JPH07174108A - シリンダ装置 - Google Patents

シリンダ装置

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JPH07174108A
JPH07174108A JP34478993A JP34478993A JPH07174108A JP H07174108 A JPH07174108 A JP H07174108A JP 34478993 A JP34478993 A JP 34478993A JP 34478993 A JP34478993 A JP 34478993A JP H07174108 A JPH07174108 A JP H07174108A
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JP
Japan
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piston
piston rod
abutting end
female screw
end surface
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JP34478993A
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Akinori Ro
明徳 盧
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンロッドのねじ部に応力集中が生じる
のを防止して、亀裂等が発生するのを防止する。 【構成】 固定ナット21の衝合端面21D内周側を全
周に亘って切欠くことにより全周切欠段部22を形成
し、ピストン10の衝合端面10Bと該固定ナット21
の雌ねじ部21Bとの間に隙間S1 を設ける構成として
いる。従って、固定ナット21の衝合端面21Dと衝合
するピストン10の衝合端面10Bが縮小方向への大き
な荷重によって変形した場合、全周切欠段部22によっ
て形成された全周隙間S1 は、この変形が雌ねじ部21
Bに作用するのを防止することにより、該雌ねじ部21
Bの第1山目付近に応力集中が生じるのを防止し、ピス
トンロッド8の雄ねじ部8Dの第1山目付近に作用する
応力を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば油圧ショベル等
に設けられた作業装置を作動させるのに用いて好適なシ
リンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5ないし図7に従来技術によるシリン
ダ装置として油圧シリンダ装置を例に挙げて説明する。
【0003】図において、1は油圧シリンダ装置を示
し、該油圧シリンダ装置1は、後述するシリンダ本体
2,ピストンロッド8,ピストン10,固定ナット11
等から大略構成されている。
【0004】まず、2は油圧シリンダ装置1の外殻を構
成するシリンダ本体を示し、該シリンダ本体2は、円筒
状のチューブ3と、該チューブ3の一端側を閉塞するボ
トムカバー4と、前記チューブ3の他端側に位置して段
付筒状に形成されたロッドガイド5とから両端側が閉塞
された筒状に形成され、前記ボトムカバー4の一端側
は、該シリンダ本体2を固定する取付ブラケット4Aと
なっている。また、前記ロッドガイド5,ボトムカバー
4には、後述する油室A,Bと連通する給排ポート6,
7がそれぞれ穿設されている。
【0005】8は一端側がシリンダ本体2内に進入し、
他端側がロッドガイド5を介してシリンダ本体2外に突
出したピストンロッドを示し、該ピストンロッド8の一
端側は、肩部8Aを介して小径部8Bとなり、他端側
は、該ピストンロッド8を固定する取付ブラケット8C
となっている。また、前記小径部8Bの先端側外周は、
図6に示す如く、固定ナット11の雌ねじ部11Bと螺
合する雄ねじ部8Dとなり、該雄ねじ部8Dの一端側に
は、後述するセットスクリュ12の先端が当接する固定
溝8Eが全周に亘って形成されている。さらに、該小径
部8Bの先端には、一側に向けて突出する円柱状の一側
クッション8Fが一体に形成され、該一側クッション8
Fは該ピストンロッド8の最縮小時にボトムカバー4内
に進入して給排ポート7から流出する油液に流動抵抗を
与え、このときの衝撃を緩和させるものである。
【0006】9はピストンロッド8の小径部8B外周側
に位置して肩部8Aとピストン10との間に配設された
円筒状の他側クッションを示し、該他側クッション9は
ピストン10と共に固定ナット11によってピストンロ
ッド8に固定されている。そして、該他側クッション9
は、一側クッション8Fと同様に、ピストンロッド8の
最伸長時にロッドガイド5内に進入して給排ポート6か
ら流出する油液に流動抵抗を与え、このときの衝撃を緩
和させるものである。
【0007】10はシリンダ本体2内に軸方向に摺動可
能に挿嵌され、該シリンダ本体2内を左,右2つの油室
A,Bに画成したピストンを示し、該ピストン10の軸
中心には、ピストンロッド8の小径部8Bが挿通される
挿嵌穴としての小径穴部10Aが軸方向に貫通して形成
され、該小径穴部10Aの他端側には衝合端面10Bを
介して拡径した大径穴部10Cが形成されている。そし
て、該大径穴部10C内には固定ナット11の他端側が
進入し、該衝合端面10Bには該固定ナット11の衝合
端面11Dが衝合するようになっている。
【0008】11はピストンロッド8の一端側に設けら
れた固定ナットを示し、該固定ナット11は、段付円筒
状に形成されたナット本体11Aと、該ナット本体11
Aの内周側に形成された雌ねじ部11Bと、前記ナット
本体11Aの一端側に位置して前記ピストンロッド8の
固定溝8Eに対応するように径方向に形成された固定ね
じ穴11Cとから大略構成され、該固定ねじ穴11Cに
は、該固定ナット11の廻止めをするセットスクリュ1
2が螺着されている。また、前記ナット本体11Aの他
端面はピストン10の衝合端面10Bと衝合する衝合端
面11Dとなっている。
【0009】かくして、前記固定ナット11は、ピスト
ン10を他側クッション9を介してピストンロッド8の
肩部8Aに当接するまで小径部8Bに取付けた状態で、
ピストンロッド8の雄ねじ部8Dに雌ねじ部11Bを螺
合させ、他端側を前記ピストン10の大径穴部10C内
に挿入しつつ衝合端面11Dとピストン10の衝合端面
10Bを互いに衝合させて押圧し、該ピストン10,他
側クッション9を前記肩部8Aとの間に挟持して固定す
る。そして、この状態で該固定ナット11はその固定ね
じ穴11Cにセットスクリュ12が螺着されて廻止めが
施される。
【0010】従来技術による油圧シリンダ装置1は上述
の如き構成を有するもので、油圧ポンプからの圧油をホ
ース等(いずれも図示せず)を介して給排ポート6から
油室A内に供給することにより、ピストン10,固定ナ
ット11を介してピストンロッド8を縮小動作させ、ま
た、圧油を給排ポート7から油室B内に供給することに
より、今度はピストン10,肩部8Aを介してピストン
ロッド8を伸長動作させるようになっている。また、前
記ピストンロッド8の最縮小時および最伸長時には、該
ピストンロッド8の一側クッション8Fおよび他側クッ
ション9によってこのときの衝撃を緩和するようにして
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による油圧シリンダ装置1では、雄ねじ部8Dに
固定ナット11の雌ねじ部11Bを螺着してピストン1
0,他側クッション9等をピストンロッド8に固定し、
該ピストンロッド8の縮小動作時の荷重を該固定ナット
11で受承させているから、この縮小動作時の荷重が固
定ナット11を介してピストンロッド8の雄ねじ部8D
に全て作用してしまい、該雄ねじ部8Dに亀裂が生じ易
いという問題がある。
【0012】また、建設機械の作業装置に用いられる油
圧シリンダ装置1にあっては、掘削作業等を行なうとき
に、この掘削時の荷重がピストンロッド8の雄ねじ部8
Dに急激に加わることにより、該雄ねじ部8Dのねじ山
がせん断破壊を生じて剥れるように崩れる、所謂一発破
壊が生じてしまうという問題がある。
【0013】そこで、上述の問題を解明すべく、ボトム
カバー4の取付ブラケット4Aとピストンロッド8の取
付ブラケット8Cとを任意の幅寸法で固定した状態で各
給排ポート6,7から圧油を給,排させて雄ねじ部8D
に加わる荷重(応力)の状態を測定した。この結果、図
7に示す如く、固定ナット11の雌ねじ部11Bが螺合
しているピストンロッド8の雄ねじ部8D他端側の第1
山目付近に他のねじ山と比較して非常に大きな応力が加
わっていた。
【0014】そして、これらの原因としては、ピストン
10の衝合端面10Bと固定ナット11の衝合端面11
Dとの衝合によって該各衝合端面10B,11Dが変形
し、この変形によって固定ナット11の雌ねじ部11B
他端側が押圧されて歪を生じ、この部分に位置するピス
トンロッド8の雄ねじ部8Dの第1山目付近に大きな応
力が作用しているものと思われる。これらのことから、
図6中のC部付近に応力が集中してこのC部に亀裂が生
じてしまうばかりか、この亀裂の成長によって該雄ねじ
部8Dが破断してしまうということが解明された。
【0015】そこで、上述したようなピストンロッド8
の雄ねじ部8Dの損傷を防止するために、該雄ねじ部8
Dの径寸法を大きくして剛性を高めることが考えられる
が、該雄ねじ部8Dの径寸法を大きくすると、肩部8A
と他側クッション9との衝合面積が減少して衝合面の面
圧が過大となってしまい、該他側クッション9が破損し
てしまう。また、この対応策としてピストンロッド8の
径寸法を大きくして肩部8Aと他側クッション9との衝
合面積を増大することも考えられるが、ピストンロッド
8の大径化に伴なってシリンダ本体2を大径化しなくて
はならず、結果として当該油圧シリンダ装置1全体が大
型化してしまうという問題がある。
【0016】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、ピストンロッドの雄ねじ部に応力集中が
生じるのを防止して、亀裂等の発生を防止できるように
したシリンダ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明が採用するシリンダ装置の構成は、両端
側が閉塞されたシリンダ本体と、一端側が該シリンダ本
体内に進入して雄ねじ部となり、他端側が該シリンダ本
体外に突出したピストンロッドと、前記シリンダ本体内
に軸方向に摺動可能に設けられ、該ピストンロッドが挿
嵌される挿嵌穴が形成されたピストンと、前記ピストン
ロッドの雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有し、当該雌ね
じ部を雄ねじ部に締着することにより衝合端面で該ピス
トンを押圧してピストンロッドに固定する固定ナットと
を備え、該固定ナットの衝合端面内周側を全周に亘って
切欠くことにより、前記ピストンの衝合端面と該固定ナ
ットの雌ねじ部との間に全周隙間を形成する全周切欠段
部を設けたことにある。
【0018】また、前記固定ナットの内周側には、軸方
向中間部を全周に亘って凹設することにより全周凹溝部
を設けるのが好ましい。
【0019】
【作用】上記構成により、ピストンの縮小動作時に該ピ
ストンと固定ナットとが大きな荷重で衝合し、各衝合端
面が変形した場合、この変形は全周切欠段部によってピ
ストンの衝合端面と固定ナットの雌ねじ部との間に形成
された隙間によって吸収され、該雌ねじ部への作用が防
止される。これにより、雌ねじ部全体に荷重が分散され
てピストンロッドの雄ねじ部への応力集中が防止され
る。
【0020】また、固定ナットの内周側の軸方向中間部
を全周に亘って凹設して全周凹溝部を設けることによ
り、比較的大きな応力が作用する雌ねじ部他端側(ピス
トン側)の弾性変形を許して変形自由度をもたせ、該雌
ねじ部の一端側に応力を配分し、受承応力の均等化を図
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図4に基
づいて説明する。
【0022】まず、図1および図2に本発明の第1の実
施例による油圧シリンダ装置1を示す。なお、実施例で
は前述した図5ないし図7に示す従来技術と同一の構成
要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0023】まず、図1および図2は本発明の第1の実
施例を示している。
【0024】図において、21は従来技術による固定ナ
ット11に代えて用いられる本実施例による固定ナット
を示し、該固定ナット21は、従来技術で述べた固定ナ
ット11とほぼ同様に、段付円筒状に形成されたナット
本体21Aと、該ナット本体21Aの内周側に形成され
た雌ねじ部21Bと、前記ナット本体21Aの一端側に
位置してピストンロッド8の固定溝8Eに対応するよう
に径方向に形成された固定ねじ穴21Cとから大略構成
され、前記ナット本体21Aの他端面はピストン10の
衝合端面10Bと衝合する衝合端面21Dとなってい
る。しかし、該固定ナット21は、前記衝合端面21D
の内周側に後述する全周切欠段部22が形成されている
点で、従来技術による固定ナット11と相違している。
【0025】22は固定ナット21の衝合端面21D内
周側に位置し、雌ねじ部21Bの他端部を全周に亘って
切欠くことによってピストン10側に向けて開口するよ
うに形成された全周切欠段部を示し、該全周切欠段部2
2は、該衝合端面10Bと雌ねじ部21Bとの間に全周
隙間S1 を形成している。
【0026】なお、該全周切欠段部22の径方向寸法H
1 および軸方向寸法W1 は、衝合端面21Dの面圧や雌
ねじ部21Bの螺合量等を考慮して、径方向寸法H1 を
例えば雌ねじ部21B(雄ねじ部8D)のねじ山高さ
(ひっかかり高さ)寸法H2 と同等に設定し、軸方向寸
法W1 を雌ねじ部21Bの0.5ピッチ以上、例えば約
1ピッチに設定するのが好ましい。そして、該全周切欠
段部22は、ピストン10の衝合端面10Bと雌ねじ部
21Bとの間に全周隙間S1 を形成することにより、固
定ナット21の締着によってピストン10の衝合端面1
0B等が変形したときに、この変形が雌ねじ部21Bに
作用するのを防止し、ピストンロッド8の雄ねじ部8D
の第1山目付近に応力が集中するのを防止するようにな
っている。
【0027】本実施例による油圧シリンダ装置1は上述
の如き構成を有するもので、その基本的動作については
従来技術によるものと格別差異はない。
【0028】然るに、本実施例では、固定ナット21の
衝合端面21D内周側に全周切欠段部22を設け、ピス
トン10の衝合端面10Bと該固定ナット21の雌ねじ
部21Bとの間に全周隙間S1 を設ける構成としてい
る。従って、固定ナット21の衝合端面21Dと衝合す
るピストン10の衝合端面10Bが縮小方向への大きな
荷重によって変形した場合でも、全周切欠段部22によ
って形成した全周隙間S1 でこの変形が雌ねじ部21B
に作用するのを防止することができ、該雌ねじ部21B
の第1山目付近に応力集中が生じるのを防止することが
できる。この結果、図2に実線で示すようにピストンロ
ッド8の雄ねじ部8Dの第1山目付近に作用する応力を
小さくして、応力を第2山目以降に配分することがで
き、応力を該雄ねじ部8D全体に配分することができる
(なお、図2中の点線は従来技術によるものである)。
【0029】かくして、本実施例によれば、固定ナット
21の衝合端面21Dで受承する荷重による応力を雌ね
じ部21B全体に配分し、ピストンロッド8の雄ねじ部
8Dの第1山目付近の応力集中を防止することができる
から、この応力を該雄ねじ部8D全体に分散でき、該雄
ねじ部8Dに亀裂や破断等が生じるのを防止して寿命を
延ばし、信頼性を大幅に向上することができる。
【0030】また、全周切欠段部22の径方向寸法H1
を雌ねじ部21B(雄ねじ部8D)のねじ山高さ(ひっ
かかり高さ)寸法H2 と同等に設定し、軸方向寸法W1
を雌ねじ部21Bの約1ピッチに設定することにより、
ピストン10の衝合端面10Bと固定ナット21の雌ね
じ部21Bとを全周隙間S1 で確実に離間させることが
できるから、ピストン10の衝合端面10Bの変形が雌
ねじ部21Bに作用するのを確実に防止でき、ピストン
ロッド8の雄ねじ部8Dへの応力集中をより効果的に防
止することができる。
【0031】次に、図3および図4は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、固定ナット内周側の軸
方向中間部を全周に亘って凹設して全周凹溝部を設けた
ことにある。
【0032】図において、31は前記第1の実施例によ
る固定ナット21に代えて用いられる本実施例による固
定ナットを示し、該固定ナット31は、段付円筒状に形
成されたナット本体31Aと、該ナット本体31Aの内
周側に形成された雌ねじ部31Bと、前記ナット本体3
1Aの一端側に位置してピストンロッド8の固定溝8E
に対応するように径方向に形成された固定ねじ穴31C
とから大略構成され、前記ナット本体31Aの他端面は
ピストン10の衝合端面10Bと衝合する衝合端面31
Dとなっている。
【0033】32は固定ナット31の衝合端面31D内
周側に位置し、雌ねじ部31Bの他端部を全周に亘って
切欠くことによってピストン10側に向けて開口するよ
うに形成された全周切欠段部を示し、該全周切欠段部3
2は、該衝合端面10Bと雌ねじ部31Bとの間に全周
隙間S2 を形成している。そして、該全周切欠段部32
は、ピストン10の衝合端面10Bと雌ねじ部31Bと
の間に全周隙間S2 を形成することにより、固定ナット
31の締着によってピストン10の衝合端面10B等が
変形したときに、この変形が雌ねじ部31Bに作用する
のを防止し、ピストンロッド8の雄ねじ部8Dの第1山
目付近に応力が集中するのを防止するようになってい
る。
【0034】33は固定ナット31の内周側の軸方向中
間部を全周に亘って凹設することにより形成された全周
凹溝部を示し、該全周凹溝部33は、雌ねじ部31Bの
全長の10〜30%程度、実施例では全周切欠段部32
から雌ねじ部31Bの4ピッチ程度の離間寸法Lをもっ
て離間した位置に配設され、内部に全周隙間S3 を形成
している。そして、該全周凹溝部33は、雌ねじ部31
Bの軸方向中間部に全周隙間S3 を形成することによ
り、該雌ねじ部31Bの第3,4山目が弾性変形するの
を許し、この弾性変形によって第2山目以降の応力分担
を大ならしめている。
【0035】なお、全周切欠段部32の径方向寸法H3
,軸方向寸法W2 および全周凹溝部33の径方向寸法
H4 ,軸方向寸法W3 は、衝合端面31Dの面圧や雌ね
じ部31Bの螺合量等を考慮して、全周切欠段部32,
全周凹溝部33の径方向寸法H3 ,H4 が雌ねじ部31
B(雄ねじ部8D)のねじ山高さ(ひっかかり高さ)寸
法H5 と同等に設定し、全周切欠段部32の軸方向寸法
W2 が雌ねじ部31Bの約1ピッチに、また、全周凹溝
部33の軸方向寸法W3 が雌ねじ部31Bの0.5ピッ
チ以上、例えば約1.5ピッチに設定されている。
【0036】かくして、このように構成される本実施例
においても、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を
得ることができるものの、特に、本実施例では、全周切
欠段部32に加えて固定ナット31の内周側の軸方向中
間部を全周に亘って凹設することにより全周凹溝部33
を設け、全周隙間S3 を形成するようにしているから、
この全周隙間S3 により雌ねじ部31Bの第3,4山目
を弾性変形させることができ、該雌ねじ部31Bの第2
山目以降の応力分担を大きくすることができる。この結
果、図4に実線で示すようにピストンロッド8の雄ねじ
部8Dの第1山目付近に作用する応力をより小さくし
て、応力を第2山目以降、特に第3,4山に多く配分す
ることができ、応力を該雄ねじ部8D全体に配分して応
力集中を確実に防止することができる(なお、図4中の
点線は従来技術によるものである)。
【0037】なお、前記第2の実施例では、全周凹溝部
33を全周切欠段部32から雌ねじ部31Bの4ピッチ
程度の離間寸法Lをもって離間した位置に配設するもの
として述べたが、全周凹溝部33と全周切欠段部32と
の離間寸法Lは約4ピッチに限ることなく、ねじピッチ
等に応じ、雌ねじ部31Bの10〜30%程度の範囲で
適宜変更して用いることができる。
【0038】また、前記各実施例では、全周切欠段部2
2,32の径方向寸法H1 ,H3 を固定ナット21,3
1の雌ねじ部21B,31Bのねじ山高さ寸法H2 ,H
5 と同等に設定し、全周切欠段部22,32の軸方向寸
法W1 ,W3 を雌ねじ部21B,31Bの約1ピッチに
設定した場合を例に挙げて説明したが、ピストン10の
衝合端面10Bと雌ねじ部21B,31Bとの間に全周
隙間S1 ,S2 を形成しうる寸法であれば、これに限る
ものではない。
【0039】さらに、前記第2の実施例では、全周凹溝
部33の径方向寸法H4 を固定ナット31の雌ねじ部3
1Bのねじ山高さ寸法H5 と同等に設定し、軸方向寸法
W4を雌ねじ部31Bの約1.5ピッチに設定するもの
として述べたが、固定ナット31の内周側の軸方向中間
に全周隙間S3 を形成できるのであれば、これに限るも
のではない。
【0040】また、前記各実施例では、全周切欠段部2
2,32および全周凹溝部33を断面方形状の全周隙間
S1 ,S2 ,S3 を形成すべく、矩形状に切欠いたり凹
設した場合を例に挙げて図示したが、全周切欠段部およ
び全周凹溝部を円弧状,三角形状等の他の形状に形成し
てもよい。
【0041】さらにまた、前記各実施例では、シリンダ
装置として油圧シリンダ装置1を例に挙げて説明した
が、ピストンを固定ナットを介してピストンロッドに固
定する形式のシリンダ装置であれば、空圧シリンダ装置
等の他のシリンダ装置に適用してもよい。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、固
定ナットの衝合端面内周側を全周に亘って切欠くことに
より全周切欠段部を設け、ピストンの衝合端面と固定ナ
ットの雌ねじ部との間に全周隙間を形成する構成として
いるから、ピストンロッドの縮小動作時にピストンと固
定ナットとが大きな荷重で衝合し、各衝合端面に変形が
生じた場合でも、ピストンと雌ねじ部との間の全周隙間
によってこの変形が該雌ねじ部に作用するのを確実に防
止することができ、これにより、雌ねじ部の一部に荷重
が集中するのを防止して、ピストンロッドの雄ねじ部へ
の応力集中を防止することができ、よって、該雄ねじ部
に亀裂や破損が生じるのを防止して、寿命や信頼性を向
上することができる。
【0043】また、固定ナットの内周側の軸方向中間部
を全周に亘って凹設して全周凹溝部を設けることによ
り、比較的荷重分担の大きい雌ねじ部他端側(ピストン
側)の弾性変形を許して変形自由度をもたせることがで
き、雌ねじ部他端側を荷重に応じて変形させることで該
雌ねじ部の一端側に応力を配分して、ピストンロッドの
雄ねじ部への応力をより均等化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるピストンロッド,
ピストンおよび固定ナットを示す図6と同様位置の拡大
縦断面図である。
【図2】図1中のピストンロッドのねじ山に加わる応力
を示す特性線図である。
【図3】本発明の第2の実施例によるピストンロッド,
ピストンおよび固定ナットを示す図6と同様位置の拡大
縦断面図である。
【図4】図3中のピストンロッドのねじ山に加わる応力
を示す特性線図である。
【図5】従来技術による油圧シリンダ装置を示す縦断面
図である。
【図6】図5中のピストンロッド,ピストンおよび固定
ナットを示す拡大縦断面図である。
【図7】図5中のピストンロッドのねじ山に加わる応力
を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ装置 2 シリンダ本体 8 ピストンロッド 8D 雄ねじ部 10 ピストン 10A 小径穴部 10B 衝合端面 21,31 固定ナット 21B,31B 雌ねじ部 21D,31D 衝合端面 22,32 全周切欠段部 33 全周凹溝部 S1 ,S2 ,S3 全周隙間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端側が閉塞されたシリンダ本体と、一
    端側が該シリンダ本体内に進入して雄ねじ部となり、他
    端側が該シリンダ本体外に突出したピストンロッドと、
    前記シリンダ本体内に軸方向に摺動可能に設けられ、該
    ピストンロッドが挿嵌される挿嵌穴が形成されたピスト
    ンと、前記ピストンロッドの雄ねじ部に螺合する雌ねじ
    部を有し、当該雌ねじ部を雄ねじ部に締着することによ
    り衝合端面で該ピストンを押圧してピストンロッドに固
    定する固定ナットとを備え、該固定ナットの衝合端面内
    周側を全周に亘って切欠くことにより、前記ピストンの
    衝合端面と該固定ナットの雌ねじ部との間に全周隙間を
    形成する全周切欠段部を設けてなるシリンダ装置。
  2. 【請求項2】 前記固定ナットの内周側には、軸方向中
    間部を全周に亘って凹設することにより全周凹溝部を設
    けてなる請求項1に記載のシリンダ装置。
JP34478993A 1993-12-20 1993-12-20 シリンダ装置 Pending JPH07174108A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015510093A (ja) * 2012-02-29 2015-04-02 キャタピラー インコーポレイテッドCaterpillar Incorporated ピストン保持装置および方法

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