JPH07174736A - 斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正方法 - Google Patents
斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正方法Info
- Publication number
- JPH07174736A JPH07174736A JP5343788A JP34378893A JPH07174736A JP H07174736 A JPH07174736 A JP H07174736A JP 5343788 A JP5343788 A JP 5343788A JP 34378893 A JP34378893 A JP 34378893A JP H07174736 A JPH07174736 A JP H07174736A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 音速の変化に対応して容易に屈折角を補正す
ることのできる斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角
度補正方法を提供する。 【構成】 被検体の表面に両極が対向可能な磁束発生手
段と、互いに隣り合うもの同士の電流の向きが交互する
ように互いに所定間隔をおいて前記両極間に並設され、
かつ電気的に分割された複数の発信/受信コイルとを有
する斜角電磁超音波探傷装置に於て、所定間隔の発信/
受信コイル間での被検体表面を伝播する音速を実測し、
該音速値に基づいて屈折角が所定値となるように探傷周
波数を補正する。或いは、上記形式の斜角探傷装置に於
て、ある条件下で被検体の表面から被検体内へ超音波を
発信し、裏面からの反射波を受信した際の発信コイルと
受信コイルとの位置関係および被検体の厚さ寸法から実
屈折角を算出し、該実屈折角値に基づいて被検体中を伝
播する音速を求め、該音速値に基づいて探傷周波数を補
正するものとする。
ることのできる斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角
度補正方法を提供する。 【構成】 被検体の表面に両極が対向可能な磁束発生手
段と、互いに隣り合うもの同士の電流の向きが交互する
ように互いに所定間隔をおいて前記両極間に並設され、
かつ電気的に分割された複数の発信/受信コイルとを有
する斜角電磁超音波探傷装置に於て、所定間隔の発信/
受信コイル間での被検体表面を伝播する音速を実測し、
該音速値に基づいて屈折角が所定値となるように探傷周
波数を補正する。或いは、上記形式の斜角探傷装置に於
て、ある条件下で被検体の表面から被検体内へ超音波を
発信し、裏面からの反射波を受信した際の発信コイルと
受信コイルとの位置関係および被検体の厚さ寸法から実
屈折角を算出し、該実屈折角値に基づいて被検体中を伝
播する音速を求め、該音速値に基づいて探傷周波数を補
正するものとする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁束に直交する向きに
延在するコイルに電流を流した際に発生するローレンツ
力および磁歪を利用した斜角電磁超音波探傷装置の超音
波伝播角度補正方法に関するものである。
延在するコイルに電流を流した際に発生するローレンツ
力および磁歪を利用した斜角電磁超音波探傷装置の超音
波伝播角度補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非破壊検査法の一つとして、被検体金属
中に一定方向の磁束を発生させると共に、当該金属の表
面に置かれたコイルに高周波電流を流し、この時、金属
内に誘起された渦電流と磁界との相互作用により、金属
内に直接的に超音波を発生させるようにした電磁超音波
法が知られている。これは磁束の向きに直交させて発信
/受信コイルを並設し、このコイルにパルス的に高周波
電流を印加することによって渦電流を発生させ、これら
の磁束と渦電流との相互作用で発生するローレンツ力お
よび磁歪によって自励的に発生する弾性波を利用するも
のであり、発信時は、パルス電流をコイルに印加するこ
とで超音波を所定角度をもって被検体中に伝播させ、受
信時は、反射波によってコイルに誘起される電流を検出
するようになっている(特開昭60−40950号公報
参照)。
中に一定方向の磁束を発生させると共に、当該金属の表
面に置かれたコイルに高周波電流を流し、この時、金属
内に誘起された渦電流と磁界との相互作用により、金属
内に直接的に超音波を発生させるようにした電磁超音波
法が知られている。これは磁束の向きに直交させて発信
/受信コイルを並設し、このコイルにパルス的に高周波
電流を印加することによって渦電流を発生させ、これら
の磁束と渦電流との相互作用で発生するローレンツ力お
よび磁歪によって自励的に発生する弾性波を利用するも
のであり、発信時は、パルス電流をコイルに印加するこ
とで超音波を所定角度をもって被検体中に伝播させ、受
信時は、反射波によってコイルに誘起される電流を検出
するようになっている(特開昭60−40950号公報
参照)。
【0003】このような、被検体中をある角度をもって
伝播する超音波を利用して金属溶接部の探傷を行う斜角
探傷法に於ては、被検体に対する超音波伝播角度(屈折
角)が規定されている(JIS Z3060参照)。し
かしながらこの屈折角は、被検体中を伝播する超音波の
音速に左右されるため、被検体の集合組成の異方性、残
留応力、或いは温度の影響により音速が変化すると、屈
折角も変化するという問題がある。
伝播する超音波を利用して金属溶接部の探傷を行う斜角
探傷法に於ては、被検体に対する超音波伝播角度(屈折
角)が規定されている(JIS Z3060参照)。し
かしながらこの屈折角は、被検体中を伝播する超音波の
音速に左右されるため、被検体の集合組成の異方性、残
留応力、或いは温度の影響により音速が変化すると、屈
折角も変化するという問題がある。
【0004】従来、この問題に対処するために、集合組
成の異方性や残留応力の影響については、横波超音波を
板厚方向に伝播させて音速の変化を予め調べ、その変化
を加味して横波超音波の伝播経路を把握した上で斜角探
傷を実行していた。また、温度変化については、被検体
の温度を実測して音速の較正を行うことにより、伝播経
路を把握していた。
成の異方性や残留応力の影響については、横波超音波を
板厚方向に伝播させて音速の変化を予め調べ、その変化
を加味して横波超音波の伝播経路を把握した上で斜角探
傷を実行していた。また、温度変化については、被検体
の温度を実測して音速の較正を行うことにより、伝播経
路を把握していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
方法によると、探傷作業以前に繁雑な準備作業が必要で
あり、また被検体が全ての箇所で均一なわけではないの
で、その都度音速の変化を測定する必要がある。
方法によると、探傷作業以前に繁雑な準備作業が必要で
あり、また被検体が全ての箇所で均一なわけではないの
で、その都度音速の変化を測定する必要がある。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点を
解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、
音速の変化に対応して容易に屈折角を補正することので
きる斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正方法
を提供することにある。
解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、
音速の変化に対応して容易に屈折角を補正することので
きる斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、被検体の表面に両極が対向可能な磁束発生
手段と、互いに隣り合うもの同士の電流の向きが交互す
るように互いに所定間隔をおいて前記両極間に並設さ
れ、かつ電気的に分割された複数の発信/受信コイルと
を有する斜角電磁超音波探傷装置に於て、所定間隔の発
信/受信コイル間での被検体表面を伝播する音速を実測
し、該音速値に基づいて屈折角が所定値となるように探
傷周波数を補正することにより、或いは、上記形式の斜
角探傷装置に於て、ある条件下で被検体の表面から被検
体内へ超音波を発信し、裏面からの反射波を受信した際
の発信コイルと受信コイルとの位置関係および被検体の
厚さ寸法から実屈折角を算出し、該実屈折角値に基づい
て被検体中を伝播する音速を求め、該音速値に基づいて
探傷周波数を補正するものとすることによって達成され
る。
明によれば、被検体の表面に両極が対向可能な磁束発生
手段と、互いに隣り合うもの同士の電流の向きが交互す
るように互いに所定間隔をおいて前記両極間に並設さ
れ、かつ電気的に分割された複数の発信/受信コイルと
を有する斜角電磁超音波探傷装置に於て、所定間隔の発
信/受信コイル間での被検体表面を伝播する音速を実測
し、該音速値に基づいて屈折角が所定値となるように探
傷周波数を補正することにより、或いは、上記形式の斜
角探傷装置に於て、ある条件下で被検体の表面から被検
体内へ超音波を発信し、裏面からの反射波を受信した際
の発信コイルと受信コイルとの位置関係および被検体の
厚さ寸法から実屈折角を算出し、該実屈折角値に基づい
て被検体中を伝播する音速を求め、該音速値に基づいて
探傷周波数を補正するものとすることによって達成され
る。
【0008】
【作用】このような構成によれば、被検体に対して電磁
式に超音波を発生させると、所定の屈折角をもって被検
体中を伝播する成分だけではなく、被検体表面を伝播す
る成分も発生する。この表面を伝播する超音波の音速
は、横波超音波と同様に上記した影響を受け、両者間に
は相関がある。また、コイルピッチと音速と探傷周波数
と屈折角との間には一定の関係があるので、ある所定の
間隔をおいた発信/受信コイル間で表面波の音速を実測
し、この値に基づいて周波数を補正すれば、屈折角が規
定値となるようにすることができる。
式に超音波を発生させると、所定の屈折角をもって被検
体中を伝播する成分だけではなく、被検体表面を伝播す
る成分も発生する。この表面を伝播する超音波の音速
は、横波超音波と同様に上記した影響を受け、両者間に
は相関がある。また、コイルピッチと音速と探傷周波数
と屈折角との間には一定の関係があるので、ある所定の
間隔をおいた発信/受信コイル間で表面波の音速を実測
し、この値に基づいて周波数を補正すれば、屈折角が規
定値となるようにすることができる。
【0009】第2の手法としては、被検体の表面上のあ
る特定のコイルから発信し、被検体の裏面からの反射波
を捕えた受信コイルの位置から実反射角が求まり、これ
より実際の横波音速が算出できるので、この値に基づい
て周波数を補正することにより、上記と同様に屈折角が
規定値となるようにすることができる。
る特定のコイルから発信し、被検体の裏面からの反射波
を捕えた受信コイルの位置から実反射角が求まり、これ
より実際の横波音速が算出できるので、この値に基づい
て周波数を補正することにより、上記と同様に屈折角が
規定値となるようにすることができる。
【0010】
【実施例】以下に添付の図面に示された具体的な実施例
に基づいて本発明の構成を詳細に説明する。
に基づいて本発明の構成を詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明が適用される電磁超音波探
傷装置に用いられる探触子の概略構成を示す模式図であ
る。この探触子は、概ねU字形をなすコア1及び該コア
1に巻回された励磁コイル2からなる電磁石3と、被検
体金属4の表面に対向する電磁石3の両極間に設けられ
た複数組の発信/受信コイル5とからなっている。
傷装置に用いられる探触子の概略構成を示す模式図であ
る。この探触子は、概ねU字形をなすコア1及び該コア
1に巻回された励磁コイル2からなる電磁石3と、被検
体金属4の表面に対向する電磁石3の両極間に設けられ
た複数組の発信/受信コイル5とからなっている。
【0012】発信/受信コイル5は、被検体金属4の表
面に微小間隙をおいて対向し、かつ電磁石3の両極間を
結ぶ直線に直交する向きに所定ピッチをおいて並列に延
設されており、図2に示すように、複数ターンのコイル
51・52…5nが複数組、発振回路6並びに電源回路7
に並列接続されおり、複数組のコイル同士間は、スイッ
チング手段8によって順次切り替えることができるよう
になっている。
面に微小間隙をおいて対向し、かつ電磁石3の両極間を
結ぶ直線に直交する向きに所定ピッチをおいて並列に延
設されており、図2に示すように、複数ターンのコイル
51・52…5nが複数組、発振回路6並びに電源回路7
に並列接続されおり、複数組のコイル同士間は、スイッ
チング手段8によって順次切り替えることができるよう
になっている。
【0013】さて、励磁コイル2に励磁電流を印加して
コア1を磁化すると、被検体金属4中に矢印B方向の磁
束が発生する。ここで発信/受信コイル5は、図1に於
て紙面に直交する向きに延在しているので、発信/受信
コイル5に高周波のパルス電流を印加した際に発生する
ローレンツ力F及び磁歪の方向は、被検体金属4の表面
に直交する方向となる(図3参照)。
コア1を磁化すると、被検体金属4中に矢印B方向の磁
束が発生する。ここで発信/受信コイル5は、図1に於
て紙面に直交する向きに延在しているので、発信/受信
コイル5に高周波のパルス電流を印加した際に発生する
ローレンツ力F及び磁歪の方向は、被検体金属4の表面
に直交する方向となる(図3参照)。
【0014】ここでコイルピッチ:2P,音速:Vs ,
探傷周波数:f,屈折角:θとすると、これらの関係は
次式で与えられる。 2P=Vs /f・sinθ … 式1 例えば、f:5MHz,Vs :3240m/s,θ:7
0°とすると、コイルピッチ2P=0.69mmとなる。
即ち、発信/受信コイル5のピッチを0.69mmに設定
し、発信時に周波数fが5MHzのパルス電流を発信/
受信コイル5に印加すると、被検体金属4の法線に対し
て70°の角度で被検体金属4中を超音波が伝播し、逆
に受信時は、70°の角度の反射波によって発信/受信
コイル5に電流が誘起されることとなる。従って、反射
波の高低によって溶接部内の欠陥が判別でき、発信/受
信の時間間隔によって欠陥の位置を求めることができ
る。
探傷周波数:f,屈折角:θとすると、これらの関係は
次式で与えられる。 2P=Vs /f・sinθ … 式1 例えば、f:5MHz,Vs :3240m/s,θ:7
0°とすると、コイルピッチ2P=0.69mmとなる。
即ち、発信/受信コイル5のピッチを0.69mmに設定
し、発信時に周波数fが5MHzのパルス電流を発信/
受信コイル5に印加すると、被検体金属4の法線に対し
て70°の角度で被検体金属4中を超音波が伝播し、逆
に受信時は、70°の角度の反射波によって発信/受信
コイル5に電流が誘起されることとなる。従って、反射
波の高低によって溶接部内の欠陥が判別でき、発信/受
信の時間間隔によって欠陥の位置を求めることができ
る。
【0015】さて、被検体金属4中を伝播する超音波の
音速Vsは、被検体の集合組成の異方性、残留応力、或
いは温度の影響により変化する。ここでコイルピッチ2
Pは機械的に固定された値であるため、探傷周波数fが
固定されていると、音速変化に影響されて屈折角θも変
化することとなる。
音速Vsは、被検体の集合組成の異方性、残留応力、或
いは温度の影響により変化する。ここでコイルピッチ2
Pは機械的に固定された値であるため、探傷周波数fが
固定されていると、音速変化に影響されて屈折角θも変
化することとなる。
【0016】そこで本発明に於ては、超音波の音速Vs
を実測し、この音速値Vsに基づいて探傷周波数fを調
節することにより、屈折角θが規定値となるようにして
いる。以下に具体的な屈折角θの補正方法について図4
を参照して説明する。
を実測し、この音速値Vsに基づいて探傷周波数fを調
節することにより、屈折角θが規定値となるようにして
いる。以下に具体的な屈折角θの補正方法について図4
を参照して説明する。
【0017】先ず、発信/受信コイル5のうちの適宜な
第1のコイル5aから超音波を発信し、第1のコイル5
aと適宜な間隔Lをあけた第2のコイル5bにて被検体
金属4の表面を伝播する超音波を受信してその表面波の
音速を測定する。そしてこの時の速度の実測値が(Vs
+ΔVs )であったとすると、式1より、 (f+Δf)=(Vs +ΔVs )/2P・sinθ … 式2 が得られるので、これより、屈折角θを規定値にするた
めの周波数fの補正値Δfが求まる。
第1のコイル5aから超音波を発信し、第1のコイル5
aと適宜な間隔Lをあけた第2のコイル5bにて被検体
金属4の表面を伝播する超音波を受信してその表面波の
音速を測定する。そしてこの時の速度の実測値が(Vs
+ΔVs )であったとすると、式1より、 (f+Δf)=(Vs +ΔVs )/2P・sinθ … 式2 が得られるので、これより、屈折角θを規定値にするた
めの周波数fの補正値Δfが求まる。
【0018】次に、本発明の第2の方法について説明す
る。先ず、発信/受信コイル5のうちの適宜な第1のコ
イル5aから発信し、被検体金属中4を伝播して被検体
金属4の裏面から反射した超音波を第3のコイル5cに
て受信する。これにより、屈折角θが正規の角度であっ
た場合に受信するべきコイル5rの位置と実際に受信し
たコイル5cの位置との偏差dから実屈折角θeが求ま
るので、式1より、 (Vs +ΔVs )=2P・f・sinθe が成立し、よって式2より、周波数fの補正値Δfが求
まる。
る。先ず、発信/受信コイル5のうちの適宜な第1のコ
イル5aから発信し、被検体金属中4を伝播して被検体
金属4の裏面から反射した超音波を第3のコイル5cに
て受信する。これにより、屈折角θが正規の角度であっ
た場合に受信するべきコイル5rの位置と実際に受信し
たコイル5cの位置との偏差dから実屈折角θeが求ま
るので、式1より、 (Vs +ΔVs )=2P・f・sinθe が成立し、よって式2より、周波数fの補正値Δfが求
まる。
【0019】ある鋼材に於ける温度と横波音速との関係
の一例を
の一例を
【表1】 に示す。鋼材温度が26℃の時の横波音速Vs(320
0m/s)に合わせて、探傷周波数fが5MHz、屈折
角θが70°となるようにコイルピッチ2Pを0.69
mmに設定しておくと、鋼材温度が300℃の時は、横波
音速Vsが3061m/sとなるので、式1より、屈折
角θは約63度となり、10%も変動してしまうことと
なる。これは欠陥位置の同定や検定範囲の設定に大きな
影響を及ぼす。そこで周波数fを4.72MHzに変更
すると、屈折角θを70度に合わせることができる。周
波数fの5MHzから4.72MHzへの周波数変動に
よる横波超音波の波長変動は1%程度であり、検出感度
に大きな影響を与ることはなく、本発明による補正が極
めて有効であることが分かる。
0m/s)に合わせて、探傷周波数fが5MHz、屈折
角θが70°となるようにコイルピッチ2Pを0.69
mmに設定しておくと、鋼材温度が300℃の時は、横波
音速Vsが3061m/sとなるので、式1より、屈折
角θは約63度となり、10%も変動してしまうことと
なる。これは欠陥位置の同定や検定範囲の設定に大きな
影響を及ぼす。そこで周波数fを4.72MHzに変更
すると、屈折角θを70度に合わせることができる。周
波数fの5MHzから4.72MHzへの周波数変動に
よる横波超音波の波長変動は1%程度であり、検出感度
に大きな影響を与ることはなく、本発明による補正が極
めて有効であることが分かる。
【0020】
【表1】
【0021】なお、上記第2の方式の場合は、発信コイ
ルと、規定の屈折角であった場合に受信するべき受信コ
イルとを特定し、受信コイルの感度が最大となるように
周波数fを連続的に変化させることによっても屈折角θ
を規定値に合わせることができる。
ルと、規定の屈折角であった場合に受信するべき受信コ
イルとを特定し、受信コイルの感度が最大となるように
周波数fを連続的に変化させることによっても屈折角θ
を規定値に合わせることができる。
【0022】発信/受信コイル5の構成としては、図5
に示すように、コイルの1ターン毎に端子を導出し、別
途設けられたスイッチング手段を用いて任意の部分のみ
に選択的に電流を印加することにより、信号の授受を行
うようにしても良い。また、音速測定用のコイルを探傷
用コイルとは別に設けるようにしても良い。
に示すように、コイルの1ターン毎に端子を導出し、別
途設けられたスイッチング手段を用いて任意の部分のみ
に選択的に電流を印加することにより、信号の授受を行
うようにしても良い。また、音速測定用のコイルを探傷
用コイルとは別に設けるようにしても良い。
【0023】
【発明の効果】このように本発明によれば、通常の斜角
探傷と何等変わりのない手順で補正のための予備検査を
短時間で実行でき、しかも探傷周波数を変化させること
で音速の変化に対応して容易にかつ高精度に屈折角を補
正することができる。
探傷と何等変わりのない手順で補正のための予備検査を
短時間で実行でき、しかも探傷周波数を変化させること
で音速の変化に対応して容易にかつ高精度に屈折角を補
正することができる。
【図1】本発明に基づく磁気超音波探傷装置の模式的構
成図。
成図。
【図2】発信/受信コイルの概念的な結線図。
【図3】本発明装置の原理図。
【図4】補正方法の説明図。
【図5】発信/受信コイルの別の構成を示す概念的な結
線図。
線図。
1 コア 2 励磁コイル 3 電磁石 4 被検体金属 5 発信/受信コイル 6 発振回路 7 電源回路 8 スイッチング手段
フロントページの続き (72)発明者 赤木 俊夫 相模原市淵野辺5−10−1 新日本製鐵株 式会社エレクトロニクス研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 被検体の表面に両極が対向可能な磁束発
生手段と、互いに隣り合うもの同士の電流の向きが交互
するように互いに所定間隔をおいて前記両極間に並設さ
れ、かつ電気的に分割された複数の発信/受信コイルと
を有する斜角電磁超音波探傷装置に於けるコイルピッチ
と音速と探傷周波数との関係で定まる超音波伝播角度を
規定するための超音波伝播角度補正方法であって、 所定間隔の発信/受信コイル間での被検体表面を伝播す
る音速を実測し、該音速値に基づいて超音波伝播角度が
所定値となるように探傷周波数を補正することを特徴と
する斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正方
法。 - 【請求項2】 被検体の表面に両極が対向可能な磁束発
生手段と、互いに隣り合うもの同士の電流の向きが交互
するように互いに所定間隔をおいて前記両極間に並設さ
れ、かつ電気的に分割された複数の発信/受信コイルと
を有する斜角電磁超音波探傷装置に於けるコイルピッチ
と音速と探傷周波数との関係で定まる超音波伝播角度を
規定するための超音波伝播角度補正方法であって、 ある条件下で被検体の表面から被検体内部へ超音波を発
信して裏面からの反射波を受信した際の発信コイルと受
信コイルとの位置関係および被検体の厚さ寸法から実伝
播角度を算出し、該実伝播角度値に基づいて被検体中を
伝播する音速を求め、該音速値に基づいて超音波伝播角
度が所定値となるように探傷周波数を補正することを特
徴とする斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5343788A JPH07174736A (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5343788A JPH07174736A (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07174736A true JPH07174736A (ja) | 1995-07-14 |
Family
ID=18364246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5343788A Withdrawn JPH07174736A (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 斜角電磁超音波探傷装置の超音波伝播角度補正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07174736A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003315173A (ja) * | 2002-04-24 | 2003-11-06 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 渦電流を利用した渦流探傷機による加工品の残留応力の検出方法 |
JP2007017298A (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Toshiba Corp | 表面検査方法およびその表面検査装置 |
CN114216600A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-03-22 | 北京工业大学 | 一种基于双回折线圈电磁声传感器的lcr波声束偏转调控方法 |
-
1993
- 1993-12-17 JP JP5343788A patent/JPH07174736A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003315173A (ja) * | 2002-04-24 | 2003-11-06 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 渦電流を利用した渦流探傷機による加工品の残留応力の検出方法 |
JP2007017298A (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Toshiba Corp | 表面検査方法およびその表面検査装置 |
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