JPH0717264U - ゴルフクラブセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ゴルフクラブセットに関し、ロン
グアイアンでの飛距離の確保とショートアイアンでの打
球の方向性のコントロールのし易さを確保し乍ら、ロン
グアイアンでのスライスとショートアイアンでのフック
を防止したゴルフクラブセットを提供することを目的と
する。 【構成】 ロングアイアン，ミドルアイアン及びショー
トアイアンからなるゴルフクラブセットに於て、各アイ
アンのヘッドのホーゼル部の長さ寸法を、番手の小さい
方から大きい方へ順次長く成形し、各ヘッドのバック側
上部に、番手の小さい方から大きい方へヘッドの中間部
に向けてウェイト部を順次延設すると共に、各ヘッドの
中間部の肉厚を略均一に成形した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アイアンクラブからなるゴルフクラブセットの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、アイアンクラブからなるゴルフクラブセットは、２番から４番のロン グアイアン，５番から７番のミドルアイアン、そして、８番から１０番アイアン とサンドウエッジのショートアイアンで構成されており、２番アイアンからサン ドウエッジになるに従いロフトが大きく設定されている。

【０００３】 そして、本出願人は先に、この種のゴルフクラブセットに於て、アイアンヘッ ドの中間部の肉厚を略同一肉厚にすると共に、各ヘッドの上部の肉厚を番手が上 がるに従い順次厚くしたものを提案した（実開平２−８８６７５号公報参照）。

【０００４】 而して、斯かるゴルフクラブセットによれば、ロングアイアンでは重心が低く なるため打球が高く上がって飛距離が伸び、又、ショートアイアンではヘッドの 重心が高くなるために意図的にヘッド（フェース）の方向を変えて打球の方向性 をコントロールし易いという効果を有する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

然し、一般に初心者や中級者がロングアイアンを用いた場合、スウィングの際 にヘッドが開いて打球がスライスしてしまうことが多く、逆にショートアイアン でスウィングした場合には打球がフックしてしまうことが多い。

【０００６】 そして、本出願人の先願に係る上記ゴルフクラブセットによれば、ロングアイ アンでは飛距離が確保でき、又、ショートアイアンでは打球の方向性をコントロ ールし易い効果を有するものの、依然として上述した従来のロングアイアンとシ ョートアイアンの持つ欠点を解消することはできなかった。

【０００７】 本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、ロングアイアンでの飛距離の確 保とショートアイアンでの打球の方向性のコントロールのし易さを図った先願の 利点を維持しつつ、ロングアイアンでのスライスとショートアイアンでのフック を防止したゴルフクラブセットを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

斯かる目的を達成するため、請求項１に係る考案は、ロングアイアン，ミドル アイアン及びショートアイアンからなるゴルフクラブセットに於て、各アイアン のヘッドのホーゼル部の長さ寸法を、番手の小さい方から大きい方へ順次長く成 形し、各ヘッドのバック側上部に、番手の小さい方から大きい方へヘッドの中間 部に向けてウェイト部を順次延設すると共に、各ヘッドの中間部の肉厚を略均一 に成形したものである。

【０００９】 そして、請求項２に係るゴルフクラブセットは、各ヘッドのバック側にキャビ ティを成形し、各キャビティ内にウェイト部を設けたことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

各請求項に記載の考案によれば、各ヘッドの重心が番手の小さい方から大きい 方へ順次移動して高くなると共に、ロングアイアンのヘッドの重心は従来のロン グアイアンに比しトウ側に移動し、そして、番手が上がるに従い重心はヒール側 に移動し、ショートアイアンのヘッドの重心Ｇはヒール側に移動する。

【００１１】 又、ウェイト部を、ヘッドの中間部に向けて番手の小さい方から大きい方へ順 次延設した結果、２番アイアンではトウ側側の広い範囲に亘ってスイートスポッ トが成形されるが、番手が上がって重心がヒール側に移動するに従い、スイート スポットもヒール側に移動して順次狭くなる。

【００１２】

【実施例】 以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。 図１は本考案の一実施例に係るゴルフクラブセットの２番から４番のロングア イアンのヘッド２〜４の断面図を、図２は５番から７番のミドルアイアンのヘッ ド５〜７の断面図を、そして、図３は８番から１０番アイアンと１本のサンドウ エッジ（ＳＷ）からなるショートアイアンのヘッド８〜１１の断面図を示し、こ れらのヘッド２〜１１は、いずれも従来と同様、ホーゼル部２ａ〜１１ａとフェ ース部２ｂ〜１１ｂ，ソール部２ｃ〜１１ｃ等が軟鋼によって一体成形され、そ して、番手が大きくなるに従いロフトが大きくなるように設定されている。

【００１３】 而して、本実施例に係るゴルフクラブセットは、図１〜図３に示すように、２ 番アイアンのヘッド２のホーゼル部２ａの長さ寸法Ｌ２が、従来の２番アイアン のホーゼル部よりも短く成形されると共に、３番アイアンのヘッド３からサンド ウエッジのヘッド１１のホーゼル部３ａ〜１１ａの長さ寸法Ｌ３〜Ｌ１１が、番 手の小さい方から大きい方へ順次長く成形されており、ショートアイアンのうち ８番アイアンのヘッド８のホーゼル部８ａの長さ寸法が、従来のショートアイア ンのホーゼル部と等しくなっている。

【００１４】 そして、各ヘッド２〜１１のバック側には、キャビティ（凹状部）２ｄ〜１１ ｄが成形されており、各キャビティ２ｄ〜１１ｄに対応する各ヘッド２〜１１（ フェース部２ｂ〜１１ｂ）の中間部は略均一の肉厚Ｔとされている。これを２番 アイアン，５番アイアン，８番アイアンのヘッド２，５，８を表す図４〜図６で 説明すると、図示するように各ヘッド２，５，８のバック側には、夫々、ヘッド ２，５，８の外形形状に沿ってトウ２ｅ，５ｅ，８ｅ側からヒール２ｆ，５ｆ， ８ｆ側へ順次幅狭となるキャビティ２ｄ，５ｄ，８ｄが成形されている。

【００１５】 そして、図１〜図６に示すように各キャビティ２ｄ〜１１ｄ内には、番手の小 さい方から大きい方へウェイト部２ｇ〜１１ｇがヘッド２〜１１の中間部に向け て順次延設されている。各ウェイト部２ｇ〜１１ｇは、例えば図４〜図６に示す ように、キャビティ２ｄ，５ｄ，８ｄの上縁部に沿ってトウ２ｅ，５ｅ，８ｅ側 からヒール２ｆ，５ｆ，８ｆ側へ一体成形された薄肉の帯板形状とされている。 そして、各ウェイト部２ｇ〜１１ｇをヘッド２〜１１の中間部に向けて番手の小 さい方から大きい方へその幅Ｍ２〜Ｍ１１を順次延設して広げることにより、番 手が上がるに従いウェイト部２ｇ〜１１ｇの重量が順次増加するようになってい る。

【００１６】 このように本実施例は、ヘッド２〜１１のホーゼル部２ａ〜１１ａの長さ寸法 Ｌ２〜Ｌ１１を番手の小さい方から大きい方へ順次長くすると共に、各キャビテ ィ２ｄ〜１１ｄ内に設けたウェイト部２ｇ〜１１ｇを、ヘッド２〜１１の中間部 に向けて番手の小さい方から大きい方へ順次延設して広げたので、図１〜図３に 示すように、各ヘッド２〜１１の重心Ｇが番手の小さい方から大きい方へ順次移 動して高くなると共に、ロングアイアンのヘッド２〜４の重心Ｇは従来のロング アイアンに比しトウ側に移動し、そして、番手が上がるに従い、重心Ｇはヒール 側に移動してショートアイアンの各ヘッド８〜１１の重心Ｇはヒール側に移動す ることとなる。

【００１７】 従って、本実施例によれば、ロングアイアンのヘッド２〜４では重心Ｇが低く なるため、打球が高く上がって飛距離が確保できると共に、重心Ｇがトウ側に移 動しているのでスウィングの際にヘッドスピードが増してヘッド２〜４の開きが なくなり、その結果、打球のスライスを防止できる効果を有する。

【００１８】 又、これと逆に、ショートアイアンのヘッド８〜１１では重心Ｇが上方へ移動 するので、従来と同様、打球の方向性をコントロールし易い利点を有する他、各 ヘッド８〜１１の重心Ｇがヒール側に移動しているので、スウィングの際にトウ 側がやや開いて打球のフックが防止できることとなる。

【００１９】 更に又、本実施例によれば、ウェイト部２ｇ〜１１ｇを、ヘッド２〜１１の中 間部に向けて番手の小さい方から大きい方へ順次延設して広げた結果、２番アイ アンではトウ側２ｅ側の広い範囲に亘ってスイートスポットが成形されるが、番 手が上がってウェイト部２ｇ〜１１ｇがヘッド２〜１１の中間部に向けて順次延 設されるに従い、スイートスポットも番手が上がるに従い狭くなる。

【００２０】 従って、一般にショートアイアンでは、打球の方向性をコントロールすると共 に、打球の飛距離をコントロールする必要があるが、本実施例によれば、ショー トアイアンのスイートスポットが狭くなったために意図的にスイートスポットを 外して飛距離を抑えるという調整が行い易くなり、ショートアイアンの特徴を引 き出すことが可能となった。

【００２１】 然も、本実施例は、上述したように各キャビティ２ｄ〜１１ｄに対応するヘッ ド中間部の肉厚Ｔを略同一に成形したので、実開平２−８８６７５号公報で開示 したゴルフクラブセットと同様、略同一の打球感で各アイアンクラブの特徴を充 分に引き出すことも可能である。

【００２２】

【考案の効果】

以上述べたように、各請求項に記載の考案によれば、従来に比しロングアイア ンのヘッドの重心が低くなってトウ側に移動するので、打球が高く上がって飛距 離が確保できると共に、スウィングの際にヘッドスピードが増してヘッドの開き がなくなり、その結果、打球のスライスを防止できることとなった。

【００２３】 又、これと逆に、ショートアイアンのヘッドは重心が上方へ移動すると共に、 重心がヒール側に移動し、然も、番手が上がるに従いウェイト部をヘッドの中間 部に向けて順次延設した結果、番手が上がるに従いスイートスポットもヒール側 に移動して狭くなるので、打球の方向性をコントロールし易い利点を有する他、 スウィングした際にボールのフックが防止できると共に、意図的にスイートスポ ットを外して飛距離を抑えるという調整が行い易くなり、ショートアイアンの特 徴を引き出すことが可能となった。

【００２４】 然も、本考案によれば、既述した本出願人の先願に係るゴルフクラブセットと 同様、各アイアンのヘッドの中間部の肉厚が略均一に成形されているので、略同 一の打球感で各アイアンの特徴を充分に引き出すことも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るゴルフクラブセットの
ロングアイアンのヘッドの断面図である。

【図２】本考案の一実施例に係るゴルフクラブセットの
ミドルアイアンのヘッドの断面図である。

【図３】本考案の一実施例に係るゴルフクラブセットの
ショートアイアンのヘッドの断面図である。

【図４】２番アイアンのヘッドの斜視図である。

【図５】５番アイアンのヘッドの斜視図である。

【図６】８番アイアンのヘッドの斜視図である。

【符号の説明】

２，３，４，５，６，７，８，９，１０，１１ ヘッド ２ａ，３ａ，４ａ，５ａ，６ａ，７ａ，８ａ，９ａ，１
０ａ，１１ａ ホーゼル部 ２ｄ，３ｄ，４ｄ，５ｄ，６ｄ，７ｄ，８ｄ，９ｄ，１
０ｄ，１１ｄ キャビティ ２ｇ，３ｇ，４ｇ，５ｇ，６ｇ，７ｇ，８ｇ，９ｇ，１
０ｇ，１１ｇ ウェイト部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロングアイアン，ミドルアイアン及びシ
   ョートアイアンからなるゴルフクラブセットに於て、各
   アイアンのヘッドのホーゼル部の長さ寸法を、番手の小
   さい方から大きい方へ順次長く成形し、各ヘッドのバッ
   ク側上部に、番手の小さい方から大きい方へヘッドの中
   間部に向けてウェイト部を順次延設すると共に、各ヘッ
   ドの中間部の肉厚を略均一に成形したことを特徴とする
   ゴルフクラブセット。
2. 【請求項２】 各ヘッドのバック側にキャビティを成形
   し、各キャビティ内にウェイト部を設けたことを特徴と
   する請求項１記載のゴルフクラブセット。