JPH07173500A - 水洗トイレ用オートクリーナー組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 （Ａ）一般式（１）〔式中、Ｒ¹ 及びＲ² は
炭素数４〜１５の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケ
ニル基を示し、Ｍは水素原子又はアルカリ金属原子を示
す〕で表されるスルホコハク酸ジエステル又はその塩、
及び（Ｂ）一般式（２）〔式中、Ｒ³ 及びＲ⁴ は同一も
しくは異なって炭素数８〜２２のアシル基、アルキル基
又はアルキルフェニル基を示す。Ｒ⁵ は水素原子又はメ
チル基であり、同一分子中ですべて同じ基をとることも
できるし、水素原子とメチル基の双方をとることもでき
る。ｎは３０〜３００の整数である〕で表される化合
物、を含有する水洗トイレ用オートクリーナー組成物。 【化１】 【効果】 この組成物は便付着防止効果及び洗浄効果に
優れ、かつ持続性が良好であるため、貯水タンク内又は
タンク上に設置するだけで長期間に渡って優れた便器清
浄作用を示す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は汚染防止効果及び洗浄効
果並びにその持続性に優れた水洗トイレ用オートクリー
ナー組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】水洗便器表面に軟便が付着しやすく、そ
のように付着した軟便は機械力を用いることなく、水洗
だけでは除去し難いものである。そこで従来、水洗便器
の貯水タンク内又はタンク上に設置された水洗オートク
リーナー（トイレボールオートクリーナー）から水洗水
中に有効成分を放出させることにより、持続的に便器の
汚れの堆積を防止し、洗浄を行い、清潔な状態を保たせ
る水洗トイレ用オートクリーナー組成物が使用されてい
る。

【０００３】このオートクリーナー組成物には液体タイ
プのものと固体タイプのものとがあるが、これらは通
常、界面活性剤、香料、色素を基本成分とし、必要に応
じて固形化剤、殺菌剤、防臭剤等を配合したものであ
る。そして、これらの色素や、香料を持続的に放出させ
る目的で種々の徐放化剤の配合が検討されている。例え
ばポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイ
ドエーテル類、ポリエチレングリコールモノエステル、
ポリエチレングリコールジエステル及びこれらの組み合
せが報告されている（特開昭４８−４４３０５号、特開
昭５５−７８３５号、特開昭５７−１７９２９８号、特
開昭５８−２５３９８号、特開昭５９−２４７９７号、
特開平４−２５３７９９号公報）。

【０００４】一方、洗浄成分としては、従来アルキル硫
酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、アルキルグ
リコシド、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、第４級アンモニウム塩等の各種の界面活性剤
が使用されている（特開平３−３５０９７号）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
オートクリーナーでは洗浄力を向上させるべく界面活性
能の優れた界面活性剤を使用しても必ずしも軟便の除去
能には結びつかず、また徐放化剤に通常の界面活性剤を
組み合せて用いると徐放化剤による界面活性能が低下し
てしまうこともあった。従って、本発明の目的は便付着
防止効果及び洗浄効果に優れ、かつ持続性も良好な水洗
トイレ用オートクリーナー組成物を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは種々
の界面活性剤と徐放化剤との組み合せについて種々検討
した結果、スルホコハク酸ジエステル類とポリオキシア
ルキレン型化合物とを組み合せれば、極めて強い便付着
防止効果、洗浄効果に加えて、驚くべきことにポリオキ
シアルキレン型化合物単独の場合よりも更に徐放性に優
れた水洗トイレ用オートクリーナー組成物が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。

【０００７】すなわち、本発明は次の成分（Ａ）及び
（Ｂ）： （Ａ）一般式（１）

【０００８】

【化３】

【０００９】〔式中、Ｒ¹ 及びＲ² は炭素数４〜１５の
直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、Ｍ
は水素原子又はアルカリ金属原子を示す〕で表されるス
ルホコハク酸ジエステル又はその塩、 （Ｂ）一般式（２）

【００１０】

【化４】

【００１１】〔式中、Ｒ³ 及びＲ⁴ は同一もしくは異な
って炭素数８〜２２のアシル基、アルキル基又はアルキ
ルフェニル基を示す。Ｒ⁵ は水素原子又はメチル基であ
り、同一分子中ですべて同じ基をとることもできるし、
水素原子とメチル基の双方をとることもできる。ｎは３
０〜３００の整数である〕で表される化合物、を含有す
ることを特徴とする水洗トイレ用オートクリーナー組成
物を提供するものである。

【００１２】本発明に用いられる成分（Ａ）のスルホコ
ハク酸ジエステル又はその塩を示す一般式（１）中、Ｒ
¹ 及びＲ² としては炭素数４〜１５の直鎖又は分岐鎖の
アルキル基、特に炭素数７〜１４の直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基、更に炭素数７〜１０の分岐アルキル基が好ま
しく、Ｍとしてはアルカリ金属原子、特にナトリウムが
好ましい。より好ましい成分（Ａ）の具体例としてはビ
ストリデシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩（例
えばアメリカンサイアナミド社製、ＴＲ−７０）、ジイ
ソブチルスルホコハク酸エステルナトリウム塩（例えば
アメリカンサイアナミド社製、ＩＢ−４５）、ジオクチ
ルスルホコハク酸エステルナトリウム（例えばアメリカ
ンサイアナミド社製、ＯＴ−１００）、ジアミルスルホ
コハク酸エステルナトリウム（例えばアメリカンサイア
ナミド社製、ＡＹ−１００）、ジ−２−エチルヘキシル
スルホコハク酸エステルナトリウム（例えば東京化成
製）などが挙げられる。

【００１３】上記成分（Ａ）は、本発明組成物を使用し
たときフラッシュ水中に成分（Ａ）が汚染防止効果及び
洗浄効果を奏するのに充分な量放出されるように本発明
組成物中に配合する。成分（Ａ）のフラッシュ水中での
有効濃度は０．５ppm 以上であれば充分であるが、２pp
m 以上であるのがより好ましい。成分（Ａ）をかかる有
効濃度となるように配合するには、成分（Ｂ）の配合量
によっても異なるが、通常本発明組成物中に２０〜８５
重量％、特に３５〜７０重量％、更に４５〜６０重量％
配合するのが好ましい。

【００１４】本発明に用いられる成分（Ｂ）の化合物を
示す一般式（２）中、Ｒ³ 及びＲ⁴としては炭素数８〜
２２のアシル基、アルキル、アルキルフェニル基のう
ち、炭素数８〜２２のアシル基がより好ましい。かかる
アシル基のうち、炭素数８〜２２の直鎖又は分岐鎖のア
ルカノイル基、特に炭素数１２〜２２の直鎖又は分岐鎖
のアルカノイル基が好ましい。また、ｎとしては３０〜
３００であるが、特に５０〜２００、更に７５〜１２５
が特に好ましい。成分（Ｂ）の好ましい例としてはポリ
オキシエチレン（ＰＯＥ＝５０〜２００）ジＣ₁₂〜Ｃ₂₂
脂肪酸ジエステル、ポリオキシプロピレン（ＰＯＰ＝５
０〜２００）ジＣ₁₂〜Ｃ₂₂脂肪酸ジエステル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレン（ＰＯＥ＋ＰＯＰ＝５
０〜２００）ジＣ₁₂〜Ｃ₂₂脂肪酸エステルが挙げられ、
具体例としてはポリオキシエチレン（ＰＯＥ＝５０〜２
００）ジミリステート、ポリオキシエチレン（ＰＯＥ＝
５０〜２００）ジパルミテート、ポリオキシエチレン
（ＰＯＥ＝５０〜２００）ジステアレート、ポリオキシ
プロピレン（ＰＯＰ＝５０〜２００）ジミリステート、
ポリオキシプロピレン（ＰＯＰ＝５０〜２００）ジパル
ミテート、ポリオキシプロピレン（ＰＯＰ＝５０〜２０
０）ジステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレン（ＰＯＥ＋ＰＯＰ＝５０〜２００）ジミリステ
ート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン（ＰＯ
Ｅ＋ＰＯＰ＝５０〜２００）ジパルミテート、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレン（ＰＯＥ＋ＰＯＰ＝５
０〜２００）ジステアレート等が挙げられる。

【００１５】これらの成分（Ｂ）は、成分（Ａ）との併
用により汚染防止効果及び洗浄効果を充分に発揮し、か
つそれらの作用を持続させる効果を奏するのに充分な量
配合される。かかる効果を得るために好ましい成分
（Ｂ）の配合量は、本発明組成物中に５〜５０重量％、
特に好ましくは１５〜４５重量％、更に好ましくは２５
〜３５重量％である。また、上記汚染防止効果、洗浄効
果及び持続作用の全てを満足するという観点から、成分
（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比は、重量比〔（Ａ）／
（Ｂ）〕で９０／１０〜５０／５０、特に８０／２０〜
６０／４０が好ましい。

【００１６】本発明組成物には、上記必須成分の他、硫
酸、炭酸、ホウ酸、リン酸等の酸のアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩、アンモニウム塩や無水ケイ酸等の賦
形剤；ポリアクリル酸；ヒドロキシカルボン酸等のキレ
ート剤、香料、殺菌剤、防腐剤、固形化剤、増粘剤、色
素、漂白剤、離型剤、溶剤、消泡剤、成分（Ａ）以外の
界面活性剤等を配合することができる。

【００１７】本発明組成物の好ましい処方例としては、
成分（Ａ）３５〜７０重量％、成分（Ｂ）１５〜４５重
量％、香料３〜１０重量％、色素１〜５重量％が挙げら
れる。

【００１８】本発明組成物は、上記各成分を配合し、常
法に従って、固形状、粒状、ペースト状あるいは液状等
の形態に調製して使用することができる。例えば固形状
製剤とするには、上記各成分を必要により加熱して溶
解、混合後、冷却固化、所望の形に成形するのが好まし
い。また、本発明組成物は、通常２０〜１５０ｇ、好ま
しくは３０〜７０ｇの製剤として、水洗トイレのタンク
内又はタンク上に設置することにより使用される。

【００１９】

【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。

【００２０】実施例１ 表１に示す組成物を調製し、以下の試験法により、便器
の付着便に対する洗浄性と持続時間を評価した。

【００２１】〔組成物の製造法〕各成分を容量１００ml
のポリエチレン製のディスポーザブルカップに所定量秤
量後、電子レンジで溶融ののち混合し、氷水にて冷却後
とり出すことにより調製した。

【００２２】〔試験法〕 （１）付着便の除去性（汚染防止効果及び洗浄効果） サイホン式洋式便器表面を濃硫酸にて洗浄し、表面付着
物を除去した。次に供試組成物の固形成形品５０ｇをロ
−タンク内に底着させ、３０分間隔で連続１０回フラッ
シュ洗浄し、その後表面の水膜及び水滴が乾燥するまで
放置した。このようにして調製されたオートクリーナー
設置便器に、パネラー（Ｎ＝１０，各組成物について１
０名で評価）が便が付着するように前方に寄りながら排
便し、続いてフラッシュ水により洗浄した。付着便の除
去性の評価は、完全に付着便が脱落するまでのフラッシ
ュの回数の平均値をもって行った。回数の少いほど付着
便除去効果、すなわち、汚染防止効果及び洗浄効果が高
いと判定できる。

【００２３】（２）持続時間 ２００mlのトールビーカーに約０．１ｇの供試組成物の
固形成形品を投入し、２００mlの水道水を入れ、水を一
定時間ごとに交換しながら完全に分散溶解するまでの時
間を測定した。

【００２４】〔試験結果〕得られた結果を表１に示す。
表中、付着便除去性はフラッシュ回数２回以下である場
合、持続時間は４０時間以上である場合は実用上優れて
いると判断できる。表１から明らかなように本発明組成
物は付着便除去性及び持続性ともに比較組成物に比べて
優れていた。特に本発明組成物１と比較組成物１との対
比から、本発明組成物は、比較組成物に比べて成分
（Ａ）の配合量が２／３近くであるにもかかわらず良好
な付着便除去性を示した。また、本発明組成物と比較組
成物２との対比から、本発明組成物は成分（Ｂ）単独使
用の場合よりも優れた持続性を有していた。なお、本発
明組成物を使用した場合、フラッシュ１回目から極めて
良好な付着便除去性を示した。これは本発明組成物が単
に洗浄効果が強いだけでなく、便器に便が付着し難くす
る効果、すなわち汚染防止効果が強いことを示してい
る。

【００２５】

【表１】

【００２６】

【発明の効果】本発明の水洗トイレ用オートクリーナー
組成物は便付着防止効果及び洗浄効果に優れ、かつ持続
性が良好であるため、貯水タンク内又はタンク上に設置
するだけで長期間に渡って優れた便器清浄作用を示す。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 次の成分（Ａ）及び（Ｂ）： （Ａ）一般式（１） 【化１】 〔式中、Ｒ¹ 及びＲ² は炭素数４〜１５の直鎖又は分岐
   鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、Ｍは水素原子又
   はアルカリ金属原子を示す〕で表されるスルホコハク酸
   ジエステル又はその塩、 （Ｂ）一般式（２） 【化２】 〔式中、Ｒ³ 及びＲ⁴ は同一もしくは異なって炭素数８
   〜２２のアシル基、アルキル基又はアルキルフェニル基
   を示す。Ｒ⁵ は水素原子又はメチル基であり、同一分子
   中ですべて同じ基をとることもできるし、水素原子とメ
   チル基の双方をとることもできる。ｎは３０〜３００の
   整数である〕で表される化合物、を含有することを特徴
   とする水洗トイレ用オートクリーナー組成物。
2. 【請求項２】 一般式（１）中のＭがアルカリ金属原子
   であり、一般式（２）のＲ³ 及びＲ⁴ が炭素数８〜２２
   のアシル基である請求項１記載の組成物。
3. 【請求項３】 成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が重量
   比〔（Ａ）／（Ｂ）〕で９０／１０〜５０／５０である
   請求項１又は２記載の組成物。