JPH0717629Y2 - 容器用台車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、内容物を入れたたる
や、空たる等の容器を載せて運搬するのに使用する容器
用台車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の容器用台車は、図５に示
すように、十字形台板（イ）の四方外端縁に合わせて該
台板（イ）上に円環状の容器嵌合環（ロ）を固着し、上
記台板（イ）の四方の端部の下面にキヤスター（ハ）を
それぞれ取付けて容器用台車（ニ）を構成する。

【０００３】そして、図５に示すように、たる等の容器
（ホ）の底部を台車（ニ）の容器嵌合環（ロ）内に嵌合
して容器（ホ）を台車（ニ）の台板（イ）上に載せ、容
器（ホ）の紐輪（ヘ）を引いて容器（ホ）を台車（ニ）
により運搬している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記従来の容器用台車
においては、

【０００５】（１） キヤスター（ハ）は容器嵌合環
（ロ）の内方において取付けられているために、キヤス
ター（ハ），（ハ）間の間隔が狭い。

【０００６】（２） キヤスター（ハ）が内方に向いた
ときにはキヤスター（ハ），（ハ）の接地点間の間隔が
特に狭くなるから、紐輪（ヘ）を引いて容器（ホ）を運
搬するときに、容器（ホ）を載せた台車（ニ）がひつく
り返ることがあり、作業上大変なことになる上に、危険
性が有る。

【０００７】（３） 容器（ホ）を逆さまにして台車
（ニ）上に載せることができないので、容器（ホ）の運
搬および保管上不便な点である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は、容器の台車の
安定性を良くして台車がひつくり返るおそれは無く、且
つ、台車上に容器を逆さまにしても載せることができて
取扱上便利にするために、十字形台板（４）の四方端部
にそれぞれ適当長さの突出部（６）を残して該台板
（４）上には、内方に容器（ａ）の底部が嵌合可能で外
方に容器（ａ）の上口（１）内が嵌合可能な円環状の容
器嵌合環（５）を固着し、上記台板（４）の四方突出端
部の下面にキヤスター（７）をそれぞれ取付けて容器用
台車を構成し、容器の台車の安定性を良くして台車がひ
つくり返るおそれは無く、且つ、台車上に容器を逆さま
にしても載せることができて取扱上便利にする目的を、
十字形台板の四方端部を円環状の容器嵌合環よりも突出
させてその台板の四方突出端部の下面にキヤスターをそ
れぞれ取付けることにより実現した。

【０００９】

【実施例】図１乃至図４は、本考案の一実施例を示し、
その構成を図面について説明すれば、（ａ）はたる等の
容器、（１）は容器（ａ）の上口、（２）は容器（ａ）
の上口（１）部の外周面に適当間隔で複数個並設した上
下方向のリブで、両側のリブ（２）の通孔に紐輪（３）
をそれぞれ挿着する。

【００１０】（ｂ）は容器用台車を示し、（４）は台車
（ｂ）の台板で、十字形に形成する。（５）は台板
（４）上に設ける円環状の容器嵌合環で、内方に容器
（ａ）の底部が嵌合可能で外方に容器（ａ）の上口
（１）内が嵌合可能なるように形成する。

【００１１】そして、台板（４）の四方端部に適当長さ
の突出部（６）を残して台板（４）上には、内方に容器
（ａ）の底部が嵌合可能で外方に容器（ａ）の上口
（１）内が嵌合可能な円環状の容器嵌合環（５）を同心
状態に固着し、台板（４）の四方突出端部の下面には、
キヤスター（７）の転向軸をほぼ容器嵌合環（５）に対
応させキヤスター（７）を取付けて台車（ｂ）を構成す
る。

【００１２】その作用を説明する。容器（ａ）内に内容
物を入れて運搬する場合には、図３に示すように、容器
（ａ）の底部を台車（ｂ）の容器嵌合環（５）の内方に
嵌合して容器（ａ）を台車（ｂ）の台板（４）上に載
せ、紐輪（３）を引いて台車（ｂ）により運搬する。

【００１３】空容器（ａ）を運搬する場合には、容器
（ａ）を上記状態において順次積重ね、適当位置の容器
（ａ）の紐輪（３）を引いて適当数の容器（ａ）を一度
に台車（ｂ）により運搬する。

【００１４】洗つた容器（ａ）を運搬する場合には、図
４に実線で示すように、容器（ａ）を逆さまにし容器
（ａ）の上口（１）内を台車（ｂ）の容器嵌合環（５）
の外方に嵌合して容器（ａ）を台車（ｂ）の台板（４）
の突出部（６）上に載せ、容器（ａ）の上方部、すなわ
ち、底部側を押して容器（ａ）を台車（ｂ）により運搬
する。

【００１５】洗つた容器（ａ）をまとめて運搬したり、
保管する等の場合には、上記の台車（ｂ）上に載せた容
器（ａ）上に、図４に鎖線で示すように、順次容器
（ａ）を逆さまにして積重ね、適当位置の紐輪（３）を
引くか、または積重ねた容器（ａ）の適当箇所を押して
適当数の容器（ａ）を一度に台車（ｂ）により運搬す
る。

【００１６】上記円環状の容器嵌合環（５）の下端外方
に、該容器嵌合環（５）に沿つた円環状突縁を形成して
も、上記と同様に作用する。

【００１７】

【考案の効果】本考案の容器用台車は、下記のような利
点がある。

【００１８】（１） 台車の十字形台板の四方端部が該
台板上の円環状の容器嵌合環より適当長さ突出してその
台板の四方突出端部の下面にキヤスターをそれぞれ取付
けるから、台板上に載せる容器に対し台車のキヤスター
間の間隔が広くて安定性が良く、台車がひつくり返るお
それは無くて安全および作業上有益である。

【００１９】（２） 多くの容器を重ねて一度に軽快で
安定よく運搬することができて便利である。

【００２０】（３） 容器内に内容物を入れた場合は、
容器を容器嵌合環の内方に嵌合し台車上に確実に支持し
て一個づつ運搬し得る。

【００２１】（４） 容器を保管する場合は、容器を逆
さまになし容器嵌合環の外方に嵌合して台車上に重ね、
確実に載せて容器内の水分を自然落下させると共に、容
器内に塵埃が入つて溜るのを防止し、且つ、多くの容器
を一度に軽く運搬したり、保管場所に出し入れしたりす
ることができて取扱上便利である。

【００２２】（５） 容器を台車上に載せるとき、容器
が普通の状態、および逆さまの状態の何れの場合にも、
容器が台車の円環状の容器嵌合環に嵌合し載つて台車へ
の容器の支持は確実堅固である。

【００２３】（６） 構造は簡単で、容易安価に製作で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る容器用台車の正面図で
ある。

【図２】同上平面図である。

【図３】その容器用台車上にたるを普通の状態に載せた
状態の正断面図である。

【図４】同上容器用台車上にたるを逆さまの状態に載せ
た状態の正断面図である、

【図５】従来の容器用台車上にたるを普通の状態に載せ
た状態の正断面図である。

【符号の説明】

ａ 容器 ｂ 容器用台車 １ 上口 ２ リブ ３ 紐輪 ４ 十字形台板 ５ 容器嵌合環 ６ 突出部 ７ キヤスター イ 十字形台板 ロ 容器嵌合環 ハ キヤスター ニ 容器用台車 ホ 容器 ヘ 紐輪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 十字形台板の四方端部にそれぞれ適当長
   さの突出部を残して該台板上には、内方に容器の底部が
   嵌合可能で外方に上記容器の上口内が嵌合可能な円環状
   の容器嵌合環を固着し、上記台板の四方突出端部の下面
   にキヤスターをそれぞれ取付けてなる容器用台車。