JPH0333026B2 - - Google Patents

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JPH0333026B2
JPH0333026B2 JP61183000A JP18300086A JPH0333026B2 JP H0333026 B2 JPH0333026 B2 JP H0333026B2 JP 61183000 A JP61183000 A JP 61183000A JP 18300086 A JP18300086 A JP 18300086A JP H0333026 B2 JPH0333026 B2 JP H0333026B2
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JP
Japan
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suture
alkylene group
aliphatic polyester
polyester
aromatic
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP61183000A
Other languages
English (en)
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JPS6338463A (ja
Inventor
Hiroshi Matsumoto
Kazuaki Kira
Kensuke Kondo
Ken Hiramatsu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP61183000A priority Critical patent/JPS6338463A/ja
Publication of JPS6338463A publication Critical patent/JPS6338463A/ja
Publication of JPH0333026B2 publication Critical patent/JPH0333026B2/ja
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【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエス
テルとを共重合させたポリエステル共重合体の延
伸モノフイラメントからなる外科用縫合糸に関す
る。 [従来の技術] 従来から縫合糸として、絹糸のような天然高分
子からポリプロピレンなどの合成高分子まで数多
くの素材の糸が使用されている。 近年、医学の進歩により、精巧かつ複雑な外科
手術に対応した優れた性質を有する縫合糸が求め
られている。 このような縫合糸の1つに、生体軟組織(とく
に血管壁や皮膚など)の応力一歪曲線に近似した
良好な柔軟性を有し、かつ生分解性のモノフイラ
メントがあげられる。 縫合糸の機能は切れた組織を充分に治癒するま
で結合し、かつ保持することあるいは保持期間中
の動作や運動の結果としての分離を防ぐことにあ
るから、縫合糸の組織が完全に治癒したのちには
縫合糸自体は生分解を受けて強度が低下すること
が好ましい。生分解性を有し、かつ吸収性を有す
るこのような縫合糸としては、ポリグリコール酸
がグリコール酸と乳酸との共重合体などからの縫
合糸が臨床に使用されているが、これらは非常に
硬いため、その使用範囲が限定されている。 一方、米国特許第4224946号明細書には、芳香
族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリエ
ーテルをソフトセグメントにしたポリエステル−
ポリエーテル共重合体を延伸してなる柔軟性に富
んだ縫合糸が開示されているが、この縫合糸は生
分解性を有さない。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は、生分解性を有するばあいには柔軟性
が不足し、柔軟性を有するばあいには生分解性が
不足するという従来の縫合糸における問題点を解
消した、生体軟組織の応力−歪曲線に近似した柔
軟性を有し、かつ生分解性を有する新規な縫合糸
を提供することを目的としてなされたものであ
る。 [問題点を解決するための手段] 本発明は、ハードセグメントとして特定の芳香
族ポリエステル部分を含有し、ソフトセグメント
として生分解性のある特定の脂肪族ポリエステル
部分を含有する芳香族ポリエステル−脂肪族ポリ
エステル共重合体を延伸して縫合糸を製造する
と、生体軟組織の応力−歪曲線に近似した柔軟性
を有する縫合糸がえられることが見出されたこと
によりなされたものであり、合成高分子の延伸モ
ノフイラメントよりなる縫合糸において、合成高
分子が一般式(1): (式中、Aは芳香族ジカルボン酸から2個のカル
ボキシル基を除いた基、Rは炭素数2〜6のアル
キレン基を表わす)で表わされる繰返し単位を有
する芳香族ポリエステル部分をハードセグメント
とし、実質的に一般式(2): (式中、R′は炭素数1〜8の直鎖のアルキレン
基または側鎖にメチル基を有するアルキレン基を
表わす)で表わされる繰返し単位を有し、分子量
が400〜20000でTgが室温よりも低く、生分解性
を有する脂肪族ポリエステル部分をソフトセグメ
ントとして有する芳香族ポリエステル−脂肪族ポ
リエステル共重合体であることを特徴とする外科
用縫合糸に関する。 [実施例] 本発明における芳香族ポリエステル部分とは、
一般式(1): (式中、Aは芳香族ジカルボン酸から2個のカル
ボキシル基を除いた基、Rは炭素数2〜6のアル
キレン基を表わす)で表わされる繰返し単位を有
し、該繰返し単位が1個以上のもので定義される
もので、すなわち、芳香族ジカルボン酸またはそ
のエステル形成同等物と短鎖グリコール類とから
なるポリエステル部分である。 前記芳香族ジカルボン酸としては、たとえばテ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4′−
ビフエニルジカルボン酸、4,4′−スルホニルジ
安息香酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸など
が用いられうる。縫合糸としての加工性がよく、
抗張力が強いという面からは、これらのうちでも
テレフタル酸が好ましい。 前記短鎖グリコール類としては、たとえばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコールな
どがあげられる。結晶化速度を速くし、紡糸性や
抗張力を向上させるためには、これらのうちでも
1,4−ブタンジオールが好ましい。 本発明における脂肪族ポリエステル部分は実質
的に一般式(2): (式中、R′は炭素数1〜8の直鎖のアルキレン
基または側鎖にメチル基を有するアルキレン基を
表わす)を繰返し単位を有し、分子量が400〜
20000でTgが室温よりも低く、生分解性を有する
ものである。縫合糸として好ましい力学的性質を
有するようにするという面からすると、脂肪族ポ
リエステル部分はさらに分子量500〜6000である
のが好ましく、とくに500〜3000であるのが好ま
しい。分子量が400未満になるとえられる縫合糸
の柔軟性が不足し、分子量が20000をこえると抗
張力が充分でなくなる傾向にある。 一般にR′の炭素数が小さくなると加水分解速
度が速くなり、かつ結晶性が増加し、柔軟性が低
下する傾向にあり、R′の炭素数が多くなると逆
に生分解速度げ遅くなり、かつ柔軟性が増加する
傾向にある。R′は側鎖にメチル基を含んでもよ
いが、抗張力を高めるためには直鎖のアルキレン
基であるのが好ましい。 該脂肪族ポリエステル部分となる脂肪族ポリエ
ステルは、たとえばラクトン類の開環重合、オキ
シ酸の縮重合、ジカルボン酸とグリコールとの縮
重合、グリコリドやラクチドの開環重合などによ
つてうることができる。前記柔軟性と生分解性と
抗張力とのバランスを考えると、ε−カプロラク
トンの開環重合物を用いるのが好ましい。 次に本発明に用いる芳香族ポリエステル−脂肪
族ポリエステル共重合体について説明する。 該共重合体の製造には種々の方法があり、たと
えば米国特許第2623031号明細書に開示されてい
るように、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエス
テルとを溶融状態で混合する方法、特公昭48−
4115号公報に開示されているように、分子両末端
に水酸基を有する分子量500〜5000の結晶性芳香
族ポリエステルとラクトン類とを反応させ、つい
で多管能アシル化剤で鎖延長を行なう方法、特公
昭48−4116号公報に開示されているように、両末
端水酸基を有する高分子量の芳香族ポリエステル
にラクトン類を反応させる方法などがある。 本発明に用いる芳香族ポリエステル−脂肪族ポ
リエステル共重合体は、どのような方法で製造し
てもよいが、脂肪族ポリエステル部分の含有量、
すなわちソフトセグメント比率は10〜80重量%が
好ましい。縫合糸の柔軟性と抗張力のバランスや
生分解性の速度とを考えあわせると、さらにソフ
トセグメント比率が20〜60重量%であるのが好ま
しく、とくにソフトセグメント比率が25〜50重量
%であるのが好ましい。ソフトセグメント比率が
10重量%未満では柔軟性や生分解性が充分でな
く、ソフトセグメント比率が80重量%をこえる
と、抗張力が劣つたり結晶化速度が遅くなつたり
して、紡糸や延伸が困難になりがちである。 ソフトセグメント比率が高くなるにつれて結晶
化速度は遅くなる傾向にあるので、結晶化促進剤
を添加してもよい。 本発明の縫合糸を製造する際に共重合体を紡糸
する方法としては、たとえば通常の合成繊維の溶
融紡糸法などがあげられ、このような方法と同様
の方法で行なえばよい。すなわち、共重合体から
なる樹脂を溶融して押出し、急冷後延伸せしめる
というような方法である。このようにして生分解
性および生体組織に近似した柔軟性を有する縫合
糸が製造される。 ソフトセグメント比率によつて最適な延伸倍率
は変化するので、一概に延伸倍率を決定すること
はできないが、この延伸によつて分子は強く配向
し、生体軟組織に近似した柔軟性と縫合糸として
充分に強い抗張力が付与される。前記延伸倍率
は、通常3〜15倍であり、さらに5〜12倍、とく
に6〜10倍である。延伸倍率が3倍未満になると
抗張力が不足し、15倍をこえると柔軟性に劣る傾
向にある。 本明細書にいう生体軟組織に近似した柔軟性と
は歪が10〜50%の範囲のある歪までは小さい弾性
率を示し、その歪をこえると急激に高い弾性率を
示す応力−歪曲線を有することを意味する。 次に実施例に基づき本発明の縫合糸を説明す
る。 実施例 1 ε−カプロラクトンの開環重合物からなる脂肪
族ポリエステルをソフトセグメントとして35重量
%含有せしめ、ポリ(テトラメチレンテレフタレ
ート)からなる芳香族ポリエステルをハードセグ
メントとして65重量%含有せしめた芳香族ポリエ
ステル−脂肪族ポリエステル共重合体を220〜240
℃で15m/分の速度で溶融紡糸した。紡糸した糸
を60℃の水で急冷たのち、90℃の水中で4倍に延
伸し、ついで120℃のグリセリン浴中で2倍に延
伸した。えられた糸は直径0.12mmであつた。 島津オートグラフIS−2000を用いて測定したこ
の糸の直線時および結節時の抗張力と伸びとを第
1表に、応力−歪曲線を第1図に示す。
【表】 この糸を用いて雑種成犬の大腿動脈の縫合およ
び大腿動脈の周囲の皮下組織を縫合したところ、
血管壁や生体軟組織に過剰な力をかけたり、ある
いはこれらの組織を切つたりすることなく、作業
性よく縫合できた。とくに血管の縫合では縫合糸
の密着性がよく、縫合部に血液を流し始めた直後
の血液の漏れが非常に少なかつた。 この糸を犬の皮下に1年間埋入したところ、第
2表に示抗張力と伸びとを示し、生分解性である
ことがわかつた。
【表】 [発明の効果] 本発明の縫合糸は、ハードセグメントが特定の
芳香族ポリエステルでソフトセグメントが生分解
性のある特定の脂肪族ポリエステルであるため、
生分解性を有する。また延伸することにより、生
体軟組織の応力−歪曲線に近似した柔軟性を有す
るようにしている。従つて、本発明の縫合糸を用
いて血管などの生体軟組織の縫合を行なうと、生
体軟組織に無理な応力を加えたり生体軟組織を切
つたりすることなく、作業性よく縫合しうる。と
くに血管の縫合では血流再開直後の縫合部からの
血液の漏れが少ない。また本発明の縫合糸は生分
解性であるため、縫合糸が治癒したのちには縫合
糸の抗張力を低下し、生体軟組織に縫合糸として
の余分な応力を与えない。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1でえられた本発明の外科用縫
合糸の応力−歪曲線を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 合成高分子の延伸モノフイラメントよりなる
    縫合糸において、合成高分子が一般式(1): (式中、Aは芳香族ジカルボン酸から2個のカル
    ボキシル基を除いた基、Rは炭素数2〜6のアル
    キレン基を表わす)で表わされる繰返し単位を有
    する芳香族ポリエステル部分をハードセグメント
    とし、実質的に一般式(2): (式中、R′は炭素数1〜8の直鎖のアルキレン
    基または側鎖にメチル基を有するアルキレン基を
    表わす)で表わされる繰返し単位を有し、分子量
    が400〜20000でTgが室温よりも低く、生分解性
    を有する脂肪族ポリエステル部分をソフトセグメ
    ントとして有する芳香族ポリエステル−脂肪族ポ
    リエステル共重合体であることを特徴とする外科
    用縫合糸。
JP61183000A 1986-08-04 1986-08-04 外科用縫合糸 Granted JPS6338463A (ja)

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JP61183000A JPS6338463A (ja) 1986-08-04 1986-08-04 外科用縫合糸

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JPS6338463A JPS6338463A (ja) 1988-02-19
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WO1994016135A1 (en) * 1993-01-07 1994-07-21 Unitika Ltd Binder fiber and nonwoven fabric produced therefrom
JP3692390B2 (ja) * 1996-04-19 2005-09-07 独立行政法人物質・材料研究機構 骨誘導能ないしは伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機無機複合体
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57119754A (en) * 1980-12-22 1982-07-26 Ethicon Inc Thread for high compliance monofilament operation consisting of poly (tetramethylene terephthalate-core (2-alkenyl or alkyl) succinate)

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