JPH07175073A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH07175073A
JPH07175073A JP31984293A JP31984293A JPH07175073A JP H07175073 A JPH07175073 A JP H07175073A JP 31984293 A JP31984293 A JP 31984293A JP 31984293 A JP31984293 A JP 31984293A JP H07175073 A JPH07175073 A JP H07175073A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
display element
substrate
sealing material
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Application number
JP31984293A
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English (en)
Inventor
Tatsunori Fumikura
辰紀 文倉
Yoshikuni Nagashima
吉邦 長島
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】液晶中に混入したイオン性物質や低分子量物質
が液晶表示素子の中に侵入するのを防止し、高品質の表
示を行う。 【構成】液晶を介在して互いに対向配置される一対の基
板2a,2bの周縁を、一部に液晶封入口1を形成した
シール材3を介して貼り合わせ、上記液晶注入口1の近
傍に液晶に含有する不純物を吸着する不純物吸着材1
a,1bを配置した。 【効果】液晶材料の注入の際に、液晶に混入した不純物
が除去されるため、表示領域に不純物が侵入するのを阻
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に係り、特
に液晶に含まれる不純物が有効表示領域に侵入すること
による表示品質の劣化を解消した液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近、画像再生装置や各種情報端末機の
モニターとしての表示デバイスに、液晶表示素子(LC
D)を用いたものが多用されている。
【0003】液晶表示素子としては、STN型として知
られる単純マトリクス型と、TFT等の非線型素子を用
いたアクティブ・マトリクス型とが一般的である。
【0004】以下、STN型液晶表示素子を例として説
明する。
【0005】従来のSTN型の液晶表示素子(STN−
LCD)のツイステッドネマチックタイプと言われるも
のは、ITOからなる透明電極を形成した2枚の電極基
板(以下、単に基板ともいう)間に正の誘電率異方性を
有するネマチック液晶による90度ねじれた螺旋構造を
有し、かつ両基板の外側には偏光板をその偏光軸(ある
いは吸収軸)が基板に隣接する液晶分子に対し直交ある
いは平行になるように配置するものであった(特公昭5
1−13666号公報)。
【0006】このような捩じれ角(α)が90度の液晶
表示素子では、液晶層に印加される電圧対液晶層の透過
率の変化の急峻性(γ),視角特性の点で問題があり、
時分割数(走査電極の数に相当)は64が実用的限界で
あった。しかし、近年の液晶表示素子に対する画質改善
と表示情報量増大の要求に対処するため、液晶分子の捩
じれ角αを180度より大に、かつ複屈折効果を利用す
ることにより時分割駆動特性を改善して時分割数を増大
させるものがアプライド フィジクス レター45,N
o.10,1021 1984(Applied Physics Letter,T.J.Scheffe
r,J.Nehring:"A new,highly multiplexable liquidcrys
tal display") に論じられ、スーパーツイステッド複屈
折効果型(SBE) 液晶表示装置が提案されている。
【0007】上記の液晶表示素子は、 液晶を介在して
互いに対向配置される一対の基板の周縁を、一部に液晶
封入口を形成したシール材を介して貼り合わせ、上記液
晶封入口から液晶を注入し封止してなる。
【0008】封止後の液晶表示素子には、液晶自体に含
有する不純物や注入時に液晶表示素子の構成材から各種
の不純物が混入して表示品質に悪影響を与える。
【0009】従来は、液晶や液晶と接触する液晶表示素
子の構成材を清浄化する努力がなされているが、液晶注
入時の不純物混入を除去することに関しては考慮がされ
ていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示素子は、少な
くとも2枚の基板を対向させ、その周縁にシール材を開
挿して貼り合わせ、上記2枚の基板間に液晶を注入して
なる。
【0011】図14は従来の液晶表示素子の構成を説明
する模式図であって、1は液晶を封入する封入口、2a
は上基板、2bは下基板、3はシール材、4aは上電
極、4bは下電極、4cは上配向膜、4dは下配向膜で
ある。
【0012】同図において、この液晶表示素子は、上基
板2aおよび下基板2bの対向面にそれぞれ上電極4
a,下電極4bおよび各電極を覆って被着された上配向
膜4c,下配向膜4dを有し、これら2枚の電極を対向
させ、その周縁にシール材3を介挿して貼り合わせ、シ
ール材3で区画された間隙にシール材3の一部に形成し
た封入口1から液晶を注入し、封止してなる。
【0013】上記したように、液晶を一対の(2枚の)
基板間に注入し封止する液晶封入工程で、液晶は封入装
置内の雰囲気、液晶表示素子の構成材料(基板、配向
膜、接着剤など)と接触する。これらの雰囲気、液晶表
示素子の構成材料に液晶表示素子の表示品質に悪影響を
及ぼすイオン性物質や低分子量物質が含まれていなけれ
ば問題ないが、実際には雰囲気や上記構成材料をそこま
で清浄化することは不可能であり、上記のイオン性物質
や低分子量物質が残留しており、これが液晶封入工程に
おいて液晶に混入してしまう。
【0014】このような不純物が液晶中に混入すると、
液晶の閾値電圧すなわち液晶の分子軸方向が変化するた
め、当該液晶の特定の電位が局部的に変化し、表示品質
を低下させてしまうという問題があった。
【0015】なお、上記のSTN−LCDに限らず、T
FT型等のアクティブ・マトリクス方式LCDにおいて
も同様の問題が生じる。
【0016】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、液晶中に混入するイオン性物質や低分子量物質
が液晶表示素子の中に侵入するのを防止して、高品質の
表示を行うことのできる液晶表示素子を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、液晶を介在して互いに対向配置される一
対の基板の周縁を、一部に液晶封入口を形成したシール
材を介して貼り合わせ、上記液晶封入口から液晶を注入
し封止してなる液晶表示素子において、少なくとも前記
液晶封入口近傍に液晶に含有する不純物を吸着する不純
物吸着材を配置したことを特徴とする。
【0018】また、本発明は、液晶を介在して互いに対
向配置される一対の基板の周縁を、一部に液晶封入口を
形成したシール材を介して貼り合わせ、上記液晶封入口
から液晶を注入し封止してなる液晶表示素子において、
前記液晶封入口近傍および前記シール材内周に液晶に含
有する不純物を吸着する不純物吸着材を配置したことを
特徴とする。
【0019】さらに、本発明は、液晶を介在して互いに
対向配置される一対の基板の周縁を、一部に液晶封入口
を形成したシール材を介して貼り合わせ、上記液晶封入
口から液晶を注入し封止してなる液晶表示素子におい
て、前記液晶封入口にじゃま板構造を備え、このじゃま
板構造を含む前記液晶封入口に液晶に含有する不純物を
吸着する不純物吸着材を備え、前記不純物吸着材に対す
る前記注入される液晶の接触面積を増大させたことを特
徴とする。
【0020】そして、本発明は、前記不純物吸着材がイ
オン吸着材であることを特徴とする。
【0021】なお、本発明は、STN型液晶表示素子に
限らず、TFT型等のアクティブ・マトリクス型液晶表
示素子にも適用できるものであることは言うまでもな
い。
【0022】
【作用】シール材に形成した液晶封入口近傍に液晶に含
有する不純物を吸着する不純物吸着材を配置したこと
で、液晶の注入時に当該液晶がこの不純物吸着材に接触
した時に、混入していた不純物が吸着され、液晶表示素
子の中に侵入することが防止される。
【0023】また、この不純物吸着材を、シール材に形
成した液晶封入口近傍のみに限らず、液晶表示素子の表
示領域を囲むシール材内周にも配置したことで、たとえ
封入口から不純物が侵入しても、上記シール材内周に配
置した不純物吸着材で吸着され、有効表示領域に不純物
が残留することが防止される。
【0024】さらに、液晶注入口にじゃま板構造を備
え、このじゃま板構造を含む前記液晶封入口に不純物吸
着材を配置することで、不純物吸着材に対する前記注入
される液晶の接触面積が増大し、混入した不純物の吸着
能率が向上する。
【0025】そして、本発明は、前記不純物吸着材をア
ルミナ、合成ゼオライト等のイオン吸着材としたこと
で、特に水分(H+ ,O--)や塩分(Na+ ,Cl-
を効率よく吸着させることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。
【0027】図1は本発明による液晶表示素子の第1実
施例を説明するための要部模式図であって、(a)は要
部平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図
で、1は封入口、1a,1bは不純物吸着材(以下、単
に吸着材ともいう)、2aは上基板、2bは下基板、3
はシール材である。なお、各基板の内面に形成されてい
る電極や配向膜等は図示を省略してある。
【0028】同図において、上基板2aと下基板2bは
シール材3を介して貼り合わせられ、シール材3の一部
に液晶を注入するための封入口1が形成されている。
【0029】そして、封入口1の基板(上基板2a,下
基板2b)側には、アルミナ塗布膜からなる吸着材1a
と1bが設置されている。
【0030】この吸着材1a,1bは基板側でなく、シ
ール材3側に、あるいは基板側とシール材側の両者に設
置してもよい。
【0031】この封入口を介して液晶を注入する際、注
入される液晶は吸着材1a,1bに接触し、この接触時
に、当該液晶に混入していた不純物が吸着される。
【0032】したがって、液晶表示素子の内部すなわち
表示領域に封入される液晶に不純物が侵入することがな
く、前記したような表示品質の劣化が阻止される。
【0033】上記吸着材は、例えば下記の方法で設けら
れる。すなわち、 (1)上下基板の貼り合わせ前に、純水またはイソプロ
ピルアルコールあるいはそれらの混合物にアルミナを分
散させた溶液を塗布し、乾燥させた後シール材で上下の
基板を貼り合わせる。
【0034】(2)上下基板をシール材で貼り合わせた
後、その封入口位置に純水またはイソプロピルアルコー
ルあるいはそれらの混合物にアルミナを分散させた溶液
を塗布し、乾燥させる。
【0035】吸着材1a,1bを設置した封入口1から
液晶を注入する際、液晶と吸着材とが接触し、混入して
いたイオン性物質や低分子量物質が吸着され、液晶表示
素子の表示領域に封止される液晶は清浄化され、前記し
たような閾値の変化を招くことがなく、高品質の表示を
得ることができる。
【0036】図2は本発明による液晶表示素子の第2実
施例を説明するための要部模式図であって、(a)は要
部平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図
で、図1と同一符号は同一部分に対応する。
【0037】同図において、上基板2aと下基板2bは
シール材3を介して貼り合わせられ、シール材3の一部
に液晶を注入するための封入口1が形成されている。
【0038】この封入口1には、1または複数のじゃま
板3aが形成され、このじゃま板3aの側壁にもアルミ
ナ塗布膜からなる吸着材1cが設置されている。なお、
吸着材は前記図1と同様に、基板側のみに設置してもよ
い。
【0039】この封入口1を介して液晶を注入する際、
注入される液晶は吸着材1a,1b,1cに接触し、こ
の接触時に、当該液晶に混入していた不純物が吸着され
る。また、基板側のみに吸着材を設置しても、このじゃ
ま板3aによる液晶の注入速度の減速効果で、吸着材と
液晶の接触時間を長くでき、混入している不純物の除去
効果を向上できる。上記吸着材は、前記実施例と同様の
方法で設置される。これにより、吸着材1a,1b,1
cを設置した封入口1から液晶を注入する際、液晶と吸
着材とが接触し、混入していたイオン性物質や低分子量
物質が吸着され、液晶表示素子の表示領域に封止される
液晶は清浄化され、前記したような閾値の変化を招くこ
とがなく、高品質の表示を得ることができる。
【0040】図3は本発明による液晶表示素子の第3実
施例を説明するための要部模式図であって、(a)は要
部平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図
で、図1と同一符号は同一部分に対応する。
【0041】同図に示した実施例の構成が、前記第1実
施例および第2実施例で説明した構成と異なる点は、液
晶表示素子の表示領域を取り囲むシール材3の内壁にも
吸着材1dを設置した点である。
【0042】このように、液晶表示素子の表示領域を取
り囲むシール材3の内壁にも吸着材1dを設置したこと
で、液晶の注入時に不純物が侵入したとしても、この吸
着材1dにより吸着されるため、不純物による表示品質
の劣化が効果的に防止される。
【0043】なお、同図(b)は前記図1の(b)と同
様の構成として示してあるが、本実施例は図2の(b)
の構成に適用することもできる。
【0044】上記各実施例においては、設置する吸着材
をアルミナとしたが、合成ゼオライトあるいは既知の吸
着材を用いることができることは言うまでもない。
【0045】これにより、表示領域での表示のむら等を
低減し、高表示品質の液晶表示素子を得ることができ
る。
【0046】以下、本発明を適用した具体液晶表示装置
の詳細例をSTN型液晶表示装置(STN−LCD)を
例として説明する。
【0047】図4は本発明による液晶表示装置を上側か
らみた場合の液晶分子の配列方向(例えばラビング方
向)、液晶分子のねじれ方向、偏光板の偏光軸(あるい
は吸収軸)方向、および複屈折効果をもたらす部材の光
学軸方向の説明図である。
【0048】また、図5は本発明による液晶表示装置の
構成を説明するための模式斜視図であって、60が前記
した本発明による液晶表示素子の部分である。
【0049】液晶分子のねじれ方向10とねじれ角θ
は、上基板1a上の配向膜4cのラビング方向6と下基
板1b上の配向膜4dのラビング方向7及び上基板1a
と下基板1bの間に挟持されるネマチック液晶50に添
加される旋光物質の種類とその量によって規定される。
【0050】図5において、液晶層50を挟持する2枚
の上,下基板1a,1b間で液晶分子がねじれた螺旋構
造をなすように配向させるには、上,下基板1a,1b
上の、液晶に接する、例えばポリイミドからなる有機高
分子樹脂からなる配向膜4c,4dの表面を、例えば布
などで一方向にこする方法、所謂ラビング法が採られて
いる。このときのこする方向、すなわちラビング方向、
上基板1aにおいてはラビング方向6,下基板1bにお
いてはラビング方向7が液晶分子の配列方向となる。
【0051】このようにして配向処理された2枚の上,
下基板1a,1bをそれぞれのラビング方向6,7が互
いにほぼ180度から360度で交叉するように間隙d
1 をもたせて対向させ、2枚の基板1a,1bを液晶を
注入するための封入口1を備えた枠状のシール材3によ
り接着し、その間隙に正の誘電異方性をもち旋光物質を
所定量添加したネマチック液晶を封入すると、液晶分子
はその電極基板間で図中のねじれ角θの螺旋状構造の分
子配列をする。
【0052】このようにして構成された液晶表示素子6
0の上基板2の上側に複屈折効果をもたらす部材(以
下、複屈折部材と称する)40が配設されており、さら
にこの部材40および液晶表示素子60を挟んで上,下
偏光板15,16が設けられる。
【0053】液晶50における液晶分子のねじれ角θは
好ましくは200度から300度であるが、透過率−印
加電圧カーブの閾値近傍の点灯状態が光を散乱する配向
となる現象を避け、優れた時分割特性を維持するという
実用的な観点からすれば、230度から270度の範囲
がより好ましい。この条件は、基本的には電圧に対する
液晶分子の応答をより敏感にし、優れた時分割特性を実
現するように作用する。また、優れた表示品質を得るた
めには、液晶層3の屈折率異方性Δn1 とその厚さd1
との積Δn1 ・d1 は好ましくは0.5μmから1.0
μm、より好ましくは0.6μmから0.9μmの範囲
に設定するのが望ましいが、これに限るものではない。
【0054】複屈折部材40は液晶表示素子を透過する
光の偏光状態を変調するように作用し、液晶表示素子単
体で着色した表示しかできなかったものを白黒の表示に
変換するものである。このためには、複屈折部材40の
屈折率異方正Δn2 とその厚さd2 の積Δn2 ・d2
極めて重要であり、好ましくは0.4μmから0.8μ
m、より好ましくは0.5μmから0.7μmの範囲に
設定する。しかし、これに限るものではない。
【0055】さらに、液晶表示装置62は複屈折による
楕円偏光を利用しているので偏光板15,16の軸と、
複屈折部材40として一軸性の透明複屈折板を用いる場
合はその光学軸と、液晶表示素子の上下基板1a,1b
の液晶配列方向6,7との関係が極めて重要である。
【0056】次に、図4に戻って上記の関係の作用効果
について説明する。同図は図5に示した構成の液晶表示
装置を上から見た場合の偏光板の軸,一軸性の透明複屈
折部材の光学軸,液晶表示素子の基板の液晶配列方向の
関係を示したものである。
【0057】なお、図5において、5は一軸性の透明複
屈折部材40の光学軸、6は複屈折部材40とこれに隣
接する上基板1aの液晶配列方向、7は下基板1bの液
晶配列方向、8は上偏光板15の吸収軸あるいは偏光軸
であり、角度αは上基板2の液晶配列方向6と一軸性の
複屈折部材40の光学軸5とのなす角度、角度βは上偏
光板15の吸収軸あるいは偏光軸8と一軸性の透明複屈
折部材40の光学軸5とのなす角度、角度γは下偏光板
16の吸収軸あるいは偏光軸9と下電極基板12の液晶
配列方向7とのなす角度である。
【0058】ここで、上記角度α,β,γの測り方を定
義する。
【0059】図8は上基板の液晶配列方向と一軸性の複
屈折部材の光学軸とのなす角度α、上偏光板の吸収軸あ
るいは偏光軸と一軸性の透明複屈折部材の光学軸とのな
す角度β、下偏光板の吸収軸あるいは偏光軸と下電極基
板の液晶配列方向とのなす角度γの関係の説明図であ
る。
【0060】同図において、複屈折部材40の光学軸5
と上基板1aの液晶配列方向6との交角を例として説明
する。
【0061】光学軸5と液晶配列方向6との交角は図9
に示したごとくφ1 およびφ2 で表すことができるが、
ここではφ1 ,φ2 のうち小さい方の角度を採用する。
すなわち、図9の(a)においてはφ1 <φ2 であるか
ら、φ1 を光学軸5と液晶配列方向6との交角とし、図
9の(b)においてはφ1 >φ2 であるから、φ2 を光
学軸5と液晶配列方向6との交角とする。勿論φ1 =φ
2 の場合はどちらを採ってもよい。
【0062】この種の液晶表示装置においては、角度
α,β,γが極めて重要である。角度αは好ましくは5
0度から90度、より好ましくは70度から90度に、
角度βは好ましくは20度から70度、より好ましくは
30度から60度に、角度γは好ましくは0度から70
度、より好ましくは0度から50度に、それぞれ設定す
ることが望ましい。
【0063】なお、液晶表示素子60の液晶3のねじれ
角θが180度から360度の範囲内にあれば、ねじれ
方向10が時計回り方向,反時計回り方向のいずれであ
っても上記角度α,β,γは上記範囲内にあればよい。
【0064】図5においては、複屈折部材40が上偏光
板15と上基板2の間に配設されているが、これに代え
て下基板1bと下偏光板16との間に配設してもよい。
この場合は図5の構成全体を倒立させたものとなる。
【0065】以下、上記各軸角度の具体例を説明する。
【0066】「具体例1」図6は本発明を適用した液晶
表示装置の軸構成の具体例1の説明図であって、基本構
造は図4および図5に示したものと同様である。同図に
おいて、液晶分子のねじれ角θは240度であり、一軸
性の透明複屈折部材40としては平行配向(ホモジェニ
アス配向)した、すなわちねじれ角が0度の液晶素子を
使用した。ここで、液晶50の厚みd(μm)と旋光性
物質が添加された液晶のらせんピッチp(μm)の比d
/pは約0.53とした。配向膜4c,4dはポリイミ
ド樹脂膜で形成し、これをラビング処理したものを使用
した。このラビング処理を施した配向膜がこれに接する
液晶分子を基板面に対して傾斜配向させるチルト角(p
retilt角)は約4度である。上記一軸性透明複屈
折部材40のΔn2・d2 は約0.6μmである。一
方、液晶分子が240度ねじれた構造の液晶50のΔn
1 ・d1 は約0.8μmである。
【0067】このとき、角度αを約90度、角度βを約
30度、角度γを約30度とすることにより、上,下電
極4a,4bを介して液晶50に印加される電圧が閾値
以下のときには光不透過すなわち黒、電圧がある閾値以
上になると光透過すなわち白の白黒表示が実現できた。
また、下偏光板16の軸を上記位置より50度から90
度回転した場合は、液晶層50への印加電圧が閾値以下
のときは白、電圧が閾値以上になると黒の、前記と逆の
白黒表示が実現できた。
【0068】図7は図6の軸構成で角度αを変化させた
ときの1/200デューティで時分割駆動時のコントラ
スト変化の説明図である。
【0069】同図において、角度αが90度近傍では極
めて高いコントラストを示していたものが、この角度か
らずれるにつれて低下する。しかも、角度αが小さくな
ると点灯部,非点灯部ともに青味がかり、角度αが大き
くなると非点灯部は紫,点灯部は黄色になり、いずれに
しても白黒表示は不可能となる。角度βおよび角度γに
ついてもほぼ同様の結果となるが、角度γの場合は前記
したように50度から90度近く回転すると逆の白黒表
示となる。
【0070】「具体例2」基本構造は前記「具体例1」
と同様である。ただし、液晶50の液晶分子のねじれ角
は260度,Δn1 ・d1 は約0.65μm〜0.75
μmである点が異なる。一軸性透明複屈折部材40とし
て使用している平行配向液晶層のΔn2 ・d2 は「具体
例1」と同じ約0.58μmである。
【0071】このとき、角度αを約100度,角度βを
約35度,角度γを約15度とすることにより、前記
「具体例1」と同様の白黒表示が実現できた。また、下
偏光板の軸の位置を上記値より50度から90度回転す
ることにより逆転の白黒表示が可能である点も「具体例
1」と同様である。角度α,β,γのずれに対する傾斜
も「具体例1」とほぼ同様である。
【0072】上記いずれの具体例においても、一軸性透
明複屈折部材40として液晶分子のねじれのない平行配
向液晶表示素子を用いたが、むしろ20度ないし60度
程度液晶分子がねじれた液晶を用いた方が角度による色
変化が少ない。このねじれた液晶は、前記の液晶50と
同様、配向処理がなされた一対の透明基板の配向処理方
向を所定のねじれ角に交差するようにした基板間に液晶
を挟持することによって形成される。この場合、液晶分
子のねじれ構造を挟む2つの配向処理方向の挟角の2等
分角の方向を複屈折部材の光軸として取り扱えばよい。
【0073】また、複屈折部材40として透明な高分子
フィルムを用いてもよい(この際、一軸延伸のものが好
ましい)。この場合、高分子フィルムとしては、PET
(ポリエチレン テレフタレート),アクリル樹脂,ポ
リカーボネートが有効である。
【0074】さらに、以上の具体例においては、複屈折
部材は単一であったが、図4において、複屈折部材40
に加えて、下基板1と下偏光板16との間にもう一枚の
複屈折部材を挿入することもできる。この場合は、これ
らの複屈折部材のΔn2 ・d2 を再調整すればよい。
【0075】「具体例3」基本構造は「具体例1」と同
様である。ただし、図10に示すごとく、上基板2上に
赤,緑,青のカラーフィルタ33R,22G,33B、
各フィルタ同志の間に光遮光膜33Dを設けることによ
り多色表示が可能になる。
【0076】図8は「具体例3」における液晶分子の配
列方向,液晶分子のねじれ方向,偏光板の軸に方向およ
び複屈折部材の光学軸の関係の説明図である。
【0077】なお、図10においては、各カラーフィル
タ33R,33G,33B、光遮光膜33Dの上に、こ
れらの凹凸の影響を軽減させるための絶縁物からなる平
滑層23が形成された上に上電極1a、配向膜4cが形
成されている。
【0078】「具体例4」この例は、「具体例3」の液
晶表示装置62と、この液晶表示装置62を駆動するた
めの駆動回路と、光源をコンパクトに一体にまとめて液
晶表示モジュール63(図11)を構成したものであ
る。
【0079】図11はその分解斜視図であり、液晶表示
装置62を駆動する駆動IC34は中央に液晶表示装置
62を嵌め込むための窓部を備えた枠状体のプリント基
板35に一方の端子群を接続したTCPに搭載される。
TCPの他方の端子群は液晶表示素子の下基板の周辺に
引き出された端子部電極群に接続される。この端子群の
接続を行うために表示部電極群と端子部電極群の間に介
在する配線部電極群に前記本発明の構成を適用する。
【0080】液晶表示素子62を嵌め込んだプリント基
板35はプラスチックモールドで形成された枠状体42
の窓部に嵌め込まれ、これに金属製フレーム41を重ね
て、その爪43を枠状体42に形成された切込み44内
に折り曲げることによりフレーム41を枠状体42に固
定する。
【0081】液晶表示装置62の上下端に配置される冷
陰極蛍光灯36、この冷陰極蛍光灯36からの光を液晶
表示素子62に均一に照射させるためのアクリル板から
なる導光体37、金属板に白色塗料を塗布して形成され
た反射板38、導光体37からの光を拡散する乳白色の
拡散板39が図11の順序で枠状体42の裏側からその
窓部に嵌め込まれる。
【0082】冷陰極蛍光灯36を点灯するためのインバ
ータ電源回路(図示せず)は枠状体42の右側裏部に設
けられた凹部(図示せず。反射板38の凹所45に対向
する一にある)に収納される。拡散板39、導光体3
7、冷陰極蛍光灯36および反射板38は、反射板38
に設けられている舌片46を枠状体42に設けられてい
る小口47内に折り曲げることにより固定される。
【0083】「具体例5」「具体例4」の液晶表示モジ
ュール63をラップトップパソコンの表示部に使用した
ものである。図12にそのブロックダイヤグラムを、図
13にラップトップパソコン64に実装した状態を示
す。マイクロプロセッサ49で計算した結果をコントロ
ール用LSI48を介して駆動用IC34で液晶表示モ
ジュールを駆動するものである。
【0084】上記の各具体例に説明したように、本発明
を適用した液晶表示装置によれば、その表示領域での表
示むらをなくし、高表示品質の液晶表示装置を得ること
ができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶表示素子に封入される液晶がその封入過程でイオン
性物質や低分子量物質等で汚染されても、注入時におい
て当該封入口等に設置した吸着材で吸着除去されるた
め、液晶の閾値変化を招くことがなく、したがって表示
にむら等の発生が防止されて高品質の画像表示が可能な
液晶表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示素子の第1実施例を説明
するための要部模式図である。
【図2】本発明による液晶表示素子の第2実施例を説明
するための要部模式図である。
【図3】本発明による液晶表示素子の第3実施例を説明
するための要部模式図である。
【図4】本発明を適用した液晶表示装置を上側からみた
場合の液晶分子の配列方向(例えばラビング方向)、液
晶分子のねじれ方向、偏光板の偏光軸(あるいは吸収
軸)方向、および複屈折効果をもたらす部材の光学軸方
向の説明図である。
【図5】本発明を適用した液晶表示装置の構成を説明す
るための模式斜視図である。
【図6】本発明を適用した液晶表示装置の軸構成の具体
例1の説明図である。
【図7】図6の軸構成で角度αを変化させたときの1/
200デューティで時分割駆動時のコントラスト変化の
説明図である。
【図8】上基板の液晶配列方向と一軸性の複屈折部材の
光学軸とのなす角度α、上偏光板の吸収軸あるいは偏光
軸と一軸性の透明複屈折部材の光学軸とのなす角度β、
下偏光板の吸収軸あるいは偏光軸と下電極基板の液晶配
列方向とのなす角度γの関係の説明図である。
【図9】「具体例3」における液晶分子の配列方向,液
晶分子のねじれ方向,偏光板の軸に方向および複屈折部
材の光学軸の関係の説明図である。
【図10】本発明をカラー液晶表示装置に適用した具体
例の要部説明図である。
【図11】本発明を適用した液晶表示モジュールの展開
斜視図である。
【図12】図11に示した液晶表示モジュールを表示部
に使用したラップトップパソコンのブロック図である。
【図13】図12に示した構成を実現したラップトップ
パソコンの外観を示す斜視図である。
【図14】従来の液晶表示素子の構成を説明する模式図
である。
【符号の説明】
1 封入口 1a,1b 吸着材 2a 上基板 2b 下基板 3 シール材。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶を介在して互いに対向配置される一対
    の基板の周縁を、一部に液晶封入口を形成したシール材
    を介して貼り合わせ、上記液晶注入口から液晶を注入し
    封止してなる液晶表示素子において、 少なくとも前記液晶封入口近傍に液晶に含有する不純物
    を吸着する不純物吸着材を配置したことを特徴とする液
    晶表示素子。
  2. 【請求項2】液晶を介在して互いに対向配置される一対
    の基板の周縁を、一部に液晶封入口を形成したシール材
    を介して貼り合わせ、上記液晶封入口から液晶を注入し
    封止してなる液晶表示素子において、 前記液晶封入口近傍および前記シール材内周に液晶に含
    有する不純物を吸着する不純物吸着材を配置したことを
    特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】液晶を介在して互いに対向配置される一対
    の基板の周縁を、一部に液晶封入口を形成したシール材
    を介して貼り合わせ、上記液晶封入口から液晶を注入し
    封止してなる液晶表示素子において、 前記液晶封入口にじゃま板構造を備え、このじゃま板構
    造を含む前記液晶封入口に液晶に含有する不純物を吸着
    する不純物吸着材を備え、前記不純物吸着材に対する前
    記注入される液晶の接触面積を増大させたことを特徴と
    する液晶表示素子。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、前記不純物吸
    着材がイオン吸着材であることを特徴とする液晶表示素
    子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001183683A (ja) * 1999-10-05 2001-07-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶表示パネルならびにその製造方法および駆動方法
JP2010181483A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Citizen Finetech Miyota Co Ltd 液晶表示装置
WO2013021578A1 (ja) * 2011-08-05 2013-02-14 シャープ株式会社 表示パネル

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