JPH0717871B2 - 印刷用インキ組成物 - Google Patents

印刷用インキ組成物

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JPH0717871B2
JPH0717871B2 JP1255298A JP25529889A JPH0717871B2 JP H0717871 B2 JPH0717871 B2 JP H0717871B2 JP 1255298 A JP1255298 A JP 1255298A JP 25529889 A JP25529889 A JP 25529889A JP H0717871 B2 JPH0717871 B2 JP H0717871B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回路基板の被覆に用いる印刷用インキ組成物
に関し、特に印刷性、接着性、可撓性、耐熱性を向上さ
せた印刷用インキ組成物を提供することを目的とするも
のである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、印刷回路用の被覆基材としてカバーフィルムが用
いられてきた。これはポリイミド又はポリエステルフィ
ルムの片面に接着剤を塗布し、端子接続の部分のみパン
チング等の方法で穴を開け、これを手作業により回路基
板上で位置合わせをした後、熱板プレスにより高温、高
圧下で接着するものである。
この方法は、可撓性に優れ、回路保護の面は有利である
が、問題点もある。例えば、配線板の端子をリードした
時には予めカバーフィルムを打ち抜き、小穴を開ける必
要がある。したがって回路が複雑になると、配線板との
位置合せが難しくなる。また、熱板プレスの設備費が高
い。さらに接着剤使用により、打ち抜き加工の時にスミ
アが発生しやすく、コストが高くなり、プレス時に接着
剤の滲み出しの恐れがある。
またフィルム自体の物性が良くても、接着剤の使用によ
り、該物性の低下の恐れがある。接着剤の性能自体にも
まだ問題があり、ポリイミドフィルムなどのカバーフィ
ルムとプリント配線面の両方に十分接着し、耐熱性、電
気特性に優れたものが見い出されていないのが現状であ
る。
これに対して、印刷法によりプリント配線基板上に絶縁
保護皮膜を形成する方法(カバーレーインキ)が開発さ
れている。しかし現在使用されているカバーレーインキ
剤は、従来リジット基板に使用されてきたソルダーレジ
ストを応用したものであり、可撓性に乏しく、また耐熱
性、電気特性に劣る等といった欠陥がある。
特開昭55−145717号公報にはエポキシアクリレート樹脂
とメラミン樹脂から成る組成物が開示されているが、こ
の組成物は可撓性に乏しいという欠点がある。
さらに、特公昭50−4395号公報や特公昭53−10636号公
報にはスルホメチレンアクリレート、リン酸エチレンア
クリレート等のアクリル系樹脂組成物が提案されている
が、これらはいずれも可撓性は比較的良好であるが、耐
熱性が著しく劣っている。
また、従来ポリイミドやポリアミド酸溶液をスクリーン
印刷用インキとして用いるためには揺変性を持たせるた
めに揺変剤が使用されてきた。しかし、従来用いられて
きた揺変剤ではポリアミド酸や、樹脂を溶解させる溶媒
の極性のために、十分な性能が発揮されず、十分な揺変
性発現のためには多量の揺変剤の添加が必要であり、こ
のために被膜としての物性が低下することが多い。ま
た、揺変剤の添加により被膜の基材に対する密着性が低
下するなどの好ましくない現象もあった。
例えば、特公昭62−37073号公報や特開昭63−221172号
公報及び特開平1−121364号公報では揺変剤として微粉
末シリカが用いられているが、溶媒及び樹脂の極性のた
めに多量の添加が必要であり、このために可撓性及び、
基材との密着性が劣るという欠点がある。
また、特開昭57−179242号公報、特開昭58−189260号公
報、特開昭59−108068号公報で、揺変剤としてポリイミ
ド粉末が用いられているが、多量の添加が必要であるた
め、可撓性が劣り、また表面平滑性も悪く、さらに硬化
時の収縮が大きくなる欠点がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は多項目にわたる要求性能を全て満足する被
覆用カバーレーインキ樹脂組成物を見出すため種々検討
した結果、部分的にイミド化したポリアミド酸溶液を主
成分とした組成物が耐熱性、可撓性、電気特性、印刷特
性に優れていることを見出した。特に固体の微粒子状揺
変剤を添加しないことにより可撓性が大巾に改善される
ことを見出した。
即ち本発明は、ポリアミド酸(A)と下記式(I)、
(II)及び(III)で示される繰り返し単位を含んでな
る部分的にイミド化されたポリアミド酸(B)を必須成
分とする印刷用インキ組成物である。
(ここにR1は4価の有機基を、R2は2価の有機基を表わ
す。) 本発明のインキ組成物に用いられるポリアミド酸(A)
は主として有機テトラカルボン酸二無水物と有機ジアミ
ンとを有機溶媒中で反応させることにより得られる。前
記有機テトラカルボン酸二無水物と有機ジアミンの他に
少量のトリメリット酸−無水物、ジカルボン酸、アミノ
カルボン酸等を加えてもよい。
本発明に用いられる部分的にイミド化されたポリアミド
酸(B)は、前記ポリアミド酸(A)を加熱することに
より得られる。即ち、まず通常0〜60℃、好ましくは5
〜40℃の温度で前記酸二無水物及び有機ジアミンを有機
溶媒中で攪拌反応させてポリアミド酸(A)の溶液を生
成させる。反応条件は組成及び目的とする分子量に応じ
て任意に変更することができる。部分的にイミド化され
たポリアミド酸(B)の溶液は、前記のポリアミド酸
(A)の溶液を80〜150℃で加熱することにより部分的
にイミド化を進行させて得られる。
本発明にかかるポリアミド酸の製造に用いられるテトラ
カルボン酸二無水物は、次の一般式(IV)で示される。
ここにR1は4価の有機基である。式(IV)の化合物とし
ては具体的には例えばピロメリト酸二無水物、ベンゼン
−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,
4′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,
9,10ーペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フ
ェナントレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,2,5,6−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシジフェニル)スルホン二
無水物、ビス(3,4−ジカルボキシジフェニル)エーテ
ル二無水物、3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾイ
ルオキシベンゼン二無水物、N,N−(3,4−ジカルボキシ
フェニル)−N−メチルアミン二無水物、チオフェン−
2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,
5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、ペンタンテトラカルボン酸二無水
物、ヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シ
クロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4ービ
シクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4ー
テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,
4ーシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−ト
リカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物等が挙げられ
る。これらは単独又は2種類以上の組合わせで用いられ
る。
本発明におけるポリアミド酸の製造に用いられるジアミ
ンは、次の一般式(V)で示される。
H2N−R2−NH2(V) ここにR2は2価の有機基である。式(V)の化合物とし
ては、炭素環式芳香族ジアミン、複素環式ジアミン、脂
肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香脂肪族ジアミン等
があげられる。
炭素環式芳香族ジアミン類の例としては特に次の化合物
が挙げられる。
o−、m−及びp−フェニレンジアミン、、ジアミノト
ルエン類(例えば、2,4−ジアミノトルエン)、1、4
−ジアミノ−2−メトキシベンゼン、2,5−ジアミノキ
シレン類、1,3−ジアミノ−4−クロルベンゼン、1,4−
ジアミノ−2,5−ジクロルベンゼン、1,4−ジアミノ−2
−ブロムベンゼン、1,3−ジアミノ−4−イソプロピル
ベンゼン、N,N−ジフェニル−1、4−フェニレンジア
ミン、4,4′−ジアミノフェニル−2,2′プロパン、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2′−ジアミノスチ
ルベン、4,4′−ジアミノスチルベン、4,4′−ジアミノ
フェニルエーテル、4,4′ジアミノフェニル−チオエー
テル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノ安息香酸
フェニルエステル、2,2′−ジアミノベンゾフェノン、
4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベン
ジル、4−(4′−アミノフェニルカルバモイル)−ア
ニリン、ビス(4−アミノフェニル)−ホスフィンオキ
シド、ビス(4−アミノフェニル)−メチル−ホスフィ
ンオキシド、ビス(3−アミノフェニル)−メチルスル
フィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)−フェニ
ルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)−
シクロヘキシルホスフィンオキシド、N,N−ビス(4−
アミノフェニル)−N−フェニルアミンN,N−ビス(4
−アミノフェニル)−N−メチルアミン、4,4′−ジア
ミノジフェニル尿素、1,8−ジアミノナフタリン、1,5−
ジアミノナフタリン、1,5−ジアミノアントラキノン、
ジアミノフルオランテン、ビス(4−アミノフェニル)
−ジエチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)−ジメ
チルシラン、ビス(4−アミノフェニル)−テトラメチ
ルジシロキサン。
上記の炭素環式芳香族ジアミンのうちで特に好ましいも
のは、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジア
ミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル及び4,4′−
ジアミノジフェニル−メタン、とりわけ1,3−フェニレ
ンジアミンである。
複素環式ジアミン類は、例えば次の化合物である。
2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、2,
4−ジアミノ−s−トリアジン、2,7−ジアミノ−ジベン
ゾフラン、2,7−ジアミノカルバゾール、3,7−ジアミノ
フェノチアジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−チアジアゾー
ル。
また、脂肪族ジアミンの例として挙げられるのは、次の
化合物である。
ジメチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、デカメチレンジアミン、2,2′−ジメチルプ
ロピレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジア
ミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジ
メチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチ
レンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、
5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデ
カン、1、12−ジアミノオクタデカン、1、2−ビス
(3−アミノプロポキシ)−エタン、N,N′−ジメチル
−エチレンジアミン、N,N′−ジエチル−1,3−ジアミノ
プロパン、N,N′−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、
式:H2N(CH2)3O(CH2)2O(CH2)3NH2で表わされるジアミ
ノ、式:H2N(CH2)3S(CH2)3NH2で表わされるジアミン。
さらに、脂環式ジアミンとして適当な化合物は、1,4ー
ジアミノシクロヘキサン及び4,4′−ジアミノ−ジシク
ロヘキシルメタンであり、芳香脂肪族ジアミンとしては
1,4−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)−ベン
ゼン、1,4−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチ
ル)−ベンゼン、1,3−ビス(アミノメチル)−ベンゼ
ン及び1,4−ビス(アミノメチル)−ベンゼンが適当で
ある。
これらジアミンは単独でも、2種以上組合わせても使用
することができる。
前記酸二無水物及びジアミンの組み合わせは基板樹脂層
の特性に応じて選択することが望ましい。
本発明におけるテトラカルボン酸二無水物とジアミンと
の反応は前記のように通常有機溶媒中で行われる。
上記反応で用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、テト
ラメチル尿素、γ−ブチロラクトン、N−アセチル−2
−ピロリドン、フェノール、クレゾール類、ニトロ化合
物類、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒、セ
ロソルブ類、カルビトール類等が挙げられる。また、場
合によりこれらの溶媒にベンゼン、トルエン、キシレン
などの汎用溶媒を添加することもできる。有機溶媒の使
用量は、反応系の固形分濃度が5〜50重量%となるよう
にするのが良く、また500〜500,000センチポイズの粘度
に調節するのが良い。
ポリアミド酸を作る反応は発熱反応であり、必要に応じ
て冷却を行いながら反応を制御することが望ましい。テ
トラカルボン酸二無水物及びジアミンは有機溶剤に同時
に加えてもよく、またどちらか一方を有機溶剤中に懸濁
又は溶解させておき、これにもう一方を徐々に添加しつ
つ反応させる方法も好ましい。両成分のモル比は当モル
となるのが望ましいが、10:9〜9:10の範囲内で両成分の
どちらか一方を過剰量用いても何ら問題はない。
本発明に用いられる部分的にイミド化されたポリアミド
酸(B)の溶液は、前記のようにして得られたポリアミ
ド酸(A)の溶液を加熱して得ることができる。
イミド化反応は脱水反応であり、生じる水を除くために
反応系内にトルエン、ベンゼン等の水と共沸した除去で
きる溶媒を添加した積極的に水を除去することが好まし
い。これらの溶媒はポリアミド酸合成反応が終了してか
ら添加するのがよい。部分的イミド化反応はポリアミド
酸を攪拌下80〜150℃で加熱して行うのがよい。
本発明における部分的にイミド化されたポリアミド酸の
イミド化率(T)は、前記繰り返し単位(I)、(II)
及び(III)のモル量をそれぞれC、D、Eとし、下記
式(IV)で定義される。
本発明にかかる部分的にイミド化されたポリアミド酸の
イミド化率(T)は15〜85の範囲にあることが好まし
い。Tが15より小さいと揺変性が小さくなり、印刷後に
インキだれが生じ正確なパターンを形成することが困難
となる。Tが85より大きいと、揺変性が高くなり過ぎ
て、インキがゲル状となるため印刷が困難となったり、
樹脂が溶媒から分離することがある。
このようにして得られたポリアミド酸の溶液と部分的に
イミド化されたポリアミド酸の溶液は、そのまま、又は
これらの溶媒と共に混合し、もしくはこれらを混合する
前後にこれから溶媒を除くことによって本発明の印刷用
インキ組成物とすることができる。このポリアミド酸と
部分的にイミド化されたポリアミド酸は、これらとその
溶媒との合計量に対して5〜50重量%であることが好ま
しい。
揺変性はポリアミド酸の部分的イミド化により特徴的に
発現される現象で、揺変剤の添加なしに揺変性のある印
刷用インキ組成物の調製が可能である。
揺変比は、25℃におけるインキの回転粘度計で毎分5回
転のときの粘度に対する0.5回転のときの粘度の比とし
て表わされる。この揺変比は前記ポリアミド酸の部分的
イミド化反応における加熱時間もしくは温度を制御する
ことにより又はポリアミド酸(A)と部分的にイミド化
したポリアミド酸の混合比を変えることにりより任意に
コントロールすることができる。本発明インキ組成物の
揺変比は1.1〜15であることが好ましい。
そのためにポリアミド酸(A)と部分的にイミド化され
たポリアミド酸(B)との混合比{(A)/(B)}が
重量基準で1/10〜100/1の範囲とするのがよい。1/10よ
り小さいと印刷後にスクリーンメッシュの跡が塗膜に残
り、塗膜表面が著しく粗いものとなる。更にインキがス
クリーンメッシュを通らずに印刷できなくなることがあ
る。100/1より大きいと揺変比が小さくなり過ぎて印刷
後にインキだれが生じ正確なパターンを形成することが
困難となり易い。
本発明にかかる印刷用インキ組成物は消泡剤を含有する
ことが好ましい。この消泡剤としてはシリコン系消泡剤
が好ましい。本発明の印刷用インキ組成物が消泡剤を含
むときは、その量は、前記ポリアミド酸(A)、部分的
にイミド化されたポリアミド酸(B)及びそれらの溶媒
との合計量100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましく
は0.5〜5重量部である。0.1重量部より少ないと印刷時
に多大の泡が発生することが多い。その泡はそのまま消
えない場合と、放置時間の経過と共に消えていく場合と
がある。しかし泡が消える迄の放置時間が長い場合は作
業能率が著しく低下し、かつ乾燥硬化後、膜表面のピン
ホール、膜厚の不均一を生じやすい。一方10重量%より
多いと被膜表面に消泡剤が滲出してベタ付いたり、被膜
と基材との密着性が低下したり、印刷面でのハジキが生
じたり、樹脂と消泡剤が分離して不均一となったりする
ことがある。
本発明の印刷用インキ組成物は、上記ポリアミド酸、部
分的にイミド化されたポリアミド酸及びその溶媒等から
成る混合物を三本ロール等のインキミルを用いて常法に
よりインキ化されたものであり、保存安定性の良好な1
液型インキ組成物である。
本発明に係る印刷用インキ組成物の使用法は、まず、印
刷用インキ組成物をスクリーン印刷又はマスク印刷によ
り回路基板に塗布する。次いで塗布膜を熱風乾燥炉で10
0〜140℃で10分〜30分乾燥させ、さらに200〜300℃で10
〜30分加熱硬化させる。このようにして被覆層を持ち、
カールのない回路基板が得られる。
得られる被覆層は、以下のような特性を持つ。半田耐熱
性については、300℃、60秒以上の浸漬後も何ら変化は
認められない。可撓性については、MIT式耐折試験に於
いて、曲率半径を0.38mm、折り曲げ角度を片側135°、
往復で270°で折曲げることを1回とし、速度、180回/
分、荷重500gの条件の耐折性で、被覆層付の基板は、被
覆層なしの3倍以上の値を示す。
(実施例) 次に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。尚実施例、比較例において、「部」とあ
るのは特に断わらない限り、重量部であることを表わ
す。
実施例1 (1)〔ポリアミド酸の合成〕 攪拌機、温度計及び窒素置換装置を付した2lの4つ口セ
パラブルフラスコを水浴上に固定化した。減圧蒸留した
N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記する。)1
300mlを窒素気流下加えた。さらにp−フェニレンジア
ミン(以下p−PDAと略記する。)44.71g(413.5ミリモ
ル)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(以下4,4′
−DDEと略記する。)20.70g(103.4ミリモル)を仕込
み、懸濁させた。次いで3,3′,4,4′−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物(以下s−BPDAと略記する。)15
2.07g(516.8ミリモル)を徐々に添加した。反応系を30
℃以下になるように保持しつつ透明粘稠液体となるまで
攪拌した。
(2)〔部分的にイミド化されたポリアミド酸の合成〕 (1)で得られたポリアミド酸溶液の一部をとりこれに
ベンゼンを100ml添加して温度を120℃まで昇温し、この
温度に保持しつつ50分間反応をさせた後ベンゼンを留去
して透明黄色の揺変性のある粘稠液体となるまで攪拌し
た。
得られた部分的にイミド化されたポリアミド酸のイミド
化率を第1表に示す。
(3)〔印刷インキの調製〕 (1)で得られたポリアミド酸溶液、(2)で得られた
部分的にイミド化されたポリアミド酸溶液、NMP及び消
泡剤(ダウコーニング社製、アンチフォーム DB−100
(商標))を第2表に示す配合比で混合し、3本ロール
ミルで3回混練してペースト状の印刷用インキ組成物
(a)を得た。このインキ組成物(a)の回転粘度をE
型粘土計:ローター3°×R14(以下同様)の条件で0.5
rpm、5rpmで測定した結果及び揺変比を第2表に示す。
実施例2 (1)〔ポリアミド酸の合成〕 実施例1の(1)と同様にしてポリアミド酸を合成し
た。
(2)〔部分的にイミド化されたポリアミド酸の合成〕 実施例1の(2)と同様にして部分的にイミド化された
ポリアミド酸を合成した。得られた部分的にイミド化さ
れたポリアミド酸のイミド化率を第1表に示す。
(3)〔印刷用インキ組成物の調製〕 実施例1の(3)と同様にして、ポリアミド酸溶液、部
分的にイミド化されたポリアミド酸溶液、NMP及び消泡
剤を第2表に示す配合比で混合し、3本ロールミルで3
回混練してペース状の印刷用インキ組成物(b)を得
た。この組成物の回転粘度及び揺変比を第2表に示す。
実施例3 (1)〔ポリアミド酸の合成〕 ジアミンの組成を第1表に示すように変えた以外は実施
例1の(1)と同様にしてポリアミド酸を合成した。
(2)〔部分的にイミド化されたポリアミド酸の合成〕 120℃の保持時間を変えた以外は実施例1の(2)と同
様にして合成した。得られた部分的にイミド化されたポ
リアミド酸のイミド化率を第1表に示す。
(3)〔印刷用インキ組成物の調製〕 実施例1の(3)と同様にして、ポリアミド酸溶液、部
分的にイミド化されたポリアミド酸溶液、NMP及び消泡
剤を第2表に示す配合比で混合し、3本ロールミルで3
回混練してペースト状の印刷用インキ組成物(c)を得
た。この組成物の回転粘度及び揺変比を第2表に示す。
実施例4 (1)〔ポリアミド酸の合成〕 実施例3の(1)と同様にしてポリアミド酸を合成し
た。
(2)〔部分的にイミド化されたポリアミド酸の合成〕 実施例3の(2)と同様にして部分的にイミド化された
ポリアミド酸を合成した。得られた部分的イミド化され
たポリアミド酸のイミド化率を第1表に示す。
(3)〔印刷用インキ組成物の調製〕 実施例3の(3)と同様にして、ポリアミド酸溶液、部
分的にイミド化されたポリアミド酸溶液、NMP及び消泡
剤を第2表に示す配合比で混合し、3本ロールミルで3
回混練してペースト状の印刷用インキ組成物(d)を得
た。この組成物の回転粘度及び揺変比を第2表に示す。
比較例1 (1)〔ポリアミド酸の合成〕 実施例1の(1)と同様にしてポリアミド酸を合成し
た。
(2)〔印刷用インキ組成物の調製〕 (1)で得られたポリアミド酸溶液、アエロジル200
(日本アエロジル株式会社製)NMP及び実施例1で用い
たのと同じ消泡剤を第2表に示す配合比で混合し、3本
ロールで3回混練してペースト状の印刷用インキ組成物
(e)を得た。得られたインキ組成物(e)の回転粘度
及び揺変比を第2表に示す。
比較例2 (1)〔ポリアミド酸の合成〕 実施例1の(1)と同様にしてポリアミド酸を合成し
た。
(2)〔印刷用インキ組成物の調製〕 (1)で得られたポリアミド酸溶液、アエロジルRY200
(日本アエロジル株式会社製)NMP及び実施例1で用い
たのと同じ消泡剤を第2表に示す配合比で混合し、3本
ロールで3回混練してペースト状の印刷用インキ組成物
(f)を得た。得られたインキ組成物(f)の回転粘度
及び揺変比を第2表に示す。
これらのインキ(a)〜(f)をスクリーン印刷法で80
メッシュのスクリーンを用いてフレキシブル銅張板(ポ
リイミドベース厚み60μm)上に印刷を行った。その後
100℃で10分間熱処理を行った。さらにその上に重ね刷
りを行い、100℃で10分、次いで300℃で10分熱処理を行
った。得られた皮膜のパターンのダレ幅とパターン精
度、表面平滑性、カール、皮膜厚、作業性を第3表に示
す。
第3表に於ける作業性良好とは、印刷時に於ける泡、ハ
ジキ、滲み、かすれ、インキの糸引きが発生しない状態
をいう。
さらに、得られた皮膜付きフレキシブル銅張板の特性結
果、特に可撓性、耐熱性、電気特性を測定した。その結
果を第4表に示す。
尚、前記可撓性は皮膜付きフレキシブル銅張板が皮膜な
しフレキシブル銅張板に対してその耐折性がどの程度向
上するかを破断回数の比で示した。測定条件はMIT式屈
曲試験機を用い、屈曲速さ180回/分、張力500gf、曲率
半径0.38mmの条件で回路の導通が破断した時の回数を測
定した。導体パターンは、エッチングにより導体幅1.5m
m、間隙1.0mmで1往復の導体を形成したものを用いた。
耐熱性は300℃の半田浴中に60秒フロートさせた時の皮
膜のハガレ、フクレ、変色を目視により判定し、試験前
後でその変化が認められないものを良好とした。
密着性は、JIS K5400に基き、(財)日本塗装技術協会
の判定基準により評価を行った。即ち、1cm四方の区画
を縦横1mm間隔の線で区切り、この線に沿って1mm四方の
区画が100個できるようにカッターナイフで皮膜のみを
切断し、基材が切れないように切り込みを入れた。次に
切り込みを入れた皮膜にセロハンテープを張り、90度の
角度に引っ張り上げ、その時に1mm四方の区画が何個剥
がれるかにより評価を行った。1個の剥離もなく、また
それぞれの区画に欠損のないものを、10点満点の評価と
した。
電気特性はJIS C6481に基き線間1.0mm、総延長80mmの平
行パターンをエッチングにより形成したものについて、
DC100V印加後1分経過時の線間絶縁抵抗として示した。
上記第3表及び第4表より、実施例にかかるインキはい
ずれの物性も優れた値を示すが、比較例1のインキは可
撓性及び印刷性が劣り、比較例2のインキは可撓性及び
基板に対する密着性が劣る。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る印刷用
インキ組成物は、耐熱性、密着性、可撓性、電気特性に
優れたものであり、フレシキブル銅張板上にスクリーン
印刷法で塗布することにより、容易に信頼性の高い皮膜
を形成することができる。このためカバーフィルムの貼
り合わせの様な複雑な作業が不要となるため生産効率が
向上し、また印刷した熱乾燥するだけの手法のため、ロ
ールプレスのような高価な設備は不要である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド酸(A)及び下記式(I)、
    (II)及び(III)で示される繰り返し単位を含んでな
    る部分的にイミド化されたポリアミド酸(B)を必須成
    分とする印刷用インキ組成物。 (ここにR1は4価の有機基を、R2は2価の有機基を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】前記繰り返し単位(I)、(II)及び(II
    I)のモル量をそれぞれC、D、Eとし、下記式(IV)
    でイミド化率Tを定義したとき、前記部分的にイミド化
    されたポリアミド酸のイミド化率Tが15〜85である請求
    項1に記載の印刷用インキ組成物。
  3. 【請求項3】前記ポリアミド酸(A)及び部分的にイミ
    ド化されたポリアミド酸(B)の混合比{(A)/
    (B)}が重量基準にして1/10〜100/1である請求項
    1、2又は3に記載の印刷用インキ組成物。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3に記載のポリアミド酸
    (A)及び部分的にイミド化されたポリアミド酸(B)
    とそれらの溶媒を含む印刷用インキ組成物。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記ポリアミド酸
    (A)及び部分的にイミド化されたポリアミド酸(B)
    とそれらの溶媒との合計量に対する該ポリアミド酸
    (A)及び部分的にイミド化されたポリアミド酸(B)
    の割合が5〜50重量%である前記印刷用インキ組成物。
  6. 【請求項6】請求項4又は5において、前記ポリアミド
    酸(A)及び部分的にイミド化されたポリアミド酸
    (B)とそれらの溶媒の他に消泡剤を含む前記印刷用イ
    ンキ組成物。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記印刷用インキ組成
    物に含まれる消泡剤の量が、前記ポリアミド酸(A)及
    び部分的にイミド化されたポリアミド酸(B)とそれら
    の溶媒の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部である
    前記印刷用インキ組成物。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれかにおいて、揺
    変比が1.5〜15である前記印刷用インキ組成物。
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