JPH07174899A - 軟x線顕微鏡、及びアライメント調整方法 - Google Patents

軟x線顕微鏡、及びアライメント調整方法

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JPH07174899A
JPH07174899A JP31993593A JP31993593A JPH07174899A JP H07174899 A JPH07174899 A JP H07174899A JP 31993593 A JP31993593 A JP 31993593A JP 31993593 A JP31993593 A JP 31993593A JP H07174899 A JPH07174899 A JP H07174899A
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JP
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soft
visible light
ray
objective lens
observation
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JP31993593A
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Hiroaki Nagai
宏明 永井
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視光観察系組込み軟X線顕微鏡で、可視光
観察系と軟X線観察系の照明位置や観察位置を一致させ
ることによって使い勝手のよいものとする。 【構成】 顕微鏡は、軟X線観察系と可視光観察系の観
察位置を一致させるために、真空容器119外から例え
ば可視光観察系の対物レンズを独立調整する駆動手段を
備える。駆動は、フレキシブルシャフト10、回転導入
機11等で行う。可視光用対物レンズを真空装置外から
駆動することが可能であるため、軟X線による観察対象
物の像と可視光による観察対象物の像を比較しながら、
真空容器外から可視光用対物レンズを調整できる。軟X
線用対物レンズと可視光用対物レンズ間のアライメント
調節が容易に行える。照明位置を一致させるには、軟X
線用あるいは可視光用のコンデンサを真空容器外から駆
動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟X線顕微鏡、及びア
ライメント調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軟X線領域には、多数の元素の吸収端が
存在している。このため、適当な波長を選べば試料を前
処理することなく高解像でかつ、高コントラストの観察
が可能である。
【0003】例えば、炭素のKα吸収端(44Å)と酸
素のKα吸収端(23.71Å)の間のいわゆる「水の
窓」領域(Water Window領域)においては、水とタンパ
ク質の吸収が大きく異なるため、可視領域ではほとんど
コントラストのない生物試料を前処理することなく生き
た状態のまま観察できる。更に、超精密加工技術の進歩
に伴い、近年、軟X線を用いるX線顕微鏡の開発が盛ん
に行われるようになってきている。
【0004】上記顕微鏡の光学系を構成するコンデンサ
レンズや対物レンズとしては、例えば反射面に特定の波
長の軟X線に対して高い反射率を有する多層膜を積層し
てなるシュヴァルツシルト光学系、全反射を利用したウ
ォルター光学系、回折を利用したゾーンプレートなどが
用いられており、このような軟X線顕微鏡では、空気に
よる軟X線の吸収をできるだけ抑えるために光学系が真
空中に設置され、使用される。しかし、生物試料は真空
空間では死んでしまうので、生理食塩水等の適当な液体
を満たした容器(この容器を試料容器という)に入れて
保護する必要がある。
【0005】ここで、使用にあたり、観察光である軟X
線によってアライメントや観察対象物に対するフォーカ
シングを行う場合にも、軟X線の吸収を抑えるため上記
の光学系を真空中におく必要があることから、操作性が
悪くなる。また、生物試料によっては軟X線によってダ
メージを被ることもあるので、軟X線の被爆量を極力抑
えることが望ましく、真空下においても可視光によるフ
ォーカシングが行えることが望ましい。
【0006】このため、大気中、真空中のいずれの場合
でもアライメントやフォーカシングを行えるよう、可視
光観察系を組み込む試みがなされており(特開昭64−
3600号公報)、本出願人によっても、先に、可視光
観察系を組み込んだX線顕微鏡についての提案がなされ
ている(特開平3−282300号公報)。また、可視
顕微鏡ではコントラストに乏しい試料に対して、そのよ
うな試料においても容易に可視光顕微鏡観察をなし得る
よう、位相差顕微鏡を組み込み、試料の位相差の情報を
明暗の差で観察できて、試料への必要以上のX線の被爆
を防ぐ提案が本出願人によってなされている(特願平4
−326754号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図11に示すもので
は、次のようにして、軟X線顕微鏡に可視光観察系を組
み込み、可視光による試料の像の観察が行える。図にお
いて、701はシンクロトロン放射光(SR光)をグラ
スホッパー分光機で単色化した軟X線、702はゾーン
プレート光学系からなる軟X線用コンデンサレンズで、
これは真空容器703中に置かれ、軟X線を観察対象物
である試料704に照射する軟X線用の照明系を構成す
る。705はゾーンプレート光学系からなる軟X線用対
物レンズ、706は観察画像を検出するための軟X線検
出器で、これらも真空容器703中に置かれ、試料70
4からの軟X線を対物レンズ705により軟X線検出器
706上に収束させるよう、軟X線の拡大結像系を構成
する。
【0008】上記のような軟X線光学系に加えて、更に
可視光観察系が設けられる。即ち、図中、711は可視
光源、712は可視光透過窓、713は軟X線の光路に
挿脱自在に配置可能で可視光源711を発し窓712か
ら真空容器703内に入射する可視光を反射して上記軟
X線と実質的に同じ光軸に沿って導き可視光コンデンサ
レンズ722に入射せしめるミラー、714は可視光対
物レンズ725と軟X線検出器706との間の光路に挿
脱自在に配置可能で対物レンズ725からの可視光を反
射して上記軟X線の光軸から分離せしめ、軟X線検出器
706と共役な位置に結像せしめるミラーである。ミラ
ー713による系はコンデンサレンズ722を含んで可
視光を試料704に照射する可視光照明系を構成し、ミ
ラー714は可視光対物レンズ725と共に可視光用の
拡大結像系を構成する。なお、光源711からの照明光
はリング状開口を有する円形スリット板730を通して
与えられる。
【0009】また、図のように、真空容器703の側壁
に臨みミラー714の反射光の出射方向には、ミラー7
14により分離される光路上の可視光像を観察する接眼
レンズ715を設ける。
【0010】上記のようにして可視光観察系が組み込ま
れており、図示の如くミラー713,714を光路中に
挿入した状態で、可視光源711の点灯により可視光に
よって試料704を照射すれば、接眼レンズ715を通
して可視光による試料704の像の観察が可能である。
更に、検出器706が可視光にも感度があればミラー7
14を設けることなく、軟X線と可視光の結像光学系を
同軸にできる。
【0011】ところが、上記のゾーンプレート光学系の
ように原理的に軟X線用と可視光観察系の光学素子を異
にせざるを得ない場合(即ち、例えば対物レンズとして
軟X線用対物レンズと可視光用対物レンズが夫々個々に
独立のレンズ705、レンズ725によるものとして要
求される場合)において、両者の光軸や焦点のずれ等が
あると、両者の光軸や焦点の僅かなずれによっても、試
料面での照明位置や結像面でフォーカスや位置が大きく
異なる場合を招くこととなる結果、可視光観察系を備え
た意義が薄れ、使い勝手が良いとはいえない。
【0012】可視光観察系の方で、事前に、可視光下で
必要な調整を行い、そうした準備のあと、本来の軟X線
観察のため実際に軟X線光学系をもって軟X線を用いる
顕微鏡観察をしようとしたところが、上記のような両系
間の光軸や焦点などのずれに起因して、その軟X線光学
系によるときの結像の状態が、その前の可視光光学系に
よったときのそれと異なっていたというのでは、再び
(何度も)操作をやり直すなどする状況を招き、使いづ
らいものとなる。
【0013】本発明は、上記考察に基づきなされたもの
で、そのような不利、不便を解消し得て、可視光観察系
と軟X線観察系の照明位置や観察位置を一致させること
によって使い勝手のよい軟X線顕微鏡を提供しようとい
うものである。また、両系間のアライメントを容易、正
確に行い得る調整方法を提供しようというものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟X線を観察
対象物に照射するコンデンサレンズと、前記観察対象物
からの軟X線を所定の位置に収束させる対物レンズと、
該軟X線用対物レンズを支持する部材と、光源からの光
を前記観察対象物に照射する可視光用コンデンサレンズ
と、前記観察対象物からの光を前記軟X線と実質的に同
じ光軸に沿って導き収束させる可視光用対物レンズと、
該可視光用対物レンズを支持する部材と、前記軟X線用
対物レンズ支持部材と前記可視光用対物レンズ支持部材
を真空容器内に配置するよう取り付ける手段と、前記観
察対象物の像を検出し、観察する手段とを有する軟X線
顕微鏡であって、前記可視光用対物レンズと前記軟X線
用対物レンズとを各々独立に真空容器外から可動させる
手段を備えることを特徴とするものである。また、本発
明は、軟X線を観察対象物に照射するコンデンサレンズ
と、該軟X線用コンデンサレンズを支持する部材と、前
記観察対象物からの軟X線を所定の位置に収束させる対
物レンズと、光源からの光を前記観察対象物に照射する
可視光用コンデンサレンズと、該可視光用コンデンサレ
ンズを支持する部材と、前記観察対象物からの光を前記
軟X線と実質的に同じ光軸に沿って導き収束させる可視
光用対物レンズと、前記軟X線用コンデンサレンズ支持
部材と前記可視光用コンデンサレンズ支持部材を真空容
器内に配置するよう取り付ける手段と、前記観察対象物
の像を検出し、観察する手段とを有する軟X線顕微鏡で
あって、前記可視光用コンデンサレンズと前記軟X線用
コンデンサレンズとを各々独立に真空容器外から可動さ
せる手段を備えることを特徴とするものである。また、
本発明は、請求項1及び/又は2記載の顕微鏡を用いて
軟X線用対物レンズと可視光用対物レンズ、及び/又
は、軟X線用コンデンサレンズと可視光用コンデンサレ
ンズのアライメントを調整することを特徴とするもので
ある。
【0015】
【作用】本発明においては、可視光観察系と軟X線観察
系の照明位置や観察位置を一致させることによって使い
勝手のよいものとなる。可視光光学系の可視光用対物レ
ンズを可動させる場合のものでは、可視光用対物レンズ
を真空容器外から駆動することが可能であるため、軟X
線による観察対象物の像と可視光による観察対象物の像
を比較しながら、真空容器外から可視光用対物レンズを
調整できる。このため、軟X線用対物レンズと可視光用
対物レンズ間のアライメント調節が容易に行える。軟X
線光学系の軟X線用対物レンズを可動させる場合は、軟
X線用対物レンズを真空容器外から駆動することが可能
であるため、軟X線による観察対象物の像と可視光によ
る観察対象物の像を比較しながら、真空容器外から軟X
線用対物レンズを調整できる。このため、軟X線用対物
レンズと可視光用対物レンズ間のアライメント調節が容
易に行える。また、可視光光学系の可視光用コンデンサ
レンズを可動させる場合のものでは、可視光用コンデン
サレンズを真空容器外から駆動することが可能であるた
め、軟X線による観察対象物の照明位置と可視光による
観察対象物の照明位置を比較しながら、真空容器外から
可視光用コンデンサレンズを調整できる。このため、軟
X線用コンデンサレンズと可視光用コンデンサレンズ間
のアライメント調節が容易に行える。軟X線光学系の軟
X線用コンデンサレンズを可動させる場合は、軟X線用
コンデンサレンズを真空容器外から駆動することが可能
であるため、軟X線による観察対象物の照明位置と可視
光による観察対象物の照明位置を比較しながら、真空容
器外から軟X線用コンデンサレンズを調整できる。この
ため、軟X線用コンデンサレンズと可視光用コンデンサ
レンズ間のアライメント調節が容易に行える。
【0016】上記の本発明における軟X線用コンデンサ
レンズや軟X線用対物レンズとしては、シュヴァルツシ
ルト光学系、全反射を利用したウォルター光学系、回折
を利用したゾーンプレートなどを用いることが可能であ
り、可視光用コンデンサレンズや可視光用対物レンズと
してはガラスレンズを用いた光学系、反射鏡光学系、ゾ
ーンプレートを用いた回折光学系のいずれも用いること
ができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1及び図2は、本発明において適用できる光学素
子の調整機能の基本構成例の説明図、図3乃至図5は、
その機能を組み込んだ軟X線顕微鏡の一実施例を示す図
である。まず、図3の概略図によって本実施例に係る軟
X線顕微鏡の全体的構成の概要を説明する。
【0018】本実施例においては、広い波長域の輻射を
発するSR光源(図示せず)を用い、この光源からの放
射光をグラスホッパー分光器等の分光手段(図示せず)
で分光して必要な軟X線を得ている。分光されたSR光
101は軟X線及び可視光の両者に対し反射率を有する
無酸素銅製の回転放物面からなるコンデンサ102に入
射する。本例では、コンデンサレンズとしては、このよ
うな光学系を用いる。
【0019】コンデンサ102へ至るSR光101の光
路には、その光路に対しそれぞれ挿脱自在にベリリウム
薄膜109、シリコン板108を配置する。ベリリウム
薄膜109は、SR光の光路に挿脱自在に取り付けてあ
る可視光カット用のものであり、シリコン板108は、
同様にSR光の光路に挿脱自在な、軟X線カット用のも
のである。それらは、それぞれ可視光カット手段、軟X
線カット手段を構成し、好ましくはそれらを用いうる。
光路からシリコン板108が退避し、ベリリウム薄膜1
09を挿入してある使用態様の場合、軟X線を観察対象
である試料に照射することができる。即ち、上記軟X線
カット用のシリコン板108を光路から外し、上記可視
光カット用のベリリウム薄膜109を光路に挿入する
と、軟X線はコンデンサレンズ102によって試料10
3に集光する。これらが、軟X線照明系を構成する。な
お、コンデンサ102には、下記するゾーンプレート光
学系の光軸上にX線が入射して後述の検出器に0次光が
入射しないように光軸位置に微小なピンホールをあけて
ある。
【0020】試料103を透過した軟X線は、ゾーンプ
レート光学系からなる軟X線用対物レンズ104により
検出器106上に収束する。なお、検出器106は軟X
線及び可視光の両者に対し感度を持ち、いずれをも検出
可能なものである。これが軟X線の拡大結像系を構成す
る。
【0021】上記が軟X線光学系に関する概要であり、
これらは、大気による軟X線の吸収を避けるため真空容
器(図中、参照符号119を付して示すものは、この真
空容器を概念的に表す(この点は、本例以外の他の例に
おいても同様で、これに準ずる))中におかれている。
なお、上述の検出器106は、好ましくは、可視領域の
光にも感度があるCCD等の半導体軟X線検出器であ
り、これが試料の像観察のため、真空容器119外の例
えばディスプレイ110に接続されて用いられる。
【0022】上記のような軟X線の光学系に加えて、更
に、可視光観察系が設けられる。図3では省略してある
が、可視観察光学系は図11に示したものと同様の光
源、リング開口を有するスリット板、移動ミラー及びリ
ング状コンデンサレンズを備えている。そして、光源か
らの光をスリット板により、リング状光束に変換し、更
にリング状コンデンサレンズにより、リング状平行光束
に変換する。移動ミラーをSR光路に挿入することによ
り、このリング状平行光束は、SR光と同じ光軸に沿っ
てSR光を囲むような光路を形成してコンデンサ102
に向かう。なお、リング状コンデンサレンズは移動ミラ
ーをSR光路に挿入したとき反射側となる位置に設け、
リング状光束を反射後に平行光束にしてもよい。可視観
察光学系は、前記シリコン板108及びベリリウム薄膜
109について、前述の使用態様とは逆の態様でそれら
を使用する。即ち、軟X線カット用のシリコン板108
をSR光路に挿入し、可視光カット用のベリリウム薄膜
109を光路から外すと、コンデンサ102は前記のよ
うに可視光にも反射率があるので、このコンデンサ10
2によって可視光は試料103に集光する。これらが、
可視光照明系を構成する。このようにコンデンサ102
は、本実施例では、可視光観察時、可視光を試料103
に照射する可視光光学系のものとしても使用される。一
方、可視光観察系は、ゾーンプレート104を通過した
軟X線を遮らないため中央に開口を有する可視光対物レ
ンズ105を別途備える。即ち、かかる対物レンズ10
5は、試料103からの可視光を、軟X線と実質的に同
じ光路に沿って導き収束させる前記軟X線対物レンズ1
04とは異なる可視光用対物レンズで、専ら可視光用の
光学素子として具備させてあり、試料103を透過した
可視光は、この対物レンズ105により検出器106上
に収束する。これが可視光の拡大結像系を構成する。こ
れらも真空容器119中におかれている。
【0023】ここで、可視光対物レンズ105は、物点
位置(試料103)を像点位置(検出器106)に結像
する倍率が軟X線対物レンズ104と等しくかつ、試料
103近辺の空間を確保するため試料側から凸凹のレン
ズ構成となっている。このため、軟X線対物レンズ10
4と可視光対物レンズ105の焦点距離と焦点が同じに
もかかわらず可視光対物レンズ105が軟X線対物レン
ズ104よりも検出器側にきている。
【0024】上述のように、本例では、可視観察機能付
き軟X線顕微鏡の対物レンズが、軟X線用と可視光用と
の両光学系でそれぞれ別個のものとして組み込まれると
ともに、更にこれに加えて、両系の観察位置を一致・調
整させるために、可視光用対物レンズ105を軟X線用
対物レンズ104とは独立に真空容器119外から駆動
し得るようにする手段を備える。あるいは、これに代え
もしくはこれとともに、軟X線用対物レンズ104を可
視光用対物レンズ104とは独立に真空容器119外か
ら駆動し得るようにする手段を備える。
【0025】ここで、この点について、図1,2を参照
して述べる。これらは、本発明における要部の一につい
ての概念を表すものでもあり、図1Aは調整の対象とな
る光学素子のホルダの、一部を破断面として正面からみ
た状態、同Bは同じくその側面からみた状態、図2は顕
微鏡の真空容器(真空装置)に取り付けた状態を示すも
のである。図1をもとにして、光学素子を真空容器外か
ら駆動する手法を説明すると、図中、1は光学素子、2
は光学素子ホルダをそれぞれ示し、ここでは、光学素子
1を光学素子ホルダ2と光学素子押え7で光軸方向の移
動を阻止し、3組のベアリングボール4,4,4とネジ
3,3,3(図1B)で光軸と垂直な方向の位置を調整
するようになす。また、この光学素子ホルダ2は、3組
の押しネジ5,5,5と引きネジ6,6,6によって基
板8に支持されている。この3組の押しネジと引きネジ
を調整することによって、光学素子1の光軸方向の位置
とアオリの調整を行うことができる。
【0026】基板8については、図2Aに示すように、
これを真空容器119内に取け付けられたステージ12
に固定するものとする。そして、それぞれ上記調整用の
ネジ3,3,3、押しネジ5,5,5、引きネジ6,
6,6の個々を、例えばフレキシブルシャフト10と回
転導入機11で図の如く真空容器119外から駆動すれ
ば、光学素子1は基板8とは独立に調整することができ
る。回転導入機11は、容器壁に気密に取り付けられる
ている。なお、フレキシブルシャフトを用いる代わり
に、図2Bに示すように、押しネジ5,5,5及び引き
ネジ6、6、6を回動させるための真空用モータ13を
基板8に設け、コントローラ15(モータコントロー
ラ)を介してこのモータを制御することにより調整を行
うようにしてもよい。ここで、14はコントローラ15
とモータ13とを接続するために容器壁に設けた端子
(電流導入端子)、16はコードである。(容器壁への
取付け等の点は、後記のものも同様である)。こうし
て、真空装置外からの駆動、調整が可能である。なお、
必要に応じ、ステージ12の調節も含めることができ
る。
【0027】図3に戻り、本実施例顕微鏡においては、
更に、前記の軟X線用対物レンズ104と可視光用対物
レンズ105とが、図1の機構を用いて支持されて、そ
れぞれ真空容器119から駆動できる構成のものとす
る。図4(ホルダ側断面図、正面図)に示すようなレン
ズ枠113(鏡筒)を用い、また、図5(真空容器内に
取り付けた図)に示すようなユニバーサルジョイント1
14と回転導入機115、フレキシブルシャフト116
と回転導入機117、並びに光学ステージ118を用い
て、これを実現する。
【0028】具体的には、軟X線用対物レンズ104と
可視光用対物レンズ105は、図4に示す如く、レンズ
枠113中に図1の機構を用いて支持されており、各レ
ンズ104,105側ごと円周方向に等角度(120
度)間隔で3つ配した計6本のネジ145及びそれに対
応する計6個のベアリングボール146(図4Aでは、
それぞれにつき、各1つのみ表れているが、基本配置構
成等は図1Aの位置調整用ネジ3の場合と同様である)
で、それぞれ独立に光軸と垂直な方向に調節できる。こ
こに、可視光用対物レンズ側の凸レンズ及び凹レンズの
それぞれ単体は、環状の固着具105aにとめてあり、
軟X線用対物レンズ側では、そのレンズ単体は固着具1
04aにとめてあり、それぞれ対応するベアリングボー
ル146がその固着具外周面に当接する構成である。
【0029】また、各レンズ側ごと3つ配した他の6本
のネジ111(図4Aでは、それぞれの側につき、各2
本のみ表れており、図4Bでは可視光用対物レンズ10
5側につきその調整用の3本の各ネジ111,111,
111が表れている)で、それぞれ独立に光軸方向とア
オリの位置調整ができる。なお、ここで、前記図1では
押し引きネジ(ネジ5,ネジ6)の組み合わせで光軸方
向とアオリの位置調節を行うものであったが、ここで
は、その押しネジの代わりに、各レンズ側ごと3つスプ
リング112(図4Aでは、それぞれにつき各2つのみ
表れているが、それらは各3本ずつの引きネジ111,
111,111に対応して個々に設けられている)を用
いてある。
【0030】更に、レンズ枠113は、図5に示す如
く、真空容器119内のステージ118に固定されてい
て、軟X線用対物レンズ104側の上記光軸方向とアオ
リの位置調整用のネジ111の3本は3組のユニバーサ
ルジョイント114と回転導入機115(図5Aでは、
その2組のみ表れている)によって、また可視光用対物
レンズ105側のそのネジ111の3本は3組のユニバ
ーサルジョイント114と回転導入機115(図5Aで
は、その2組のみ表れており、同図Bでは可視光用対物
レンズ105側につきその3つの各回転導入機115,
115,115が表れている)によって、真空容器11
9外から駆動できる。また、軟X線用対物レンズ104
側の前記光軸と垂直な方向についての位置調整用ネジ1
45の3本は3組のフレキシブルシャフト116と回転
導入機117(図5Aでは、その1組のみ表れている)
によって、また可視光用対物レンズ105側の同様の調
整用ネジ145の3本は3組のフレキシブルシャフト1
16と回転導入機117(図5Aでは、その1組のみ表
れており、同図Bではその3つの各回転導入機117,
117,117が表れている)によって、真空容器11
9外から駆動できる。
【0031】真空容器119外から可視光観察系の対物
レンズ105単独を調整する駆動手段は、上述のネジ1
11、スプリング112、ユニバーサルジョイント11
4、回転導入機115、ネジ145、ベアリングボール
146、フレキシブルシャフト116、回転導入機11
7を含んで構成でき、真空容器119外から軟X線観察
系の対物レンズ104単独を調整する駆動手段は、上述
のネジ111、スプリング112、ユニバーサルジョイ
ント114、回転導入機115、ネジ145、ベアリン
グボール146、フレキシブルシャフト116、回転導
入機117を含んで構成できる。
【0032】本実施例は、上記のような構成になってい
る。かかる軟X線顕微鏡では、可視光用対物レンズ10
5を真空装置外から駆動することが可能であるため、軟
X線による像と可視光による像を比較しながら、真空容
器119外からその可視光用対物レンズ104を調整で
きる。このため、軟X線用対物レンズ104と可視光用
対物レンズ105間のアライメント調節が容易に行え
る。
【0033】また、これによると、軟X線用対物レンズ
105を真空装置外から駆動することが可能で、軟X線
による像と可視光による像を比較しながら、真空容器1
19外からその軟X線用対物レンズ104を調整でき、
軟X線用対物レンズ104と可視光用対物レンズ105
間のアライメント調節が容易に行える。
【0034】以下に、本構成を用いたアライメント調整
方法の好適例を含めて、使用法等を述べると、これにつ
いては下記するような手順に従いアライメントを行うこ
とができる。即ち、例えば、格子状の金属パターン等、
アライメントを行いやすい適当な物体を試料103の位
置に配置し、まず初めに、ベリリウム薄膜109をSR
光101の光路に挿入してシリコン板108を光路から
外したとき(軟X線が照射される状態)に得られる軟X
線像を、真空容器119外のディスプレイ110を見な
がら回転導入機115及び117を用いて、ゾーンプレ
ート軟X線対物レンズ104のアライメントを行う。次
に、先に述べた移動ミラーをSR光路中に挿入して可視
光をSR光路に導入するとともに、ベリリウム薄膜10
9を光路から外してシリコン板108を光路へ挿入した
とき(可視光が照射される状態)に得られる可視光像と
先の軟X線像と比較しながら、回転導入機115及び1
17を用いて、可視光用対物レンズ105のアライメン
トを行う。このような操作でアライメントが実現でき、
軟X線光学系と可視光光学系間のアライメントは容易で
あり、また正確に行える。なお、X線による像と可視光
による像の比較は、移動ミラー、ベリリウム薄膜、シリ
コン板108の挿脱により、X線像と可視像とを切換え
て観察すればよいが、両画像を同時に見る必要がある場
合は、一方の画像を適当な記憶手段に記憶しておき、2
つの画像を重ねて表示する等してもよい。
【0035】上記の手法によって、一度アライメントを
行った対物レンズ枠(ここでは、軟X線用対物レンズ1
04も可視光用対物レンズ105も、そのいずれもが可
動な、共通のレンズ枠113)は、もはや軟X線による
像と可視光による像が完全に一致している。従って、こ
れ以後に対物レンズの位置合わせが更に必要な場合は、
可視光観察系を用いて対物レンズ枠113の位置合わせ
を行えば自動的にX線観察系の位置合わせも行われる。
また、このような調整済みの対物レンズであれば、本実
施例のように真空容器外から各対物レンズを駆動する機
構115や117等の機構がついていない顕微鏡でも、
その対物レンズ枠113のみを対象として、つまりレン
ズ枠113全体で可視光観察系によるアライメントをす
るだけで十分である。
【0036】更に、上述の構成の顕微鏡(図3,4,
5)を、軟X線用と可視光用の2つの対物レンズからな
る対物レンズの組のアライメント専用の顕微鏡として考
えると、この顕微鏡によってアライメントを行った対物
レンズは常に、レンズ枠と光軸の関係が一定であるた
め、通常の可視顕微鏡に用いられるレボルバー式の対物
レンズ交換方法を用いる軟X線顕微鏡の対物レンズとし
て用いることができる。
【0037】また、いままで述べてきたところから、対
物レンズ調整方法として、軟X線観察系と可視光観察系
の観察対象物の観察位置を比較しながら、真空容器外か
ら可視光観察系の対物レンズのみを駆動する調整方法が
提供され、また、調整方法として、軟X線観察系と可視
光観察系の観察対象物の観察位置を比較しながら、真空
容器外から軟X線観察系の対物レンズのみを駆動する調
整方法が提供される。また、こうしてアライメント調節
が行われたものを組付け部品として用いて、同一または
類似仕様の光学系構成の軟X線顕微鏡を製作し、利用者
に提供することができる。即ち、軟X線観察系と可視光
観察系の観察位置を比較しながら、真空容器外から可視
光観察系の対物レンズを独立して駆動する上記調整方法
で調整を行った対物レンズを使用した軟X線顕微鏡を得
ることができ、また、軟X線観察系と可視光観察系の観
察位置を比較しながら、真空容器外から軟X線観察系の
対物レンズを独立して駆動する上記調整方法で調整を行
った対物レンズを使用した軟X線顕微鏡を得ることがで
きる。更には、顕微鏡以外の対物レンズを用いる軟X線
光学系(例えば軟X線露光装置)にも利用できる。
【0038】この場合において、上記のアライメント専
用の顕微鏡は、そのようなアライメント調整専用顕微鏡
による調整方法で調整を行うことにより得られることと
なるアライメント調整済み対物レンズ系部品ための製作
装置でもあり、従って、これにより得られたものを組付
け部品アッセンブリー体として用いて組み立てを行うこ
とによって、上記の軟X線顕微鏡を実際の軟X線顕微鏡
観察の現用機として製作、完成することができる。アラ
イメント調整後のその軟X線顕微鏡自体が軟X線顕微鏡
観察の現用機として使用できるのは勿論いうまでもない
ことであるが、上記の調整、製作装置のような用途に使
用する場合も、その製品としてそれぞれ得られる対物レ
ンズの組は、性能が均質であるため、組み立てられた他
のそれぞれの軟X線顕微鏡も良質な品質を有するものと
なる。よって、それらの軟X線顕微鏡においても、軟X
線光学系及び可視光光学系の両者の光軸のずれ等に起因
して実際の使用にあたって、使いづらい状況を招くとい
ったことも避けられることになり、使い勝手のよいもの
となる。以上の点については、後記各例のものにおいて
も、上記に準じて、同様のことがいえるものである。
【0039】図6及び図7は、本発明の他の実施例(第
2実施例)を示す。本実施例でも、基本的な構成は、前
記実施例(第1実施例)のものに準じたもので、ゾーン
プレート光学系からなる軟X線用の対物レンズとこれと
は別個に可視観察光学系に可視光用対物レンズを用いる
構成である。一方、その可視光観察系では、本実施例で
は暗視野顕微鏡観察が行えるようになす。以下、本実施
例の要部を説明する。
【0040】図6に示すように、本実施例でも、この顕
微鏡は、グラスホッパーで分光したSR光201を可視
光にも反射率を有する無酸素銅製の回転放物面形状から
なるコンデンサ202に入射させる。SR光201の光
路に挿脱自在に取り付けてある可視光カット用のベリリ
ウム薄膜209は、これを図示のように光路に挿入する
と、第1実施例の場合と同様にして、軟X線はコンデン
サレンズ202によって試料203に集光する。これら
が、軟X線照明系を構成する。ここで、本実施例では、
ベリリウム薄膜209には、ゾーンプレートの光軸上に
X線が入射して検出器に0次光が入射していように光軸
位置に微小な軟X線の吸収体210を設けている。
【0041】試料203を透過した軟X線は、ゾーンプ
レート光学系からなる軟X線対物レンズ204により、
前記例と同様の可視光にも感度がある軟X線検出器20
6上に収束される。本実施例ではまた、図示の如くに、
可視光カット用の液晶シャッター207を備える。これ
は、真空中でも使用可能であるように封入してあり、軟
X線による観察時には該シャッターは閉じている。これ
らが軟X線の拡大結像系を構成する。そして、第1実施
例と同様、上記のものは、大気による軟X線の吸収を避
けるため真空容器219中におかれている。
【0042】本顕微鏡は、上記のような軟X線の光学系
に加えて、更に可視光観察系が設けられるが、本実施例
における可視光観察系は、以下の如く暗視野顕微鏡を構
成している。即ち、図示は省略したが、可視観察光学系
は可視光を発する光源と、光源からの光を平行光束に変
換するコリメータレンズと、この平行光束をSR光路に
導入するための移動ミラーとを備えている。そして、移
動ミラーをSR光路中に挿入するとともに、ベリリウム
薄膜209を光路から外すと、コンデンサ202は可視
光にも反射率があるのでこのコンデンサ202によって
可視光は試料203に集光する。これらが、可視光照明
系を構成する。ここで、この実施例では、第1実施例と
異なり、可視光はリング状光束に変換することなくSR
光201と重複する光路を通って試料203に照射され
る。一方、軟X線対物レンズ204と別に設けた可視光
対物レンズ205は中央に開口を有している。このた
め、試料203からの光のうち0次光はこの開口に入射
するため対物レンズには入射せず、結像に寄与しない。
よって、高次光(図6の破線表示)が検出器208上に
収束することになる。なお、このときは、液晶シャッタ
ー207は開けられているものである。このようにして
可視光の結像光学系が構成されている。上記のものも真
空容器219中におかれている。
【0043】更に、本実施例においては、真空容器21
9内に配置される上述の軟X線用対物レンズ204と可
視光用対物レンズ205は、前記第1実施例によるもの
にあっては相互に一方が他方と独立して可動させられる
よう組み合わされ取り付けられていたのに対し、次のよ
うな構成で組み合わされている。
【0044】図7A,Bに例を示すように、例えば、一
方の対物レンズである可視光用対物レンズ205が図A
に示す如く基板213(対物レンズ基板)に固定支持さ
れている。可視光用対物レンズ205は、基板213と
一体的にとめてあり、故にその移動は基板213自体を
動かすことによって行える。もう一方の軟X線用対物レ
ンズ204は、光学素子(この例にあっては、軟X線用
対物レンズ)ホルダ242によりかかる基板213に対
し、基本的には前記図1の機構を用いて支持されてい
る。ここで、レンズ単体は、固着具204aにはめ込ん
である。固着具204aは、そのレンズ単体をとめてあ
る内部環状部分、外部環状部分、その間を連結する連結
部分からなり、ベアリングボール246,246,24
6はその外部環状部分外周面に当接させる。
【0045】基板213は、本実施例では図6,7でと
もに図示を省略した、真空容器219中に設置されたス
テージに固定されており、また、軟X線対物レンズ20
4は3本のネジ245,245,245及び各対応する
ベアリングボール246,246,246でそれぞれ独
立に光軸と垂直な方向に調節できる。また、他の3本の
ネジ211(図7Aでは、2本のみ表れている)でそれ
ぞれ独立に光軸方向とアオリの位置調整ができる。ここ
で、図1では押し引きネジで光軸方向とアオリの位置調
節を行う構成であることは既に述べたが、本例では、押
しネジの代わりにスプリング212(図7Aでは、2つ
のみ表れているが、それらは3本の引きネジ211,2
11,211に対応して個々に設けられている)を用い
てあるのは、第1実施例と同じである。
【0046】そして、軟X線対物レンズ204の駆動、
調整に関しては、例えば前記図2Aあるいは同図Bや図
5による構成を用いることができる。ここでは、第1実
施例と同じように図4に示したものと同様の機構(ユニ
バーサルジョイント114及び回転導入機115、フレ
キシブルシャフト116及び回転導入機117)を適用
してあり、従って、真空容器2内が真空状態にあって
も、これを用いて当該真空容器219外から駆動でき
る。
【0047】本実施例は、上記のような構成になってい
るから、第1実施例と同様の作用効果を奏する。本実施
例の軟X線顕微鏡においては、軟X線観察系と可視光観
察系の観察対象物の観察位置を一致させるために、真空
容器219外からその内部が真空であっても軟X線観察
系の対物レンズのみを独立して調整しうる駆動手段を備
えており、軟X線観察系と可視光観察系の観察対象物の
観察位置を比較しながら、かかる真空容器219外から
軟X線用対物レンズ204を駆動する調整方法によっ
て、アライメント調整を行える。
【0048】これは、具体的には、次のようにして実施
できる。即ち、まず、初めに、可視光カット用のベリリ
ウム薄膜209をSR光路から外しておき、先の移動ミ
ラーをSR光路中に挿入した状態で、液晶シャッター2
07を開けたときに得られる可視光像を用いて可視光用
対物レンズ205のアライメントを、基板213を固定
しているステージ(不図示)を調節して行う。このアラ
イメントは、可視光を用いて行えることから、大気中に
おいても可能である。
【0049】次に、ベリリウム薄膜209を光路に挿入
して得られる軟X線像を真空容器219外のディスプレ
イ等を見ながら、ゾーンプレート軟X線対物レンズ20
4のアライメントを行うものである。ここで、このアラ
イメントは、空気による軟X線の吸収を抑えるためには
真空中で行うのがよく、よってかかる意味で真空中で行
う必要がある。それ故、真空容器219はこのときは真
空状態とされる。しかして、真空容器219中が真空で
も、第1実施例と同様、軟X線用対物レンズの調整、駆
動を行いたいときは、当該容器外からそれを独立してな
し得るのであり、軟X線用対物レンズ205を真空装置
外から駆動することが可能であるため、軟X線による観
察対象物の像と可視光による観察対象物の像を比較しな
がら、真空容器219外から軟X線用対物レンズ204
を調整できる。このため、軟X線用対物レンズ204と
可視光用対物レンズ205間のアライメント調節が容易
に行える。
【0050】本例によると、図6及び図7に従って説明
した構成の顕微鏡を用いて、上述の如き方法をもって軟
X線用対物レンズ204と可視光用対物レンズ205の
アライメントの調整を達成する調整方法が実現でき、本
発明はこのような方法で実施することもできる。
【0051】また、上記の手法によって、一度アライメ
ントを行った対物レンズ基板213は、もはや軟X線に
よる像と可視光による像が完全に一致しているので、今
後は真空容器外から各対物レンズを駆動する機構がつい
ていない顕微鏡でも、対物レンズ基板213のみを可視
光観察系によるアライメントを行うだけで十分である等
の点についても、第1実施例の場合と同様である。
【0052】更に、可視光観察系が暗視野顕微鏡を構成
しており、かかる暗視野顕微鏡では、上述のアライメン
トのための調整方法の実施時でも、もしくはその調整後
に現に当該調整済み顕微鏡が種々の観察対象の試料に対
する軟X線顕微鏡観察の現用機として稼働する場合にお
いてその適用試料の位置合わせ等を可視光観察系で行う
ときも、あるいはアライメント専用の顕微鏡として専ら
使用される場合におけるその調整時でも、または、その
ようなアライメント調整専用顕微鏡による上述の調整方
法で調整を行った結果得られる対物レンズを使用した軟
X線顕微鏡(即ち、軟X線観察系と可視光観察系の観察
位置を比較しながら、真空容器外から軟X線観察系の対
物レンズのみ独立して駆動する調整方法で調整を行った
対物レンズの組を使用した軟X線顕微鏡であり、その軟
X線用対物レンズと可視光用対物レンズのアライメント
の調整がなされた対物レンズ系の部品部分を、それぞれ
組付け部品アッセンブリー体としてその供給を受けて現
用機として製作、完成されることとなる、他の同一また
は類似仕様の光学系構成(図6)の軟X線顕微鏡)にお
いて実際の適用試料の位置合わせ等を可視光観察系で行
う場合にも、観察対象物からの0次の透過光は可視光用
対物レンズ205に入射することなく、散乱光または回
折光による像を得ることができ、暗いバックグラウンド
のなかに、散乱または回折を引き起こす部分のみが輝い
て見える。アライメント調整の際の可視光による像観察
にあたっても、可視領域の光にも感度がある検出器20
6を通し、こうした可視光による暗視野顕微鏡観察が可
能となる。
【0053】可視光観察系をもって暗視野顕微鏡を構成
すると、観察対象物による散乱光や回折光によって、通
常の明視野可視顕微鏡ではコントラストの少ないものに
おいても、コントラストもつき、容易に観察対象の試料
の位置合わせも可能となる。それ故、可視光によって観
察対象物の位置合わせやフォーカシングを行うことがで
きる。本例に従う調整方法では、最初に可視光用対物レ
ンズ側での調整を行うところ、その最初の調整のため初
めて可視光像を得る場面で、その必要な部分を視野内
(ディスプレイ面等)に移動させたいといったようなと
きも、上述の暗視野顕微鏡観察で行え、軟X線によって
観察しながら移動させるという必要はない。特に、実際
の軟X線顕微鏡観察の場合、可視光によって、その観察
対象物の位置合わせやフォーカシングを行うことができ
ることから、軟X線による観察下での位置合わせやフォ
ーカシングを行わないで済む分、試料への必要以上の軟
X線の被爆を防ぐことが可能で、この点でも、生物試料
を前処理せず、非染色でもできるだけ自然のままの状態
で観察できる軟X線顕微鏡の利点を有効に発揮させられ
ることになる。更に、暗視野顕微鏡観察であれば、明視
野顕微鏡では確認できない分解能以下の試料に対して
も、対応できる。使用する試料が、通常の明視野顕微鏡
では分解能以下の大きさで観察できないといった試料で
あってさえも、散乱光または回折光が多いとその存在を
暗いバックグラウンドの内に輝点として容易に観察でき
るものとなる。従って、そのような試料においても、軟
X線による観察下での位置合わせやフォーカシングの必
要をなくせることとなる。
【0054】なお、本実施例では、独立して駆動、調整
可能なのは軟X線用対物レンズの方としたが、これとは
逆に、同様に軟X線観察系と可視光観察系の観察位置を
一致させるために、真空容器外から可視光観察系の対物
レンズのみを独立調整する駆動手段を備えるようにして
実施してもよい。この場合においては、調整方法として
は、軟X線観察系と可視光観察系の観察位置を比較しな
がら、真空容器外から可視光観察系の対物レンズを駆動
する調整方法とでき、また、こうして軟X線用対物レン
ズと可視光用対物レンズ間のアライメント調節を行った
ものを組付け部品として供給されて製作される軟X線顕
微鏡が得られる。軟X線観察系と可視光観察系の観察位
置を比較しながら、真空容器外から可視光観察系の対物
レンズのみ駆動する調整方法で調整を行った対物レンズ
の組を使用した軟X線顕微鏡を提供することができる。
【0055】次に、本発明の更に他の実施例(第3実施
例)について、図8乃至図10により説明する。本実施
例は、軟X線用のコンデンサレンズとこれとは別個に可
視光用のコンデンサレンズを用いる構成の顕微鏡の場合
の例である。以下、本実施例の要部を説明する。
【0056】本実施例においては、光源はレーザプラズ
マ光源であり、図8に示すように、この顕微鏡は高出力
パルスYAGレーザからのレーザ光411を集光レンズ
410で鉄ターゲット401上に集光し、白色のレーザ
プラズマ光を発生させる。
【0057】レーザプラズマ光で発生した光は、多層膜
分光素子402で分光された後、ゾーンプレート光学系
による軟X線用コンデンサ404に入射する。多層膜分
光素子402へ至る光路には、その光路に挿脱自在な軟
X線カット用のシリコン板408と、同様にその光路に
挿脱自在に取り付けてある可視光カット用のベリリウム
薄膜409とが設けれる。ここで、多層膜分光素子40
2は所定の波長の軟X線に対して反射率分布を持つ多層
膜を被覆してなるもので、これは可視光に対しても大き
な反射率を有するため、可視光用ミラーとしても使用で
きる。上記シリコン板409を光路から外し、ベリリウ
ム薄膜409を光路に挿入すると、軟X線は軟X線用コ
ンデンサレンズ404によって試料405に集光する。
これらが、軟X線照明系を構成する。なお、ベリリウム
薄膜409には、本例でも、ゾーンプレートの光軸上に
X線が入射して検出器に0次光が入射しないように光軸
位置に微細な軟X線の吸収体を設けてある。
【0058】試料405を透過した軟X線は、本実施例
の場合、シュヴァルツシルト多層膜光学系からなるシュ
ヴァルツシルト型対物レンズ406(軟X線用対物レン
ズ)に向かい、この対物レンズ406により、前記各例
と同様の可視光にも感度がある軟X線検出器407上に
収束される。これらが軟X線の拡大結像系を構成する。
そして、上記のものは、これも前記各例と同様に、大気
による軟X線の吸収を避けるため真空容器419中にお
かれている。ここに、対物レンズ406を構成するシュ
ヴァルツシルト光学系は、所定の波長の軟X線に対して
反射率分布を持つ多層膜を被覆してなるもので、これは
可視光に対しても大きな反射率を有するため、可視光用
レンズとしても使用できる。なお、図中、f1,f2
は、それぞれかかるシュヴァルツシルト型対物レンズ4
06の凹面鏡と凸面鏡の中心である。
【0059】上記のような軟X線の光学系に加えて、更
に可視光観察系が設けられる。本実施例における可視光
観察系は以下の如く暗視野顕微鏡を構成している。即
ち、可視光カット用のベリリウム薄膜409を光路から
外し、軟X線カット用のシリコン板408を光路に挿入
すると、レーザプラズマ光は可視光以外はカットされ、
多層膜分光素子402で反射した後に、前記軟X線用対
物レンズ404とは別に備えられる図示の可視光用コン
デンサレンズ403に入射する。可視光はこのコンデン
サレンズ403によって試料405に入射する。これら
が、可視光照射系を構成する。試料405を透過した光
は対物レンズ406へ入射し、検出器407上に収束さ
れる。これが、可視光拡大系を構成する。上記のものも
真空容器419中におかれる。
【0060】更に、本実施例においては、真空容器41
9内のそれら軟X線用コンデンサ404と可視光用コン
デンサレンズ405が、次のような構成で組み合わされ
て配置される。この場合の基本的な構成については、前
記第2実施例のものと同様である。
【0061】即ち、例えば、一方の軟X線用コンデンサ
404は図9に示す如く基板413(コンデンサ基板)
に固定支持されており、他方の可視光用コンデンサレン
ズ403は基板413に図1の機構を用いて支持され
る。ここに、軟X線用コンデンサ404は、固着具40
4aで基板413と一体的にとめてある。可視光用コン
デンサレンズ403は、光学素子(この例にあっては、
可視光用コンデンサレンズ)ホルダ442により基板2
13に対し、基本的には前記図1の機構を用いて支持さ
れており、そのレンズ単体は、環状の固着具403aに
はめ込んである。
【0062】基板413は、第2実施例の場合と同様に
して、真空容器419中に設置されたステージ(図示省
略)に固定されており、可視光用コンデンサレンズ40
3は、図9B,図10に示すように、3本のネジ44
5,445,445及び各対応するベアリングボール4
46,446,446でそれぞれ独立に光軸と垂直な方
向に調節できる。ベアリングボール246,246,2
46は固着具403aの外周面に当接している。また、
他の3本のネジ411(図9Bでは、2本のみ表れてい
る)でそれぞれ独立に光軸方向とアオリの位置調整がで
きる。ここで、図1では押し引きネジで光軸方向とアオ
リの位置調節を行う構成であるのに対し、本実施例も、
前記第1,第2実施例と同様、ここでは、その押しネジ
の代わりにスプリング412(図9Bでは、2つのみ表
れているが、それらは3本の引きネジ411,411,
411に対応して個々に設けられている)を用いる構成
を採用してある。そして、可視光用コンデンサレンズ4
03の駆動に関しては、ここでも、第1実施例と同じよ
うに図4に示したものと同様の機構を用いて真空容器4
19外から駆動できる構成を採用してある。
【0063】本実施例は、上記のような構成になってい
るから、対物レンズ側について適用した前記実施例の場
合に準じ、同じようなことが実現される。即ち、前記例
のいずれのものも、観察対象物の観察位置を一致させる
ことによって使い勝手のよいものとできるものであった
が、これに対し軟X線観察系と可視光観察系の照明位置
を一致させて使い勝手のよいものとしようというもので
あり、本実施例の軟X線顕微鏡の場合は、軟X線観察系
と可視光観察系の観察対象物の照明位置を一致させるた
めに、真空容器419外から可視光観察系のコンデンサ
レンズ403のみを独立して調整しうる駆動手段を備
え、軟X線観察系と可視光観察系の観察対象物の照明位
置を比較しながら、真空容器419外から可視光用のコ
ンデンサレンズ403を駆動する調整方法によって、ア
ライメント調整を行える。
【0064】上記構成において、アライメント調整は次
のようにして行える。初めに、ベリリウム薄膜409を
光路に挿入し、かつシリコン板408を光路から外して
得られるX線像を用いて軟X線用コンデンサ404のア
ライメントを、基板413を固定しているステージ(不
図示)を調節して行う。次に、シリコン板408を光路
に挿入し、かつベリリウム薄膜409を光路から外して
得られる可視光の像を真空容器419外のディスプレイ
等を見ながら、可視光コンデンサレンズ403のアライ
メントを、上記した調整、駆動のための機構を用いて真
空容器419外から行うものである。この場合、これら
のアライメントは、ぞれそれの操作を通し真空中で行う
のがよく、本例ではそうするものとする。
【0065】このようにして、アライメント調整が行
え、可視光用コンデンサレンズ403を真空装置外から
駆動することが可能であるため、軟X線による観察対象
物の照明位置と可視光による観察対象物の照明位置を比
較しながら、真空容器419外から可視光用コンデンサ
レンズ403を調整できる。このため、軟X線用コンデ
ンサレンズ404と可視光用コンデンサレンズ403間
のアライメント調節が容易に行える。
【0066】また、本例によると、図9乃至図10によ
る構成の顕微鏡を用いて、上述の如く軟X線観察系と可
視光観察系の観察対象物の照明位置を比較しながら、真
空容器419外から可視光観察系のコンデンサレンズ4
03のみ独立して駆動する調整方法が実現でき、本発明
はこのような方法で実施することもできる。
【0067】また、上記の手法によって、一度アライメ
ントを行ったなら、コンデンサ基板413は、もはや軟
X線による集光位置と可視光による集光位置が完全に一
致している。従って、対物レンズについての第1実施例
の場合や第2実施例の場合と同じようなことがいえる。
即ち、今後は真空容器外から各コンデンサを駆動する機
構がたとえついていない顕微鏡でも、コンデンサレンズ
基板413のみを可視光観察系によるアライメントを行
うだけで十分である。
【0068】また、上記のアライメント調整方法のため
のアライメント専用の顕微鏡として用いることができる
点についても、同様であり、また、そうしてアライメン
ト調節が行われたれたものを組付け部品として用いて、
同一または類似仕様の軟X線顕微鏡を製作するようにす
るとよいのも同様である。更には、顕微鏡以外でコンデ
ンサを用いる軟X線光学系(例えば、光電子分光分析
器)にも利用できる。本例の場合は、軟X線観察系と可
視光観察系の観察対象物の照明位置を比較しながら、真
空容器外から可視光観察系のコンデンサレンズのみ独立
して駆動する調整方法で調整を行ったコンデンサを使用
した軟X線顕微鏡が得られることになる。
【0069】なお、本実施例では、独立して駆動、調整
可能なのは可視光用コンデンサレンズの方であるが、こ
れとは逆に、同様に軟X線観察系と可視光観察系の観察
対象物の照明位置を一致させるために、真空容器外から
軟X線観察系のコンデンサレンズのみを独立調整する駆
動手段を備えるようにして実施してもよい。この場合に
おいては、調整方法は、軟X線観察系と可視光観察系の
観察対象物の照明位置を比較しながら、真空容器外から
軟X線観察系のコンデンサレンズを駆動する調整方法で
あり、その軟X線顕微鏡では、軟X線用コンデンサレン
ズを真空装置外から駆動することが可能であるため、軟
X線による観察対象物の照明位置と可視光による観察対
象物の照明位置を比較しながら、真空容器外から軟X線
用コンデンサレンズを調整できる。これによって、軟X
線用コンデンサレンズと可視光用コンデンサレンズ間の
アライメント調節が容易に行える。
【0070】また、そうして軟X線用対物レンズと可視
光用対物レンズ間のアライメント調節を行ったものを組
付け部品として供給されて製作される軟X線顕微鏡が得
られる。即ち、軟X線観察系と可視光観察系の観察対象
物の照明位置を比較しながら、真空容器外から軟X線観
察系のコンデンサレンズを駆動する調整方法で調整を行
ったコンデンサの組を使用した軟X線顕微鏡を提供する
ことができる。
【0071】なお、以上の実施例では、第1,第2実施
例のように対物レンズのみに、または第3実施例のよう
にコンデンサのみに、本発明を適用したものであるが、
図11に示したものにおけるような、コンデンサ及び対
物レンズにそれぞれ同時に適用して実施することができ
る。即ち、前述した図11の構成の結像型軟X線顕微鏡
を基本とし、軟X線観察系と可視光観察系の照明位置及
び観察位置を一致させるべく、その軟X線用コンデンサ
レンズと可視光用コンデンサレンズ側の組に対し、並び
に軟X線用対物レンズと可視光用対物レンズ側の組に対
し、ともに適用してもよい。この場合において、いずれ
の組の側においても、もしくはいずれかの組の側におい
て、第1実施例の如くに、あるいは図1〜3の基本構成
のものを2個併用するなどして、該当するレンズが相互
に独立して容器外から駆動可能としてもよく、また、い
ずれの組の側においても、もしくはいずれかの組の側に
おいて、第2,第3実施例あるいは図1〜3の基本構成
のものの如くに該当するレンズの一方を独立して容器外
から駆動可能であるとしてもよい。
【0072】また、本発明は、以上の特定の実施例、変
形例等に限定されない。種々の態様で多様で実施でき、
それらの例をあげれば、以下のようである。即ち、 (1) 軟X線源と、該軟X線源から発した軟X線を観
察対象物に照射するコンデンサレンズと、観察対象物か
らの軟X線を所定の位置に収束させる対物レンズと、前
記軟X線用対物レンズを支持する部材と、軟X線検出器
と、可視光源と、該可視光源からの光を前記観察対象物
に照射する可視光用コンデンサレンズと、前記観察対象
物からの光を前記軟X線と実質的に同じ光軸に沿って導
き収束させる、前記軟X線対物レンズとは異なる可視光
用対物レンズと、前記可視光用対物レンズを支持する部
材と、前記軟X線用対物レンズ支持部材と前記可視光用
対物レンズ支持部材を固定する部材とを備えた軟X線顕
微鏡において、前記可視光用対物レンズを前記軟X線用
対物レンズとは独立に真空容器外から駆動する手段を備
えた軟X線顕微鏡である。また、 (2) 上記(1)において、その駆動手段に代えてま
たはそれに加えて、前記軟X線用対物レンズを前記可視
光用対物レンズとは独立に真空容器外から駆動する手段
を備えた軟X線顕微鏡である。
【0073】これら(1)及び(2)の場合において、
軟X線源、可視光源については、SR光源等の軟X線と
可視光を同時に発生させるものをも含み、別個のものの
態様も含む。また、軟X線用コンデンサレンズ、可視光
用コンデンサレンズについては、軟X線用としても可視
光用としても使用できるものをも含み、そうでない態様
の場合も含まれる。これらの点は、後記(9)の場合も
同様である。
【0074】また、 (3) 軟X線源と、該軟X線源から発した軟X線を観
察対象物に照射するコンデンサレンズと、前記軟X線用
コンデンサレンズを支持する部材と、前記観察対象物か
らの軟X線を所定の位置に収束させる対物レンズと、軟
X線検出器と、可視光源と、該可視光源からの光を前記
観察対象物に照射する、前記軟X線用コンデンサレンズ
とは異なる可視光用コンデンサレンズと、前記可視光用
コンデンサレンズを支持する部材と、前記観察対象物か
らの光を前記軟X線と実質的に同じ光軸に沿って導き収
束させる可視光用対物レンズと、前記軟X線用コンデン
サレンズ支持部材と前記可視光用コンデンサレンズ支持
部材を固定する部材とを備えた軟X線顕微鏡において、
前記可視光用コンデンサレンズを前記軟X線用コンデン
サレンズとは独立に真空容器外から駆動する手段を備え
た軟X線顕微鏡である。また、 (4) 上記(3)において、その駆動手段に代えてま
たはそれに加えて、前記軟X線用コンデンサレンズを前
記可視光用コンデンサレンズとは独立に真空容器外から
駆動する手段を備えた軟X線顕微鏡である。
【0075】これら(3)及び(4)の場合において
も、軟X線源、可視光源については、軟X線と可視光を
同時に発生させるものをも含み、別個のものの態様も含
む。また、軟X線用対物レンズ、可視光用対物レンズに
ついては、軟X線用としても可視光用としても使用でき
るものをも含み、そうでない態様の場合も含まれる。こ
れらの点は、後記(10)の場合も同様である。
【0076】また、 (5) 上記(1)記載の顕微鏡を用いて軟X線用対物
レンズと可視光用対物レンズのアライメントを調整する
方法である。また、 (6) 上記(2)記載の顕微鏡を用いて軟X線用対物
レンズと可視光用対物レンズのアライメントを調整する
方法である。また、 (7) 上記(3)記載の顕微鏡を用いて軟X線用コン
デンサレンズと可視光用コンデンサレンズのアライメン
トを調整する方法である。また、 (8) 上記(4)記載の顕微鏡を用いて軟X線用コン
デンサレンズと可視光用コンデンサレンズのアライメン
トを調整する方法。
【0077】また、 (9) 軟X線源と、該軟X線源から発した軟X線を観
察対象物に照射するコンデンサレンズと、観察対象物か
らの軟X線を所定の位置に収束させる対物レンズと、前
記軟X線用対物レンズを支持する部材と、軟X線検出器
と、可視光源と、該可視光源からの光を前記観察対象物
に照射する可視光用コンデンサレンズと、前記観察対象
物からの光を前記軟X線と実質的に同じ光軸に沿って導
き収束させる、前記軟X線対物レンズとは異なる可視光
用対物レンズと、前記可視光用対物レンズを支持する部
材と、前記軟X線用対物レンズ支持部材と前記可視光用
対物レンズ支持部材を固定する部材とを備える軟X線顕
微鏡であって、対物レンズとして、上記(5)記載の方
法によってアライメントを調整した対物レンズを有する
軟X線顕微鏡、または、対物レンズとして、上記(6)
記載の方法によってアライメントを調整した対物レンズ
を有する軟X線顕微鏡である。また、 (10) 軟X線源と、該軟X線源から発した軟X線を
観察対象物に照射するコンデンサレンズと、前記軟X線
用コンデンサレンズを支持する部材と、前記観察対象物
からの軟X線を所定の位置に収束させる対物レンズと、
軟X線検出器と、可視光源と、該可視光源からの光を前
記観察対象物に照射する、前記軟X線用コンデンサレン
ズとは異なる可視光用コンデンサレンズと、前記可視光
用コンデンサレンズを支持する部材と、前記観察対象物
からの光を前記軟X線と実質的に同じ光軸に沿って導き
収束させる可視光用対物レンズと、前記軟X線用コンデ
ンサレンズ支持部材と前記可視光用コンデンサレンズ支
持部材を固定する部材とを備える軟X線顕微鏡にして、
コンデンサレンズとして、上記(7)記載の方法によっ
てアライメントを調整したコンデンサレンズを有する軟
X線顕微鏡、または、コンデンサレンズとして、上記
(8)記載の方法によってアライメントを調整したコン
デンサレンズを有する軟X線顕微鏡である。
【0078】このようにして実施することもできる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、軟X線光学系と可視光
光学系間のアライメントを容易にかつ正確に行えること
ができ、使い勝手のよい軟X線顕微鏡となる。また、本
発明における手法でアライメントを行って得たコンデン
サや対物レンズは、取付治具と光軸の位置関係を常に一
定に合わせることができるため、かくして得られる複数
のコンデンサや対物レンズ部品は、性能が均質な光学素
子としてこれを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において適用し得る調整対象光学素子の
その調整機構の基本構成例の説明に供する図にして、図
Aは光学素子のホルダの正断面図、図Bは同側断面図で
ある。
【図2】同じく、その光学素子ホルダを真空容器に取り
付けた様子を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る軟X線顕微鏡を示す
図である。
【図4】同例に適用できる、同実施例に係る調整対象光
学素子のホルダの一例を示すもので、図Aは側断面図、
図Bは正断面図である。
【図5】同じく、光学素子ホルダの真空容器内への取り
付けの態様の一例を示す図で、図Aは内部状態を示し、
図Bはその右側外観要図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る軟X線顕微鏡を示す
図である。
【図7】同実施例に適用できる、光学素子のホルダの一
例を示すもので、図Aは側断面図、図Bは正断面図であ
る。
【図8】本発明の第3実施例に係る軟X線顕微鏡を示す
図である。
【図9】同実施例に適用できる、光学素子のホルダの一
例を示すもので、図Aは正面図、図Bは側断面図であ
る。
【図10】同じく、その正断面図である。
【図11】可視観察光学系を組み込んだ軟X線顕微鏡を
示す概略図である。
【符号の説明】
1 光学素子 2 光学素子ホルダ 3 ネジ 4 ベアリングボール 5 押しネジ 6 引きネジ 7 光学素子押さえ 8 基板 10 フレキシブルシャフト 11 回転導入機 12 ステージ 13 モータ 14 端子 15 コントローラ 16 コード 101 SR光 102 コンデンサ 103 試料 104 軟X線用対物レンズ 104a 固着具 105 可視光用対物レンズ 105a 固着具 106 検出器 108 シリコン板 109 ベリリウム薄膜 110 ディスプレイ 111 引きネジ 112 スプリング 113 レンズ枠(鏡筒) 114 ユニバーサルジョイント 115 回転導入機 116 フレキシブルシャフト 117 回転導入機 118 光学ステージ 119 真空容器 145 ネジ 146 ベアリングボール 201 SR光 202 コンデンサ 203 試料 204 軟X線用対物レンズ 204a 固着具 205 可視光用対物レンズ 206 検出器 207 液晶シャッター 209 ベリリウム薄膜 210 吸収体 211 引きネジ 212 スプリング 213 基板 219 真空容器 242 光学素子ホルダ 245 ネジ 246 ベアリングボール 401 鉄ターゲット 402 多層膜分光素子(多層膜分光器) 403 可視光用コンデンサレンズ 403a 固着具 404 軟X線用コンデンサレンズ 404a 固着具 405 試料 406 シュヴァルツシルト型対物レンズ 407 検出器 408 シリコン板 409 ベリリウム薄膜 411 引きネジ 412 スプリング 413 基板 419 真空容器 442 光学素子ホルダ 445 ネジ 446 ベアリングボール f1,f2 シュヴァルツシルト型対物レンズの凹面鏡
と凸面鏡の中心 701 軟X線 702 軟X線コンデンサレンズ 703 真空容器 704 試料 705 軟X線対物レンズ 706 軟X線検出器 711 可視光源 712 窓 713 ミラー 714 ミラー 715 接眼レンズ 722 可視光コンデンサレンズ 725 可視光対物レンズ 730 円形スリット板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟X線を観察対象物に照射するコンデン
    サレンズと、 前記観察対象物からの軟X線を所定の位置に収束させる
    対物レンズと、 該軟X線用対物レンズを支持する部材と、 光源からの光を前記観察対象物に照射する可視光用コン
    デンサレンズと、 前記観察対象物からの光を前記軟X線と実質的に同じ光
    軸に沿って導き収束させる可視光用対物レンズと、 該可視光用対物レンズを支持する部材と、 前記軟X線用対物レンズ支持部材と前記可視光用対物レ
    ンズ支持部材を真空容器内に配置するよう取り付ける手
    段と、 前記観察対象物の像を検出し、観察する手段とを有する
    軟X線顕微鏡であって、 前記可視光用対物レンズと前記軟X線用対物レンズとを
    各々独立に真空容器外から可動させる手段を備えること
    を特徴とする軟X線顕微鏡。
  2. 【請求項2】 軟X線を観察対象物に照射するコンデン
    サレンズと、 該軟X線用コンデンサレンズを支持する部材と、 前記観察対象物からの軟X線を所定の位置に収束させる
    対物レンズと、 光源からの光を前記観察対象物に照射する可視光用コン
    デンサレンズと、 該可視光用コンデンサレンズを支持する部材と、 前記観察対象物からの光を前記軟X線と実質的に同じ光
    軸に沿って導き収束させる可視光用対物レンズと、 前記軟X線用コンデンサレンズ支持部材と前記可視光用
    コンデンサレンズ支持部材を真空容器内に配置するよう
    取り付ける手段と、 前記観察対象物の像を検出し、観察する手段とを有する
    軟X線顕微鏡であって、 前記可視光用コンデンサレンズと前記軟X線用コンデン
    サレンズとを各々独立に真空容器外から可動させる手段
    を備えることを特徴とする軟X線顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項1及び/又は2記載の顕微鏡を用
    いて軟X線用対物レンズと可視光用対物レンズ、及び/
    又は、軟X線用コンデンサレンズと可視光用コンデンサ
    レンズのアライメントを調整することを特徴とするアラ
    イメント調整方法。
JP31993593A 1993-12-20 1993-12-20 軟x線顕微鏡、及びアライメント調整方法 Withdrawn JPH07174899A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007292476A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Shimadzu Corp 光学顕微鏡とx線分析装置の複合装置
JP2020527240A (ja) * 2014-12-30 2020-09-03 コンバージェント アール.エヌ.アール リミテッド X線を収束するためのx線レンズの新しい構造

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