JPH07169761A - シリコン酸化膜の形成方法及びmosトランジスタのゲート酸化膜 - Google Patents

シリコン酸化膜の形成方法及びmosトランジスタのゲート酸化膜

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JPH07169761A
JPH07169761A JP10455594A JP10455594A JPH07169761A JP H07169761 A JPH07169761 A JP H07169761A JP 10455594 A JP10455594 A JP 10455594A JP 10455594 A JP10455594 A JP 10455594A JP H07169761 A JPH07169761 A JP H07169761A
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silicon oxide
forming
semiconductor substrate
dielectric breakdown
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Akihide Kashiwagi
章秀 柏木
Atsushi Suzuki
篤 鈴木
Kazuhiko Tokunaga
和彦 徳永
Toshihiko Suzuki
利彦 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時
絶縁破壊(TDDB)特性に優れ、シリコン酸化膜が形
成される領域の半導体基板に含まれる欠陥を減少させ得
るシリコン酸化膜の形成方法を提供する。 【構成】シリコン酸化膜の形成方法は、(イ)水素ガス
100%の雰囲気中にて、1150゜C以上の温度で半
導体基板10の熱処理を行う工程と、(ロ)半導体基板
10上に加湿酸化法にてシリコン酸化膜14を形成した
後、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中でシリ
コン酸化膜14を熱処理する工程から成る。加湿酸化法
はパイロジェニック酸化法とすることが望ましい。ま
た、ハロゲン元素は塩素であることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体基板上のシリコン
酸化膜(SiO2膜)の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MOS半導体装置の製造においては、酸
化膜から成るゲート酸化膜を半導体基板上に形成する必
要がある。ゲート酸化膜の特性は、その形成雰囲気の影
響を強く受ける。例えばシリコン酸化膜から成る酸化膜
の形成方法として、乾燥酸化法及び加湿酸化法を挙げる
ことができる。乾燥酸化法は、加熱されたシリコン基板
に十分乾燥した高純度の酸素を供給することによってシ
リコン基板表面にシリコン酸化膜を形成する方法であ
る。また、加湿酸化法は、水蒸気を含む高温のキャリア
ガスをシリコン基板に供給することによってシリコン基
板表面にシリコン酸化膜を形成する方法である。
【0003】加湿酸化法の一種に、パイロジェニック酸
化法がある。この方法は、加湿酸化法の再現性を高め且
つ水量の管理を不要とするために、純粋な水素を燃焼さ
せて水分を作る方法である。パイロジェニック酸化法
は、水に起因した電子トラップを多く含むため乾燥酸化
法に比べてホットキャリア耐性が劣るものの、シリコン
酸化膜の絶縁耐圧特性や長期信頼性に優れており、今後
本格的に量産化が進むとされているフラッシュ・メモリ
にも採用されているという報告もある。
【0004】HCl、Cl2、CCl4、C2HCl3、C
2Cl2、C23Cl3等の塩素あるいはその他のハロ
ゲン元素を含有する化合物等を含んだ酸化雰囲気中で乾
燥酸化法によりシリコン酸化膜を形成する場合、以下の
利点が得られることが知られている。尚、このような方
法を、以下、塩酸酸化法と呼ぶ。 (A)シリコン酸化膜中のアルカリ金属不純物の中和あ
るいはゲッタリング (B)積層欠陥の減少 (C)短時間に評価される絶縁破壊の指標であるタイム
ゼロ絶縁破壊(Time-Zero Dielectric Breakdown、TZ
DB)特性の向上 (D)チャネル移動度の向上
【0005】一方、形成されたシリコン酸化膜を窒素や
アルゴン等の不活性ガス中で、800〜1000゜Cで
30分程度熱処理すると、シリコン酸化膜とシリコン基
板の界面において、以下の点が改善されることが知られ
ている。 (E)固定電荷の低減 (F)界面準位密度の低減
【0006】シリコン酸化膜の長期信頼性の指標とし
て、経時絶縁破壊(Time Dependent Dielectric Breakd
own、TDDB)特性がある。この経時絶縁破壊は、電
流ストレス又は電圧ストレスを印加した瞬間には破壊し
ないが、ストレス印加後ある時間経過してからシリコン
酸化膜に絶縁破壊が生じる現象である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】加湿酸化法によって形
成されたシリコン酸化膜は、乾燥酸化法によって形成さ
れたシリコン酸化膜よりも経時絶縁破壊(TDDB)特
性が優れている。即ち、加湿酸化法によって形成された
シリコン酸化膜の方が長期信頼性が高いといえる。この
理由は、シリコン酸化膜中の−OHや−SiOHXが経
時絶縁破壊(TDDB)特性の向上に寄与しているため
であると考えられている。
【0008】乾燥酸化法の一種である塩酸酸化法はタイ
ムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性の向上には寄与するも
のの、経時絶縁破壊(TDDB)特性を向上させること
ができないという問題がある。また、塩酸酸化法は、装
置や酸化膜形成条件の管理が難しいという問題もある。
【0009】加湿酸化法によって形成されたシリコン酸
化膜は、上述のとおり経時絶縁破壊(TDDB)特性が
優れている。そして、このようなシリコン酸化膜を窒素
やアルゴン等の不活性ガス中で熱処理した場合、上述の
(E)、(F)といった改善は認められるが、タイムゼ
ロ絶縁破壊(TZDB)特性が塩酸酸化法によって形成
されたシリコン酸化膜よりも低いという問題がある。
【0010】絶縁膜を形成した後、例えば塩素を含有す
る反応性ガス雰囲気下で絶縁膜を加熱処理することを特
徴とする絶縁膜形成方法が、例えば特開平3−2196
32号公報に開示されている。この絶縁膜形成方法にお
いては、絶縁膜は赤外線ランプによる急速加熱によって
形成される。即ち、所謂乾燥酸化法により絶縁膜が形成
される。従って、この絶縁膜形成方法によって得られる
シリコン酸化膜の経時絶縁破壊(TDDB)特性は、加
湿酸化法にて得られるシリコン酸化膜の経時絶縁破壊
(TDDB)特性よりも劣っているという問題がある。
また、この絶縁膜形成方法は、絶縁膜形成中に未結合手
等に起因する膜欠陥を低減することを目的としており、
タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性や経時絶縁破壊
(TDDB)特性の向上を目的としたものではない。更
に、加熱処理を1000゜C×20秒間の所謂RTA法
にて行い、絶縁膜と基板の界面近傍にSiClXから成
るドーピング層を形成する。
【0011】以上のとおり、従来の乾燥酸化法あるいは
加湿酸化法では、タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性
及び経時絶縁破壊(TDDB)特性の両方の特性を満足
し得るシリコン酸化膜を形成することができない。
【0012】本出願人は、平成5年3月23日付で特許
出願した特願平5−86836号において、タイムゼロ
絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDD
B)特性の両方の特性を満足し得るシリコン酸化膜の形
成方法を提案した。このシリコン酸化膜の形成方法は効
果的ではあるものの、以下に説明する問題を解決するに
至っていない。
【0013】ゲート酸化膜の特性は、その形成雰囲気の
影響を受けるだけでなく、半導体基板の影響も強く受け
る。即ち、基板中の積層欠陥や酸素析出物等の微小欠陥
は、ゲート酸化膜の特性劣化の要因となる。この問題
は、古くから高温熱処理によるデヌーデッドゾーン(De
nuded Zone、過飽和酸素の外方拡散によって形成される
無欠陥層)の形成によって対処されてきた。しかしなが
ら、現在MOS半導体装置の製造に用いられるCZシリ
コンウエハには、プロセスの熱処理で誘起される各種微
小欠陥の他に、単結晶引き上げ時に形成され比較的高温
の熱処理でも消滅しない残留欠陥が105〜106個/c
3程度存在することが判ってきた。この欠陥は、ゲー
ト酸化膜に取り込まれると、耐圧劣化の欠陥として作用
し、タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性のBモード不
良を増加させる。
【0014】引き上げ速度を遅くした単結晶から製造さ
れた半導体基板、あるいはエピタキシャル半導体基板な
どは、シリコン酸化膜の絶縁耐圧特性を基板の物性面か
ら向上させることができるとされている。しかしなが
ら、これらの半導体基板は製造コストが高い。また、引
き上げ速度を遅くした単結晶から製造された半導体基板
に関しては、半導体装置の製造プロセスの熱処理によっ
て特性が左右されることが考えられるため、実用的な効
果の有無は不明である。
【0015】従って、本発明の目的は、タイムゼロ絶縁
破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特
性に優れ、シリコン酸化膜が形成される領域の半導体基
板に含まれる欠陥を減少させ得るシリコン酸化膜の形成
方法、及びかかるシリコン酸化膜の形成方法に基づいた
MOSトランジスタのゲート酸化膜を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、(イ)水素
ガス100%の雰囲気中にて、1150゜C以上の温度
で半導体基板の熱処理を行う工程と、(ロ)半導体基板
上に加湿酸化法にてシリコン酸化膜を形成した後、ハロ
ゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中でシリコン酸化
膜を熱処理する工程、から成ることを特徴とする。
【0017】(イ)の工程における熱処理の温度が11
50゜C未満では、後に説明するように、半導体基板の
特性向上が期待できない。この熱処理の温度は出来る限
り高いことが望ましいが、その上限は、半導体基板の融
点や熱処理装置における上限温度に依存する。また、熱
処理の時間は、10〜600分程度であればよい。
【0018】半導体基板は、チョクラルスキー法(CZ
法)又は磁場中引上法(MCZ法)によって作製された
半導体基板であることが望ましい。
【0019】加湿酸化法は、パイロジェニック酸化法と
することが望ましい。また、ハロゲン元素として、塩
素、臭素、フッ素を挙げることができるが、なかでも塩
素であることが望ましい。不活性ガス中に含有されるハ
ロゲン元素の形態としては、例えば、HCl、CC
4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げること
ができる。不活性ガス中のハロゲン元素の含有率は、分
子又は化合物の形態を基準として、0.001〜10容
量%、好ましくは0.005〜10容量%、更に好まし
くは0.02〜10容量%である。例えば塩酸ガスを用
いる場合、不活性ガス中の塩酸ガス含有率は0.02〜
10容量%であることが望ましい。
【0020】また、(ロ)の工程における熱処理は炉ア
ニール処理であることが望ましい。熱処理の温度は、7
00〜1200゜C、好ましくは700〜1000゜
C、更に好ましくは700〜950゜Cである。また、
熱処理の時間は、5〜60分、好ましくは10〜40
分、更に好ましくは20〜30分である。不活性ガスと
しては、窒素ガス、アルゴンガスを例示することができ
る。
【0021】本発明のMOSトランジスタのゲート酸化
膜は、上記のシリコン酸化膜の形成方法により形成され
たシリコン酸化膜から成る。
【0022】
【作用】本発明のシリコン酸化膜の形成方法において
は、水素ガス100%の雰囲気中にて、1150゜C以
上の温度で半導体基板の熱処理を行う。これによって、
半導体基板の表層部分において、単結晶引き上げ時の残
留欠陥であるシリコン酸化物が水素の還元作用によって
分解し、同時に過飽和酸素の外方拡散も生じる。その結
果、半導体装置の製造プロセス中の熱処理による酸素析
出物の形成を抑制することができる。従って、例えば、
CZ法又はMCZ法によって作製され、且つ、このよう
な水素ガスによる処理を行った半導体基板を用いた場
合、半導体素子が形成される領域である基板表面から深
さ数十μmの領域は、ゲート酸化膜の形成工程を含む半
導体装置の製造プロセスを通じて、完全に無欠陥のま
ま、あるいは僅かな欠陥しか存在しない状態が保持され
る。それ故、半導体基板に起因したシリコン酸化膜の特
性劣化(例えば、絶縁耐圧の劣化)は生じない。
【0023】更に、シリコン酸化膜は加湿酸化法にて形
成されるので、得られたシリコン酸化膜は経時絶縁破壊
(TDDB)特性に優れる。また、ハロゲン元素を含有
する不活性ガス雰囲気中でシリコン酸化膜を熱処理する
ので、得られたシリコン酸化膜はタイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性に優れている。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づき、図1及び図2を参照
して本発明のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。
【0025】(実施例)先ず、基板酸素濃度1.45×
1018原子/cm3(ASTM F121−1979に
依る)、基板抵抗率10Ωcmの(100)CZシリコ
ンミラーウエハから成る半導体基板10に対して、水素
ガス100%の雰囲気中にて、1200゜C×1時間の
熱処理を行った(図1の(A)参照)。
【0026】その後、従来の方法に基づき半導体基板1
0に素子分離領域12を形成した。
【0027】次いで、半導体基板10の表面に、加湿酸
化法の一種である従来のパイロジェニック酸化法によっ
て厚さ10nmのシリコン酸化膜14を形成した(図1
の(B)参照)。パイロジェニック酸化法の条件を、例
えば以下のとうりとすることができる。尚、必要に応じ
て、シリコン酸化膜14の形成前に、半導体基板表面の
清浄化(化学薬品や純水を用いた洗浄等)を行う。 基板温度 : 850゜C
【0028】次に、ハロゲン元素を含有する不活性ガス
雰囲気中でシリコン酸化膜14を熱処理した(図1の
(C)参照)。具体的には、塩酸ガスを0.1容量%含
有する窒素ガス雰囲気中で、850゜C×30分間の熱
処理条件にてシリコン酸化膜14を熱処理した。熱処理
にはファーネス装置を用いた。これによって、シリコン
酸化膜14の表面近傍にハロゲン元素を多く含む層が形
成されると推定される。こうして、シリコン酸化膜14
から成るMOSトランジスタのためのゲート酸化膜が形
成される。
【0029】その後、公知のCVD技術、フォトリソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、シリコ
ン酸化膜14の上にポリシリコン及びタングステンシリ
サイドから成るポリサイド構造のゲート電極16を形成
し、MOSキャパシタとする(図2の(A)参照)。
【0030】次に、イオン注入を行い半導体基板10に
ソース・ドレイン領域18を形成し、その後、公知のC
VD法によって全面に層間絶縁層20を形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によっ
て層間絶縁層20に開口部22を形成する。次いで、開
口部22内を含む層間絶縁層20上に、例えばアルミニ
ウム合金から成る配線層をスパッタ法等によって堆積さ
せ、かかる配線層をフォトリソグラフィ技術及びドライ
エッチング技術によってパターニングして配線24を形
成する(図2の(B)参照)。こうして、MOSトラン
ジスタを完成させる。
【0031】(比較例1)比較例1のシリコン酸化膜の
形成方法は、実施例と同様の半導体基板10を用いた
が、半導体基板10に対して、水素ガス雰囲気中での熱
処理を行わない点が実施例と相違する。半導体基板10
の表面へのシリコン酸化膜14の形成、ハロゲン元素を
含有する不活性ガス雰囲気中でのシリコン酸化膜14の
熱処理は、実施例と同様とした。
【0032】(比較例2)比較例2のシリコン酸化膜の
形成方法は、実施例と同様の半導体基板10を用いた
が、シリコン酸化膜14を形成した後、窒素ガス雰囲気
中で(即ち、ハロゲン元素を含有しない不活性ガス雰囲
気中で)シリコン酸化膜14を熱処理した点が、実施例
と相違する。半導体基板10に対して水素ガス雰囲気中
での熱処理を行った後、半導体基板10の表面にシリコ
ン酸化膜14を形成する点は、実施例と同様である。
【0033】(比較例3)比較例3のシリコン酸化膜の
形成方法は、実施例と同様の半導体基板10を用いた
が、半導体基板10に対して水素ガス雰囲気中での熱処
理を行わない点、及び、窒素ガス雰囲気中で(即ち、ハ
ロゲン元素を含有しない不活性ガス雰囲気中で)シリコ
ン酸化膜14を熱処理した点が、実施例と相違する。半
導体基板10の表面へのシリコン酸化膜14の形成は実
施例と同様とした。
【0034】(比較例4)比較例4においては、チョク
ラルスキー法にて単結晶の引き上げ速度を遅く(通常の
1/2の引き上げ速度)して製造した単結晶から製造し
た半導体基板を用いた点を除き、比較例1と同様の方法
でシリコン酸化膜を形成した。
【0035】(比較例5)比較例5においては、比較例
4と同様の半導体基板を用いた点を除き、比較例3と同
様の方法でシリコン酸化膜を形成した。
【0036】実施例及び比較例1〜比較例3にて得られ
たMOSキャパシタのゲート酸化膜(シリコン酸化膜1
4)のタイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性を図3に示
す。
【0037】タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性を以
下の方法で評価した。1枚の半導体基板10に100個
のMOSキャパシタを作製した。また、ゲート酸化膜
(シリコン酸化膜14)の上に形成したゲート電極16
の面積を5mm2とした。評価には2枚の半導体基板を
使用した。図4に模式的に図示する回路を作り、ゲート
電極16に印加する電圧Vを増加させ、回路を流れる電
流Iを測定した。電流Iが判定電流IJ(=0.1μ
A)となったときの電圧VJを測定し、VJを印加電界に
換算する。印加電界が8MV/cmを越えるMOSキャ
パシタの個数を数え(即ち、所謂Cモード合格品の数を
数え)、百分率に換算した値を図3に示す。
【0038】図3から明らかなように、実施例にて得ら
れたMOSキャパシタ試料のCモード合格率が最も高か
った。
【0039】実施例及び比較例1〜比較例5にて得られ
たMOSキャパシタ試料のタイムゼロ絶縁破壊(TZD
B)評価における絶縁破壊電圧の分布を図5及び図6に
示す。実施例にて得られたMOSキャパシタ試料が、絶
縁破壊電圧が最も高電圧側に分布した分布パターンを有
しており、実施例のゲート酸化膜(シリコン酸化膜)が
最も優れた特性を示していた。
【0040】実施例及び比較例1にて得られたMOSキ
ャパシタの、経時絶縁破壊(TDDB)特性を図7に示
す。
【0041】経時絶縁破壊(TDDB)特性を以下の方
法で評価した。1枚の半導体基板10に50個のMOS
キャパシタを作製した。また、ゲート酸化膜(シリコン
酸化膜14の上に形成したゲート電極16の面積を0.
1mm2とした。評価には2枚の半導体基板を使用し
た。図8に模式的に図示する回路を作り、ゲート電極1
6に定電流(J=0.2A/cm2)ストレスを印加す
る定電流ストレス法により所謂クーロンブレイクダウン
(QBD)を測定した。ここで、QBDは、J(A/c
2)と、絶縁破壊に至るまでの時間tBDの積で表され
る。図7は、累積不良率PとQBDの関係のワイブル確率
分布表示を示した図である。
【0042】図7から明らかなように、実施例にて形成
されたゲート酸化膜(シリコン酸化膜14)の経時絶縁
破壊(TDDB)特性は、比較例1にて形成されたゲー
ト酸化膜(シリコン酸化膜)の経時絶縁破壊(TDD
B)特性よりも優れている。即ち、水素ガス100%の
雰囲気中にて、1150゜C以上の温度で半導体基板の
熱処理を行うことによって、一層優れた経時絶縁破壊
(TDDB)特性を得ることができる。
【0043】以上、本発明を好適な実施例に基づき説明
したが、本発明は実施例に限定されるものではない。加
湿酸化法として、酸素、窒素、アルゴン等のキャリアガ
スに水蒸気を混ぜあるいは乾燥酸素を水バブラに通す従
来の加湿酸化法を採用することができる。また、パイロ
ジェニック酸化法の条件や熱処理の条件、シリコン酸化
膜の厚さ、不活性ガスの種類、ハロゲン元素の種類や形
態は例示であり、適宜変更することができる。
【0044】シリコン酸化膜は、単層から構成されてい
ても、複数層から構成されていてもよい。シリコン酸化
膜が複数層から構成されている場合、半導体基板表面に
形成されるシリコン酸化膜の層が本発明のシリコン酸化
膜の形成方法によって形成されていればよい。また、残
りの層は、塩酸酸化法を含む乾燥酸化法、加圧酸化法、
分圧酸化法、希釈酸化法、低温酸化法、RTP(急速熱
処理による酸化法)などの従来の酸化法から形成するこ
とができる。
【0045】
【発明の効果】本発明のシリコン酸化膜の形成方法によ
って形成されるシリコン酸化膜は、従来の加湿酸化法あ
るいは特願平5−86836号にて提案したシリコン酸
化膜の形成方法と比較して、優れたタイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性を
有している。また、シリコン酸化膜の形成を従来の加湿
酸化法にて行えばよく、酸化条件の管理を塩酸酸化法よ
りも容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン酸化膜の形成方法を説明する
ための、半導体基板等の模式的な一部断面図である。
【図2】図1に引き続き、MOSトランジスタの形成方
法を説明するための、半導体基板等の模式的な一部断面
図である。
【図3】実施例及び比較例1〜比較例3にて説明した方
法で形成されたシリコン酸化膜のタイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性の評価結果を示す図である。
【図4】タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性の評価の
ために使用した回路の模式図である。
【図5】実施例及び比較例1〜比較例3にて説明した方
法で形成されたシリコン酸化膜のタイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)評価における絶縁破壊電圧の分布を示す図
である。
【図6】比較例4及び比較例5にて説明した方法で形成
されたシリコン酸化膜のタイムゼロ絶縁破壊(TZD
B)評価における絶縁破壊電圧の分布を示す図である。
【図7】実施例及び比較例1にて説明した方法で形成さ
れたシリコン酸化膜の経時絶縁破壊(TDDB)特性の
評価結果を示す図である。
【図8】経時絶縁破壊(TDDB)特性の評価のために
使用した回路の模式図である。
【符号の説明】
10 半導体基板 12 素子分離領域 14 シリコン酸化膜 16 ゲート電極 18 ソース・ドレイン領域 20 層間絶縁層 22 開口部 24 配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 利彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)水素ガス100%の雰囲気中にて、
    1150゜C以上の温度で半導体基板の熱処理を行う工
    程と、 (ロ)半導体基板上に加湿酸化法にてシリコン酸化膜を
    形成した後、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気
    中で該シリコン酸化膜を熱処理する工程、 から成ることを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】半導体基板は、チョクラルスキー法又は磁
    場中引上法によって作製された半導体基板であることを
    特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】前記加湿酸化法はパイロジェニック酸化法
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    シリコン酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】前記ハロゲン元素は塩素であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシ
    リコン酸化膜の形成方法。
  5. 【請求項5】前記(ロ)の工程における熱処理は炉アニ
    ール処理であることを特徴とする請求項1乃至請求項4
    のいずれか1項に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  6. 【請求項6】前記塩素は塩酸の形態であり、不活性ガス
    中に含有される塩酸の濃度は0.02乃至10容量%で
    あることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のシ
    リコン酸化膜の形成方法。
  7. 【請求項7】前記(ロ)の工程における熱処理は700
    乃至950゜Cの温度で行われることを特徴とする請求
    項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記
    載されたシリコン酸化膜の形成方法により形成されたシ
    リコン酸化膜から成るMOSトランジスタのゲート酸化
    膜。
JP10455594A 1993-10-22 1994-04-20 シリコン酸化膜の形成方法及びmosトランジスタのゲート酸化膜 Pending JPH07169761A (ja)

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JP10455594A JPH07169761A (ja) 1993-10-22 1994-04-20 シリコン酸化膜の形成方法及びmosトランジスタのゲート酸化膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100380275B1 (ko) * 1999-06-28 2003-04-14 주식회사 하이닉스반도체 반도체 소자의 게이트 절연막 형성방법

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