには
剥離することもある。
前記のようなジルコニウム基合金製の燃料被覆管、チャ
ンネルボックス等の建造物(以下これらを「ジルコニウ
ム基合金部材」といい、ジルコニウム基合金を材料とし
て形成された部材を総称するものとする)の材料として
これまで最も普通に使用されてきたジルコニウム基合金
は、ジルカロイ−2(重量比で錫1.2〜1.7%,鉄0.07〜
0.20%,クロム0.05〜0.15%,ニッケル0.03〜0.08%,
残部ジルコニウム)及びジルカロイ−4(重量比で錫1.
2〜1.7%,鉄0.18〜0.24%,クロム0.07〜0.13%、残部
ジルコニウム)と呼称されているものであり、またこれ
ら以外にもZr-2.5%Nb,Zr-1%Nbなどその他のジルコニ
ウム基合金も原子炉に適用されている。それらの材料は
現在の実炉の運転条件下ではその機能を充分果たしてい
るが、これらの材料の炉内滞留時間をさらに長くする計
画があることから、上記ノジュラ腐食のような異常腐食
やそれによる強度低下に対してさらに抵抗力のあるジル
コニウム基合金部材が要望されている。
かかる問題に対処するため、上記ジルコニウム基合金部
材の表面または表面近傍に酸化被膜や酸素の拡散層を形
成させ、この被膜や拡散層で水素の侵入を防ぐことによ
りジルコニウム基合金のノジュラ腐食に対する耐食性の
向上に寄与する提案がなされている(特開昭57−134552
号公報、特開昭57−110644号公報)。この提案は、ジル
コニウム基合金部材のノジュラ腐食の主要反応がジルコ
ニウム基合金内部での水素化物生成反応であることの発
見に基づいてなされたものである。またこの提案によれ
ば、上記酸化被膜や酸素拡散層が表面または表面近傍に
存在するため、延性の低下を殆んど発生させずに耐力や
引張強度などの機械的性質を向上させることもできる。
ところでこれらの酸化被膜や酸素拡散層は、ZrO2または
それに近い組成をもち、第6図で示す螢石型結晶構造を
とっていることが一般に知られている。この構造はジル
コニウムイオン(第6図の記号A)が面心立方格子fcc
を形成し、その四面体位置に大きなO2-イオン(第6図
の記号B)が入っており、O2-イオンがfccかまたは稠密
六方格子hcpの稠密構造になっていない構造であるが、
この原因のひとつはジルコニウムが4+の電価をとり、
その結晶内の電気的中性を満足させるに、この構造が都
合がよいためである。
しかし、上記のようにZrO2またはそれに近い組成の螢石
型結晶では、酸素イオンがfccの稠密構造になっていな
いので、ジルコニウムイオンに比べO2-イオンの自己拡
散係数の方が1000℃以下で10ケタ以上大きく、従ってジ
ルコニウム基合金部材表面またはその近傍に設けた上記
の酸化被膜または酸素拡散層は、水素の侵入及びそれに
よる水素化物の生成を抑制はするものの、高温水や水蒸
気の酸化雰囲気にあっては酸化被膜や酸素拡散層内のO
2-イオンの拡散が盛んなために、その膜厚が高温水や水
蒸気での環境保持時間の増大と伴に増大し、結局は腐食
によるジルコニウム基合金製部材の減肉、強度低下をき
たしてくるという問題点があった。
[発明の目的] 本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目的
は、高温水または水蒸気中でのノジュラ腐食に対する耐
食性を損うことなく、ノジュラ腐食及びその前段階で起
る腐食による酸化被膜または酸素拡散層の膜厚増大に対
する抵抗性を著しく向上させた長寿命のジルコニウム基
合金部材の製造法を提供することにある。
[発明の概要] 本発明によるジルコニウム基合金部材の製造方法の特徴
は、ジルコニウム基合金の表面に酸素不足型酸化層を形
成した後、この酸素不足型酸化層に対し、元素周期律表
(長周期型)のVA,VB,VIAおよびVIB(ただし窒素と酸素
は除く)のなかから選択された少なくとも1種の元素
を、イオン加速器によりイオンの形で注入するところに
ある。
なお、前記した酸素不足型酸化層とは、金属酸化層
(物)として、金属イオン(Mイオン)とO2-イオンの
含有比が、化学量論的な整数比比(MO)に比べて酸素不
足型(MO1−δ)となっている酸化層をいい、螢石型構
造をもち他の金属母相とは明確に区別しうる境をもつ所
謂酸化被膜の酸化層である場合、あるいは基体表面から
内部に向って酸素原子濃度が漸減する酸化富化領域をも
った酸素拡散層である場合のいずれであってもよく、本
明細書においては以下これらを総称して酸化層という場
合がある。
ジルコニウム合金の酸化膜は、主として酸化ジルコニウ
ムによって形成されているが、これは電気的中性を保つ
ために、ジルコニウムと酸素の存在比が1:1ではなく、
常に(酸化膜を形成する条件に関係なく)、酸素が少な
い状態「酸素不足型酸化層」になることが知られてい
る。本発明に係るV族やVI族の元素を添加するとそれら
がジルコニウム合金の酸化層中に取り込まれて、そこで
の酸素の存在比が変化することによって耐食性を変化さ
せるが、その酸化膜は依然として「酸素不足型酸化層」
になる。
本発明において前記構成が採用された理由は次のことに
よる。
本発明者らは、上記ジルコニウム基合金部材の表面また
は表面近傍に形成された酸化被膜または酸素拡散層が第
6図で示した螢石型構造の結晶であり、熱的に生じたカ
チオン空孔とアニオン空孔及び侵入型カチオンと侵入型
アニオンのような結晶欠陥の他、電子欠陥である過剰電
子を含んでいることに注目した。すなわち、全ての金属
酸化層(物)は、金属イオン(Mイオン)とO2-イオン
の含有比が厳密な整数比(MO)になっているか否かによ
って3種類に分類されるが、上記酸化被膜または酸素拡
散層はM4+の中に少量の、価数の少ない状態のイオン(M
3+)を含んでいるため、電子が過剰となるのをバランス
させるような電気的中性条件より、O2-がMOの分子式よ
り少なくなった酸素不足型酸化層(MO1−δ)となって
おり、n形半導体と同じように伝導帯の下にエネルギ準
位ができ、これから励起された電子が伝導帯にはいって
電気伝導にあずかる(第7図参照)。高温水や水蒸気環
境では、前記の伝導帯への電子の励起は容易であるた
め、電子が電気伝導にあずかると電気的中性条件がくず
れ、もとにもどろうとしてO2-イオンが環境中からとり
込まれ、酸化層の厚さが増大していくというプロセスで
腐食が進行してゆく。
そこで本発明者らは、ジルコニウム基合金の表面に形成
された酸化層に、電価がジルコニウムの4+より大きい
5+及び6+をとる元素周期律表(長周期型)のVA族、
VB族元素及びVIA族、VIB族元素のうち酸素を除いた1種
または2種以上の元素をイオン注入することにより該酸
化層の半導体的性質をとり除き、O2-イオンの酸化層へ
のとり込みを抑制できると考え、イオン加速器を用いた
前記酸化層へのイオン注入の実験を行い、その後オート
クレーブでの腐食実験を行って耐食性へのイオン注入の
効果を調べた。
その結果、窒素を除いて諸元素、VA族としてV,Nb,Ta、V
IB族としてP,As,Sb,Bi、VIA族としてCr,Mo,W、VIB族と
してS,Se,Te,Poを夫々イオン注入した酸化層を表面に有
するジルコニウム基合金部材は、格段に耐食性が向上す
ることを見出し、かかる知見に基づいて本発明をなすに
至ったものである。この様な耐食性の向上は、ジルコニ
ウムの電価4+より大きい電価をもった元素を酸化層に
注入すると、過剰電子が注入元素イオンにくわれること
によって第7図で示した伝導帯に励起される電子数が減
少し、n形半導体的性質が損なわれてくるために、酸化
層への新たなO2-イオンのとりこみが抑制される機構に
よると推論される。
本発明の製造方法において有効に用いられるジルコニウ
ム基合金としては、代表的には、重量比で錫1〜2%、
鉄0.05〜0.2%、ニッケル0〜0.1%、クロム0〜0.2
%、および残部が実質的にジルコニウムからなる組成の
ものを挙げることが出来、具体的には、前記ジルカロイ
−2,ジルカロイ−4等を例示することができる。またこ
れらの他に、Zr−2.5%Nb系のもの、Zr−1%Nb系のも
の、あるいはジルコニウム素地の機械強度を確保するた
め、重量比でモリブデン0.2〜21%,マンガン0.1〜6.4
%,ニオブ0.1〜17.5%,アルミニウム0.1〜26%,銀0.
1〜6.4%のうちから少なくとも1種以上を含有する合金
を急冷してマルチンサイト化したジルコニウム基合金系
や、オーゼナイトなどを例示することができる。上記モ
リブデン,マンガン,ニオブ,アルミニウムまたは銀を
含有するジルコニウム基合金におけるこれら諸元素の含
有量を限定した理由は、上限については合金化すると共
析または共晶反応で金属間化合物が生成し延性が悪く特
にクリープ特性の低下があって好ましくないからであ
り、また下限はマルチンサイト組織促進作用が現出され
なくなるためである。
本発明において、ジルコニウム基合金の表面または表面
近傍に形成させる酸化被膜または酸素拡散層の厚さは0.
1mm以下が好ましい。0.1mmを超えると延性の低下を招く
傾向が大きくなる。
また前記した酸化被膜または酸素拡散層である酸化層中
に含有されるVA,VB,VIAおよびVIB族の諸元素の含有の態
様は、酸化層の全域に渡って平均的に分布される場合の
他、酸化層中に層状をなして、あるいは酸化層内におい
て所定の濃度勾配をなして含有されてもよく、これらの
含有態様は、ジルコニウム基合金の表面に形成された酸
素不足型の酸化層において現われる半導体的性質に応
じ、これを取り除くに適当な態様を適宜選択すればよ
い。
また酸化層中に含有される前記諸元素の含有の程度は、
ジルコニウム基合金の表面及び表面近傍に形成した酸化
層の構造、含有される元素の電価によって異なるが、一
般的には0.1mm以下の厚さをもつ酸化層に1013〜1021
オン/cm2程度のイオンを含有させることにより本発明
の目的が達せられる。前記した酸化層中への諸元素の含
有は、イオン加速器によるイオン注入によって、加速器
の加速電圧を変化させることにより、酸化層の所望の層
厚部に所望の量注入することができる。イオン加速器は
格別限定されることなく使用することができ、コックク
ロフト型加速器、ハンデグラフ型加速器、タンデム型加
速器等を例示することができる。2種以上のイオン種を
注入する場合もイオン源を2種以上用意することにより
順次にまたは同時に注入でき、これらの場合も以上の耐
食性効果は発揮できる。
本発明のジルコニウム基合金部材の製造法において、イ
オン注入前のジルコニウム基合金部材の表面への酸化層
形成は種々の方法によって行なうことができ、例えばオ
ートクレーブ処理により、あるいは電気、高周波、赤外
線等の種々の加熱炉を用いるかまたはレーザビーム、電
子ビームを用いて加熱処理することにより行なうことが
できる。酸化層を酸素拡散層として形成する場合には、
ジルコニウム基合金に対する加熱保持温度を500〜1000
℃とすることがよい。加熱保持温度を500〜1000℃とし
たのは、500℃以下では所要の酸素拡散層が形成し難
く、また1000℃を超えると合金の粒径粗大化などによる
機械的強度の低下をきたす傾向が認められるためであ
る。また加熱時間は1秒〜1時間とすることがよく、1
秒以下では所要の酸素拡散層の形成が充分でなく、また
1時間を超えると酸素拡散層が厚くなりすぎて合金の延
性低下をきたすことが認められるためである。さらに、
処理雰囲気は、酸素分圧を1×10-3mmHgから1×104mmH
gの範囲とすることがよい。この範囲外では所要の酸素
拡散層を形成し難かったり、或いは経済的にかえって不
利になるためである。
即ち、酸素分圧範囲は、所定の厚さの酸化層を形成する
ための条件を規定したもので、酸素分圧が高くても低く
ても酸素不足型酸化層が形成される。そして、酸素分圧
の上限を1×104mmHgとしたのは、該上限を超えると、
酸化層の成長速度が非常に早いため、厚くなり過ぎ、ま
た、緻密さに欠け所期の目的を達成するための健全な酸
化層が形成されないことによる。
[発明の実施例] 本発明の実施例を図面第1図ないし第5図に基づいて以
下説明する。
第1図および第2図は、本発明によって製造されるジル
コニウム基合金部材の構成例として、燃料要素6(第1
図参照)と、燃料チャンネルボックス(第2図参照)の
概要を示したものであり、燃料要素6は、ジルコニウム
基合金製の被覆管2内に、ウラン化合物、プルトニウム
化合物またはこれらの混合物である中央コア1を有し、
インクルードスタッド3、エンドプラグ4およびスプリ
ング5によって前記中央コアが押圧保持される。そして
これらの各燃料要素6は、ジルコニウム基合金製のチャ
ンネルボックス7に取付けられて燃料集合体を構成し、
所定の原子炉中に装荷されて使用される。
本発明により得られるジルコニウム基合金部材の耐腐食
性を、下記に示す試料を用いた腐食試験例により示す。
試験に用いた供試材はジルカロイ−2(化学成分は重量
比で錫1.43%,鉄0.16%,クロム0.11%,ニッケル0.06
%,残部ジルコニウム)であり、板状(50mm×25mm×3m
m)試片を用意した。この板状試片を第3図に示すステ
ップに従い、5価,6価元素を含有した酸化層を表面に形
成させた試料(No.1〜No.36)と、比較材として表面に
酸化層のない試料(No.39)及び上記元素を含有してい
ない酸化層を表面に設けた試料(No.37,No.38)を作製
した。ここで5価元素としてバナジウム,ニオブ,タン
タル,窒素,リン,ヒ素,アンチモン,ビスマスを含有
した酸化層を表面に形成させた試料は各々No.1とNo.9,N
o.2とNo.10,No.3とNo.11,No.4とNo.12,No.5とNo.13,No.
6とNo.14,No.7とNo.15,No.8とNo.16であり、6価元素と
してクロム,モリブデン,タングステン,酸素,イオ
ウ,セレン,テルル,ポロニウムを含有した酸化層を表
面または表面近傍に形成させた試料は各々No.17とNo.2
5,No.18とNo.26,No.19とNo.27,No.20とNo.28,No.21とN
o.29,No.22とNo.30,No.24とNo.32である。
前記において、5価元素中の窒素および6価元素中の酸
素を含有させた試料は比較例として用意した。
また以上の各元素を単独に含有する試料とは別に、5価
および6価の元素を2種以上含有した酸化層を有する試
料として、バナジウムおよびクロム含有の試料(No.33
とNo.35)、バナジウム,クロムおよびヒ素含有の試料
(No.34とNo.36)を夫々作製した。
表面に酸化層のない試料(No.39)は、板状試片の表面
を平均粒径約25μmのダイヤモンド粉で研摩したままの
ものを用いた。
酸化層を有する各試料表面の酸化層の形成は、試料No.3
9と同様の試片をオートクレーブ処理する方法(試料No.
37)と電気炉処理する方法(試料No.38)で作製した。
該オートクレーブ処理は、温度420℃、処理時間24時
間、圧力105kg/cm2、流量18l/h、溶存酸素量0.3〜0.4pp
m、電動度<0.2μs/cm、pH5.8〜7.0で行い、約1μmの
酸化被膜を試片表面に形成させた。
また該電気炉処理は約700℃,760mmHgで約1μmの酸素
の拡散層が表面に形成されるまで保持することによって
達成した。
酸化層へのイオン注入は、コッククロフト型イオン加速
器装置を用い、加速電圧400kV、試料室である真空槽の
真空度10-6〜10-7torr、温度は室温の条件で行った。第
4図はここで用いたイオン加速器装置の外観を示した図
であり、第5図は該装置の構造とイオンビームの径路11
を示した概念図である。この装置は、注入しようとする
イオンの元素を粉末の状態でオーブン12aにたくわえて
おき加熱蒸発させるか、または別にガスボトル12bより
供給し、高電圧を加えたイオン源13により注入イオンと
して生成する。イオンビームは、イオン源13、質量分析
器14、加速管15で構成された第4図の加速器8より、四
重極レンズ9、偏向器16、スリット17を経て真空槽10の
中の試料18に照射打込みされることにより、試料表面の
酸化層へのイオン注入が達成される。また電磁石電源1
9、加速管電源20、四重極レンズ電源21、偏光器電源2
2、スリット電流計23、ターゲット電流計24、温度測定
制御系25はマイクロコンピュータ26に接続され、イオン
打込み条件が一定になるように制御した。
本例では所定の5価元素、6価元素、またはこれらの2
種類以上のイオンを試料No.1〜No.36各々に1013〜1019
イオン/cm2注入した。
以上の各ステップで用意した39種類の試料(No.1〜No.3
9)を用い、同一条件で腐食試験して、各々の試料の耐
食性を調べた。
腐食試験は、オートクレーブ内で、温度520℃、圧力105
kg/cm2、流量10l/h、溶存酸素量0.3〜0.4ppm、電動度<
0.2μs/cm、pH5.8〜7.0の環境で16時間行った。
第1表はその腐食試験結果として、腐食増量の大きさで
耐食性を示した表である。
第1表によると、従来の材料のように、ジルコニウム基
合金部材の表面に、酸化層がない場合(No.39)や酸化
層だけが設けられている場合(No.37及びNo.38)に比較
し、表面に形成させた酸化層中に窒素イオンを除く5価
元素イオン(No.1〜No.3,No.5〜No.8,No.9〜No.11,No.1
3〜No.16)、酸素イオンを除く6価元素イオン(No.17
〜No.19,No.21〜No.24,No.25〜No.27,No.29〜No.32)、
または5価及び6価元素イオンのうち2種以上(No.33
〜No.36)を注入した本発明によるジルコニウム基合金
部材の場合、腐食増量が著しく引き下げられ、耐食性に
極めて優れていることが明らかである。
このように、ジルコニウム基合金部材の表面または表面
近傍に酸化層を設けると同時に、その酸化層に、ガス元
素(窒素及び酸素)を除く5価元素(周期律表のVA,VB
族元素)及び/または6価元素(周期律表のVIA,VIB族
元素)を含有させることにより、極めて耐食性に優れた
ジルコニウム基合金部材である原子炉燃料用被覆管、チ
ャンネルボックス等を提供することができることが明ら
かとなった。
なお、本例では5価元素及び6価元素のうち2種以上の
元素を表面酸化層に含有させた例として、バナジウム,
クロム,ヒ素,イオウを含有させた例を示したが、他の
5価、6価元素(ただし窒素と酸素を除く)を2種以上
含有させても同様の効果があった。
なお、遷移金属の中には酸化層にイオン注入することに
より5価イオン、6価イオンとして存在する元素、例え
ば鉄やニッケル等が有り、これらの遷移金属も酸化層中
で5価イオン、6価イオンとして存在する場合本発明材
と同様の高耐食性を示す。従ってこれらの元素を表面酸
化層に含有させて本発明と同様にジルコニウム基合金部
材を構成することも出来る。
[発明の効果] 本発明によれば、高温水または水蒸気中での耐ノジュラ
腐食性だけでなく、その前段階で起る腐食に対しても極
めて優れた抵抗性をもつ耐腐食性原子炉燃料被覆管、チ
ャンネルボックス等のジルコニウム基合金部材が得られ
るので、これら部材の原子炉内での使用期間を非常に長
くすることができ、原子炉の安全性や信頼性の向上に効
果があり、またさらに、一定期間中に取替える燃料集合
体の数が少なくなる、すなわち、使用済み核燃料集合体
の数が少なくなるので、それによる放射性廃棄物の量も
著しく減少するという効果があり、その有用性は極めて
大なるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によって得られるジルコニウム基合金部
材を原子炉燃料用被覆管に適用した核燃料要素の一例を
示す部分断面構成図、第2図は本発明によって得られる
ジルコニウム基合金部材を原子炉燃料用被覆管及び燃料
チャンネルボックスに適用した原子炉燃料集合体の一例
を示す部分断面構成図、第3図は本発明により得られる
部材の腐食試験の実験手順を示すブロック図、第4図は
本発明においてイオン注入を実施するイオン加速器装置
の一例を示す外観図、第5図は本発明においてイオン注
入を実施するイオン加速器装置の構造及びイオンビーム
経路の一例を示す概念図、第6図はジルコニウム基合金
部材の表面または表面近傍に形成する酸化層の結晶構造
を示す概念図、第7図はジルコニウム基合金部材の表面
または表面近傍に形成する酸化層のエネルギ帯及び電子
状態を示す概念図である。 1:中央コア、2:被覆管 3:インクルードスタット 4:エンドプラグ、5:スプリング 6:燃料要素、7:チャンネルボックス 8:加速器、9:四重極レンズ 10:真空槽、11:イオンビーム径路 12a:オーブン、12b:ガスボトル 13:イオン源、14:質量分析器 15:加速管、16:偏向器 17:スリット、18:試料 19:電磁石電源、20:加速管電源 21:四重極レンズ電源 22:偏向器電源 23:スリット電流計 24:ターゲット電流計 25:温度制御系 26:マイクロコンピュータ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 28/00 Z G21C 3/06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニウム基合金の表面に酸素不足型酸
    化層を形成した後、この酸素不足型酸化層に対し、元素
    周期律表(長周期型)のVA,VB,VIAおよびVIB(ただし窒
    素と酸素は除く)のなかから選択された少なくとも1種
    の元素を、イオン加速器によりイオンの形で注入するこ
    とを特徴とするジルコニウム基合金部材の製造法。
  2. 【請求項2】ジルコニウム基合金表面の酸素不足型酸化
    層の形成が、オートクレーブ処理により0.1mm以下の層
    厚となるように行なわれるものであることを特徴とする
    特許請求の範囲第(1)項に記載したジルコニウム基合
    金部材の製造法。
  3. 【請求項3】ジルコニウム基合金表面の酸素不足型酸化
    層の形成が、500〜1000℃に保った電気炉、高周波加熱
    炉、通電加熱炉又は赤外線炉のいずれかの炉中で、酸素
    分圧1×10-3〜1×104mmHgの雰囲気下、1秒〜1時間
    加熱する処理により、0.1mm以下の層厚となるように行
    なわれるものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項に記載したジルコニウム基合金部材の製造法。
  4. 【請求項4】ジルコニウム基合金表面の酸素不足型酸化
    層の形成が、酸素分圧1×10-3〜1×104mmHgの雰囲気
    下、レーザビーム又は電子ビームで500〜1000℃に加熱
    保持する処理により、0.1mm以下の層厚となるように行
    なわれるものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項に記載したジルコニウム基合金部材の製造法。
  5. 【請求項5】ジルコニウム基合金が、重量比で錫1〜2
    %,鉄0.05〜0.2%,ニッケル0〜0.1%,クロム0〜0.
    2%、および残部が実質的にジルコニウムからなること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項ないし第(4)
    項のいずれかに記載したジルコニウム基合金部材の製造
    法。
  6. 【請求項6】ジルコニウム基合金が、モリブデン、マン
    ガン、ニオブ、アルミニウム又は銀の少なくとも1種を
    含有するマルテンサイト組織を有することを特徴とする
    特許請求の範囲第(1)項ないし第(4)項のいずれか
    に記載したジルコニウム基合金部材の製造法。
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