JPH07175050A - 液晶パネル - Google Patents

液晶パネル

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Publication number
JPH07175050A
JPH07175050A JP32266793A JP32266793A JPH07175050A JP H07175050 A JPH07175050 A JP H07175050A JP 32266793 A JP32266793 A JP 32266793A JP 32266793 A JP32266793 A JP 32266793A JP H07175050 A JPH07175050 A JP H07175050A
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JP
Japan
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liquid crystal
pixel portion
crystal panel
top coat
thickness
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Pending
Application number
JP32266793A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshijirou Katayama
良志郎 片山
Kunihiro Tashiro
国広 田代
Arihiro Takeda
有広 武田
Takeshi Kamata
豪 鎌田
Tadashi Hasegawa
正 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、液晶層の厚さを制御する段差を高精
度かつ再現性よく形成して、ノーマリーブラックモード
における色再現性を改善することができるマルチギャッ
プ方式の液晶パネルを提供することを目的とする。 【構成】カラーフィルタ基板20下方に液晶層32を介
して対向する対向基板30において、B画素部のITO
電極24上には厚さ1.7μmのトップコート26が形
成され、G画素部のITO電極24上には厚さ0.6μ
mのトップコート26が形成され、R画素部のITO電
極24上にはトップコートが形成されていない。こうし
て対向基板30のITO電極24上のトップコート26
により段差が形成され、この段差により、R画素部、G
画素部、B画素部に対応する液晶層32の厚さがそれぞ
れ5.4μm、4.8μm、3.7μmに制御されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶パネルに係り、特に
R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色カラーフィルタ
を使用すると共に、R、G、Bにそれぞれ対応する液晶
層の厚さが互いに異なっているマルチギャップ方式の液
晶パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマルチギャップ方式の液晶パネル
を、図7を用いて説明する。ここで、図7(a)は従来
のマルチギャップ方式の液晶パネルを示す断面図、図7
(b)はその一部拡大図である。図7(a)に示される
ように、ガラス基板80下面には、R画素部、G画素
部、B画素部にそれぞれ対応してR、G、Bの色版82
が形成されている。そしてこれらR、G、Bの色版82
下面にはトップコート84による段差が形成されてい
る。即ち、B画素部には例えば厚さ1.7μmのトップ
コート84が形成され、G画素部には厚さ0.6μmの
トップコート84が形成され、R画素部にはトップコー
トが形成されていない。
【0003】また、このトップコート84の有無及びそ
の膜厚の差により形成された段差上には、ITO電極8
6がストライプ状に形成され、更にこれらトップコート
84及びITO電極86下の全面には、配向膜88が形
成されている。こうしてカラーフィルタ基板90が構成
されている。また、カラーフィルタ基板90下方には、
ガラス基板92が対向して設置されている。そしてこの
ガラス基板92上面には、ITO電極94が、カラーフ
ィルタ基板90のITO電極86と直交する方向にスト
ライプ状に形成されている。更にその全面に、配向膜9
6が形成されている。こうして対向基板98が構成され
る。
【0004】また、カラーフィルタ基板90の配向膜8
8と対向基板98の配向膜96との間隙には、液晶層1
00が充填されている。そしてこの液晶層100は、カ
ラーフィルタ基板90のトップコート膜84によって形
成された段差により、R画素部、G画素部、B画素部に
対応して互いに異なる厚さをもっている。即ち、R画素
部、G画素部、B画素部にそれぞれ対応する液晶層10
0の厚さは例えば5.4μm、4.8μm、3.7μm
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のマ
ルチギャップ方式の液晶パネルにおいては、R、G、B
の色版82が感光性のポリイミドに所定の顔料を混ぜた
ものを塗布した後、選択的に露光し、現像してパターニ
ングすることにより、それぞれ独立して形成されるた
め、図7(b)に示されるように、ガラス基板80上に
形成される色版82はR、G、B毎に膜厚にばらつきが
生じ、表面に凹凸が発生する。
【0006】従って、これらR、G、Bの色版82上に
所定の膜厚に制御したトップコート84を形成しても、
下地となるR、G、Bの色版82の膜厚のばらつきや表
面の凹凸の影響を受けることにより、トップコート84
の膜厚の差による段差を正確に形成することが困難であ
った。実際にこのような従来のマルチギャップ方式の液
晶パネルを作製したところ、G、Bの色版82上に形成
したトップコート84の厚さは、設定値に対して面内及
びバッチ間のばらつきが±0.2μm程度あった。これ
により、R画素部、G画素部、B画素部に対応する液晶
層100の厚さを正確に設定することができなくなるた
め、この液晶パネルをノーマリーブラックモードにおい
て表示する場合、漏れ光をマルチギャップ方式の液晶層
100によって十分に補正することができず、表示が黒
となる暗状態において色のばらつきが大きくなってしま
うという問題が生じた。
【0007】そこで本発明は、液晶層の厚さを制御する
段差を高精度かつ再現性よく形成して、ノーマリーブラ
ックモードにおける色再現性を改善することができるマ
ルチギャップ方式の液晶パネルを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、赤、緑、青
の画素部にそれぞれ対応して赤、緑、青の色版が形成さ
れているカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタに
対向して設けられている対向基板と、前記カラーフィル
タ基板と前記対向基板との間隙に充填された液晶層とを
有する液晶パネルにおいて、前記対向基板の前記液晶層
側に、段差が形成され、前記段差によって前記液晶層の
厚さが前記赤、緑、青の画素部に対応して互いに異なる
ことを特徴とする液晶パネルによって達成される。
【0009】上記の液晶パネルにおいて、前記対向基板
上に、薄膜トランジスタが形成されており、前記段差
が、前記薄膜トランジスタに接続する画素電極上に形成
されていることを特徴とする液晶パネルによって達成さ
れる。上記の液晶パネルにおいて、前記対向基板上に、
薄膜トランジスタが形成されており、前記段差が、前記
薄膜トランジスタに接続する画素電極下に形成されてい
ることを特徴とする液晶パネルによって達成される。
【0010】上記の液晶パネルにおいて、前記段差が、
有機膜からなることを特徴とする液晶パネルによって達
成される。上記の液晶パネルにおいて、前記段差が、無
機膜からなることを特徴とする液晶パネルによって達成
される。上記の液晶パネルにおいて、前記段差が、前記
薄膜トランジスタの最終保護膜と共通の層をなす絶縁膜
からなることを特徴とする液晶パネルによって達成され
る。
【0011】上記の液晶パネルにおいて、前記カラーフ
ィルタ基板の前記液晶層側に、前記赤、緑、青の画素部
に対応して段差が形成されていることを特徴とする液晶
パネルによって達成される。
【0012】
【作用】本発明は、液晶層の厚さを制御する段差が対向
基板に形成されることにより、段差を形成する際の下地
となる層の高さのばらつきやその表面の凹凸が小さいた
め、高精度の段差を再現性よく形成することができる。
従って、液晶層の厚さを高精度に制御することができ、
従来のノーマリーブラックモードの欠点であった色再現
性を改善することができる。
【0013】また、本発明は、段差が薄膜トランジスタ
の画素電極上又は画素電極下に形成されることにより、
カラーフィルタ基板と対向基板との間隙を安定的に確保
するために散在されたスペーサがバスライン上に載置さ
れても、バスラインが圧壊されることを防止することが
できる。従って、信頼性及び生産性を向上することがで
きる。
【0014】また、本発明は、段差が薄膜トランジスタ
の最終保護膜と共通の層をなす絶縁膜からなることによ
り、製造プロセスを簡略化することができるため、生産
性の向上及びコストの低減を実現することができる。更
に、本発明は、段差が対向基板及びカラーフィルタ基板
の両方に形成されることにより、一方の基板の段差にお
けるばらつきを他方の基板の段差によって調整するよう
に組み合わせることが可能となるため、液晶層の厚さを
高精度に制御することができ、従ってノーマリーブラッ
クモードにおける色再現性を改善することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて具
体的に説明する。図1は本発明の第1の実施例によるマ
ルチギャップ方式の単純マトリクス型液晶パネルを示す
断面図である。ガラス基板10下面には、R画素部、G
画素部、B画素部にそれぞれ対応してR、G、Bの色版
12が形成されている。また、これらR、G、Bの色版
12下面にはトップコート14が形成され、R、G、B
の色版12の膜厚のばらつきやその表面の凹凸を補正
し、平坦化している。
【0016】また、このトップコート14下面には、I
TO電極16がストライプ状に形成され、更にこれらト
ップコート14及びITO電極16下の全面には、配向
膜18が形成されている。こうしてカラーフィルタ基板
20が構成されている。また、カラーフィルタ基板20
下方には、ガラス基板22が対向して設置されている。
このガラス基板22上面には、ITO電極24が、カラ
ーフィルタ基板20のITO電極16と直交する方向に
ストライプ状に形成されている。そしてその全面に、例
えばアクリル系の樹脂等の有機膜からなるトップコート
26による段差が形成されている。
【0017】即ち、B画素部のITO電極24上には例
えば厚さ1.7μmのトップコート26が形成され、G
画素部のITO電極24上には厚さ0.6μmのトップ
コート26が形成され、R画素部のITO電極24上に
はトップコートが形成されていない。更に、このトップ
コート26の有無及びその膜厚の差によって形成された
段差の全面には、配向膜28が形成されている。こうし
て対向基板30が構成されている。即ち、対向基板30
のITO電極24上のトップコート26により段差が形
成されている点に本実施例の特徴がある。
【0018】また、カラーフィルタ基板20の配向膜1
8と対向基板30の配向膜28との間隙には、液晶層3
2が充填されている。そしてこの液晶層32は、対向基
板30のITO電極24上のトップコート26によって
形成された段差により、R画素部、G画素部、B画素部
に対応して互いに異なる厚さをもっている。即ち、R画
素部に対応する液晶層32の厚さは例えば5.4μmで
あり、G画素部に対応する液晶層32の厚さは例えば
4.8μmであり、B画素部に対応する液晶層32の厚
さは例えば3.7μmである。
【0019】次に、図1に示すマルチギャップ方式の液
晶パネルにおける対向基板30のトップコート26によ
る段差の形成方法について説明する。ガラス基板22上
面に、厚さ0.1μm程度のITO電極24をストライ
プ状に形成した後、全面にアクリル系の樹脂(フジハン
ト製CT)をスピナーを用いてコーティングする。この
とき、スピナー回転数を2000rpmに設定すること
により、形成される樹脂の膜厚を0.6μmに制御す
る。そしてフォトリソグラフィ法を用いてG画素部のI
TO電極24上に樹脂が残存するようにストライプ状に
パターニングした後、この樹脂を焼成して、厚さ0.6
μmのトップコート26を形成する。
【0020】同様にして、アクリル系の樹脂をスピナー
回転数1600rpmでコーティングし、樹脂の膜厚を
1.7μmに制御する。そしてフォトリソグラフィ法を
用いてパターニングした後、焼成して、G画素部のIT
O電極24上に厚さ1.7μmのトップコート26を形
成する。そしてR画素部のITO電極24上にはトップ
コートを形成しない。こうして、トップコート26の有
無及びその膜厚の差により、段差を形成する。
【0021】このようにして形成した段差の高さを測定
したところ、その面内及びバッチ間のばらつきは±0.
1μmとなり、その再現性も良好であった。従来のG、
Bの色版上にトップコートを形成した場合と比較する
と、ばらつきは半減している。これは、トップコート2
6を形成する下地となるITO電極24の膜厚のばらつ
きや表面の凹凸が、従来のトップコート形成び下地とな
るR、G、Bの色版12のそれより遥かに小さいことに
よるものである。
【0022】尚、ここで説明したスピナー法の代わり
に、印刷法を用いてトップコート26を形成してもよ
い。また、R画素部のITO電極24上にトップコート
を形成しない場合を説明したが、R画素部のITO電極
24上にトップコートを形成してもよい。その場合、R
画素部、G画素部、B画素部の各ITO電極24上のト
ップコート26の厚さがR画素部、G画素部、B画素部
の順に厚くなっており、その膜厚の差により形成された
段差が上記の場合と同じものであればよい。
【0023】次に、図1に示すマルチギャップ方式の液
晶パネルにおけるノーマリーブラックモードにおける暗
状態の色を、図2の色度座標図を用いて説明する。ここ
で、○、△、□の各図形の分布はバッチ間のばらつきを
示し、同一図形の分布は同一バッチ内の液晶パネル面内
のばらつきを示す。中央の*(D65)は標準光源を示
す。また、従来例と比較するため、図7に示す従来のマ
ルチギャップ方式の液晶パネルの場合を●、▲、■の図
形を用いて併せて示す。
【0024】図2の色度座標図から明らかなように、図
1のマルチギャップ方式の液晶パネルの場合、そのパネ
ル面内のばらつき及びバッチ間のばらつきを従来例より
も大幅に小さくすることができ、ノーマリーブラックモ
ードの欠点であった色再現性が改善されている。これ
は、トップコート26によって形成された段差の高さの
ばらつきが±0.1μmと小さくなり、従ってR画素
部、G画素部、B画素部に対応する液晶層32の厚さを
それぞれ正確に設定することができるようになるためで
ある。
【0025】このように本実施例によれば、対向基板3
0における膜厚のばらつきや表面の凹凸が極めて小さい
ITO電極24上に、アクリル系の樹脂からなるトップ
コート26による段差を形成することにより、その段差
の高さのばらつきを十分に小さくすることができるた
め、R画素部、G画素部、B画素部に対応する液晶層3
2の厚さをそれぞれ高精度に制御することができ、従っ
て従来のノーマリーブラックモードの欠点であった色再
現性を改善することができる。
【0026】次に、本発明の第2の実施例によるマルチ
ギャップ方式のアクティブマトリクス型液晶パネルを、
図3を用いて説明する。図3は本実施例によるマルチギ
ャップ方式のアクティブマトリクス型液晶パネルを示す
断面図である。尚、上記図1に示す液晶パネルと同一の
構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】ガラス基板10下面には、上記第1の実施
例の場合と同様に、R、G、Bの色版12が形成され、
これらR、G、Bの色版12下面には、トップコート1
4、ストライプ状のITO電極16、及び配向膜18が
順に形成され、カラーフィルタ基板20を構成してい
る。また、ガラス基板10下方には、このガラス基板1
0に対向してガラス基板22が設置されている。このガ
ラス基板22上面には、TFT(図示せず)及びそれに
接続する厚さ0.1μm程度のITO画素電極34がマ
トリクス状に形成され、また例えば厚さ1.0μm程度
のAl膜からなるドレインバスライン電極36がストラ
イプ状に形成されている。また、このITO画素電極3
4上のみに例えばアクリル系の樹脂からなるトップコー
ト38が形成され、段差を形成している点に本実施例の
特徴がある。
【0028】即ち、B画素部のITO画素電極34上に
は例えば厚さ2.1μmのトップコート38が形成さ
れ、G画素部のITO画素電極34上には厚さ1.0μ
mのトップコート38が形成され、R画素部のITO画
素電極34上には厚さ0.4μmのトップコート38が
形成されている。このため、ドレインバスライン電極3
6は、R画素部のITO画素電極34上のトップコート
38よりは高くなるが、G画素部のITO画素電極34
上のトップコート38と同程度の高さとなり、B画素部
のITO画素電極34上のトップコート38よりは低く
なっている。
【0029】更に、このようにしてITO画素電極34
上のトップコート38によって形成した段差の全面に
は、配向膜28が形成されている。こうしてTFTが形
成された対向基板40が構成されている。また、カラー
フィルタ基板20の配向膜18と対向基板40の配向膜
28との間隙には、上記第1の実施例の場合と同様に、
液晶層32が充填されている。そしてこの液晶層32
は、対向基板40のトップコート38によって形成され
た段差により、R画素部、G画素部、B画素部に対応す
る液晶層32の厚さは、それぞれ5.4μm、4.8μ
m、3.7μmとなっている。
【0030】このように本実施例によれば、対向基板4
0の凹凸を形成するTFT上やドレインバスライン電極
36上を避けて、平坦なITO画素電極34上のみに、
アクリル系の樹脂からなるトップコート38による段差
を形成することにより、アクティブマトリクス型液晶パ
ネルであっても、上記第1の実施例の場合と同様の効果
を奏することができる。
【0031】また、従来はドレインバスライン電極36
上方に一定数のビーズ状のスペーサを配置して液晶層3
2を充填する間隙を確保するために、ドレインバスライ
ン電極36上方のスペーサの数の数十倍のスペーサを対
向基板40の配向膜28上の全体に散在させていたが、
例えばB画素部のITO画素電極34上に形成したトッ
プコート38の高さはドレインバスライン電極36の高
さより高くなるため、ドレインバスライン電極36上方
の代わりにB画素部のトップコート38上方に一定数の
スペーサを配置すればよくなる。
【0032】従って、対向基板40の配向膜28上全体
に散在させスペーサの数を減少させることが可能となる
ため、液晶パネルの表示品質を向上させることができ
る。また、ドレインバスライン電極36上方のスペーサ
によってドレインバスライン電極36が圧壊されること
を防止することもできるため、液晶パネルの信頼性及び
製造歩留りを向上させることができる。
【0033】尚、上記第2の実施例においては、アクリ
ル系の樹脂からなるトップコート38による段差を形成
するトップコート38にアクリル系の樹脂を用いている
が、例えばSiO2 (酸化シリコン)膜等の無機膜を用
いてもよい。次に、本発明の第3の実施例によるマルチ
ギャップ方式のアクティブマトリクス型液晶パネルを、
図4を用いて説明する。
【0034】図4は本実施例によるマルチギャップ方式
のアクティブマトリクス型液晶パネルを示す断面図であ
る。尚、上記図3に示す液晶パネルと同一の構成要素に
は同一の符号を付して説明を省略する。ガラス基板10
下面には、上記第2の実施例の場合と同様に、R、G、
Bの色版12が形成され、これらR、G、Bの色版12
下面には、トップコート14、ストライプ状のITO電
極16、及び配向膜18が順に形成され、カラーフィル
タ基板20を構成している。
【0035】また、ガラス基板10下方には、このガラ
ス基板10に対向してガラス基板22が設置され、この
ガラス基板22上面には、TFT(図示せず)及びそれ
に接続するドレインバスライン電極36がストライプ状
に形成されている。また、ガラス基板22上面には、例
えばSiO2 膜からなるトップコート42がマトリクス
状に形成されて、段差を形成している。即ち、R画素部
には例えば厚さ0.4μmのトップコート42が形成さ
れ、G画素部には厚さ1.0μmのトップコート42が
形成され、B画素部には厚さ2.1μmのトップコート
42が形成されている。
【0036】また、このようにトップコート38によっ
て形成した段差上には、ITO画素電極34が形成さ
れ、更にその全面には、配向膜28が形成されて、TF
Tが形成された対向基板40が構成されている。即ち、
本実施例は、対向基板40におけるITO画素電極34
と段差をなすトップコート42の位置の上下関係が上記
第2の実施例の場合と逆になっている点に特徴がある。
【0037】また、カラーフィルタ基板20の配向膜1
8と対向基板40の配向膜28との間隙には、上記第2
の実施例の場合と同様に、液晶層32が充填されてい
る。そしてこの液晶層32は、対向基板40のトップコ
ート42によって形成された段差により、R画素部、G
画素部、B画素部に対応する液晶層32の厚さは、それ
ぞれ5.4μm、4.8μm、3.7μmとなってい
る。
【0038】次に、図4に示すマルチギャップ方式の液
晶パネルにおける対向基板30のトップコート42によ
る段差の形成方法について説明する。フォトリソグラフ
ィ技術を用いて、ガラス基板22上にレジストを塗布
し、例えばR画素部に開口部を形成した後、全面に厚さ
0.4μmのSiO2 膜を成膜する。そしてリフトオフ
法を用いて、R画素部以外のSiO2 膜を除去する。同
様にして、ガラス基板22上のG画素部に厚さ1.0μ
mのSiO2 膜を形成し、更にB画素部に厚さ2.1μ
mののSiO2 膜を形成する。こうして、ガラス基板2
2上のR画素部、G画素部、B画素部にそれぞれ厚さ
0.4μm、1.0μm、2.1μmのトップコート2
6を形成し、その膜厚の差により段差を形成する。
【0039】このようにして形成した段差の高さは、S
iO2 膜の膜厚を高精度に制御することができ、しかも
その下地が平坦なガラス基板22であるため、その面内
及びバッチ間のばらつきは極めて小さく、その再現性も
良好である。このように本実施例によれば、対向基板4
0のガラス基板22上にSiO2 膜からなるトップコー
ト42が段差を形成していることにより、上記第2の実
施例の場合と同様の効果を奏することができる。
【0040】次に、本発明の第4の実施例によるマルチ
ギャップ方式のアクティブマトリクス型液晶パネルを、
図5を用いて説明する。図5は本実施例によるマルチギ
ャップ方式のアクティブマトリクス型液晶パネルの一
部、即ちB画素部のTFTが形成された対向基板を示す
一部断面図である。尚、上記図4に示す液晶パネルと同
一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】カラーフィルタ基板については、上記第3
の実施例の場合と同様であるため、図示を省略する。そ
してこのカラーフィルタ基板下方には、ガラス基板22
が対向して設置されている。そしてこのガラス基板22
上面には、Ti(チタン)膜44aとAl膜44bとの
積層膜からなるCS(蓄積容量)電極44及びTi膜か
らなる光遮蔽膜46が形成され、これらの全面には絶縁
層48が形成されている。
【0042】また、光遮蔽膜46上方の絶縁層48上に
は、TFT50が形成されている。即ち、絶縁層48上
に、a−Si(アモルファス・シリコン)活性層52が
形成され、このa−Si活性層52上にはSiN(窒化
シリコン)エッチングストッパ層54が形成されてい
る。そしてこのSiNエッチングストッパ層54両側の
a−Si活性層52上には、それぞれn+ 型a−Siコ
ンタクト層(図示せず)を介してTi膜からなるソース
電極56a及びドレイン電極56bが形成されている。
また、このソース電極56aに接続して、ITO画素電
極34が絶縁層48上に形成され、ドレイン電極56b
上には、Al膜からなるドレインバスライン電極36が
形成されている。
【0043】また、これらの全面には、例えば厚さ0.
6μm程度のSiN膜からなる最終保護膜58が形成さ
れている。そしてITO画素電極34上方の最終保護膜
58の一部が凸部60をなし、高さ1.7μmの段差を
形成している。また、図示は省略するが、G画素部にお
いても、B画素部と同様の構造を有しており、ただIT
O画素電極34上方の最終保護膜58に設けられた凸部
の高さ1.0μmと低くなっている点のみが異なる。ま
た、図示は省略するが、R画素部においては、ITO画
素電極34上方の最終保護膜58に凸部が設けられてい
ない。
【0044】また、このようにしてITO画素電極34
上方の最終保護膜58に設けられた凸部60によって形
成した段差上に配向膜(図示せず)が形成されて、TF
T50が形成された対向基板62が構成されている。即
ち、本実施例は、対向基板62における最終保護膜58
の一部に凸部60等を設けるにより段差を形成している
点に特徴がある。
【0045】また、図示はしないが、カラーフィルタ基
板の配向膜と対向基板62の配向膜との間隙には、上記
第3の実施例の場合と同様に、液晶層が充填されてお
り、対向基板62における最終保護膜58の凸部60等
によって形成された段差により、R画素部、G画素部、
B画素部に対応する液晶層の厚さは、それぞれ5.4μ
m、4.8μm、3.7μmとなっている。
【0046】次に、図5に示すマルチギャップ方式の液
晶パネルにおける対向基板62における最終保護膜58
の凸部60等による段差の形成方法について説明する。
対向基板62の絶縁層48上に、TFT50及びこれに
接続するITO画素電極34及びドレインバスライン電
極36を形成した後、全面に厚さ2.3μmのSiN膜
を成膜する。そしてフォトリソグラフィ技術を用いて、
B画素部のITO画素電極34上方のみにレジストを形
成した後、このレジストをマスクとするドライエッチン
グにより、SiN膜を厚さ1.7μmエッチング除去す
る。
【0047】続いて、再びフォトリソグラフィ技術を用
いて、B画素部及びG画素部のITO画素電極34上方
のみにレジストを形成した後、このレジストをマスクと
するドライエッチングにより、SiN膜を厚さ0.6μ
mエッチング除去する。こうして、G画素部、B画素部
のITO画素電極34上方の最終保護膜58に高さ0.
6μm、1.7μmの凸部60等が形成され、凸部60
等の有無及びその高さの差により段差を形成する。
【0048】このようにして形成した段差の高さは、成
膜するSiN膜の膜厚及びそのドライエッチング量を高
精度に制御することができるため、その面内及びバッチ
間のばらつきは極めて小さく、その再現性も良好であ
る。尚、最終保護膜58の凸部60等の形成方法として
は、上記第3の実施例において説明したSiO2 膜から
なるトップコート42の形成の場合と同様の方法を用い
てもよい。即ち、全面に厚さ0.6μmのSiN膜から
なる最終保護膜58を成膜した後、SiN膜の成膜とリ
フトオフ法を用いて、G画素部、B画素部のITO画素
電極34上方の最終保護膜58上のみにSiN膜からな
る凸部をそれぞれ形成してもよい。
【0049】このように本実施例によれば、対向基板6
2におけるTFT50の最終保護膜58の一部に凸部6
0等を設けて段差を形成することにより、上記第2の実
施例の場合と同様の効果を奏することができる。また、
この凸部60等が最終保護膜58の加工により形成され
るため、製造プロセスを簡略化することができ、従って
生産性の向上及びコストの低減を実現することができ
る。
【0050】次に、本発明の第5の実施例によるマルチ
ギャップ方式の単純マトリクス型液晶パネルを、図6を
用いて説明する。図6は本実施例によるマルチギャップ
方式の単純マトリクス型液晶パネルを示す断面図であ
る。尚、上記図1に示す液晶パネルと同一の構成要素に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】ガラス基板10下面には、R画素部、G画
素部、B画素部にそれぞれ対応してR、G、Bの色版1
2が形成されている。そしてこれらR、G、Bの色版1
2下面にはトップコート64による段差が形成されてい
る。即ち、B画素部には例えば厚さ1.5μmのトップ
コート64が形成され、Gには厚さ0.5μmのトップ
コート64が形成され、Rにはトップコートが形成され
ていない。
【0052】また、このトップコート64の有無及びそ
の膜厚の差により形成された段差上には、ITO電極1
6がストライプ状に形成され、更にこれらトップコート
64及びITO電極16下の全面には、配向膜18が形
成されている。こうしてカラーフィルタ基板66が構成
されている。また、カラーフィルタ基板66下方には、
ガラス基板22が対向して設置されている。このガラス
基板22上面には、ITO電極24が、カラーフィルタ
基板66のITO電極16と直交する方向にストライプ
状に形成されている。そしてその全面に、トップコート
68による調整用の小さい段差が形成されている。即
ち、B画素部のITO電極24上には例えば厚さ0.2
μmのトップコート68が形成され、G画素部のITO
電極24上には厚さ0.1μmのトップコート68が形
成され、R画素部のITO電極24上にはトップコート
が形成されていない。更に、この段差の全面には、配向
膜28が形成されている。こうして対向基板70が構成
されている。
【0053】尚、B画素部及びG画素部におけるトップ
コート68の厚さをそれぞれ0.2μm、0.1μmと
しているが、従来例で述べたようにばらつきの大きいカ
ラーフィルタ基板66のG、Bの色版12下面のトップ
コート64の厚さを測定した後、その厚さに応じてB画
素部及びG画素部におけるトップコート68の厚さを設
定すればよい。
【0054】こうして、従来例と同様にカラーフィルタ
基板66のG、Bの色版12下面のトップコート64に
より段差が形成されていると共に、対向基板70のIT
O電極24上のトップコート26により調整用の段差が
形成されている点に本実施例の特徴がある。また、カラ
ーフィルタ基板66の配向膜18と対向基板70の配向
膜28との間隙には、上記第1の実施例の場合と同様
に、液晶層32が充填されている。そしてこの液晶層3
2は、カラーフィルタ基板66のトップコート64によ
って形成された段差及び対向基板70のトップコート6
8によって形成された調整用の段差により、R画素部、
G画素部、B画素部に対応する厚さは、それぞれ5.4
μm、4.8μm、3.7μmとなっている。
【0055】このように本実施例によれば、従来と同様
にカラーフィルタ基板66のG、Bの色版12下面のト
ップコート64により段差を形成すると共に、対向基板
70のITO電極24上に、トップコート68により調
整用の段差を形成することにより、カラーフィルタ基板
66のトップコート64による段差の高さにばらつきが
生じても、高さのばらつきが十分に小さい対向基板70
のトップコート68による段差によって調整することが
可能であるため、上記第1の実施例と同様の効果を奏す
ることができる。
【0056】また、予め数種類の厚さに設定したトップ
コート68による調整用の段差を形成した対向基板70
を作製しておき、カラーフィルタ基板66のトップコー
ト64による段差を測定した後、その測定結果を見て最
適のを有する対向基板70と組み合わせるようにすれ
ば、R画素部、G画素部、B画素部に対応する液晶層3
2の厚さをそれぞれ高精度に制御した液晶パネルを効率
よく製造することが可能となる。
【0057】尚、上記第5の実施例においては、単純マ
トリクス型液晶パネルの場合について説明したが、この
カラーフィルタ基板と対向基板の両方に段差を形成する
方法は、上記第2〜第4の実施例に示したアクティブマ
トリクス型液晶パネルにも適用できることは言うまでも
ない。また、上記第1〜第5の実施例においては、R画
素部、G画素部、B画素部の液晶層の厚さをそれぞれ
5.4μm、4.8μm、3.7μmに設定している
が、言うまでもなくこれらの値に限定されることはな
い。従って、要求される各画素部の液晶層の厚さに応じ
て各段差の高さを制御すればよい。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、赤、緑、
青の画素部にそれぞれ対応して赤、緑、青の色版が形成
されているカラーフィルタ基板と、このカラーフィルタ
に対向して設けられている対向基板と、カラーフィルタ
基板と対向基板との間隙に充填された液晶層とを有する
液晶パネルにおいて、液晶層の厚さを制御する段差が対
向基板の液晶層側に形成されていることにより、段差を
形成する際の下地となる層の高さのばらつきやその表面
の凹凸が小さいため、高精度の段差を再現性よく形成す
ることができる。従って、液晶層の厚さを高精度に制御
することができ、従来のノーマリーブラックモードの欠
点であった色再現性を改善することができる。
【0059】また、本発明は、液晶層の厚さを制御する
段差が対向基板側の薄膜トランジスタの画素電極上又は
画素電極下に形成されることにより、カラーフィルタ基
板と対向基板との間隙を安定的に確保するために散在さ
れたスペーサがバスライン上に載置されても、バスライ
ンが圧壊されることを防止することができる。従って、
信頼性及び生産性を向上することができる。
【0060】また、本発明は、液晶層の厚さを制御する
段差が薄膜トランジスタの最終保護膜と共通の層をなす
絶縁膜からなることにより、製造プロセスを簡略化する
ことができるため、生産性の向上及びコストの低減を実
現することができる。更に、本発明は、液晶層の厚さを
制御する段差が対向基板及びカラーフィルタ基板の両方
に形成されることにより、一方の基板の段差におけるば
らつきを他方の基板の段差によって調整するように組み
合わせることが可能となるため、液晶層の厚さを高精度
に制御することができ、従ってノーマリーブラックモー
ドにおける色再現性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるマルチギャップ方
式の液晶パネルを示す断面図である。
【図2】図1に示す液晶パネルにおけるノーマリーブラ
ックモードにおける暗状態の色を示す色度座標図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例によるマルチギャップ方
式の液晶パネルを示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例によるマルチギャップ方
式の液晶パネルを示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例によるマルチギャップ方
式の液晶パネルのB画素部のTFTが形成された対向基
板を示す一部断面図である。
【図6】本発明の第5の実施例によるマルチギャップ方
式の液晶パネルを示す断面図である。
【図7】従来のマルチギャップ方式の液晶パネルを示す
断面図である。
【符号の説明】
10…ガラス基板 12…色版 14…トップコート 16…ITO電極 18…配向膜 20…カラーフィルタ基板 22…ガラス基板 24…ITO電極 26…トップコート 28…配向膜 30…対向基板 32…液晶層 34…ITO画素電極 36…ドレインバスライン電極 38…トップコート 40…対向基板 42…トップコート 44a…Ti膜 44b…Al膜 44…CS電極 46…光遮蔽膜 48…絶縁層 50…TFT 52…a−Si活性層 54…SiNエッチングストッパ層 56a…ソース電極 56b…ドレイン電極 58…最終保護膜 60…凸部 62…対向基板 64…トップコート 66…カラーフィルタ基板 68…トップコート 70…対向基板 80…ガラス基板 82…色版 84…トップコート 86…ITO電極 88…配向膜 90…カラーフィルタ基板 92…ガラス基板 94…ITO電極 96…配向膜 98…対向基板 100…液晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 豪 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 長谷川 正 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤、緑、青の画素部にそれぞれ対応して
    赤、緑、青の色版が形成されているカラーフィルタ基板
    と、前記カラーフィルタに対向して設けられている対向
    基板と、前記カラーフィルタ基板と前記対向基板との間
    隙に充填された液晶層とを有する液晶パネルにおいて、 前記対向基板の前記液晶層側に、段差が形成され、前記
    段差によって前記液晶層の厚さが前記赤、緑、青の画素
    部に対応して互いに異なることを特徴とする液晶パネ
    ル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶パネルにおいて、 前記対向基板上に、薄膜トランジスタが形成されてお
    り、 前記段差が、前記薄膜トランジスタに接続する画素電極
    上に形成されていることを特徴とする液晶パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液晶パネルにおいて、 前記対向基板上に、薄膜トランジスタが形成されてお
    り、 前記段差が、前記薄膜トランジスタに接続する画素電極
    下に形成されていることを特徴とする液晶パネル。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶
    パネルにおいて、 前記段差が、有機膜からなることを特徴とする液晶パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶
    パネルにおいて、 前記段差が、無機膜からなることを特徴とする液晶パネ
    ル。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3に記載の液晶パネルにお
    いて、 前記段差が、前記薄膜トランジスタの最終保護膜と共通
    の層をなす絶縁膜からなることを特徴とする液晶パネ
    ル。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の液晶
    パネルにおいて、 前記カラーフィルタ基板の前記液晶層側に、前記赤、
    緑、青の画素部に対応して段差が形成されていることを
    特徴とする液晶パネル。
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