JPH07174196A - アーマチャシャフトとウォームとの接合方法およびそれを用いた接合装置 - Google Patents

アーマチャシャフトとウォームとの接合方法およびそれを用いた接合装置

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JPH07174196A
JPH07174196A JP34413493A JP34413493A JPH07174196A JP H07174196 A JPH07174196 A JP H07174196A JP 34413493 A JP34413493 A JP 34413493A JP 34413493 A JP34413493 A JP 34413493A JP H07174196 A JPH07174196 A JP H07174196A
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armature shaft
worm
joining
hole
peripheral surface
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JP34413493A
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Tadahisa Nobe
忠久 野辺
Akihiro Suzuki
章浩 鈴木
武史 ▲柳▼谷
Takeshi Yanagiya
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工コストの低減が可能で、かつ、機械的特
性も満足させることができる接合方法およびそれを用い
た接合装置を提供すること。 【構成】 ウォーム12とこれにより高硬度の異種材質
よりなるアーマチャシャフト10とを接合する方法であ
って、アーマチャシャフト10を一定の回転速度で回転
させながら、両部材いずれか一方に形成された挿入部1
0Aと他方に形成された孔部12Aとの挿入代を増加
し、これら両部間での摩擦トルクが所定値に達するまで
挿入部10Aの外周面と孔部12Aの内周面とを摩擦接
合する。これにより、挿入部に対する特殊な接合構造を
設ける必要がなくなり、加工コストが低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接合方法およびそれを
用いた接合装置に関し、特に、自動車等の窓ガラス開閉
機構に用いられるモータのアーマチャシャフトとウォー
ムとの接合方法およびそれを用いた接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸とこの軸が挿通される孔との
嵌め合いによる一体化の方法としては、軸の外径に対し
孔の内径を小さくして寸法差を利用する締まり嵌めがあ
る。しかし、一体化される対象として、例えば、自動車
用窓ガラスの開閉機構に用いられるモータのアーマチャ
シャフトとウォームとの場合でいうと、上記締まり嵌め
を適用した場合には、アーマチャシャフトの外周面が孔
の内周面に係合することがないので、アーマチャシャフ
トとウォームとの回り止めを確実に行なうことが困難で
あった。
【0003】そこで、アーマチャシャフトとウォームと
の回り止めが行なえる接合方法として、ナールを用いた
接合がある(例えば、実開平1−133545号公
報)。
【0004】この方法は、アーマチャシャフトの外周面
に軸方向へナールを形成し、そのナールの凸部を孔内周
面に係合させる方法である。
【0005】また、このようなナールに代えて、ローレ
ットや四ッ溝を形成したものが用いられる。
【0006】つまり、ローレットを用いる方法は、転造
加工によってアーマチャシャフトの外周面に形成したロ
ーレットの凸部を孔の内周面に食い込ませる方法であ
る。また、四ッ溝を用いる方法は、アーマチャシャフト
の外周面で周方向に沿って等分された4ヵ所に直角断面
をなす凹状溝を塑性加工によって形成し、この塑性加工
によって外径寸法が初期状態から拡大している凹状溝間
の外周面を孔の内周面に食い込ませる方法である。これ
ら各方法は、いずれも軸外周面に形成された凸部を塑性
変形させて孔の内周面に食い込ませるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た接合方法には、次のような問題があった。
【0008】すなわち、上記方法により一体化されたア
ーマチャシャフトと孔部との接合部を得る場合には、加
工時間や設備を要する等、加工コストが上昇してしまう
虞れがあった。
【0009】つまり、上記方法のいずれの場合にも、ア
ーマチャシャフトでは外径切削の後、ローレットや四ッ
溝加工が必要になり、また、ウォームではウォーム転造
に加えて孔の内径切削が必要になる。したがって、アー
マチャシャフトと孔とを接合するために必要な加工工程
が比較的多くなり、これによって、加工時間が増大する
ことになる。
【0010】しかも、アーマチャシャフトの外径とウォ
ームの孔の内径との寸法精度誤差による圧入代が充分で
ないと、この種、接合構造に要求される機械的特性を満
足することができない場合がある。つまり、上記した窓
ガラスの開閉機構に用いられるモータのアーマチャシャ
フトとウォームとの場合でいうならば、上記両者間での
圧入代が充分でないと、モータの回転が接合部の滑りに
よって中断されてしまい、ウォームに要求される回転ト
ルク、換言すれば、窓ガラスを開閉するに必要な回転ト
ルクの伝達が得られなくなることがある。
【0011】また、上記したローレット加工および四ッ
溝加工ともに塑性加工であるので、必要な形状に成形す
る際の外力によってアーマチャシャフトに曲がりや撓み
変形が発生してアーマチャシャフトあるいはウォームの
振れの原因となる場合もある。
【0012】そこで、本発明の目的とするところは、上
記従来の接合構造における問題に鑑み、加工コストの低
減が可能で、かつ、機械的特性も満足させることができ
る接合方法およびそれを用いた接合装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、ウォームと、該ウォームよ
りも硬度の高い異種の材質よりなるアーマチャシャフト
とを用いると共に、該アーマチャシャフトと前記ウォー
ムのいずれか一方に挿入部を、他方に前記挿入部が挿入
される孔部を有し、前記挿入部の外周面と前記孔部の内
周面との間に所定の間隙が設定された前記アーマチャシ
ャフトと前記ウォームとを接合する接合方法であって、
前記アーマチャシャフトを一定の回転速度で回転させな
がら前記孔部と前記挿入部との挿入代を増加し、前記孔
部と前記挿入部との間の摩擦トルクが所定値に達するま
で前記挿入部の外周面と前記孔部の内周面とを摩擦接合
することを特徴とする。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の接
合方法を利用する接合装置であって、アーマチャシャフ
トを脱着可能に保持するチャック部材と、該チャック部
材を回転駆動させる第1の駆動手段と、前記チャック部
材を前記アーマチャシャフトの軸方向に移動させる第2
の駆動手段と、前記チャック部材と前記第1の駆動手段
との間に設けられ、前記第1の駆動手段の回転駆動トル
クが所定値以上のとき前記第1の駆動手段から前記チャ
ック部材への回転駆動力の伝達を遮断するトルクリミッ
ト手段と、ウォームを脱着可能に保持する保持手段とを
備え、前記アーマチャシャフトと前記ウォームとの接合
を摩擦トルクが所定値に達することにより判断し、前記
摩擦トルクに対応する前記第1の駆動手段の回転駆動ト
ルクが所定値以上のとき前記トルクリミット手段により
前記第1の駆動手段から前記チャック部材への回転駆動
力の伝達を遮断することを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明による接合方法では、アーマチャシャフ
トとウォームのいずれか一方に挿入部を、他方に挿入部
が挿入される孔部を有し、この挿入部の外周面と孔部の
内周面との間に所定の間隙が設定され、かつこのアーマ
チャシャフトを一定の回転速度で回転させながら孔部と
挿入部との挿入代を増加させ、孔部と挿入部との間の摩
擦トルクが所定値に達するまで挿入部の外周面と孔部の
内周面とを摩擦接合している。このため、アーマチャシ
ャフトは単に外径切削を行うだけで良く、ローレット加
工や四ッ溝加工を必要とせず、しかも比較的硬度の高い
ものを用いることができ、アーマチャシャフトの加工時
に発生するアーマチャシャフトの曲がりや変形を防止で
きる。さらに、接合に必要な部品の加工工程数および加
工時間も低減することができる。
【0016】また、アーマチャシャフトとウォームの孔
部内周面と挿入部外周面を摩擦トルクが所定値に達する
までその周面全域にわたって摩擦接合しており、この接
合部分表面は発熱し塑性変形により両者は強固に接合さ
れる。このため、両者は所定の回転トルク以上で周方向
への接合強度を維持することができる。
【0017】また、本発明による接合装置では、アーマ
チャシャフトとウォームとの接合を摩擦トルクが所定値
に達することにより判断し、この摩擦トルクに対応する
第1の駆動手段の回転駆動トルクが所定値以上のときト
ルクリミット手段により第1の駆動手段からチャック部
材への回転駆動力の伝達を遮断しているので、均一なア
ーマチャシャフトとウォームとの接合強度が得られると
共に接合確認が容易である。また、第1の駆動手段の回
転駆動トルクが所定値以上のとき回転駆動力の伝達を遮
断しているので、余分な摩擦が継続されることによる異
常加熱でアーマチャシャフトまたはウォームの接合部分
が溶融してしまうのを防止することができる。
【0018】
【実施例】以下、図1乃至図6において、本発明の詳細
を説明する。
【0019】図1は、本発明による接合方法が実施され
る対象である、アーマチャシャフト10とこれを挿入す
るための孔部12Aを有するウォーム12を示してお
り、これら部品は、前述した窓ガラスの開閉機構のモー
タに用いられる。アーマチャシャフト10は、ウォーム
12に形成された孔部12A内に挿入され、その外周面
が摩擦接合によって孔部12Aの内周面に接合されてい
る。
【0020】一方、図2は、本発明による接合方法を実
施するために用いられる接合装置の構成を示す模式図で
ある。
【0021】すなわち、接合装置20は、アーマチャシ
ャフト10を脱着可能に保持するチャック部材22と、
チャック部材22を回転駆動する第1の駆動手段である
モータ24と、チャック部材22をアーマチャシャフト
10の軸方向に移動させる第2の駆動手段であるエアシ
リンダ26と、チャック部材22とモータ24との間に
設けられていて、モータ24の回転駆動トルクが所定値
以上のときモータ24からチャック部材22への回転駆
動力の伝達を遮断するトルクリミッタ28と、ウォーム
12を脱着可能に保持するバイス30とを備えている。
【0022】上記トルクリミッタ28は、一例として、
チャック部材22とモータ24との間で所定の空転トル
クが発生したときに滑りを発生させ、もしくは完全に両
者を切り離して回転力の伝達を中断することができる機
構を備えている。したがって、トルクリミッタ28が空
転した場合には、モータ24からチャック部材22への
回転力の伝達は行なわれない。
【0023】このような構造からなる接合装置20を用
いたアーマチャシャフト10とウォーム12との接合に
は、次の条件が設定される。
【0024】すなわち、アーマチャシャフト10の材質
としては、これが挿入される孔部12Aを有するウォー
ム12よりも硬度が高い異種材質が用いられる。
【0025】また、アーマチャシャフト10の外径とウ
ォーム12の孔部12Aの内径との間に所定の間隙Kを
設定する。この間隙Kに関しては、例えば、2/100
mm以下、好ましくは、1/100mm近辺の寸法が選
択される。
【0026】これら条件のうち、前者の条件は、アーマ
チャシャフト10の剛性を確保することができると共に
ウォーム12をアーマチャシャフト10より軟質材とす
ることができウォーム12の転造性をも確保することが
できる。
【0027】また、後者の条件は、アーマチャシャフト
10の挿入部10Aを回転させながらウォーム12の孔
部12Aに挿入する際の摩擦による発熱および両者の接
合表面における塑性変形による接合強度を良好に得るこ
とができるよう設定されている。
【0028】次に作用について説明する。
【0029】上記条件を設定されたアーマチャシャフト
10およびウォーム12は、アーマチャシャフト10
が、所定回転速度および所定の挿入速度を設定されたう
えで、ウォーム12の孔部12Aに挿入される。孔部1
2A内に挿入されたアーマチャシャフト10は、外周面
が孔部12Aの内周面に面接触しながら回転することで
摩擦熱を生じ、これによって両者の結合が促進される。
アーマチャチャフト10の回転および挿入は、接合によ
り発生する摩擦トルクがトルクリミッタ28側での所定
の空転トルクに達するまで継続される。
【0030】そして、この接合時での状態は、周面の表
面が溶着するのでなく、塑性変形による面同士の嵌合を
意味する面接合を主要因として接合すると考えられる。
【0031】ところで、アーマチャシャフト10とウォ
ーム12の孔部12Aとが摩擦接合して一体化されたと
きには、アーマチャシャフト10の回転を停止する必要
がある。つまり、接合されたにもかかわらず、さらにア
ーマチャシャフト10を回転させると、摩擦熱の異常発
生によってアーマチャシャフト10が溶解し、外径寸法
が変化して抜けやすくなったり、負荷される回転トルク
に対する耐久性が低下してしまうのを防止するためであ
る。
【0032】そこで、図2に示した装置においては、チ
ャック部材22とモータ24との間に配置されているト
ルクリミッタ28がこの役目を果す。つまり、トルクリ
ミッタ28は、アーマチャシャフト10とウォーム12
とが摩擦接合されるまでの間、モータ24の回転力をチ
ャック部材22に伝達してアーマチャシャフト10を回
転駆動する一方、アーマチャシャフト10とウォーム1
2とが摩擦接合したときには、アーマチャシャフト10
が回転しなくなることにより摩擦トルクは空転トルクに
達し、滑りを生じて空転する。このため、アーマチャシ
ャフト10とウォーム12とが摩擦接合されると、トル
クリミッタ28が空転することでモータ24の回転力が
チャック部材22に伝達されなくなる。
【0033】ところで、本発明者は、このような接合方
法によりアーマチャシャフト10とウォーム12との接
合状態を観測したところ、次に示す結果を得た。
【0034】すなわち、この観測は、摩擦接合のための
条件を次のように設定したものである。
【0035】挿入する側に相当する軸部(A)の材質:
S45C、SUS304 軸部が挿入される側に相当する孔部(B)を有した部品
の材質:S45C 軸部(A)の回転数:750rpm 軸部(A)の挿入速度:10mm/s 固着材:フージョンペーストNo. 430(商品名) 固着材は、ろう付けに用いるハンダをバインダ材によっ
て混練したものである。
【0036】そして、使用装置は、図2に示した構造を
備えたものであり、トルクリミッタ28の空転開始時の
トルクは1〜2Kgf ・mに設定されている。
【0037】このような諸条件により観測した項目は、
図3に示す固着状況、図4に示す固着時間、図5に示す
軸振れ量、図6に示す接合完了時の挿入距離である。
【0038】すなわち、固着状況に関しては、図3に示
す通りである。なお、図3中に表示された丸のうち、中
黒丸は固着したことを意味し、単なる丸は固着しなかっ
たことを意味している。
【0039】図3の結果から明らかなように、軸部
(A)と孔部(B)との間隙Kが1/100mm程度よ
りも小さくされた場合(但し、間隙Kなしを除く)、軸
部側と孔部側とが同材質では、固着材の使用および不使
用に拘らず良好な接合状態が得られた。そして、異種材
質の場合において固着材を用いたときには固着しないと
いう結果となった。この原因は明らかでないが、固着材
が軸部と孔部との表面間に位置することで潤滑機能を果
し、充分な摩擦熱の発生が得られなかったと推考され
る。したがって、異種材質の場合には、敢えて固着材を
用いなくても良好な固着状態が得られることになる。
【0040】なお、同種材質を用いた場合、発熱量に関
しての結果は、固着材を使用しない場合の方が発熱量が
高いという結果を得た。このことは、固着するまでの時
間が短くなることを意味している。
【0041】一方、上記固着状況が得られるまでの固着
時間に関しては、図4に示す通りである。なお、図4に
おいて、丸印は同種材質を用いた場合を示し、丸印のう
ち、黒丸印は固着材を用いた場合を、また、白丸印は固
着材を用いない場合をそれぞれ示し、また、四角印は異
種材質の場合をそれぞれ示している。
【0042】図4において、軸部(A)と孔部(B)と
が同種材質の場合には、2/100mm以下の間隙のう
ち、その間隙が大きくなるに従い固着までの時間は長く
なるものの、間隙が1/100mm程度に設定されてい
る場合には、固着材の使用、不使用に拘らず同一な結果
が得られた。このことは、敢えて固着材を用いなくて
も、両者の接合状態が確保できることを意味している。
【0043】さらに、両部材が同材質の場合(面粗度、
径等の条件が異種材質の場合と同じならば)低い温度で
両部材が結合し合い易く、また両部材の相対回転により
接合部分で結合と分裂が生じ発熱が促進されるからであ
ると推測する。
【0044】このような同種材質での結果に対し、異種
材質のとき、間隙Kを、2/100mm以下に設定した
とき、同種材質の場合よりも短い時間で固着が完了して
いる。これは、上記観測の場合、SUS材の方が熱伝導
率が低く、接合部分に熱が溜まりやすく温度上昇が早く
なるためと考えられる。したがって、異種材質の場合
(熱伝導率の低い材質との組み合わせ)の方が、接合に
要する時間を短縮できることになる。
【0045】また、軸振れ量に関しては、図5にその結
果が示されている。図5は、従来の接合方法として用い
られた、ローレット加工されたアーマチャシャフトを用
いた場合、および、四ッ溝加工が施されたアーマチャシ
ャフトを用いた場合を併せて示したものであり、間隙
を、1/100mmに設定した場合を示している。
【0046】図5から明らかなように、本実施例による
接合方法(摩擦接合)では、ローレット加工あるいは四
ッ溝加工されたアーマチャシャフトと孔部を有する部品
との接合方法による接合構造に比較して、軸の振れ量を
約1/5程度に減少させることができる。また、アーマ
チャシャフト10に直接ウォームを転造した場合に比べ
て本実施例の場合には、軸の振れ量を約1/7程度に減
少させることができた。
【0047】これは、アーマチャシャフト10のウォー
ム形成部分に転造、ローレット加工および四ッ溝加工等
が施され、この加工時に加えられる力がアーマチャシャ
フト10を曲げおよび変形させてしまうが、本実施例で
はこのような加工を必要としないので軸の振れ量は極め
て小さい。
【0048】一方、摩擦接合が完了した時点でのアーマ
チャシャフトの挿入距離は図6に示す通りである。この
挿入距離とは、図6(A)において符号Lで示すよう
に、孔縁15から軸端部16までの距離である。
【0049】図6から明らかなように、挿入距離Lに関
しては、異種材質を用いた場合の方が、同種材質の場合
に比べて短くすることができる。これは、異種材質を用
いた場合の方が、早く接合が完了するということであ
り、両者間で発生する発熱量により異種材質を使用して
いる(熱伝導率の低い材質を使用している)場合の方が
接合部分における温度上昇が早いからであると推測され
る。したがって、異種材質の場合には、接合に要する加
工時間を短縮することができることになる。
【0050】また、接合後のアーマチャシャフト10と
ウォーム12とを有する接合構造を、前記した窓ガラス
開閉機構のモータに用いた場合、窓ガラスの開閉に必要
なウォーム12での回転トルクを負荷して接合部での接
合強度を確認したところ、窓ガラスの開閉作動に必要な
回転トルク4〜5Kgf・cmを負荷しても特に異常は
見られなかった。なお、図1において符号dで示すアー
マチャシャフト10の外径は、3.175mmを用い
た。
【0051】以上のように、本実施例によれば、接合時
に発生する摩擦トルクに対応したモータ24の回転駆動
トルクが所定値以上のときトルクリミッタ28でモータ
24の回転駆動力の伝達を遮断することができるので、
アーマチャシャフト10への回転駆動力の伝達を自動的
に断つことができる。このため、一々、アーマチャシャ
フト10とウォーム12との接合状態を確認する必要が
ないので、装置の構造を簡単なものとすることができ
る。
【0052】なお、本発明は上記実施例に限ることなく
要旨の範囲内で種々変形することが可能である。
【0053】例えば、上記実施例ではアーマチャシャフ
ト10に挿入部10Aを、そしてウォーム12に孔部1
2Aを形成したが、ウォーム12側に縮径された挿入部
を形成し、かつアーマチャシャフト10側に孔部を形成
してこれらを摩擦接合するようにしてもよい。
【0054】また、接合構造に負荷される回転トルクに
対しての強度を確保するために、上記観測結果とは別
に、アーマチャシャフトの外径を変化させて両者の接合
部分の表面積を増加させてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アーマチ
ャシャフトの構造として、単に外径切削しただけのもの
を用いることができる。このため、アーマチャシャフト
とウォームとを接合するための加工工程数および加工時
間を少なくすることが可能になる。しかも、アーマチャ
シャフトには外力を作用させる加工を必要としないので
アーマチャシャフトの振れの原因をなくすことができ、
これによって、接合された部品の振れを少なくすること
が可能になる。
【0056】さらに、アーマチャシャフトとウォームの
孔部内周面と挿入部外周面を摩擦トルクが所定値に達す
るまでその周面全域にわたって摩擦接合しているので、
両者は強固に接合され所定の回転トルク以上での周方向
への接合強度を維持することができる。
【0057】また、本発明によれば、アーマチャシャフ
トとウォームとの接合を摩擦トルクが所定値に達するこ
とにより判断し、この摩擦トルクに対応する第1の駆動
手段の回転駆動トルクが所定値以上のときトルクリミッ
ト手段により第1の駆動手段からチャック部材への回転
駆動力の伝達を遮断しているので、均一なアーマチャシ
ャフトとウォームとの接合強度が得られると共に接合の
確認が容易である。また、第1の駆動手段の回転駆動ト
ルクが所定値以上のとき回転駆動力の伝達を遮断してい
るので、余分な摩擦が継続されることによる異常加熱で
アーマチャシャフトまたはウォームの接合部分が溶融し
てしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による接合方法が実施されるアーマチャ
シャフトと孔部との関係を説明するための斜視図であ
る。
【図2】本発明による接合方法を実施するために用いら
れる接合装置の構成を説明するための模式図である。
【図3】本発明による接合方法によって得られた接合部
での固着状況を説明するための線図である。
【図4】本発明による接合方法によって得られた接合部
での固着時間を説明するための線図である。
【図5】本発明による接合方法によって得られた接合部
での軸振れに関し、従来のものと比較した結果を説明す
るための線図である。
【図6】本発明による接合方法によって得られた接合部
でのアーマチャシャフトの挿入深さを説明するための図
であり、(A)は挿入深さを説明するための模式図、
(B)は挿入深さを示す表である。
【符号の簡単な説明】
10 アーマチャシャフト 12 ウォーム 12A 孔部 20 接合装置 22 チャック部材 24 第1の駆動手段であるモータ 26 第2の駆動手段であるエアシリンダ 28 トルクリミッタ 30 孔部を有する部品の保持手段であるバイス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォームと、該ウォームよりも硬度の高
    い異種の材質よりなるアーマチャシャフトとを用いると
    共に、該アーマチャシャフトと前記ウォームのいずれか
    一方に挿入部を、他方に前記挿入部が挿入される孔部を
    有し、前記挿入部の外周面と前記孔部の内周面との間に
    所定の間隙が設定された前記アーマチャシャフトと前記
    ウォームとを接合する接合方法であって、 前記アーマチャシャフトを一定の回転速度で回転させな
    がら前記孔部と前記挿入部との挿入代を増加し、前記孔
    部と前記挿入部との間の摩擦トルクが所定値に達するま
    で前記挿入部の外周面と前記孔部の内周面とを摩擦接合
    することを特徴とするアーマチャシャフトとウォームと
    の接合方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接合方法を利用する接合
    装置であって、 アーマチャシャフトを脱着可能に保持するチャック部材
    と、 該チャック部材を回転駆動させる第1の駆動手段と、 前記チャック部材を前記アーマチャシャフトの軸方向に
    移動させる第2の駆動手段と、 前記チャック部材と前記第1の駆動手段との間に設けら
    れ、前記第1の駆動手段の回転駆動トルクが所定値以上
    のとき前記第1の駆動手段から前記チャック部材への回
    転駆動力の伝達を遮断するトルクリミット手段と、 ウォームを脱着可能に保持する保持手段とを備え、 前記アーマチャシャフトと前記ウォームとの接合を摩擦
    トルクが所定値に達することにより判断し、前記摩擦ト
    ルクに対応する前記第1の駆動手段の回転駆動トルクが
    所定値以上のとき前記トルクリミット手段により前記第
    1の駆動手段から前記チャック部材への回転駆動力の伝
    達を遮断することを特徴とする接合装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112024633A (zh) * 2020-08-28 2020-12-04 黄巧燕 一种复合蜗杆成型方法及其制得的复合蜗杆

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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