JPH07173526A - 雰囲気熱処理炉の操業方法 - Google Patents

雰囲気熱処理炉の操業方法

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JPH07173526A
JPH07173526A JP34417893A JP34417893A JPH07173526A JP H07173526 A JPH07173526 A JP H07173526A JP 34417893 A JP34417893 A JP 34417893A JP 34417893 A JP34417893 A JP 34417893A JP H07173526 A JPH07173526 A JP H07173526A
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Morihiro Wada
守弘 和田
Kazuhisa Okada
和久 岡田
Tsunehiro Yamaji
常弘 山路
Hirohisa Haishi
裕久 拜司
Katsuji Kasai
勝司 笠井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 雰囲気熱処理炉の炉開放後の立ち上りを速や
かに安定させるために、炉壁耐火物内に残留する空気お
よび水分を効率良くパージすること 【構成】 少なくとも炉開放後の立ち上げ時に、炉壁耐
火物の最外面側から炉内空間に向けて雰囲気ガスを送気
し、この雰囲気ガスに炉壁耐火物の内部に残留した空気
および水分を随伴させて炉内空間側に排出する。送気す
る雰囲気ガスの温度を50〜120℃とすることにより
雰囲気ガスの随伴可能水分量が高まり、水分の除去をよ
り効率化できる。炉壁耐火物の最外面側からの雰囲気ガ
スの送気は、送気ポートを通じた炉内への直接送気と併
用してもよいし、併用しなくてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼帯の連続熱処理炉
や金属製品の雰囲気焼鈍炉等、耐火物炉壁を有する雰囲
気熱処理炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯の連続熱処理炉や金属製品の雰囲気
焼鈍炉では、炉内での被処理材料の酸化を極力防止する
必要があり、このため一般には非酸化性若しくは還元性
の炉内雰囲気ガスが使用される。例えば、鋼帯の連続熱
処理炉では、鋼帯をラジアント・チューブで加熱し、炉
内雰囲気ガスとしてはH2を含むN2が使用される。
【0003】ところで、雰囲気熱処理炉の炉壁の耐火物
としては、従来からレンガ系や不定形耐火物が用いられ
てきたが、最近ではこれらに代わり断熱性の高いファイ
バー系の耐火物の使用比率が高まっている。このファイ
バー系耐火物は極細の繊維状物質からなるもので、気孔
率が高いために優れた断熱性を有している。しかしなが
ら、このファイバー系耐火物は気孔率が高い故に空気や
水分を吸収し易く、炉の建設直後や炉修理或いは点検時
に炉を大気開放した際には、その内部に大量の空気や水
分を吸収した状態にある。また、炉の建設時や炉内耐火
物の修理の際には耐火物を接合するために水分を多く含
んだバインダーが使用され、これらの水分も大気中から
吸収された水分や空気とともに耐火物内部に含まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、炉開放後の再立
ち上げ時には雰囲気ガスを炉内空間に直接送気する方法
が採られているが、このような送気方法では耐火物内部
に入り込んだ空気や水分はなかなか抜けず、また、最近
の炉設計では炉体表面からの放散熱量を低減するために
断熱性に優れた断熱材が使用され、炉外壁面(鉄皮表
面)温度が80℃程度以下に保たれるようにしているた
め、鉄皮内面近傍に残留した水分は特に蒸発気化されに
くい。このため従来の雰囲気熱処理炉では、炉内の酸素
濃度や露点を低下させるために著しく長時間を要してい
る。
【0005】図11(図中の従来法)は、月産能力1万
tの電磁鋼板用連続焼鈍炉において、定期修理後の立ち
上げ以降の炉内雰囲気中の酸素濃度と露点の実測結果を
示している。同図の酸素濃度の推移を見ると、パーセン
ト・レベルでは低下は早いもののppmレベルでの低下
は著しく遅い。この操業例では、雰囲気ガスとして露点
−70℃、含有酸素濃度0.05ppmの高純度のN2
を使用しているにもかかわらず、30日経過後でも炉内
酸素濃度は20〜30ppmもあり、また、露点も−3
0℃程度である。このように酸素濃度と露点がなかなか
低下しないのは、炉壁耐火物の内部に残留している空気
や水分が拡散により少しずつ炉内空間に出てくるためで
ある。
【0006】本発明はこのような従来の問題に鑑み、雰
囲気熱処理炉の炉開放後の立ち上りを速やかに安定させ
るために、炉壁耐火物内に残留する空気および水分を効
率良くパージすることができる炉の操業方法を提供しよ
うとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明法の構成は以下の通りである。
【0008】(1) 少なくとも炉開放後の立ち上げ時
に、炉壁耐火物の最外面側から炉内空間に向けて雰囲気
ガスを送気することを特徴とする雰囲気熱処理炉の操業
方法。
【0009】(2) 少なくとも炉開放後の立ち上げ時
に、炉内空間に直接雰囲気ガスを送気するとともに、炉
壁耐火物の最外面側から炉内空間に向けて雰囲気ガスを
送気することを特徴とする雰囲気熱処理炉の操業方法。
【0010】(3) 上記(1)または(2)の操業方
法において、炉壁耐火物の最外面側から炉内空間に向け
て送気する雰囲気ガスの温度を50〜120℃とするこ
とを特徴とする雰囲気熱処理炉の操業方法。
【0011】本発明法において、炉壁耐火物の最外面側
から炉内空間に向けての雰囲気ガスの送気は、炉壁耐火
物内に残留する空気および水分が十分にパージされた時
点、すなわち、炉内酸素濃度および露点が所定値に達し
た時点で停止してもよいし、炉の定常運転時に常時送気
してもよい。また、炉壁耐火物の最外面側から炉内空間
に向けて送気する雰囲気ガスの温度を50〜120℃と
する場合も、炉内露点が所定値に達した時点で送気され
る雰囲気ガスを常温のガスに切り替えてもよい。
【0012】
【作用】本発明によれば、炉壁耐火物の最外面側から炉
内空間に向けて送気された雰囲気ガスが、炉壁耐火物の
内部に残留した空気および水分を随伴して炉内空間側に
排出され、そのまま若しくは炉内空間に雰囲気ガスが直
接送気されている場合にはこの雰囲気ガスととともに、
排ガスポートから炉外に排出される。したがって、少な
くとも炉開放後の立ち上り時に炉壁耐火物の最外面側か
らの雰囲気ガスの送気を実施することにより、炉壁耐火
物内に残留する空気および水分が速やかにパージされ、
炉内酸素濃度及び露点は立上り後速やかに所定のレベル
まで低減される。炉壁耐火物の最外面側からの雰囲気ガ
スの送気は、従来から行われている送気ポートを通じた
炉内への直接送気と併用してもよいし、また、併用しな
くてもよく、いずれの場合も上記作用が得られる。
【0013】また、炉壁耐火物の最外面側から炉内空間
に向けて送気する雰囲気ガスの温度を50〜120℃と
することにより、耐火物内の水分を効率的に除去するこ
とができる。図1に、炉壁が厚さ350mmのセラミッ
クファイバー系耐火物により構成され、炉内温度:12
00℃、炉外壁面温度:80℃で設計された雰囲気熱処
理炉について、炉開放後の立ち上げ時における炉壁耐火
物厚さ方向の温度分布の推移を示す。これによれば、炉
壁耐火物は断熱性が高いために立ち上げ初期では鉄皮側
の耐火物はほとんど常温に近く、この部分に鉄皮を通じ
て常温の雰囲気ガスを送り込んでも、この雰囲気ガスは
飽和蒸気圧分の水分を随伴できるだけである。
【0014】図2は雰囲気ガス温度と雰囲気ガスの随伴
可能水分量との関係を示しており、常温(20℃)の雰
囲気ガスの随伴可能水分量を1とすると、50℃の雰囲
気ガスでは約5倍、100℃の雰囲気ガスでは約20
倍、120℃の雰囲気ガスでは約40倍の水分量を随伴
することができる。したがって、炉壁耐火物内の水分の
除去を効率的に行うには、予熱された雰囲気ガスを炉壁
耐火物の最外面側から炉内空間に向けて送気することが
好ましい。一方、雰囲気ガスの温度を過度に高くすると
炉体放散熱が増大するため好ましくない。雰囲気ガス温
度が120℃の場合、炉外壁面温度の設計値である80
℃に対して1.5倍の放散熱となるため、この程度が省
エネルギーの観点からの限界であると考えられる。した
がって、水分の除去効率と省エネルギーの観点から、炉
壁耐火物の最外面側から炉内空間に向けて送気する雰囲
気ガスの温度は50〜120℃の範囲とすることが好ま
しい。
【0015】
【実施例】図3は典型的な水平型焼鈍炉の縦断面を示す
もので、1は加熱帯、2は均熱帯、3は冷却帯、4はハ
ースロール、5は炉壁、6は炉壁耐火物に設けられる送
気ポート、Sは被処理材たるストリップである。従来の
雰囲気熱処理炉では、炉開放後の立ち上げ時の炉内への
雰囲気ガスの供給は、ガス供給路Aから送気ポート6を
通じてのみ行われている。これに対して本発明では、ガ
ス供給路Aおよび送気ポート6を通じた炉内空間への直
接送気とともに或いはこれに代えて、炉壁耐火物の最外
面側から炉内空間に向けて雰囲気ガスを送気する。すな
わち、雰囲気ガスを炉殻の内側に供給し、炉壁耐火物の
空隙(気孔部)を通して炉内空間側へ送気する。
【0016】図4は、このような本発明の実施状況の一
例を炉を横断面した状態で示したもので、炉殻を構成す
る鉄皮8に送気孔7が設けられ、ガス供給路Bから送気
孔7を通じて鉄皮8の内側に雰囲気ガスが供給される。
この雰囲気ガスは、炉壁5を構成する耐火物の空隙を通
過する過程で耐火物内部に残留した空気および水分を随
伴しつつ、炉内空間側に排出され、炉内空間に雰囲気ガ
スが直接送気されている場合にはこの雰囲気ガスととも
に排ガスポートから炉外に排出される。
【0017】炉壁耐火物の最外面側から炉内空間側に向
けて雰囲気ガスを送気するには、図4に示すように単純
に鉄皮8に送気孔7を開け、これにガス供給路Bの配管
を接続するだけでもよいが、炉壁5がファイバー系耐火
物のように気孔率の高い材料で構成されている場合に
は、図5に示すように送気孔7の炉殻内側の前面に邪魔
板9を設けることが好ましい。このような邪魔板9を設
けることにより、雰囲気ガスの流れを一旦鉄皮8の内面
に沿わせるようにしてから耐火物中を炉内空間方向に流
すことができるため、耐火物内の空気や水分をより効率
的に除去することができる。以下に具体的な実施例を示
す。
【0018】〔実施例1〕図6および図7に示す試験炉
(図6は縦断面図、図7は横断面図)を用い、下記の
(1)〜(6)の試験を実施した。この試験炉は、炉内
空間部容積:約8m3、耐火物厚さ:300mm、加熱
方式:電気抵抗加熱方式であり、最高1200℃まで炉
温を上げることができる。また、炉壁耐火物の構造は、
炉床部については試料重量を支えるためにレンガ系の耐
火物とし、側壁および天井については外壁50a側にレ
ンガ系耐火物、内壁50b側に200mm厚のファイバ
ー系耐火物をベニアリングし、最外殻の鉄皮8には厚さ
5mmの鋼板を使用してある。図において、10は装入
扉、11は排気ポートであり、他の構成は図4に示す実
施例と同様であるため、同一の符号を付してその説明は
省略する。
【0019】この実施例では、雰囲気ガスとして露点−
70℃、含有酸素濃度0.05ppmの高純度のN2
使用し、以下のような雰囲気ガスの送気を実施した。 (1)比較例(従来例):送気ポート6(ガス供給路
A)を通じてのみ炉内空間にN2を50Nm3/hの供給
量で送気した。 (2)本発明例1:比較例と同じく送気ポート6(ガス
供給路A)を通じて炉内空間にN2を送気するととも
に、各壁面において平均12m2につき1ヶ所の割合の
送気孔7(ガス供給路B)からN2を送気した。但し、
2の総供給量は比較例と同量とした。
【0020】(3)本発明例2:比較例と同じく送気ポ
ート6(ガス供給路A)を通じて炉内空間にN2を送気
するとともに、各壁面において平均6m2につき1ヶ所
の割合の送気孔7(ガス供給路B)からN2を送気し
た。但し、N2の総供給量は比較例と同量とした。 (4)本発明例3:比較例と同じく送気ポート6(ガス
供給路A)を通じて炉内空間にN2を送気するととも
に、各壁面において平均3m2につき1ヶ所の割合の送
気孔7(ガス供給路B)からN2を送気した。但し、N2
の総供給量は比較例と同量とした。
【0021】(5)本発明例4:比較例と同じく送気ポ
ート6(ガス供給路A)を通じて炉内空間にN2を送気
するとともに、各壁面において平均1m2につき1ヶ所
の割合の送気孔7(ガス供給路B)からN2を送気し
た。但し、N2の総供給量は比較例と同量とした。 (6)本発明例5:各壁面において平均3m2につき1
ヶ所の割合の送気孔7(ガス供給路B)からのみN2
送気した。但し、N2の総供給量は比較例と同量とし
た。
【0022】上記の(1)〜(6)の各実施例では、炉
開放点検を想定して炉前部の装入扉11を開けて大気開
放状態とし、1日経過後に装入扉11を閉じるのと同時
に、上記(1)〜(6)の各条件でN2の送気を開始
し、それ以降炉内ガスをサンプリングして炉内酸素濃度
と露点の推移を測定した。この炉内酸素濃度の実測値を
図8に、炉内露点の実測値を図9に示す。
【0023】これによれば、雰囲気ガスを炉内空間に直
接送気するだけの比較例に較べ、本発明法により炉壁耐
火物の最外面側からの雰囲気ガスの送気を行うことによ
り、炉内雰囲気の酸素濃度と露点が速かに低下すること
が判る。また、本発明例1〜本発明例4の結果から、送
気孔7による送気位置の密度は約3m2に1ヶ所程度で
ほぼ十分であることが判る。また、本発明例3と本発明
例5の結果から、雰囲気ガスを炉内空間に直接送気する
ことなく、炉壁耐火物の最外面側からのみ雰囲気ガスを
送気するだけでも炉内雰囲気の酸素濃度と露点を速かに
低下させ得ることが判る。
【0024】〔実施例2〕実施例1で用いた試験炉に雰
囲気ガスの予熱装置を付設し、送気孔7を通じて送気す
るN2の温度を20〜200℃の範囲で種々変化させ、
雰囲気ガスの予熱効果を試験した。この試験の雰囲気ガ
スの送気条件は、実施例1の本発明例3の条件と同一と
した。本実施例において、炉内露点が−40℃に到達す
るまでの時間を求めた結果を図10に示す。これによれ
ば、炉内露点が−40℃に到達するまでに常温(20
℃)の雰囲気ガスでは約30時間を要するのに対し、5
0℃の雰囲気ガスでは約18時間、100℃の雰囲気ガ
スでは約13時間、120℃の雰囲気ガスでは約12時
間、200℃の雰囲気ガスでは約11時間をそれぞれ要
している。このように雰囲気ガスを50℃程度に予熱し
ただけでも、炉内露点の迅速な低下という面で著しい改
善ができることが判る。但し、雰囲気ガスを予熱するこ
とによる効果は120℃程度で略飽和している。
【0025】〔実施例3〕図3に示した月産能力1万t
の電磁鋼板用連続焼鈍炉の各壁面に、平均3m2に1ヶ
所の割合で図4に示すような送気孔7を設け、定期修理
時に炉を開放し、次の立ち上げ時に以下の方法により雰
囲気ガスの炉内への送気を行った。 (1)比較例(従来例):送気ポート6(ガス供給路
A)を通じてのみ炉内空間にN2を1200Nm3/hの
供給量で送気した。 (2)本発明例:送気ポート6(ガス供給路A)を通じ
て炉内空間にN2を400Nm3/hの供給量で送気する
とともに、送気孔7(ガス供給路B)から常温のN2
800Nm3/hの供給量で送気した。
【0026】上記比較例および本発明例について、雰囲
気ガスの送気開始後からの炉内露点および酸素濃度の経
時変化を測定した。その結果を図11に示す。これによ
れば、比較例では30日経過後も炉内露点および酸素濃
度は十分に低下せず、炉内雰囲気は安定しない。これに
対して本発明例では、酸素濃度は約6時間経過後に1p
pm以下となり、酸素濃度計の測定限界に入っている。
また、露点も約12時間経過後には−30℃以下とな
り、約36時間経過後には−40℃以下に到達し、約7
2時間経過後には−50℃以下に到達している。
【0027】また、上記本実施例とは別に、N2にH2
5〜15%添加した雰囲気ガスを用い、上記本発明例と
同様の送気条件で雰囲気ガスの送気を実施した結果で
も、送気開始後約3日を経過した時点で露点は−45〜
−55℃の範囲で安定した。また、本実施例に供した連
続焼鈍炉の断熱構造は炉外壁面温度が平均80℃となる
ように設計されているが、従来の操業では炉の部位によ
って温度にバラツキがあり、比較例の操業中における炉
外壁面温度も70〜110℃の範囲であった。これに対
して本発明例の操業中における炉外壁面温度は50〜9
0℃であり、本発明法では炉壁耐火物の最外層側から供
給される雰囲気ガスが、炉体放散熱となるべき熱の一部
を奪って炉内に供給することにより、省エネルギー効果
もあることが確認できた。
【0028】〔実施例4〕図6および図7に示した試験
炉の鉄皮部を図12に示すような内側鉄皮8aと外側鉄
皮8bとからなる2重構造とし、内側鉄皮8aには30
0mmのピッチで直径10mmの送気孔7aを設けると
ともに、外側鉄皮8bには各壁面につき各1ヶ所づつ送
気ポート12を設け、この送気ポート12から内側鉄皮
8aと外側鉄皮8bとの隙間に雰囲気ガスを供給できる
ようにした。このような炉の構造は、炉壁耐火物に対し
てより均一に雰囲気ガスを送気し、且つ炉外壁面温度を
下げることを狙いとしたものである。
【0029】このような試験炉を用い、雰囲気ガスとし
て露点−70℃、含有酸素濃度0.05ppmの高純度
のN2を50Nm2/hの供給量で全量を送気ポート12
から供給し、炉内酸素濃度および露点の経時変化を実測
した。その結果を図8および図9に示す。これによれ
ば、本実施例のように送気孔7aを密に設けることによ
り、実施例1の本発明例1〜5に較べ酸素濃度および露
点がより速かに低下することが判る。
【0030】また、炉内温度が1200℃の定常状態に
到達した時の炉外壁面温度を測定した結果、実施例1の
比較例では炉外壁面温度が90〜120℃であったのに
対し、本実施例では炉外壁面温度が40〜60℃に抑え
られ、炉体放散熱は20%低減された。なお、本実施例
の炉体構造は、各送気孔ごとにガス供給配管を接続する
ことが不要であるため、設備の簡略化を図ることができ
る利点がある。
【0031】
【発明の効果】以上述べた本発明の雰囲気熱処理炉の操
業方法によれば、炉開放後の立ち上り時に、炉壁耐火物
内に残留する空気および水分を効率良く迅速にパージす
ることができ、雰囲気熱処理炉の雰囲気を速やかに安定
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】雰囲気熱処理炉の炉開放後の立ち上げ時におけ
る炉壁耐火物の厚さ方向の温度分布の推移を示すグラフ
【図2】雰囲気ガス温度と雰囲気ガスの随伴可能水分量
との関係を示すグラフ
【図3】典型的な水平型焼鈍炉を示す縦断面図
【図4】本発明の実施状況の一例を炉を横断面した状態
で示す図面
【図5】本発明法におけるの雰囲気ガスの炉壁耐火物内
への送気方法の一例を炉壁を断面した状態で示す図面
【図6】実施例1で使用した試験炉の縦断面図
【図7】実施例1で使用した試験炉の横断面図
【図8】実施例1および実施例4における炉立ち上げ時
の炉内酸素濃度の経時的変化を示すグラフ
【図9】実施例1および実施例4における炉立ち上げ時
の炉内露点の経時的変化を示すグラフ
【図10】実施例2において、雰囲気ガスの予熱温度と
炉内露点が−40℃に到達するまでの時間との関係を示
すグラフ
【図11】実施例3における炉立ち上げの炉内酸素濃度
および露点の経時的変化を示すグラフ
【図12】実施例4で使用した試験炉の鉄皮部の構造を
示す説明図
【符号の説明】
1…加熱帯、2…均熱帯、3…冷却帯、4…ハースロー
ル、5…炉壁、6…送気ポート、7、7a…送気孔、8
…鉄皮、8a…内側鉄皮、8b…外側鉄皮、9…邪魔
板、10…装入扉、11…排気ポート、12…送気ポー
ト、A,B…ガス供給路、S…ストリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 和久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山路 常弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 拜司 裕久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 笠井 勝司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも炉開放後の立ち上げ時に、炉
    壁耐火物の最外面側から炉内空間に向けて雰囲気ガスを
    送気することを特徴とする雰囲気熱処理炉の操業方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも炉開放後の立ち上げ時に、炉
    内空間に直接雰囲気ガスを送気するとともに、炉壁耐火
    物の最外面側から炉内空間に向けて雰囲気ガスを送気す
    ることを特徴とする雰囲気熱処理炉の操業方法。
  3. 【請求項3】 炉壁耐火物の最外面側から炉内空間に向
    けて送気する雰囲気ガスの温度を50〜120℃とする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の雰囲気熱処
    理炉の操業方法。
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