JPH07173413A - 研摩作業性に優れた耐摩耗性塗料組成物 - Google Patents

研摩作業性に優れた耐摩耗性塗料組成物

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JPH07173413A
JPH07173413A JP5192760A JP19276093A JPH07173413A JP H07173413 A JPH07173413 A JP H07173413A JP 5192760 A JP5192760 A JP 5192760A JP 19276093 A JP19276093 A JP 19276093A JP H07173413 A JPH07173413 A JP H07173413A
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JP
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hardness
paint
abrasion
pigment
coating
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JP5192760A
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English (en)
Inventor
Shunichi Nakamura
俊一 中村
Shikinori Yamada
式典 山田
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Kagoshima Prefecture
Original Assignee
Kagoshima Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【目的】研摩紙による研摩を容易にすると共に、耐摩耗
性を高める。 【構成】塗膜の研摩に使用される研摩紙の研摩材より硬
度が低く、且つ塵埃の粒子の硬度と同等以上の硬度を有
する顔料をビヒクルに混合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜の研摩に使用され
る研摩紙の研摩材より硬度が低く、且つ塵埃の粒子の硬
度と同等以上の硬度を有する顔料をビヒクルに混合した
耐摩耗性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】塗膜の硬度を高めることによって摩耗を
減少させ、被塗装物を長期に渡って保護することを可能
にする耐摩耗性塗料として、特開昭62−62868号
(従来技術1とする)、特開昭64−51473号(従
来技術2とする)、特開平2−150469号(従来技
術3とする)、特開平3−89973号(従来技術4と
する)なる従来技術が提案されており、以下に、これら
の従来技術を示す。
【0003】従来技術1においては、ポリイミド樹脂に
窒化ケイ素等のセラミックの微粒子を混合することによ
って塗膜の硬度を高めており、従来技術2においては、
メラミン樹脂とアルキド樹脂の混合ワニスに、セラミッ
ク粉末を混合することによって、塗膜の硬度を高めてい
る。
【0004】また従来技術3では、テトラポット状酸化
亜鉛ウィスカーと、ボーキサイト粉をエポキシ−ポリア
ミン系樹脂等に混合した塗料とすることによって、塗膜
の硬度を所望の硬度としており、従来技術4では、メタ
ルアルコキシド、水、反応抑制剤からなる反応液と、有
機系塗料とを用いることによって、塗膜表面にセラミッ
クコーティングを形成する構成としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来技術
1〜4を、フロ−リング材における下塗りや塗り換えを
行うときのように、塗装後に研摩紙による研摩が必要な
用途に適用しようとした場合、以下に示す問題が生じて
いる。
【0006】即ち、従来技術の塗料により形成される塗
膜は、混合されたセラミック微粒子、あるいはゾルゲル
反応により形成されたセラミックコーティングのため、
その硬度が極めて高く、研摩紙の研摩材である炭化ケイ
素等と同等の硬度となっており、研摩作業の効率が極め
て悪い。そのため、耐摩耗性が優れているにも関わら
ず、塗装後の研摩が必要となる用途には適用することが
困難となっていた。
【0007】本発明は上記課題を解決するため創案され
たものであって、その目的は、塗膜を、摩耗の原因とな
る塵埃の粒子と同等以上の硬度とし、且つ研摩紙の研摩
材より柔らかい硬度とすることによって、研摩紙による
研摩を容易にすると共に耐摩耗性に優れる耐摩耗性塗料
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の耐摩耗性塗料は、塗膜の研摩に使用される研摩
紙の研摩材より硬度が低く、且つ塵埃の粒子の硬度と同
等以上の硬度を有する顔料をビヒクルに混合している。
【0009】
【作用】塵埃の粒子の硬度は、モース硬度の値が5〜7
の範囲にある。また研摩作業によく使われる研摩材の硬
度は、同値が9以上となっている。そのため、硬度が5
〜9の範囲にある顔料を、例えば硬度が5〜7となる微
細火山ガラスとし、この顔料をビヒクルに混合すると、
この混合物により形成される塗膜は、塵埃の粒子に対し
ては摩耗抵抗を示す。また研摩紙の研摩材に対しては、
摩耗される。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の一実施例について図面を参
照しつつ説明する。
【0011】木部塗装面の研摩等に使用される研摩紙に
は、研摩材として、アルミナあるいは炭化ケイ素等が一
般に用いられており、この研摩材は、モース硬度の値が
9以上となっている。一方、砂塵等の塵埃の粒子の硬度
は、モース硬度で5〜7の範囲にある。そのため、研摩
材より硬度が低く、且つ塵埃の粒子の硬度と同等以上の
硬度を有する顔料には、硬度が5〜9の範囲の微粒子が
適するが、本実施例では、モース硬度が5〜7の範囲に
ある微細火山ガラスを顔料に採用している。
【0012】また塗料としての用途を、木質のフローリ
ング材に塗布される耐摩耗性の透明塗料とするため、ビ
ヒクルには、微細火山ガラスの屈折率(1.45〜1.
96)に近似した屈折率(1.4〜1.6)を有する透
明塗料であり、塗膜そのものに高い硬度を得ることが可
能であるポリオール型ポリウレタン塗料を用いている。
【0013】また塵埃に対する耐摩耗性と、研摩紙によ
る研摩の容易さとのデータを得るための試料において
は、フローリング材に塗布する一般の方法が2回塗りで
あるため、2回塗りし、その塗り付け量を同等の2g/
100cm2としている。
【0014】またポリウレタン塗料に混合する微細火山
ガラスの粒径については、その値を20μmとしてい
る。この理由は、フローリング材への標準的な塗り付け
量で塗装すると、20μm前後の粒径を最適値として、
10μm〜40μmの範囲が耐摩耗性に対して効果的で
あるとの実験結果を得ていることのためである。
【0015】なお、上記した粒径20μmの微細火山ガ
ラスについては、鹿児島県吉田町に産する2次堆積シラ
スを乾燥するとき得られるサイクロン回収物が、平均粒
径が20μmの微細火山ガラスであるため、この回収物
を微細火山ガラスとして用いている。
【0016】またポリウレタン塗料に混合する微細火山
ガラスの比率については、その比率が高くなるに従って
塗膜の性質がつや消しとなることから、ポリウレタン塗
料に対する微細火山ガラスの体積率を10%として、得
られる塗料を半つや消しの塗料としている。
【0017】上記したように、本実施例では、2次堆積
シラスのサイクロン回収物である平均粒径が20μmの
微細火山ガラスを顔料とし、顔料の混合比率を体積率で
10%としている。そして顔料の混合においては、微細
火山ガラスに含まれる水分が、反応性の高いイソシアネ
ート成分と反応することを回避するため、塗料主剤(ポ
リオール成分)に微細火山ガラスを混合する方法を採用
している。
【0018】研摩のされ易さに関するデータを得るため
の試料には、上記混合物にイソシアネート成分を混合、
撹拌することにより得られる透明な耐摩耗性塗料を、吹
き付け2回塗りした試料を用いている(試料1とす
る)。またこの耐摩耗性塗料と特性を比較するための試
料として、顔料を混合しないポリオール型ポリウレタン
塗料のみを、上記と同様に塗布した試料(試料2)、お
よびアルミナを上記と同一方法でもって混合した塗料を
同等方法で塗布した試料(試料3)を作成した。
【0019】そしてこれらの試料を、テーバー形の摩耗
試験機を用い、摩耗輪には、一般の作業に広く使用され
ている研摩紙を使用している。なお試験条件としては、
摩耗輪の荷重を1kgf/cm2とすると共に、回転盤
を、毎分60回転数でもって所定回数だけ回転させる条
件とし、摩耗減量を、試料の試験前における重量と試験
後における重量との差異でもって示すこととした。また
各試料1〜3毎に3回の試験を繰り返した。
【0020】この試験では、図1に示すように、微細火
山ガラスを顔料として混合した耐摩耗性塗料の塗膜(試
料1)の摩耗減量(11により示す)と、ポリウレタン
塗料のみの塗膜(試料2)の摩耗減量(12により示
す)とは、その量が略同一となっており、アルミナを混
合した試料3の摩耗減量(13により示す)の略4倍の
値となっていて、微細火山ガラスを混合した耐摩耗性塗
料の塗膜は、研摩紙による研摩においては、極めて研摩
され易いことを示す試験結果となっている。
【0021】また塵埃の粒子に対する耐摩耗性を試験す
るため、上記試験機の摩耗輪に、塵埃の一種であるシラ
スを研摩材とする研摩紙を用い、上記と同一条件、同一
算出方法による試験を行った。
【0022】この試験では、図2に示すように、顔料と
して微細火山ガラスを混合した試料1の摩耗減量の値
(21により示す)は、ポリウレタン塗料のみの試料2
の摩耗減量(22により示す)に対して略70%の値と
なっており、耐摩耗性の良好な改善を示すという試験結
果を得ている(23は、アルミナを混合した試料3の摩
耗減量を示している)。
【0023】以上説明したように、本実施例では、顔料
に、透明である微細火山ガラスを用い、ビヒクルには、
微細火山ガラスと近似した屈折率の透明塗料を用いてい
るので、塗膜を透かして木目が現れる透明塗料となるた
め、木質系床面の耐摩耗性塗料として最適であるという
効果を得ている。
【0024】また、ビヒクルをポリオール型ポリウレタ
ン塗料としているので、微細火山ガラスは、主成分であ
るポリオール成分に対して混合すれば良く、微細火山ガ
ラスに含まれる水分と反応し易いイソシアネート成分か
ら微細火山ガラスを分離した状態にて保存することが可
能であるため、塗料としての保存が容易になるという効
果を有する。また微細火山ガラスが混合される透明塗料
をその他の塗料とした場合に比して、塗膜の固さをより
高めることが可能となっている。
【0025】また粒径が10μm〜40μmの範囲であ
る微細火山ガラスを、2次堆積シラスを乾燥するとき得
られるサイクロン回収物(粒径20μm)としているの
で、顔料のコストが極めて安価となり、工業化が容易で
あるという効果を得ると共に、木質系床面塗料としたと
きには、塗膜厚みとの関係から耐摩耗性が最良になると
いう効果を生じている。
【0026】なお本発明は上記実施例に限定されず、顔
料については、微細火山ガラスとした場合について説明
したが、ガラスビーズの場合にも同様に適用することが
可能であり、不透明塗料とする場合には、研摩材より硬
度が低く、且つ塵埃の粒子の硬度と同等以上の硬度とし
て、モース硬度が5〜9の範囲にある任意の粒子を顔料
として用いることが可能である。
【0027】また顔料の粒径については、2回塗りの標
準的な塗装方法としたことから、平均粒径を20μmと
した場合について説明したが、塗布量が異なる場合に
は、その塗布量に対応して最適結果を与える粒径とする
ことが可能である。
【0028】また微細火山ガラスをポリオール型ポリウ
レタン塗料に混合する比率については、半つや消し塗料
とするため、体積率で10%とした場合について説明し
たが、つやが要求される場合には、10%以下の値とし
て、例えば5%、あるいは7%等とすることが可能であ
り、より耐摩耗性が要求される場合では、10%より多
い比率として、例えば15%等とすることが可能であ
る。
【0029】また得られた耐摩耗性塗料の塗装方法につ
いては、吹き付け塗りとした場合について説明したが、
その他の方法として、刷毛塗り、またはフローコータ塗
り等の塗装法を適用することが可能であるという実験結
果を得ている。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る耐摩耗性塗料は、塗膜の研
摩に使用される研摩紙の研摩材より硬度が低く、且つ塵
埃の粒子の硬度と同等以上の硬度を有する顔料をビヒク
ルに混合しているので、この混合により得られる塗料の
塗膜は、塵埃の粒子に対して耐摩耗性を示し、研摩紙の
研摩材に対しては摩耗され、研摩紙による研摩が容易で
あるという特性を得ることが可能となっている。また塗
布においては、塗布と研摩のみで良く、下塗りにも使用
可能であるため、特殊な塗装装置を必要とせず、極めて
小規模な設備にて使用可能であることから、塗膜に耐摩
耗性を与えるに際しての設備のランニングコストが低減
されるという効果を併せ持っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般の研摩紙を用いた摩耗試験における塗膜の
摩耗減量を示す説明図である。
【図2】塵埃の一種であるシラスにより調製された研摩
紙を用いた摩耗試験における摩耗減量を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
11、21 微細火山ガラスを混合した耐摩耗性塗料の
塗膜の摩耗減量 12、22 ポリオール型ポリウレタン塗料のみの塗膜
の摩耗減量 13、23 アルミナを混合した耐摩耗性塗料の塗膜の
摩耗減量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜の研摩に使用される研摩紙の研摩材
    より硬度が低く、且つ塵埃の粒子の硬度と同等以上の硬
    度を有する顔料をビヒクルに混合したことを特徴とする
    耐摩耗性塗料
  2. 【請求項2】 前記顔料を微細火山ガラスまたはガラス
    ビーズとし、前記ビヒクルを、ガラスに近似した屈折率
    を有する透明塗料としたことを特徴とする請求項1記載
    の耐摩耗性塗料。
  3. 【請求項3】 前記顔料を平均粒径が10μm〜40μ
    mの微細火山ガラスとし、前記透明塗料をポリウレタン
    塗料としたことを特徴とする請求項2記載の耐摩耗性塗
    料。
JP5192760A 1993-07-06 1993-07-06 研摩作業性に優れた耐摩耗性塗料組成物 Pending JPH07173413A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111278930A (zh) * 2017-11-06 2020-06-12 伊梅斯切公司 透明涂料组合物

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