JPH07179707A - 易崩壊性組成物 - Google Patents

易崩壊性組成物

Info

Publication number
JPH07179707A
JPH07179707A JP32810493A JP32810493A JPH07179707A JP H07179707 A JPH07179707 A JP H07179707A JP 32810493 A JP32810493 A JP 32810493A JP 32810493 A JP32810493 A JP 32810493A JP H07179707 A JPH07179707 A JP H07179707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
polyvinyl alcohol
modified polyvinyl
film
olefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32810493A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoichi Wada
良一 和田
Takaharu Kawahara
孝春 川原
Tadashi Hashimoto
正 橋本
Tadashi Hatanaka
唯史 畑中
Masao Tsuji
正男 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP32810493A priority Critical patent/JPH07179707A/ja
Publication of JPH07179707A publication Critical patent/JPH07179707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭素数3 〜16のα−オレフィン単位を0.01〜
15モル% 含有する変性ポリビニルアルコール、炭素数3
〜16のω−ヒドロキシ−α−オレフィン単位を0.1 〜24
モル% 含有する変性ポリビニルアルコールおよび特定の
疎水性の構造単位を0.1 〜20モル%含有する変性ポリビ
ニルアルコールから選ばれた少なくとも1種の変性ポリ
ビニルアルコール(A)ならびに多糖類(B)からなる
易崩壊性組成物。 【効果】 本発明の易崩壊性組成物は、機械的強度およ
び延展性等に優れており、本発明の組成物から得られる
成形物は、使用後廃棄物として土中に埋め立てられた場
合、微生物により速やかに崩壊され、その形状および強
度などが速やかに消失する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム溶融成形時の
延展性に優れた易崩壊性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に合成高分子は、高度の材料特性を
備え、加工性に優れ、しかも安価であるため、あらゆる
分野で広く利用されている。しかしその成形品はかさ高
く、自らの耐久性のため投棄あるいは埋め立てしても自
然に崩壊せず、また焼却すれば発熱量が高いため、焼却
設傭をいためるなど、プラスチック廃棄物の処理法が問
題となっている。そこで、最近、光あるいは微生物など
によって、部分的に分解させることにより、該プラスチ
ック廃棄物のかさ高さを滅少させ、廃棄物の処理施設あ
るいは埋め立て地を有効に利用する研究がなされてき
た。
【0003】上記の研究としては、比較的安価でかつ完
全な生物分解性を有する澱粉を易崩壊性付与剤として、
熱可塑性樹脂にブレンドすることにより、生物崩壊性を
有する熱可塑性樹脂粗成物に関する研究が盛んにおこな
われている(特開平2-14228号、特開平3-31333 号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
組成物は、易崩壊性が不充分であり、また成形する場合
の延展性に問題があり、薄いフィルムが得られないとい
った問題がある。したがって、本発明の目的は、易崩壊
性に優れた、しかもフィルム成形時の延展性の優れた組
成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、炭素数3 〜
16のα−オレフィン単位を0.01〜15モル% 含有する変性
ポリビニルアルコール(A−1)、炭素数3 〜16のω−
ヒドロキシ−α−オレフィン単位を0.1 〜24モル% 含有
する変性ポリビニルアルコール(A−2)および下記の
化2で示される構造単位を0.1 〜20モル%含有する変性
ポリビニルアルコール(A−3)から選ばれた少なくと
も1種の変性ポリビニルアルコール(以下、ポリビニル
アルコールをPVAと略記する)(A)ならびに多糖類
(B)からなる易崩壊性組成物を提供することによって
達成される。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 、R2 あるいはR3 は、水素
原子あるいは炭素数1 〜12の炭化水素基を表す。)
【0008】本発明における変性PVA(A−1)は、
炭素数3 〜16のα−オレフィン単位を0.01〜15モル%含
有することが重要であり、好ましくは0.1 〜10モル%、
さらに好ましくは0.1 〜8 モル%、最適には0.5 〜5 モ
ル%である。炭素数3 〜16のα−オレフィン単位の含有
量が15モル%を越えると、本発明の目的とするフィルム
成形時の延展性が得られず、易崩壊性も十分ではない。
一方、炭素数3 〜16のα−オレフィン単位の含有量が0.
01モル%を下回ると、フィルムとして成形したとき実用
に耐え得る十分な強度が得られず、易崩壊性も十分でな
い。
【0009】本発明における変性PVA(A−2)は、
炭素数3 〜16のω−ヒドロキシ−α−オレフィン単位を
0.1 〜24モル%含有することが重要であり、好ましくは
0.1〜20モル%、さらに好ましくは3 〜15モル%、最適
には5 〜15モル%である。炭素数3 〜16のω−ヒドロキ
シ−α−オレフィン単位の含有量が24モル%を越える
と、本発明の目的とするフィルム成形時の延展性が得ら
れず、易崩壊性も十分でない。一方、炭素数3 〜16のω
−ヒドロキシ−α−オレフィン単位の含有量が3モル%
を下回ると、フィルムとして成形したとき実用に耐え得
る十分な強度が得らず、易崩壊性も十分でない。
【0010】本発明における変性PVA(A−3)は、
上記の化2で示される構造単位を0.1 〜20モル%含有す
ることが重要であり、好ましくは0.1 〜15モル%、さら
に好ましくは1 〜13モル%、最適には1 〜10モル%であ
る。該構造単位の含有量が20モル%を越えると、本発明
の目的とするフィルム成形時の延展性が得られず、易崩
壊性も十分でない。一方、該構造単位の含有量が0.1 モ
ル%を下回ると、フィルムとして成形したとき実用に耐
え得る十分な強度が得られず、易崩壊性も十分でない。
【0011】本発明における変性PVA(A)のビニル
エステル成分の鹸化度としては50モル%以上であること
が好ましい。また熱安定性の観点からは80モル%以上、
さらには90モル%以上であることが好ましい。鹸化度が
50モル%を下回ると、熱安定性が低下し成形時に多量の
ゲルが発生するため、外観上好ましくない。また熱水可
溶性の観点からは、鹸化度50〜95モル%、さらには60〜
95モル%が好ましい。本発明の変性PVAの重合度につ
いては特に制限はないが、該変性PVAを常法により酢
化して得られた変性ポリ酢酸ビニルに関してテトラヒド
ロフランを溶媒に用いて30℃でのゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)測定により測定された
標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000〜500,
000 が好ましく、20,000〜300,000 がより好ましい。本
発明における変性PVA(A−1)または変性PVA
(A−2)は、炭素数3 〜16のα−オレフィンあるいは
炭素数3 〜16のω−ヒドロキシ−α−オレフィンとビニ
ルエステルとの共重合体鹸化物であり、該共重合体にお
けるビニルエステルとしては、代表例として酢酸ビニル
が挙げられるが、ピバリン酸ビニルエステルなどの他の
脂肪酸ビニルエステルなども使用できる。さらに本発明
における変性PVAには、本発明の目的が阻害されない
範囲で、(メタ)アクリル酸、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン系化
合物、ビニルピロリドン系化合物などの第三成分を共重
合していても良い。また本発明の変性PVAは、水酸基
の一部が酸化されていても良く、脂肪酸ポリエステルが
グラフトされていても良く、末端にカルボン酸基または
その塩、スルホン酸基またはその塩、アンモニウム基な
どのイオン性基を有いていても良い。
【0012】本発明の変性PVAは、易崩壊性を促進さ
せる効果の点から、冷水あるいは熱水可溶性であること
が好ましい。ここで熱水可溶性とは95℃の熱水中に1 分
間浸漬したとき、実質的に完全に溶解する性質を意味す
る。またPVAは熱可塑性であることが、溶融成形性の
点から、好ましい。
【0013】本発明における多糖類(B)としては、澱
粉、セルロール、キチン、キトサン、ヘミセルロース、
ペクチン、プルラン、寒天、アルギン酸、カラギーナ
ン、デキストランなどが挙げられるが、これらのうちで
も、澱粉が成形性および崩壊性の点で好ましい。澱粉と
しては、とうもろこし、馬鈴薯などの生澱粉、物理的あ
るいは化学的処置を施した化工澱粉(デキストリン、酸
化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化
澱粉など)などが用いられる。
【0014】本発明の変性PVA(A)と多糖類(B)
の配合割合としては特に制限はないが、変性PVA
(A)1 〜99重量部および多糖類(B)99〜1 重量部が
好ましい。変性PVA(A)が1 重量部以下である場合
すなわち多糖類(B)が99重量部を越える場合には、廃
棄物として投棄後、微生物による十分な易崩壊性樹脂が
得られない。好適な配合割合としては、変性PVA
(A)10〜90重量部および多糖類(B)90〜10重量部で
ある。
【0015】本発明の組成物には、樹脂の成形加工性お
よび可とう性をさらに増すために、他の添加剤、たとえ
ば、水、グリセリンなどの可塑剤を添加しても良い。可
塑剤の例としては、ポリエチレングリコール、炭素数3
〜16のω−ヒドロキシ−α−オレフィングリコール、ジ
グリセリン、グリセリン、1 ,3-および1 ,4-ブタンジ
オール、1 ,2-プロピレングリコール、ソルビトール、
ε- カプロラクタム、尿素、トルエンスルホン酸アミ
ド、ラウリルアミド、アセトアミド、ホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジオクチルフタレート、ジブチル
フタレート、水などから選ばれる1 種あるいは2 種以上
が混合して用いられる。好適にはグリセリン、水、尿素
などが用いられる。さらに本発明の組成物には、本発明
の効果が阻害されない範囲で、充填剤(タルク、クレ
ー、マイカ、セルロース繊維、PVA 繊維など)、熱安定
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、植物油、着色剤などを
ブレンドしても良い。
【0016】本発明の組成物を得るための各成分の配合
手段としては、リボンブレンダー、高速ミキサーコニー
ダー、ミキシングロール、押出機、インテンシブミキサ
一等が用いられる。本発明の組成物は周知の押出機、射
出成形機、プレス機などをもちいて任意の成形物(例:
フィルム、シート、各種容器、各種射出成形品)を得る
ことができるし、または得られたフィルムを延伸するこ
とによりスプリットヤーンとし、これを織物または編物
とすることもできる。成形物の例としては特に制限はな
いが、ある期間使用したのち、廃棄される成形物、たと
えば食品容器としてのカップ、ボトル、トレー、農業用
資材としてのシート、くい、根おおい(マルチフィル
ム)、プランター、農薬・肥料・土壌改良剤等の容器あ
るいはキャリヤー材料、日用品として結束ひも、子供用
のおもちや、ゴミ箱、工業用としてのクッション材、パ
ッキン、各種コンテナー、コロストミーバッグなどが挙
げられる。上記の成形品を使用した後、廃棄する場合に
は、一般のゴミと同様のゴミ集積地に投棄した直後から
崩壊がはじまるが、土中の微生物による崩壊の効果を高
めるために土中への埋め立てによる処理方法が好適であ
る。
【0017】本発明においては、上記組成物からなる層
を、少なくとも一層有する多層体として使用することも
できる。多層体とする場合における他の層としては、生
分解性樹脂層または光分解性樹脂層が好ましい。ここで
生分解性樹脂層としては、ゼセラチン、コラーゲンなど
のタンパク質、ポリペプチド、ポリアジペート、ポリラ
クトン、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステルアミ
ドなどのポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、
ポリスチレン、さらには澱粉、セルロース、キチン、キ
トサンなどの多糖類を含有する熱可塑性樹脂(ポリエチ
レンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、エチレン含
有量25〜65モル%のPVAなどのビニルアルコール系樹
脂、エチレン- アクリル酸共重合体など)から得られる
フィルムまたはシートが代表例として挙げられる。また
光分解性樹脂層としては、エチレンと一酸化炭素との共
重合体、メチルビニルケトンとエチレン、スチレン、塩
化ビニル、メチルアクリレートなどとの共重合体、光分
解性マスターバッチ(エチレンにメチルビニルケトンと
少量のメチルスチレンをグラフト重合したもの)を配合
した各種熱可塑性樹脂から得られるフィルムまたはシー
トが代表例として挙げられる。また、他の層としては、
セルロース系の紙、不織布、網なども挙げられる。
【0018】上記他の層は本発明の組成物層の片面、ま
たは両面に設けることができるし、また他の層の両面に
本発明の組成物層を設けることもできる。これらの多層
体を製造する場合には、必要に応じ接着剤、好ましくは
生分解性接着剤を使用することができる。接着剤として
は、ポリウレタン系樹脂、スターチ系樹脂およびこれら
を含有してなる不飽和カルボン酸又はその無水物(無水
マレイン酸など)を、低密度ポリエチレン(LDPE)、直
鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE )、超低密度ポリエチ
レン(SLDPE )などのポリエチレン系重合体、オレフィ
ン系重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体またはエチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステルま
たはエチルエステル)共重合体などに、グラフトしたも
のが用いられる。これらの接着剤は層間接着剤として、
あるいは組成物層あるいは他層に配合して使用される。
【0019】多層体を得る方法としては、押出ラミネー
ト法、ドライラミネート法、共押出ラミネート法、共押
出シート成形法、共押出パイプ成形法、共射出成形法、
溶液コート法などが挙げられる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により詳細な説明を行うが、本
発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものでは
ない。以下の実施例におけるPVAの生分解性は、PV
A分解菌より生成したPVAデヒドロゲナーゼの活性測
定より求めた。PVAデヒドロゲナーゼの活性測定法
は、嶋尾らの方法{M. Shimao ら Applied and Environ
mental Microbiology 51, 268-275(1986).} に従い、
組成を至適化した。組成を以下に示す。 終濃度(以下同様)50mMリン酸バッファーpH7.2 1mM フェナジンエトサルフェート(PES ) 0.1mM 2,6- ジクロロフェノールインドフェノール(DC
PIP ) 10mM KCN 0.5% Tween 80 1mM MgCl2 0.5mM CaCl2 1 μg /mL PQQ 0.01% BSA PVA(重合度1700、鹸化度99.9mol%、7.5mg/
mL) 上記組成の溶液を調整し、30℃でプレインキュベーシ
ョンし、同じくプレインキュベーションした酵素溶液を
添加することによって酵素反応を開始した。反応は、デ
ィスポーザブルセル中で行い、酵素溶液添加後直ちに転
倒混和し、吸光度600nm の減少を観察した。同時に、P
VAのかわりに蒸留水を用いた溶液をブランクとし、同
様に測定した。酵素活性の定義は、1 分間あたり1 μmo
l のDCPIP を変化させる活性を1 ユニット(U )とし
た。DCPIP の変化量は、分子吸光係数=1.91×10-3(1
/M )から換算した。
【0021】変性PVAを7.5%水溶液(w/v )に調製し
て使用した。7.5%水溶液を蒸留水で2倍希釈し、7.5%
(75mg/mL)〜0.12% (1.2mg /mL)程度までの希釈列
を各1.2mL づつ用意し、30℃でプレインキュベーショ
ン(15分以上)することで基質液(A)を調製した。終
濃度(以下同様)125mM リン酸バッファー(pH7.2 )、
2.5mM フェナジンエトサルフェート(PES )、0.25mM
DCPIP、25mM KCN および1.25% Tween80を含む水
溶液を必要量の1.2 倍程度(1アッセイに0.4mL 使用
し、各基質濃度2 点測定)調製し、遮光しながら30℃
プレインキュベーションすることでバッファー類液
(B)を調製した。終濃度1 0mM MgCl2 、5mM CaCl2
10μg /mL PQQ、1% BSAおよび精製PVA Dehydrogenase
を含む水溶液を必要量の1.2 倍程度(1アッセイに0.1m
L 使用し、各基質濃度2点測定)調製し、30℃プレイ
ンキュベーションすることで酵素液(C)を調製した。
【0022】基質液(A)0.5mL 、バッファー類液
(B)0.4 mLおよび酵素液(C)0.1mL(最後に酵素液
を添加し反応をスタートさせる)をディスポーザブルセ
ル(1mL用,プラスチック製)に入れ、ふたをしなが
ら、すばやく転倒混和し、600nm の吸光度の減少をモニ
ターし(30秒毎に吸光度値をモニター)、吸光度の変
化量が0.2 〜0.3 程度まで観察し、DCPIP の還元の初期
速度(=v,μM/min.)を求める。この時600nm の変化量
とDCPIP の分子吸光係数からDCPIP 濃度の変化の初速度
を求め、各基質濃度で2点測定し、その平均を初期速度
とした。
【0023】ミカエリス・メンテン式から導かれるプロ
ット(ラインウィーバー・バークプロットを用いた, 縦
軸:1/v ,横軸:1/s ,X切片:-1/Km ,Y切片:1/Vm
zx.)からKmおよびVmax. を算出した。ただし、基質
濃度(s )は重量濃度(mg/ml )で表現した。基質と酵
素の反応性の指標としては、Vmax./Km(大きいほど反応
性が高い)を用いた。
【0024】実施例1〜3および比較例1〜3 表1に示す変性PVAを用いて、同じ条件で生分解活性
試験を実施した。結果を表1に示す。
【0025】次に、本発明のPVA単品の易崩壊性を検
討した。炭素数3 〜16のα−オクテン含有量0.95モル
%、鹸化度99.8 モル%の変性PVAの濃度10重量%の
水溶液を調整し、該溶液を120mm ×140mm のガラス平板
上にキャストした後、溶媒を蒸発させて厚さ50μmの均
一なフィルムを得た。該フィルムを15×100mm に切り出
し、95℃に調整した熱水中に1 分間浸漬し、熱水溶解性
を調べた。結果を表1 に示す。なお熱水溶解性は、以下
の3 段階で評価した。 ○:完全に溶解する。 △:膨潤し、ばらばらになる。 ×:形態は不変。
【0026】上記フィルムを0.2g切り出し、これを予め
滅菌した下記のPVA( 重合度1700、鹸化度99.9モル
%)0.3 %含有液体培地(pH=7.5)100 ミリリットル
(ml)に浸漬した。あらかじめPVA0.3 %含有液体
培地にて、3 日間振とうして増殖させたPVA分解性菌
液1 ミリリットル(ml)を、本培地に植菌し、途中PH
を7 〜7.5 に調製しながら2 週間振とうし、該フィルム
の重量変化を下式より求めた。結果を表1に示す。なお
振とう条件は120rpm(30℃)である. (PVA 0.3% 含有液体培養地の組成) NH4 NO3 0.1% KH2 PO4 0.02% K 2 HPO 4 0.1% Mg SO 4 ・7H2 0 0.02% Na Cl 0.01% CaCl2 ・2H 20 0.01% FeSO4 ・7H 20 0.001% Peptone 0.005 % Y .ext . 0.005 % ピロロキノリンキノン 1μg /ml フイルムの重量変化は、下記の式で求めた。 フイルムの重量変化(%) =[( 培養前のフィルムの
重量)−(培養2週間後のフィルムの重量) ]÷( 培養
前のフィルムの重量) ×100 (上記におけるフィルムの重量は、フィルムを20℃、50
%RH 下に48時間放置後に測定した値である。)
【0027】
【表1】
【0028】実施例4 炭素数3 〜16のω−ヒドロキシ−α−オレフィン含有量
10モル%および鹸化度90モル%のPVA30重量部、とう
もろこし澱粉70重量部、可塑剤としてグリセリン20重量
部および水20重量部をブレンドした後、スクリユー直径
40mm、L /D =26のフルフライト型スクリユーを有する
一軸押出機を用いて溶融混練し、押出槽の先端に取り付
けたペレットダイより押出温度180 ℃にてストランドと
し、引き統きペレタイザーを用いてペレットとした。
【0029】該ペレットを、上記押出機に550mm 幅およ
びリップ開度0.3mm のコートハンガーダイを取り付けた
製膜装置より押出し、直径800mm のキャストドラムを有
する引取装置にてフィルムとした。この時の引取装置の
キャストドラム回転数を順次増速することにより、得ら
れるフィルムの膜厚は薄くなり、さらに増速することに
よりやがて破断に至り、それ以上薄いフィルムは得られ
なくなる。この破断点におけるフィルムの厚さを測定
し、延展性とした。その結果を表2に示す。また上記製
膜装置にて製膜した100 μmの均一なフィルムをサンプ
ル輻15mmおよび長さ150mm に切り出し、引っ張り試験機
にてチャック間隔50mm、引っ張り速度500mm /min
にて、破断時の強度および伸度を測定した。その結果を
表2に示す。易崩壊性に関しては該フィルムを土壌中
(表層下5 〜10cm)に埋設し、3 ケ月後の該フィルム
の状態を次の4段階で評価した。その結果を表2に示
す。 A:ひどく損傷。 B:かなり損傷。 C:やや損傷。 D:不変。
【0030】実施例5〜6および比較例4〜5 表2に示す変性PVAまたはPVAを用いた以外は、実
施例4と同じ条件で実施した。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明の易崩壊性組成物は、機械的強度
および延展性等に優れており、本発明の組成物から得ら
れる成形物は、使用後廃棄物として土中に埋め立てられ
た場合には、微生物により速やかに崩壊され、その形状
および強度などが速やかに消失する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑中 唯史 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内 (72)発明者 辻 正男 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数3 〜16のα−オレフィン単位を0.
    01〜15モル% 含有する変性ポリビニルアルコール、炭素
    数3 〜16のω−ヒドロキシ−α−オレフィン単位を0.1
    〜24モル% 含有する変性ポリビニルアルコールおよび下
    記の化1で示される構造単位を0.1 〜20モル%含有する
    変性ポリビニルアルコールから選ばれた少なくとも1種
    の変性ポリビニルアルコール(A)ならびに多糖類
    (B)からなる易崩壊性組成物。 【化1】 (式中、R1 、R2 あるいはR3 は、水素原子あるいは
    炭素数1 〜12の炭化水素基を表す。)
JP32810493A 1993-12-24 1993-12-24 易崩壊性組成物 Pending JPH07179707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32810493A JPH07179707A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 易崩壊性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32810493A JPH07179707A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 易崩壊性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07179707A true JPH07179707A (ja) 1995-07-18

Family

ID=18206551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32810493A Pending JPH07179707A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 易崩壊性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07179707A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007114472A1 (ja) 2006-04-05 2007-10-11 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. ポリビニルアセタール系樹脂
CN111094402A (zh) * 2017-06-16 2020-05-01 大赛璐赢创株式会社 水溶性基质、包含树脂粒子的预成型体、以及树脂粒子的制造方法
WO2023127701A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06 株式会社クラレ ビニルアルコール共重合体、ならびにそれを含む樹脂組成物、および樹脂成形体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007114472A1 (ja) 2006-04-05 2007-10-11 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. ポリビニルアセタール系樹脂
CN111094402A (zh) * 2017-06-16 2020-05-01 大赛璐赢创株式会社 水溶性基质、包含树脂粒子的预成型体、以及树脂粒子的制造方法
EP3640283A4 (en) * 2017-06-16 2020-05-27 Daicel-Evonik Ltd. WATER-SOLUBLE MATRIX, PRE-SHAPED OBJECT WITH RESIN PARTICLES AND PRODUCTION PROCESS FOR RESIN PARTICLES
WO2023127701A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06 株式会社クラレ ビニルアルコール共重合体、ならびにそれを含む樹脂組成物、および樹脂成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100611536B1 (ko) 라미네이트 및 필름용 폴리하이드록시알카노에이트공중합체/전분 조성물
US5852114A (en) Biodegradable thermoplastic polymer blend compositions with accelerated biodegradation
JP3923094B2 (ja) 溶融加工可能な生物分解性組成物およびその製品
KR100262356B1 (ko) 생분해성 액체 불투과성 다층 필름 조성물
US5759569A (en) Biodegradable articles made from certain trans-polymers and blends thereof with other biodegradable components
CN1043736C (zh) 可生物降解的,不透液体的单层底层薄膜组合物
JPH10505872A (ja) 生物分解性ポリマー組成物およびその製品
JP2007520591A (ja) 脂肪族−芳香族コポリエステルとエチレン−ビニルアセテートコポリマーとのブレンド
WO2014047410A1 (en) Flexible thermoplastic films and articles
JP2004536897A (ja) 積層体及びフィルムのためのポリヒドロキシアルカノエートコポリマー及びポリ乳酸組成物
KR20030036891A (ko) 생분해성 폴리에스테르 배합 조성물을 함유하는 흡수성물품
JP2021127454A (ja) 樹脂組成物及びその製造方法、並びに可塑化澱粉及びその製造方法
JPH07179707A (ja) 易崩壊性組成物
JPH07179708A (ja) 易崩壊性付与剤および組成物
JP3066138B2 (ja) 易崩壊性多層体
JP3154766B2 (ja) 易崩壊性付与剤および組成物
JPH07179518A (ja) 易崩壊性付与剤
CN1326940C (zh) 用于制造层压材料和薄膜的聚羟基链烷酸酯共聚物/淀粉组合物
JP3009272B2 (ja) 易崩壊性組成物
JPH1148436A (ja) 農業用生分解性シート
JP3203022B2 (ja) 易崩壊性成形物
JP3426630B2 (ja) 易崩壊性付与剤および組成物
JP4119431B2 (ja) デンプン及びポリマーを含む高伸長で分裂可能な多成分繊維
JPH08253675A (ja) 易分解性組成物
JPH0565384A (ja) 崩壊性抗菌性高分子組成物