JPH07173715A - 分解性フィラメント - Google Patents
分解性フィラメントInfo
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- JPH07173715A JPH07173715A JP5321721A JP32172193A JPH07173715A JP H07173715 A JPH07173715 A JP H07173715A JP 5321721 A JP5321721 A JP 5321721A JP 32172193 A JP32172193 A JP 32172193A JP H07173715 A JPH07173715 A JP H07173715A
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- solvent
- filament
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- aliphatic
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- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、十分な引張強度と柔軟性、そして
生体吸収性と分解性を持ち、分解によって毒性を持つ恐
れのある物質を生じないポリマー組成物からなる新規の
フィラメントを提供する。 【構成】 脂肪族多価アルコール類またはその混合物と
脂肪族多塩基酸類またはその混合物、あるいはさらに脂
肪族ヒドロキシカルボン酸またはその混合物、またはそ
のオリゴマーを有機溶媒を含む反応混合物中で縮合反応
することにより得られる高分子量の脂肪族ポリエステル
を主成分とするポリマー組成物からなるフィラメント。
生体吸収性と分解性を持ち、分解によって毒性を持つ恐
れのある物質を生じないポリマー組成物からなる新規の
フィラメントを提供する。 【構成】 脂肪族多価アルコール類またはその混合物と
脂肪族多塩基酸類またはその混合物、あるいはさらに脂
肪族ヒドロキシカルボン酸またはその混合物、またはそ
のオリゴマーを有機溶媒を含む反応混合物中で縮合反応
することにより得られる高分子量の脂肪族ポリエステル
を主成分とするポリマー組成物からなるフィラメント。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪族多価アルコール
類、脂肪族多塩基酸類、脂肪族ヒドロキシカルボン酸類
との直接縮合反応により得られる脂肪族ポリエステルを
主成分とするポリマー組成物からなり生体内において分
解、吸収され、また、自然環境下においては生分解、加
水分解するフィラメントに関する。さらに詳しくは、柔
軟性と引張強度が改良された分解性フィラメントに関す
る。
類、脂肪族多塩基酸類、脂肪族ヒドロキシカルボン酸類
との直接縮合反応により得られる脂肪族ポリエステルを
主成分とするポリマー組成物からなり生体内において分
解、吸収され、また、自然環境下においては生分解、加
水分解するフィラメントに関する。さらに詳しくは、柔
軟性と引張強度が改良された分解性フィラメントに関す
る。
【0002】
【従来技術】生体吸収性外科用フィラメントについて
は、従来主流であった牛の小腸組織を分割、精製後研磨
し、テグス状にしたカットガットは、生体内において引
張強度保持率が急速に低下し、また、患者によって体内
への吸収速度が大きく異なるという欠点を有するため合
成繊維により代替されつつある。また、絹糸は生体内に
おいて長い期間を経て加水分解し、腸の縫合などの生体
内分解が要求される縫合部位に使用されるが、強度が足
りないため合成繊維はこの絹糸をも代替しつつある。
は、従来主流であった牛の小腸組織を分割、精製後研磨
し、テグス状にしたカットガットは、生体内において引
張強度保持率が急速に低下し、また、患者によって体内
への吸収速度が大きく異なるという欠点を有するため合
成繊維により代替されつつある。また、絹糸は生体内に
おいて長い期間を経て加水分解し、腸の縫合などの生体
内分解が要求される縫合部位に使用されるが、強度が足
りないため合成繊維はこの絹糸をも代替しつつある。
【0003】合成繊維の吸収糸ではポリグリコール酸を
素材としたものが最も多く、Opeporix、Dexon、Medifit
等がポリグリコール酸を素材としたものとして市場に出
ている。しかし、ポリグリコール酸のホモポリマーは素
材の剛性が高いため、マルチフィラメントとして応用さ
れ、また、ポリグラクチン910はグリコリドとラクチ
ドのコポリマーであるが、これも同様の理由によりマル
チフィラメントとして市販されている。
素材としたものが最も多く、Opeporix、Dexon、Medifit
等がポリグリコール酸を素材としたものとして市場に出
ている。しかし、ポリグリコール酸のホモポリマーは素
材の剛性が高いため、マルチフィラメントとして応用さ
れ、また、ポリグラクチン910はグリコリドとラクチ
ドのコポリマーであるが、これも同様の理由によりマル
チフィラメントとして市販されている。
【0004】一方、ポリジオキサノン、グリコリド−共
重合体からなる縫合糸もあり、素材は柔軟で生体内での
分解速度が遅いという特性がある。そして、この縫合糸
は弾性があり、モノフィラメント形状で市販されてい
る。しかし、これまで述べてきた合成繊維はすべて価格
が非常に高いという問題があった。
重合体からなる縫合糸もあり、素材は柔軟で生体内での
分解速度が遅いという特性がある。そして、この縫合糸
は弾性があり、モノフィラメント形状で市販されてい
る。しかし、これまで述べてきた合成繊維はすべて価格
が非常に高いという問題があった。
【0005】また、釣り糸については、今日ではナイロ
ン6等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル系の合成繊維が使用されている。このよ
うな釣り糸には高強度、高耐久性が要求され、主として
これらの性能を有するものの開発が行われてきた(例え
ば、特開昭63−227812号公報に開示されるポリ
アミドフィラメント、特開昭63−317032号公報
に開示される芳香族ポリエステルフィラメント等)。従
って、これらの釣り糸はいずれも水中でも半永久的にそ
の高い強度を維持するもので、全く、あるいはほとんど
分解しない非分解性重合体や金属等の素材が使用されて
きた。
ン6等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル系の合成繊維が使用されている。このよ
うな釣り糸には高強度、高耐久性が要求され、主として
これらの性能を有するものの開発が行われてきた(例え
ば、特開昭63−227812号公報に開示されるポリ
アミドフィラメント、特開昭63−317032号公報
に開示される芳香族ポリエステルフィラメント等)。従
って、これらの釣り糸はいずれも水中でも半永久的にそ
の高い強度を維持するもので、全く、あるいはほとんど
分解しない非分解性重合体や金属等の素材が使用されて
きた。
【0006】しかしながら、近年、海、河川、湖沼など
に投棄または放置された釣具の自然環境への害や鳥類や
水性生物への害などの自然界への悪影響が問題視されて
きている。例えば、岩や杭にひっかかった等の何等かの
理由により水中に投棄または放置された釣り糸およびそ
れに付いた釣り針が、船舶のスクリュウに巻き付いて航
行に支障をきたしたり、鳥類や水性生物などに絡みつい
て生体系に少なからず影響を与えたりしていることが知
られるようになり、釣り人口の増加に伴って社会的に大
きな問題となりつつある。
に投棄または放置された釣具の自然環境への害や鳥類や
水性生物への害などの自然界への悪影響が問題視されて
きている。例えば、岩や杭にひっかかった等の何等かの
理由により水中に投棄または放置された釣り糸およびそ
れに付いた釣り針が、船舶のスクリュウに巻き付いて航
行に支障をきたしたり、鳥類や水性生物などに絡みつい
て生体系に少なからず影響を与えたりしていることが知
られるようになり、釣り人口の増加に伴って社会的に大
きな問題となりつつある。
【0007】そして、脂肪族多価アルコールと脂肪族多
塩基酸、または、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基
酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸を構成成分とする脂肪
族ポリエステルの製造方法について特開平4−1898
22号公報、特開平189823号公報、特開平5−1
48352号公報に記されてはいるが、これらのものは
すべて分子量を上げるためジイソシアネートを添加して
いる。従って、このようにして製造された脂肪族ポリエ
ステルは分解を受けたときに毒性の強いジアミンを生成
する可能性があるために医薬用途として体内に埋め込む
ことができないばかりでなく、自然環境下においても大
量に使用された場合には環境汚染の原因となりかねな
い。
塩基酸、または、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基
酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸を構成成分とする脂肪
族ポリエステルの製造方法について特開平4−1898
22号公報、特開平189823号公報、特開平5−1
48352号公報に記されてはいるが、これらのものは
すべて分子量を上げるためジイソシアネートを添加して
いる。従って、このようにして製造された脂肪族ポリエ
ステルは分解を受けたときに毒性の強いジアミンを生成
する可能性があるために医薬用途として体内に埋め込む
ことができないばかりでなく、自然環境下においても大
量に使用された場合には環境汚染の原因となりかねな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分な引張
強度と柔軟性、そして生体吸収性と分解性を持ち、分解
によって毒性を持つ恐れのある物質を生じないポリマー
組成物からなる新規のフィラメントを提供することを課
題とする。
強度と柔軟性、そして生体吸収性と分解性を持ち、分解
によって毒性を持つ恐れのある物質を生じないポリマー
組成物からなる新規のフィラメントを提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、脂肪族多価アルコ
ール類またはその混合物と脂肪族多塩基酸類またはその
混合物、あるいはさらに脂肪族ヒドロキシカルボン酸ま
たはその混合物、またはそのオリゴマーを、有機溶媒を
含む反応混合物中で直接縮合反応することにより得られ
る高分子量の脂肪族ポリエステルを合成した。そして、
該脂肪族ポリエステルを主成分とするポリマー組成物か
らなるフィラメントが十分な強度と柔軟性を持ち、ま
た、生体内、あるいは自然環境下での分解性を持つこと
を見い出し本発明を完成した。
を解決するために鋭意検討した結果、脂肪族多価アルコ
ール類またはその混合物と脂肪族多塩基酸類またはその
混合物、あるいはさらに脂肪族ヒドロキシカルボン酸ま
たはその混合物、またはそのオリゴマーを、有機溶媒を
含む反応混合物中で直接縮合反応することにより得られ
る高分子量の脂肪族ポリエステルを合成した。そして、
該脂肪族ポリエステルを主成分とするポリマー組成物か
らなるフィラメントが十分な強度と柔軟性を持ち、ま
た、生体内、あるいは自然環境下での分解性を持つこと
を見い出し本発明を完成した。
【0010】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル
は、脂肪族多価アルコール類またはその混合物と脂肪族
多塩基酸類またはその混合物のポリエステルであり、さ
らにモノマーとしてヒドロキシカルボン酸類またはその
混合物、またはそれらのオリゴマーを含むものであり、
有機溶媒を含む反応混合物中で直接縮合反応することに
より得られる。
は、脂肪族多価アルコール類またはその混合物と脂肪族
多塩基酸類またはその混合物のポリエステルであり、さ
らにモノマーとしてヒドロキシカルボン酸類またはその
混合物、またはそれらのオリゴマーを含むものであり、
有機溶媒を含む反応混合物中で直接縮合反応することに
より得られる。
【0011】脂肪族ポリエステルの重合度は、100か
ら20000である。これより低い重合度では成形品に
したときの強度が小さく実用に適さない。また、重合度
が高すぎると、熱時溶融した状態での粘度が高く、成形
加工性が劣る。重合方法は、多価アルコール類と多塩基
酸類あるいはさらにヒドロキシカルボン酸類を加えたも
のの加熱縮合反応を有機溶媒中で行い、生成した水また
は過剰のモノマーを該有機溶媒と共に反応系外に留出さ
せると共に、留出した有機溶媒に溶解する水またはモノ
マーの量以下の水またはモノマーの量を有する有機溶媒
を追加溶媒として反応系に装入しながら反応する。
ら20000である。これより低い重合度では成形品に
したときの強度が小さく実用に適さない。また、重合度
が高すぎると、熱時溶融した状態での粘度が高く、成形
加工性が劣る。重合方法は、多価アルコール類と多塩基
酸類あるいはさらにヒドロキシカルボン酸類を加えたも
のの加熱縮合反応を有機溶媒中で行い、生成した水また
は過剰のモノマーを該有機溶媒と共に反応系外に留出さ
せると共に、留出した有機溶媒に溶解する水またはモノ
マーの量以下の水またはモノマーの量を有する有機溶媒
を追加溶媒として反応系に装入しながら反応する。
【0012】多価アルコール類としては、脂肪族系水酸
基を持つものであり、例えばエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、
ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベン
ゼンジメタノール等があげられる。
基を持つものであり、例えばエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、
ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベン
ゼンジメタノール等があげられる。
【0013】また、多塩基酸類としては、脂肪族系カル
ボキシル基を持つものであり、例えばコハク酸、シュウ
酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二
酸、ドデカン二酸、1,4−フェニレンジ酢酸、フェニ
ルコハク酸等があげられ、もちろんこれらの無水物も用
いる事ができる。
ボキシル基を持つものであり、例えばコハク酸、シュウ
酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二
酸、ドデカン二酸、1,4−フェニレンジ酢酸、フェニ
ルコハク酸等があげられ、もちろんこれらの無水物も用
いる事ができる。
【0014】ヒドロキシカルボン酸類については、乳
酸、グリコール酸、3−ヒドロキシブチリックアシッ
ド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、3−ヒドロキ
シバレリックアシッド、5−ヒドロキシバレリックアシ
ッド、6−ヒドロキシカプロン酸等があげられる。
酸、グリコール酸、3−ヒドロキシブチリックアシッ
ド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、3−ヒドロキ
シバレリックアシッド、5−ヒドロキシバレリックアシ
ッド、6−ヒドロキシカプロン酸等があげられる。
【0015】分子内に不斉炭素を有する場合はD体、L
体、それぞれ単独であっても良いし、D体とL体の混合
物すなわちラセミ体であっても良い。
体、それぞれ単独であっても良いし、D体とL体の混合
物すなわちラセミ体であっても良い。
【0016】柔らかいフィラメントを得るためには、経
済性も考慮して、多価アルコールとしてエチレングリコ
ール、多塩基酸類としてコハク酸を用いたポリマーが好
ましく、乳酸およびグリコール酸を含む場合その割合は
50%以下が好ましく、20%以下がさらに好ましい。
済性も考慮して、多価アルコールとしてエチレングリコ
ール、多塩基酸類としてコハク酸を用いたポリマーが好
ましく、乳酸およびグリコール酸を含む場合その割合は
50%以下が好ましく、20%以下がさらに好ましい。
【0017】この加熱縮合反応においては触媒を使用し
てもしなくても良いが、触媒を用いる場合には、反応速
度を上げることができる。使用する触媒としては、周期
表のII、III、IV、V族の金属、その酸化物ある
いはその塩などがあげられる。具体的には、亜鉛末、錫
末、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ゲルマニウ
ム等の金属、酸化錫、酸化アンチモン、塩化亜鉛、酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金属
酸化物、塩化第一錫、塩化第二錫、臭化第一錫、臭化第
二錫、フッ化アンチモン、塩化亜鉛、塩化マグネシウ
ム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、硫酸錫、
硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸マグネシ
ウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、酢酸錫、オクタン酸錫、乳
酸錫、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム等の有機カルボン酸
塩、トリフルオロメタンスルホン酸錫、トリフルオロメ
タンスルホン酸亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸マ
グネシウム、メタンスルホン酸錫、p−トルエンスルホ
ン酸錫等の有機スルホン酸塩があげられる。その他、ジ
ブチルチンオキサイド等の上記金属の有機金属酸化物、
または、チタニウムイソプロポキサイド等の上記金属の
金属アルコキサイド、または、ジエチル亜鉛等の上記金
属のアルキル金属、または、ダウエックス、アンバーラ
イト等のイオン交換樹脂などがあげられる。
てもしなくても良いが、触媒を用いる場合には、反応速
度を上げることができる。使用する触媒としては、周期
表のII、III、IV、V族の金属、その酸化物ある
いはその塩などがあげられる。具体的には、亜鉛末、錫
末、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ゲルマニウ
ム等の金属、酸化錫、酸化アンチモン、塩化亜鉛、酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金属
酸化物、塩化第一錫、塩化第二錫、臭化第一錫、臭化第
二錫、フッ化アンチモン、塩化亜鉛、塩化マグネシウ
ム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、硫酸錫、
硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸マグネシ
ウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、酢酸錫、オクタン酸錫、乳
酸錫、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム等の有機カルボン酸
塩、トリフルオロメタンスルホン酸錫、トリフルオロメ
タンスルホン酸亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸マ
グネシウム、メタンスルホン酸錫、p−トルエンスルホ
ン酸錫等の有機スルホン酸塩があげられる。その他、ジ
ブチルチンオキサイド等の上記金属の有機金属酸化物、
または、チタニウムイソプロポキサイド等の上記金属の
金属アルコキサイド、または、ジエチル亜鉛等の上記金
属のアルキル金属、または、ダウエックス、アンバーラ
イト等のイオン交換樹脂などがあげられる。
【0018】その使用量は、使用する脂肪族多価アルコ
ール、脂肪族多塩基酸、および脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸、または、それらのオリゴマーの0.0001〜1
0重量%が良く、経済性と生体内で用いることを考慮す
ると、0.001〜2重量%が好ましい。
ール、脂肪族多塩基酸、および脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸、または、それらのオリゴマーの0.0001〜1
0重量%が良く、経済性と生体内で用いることを考慮す
ると、0.001〜2重量%が好ましい。
【0019】また、本発明に関わるポリエステルの製造
において用いられる溶媒は、例えば、トルエン、キシレ
ン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、
ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、
1,1,2,2−テトラクロロエタン、p−クロロトル
エン等のハロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェ
ノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエー
テル、アニソール、フェネトール、o−ジメトキシベン
ゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエ
ン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、
メトキシナフタレン等のエーテル系溶媒、フェニルスル
フィド、チオアニソール等のチオエーテル系溶媒、安息
香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル等のエス
テル系溶媒、ジフェニルエーテル、または4−メチルフ
ェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フ
ェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテ
ル、または、4−ブロモフェニルエーテル、4−クロロ
フェニルエーテル、4−ブロモフェニルエーテル、4−
メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン
置換ジフェニルエーテル、または、4−メトキシジフェ
ニルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3−メ
トキシフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシ
ジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエー
テル、または、ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジ
フェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒があげ
られ、これらは、混合して用いても良い。そして、溶媒
として容易に水と分液分離できるものが好ましく、特に
平均分子量の高いポリエステルを得るためにはエーテル
系溶媒、アルキル−アリールエーテル系溶媒およびジフ
ェニルエーテル系溶媒がより好ましいが、アルキル−ア
リールエーテル系溶媒およびジフェニルエーテル系溶媒
が特に好ましい。これらの溶媒の使用量は得られるポリ
マーの濃度で10〜80%であることが好ましい。
において用いられる溶媒は、例えば、トルエン、キシレ
ン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、
ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、
1,1,2,2−テトラクロロエタン、p−クロロトル
エン等のハロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェ
ノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエー
テル、アニソール、フェネトール、o−ジメトキシベン
ゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエ
ン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、
メトキシナフタレン等のエーテル系溶媒、フェニルスル
フィド、チオアニソール等のチオエーテル系溶媒、安息
香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル等のエス
テル系溶媒、ジフェニルエーテル、または4−メチルフ
ェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フ
ェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテ
ル、または、4−ブロモフェニルエーテル、4−クロロ
フェニルエーテル、4−ブロモフェニルエーテル、4−
メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン
置換ジフェニルエーテル、または、4−メトキシジフェ
ニルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3−メ
トキシフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシ
ジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエー
テル、または、ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジ
フェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒があげ
られ、これらは、混合して用いても良い。そして、溶媒
として容易に水と分液分離できるものが好ましく、特に
平均分子量の高いポリエステルを得るためにはエーテル
系溶媒、アルキル−アリールエーテル系溶媒およびジフ
ェニルエーテル系溶媒がより好ましいが、アルキル−ア
リールエーテル系溶媒およびジフェニルエーテル系溶媒
が特に好ましい。これらの溶媒の使用量は得られるポリ
マーの濃度で10〜80%であることが好ましい。
【0020】脂肪族ポリエステルの製造において、生成
した水または過剰のモノマーを反応系外に留出させるに
は、用いた有機溶媒と水またはモノマーとの共沸による
ことが好ましい。共沸により留出した有機溶媒は、含有
する水またはモノマーの量が該有機溶媒に対する水また
はモノマーの溶解度より多い場合は分液により水または
モノマーを除去した後、反応系内に戻してよくさらに用
いた有機溶媒に溶解した水またはモノマーを除くため
に、脱水、脱モノマー剤で処理したり、蒸留等により水
またはモノマーの含有量を低下させた後、反応系内に戻
してもよい。また共沸により留出した有機溶媒の代わり
に、新たな水またはモノマーの含有量の低い有機溶媒を
装入してもよい。また反応の始めの部分で水または過剰
のモノマーを減圧により除去し、その後に有機溶剤を加
え、有機溶媒を含む反応混合物より有機溶媒の一部を除
去することにより、反応混合物の水またはモノマーを所
定の値とすることもできる。
した水または過剰のモノマーを反応系外に留出させるに
は、用いた有機溶媒と水またはモノマーとの共沸による
ことが好ましい。共沸により留出した有機溶媒は、含有
する水またはモノマーの量が該有機溶媒に対する水また
はモノマーの溶解度より多い場合は分液により水または
モノマーを除去した後、反応系内に戻してよくさらに用
いた有機溶媒に溶解した水またはモノマーを除くため
に、脱水、脱モノマー剤で処理したり、蒸留等により水
またはモノマーの含有量を低下させた後、反応系内に戻
してもよい。また共沸により留出した有機溶媒の代わり
に、新たな水またはモノマーの含有量の低い有機溶媒を
装入してもよい。また反応の始めの部分で水または過剰
のモノマーを減圧により除去し、その後に有機溶剤を加
え、有機溶媒を含む反応混合物より有機溶媒の一部を除
去することにより、反応混合物の水またはモノマーを所
定の値とすることもできる。
【0021】つまり、少なくとも反応のある段階で溶媒
を用いて水またはモノマーを除去しつつ縮合反応を進め
るものであり、この実施形態としては、溶媒は水または
モノマーと共沸するものでもしないものでもよく、水ま
たはモノマーと分液するものでもしないものでもよい。
また、他の実施形態としては、過剰の溶媒を予め装入し
ておき、単に溶媒を抜き出すのみで脱水、脱モノマーす
る方法、反応溶媒を他の溶媒を用いて脱水、脱モノマー
する方法も含まれる。またさらに変形として、反応溶媒
自体を液状のまま水またはモノマーを除去してもよい。
また、反応温度については、溶媒が水またはモノマーと
共沸するために、沸点が低下したとしても所定の温度で
行えばよい。
を用いて水またはモノマーを除去しつつ縮合反応を進め
るものであり、この実施形態としては、溶媒は水または
モノマーと共沸するものでもしないものでもよく、水ま
たはモノマーと分液するものでもしないものでもよい。
また、他の実施形態としては、過剰の溶媒を予め装入し
ておき、単に溶媒を抜き出すのみで脱水、脱モノマーす
る方法、反応溶媒を他の溶媒を用いて脱水、脱モノマー
する方法も含まれる。またさらに変形として、反応溶媒
自体を液状のまま水またはモノマーを除去してもよい。
また、反応温度については、溶媒が水またはモノマーと
共沸するために、沸点が低下したとしても所定の温度で
行えばよい。
【0022】脂肪族ポリエステルの平均分子量は、反応
系に装入する有機溶媒の水またはモノマー量にも依存
し、溶媒の種類にもよるが、溶媒が400〜500pp
mと高い水またはモノマー量を有する場合、得られる脂
肪族ポリエステルの重量平均分子量は、15,000〜
50,000である。上記高水分、高モノマー量でもジ
フェニルエーテル系溶媒を用いると40,000〜5
0,000の重量平均分子量の脂肪族ポリエステルが得
られることは驚くべきことである。さらに、高い平均分
子量脂肪族ポリエステルを得るためには、反応系に装入
する有機溶媒の水またはモノマー量が低いことが望まし
く、共沸により留出した有機溶媒を脱水、脱モノマー剤
で処理して水またはモノマーを除去または減少させて反
応系内に戻すか水またはモノマー量の低い新たな有機溶
媒を反応器に装入することにより、装入する水またはモ
ノマー量を50ppm以下とすることにより重量平均分
子量50,000〜300,000の脂肪族ポリエステ
ルを得ることができる。
系に装入する有機溶媒の水またはモノマー量にも依存
し、溶媒の種類にもよるが、溶媒が400〜500pp
mと高い水またはモノマー量を有する場合、得られる脂
肪族ポリエステルの重量平均分子量は、15,000〜
50,000である。上記高水分、高モノマー量でもジ
フェニルエーテル系溶媒を用いると40,000〜5
0,000の重量平均分子量の脂肪族ポリエステルが得
られることは驚くべきことである。さらに、高い平均分
子量脂肪族ポリエステルを得るためには、反応系に装入
する有機溶媒の水またはモノマー量が低いことが望まし
く、共沸により留出した有機溶媒を脱水、脱モノマー剤
で処理して水またはモノマーを除去または減少させて反
応系内に戻すか水またはモノマー量の低い新たな有機溶
媒を反応器に装入することにより、装入する水またはモ
ノマー量を50ppm以下とすることにより重量平均分
子量50,000〜300,000の脂肪族ポリエステ
ルを得ることができる。
【0023】本発明のフィラメントに用いる平均分子量
の高いポリエステルを得るために用いる脱水、脱モノマ
ー剤としては、モレキュラシーブ3A、モレキュラシー
ブ4A、モレキュラシーブ5A、モレキュラシーブ13
X等のモレキュラシーブ類、アルミナ、シリカゲル、塩
化カルシウム、硫酸カルシウム、五酸化二リン、濃硫
酸、過塩素酸マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、あるいは、
水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム
アルミニウム等の金属水素化物、または、ナトリウム等
のアルカリ金属等があげられる。中でも、取扱いおよび
再生の容易さからモレキュラシーブ類が好ましい。
の高いポリエステルを得るために用いる脱水、脱モノマ
ー剤としては、モレキュラシーブ3A、モレキュラシー
ブ4A、モレキュラシーブ5A、モレキュラシーブ13
X等のモレキュラシーブ類、アルミナ、シリカゲル、塩
化カルシウム、硫酸カルシウム、五酸化二リン、濃硫
酸、過塩素酸マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、あるいは、
水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム
アルミニウム等の金属水素化物、または、ナトリウム等
のアルカリ金属等があげられる。中でも、取扱いおよび
再生の容易さからモレキュラシーブ類が好ましい。
【0024】本発明にかかわるポリエステルの製造方法
の一例を示すと以下の通りである。すなわち、分離器
(例えばDean Stark trap)を備えた反
応器に、溶媒および所定量のエチレングリコールとコハ
ク酸と乳酸と所定量の触媒を装入し、反応器を加熱し、
共沸により溶媒と水または過剰のモノマーを留出させ分
離器に導く。溶媒の溶解度以上の水またはモノマーを分
離器で分離して系外に除去し、溶解度分の水またはモノ
マーを含んだ溶媒は、反応系に戻す。この段階での重量
平均分子量は、500〜1,000であり、重量平均分
子量が5,000程度になっても良い。この間の反応時
間はおよそ0.5時間から数時間である。このオリゴマ
ー化の反応は、あらかじめ別の反応器で無溶媒、無触
媒、減圧化で行っても良いし、無触媒で溶媒を用いて行
っても良い。このまま溶媒の留出温度で反応が進むにつ
れて生成する水またはモノマーを除去し、水またはモノ
マーで飽和した溶媒を反応系に戻しながら反応を続けて
も良いが、数十時間反応しても溶媒の種類にもよるが、
重量平均分子量15,000〜50,000のものが得
られる。
の一例を示すと以下の通りである。すなわち、分離器
(例えばDean Stark trap)を備えた反
応器に、溶媒および所定量のエチレングリコールとコハ
ク酸と乳酸と所定量の触媒を装入し、反応器を加熱し、
共沸により溶媒と水または過剰のモノマーを留出させ分
離器に導く。溶媒の溶解度以上の水またはモノマーを分
離器で分離して系外に除去し、溶解度分の水またはモノ
マーを含んだ溶媒は、反応系に戻す。この段階での重量
平均分子量は、500〜1,000であり、重量平均分
子量が5,000程度になっても良い。この間の反応時
間はおよそ0.5時間から数時間である。このオリゴマ
ー化の反応は、あらかじめ別の反応器で無溶媒、無触
媒、減圧化で行っても良いし、無触媒で溶媒を用いて行
っても良い。このまま溶媒の留出温度で反応が進むにつ
れて生成する水またはモノマーを除去し、水またはモノ
マーで飽和した溶媒を反応系に戻しながら反応を続けて
も良いが、数十時間反応しても溶媒の種類にもよるが、
重量平均分子量15,000〜50,000のものが得
られる。
【0025】さらに高分子量のポリマーを得るには、原
料中の水または過剰のモノマーがほぼ留出した後、分離
器をはずし、モレキュラシーブ等の乾燥剤を充填した管
を取り付け留出する溶媒がこの管を通って還流するよう
にするか、留出した溶媒を乾燥剤を入れた別の反応器で
処理して反応器に戻すようにするか、または新たな水ま
たはモノマー含有量の低い溶媒を反応器に装入する。こ
れらの方法により溶媒の溶解する水またはモノマーの量
を50ppm以下にし、このまま数十時間反応を続ける
事により、溶媒の種類にもよるが、重量平均分子量5
0,000〜300,000のコポリマーを得る事がで
きる。反応終了後、所望のコポリマーを得る処理方法は
どのような方法でも良いが、例えば、反応液にクロロホ
ルムを加え加熱し、その後アセトンに排出し析出した結
晶をろ過、乾燥すれば所望のコポリマーが得られる。
料中の水または過剰のモノマーがほぼ留出した後、分離
器をはずし、モレキュラシーブ等の乾燥剤を充填した管
を取り付け留出する溶媒がこの管を通って還流するよう
にするか、留出した溶媒を乾燥剤を入れた別の反応器で
処理して反応器に戻すようにするか、または新たな水ま
たはモノマー含有量の低い溶媒を反応器に装入する。こ
れらの方法により溶媒の溶解する水またはモノマーの量
を50ppm以下にし、このまま数十時間反応を続ける
事により、溶媒の種類にもよるが、重量平均分子量5
0,000〜300,000のコポリマーを得る事がで
きる。反応終了後、所望のコポリマーを得る処理方法は
どのような方法でも良いが、例えば、反応液にクロロホ
ルムを加え加熱し、その後アセトンに排出し析出した結
晶をろ過、乾燥すれば所望のコポリマーが得られる。
【0026】この方法により得られる脂肪族ポリエステ
ルの重量平均分子量は、溶媒の種類、触媒の種類および
量、反応速度、反応時間、共沸により留出した溶媒の処
理方法等を変える事により、種々のものが得られるが、
約15,000〜300,000である。
ルの重量平均分子量は、溶媒の種類、触媒の種類および
量、反応速度、反応時間、共沸により留出した溶媒の処
理方法等を変える事により、種々のものが得られるが、
約15,000〜300,000である。
【0027】本発明の方法において、縮合反応を触媒の
存在下行った場合には、ポリマー中に触媒が残存すると
ポリマーの熱安定性、耐候性に影響するため、ポリマー
中の触媒を除くことが好ましい。好ましい除去方法とし
ては、縮合反応溶液を攪拌下またはそのまま冷却して得
られる粉末個体状のポリマーを、親水性有機溶媒の存在
下酸性物質と接触させる方法である。
存在下行った場合には、ポリマー中に触媒が残存すると
ポリマーの熱安定性、耐候性に影響するため、ポリマー
中の触媒を除くことが好ましい。好ましい除去方法とし
ては、縮合反応溶液を攪拌下またはそのまま冷却して得
られる粉末個体状のポリマーを、親水性有機溶媒の存在
下酸性物質と接触させる方法である。
【0028】この方法に使用される親水性有機溶媒とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類、酢酸、酪酸等のカルボン酸類、アセトニ
トリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル
イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等のア
ミド類等があげられる。特に、安価なしかも該ポリマー
を溶解しないアルコール類が好ましい。
ては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類、酢酸、酪酸等のカルボン酸類、アセトニ
トリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル
イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等のア
ミド類等があげられる。特に、安価なしかも該ポリマー
を溶解しないアルコール類が好ましい。
【0029】酸性物質としては、塩酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸等の無機酸、または、酢酸、パラトルエンスルホン
酸等の有機酸等があげられ、特に安価な塩酸、硫酸、硝
酸等が好ましい。酸性物質の使用量は、ポリマーに対し
て0.0001〜5.0モル/100重量部であり、好
ましくは0.001〜1モル/100重量部がよい。
0.0001モルより少ないと触媒の除去効果が悪くな
り、また5.0モルより多いとポリマーが劣化する等の
問題が生じる場合がある。
ン酸等の無機酸、または、酢酸、パラトルエンスルホン
酸等の有機酸等があげられ、特に安価な塩酸、硫酸、硝
酸等が好ましい。酸性物質の使用量は、ポリマーに対し
て0.0001〜5.0モル/100重量部であり、好
ましくは0.001〜1モル/100重量部がよい。
0.0001モルより少ないと触媒の除去効果が悪くな
り、また5.0モルより多いとポリマーが劣化する等の
問題が生じる場合がある。
【0030】この方法で用いるポリマーの個体状物とし
ては、粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状、ブロック状
の形態を示し、一般に該ポリマーを得る方法としては、
常法の一旦ポリマーを良溶媒に溶解した後、貧溶媒を滴
下あるいは貧溶媒中に滴下する方法、または特定の溶媒
に加熱溶解後冷却晶析する方法がある。
ては、粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状、ブロック状
の形態を示し、一般に該ポリマーを得る方法としては、
常法の一旦ポリマーを良溶媒に溶解した後、貧溶媒を滴
下あるいは貧溶媒中に滴下する方法、または特定の溶媒
に加熱溶解後冷却晶析する方法がある。
【0031】ポリマーの性状としては、好ましくは嵩密
度が0.60g/ml以下であるが、より好ましくは
0.05〜0.5g/mlが良い。嵩密度が0.60g
/mlより大きいと酸性物質との接触が不十分となるた
めポリマー中の触媒が除去しきれないことがあり、逆に
嵩密度が0.05g/mlより小さいと触媒の除去には
何ら問題はないが、処理後の濾過性が悪くなるため操作
的に問題が生じる場合がある。ポリマーと酸性物質を接
触させる条件としては、好ましくは親水性有機溶媒中固
形分濃度3〜40重量%程度、接触温度は0〜100
℃、特に好ましくは0〜60℃、接触時間0.1〜24
時間程度、特に好ましくは0.5〜8時間程度である。
度が0.60g/ml以下であるが、より好ましくは
0.05〜0.5g/mlが良い。嵩密度が0.60g
/mlより大きいと酸性物質との接触が不十分となるた
めポリマー中の触媒が除去しきれないことがあり、逆に
嵩密度が0.05g/mlより小さいと触媒の除去には
何ら問題はないが、処理後の濾過性が悪くなるため操作
的に問題が生じる場合がある。ポリマーと酸性物質を接
触させる条件としては、好ましくは親水性有機溶媒中固
形分濃度3〜40重量%程度、接触温度は0〜100
℃、特に好ましくは0〜60℃、接触時間0.1〜24
時間程度、特に好ましくは0.5〜8時間程度である。
【0032】本発明の脂肪族ポリエステルは、通常公知
のポリマーまたは可塑剤、さらに各種の改質剤を用い
て、ポリマー組成物として用いることができる。ポリマ
ー組成物中の脂肪族ポリエステルの占める割合は、目的
とする分解性により任意の割合のものが用いられるが、
一般には50%が好ましい。また、ポリマー組成物の製
造は公知の混練技術はすべて適用でき、組成物の形状は
ペレット、棒状、粉末等で用いられる。
のポリマーまたは可塑剤、さらに各種の改質剤を用い
て、ポリマー組成物として用いることができる。ポリマ
ー組成物中の脂肪族ポリエステルの占める割合は、目的
とする分解性により任意の割合のものが用いられるが、
一般には50%が好ましい。また、ポリマー組成物の製
造は公知の混練技術はすべて適用でき、組成物の形状は
ペレット、棒状、粉末等で用いられる。
【0033】本発明のポリマー組成物を紡糸、あるいは
さらに延伸して得られるフィラメントは生体内分解吸収
性外科用フィラメントとして用いることができ、マルチ
フィラメント、モノフィラメントのいずれの用途にも用
いられる。しかし、マルチフィラメントは多数のモノフ
ィラメントを合わせて編んだもので、縫合糸の表面が平
滑でなく、外科手術等に使用し結び目をつくる際、ある
いは生体組織を通過させる際に無視し得ない摩擦を生ず
る。そのためマルチフィラメントよりなる縫合糸におい
ては、表面の平滑性を向上させるために、滑剤などを表
面にコーティングすることが不可欠とされている。この
ことがさらに製造工程を複雑にする上にコーティング剤
の安全性の問題もある。このようなことから縫合糸とし
てはモノフィラメントの方が好ましいが、本発明のフィ
ラメントは十分な柔軟性を有するために好適に用いられ
る。
さらに延伸して得られるフィラメントは生体内分解吸収
性外科用フィラメントとして用いることができ、マルチ
フィラメント、モノフィラメントのいずれの用途にも用
いられる。しかし、マルチフィラメントは多数のモノフ
ィラメントを合わせて編んだもので、縫合糸の表面が平
滑でなく、外科手術等に使用し結び目をつくる際、ある
いは生体組織を通過させる際に無視し得ない摩擦を生ず
る。そのためマルチフィラメントよりなる縫合糸におい
ては、表面の平滑性を向上させるために、滑剤などを表
面にコーティングすることが不可欠とされている。この
ことがさらに製造工程を複雑にする上にコーティング剤
の安全性の問題もある。このようなことから縫合糸とし
てはモノフィラメントの方が好ましいが、本発明のフィ
ラメントは十分な柔軟性を有するために好適に用いられ
る。
【0034】紡糸には通常の公知押出機が使用できる。
押出機の口金(ノズル)の口径は必要とするフィラメン
トの直径と、押出機の吐出速度、引き取り速度、延伸倍
率等の関係により適宜決定されるが、好ましくは口径
0.5〜3.0mm程度である。紡糸方法は溶融紡糸、
または、湿式紡糸、乾式紡糸等の溶液紡糸等の公知の方
法が用いられる。
押出機の口金(ノズル)の口径は必要とするフィラメン
トの直径と、押出機の吐出速度、引き取り速度、延伸倍
率等の関係により適宜決定されるが、好ましくは口径
0.5〜3.0mm程度である。紡糸方法は溶融紡糸、
または、湿式紡糸、乾式紡糸等の溶液紡糸等の公知の方
法が用いられる。
【0035】溶融紡糸の場合、紡糸温度は好ましくは8
0℃〜230℃である。80℃未満では組成物の溶融粘
度が高すぎて紡糸が困難であり、また、230℃を越え
ると得られるフィラメントの強度が熱分解のために低く
なるので好ましくない。
0℃〜230℃である。80℃未満では組成物の溶融粘
度が高すぎて紡糸が困難であり、また、230℃を越え
ると得られるフィラメントの強度が熱分解のために低く
なるので好ましくない。
【0036】溶液紡糸の場合、溶媒にはクロロホルム、
ヘキサフルオロイソプロパノール、オルトクロロフェノ
ール等の溶媒が使用できる。この場合は溶媒の沸点以下
の温度にて紡糸を行う。溶液濃度は通常10〜30%程
度が好ましい。
ヘキサフルオロイソプロパノール、オルトクロロフェノ
ール等の溶媒が使用できる。この場合は溶媒の沸点以下
の温度にて紡糸を行う。溶液濃度は通常10〜30%程
度が好ましい。
【0037】紡糸により得られた未延伸糸は延伸するこ
とにより、引張り強度20kg/mm2以上の強度を有
するフィラメントとなる。好ましい延伸条件は、延伸温
度が40℃から110℃、延伸倍率が5〜25倍の範囲
である。延伸倍率が5以下であると十分な引張り強度を
持つものが得られない。また、25倍を越えると延伸の
際にフィラメントが切れることがあるので好ましくな
い。
とにより、引張り強度20kg/mm2以上の強度を有
するフィラメントとなる。好ましい延伸条件は、延伸温
度が40℃から110℃、延伸倍率が5〜25倍の範囲
である。延伸倍率が5以下であると十分な引張り強度を
持つものが得られない。また、25倍を越えると延伸の
際にフィラメントが切れることがあるので好ましくな
い。
【0038】また、本発明のフィラメントは生分解性を
持つ釣り糸としても用いることができ、上記組成物を紡
糸、あるいはさらに延伸することにより得られる。この
様にして得られた釣り糸は、所定期間内は使用に耐え得
る十分な引張り強度や曲げ強度を保持し、しかも、水中
に投棄または放置されるとその後に加水分解を受けて次
第に強度を低下し、最終的には分解消滅、あるいはバラ
バラに散逸する。
持つ釣り糸としても用いることができ、上記組成物を紡
糸、あるいはさらに延伸することにより得られる。この
様にして得られた釣り糸は、所定期間内は使用に耐え得
る十分な引張り強度や曲げ強度を保持し、しかも、水中
に投棄または放置されるとその後に加水分解を受けて次
第に強度を低下し、最終的には分解消滅、あるいはバラ
バラに散逸する。
【0039】本発明の釣り糸に適用される素材である生
分解性、加水分解性ポリエステルはその繊維の形状にお
いて、用途に応じた強度を有することが必要である。釣
り糸の場合、引張強度は40kg/mm2以上であるこ
とが好ましく、また破断伸びは20%以下のものが好ま
しい。上記の重合体は分子量を高めることにより前記強
度および破断伸びを有するものを得ることができる。破
断伸びが20%以下であると、魚が掛かったことを示す
魚信が敏感に伝わり易く、また釣り上げ時の操作性が良
い等の点で好ましい。
分解性、加水分解性ポリエステルはその繊維の形状にお
いて、用途に応じた強度を有することが必要である。釣
り糸の場合、引張強度は40kg/mm2以上であるこ
とが好ましく、また破断伸びは20%以下のものが好ま
しい。上記の重合体は分子量を高めることにより前記強
度および破断伸びを有するものを得ることができる。破
断伸びが20%以下であると、魚が掛かったことを示す
魚信が敏感に伝わり易く、また釣り上げ時の操作性が良
い等の点で好ましい。
【0040】本発明の釣り糸を作成するに際し、これら
の重合体を粉末のまま紡糸用試料としても良いし、一度
押出機によりペレット状に造粒して用いることもでき
る。溶融紡糸装置には特別のものは必要とせず、加熱制
御機構を備えたシリンダー、スクリュウ等の溶融部、紡
糸金口を含む紡糸頭部等を備えていれば機種に制限なく
用いることができる。
の重合体を粉末のまま紡糸用試料としても良いし、一度
押出機によりペレット状に造粒して用いることもでき
る。溶融紡糸装置には特別のものは必要とせず、加熱制
御機構を備えたシリンダー、スクリュウ等の溶融部、紡
糸金口を含む紡糸頭部等を備えていれば機種に制限なく
用いることができる。
【0041】紡糸に適した温度は、重合体の種類、分子
量等によるが、80℃から230℃である。80℃未満
では組成物の溶融粘度が高すぎて紡糸が困難であり、ま
た、230℃を越えると熱分解のために得られるフィラ
メントの強度が低くなるため好ましくない。
量等によるが、80℃から230℃である。80℃未満
では組成物の溶融粘度が高すぎて紡糸が困難であり、ま
た、230℃を越えると熱分解のために得られるフィラ
メントの強度が低くなるため好ましくない。
【0042】紡糸に用いる口金としては、一般に用いら
れているものが使用できる。例えば、孔径1mmくらい
のものが好ましい。本発明の釣り糸は、得られた繊維を
そのまま未延伸で使用しても、また延伸、熱処理または
これらを組み合わせた処理を施した後使用して作成して
もよい。このようにして得られた繊維は、高強度、高弾
性率、低伸度、低吸収性である。
れているものが使用できる。例えば、孔径1mmくらい
のものが好ましい。本発明の釣り糸は、得られた繊維を
そのまま未延伸で使用しても、また延伸、熱処理または
これらを組み合わせた処理を施した後使用して作成して
もよい。このようにして得られた繊維は、高強度、高弾
性率、低伸度、低吸収性である。
【0043】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。なお、実施例中の物性値その他は
以下の方法により測定した。 重量平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度
40℃、クロロホルム溶媒)により、ポリスチレン標準
サンプルとの比較で求めた。 引張り強度試験 通常の引張り試験機を用いて、チャック幅20mm、ク
ロスヘッドスピード50mm/minで測定した。
されるものではない。なお、実施例中の物性値その他は
以下の方法により測定した。 重量平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度
40℃、クロロホルム溶媒)により、ポリスチレン標準
サンプルとの比較で求めた。 引張り強度試験 通常の引張り試験機を用いて、チャック幅20mm、ク
ロスヘッドスピード50mm/minで測定した。
【0044】製造例1 エチレングリコール20.0gとコハク酸38.1gに
ジフェニルエーテル207.0g、金属錫0.931g
を加え、130℃/140mmHgで7時間、系外に水
を流出させながら加熱攪伴しオリゴマー化した。これ
に、Dean Stark trapを取り付け、14
0℃/30mmHgで8時間共沸脱水を行い、その後、
モレキュラシーブ3A20gを充填した管を付け、流出
した溶媒がモレキュラシーブ層中を通って反応器に戻る
ようにし、130℃/17mmHgで49時間攪伴し
た。その反応マスを400mlのクロロホルムに溶か
し、3lのアセトンに加え再沈した後、HClのIPA
溶液(HCl0.7wt%)で0.5時間スラッジング
し(3回)、IPAで洗浄してから減圧下60℃で6時
間乾燥した。ポリマー中の触媒の錫の含有量は10pp
m以下になっていた。このポリマーの重量平均分子量は
124,000であった。
ジフェニルエーテル207.0g、金属錫0.931g
を加え、130℃/140mmHgで7時間、系外に水
を流出させながら加熱攪伴しオリゴマー化した。これ
に、Dean Stark trapを取り付け、14
0℃/30mmHgで8時間共沸脱水を行い、その後、
モレキュラシーブ3A20gを充填した管を付け、流出
した溶媒がモレキュラシーブ層中を通って反応器に戻る
ようにし、130℃/17mmHgで49時間攪伴し
た。その反応マスを400mlのクロロホルムに溶か
し、3lのアセトンに加え再沈した後、HClのIPA
溶液(HCl0.7wt%)で0.5時間スラッジング
し(3回)、IPAで洗浄してから減圧下60℃で6時
間乾燥した。ポリマー中の触媒の錫の含有量は10pp
m以下になっていた。このポリマーの重量平均分子量は
124,000であった。
【0045】製造例2 1,4−ブタンジオール50.5gとコハク酸66.5
gにジフェニルエーテル293.0g、金属錫2.02
gを加え、130℃/140mmHgで7時間、系外に
水を流出させながら加熱攪伴しオリゴマー化した。これ
に、DeanStark trapを取り付け、140
℃/30mmHgで8時間共沸脱水を行い、その後、モ
レキュラシーブ3A40gを充填した管を付け、流出し
た溶媒がモレキュラシーブ層中を通って反応器に戻るよ
うにし、130℃/17mmHgで49時間攪伴した。
その反応マスを600mlのクロロホルムに溶かし、4
lのアセトンに加え再沈した後、HClのIPA溶液
(HCl0.7wt%)で0.5時間スラッジングし
(3回)、IPAで洗浄してから減圧下60℃で6時間
乾燥した。このポリマー中に含まれる触媒の錫の含有量
は10ppm以下になっていた。このポリマーの重量平
均分子量は118,000であった。
gにジフェニルエーテル293.0g、金属錫2.02
gを加え、130℃/140mmHgで7時間、系外に
水を流出させながら加熱攪伴しオリゴマー化した。これ
に、DeanStark trapを取り付け、140
℃/30mmHgで8時間共沸脱水を行い、その後、モ
レキュラシーブ3A40gを充填した管を付け、流出し
た溶媒がモレキュラシーブ層中を通って反応器に戻るよ
うにし、130℃/17mmHgで49時間攪伴した。
その反応マスを600mlのクロロホルムに溶かし、4
lのアセトンに加え再沈した後、HClのIPA溶液
(HCl0.7wt%)で0.5時間スラッジングし
(3回)、IPAで洗浄してから減圧下60℃で6時間
乾燥した。このポリマー中に含まれる触媒の錫の含有量
は10ppm以下になっていた。このポリマーの重量平
均分子量は118,000であった。
【0046】製造例3 trans−1,4−シクロヘキサンジメタノール8
0.8gとコハク酸66.5gにジフェニルエーテル2
93.0g、金属錫2.02gを加え、130℃/14
0mmHgで7時間、系外に水を流出させながら加熱攪
伴しオリゴマー化した。これに、Dean Stark
trapを取り付け、140℃/30mmHgで8時
間共沸脱水を行い、その後、モレキュラシーブ3A40
gを充填した管を付け、流出した溶媒がモレキュラシー
ブ層中を通って反応器に戻るようにし、130℃/17
mmHgで40時間攪伴した。その反応マスを600m
lのクロロホルムに溶かし、4lのアセトンに加え再沈
した後、HClのIPA溶液(HCl0.7wt%)で
0.5時間スラッジングし(3回)、IPAで洗浄して
から減圧下60℃で6時間乾燥した。ポリマー中の触媒
の錫の含有量は10ppm以下になっていた。このポリ
マーの重量平均分子量は122,000であった。
0.8gとコハク酸66.5gにジフェニルエーテル2
93.0g、金属錫2.02gを加え、130℃/14
0mmHgで7時間、系外に水を流出させながら加熱攪
伴しオリゴマー化した。これに、Dean Stark
trapを取り付け、140℃/30mmHgで8時
間共沸脱水を行い、その後、モレキュラシーブ3A40
gを充填した管を付け、流出した溶媒がモレキュラシー
ブ層中を通って反応器に戻るようにし、130℃/17
mmHgで40時間攪伴した。その反応マスを600m
lのクロロホルムに溶かし、4lのアセトンに加え再沈
した後、HClのIPA溶液(HCl0.7wt%)で
0.5時間スラッジングし(3回)、IPAで洗浄して
から減圧下60℃で6時間乾燥した。ポリマー中の触媒
の錫の含有量は10ppm以下になっていた。このポリ
マーの重量平均分子量は122,000であった。
【0047】製造例4 エチレングリコール20.2gとコハク酸38.5gと
乳酸7.3gにジフェニルエーテル123.0g、金属
錫0.66gを加え、125℃/140mmHgで9時
間、系外に水を流出させながら加熱攪伴しオリゴマー化
した。これに、Dean Stark trapを取り
付け、140℃/15mmHgで3時間共沸脱水を行
い、その後、モレキュラシーブ3A30gを充填した管
を付け、流出した溶媒がモレキュラシーブ層中を通って
反応器に戻るようにし、130℃/13mmHgで33
時間攪伴した。その反応マスを720mlのアセトニト
リルに溶かし、1NのHCl水溶液300mlを加え
0.5時間攪伴した後、IPA320mlを加えてから
メタノール4.5l中に放出し再沈した。ノルマルヘキ
サン3lで洗浄した後減圧乾燥した。ポリマー中の触媒
の錫の含有量は10ppm以下になっていた。このポリ
マーの重量平均分子量は147,000であった。
乳酸7.3gにジフェニルエーテル123.0g、金属
錫0.66gを加え、125℃/140mmHgで9時
間、系外に水を流出させながら加熱攪伴しオリゴマー化
した。これに、Dean Stark trapを取り
付け、140℃/15mmHgで3時間共沸脱水を行
い、その後、モレキュラシーブ3A30gを充填した管
を付け、流出した溶媒がモレキュラシーブ層中を通って
反応器に戻るようにし、130℃/13mmHgで33
時間攪伴した。その反応マスを720mlのアセトニト
リルに溶かし、1NのHCl水溶液300mlを加え
0.5時間攪伴した後、IPA320mlを加えてから
メタノール4.5l中に放出し再沈した。ノルマルヘキ
サン3lで洗浄した後減圧乾燥した。ポリマー中の触媒
の錫の含有量は10ppm以下になっていた。このポリ
マーの重量平均分子量は147,000であった。
【0048】製造例5 1、4ブタンジオール35.0gとコハク酸30.4
g、アジピン酸9.4gにジフェニルエーテル176
g、金属錫0.66gを加え、130℃/140mmH
gで10時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリ
ゴマー化した。これに、Dean Stark tra
pを取り付け、140℃/15mmHgで5時間共沸脱
水を行い、その後、モレキュラーシーブ3Aを30g充
填した管を付け、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層
中を通って反応器に戻るようにし、130℃/13mm
Hgで30時間攪拌した。その反応マスを720mlの
アセトニトリルに溶かし、1NのHCl水溶液300m
lを加え0.5時間攪拌した後、IPA320mlを加
えてからメタノール4.5l中に放出し再沈した。ノル
マルヘキサン3lで洗浄した後減圧乾燥した。このポリ
マーの重量平均分子量は137,000であった。ポリ
マー中の触媒の錫の含有量は10ppm以下になってい
た。
g、アジピン酸9.4gにジフェニルエーテル176
g、金属錫0.66gを加え、130℃/140mmH
gで10時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリ
ゴマー化した。これに、Dean Stark tra
pを取り付け、140℃/15mmHgで5時間共沸脱
水を行い、その後、モレキュラーシーブ3Aを30g充
填した管を付け、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層
中を通って反応器に戻るようにし、130℃/13mm
Hgで30時間攪拌した。その反応マスを720mlの
アセトニトリルに溶かし、1NのHCl水溶液300m
lを加え0.5時間攪拌した後、IPA320mlを加
えてからメタノール4.5l中に放出し再沈した。ノル
マルヘキサン3lで洗浄した後減圧乾燥した。このポリ
マーの重量平均分子量は137,000であった。ポリ
マー中の触媒の錫の含有量は10ppm以下になってい
た。
【0049】実施例1〜5 製造例1〜5のポリマーを第1表(表1)に示す温度
で、押出機を用いて紡糸し、モノフィラメントを得た。
押出機のノズルの口径は2.0mmのものを使用した。
得られたモノフィラメントをさらに第1表(表1)に示
す温度、延伸倍率にて延伸した。延伸後のフィラメント
の引張試験の結果(引張強度)を第1表(表1)に示し
た。実施例で得られたフィラメントはいずれも柔軟性に
富んでいた。次いで、実施例1において得られたモノフ
ィラメント複数本を堆肥中に埋設して分解性試験を行っ
たところ、一ヶ月後、いずれも強度が測れないくらいま
で劣化していた。20℃の海水中と淡水中に浸しておい
た場合は、海水中は6ヶ月で、また、淡水中では11ヶ
月でいずれのモノフィラメントも強度が測れないくらい
まで劣化していた。また、ネズミの皮下に同様のモノフ
ィラメントを移植し、1ヶ月後引張強度を測定しようと
したところ、いずれも強度が測れないくらいまで劣化し
ていた。
で、押出機を用いて紡糸し、モノフィラメントを得た。
押出機のノズルの口径は2.0mmのものを使用した。
得られたモノフィラメントをさらに第1表(表1)に示
す温度、延伸倍率にて延伸した。延伸後のフィラメント
の引張試験の結果(引張強度)を第1表(表1)に示し
た。実施例で得られたフィラメントはいずれも柔軟性に
富んでいた。次いで、実施例1において得られたモノフ
ィラメント複数本を堆肥中に埋設して分解性試験を行っ
たところ、一ヶ月後、いずれも強度が測れないくらいま
で劣化していた。20℃の海水中と淡水中に浸しておい
た場合は、海水中は6ヶ月で、また、淡水中では11ヶ
月でいずれのモノフィラメントも強度が測れないくらい
まで劣化していた。また、ネズミの皮下に同様のモノフ
ィラメントを移植し、1ヶ月後引張強度を測定しようと
したところ、いずれも強度が測れないくらいまで劣化し
ていた。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明における多価アルコール類と多塩
基酸類、あるいはさらに脂肪族ヒドロキシカルボン酸類
を含む混合物から直接縮合により得られた不純物を含ま
ない脂肪族ポエステルを主成分とするポリマー組成物か
らなるフィラメントは柔軟性に富み、生体吸収性外科用
フィラメントとして縫合糸や結紮糸に用いることができ
る。特にその柔軟性を活かしたモノフィラメントはマル
チフィラメントでは得られない良好な表面滑り特性を有
した極めて有用な外科用フィラメントであるばかりでな
く、その生分解性と加水分解性、そして高い引張強度か
ら自然環境を害することのないすぐれた釣り糸としても
用いることができる。
基酸類、あるいはさらに脂肪族ヒドロキシカルボン酸類
を含む混合物から直接縮合により得られた不純物を含ま
ない脂肪族ポエステルを主成分とするポリマー組成物か
らなるフィラメントは柔軟性に富み、生体吸収性外科用
フィラメントとして縫合糸や結紮糸に用いることができ
る。特にその柔軟性を活かしたモノフィラメントはマル
チフィラメントでは得られない良好な表面滑り特性を有
した極めて有用な外科用フィラメントであるばかりでな
く、その生分解性と加水分解性、そして高い引張強度か
ら自然環境を害することのないすぐれた釣り糸としても
用いることができる。
フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 脂肪族多価アルコール類またはその混合
物と脂肪族多塩基酸類またはその混合物、あるいはさら
に脂肪族ヒドロキシカルボン酸またはその混合物、また
はそのオリゴマーを有機溶媒を含む反応混合物中で縮合
反応することにより得られる高分子量の脂肪族ポリエス
テルを主成分とするポリマー組成物からなるフィラメン
ト。 - 【請求項2】 紡糸し、かつ延伸することにより得られ
る請求項1記載のフィラメント。 - 【請求項3】 フィラメントの引張強度が20kg/m
m2 以上の請求項1記載のフィラメント。 - 【請求項4】 フィラメントの延伸倍率が5〜25であ
る請求項2記載のフィラメント。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5321721A JPH07173715A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | 分解性フィラメント |
US08/340,902 US5714230A (en) | 1993-11-18 | 1994-11-15 | Degradable aliphatic polyester formed products |
DE69430291T DE69430291T2 (de) | 1993-11-18 | 1994-11-15 | Geformte Gegenstände aus abbaubarem aliphatischem Polyester |
EP94118058A EP0654492B1 (en) | 1993-11-18 | 1994-11-15 | Degradable aliphatic polyester formed products |
KR1019940030329A KR0164893B1 (ko) | 1993-11-18 | 1994-11-17 | 분해성 지방족 폴리에스테르 가공품 |
US08/892,265 US5763098A (en) | 1993-11-18 | 1997-07-14 | Degradable aliphatic polyester formed products |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5321721A JPH07173715A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | 分解性フィラメント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07173715A true JPH07173715A (ja) | 1995-07-11 |
Family
ID=18135703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5321721A Pending JPH07173715A (ja) | 1993-11-18 | 1993-12-21 | 分解性フィラメント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07173715A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013532236A (ja) * | 2010-06-03 | 2013-08-15 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 未架橋アルキドオリゴマーで作製された繊維及び不織布 |
US20190269815A1 (en) * | 2018-03-01 | 2019-09-05 | Tepha, Inc. | Yarns and fibers of poly(butylene succinate) and copolymers thereof, and methods of use therof |
US11844879B2 (en) | 2018-03-01 | 2023-12-19 | Tepha, Inc. | Articles of poly(butylene succinate) and copolymers thereof |
-
1993
- 1993-12-21 JP JP5321721A patent/JPH07173715A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013532236A (ja) * | 2010-06-03 | 2013-08-15 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 未架橋アルキドオリゴマーで作製された繊維及び不織布 |
US20190269815A1 (en) * | 2018-03-01 | 2019-09-05 | Tepha, Inc. | Yarns and fibers of poly(butylene succinate) and copolymers thereof, and methods of use therof |
JP2021516294A (ja) * | 2018-03-01 | 2021-07-01 | テファ, インコーポレイテッド | ポリ(ブチレンスクシネート)およびそのコポリマーを含む医用デバイス |
US11786632B2 (en) | 2018-03-01 | 2023-10-17 | Tepha, Inc. | Hernia repair, breast reconstruction and sling devices containing poly(butylene succinate) and copolymers thereof |
US11844879B2 (en) | 2018-03-01 | 2023-12-19 | Tepha, Inc. | Articles of poly(butylene succinate) and copolymers thereof |
US11878087B2 (en) | 2018-03-01 | 2024-01-23 | Tepha, Inc. | Oriented implants containing poly(butylene succinate) and copolymer, and methods of use thereof |
US11896734B2 (en) | 2018-03-01 | 2024-02-13 | Tepha, Inc. | Surgical mesh implants containing poly(butylene succinate) and copolymers thereof |
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