JPH07179542A - Frp引抜き成形用樹脂組成物 - Google Patents

Frp引抜き成形用樹脂組成物

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JPH07179542A
JPH07179542A JP5345094A JP34509493A JPH07179542A JP H07179542 A JPH07179542 A JP H07179542A JP 5345094 A JP5345094 A JP 5345094A JP 34509493 A JP34509493 A JP 34509493A JP H07179542 A JPH07179542 A JP H07179542A
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JP
Japan
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weight
parts
resin
vinyl ester
resin composition
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JP5345094A
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English (en)
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Yasuhiko Sato
康彦 佐藤
Masatatsu Shiozawa
正▲たつ▼ 志保沢
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不飽和ポリエステル樹脂と同様の条件によっ
て引抜き成形を行うことができ、しかも構造部材のよう
な高強度が要求されるFRP成形品、特に肉厚の大きい
大型成形品を成形することができるとともに、外気の温
度が高い場合でも可使時間を長くして樹脂槽内でのゲル
化を防止することが可能な、ビニルエステル樹脂を用い
た引抜き成形用樹脂組成物(マトリックス)を提供す
る。 【構成】 ビニルエステル樹脂100重量部と、無機フ
ィラーから選ばれる充填剤10〜100重量部と、硬化
剤2〜8重量部と、離型剤2〜5重量部と、硬化遅延剤
0.3〜0.5重量部とを配合した樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、引抜き成形法によって
優れた機械的特性、耐水性、耐食性、耐薬品性等を有す
るFRP成形品を成形するためのFRP引抜き成形用樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、FRP成形法として、ハンドレイ
アップ法、プレス成形法(SMC)、レジンインジェク
ション法(RTM)が一般的に行われている。ハンドレ
イアップ法は、人手によってガラス繊維に樹脂組成物
(マトリックス)をハケやローラーで含浸させるととも
に、これを予め離型処理された型に脱泡しながら所定の
厚さまで積層し、硬化後成形品を得る方法である。プレ
ス成形法は、繊維強化材にマトリックスを含浸させたシ
ート状のものを数枚金型にセットし、圧縮して成形する
方法である。レジンインジェクション法は、離型処理し
た型に繊維強化材をセットし、上型で繊維強化材を密封
して型内にマトリックスを圧送し、硬化炉で硬化させた
後、脱型して成形品を作る方法である。これらの方法に
おいて、樹脂としては不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂又はエポキシ樹脂が使用されるが、機械的
特性はビニルエステル樹脂及びエポキシ樹脂が優れてい
る。
【0003】また、最近では、FRP成形法として引抜
き成形法も採用されてきている(特開昭64−7522
5号公報、特開平4−163132号公報)。引抜き成
形法は、要求される成形品の性能に合わせて繊維強化材
を引き揃え、マトリックスを含浸させて、金型内で硬化
させつつ連続的に引き抜く方法である。引抜き成形法
は、ハンドレイアップ法、プレス成形法、レジンインジ
ェクション法と比較して生産効率が高く、長尺物成形に
適し、かつその低廉化を図ることが可能である。
【0004】なお、前述した特開昭64−75225号
公報には、樹脂としてビニルエステル及び充填剤の種類
が開示されているが、配合比率については一切開示され
ていないし、耐熱性、耐候性を改良する添加剤、着色剤
を配合することは記載されているが、後述する本願発明
のように離型剤、硬化剤等の配合比率については記載さ
れていない。
【0005】また、前述した特開平4−163132号
公報には、樹脂として熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステ
ル、エポキシ)が開示されているが、ビニルエステル樹
脂は開示されていない。また、硬化剤、低収縮剤、離型
剤等を配合することは開示されているが、それらの種
類、配合比率等は一切開示されていない。さらに、特開
平4−28755号公報には硬化速度調整剤が、また特
開昭63−17924号公報には硬化促進剤がそれぞれ
開示されているが、いずれも本発明と種類、配合比、目
的において異なる。
【0006】従来、FRPの引抜き成形用に使用されて
いる樹脂の多くは不飽和ポリエステル樹脂である。樹脂
として機械的強度に優れたビニルエステル樹脂を用いた
場合、引抜き成形によって特に肉厚が大きい大型成形品
を不飽和ポリエステル樹脂を用いた場合と同様の条件で
成形することは困難であった。
【0007】FRP成形品は、軽量で強度が高く、耐食
性に優れ、構造部材のような鋼材の代替品として使用で
きる特性を備えている。そのため、構造部材等として使
用できるような高強度のFRP成形品、特に大型のFR
P成形品を大量生産できる引抜き成形用樹脂組成物(マ
トリックス)の開発が望まれている。
【0008】FRP成形品を構造部材として使用する場
合、そのFRP成形品には優れた機械的特性が要求され
る。そのため、成形品において繊維強化材と樹脂組成物
(マトリックス)との接着性が良好であるとともに、硬
化したマトリックス中あるいは繊維強化材とマトリック
スとの界面にボイド、クラック等の欠陥が多くあっては
ならない。しかし、これまで引抜き成形用樹脂として多
用されてきた不飽和ポリエステル樹脂を用いて構造部材
のような肉厚が大きい大型成形品の引抜き成形を行った
場合、樹脂の硬化収縮が大きいため、硬化したマトリッ
クス中にクラック等が生じやすかった。
【0009】また、樹脂組成物の温度を使用時に一定に
保つことができる場合は、樹脂組成物の可使時間(樹脂
組成物の調製直後からゲル化までの時間)に及ぼす外気
温度の影響を問題にすることはない。しかし、樹脂組成
物の温度を一定に保つことができない場合、夏場におい
ては気温の上昇に伴って樹脂組成物の温度も高くなり、
その可使時間は著しく短くなる。そして、樹脂組成物が
使用中に金型より上流側の樹脂槽内でゲル化し、成形が
困難になることがあった。しかし、硬化促進剤は開示さ
れているが(特開平4−28755号公報)、硬化を遅
らせる方法はまだ見当たらない。
【0010】さらに、不飽和ポリエステル樹脂を用いた
FRP成形品の機械的特性は、一般に、FRP成形用と
して代表的な熱硬化性樹脂であるビニルエステル樹脂及
びエポキシ樹脂を用いたFRP成形品のそれよりも劣る
ものであった。
【0011】ビニルエステル樹脂は伸びが大きく、接着
性、耐衝撃性にも優れるため、ビニルエステル樹脂を用
いた成形品は不飽和ポリエステル樹脂を用いたものより
も機械的特性に優れる上、耐薬品性、耐水性も良好であ
る、しかし、ビニルエステル樹脂は硬化収縮率が小さい
ことから、これまで引抜き成形用樹脂としては扱いにく
かった。
【0012】また、FRP引抜き成形用の熱硬化性樹脂
としては、他にエポキシ樹脂が使用され、それを用いた
FRP成形品の性質は不飽和ポリエステル樹脂やビニル
エステル樹脂を用いたものよりも優れる。しかし、エポ
キシ樹脂はコストが高い上、硬化時の収縮率がビニルエ
ステル樹脂よりも小さいので、金型内に接する面積が大
きい成形品及び大型成形品を引抜き成形で成形する際に
は引抜き抵抗が著しく大きくなる。そのため、エポキシ
樹脂を用いた場合、成形品の形状によっては引抜き成形
が不可能であった。
【0013】これに対し、ビニルエステル樹脂の硬化収
縮率は、エポキシ樹脂のそれよりも大きいため、適切な
配合による樹脂組成物(マトリックス)が与えられれ
ば、成形品の形状にかかわらず不飽和ポリエステル樹脂
を用いた場合とほぼ同様の条件で引抜き成形が可能であ
る。また、ビニルエステル樹脂を用いた場合は、不飽和
ポリエステル樹脂を用いた場合に比べて、成形品のマト
リックスに発生するクラックは少なくなる。
【0014】以上述べたことより、構造部材のような高
強度が要求される成形品、特に大型成形品を引抜き成形
法で成形するためには、ビニルエステル樹脂を用いるこ
とが好ましい。しかしながら、ビニルエステル樹脂は、
不飽和ポリエステル樹脂の場合と同条件で引抜き成形が
できないという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
鑑み、不飽和ポリエステル樹脂と同様の条件、例えば同
様の成形速度、引抜き力等によって引抜き成形を行うこ
とができ、しかも構造部材のような高強度が要求される
FRP成形品、特に肉厚の大きい大型成形品を成形する
ことができるとともに、外気の温度が高い場合でも可使
時間を長くして樹脂槽内でのゲル化を防止することが可
能な、ビニルエステル樹脂を用いた引抜き成形用樹脂組
成物(マトリックス)を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意検討を行った結果、ビニルエステル
樹脂に適切な充填剤、硬化剤及び離型剤を添加した樹脂
組成物(マトリックス)を用い、従来通りの引抜き成形
を行うことによって、構造部材のような高強度が要求さ
れるFRP成形品を不飽和ポリエステル樹脂を用いた場
合とほぼ同様の条件で成形できることを見い出した。ま
た、夏場においては樹脂組成物の可使時間が短くなり、
樹脂組成物が使用中に樹脂槽内でゲル化することがあっ
たが、本発明者は、樹脂組成物に硬化遅延剤を特定の割
合で配合することにより、外気温が上昇した場合でも樹
脂組成物の可使時間を長くして樹脂槽内でのゲル化を防
止できることを知見した。したがって、本発明は、下記
(1)〜(6)に示すFRP引抜き成形用樹脂組成物を
提供する。
【0017】(1)ビニルエステル樹脂100重量部
と、無機フィラーから選ばれる充填剤10〜100重量
部、好ましくは20〜60重量部と、硬化剤2〜8重量
部と、離型剤2〜5重量部、好ましくは2〜4重量部
と、硬化遅延剤0.3〜0.5重量部とを配合してなる
ことを特徴とするFRP引抜き成形用樹脂組成物。
【0018】(2)ビニルエステル樹脂として、ビスフ
ェノールA系ビニルエステル樹脂とノボラック系ビニル
エステル樹脂とを100:0〜50:50、好ましくは
90:10〜70:30の重量比で配合した(1)のF
RP引抜き成形用樹脂組成物。
【0019】(3)充填剤として、炭酸カルシウム、ク
レー、水酸化アルミニウム及びタルクから選ばれる1種
又は2種以上をビニルエステル樹脂100重量部に対し
て10〜100重量部、好ましくは20〜60重量部配
合した(1)、(2)のFRP引抜き成形用樹脂組成
物。
【0020】(4)硬化剤として、ビニルエステル樹脂
100重量部に対して低温用硬化剤1〜4重量部及び高
温用硬化剤1〜4重量部を配合した(1)〜(3)のF
RP引抜き成形用樹脂組成物。
【0021】(5)離型剤として、脂肪酸又は脂肪酸
塩、例えば粉末状のステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等
をビニルエステル樹脂100重量部に対して2〜5重量
部、好ましくは2〜4重量部配合した(1)〜(4)の
FRP引抜き成形用樹脂組成物。
【0022】(6)25℃における粘度が5〜50ポイ
ズ、好ましくは10〜30ポイズである(1)〜(5)
のFRP引抜き成形用樹脂組成物。
【0023】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。本発明において、ビニルエステル樹脂としては、ビ
スフェノールA系ビニルエステル樹脂を単独で用いる場
合と、硬化速度を上げ生産性を高めることを目的に、ビ
スフェノールA系ビニルエステル樹脂とノボラック系ビ
ニルエステル樹脂とを混合して用いる場合がある。
【0024】ビスフェノールA系ビニルエステル樹脂と
ノボラック系ビニルエステル樹脂とを併用する場合、両
者の割合は重量比で100:0〜50:50とすること
ができ、好ましくは90:10〜70:30である。ノ
ボラック系ビニルエステル樹脂の割合が30重量部より
も多くなると、成形品中にクラックが発生しやすくなる
とともに、機械的性質も低下することがある。10重量
部よりも少なくなると、硬化速度を上げる効果が認めら
れなくなることがある。また、ここで用いるビスフェノ
ールA系ビニルエステル樹脂の分子量は900〜110
0であることが好ましく、ノボラック系ビニルエステル
樹脂の分子量は500〜700であることが好ましい。
【0025】本発明では、充填剤として無機フィラーを
用いる。無機フィラーとしては、例えば炭酸カルシウ
ム、クレー、水酸化アルミニウム、タルク等を挙げるこ
とができる。充填剤は種類にかかわらず1種を単独で用
いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、炭酸
カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム及びタルクか
ら選ばれる1種又は2種以上の混合物を用いることが特
に好ましい。
【0026】充填剤の配合量は、種類にかかわらず、樹
脂100重量部に対して10〜100重量部であり、好
ましくは20〜60重量部である。充填剤の配合量が樹
脂100重量部に対して10重量部未満又は100重量
部を超えると成型物の機械強度にマイナスの影響を与え
る。また、成形品の物性に影響を及ぼさなければ、充填
剤を粘度調整の目的で用いる場合もある。各種充填剤に
は、平均粒径、比表面積、表面処理の条件等の異なるも
のが多くあるが、FRP成形品に要求される機械的性質
及び成形のしやすさに合わせてそれらの配合量を前記範
囲内で決定する。また、充填剤の配合量は、樹脂組成物
の粘度が5〜50ポイズ(25℃)の範囲に入るように
決定することが望ましい。
【0027】本発明では、ビニルエステル樹脂100重
量部に対して硬化剤を2〜8重量部配合する。硬化剤の
配合量が樹脂100重量部に対して2重量部未満である
と硬化しにくくなり、ついには成形できなくなる。同じ
く8重量部を超えると、配合した樹脂組成物が短時間の
うちに硬化してしまい実用的でない。硬化剤としては、
低温用硬化剤と高温用硬化剤とを併用して用い、それら
の添加量は成形品の形状等によって決定することが適当
である。
【0028】この場合、例えば、成形品断面の形状及び
金型における硬化条件によって、ビニルエステル樹脂1
00重量部に対して、パーオキシジカーボネート系、パ
ーオキシエステル系、パーオキシジエステル系等の低温
用硬化剤(例えば化薬アクゾ社製「パーカドックス1
6」、日本油脂社製「パーロイルTCP」)1〜4重量
部と、パーオキシケタール系、パーオキシエステル系、
パーオキシジカーボネート系等の高温用硬化剤(例えば
化薬アクゾ社製「トリゴノックス29B75」、日本油
脂社製「パーヘキサ3M」)1〜4重量部とを配合す
る。
【0029】本発明では、ビニルエステル樹脂100重
量部に対して離型剤を2〜5重量部、好ましくは2〜4
重量部配合する。離型剤の配合量が樹脂100重量部に
対して2重量部未満であると樹脂が金型に付き成形でき
なくなる。同じく5重量部を超えると成型物の曲げ強
度、引張強度等の機械強度が低下する。離型剤として
は、C9〜C21の飽和又は不飽和の脂肪酸又はそれらの
塩を用いることができ、粉末状のステアリン酸(例えば
新日本理化社製「ステアリン酸100」)を特に好適に
用いることができる。
【0030】本発明の樹脂組成物には、硬化遅延剤を配
合する。硬化遅延剤としては、成形性や成形品の物性に
影響を及ぼさないものを用いる必要があり、例えばカテ
コール、p−t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、
2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等を用いること
ができる。具体的には、日本油脂社製「CA−10」を
好適に使用することができる。
【0031】硬化遅延剤の配合量は、ビニルエステル樹
脂100重量部に対して0.3〜0.5重量部である。
0.3重量部より少ないと硬化を適切に遅延することが
できなくなり、0.5重量部より多いと成形品の物性を
若干低下させる場合がある。硬化遅延剤の配合量は、成
形性や成形品の物性が低下しないように上記範囲内で決
定する。
【0032】本発明の樹脂組成物は、成形性等の点で2
5℃における粘度を5〜50ポイズ、特に10〜30ポ
イズに調整することが望ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。ま
ず、下記成分を用い、表1に示した組成を有するFRP
引抜き成形用樹脂組成物1〜8を調製した。樹脂組成物
2、4、6、8は本発明品、樹脂組成物1、3、5、7
は比較品である。
【0034】1.樹脂 (1)ビスフェノールA系のビニルエステル樹脂 「リポキシR−802」 昭和高分子社製 (2)ビスフェノールA系のビニルエステル樹脂 「8260」 日本ユピカ社製 (3)ノボラック系のビニルエステル樹脂 「リポキシH−630」 昭和高分子社製
【0035】2.充填剤 (1)炭酸カルシウム 「ホワイトンSB(赤)」 白石カルシウム社製 (2)クレー 「ASP 400P」 Engelhard 社製
【0036】3.硬化剤 (1)パーオキシジカーボネート系低温用硬化剤 「パーカドックス16」 化薬アクゾ社製 (2)パーオキシケタール系高温用硬化剤 「トリゴノックス29B75」 化薬アクゾ社製
【0037】4.離型剤 ステアリン酸粉末 「ステアリン酸100」 新日本理化社製
【0038】5.硬化遅延剤 「CA−10」 日本油脂社製
【0039】FRP引抜き成形用樹脂組成物1〜8の練
り混ぜ直後(調製直後)及び24時間保存後において、
その粘度及び100℃におけるプレートゲルタイムをそ
れぞれ測定した。この場合、練り混ぜ直後の樹脂組成物
の粘度を35℃で測定した後、樹脂組成物を35℃で2
4時間保存し、再び粘度を35℃で測定した。また、樹
脂組成物の粘度を測定した後、プレートゲルタイムを測
定した。試験法は下記の通りである。結果を表1に併記
する。
【0040】粘度:粘度の測定にはB型粘度計を使用
し、それに取り付けるローターはNO.3のものとし
て、その回転数を変化させた。
【0041】プレートゲルタイム:一定温度(100
℃)に加温したプレート上にごくわずかの樹脂組成物を
載せ、樹脂組成物を載せた時からゲル化するまでの時間
(秒数)で示した。ゲル化の確認は、細い棒で樹脂組成
物をかき混ぜて行った。
【0042】
【表1】
【0043】樹脂組成物1〜8を用いてFRPの引抜き
成形を行った成形例を示す。引抜き成形機に長さ950
mmの金型を用いて、幅250mm、厚さ15mmの平
板(繊維混入率:51.4vol%)を成形した。各成形
例では、繊維強化材として下記(1)〜(3)に示すも
のを用いた。成形条件は表2に示した。
【0044】 (1)ロービング 4450g/km 旭ファイバー社製 (2)チョップドストランドマット 600g/m2 日東
紡社製 (3)ロービングクロス 800g/m2 日東紡社製
【0045】成形例1 本発明の樹脂組成物2を用い、外気温34℃の条件下で
下記繊維強化材構成を有する平板の引抜き成形を行っ
た。 第1層:チョップドストランドマット 第2層:チョップドストランドマット 第3層:ロービング 第4層:ロービングクロス 第5層:チョップドストランドマット 第6層:ロービング 第7層:ロービングクロス 第8層:チョップドストランドマット 第9層:ロービング 第10層:ロービングクロス
【0046】第11層:チョップドストランドマット 第12層:ロービング 第13層:ロービングクロス 第14層:チョップドストランドマット 第15層:ロービング 第16層:ロービングクロス 第17層:チョップドストランドマット 第18層:ロービング 第19層:ロービングクロス 第20層:チョップドストランドマット
【0047】第21層:ロービング 第22層:ロービングクロス 第23層:チョップドストランドマット 第24層:ロービング 第25層:ロービングクロス 第26層:チョップドストランドマット 第27層:ロービング 第28層:チョップドストランドマット 第29層:チョップドストランドマット
【0048】成形例2 比較のため、硬化遅延剤を配合していない樹脂組成物1
を使用し、外気温21℃の条件下で成形例1と同じ繊維
強化材構成を有する平板の引抜き成形を行った。
【0049】成形例1、2で得られた成形品の物性を調
べた。結果を表2に示す。試験方法は下記の通りであ
る。 1.引張強度試験 島津製作所社製のオートグラフ(容量:25t)を用
い、JIS K 7054 (ガラス繊維強化プラスチックの引張
試験方法)に従って、平板成形品の引張強度試験を行っ
た。
【0050】2.曲げ強度試験 島津製作所社製のオートグラフ(容量:25t)を用
い、JIS K 7055 (ガラス繊維強化プラスチックの曲げ
試験方法)に従って、平板成形品の曲げ強度試験を行っ
た。0゜曲げ強度とはロービングと同じ方向(引抜き方
向)の曲げ強度であり、90゜曲げ強度とはロービング
に対して直角な方向(引抜き方向に対して直角方向)の
曲げ強度である。
【0051】3.圧縮強度試験 島津製作所社製のオートグラフ(容量:25t)を用
い、JIS K 7056 (ガラス繊維強化プラスチックの圧縮
試験方法)に従って、平板成形品の圧縮強度試験を行っ
た。0゜圧縮強度及び90゜圧縮強度の方向を図1に示
す。
【0052】また、表2における成形性及び成形品断面
の評価基準は下記の通りとした。成形性 ◎:連続的に成形でき、表面にもボイド、クラックがな
い。 ○:連続的に成形でき、表面にボイド、クラックが比較
的少ない。 △:連続的に成形できるが、表面に若干ボイド、クラッ
クが見られる。 ×:成形不可能
【0053】成形品断面 ◎:成形品断面にボイド、クラックが全く見あたらな
い。 ○:成形品断面に若干ボイド、クラックが見られる。 △:成形品断面にボイド、クラックがかなり確認でき
る。
【0054】
【表2】
【0055】表1、2の結果より、本発明のFRP引抜
き成形用樹脂組成物によれば、優れた機械的特性を有す
るFRP成形品を引抜き成形法によって成形でき、また
外気温が高い場合でも樹脂組成物の可使時間を長く保持
できることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明のビニルエステル
樹脂を用いたFFRP引抜き成形用樹脂組成物は、現在
大量生産用に使用されている不飽和ポリエステル樹脂を
用いた場合とほぼ同じ条件下で引抜き成形を行うことが
可能であり、しかも構造部材のような肉厚が大きい大型
成形品を成形した場合でも、機械的強度が高く、内部に
ボイド、クラックが少なく、かつ耐水性、耐食性、耐薬
品性等に優れた成形品を容易にしかも連続的に得ること
が可能である。この場合、本発明の樹脂組成物によれ
ば、外気の温度が高い場合でも樹脂組成物の適切な可使
時間を確保しながら、良好な成形性を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は圧縮強さ試験における0゜圧縮強さ及び
90゜圧縮強さの方向を示す説明図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルエステル樹脂100重量部と、無
    機フィラーから選ばれる充填剤10〜100重量部と、
    硬化剤2〜8重量部と、離型剤2〜5重量部と、硬化遅
    延剤0.3〜0.5重量部とを配合してなることを特徴
    とするFRP引抜き成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ビニルエステル樹脂として、ビスフェノ
    ールA系ビニルエステル樹脂とノボラック系ビニルエス
    テル樹脂とを100:0〜50:50の重量比で配合し
    た請求項1記載のFRP引抜き成形用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 充填剤として、炭酸カルシウム、クレ
    ー、水酸化アルミニウム及びタルクから選ばれる1種又
    は2種以上をビニルエステル樹脂100重量部に対して
    10〜100重量部配合した請求項1又は2記載のFR
    P引抜き成形用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 硬化剤として、ビニルエステル樹脂10
    0重量部に対して低温用硬化剤1〜4重量部及び高温用
    硬化剤1〜4重量部を配合した請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のFRP引抜き成形用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 離型剤として、脂肪酸又は脂肪酸塩をビ
    ニルエステル樹脂100重量部に対して2〜5重量部配
    合した請求項1〜4のいずれか1項に記載のFRP引抜
    き成形用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 25℃における粘度が5〜50ポイズで
    ある請求項1〜5のいずれか1項に記載のFRP引抜き
    成形用樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100351070C (zh) * 2004-02-16 2007-11-28 胜利油田孚瑞特石油装备有限责任公司 纤维增强乙烯基酯树脂基拉挤复合材料

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