JPH07169334A - 発泡フッ素樹脂絶縁電線およびその製造方法 - Google Patents
発泡フッ素樹脂絶縁電線およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH07169334A JPH07169334A JP6223057A JP22305794A JPH07169334A JP H07169334 A JPH07169334 A JP H07169334A JP 6223057 A JP6223057 A JP 6223057A JP 22305794 A JP22305794 A JP 22305794A JP H07169334 A JPH07169334 A JP H07169334A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluororesin
- foamed
- insulated wire
- foaming
- flow rate
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- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Molding Of Porous Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Communication Cables (AREA)
- Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 外観が優れ、被覆が0.2mm以下と薄肉で
かつ高発泡率の発泡フッ素樹脂絶縁電線を提供する。 【構成】 導体の外周に、少なくともフッ素樹脂と発泡
剤とを含む溶融状態の樹脂組成物を押出被覆して発泡絶
縁層を形成する発泡フッ素樹脂絶縁電線の製造におい
て、前記フッ素樹脂として、メルトフローレートが25
〜30g/10分のフッ素樹脂(A)50〜90重量%
とメルトフローレートが4〜20g/10分のフッ素樹
脂(B)50〜10重量%との混和物を用いることによ
り、外観が優れ、被覆が薄肉で高発泡率の発泡フッ素樹
脂絶縁電線を得る。
かつ高発泡率の発泡フッ素樹脂絶縁電線を提供する。 【構成】 導体の外周に、少なくともフッ素樹脂と発泡
剤とを含む溶融状態の樹脂組成物を押出被覆して発泡絶
縁層を形成する発泡フッ素樹脂絶縁電線の製造におい
て、前記フッ素樹脂として、メルトフローレートが25
〜30g/10分のフッ素樹脂(A)50〜90重量%
とメルトフローレートが4〜20g/10分のフッ素樹
脂(B)50〜10重量%との混和物を用いることによ
り、外観が優れ、被覆が薄肉で高発泡率の発泡フッ素樹
脂絶縁電線を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばコンピューター
の配線等に用いる同軸ケーブルに好適に適用可能な、発
泡絶縁層が薄肉で高発泡な発泡フッ素樹脂絶縁電線とそ
の製造方法に関する。
の配線等に用いる同軸ケーブルに好適に適用可能な、発
泡絶縁層が薄肉で高発泡な発泡フッ素樹脂絶縁電線とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターの配線等に用いる同軸ケ
ーブルには、近年、信号の高速伝送と低特性インピーダ
ンスの要求が高まっている。絶縁電線における信号の伝
送速度の尺度としては伝播遅延速度τがあり、これは次
式(1)で与えられ、τが小さいほど信号の伝送速度は
速くなる。
ーブルには、近年、信号の高速伝送と低特性インピーダ
ンスの要求が高まっている。絶縁電線における信号の伝
送速度の尺度としては伝播遅延速度τがあり、これは次
式(1)で与えられ、τが小さいほど信号の伝送速度は
速くなる。
【0003】
【数1】 τ=εS0.5/3×108 [ns/m] (1)
【0004】なお、εS は、絶縁物の比誘電率であ
る。また、特性インピーダンスZ0 は次式(2)により
与えられる。
る。また、特性インピーダンスZ0 は次式(2)により
与えられる。
【0005】
【数2】 Z0=(138.1/εS0.5)×log(d2/d1) [Ω] (2)
【0006】なお、d1 は導体の外径、d2 は絶縁電線
の外径である。式(1)および式(2)から、信号の高
速伝送と低特性インピーダンスの要求を満たすには、ε
S をより小さくすること、d2 /d1 をより小さくする
ことが必要である。そこでεS を小さくするために、従
来から絶縁層として発泡樹脂が用いられ、特に、難燃性
等のその他の特性要求と併せ発泡フッ素樹脂が用いられ
ているが、さらに信号の伝送速度を向上するには、この
発泡率を大きくしてεSをより小さくする必要がある。
また、低特性インピーダンスを向上するには、発泡絶縁
層の被覆厚を薄くしてd2 /d1 を小さくする必要があ
る。このように、信号の高速伝送と低特性インピーダン
スの要求を満たすには、発泡絶縁層の高発泡率化と薄肉
化とが必要である。
の外径である。式(1)および式(2)から、信号の高
速伝送と低特性インピーダンスの要求を満たすには、ε
S をより小さくすること、d2 /d1 をより小さくする
ことが必要である。そこでεS を小さくするために、従
来から絶縁層として発泡樹脂が用いられ、特に、難燃性
等のその他の特性要求と併せ発泡フッ素樹脂が用いられ
ているが、さらに信号の伝送速度を向上するには、この
発泡率を大きくしてεSをより小さくする必要がある。
また、低特性インピーダンスを向上するには、発泡絶縁
層の被覆厚を薄くしてd2 /d1 を小さくする必要があ
る。このように、信号の高速伝送と低特性インピーダン
スの要求を満たすには、発泡絶縁層の高発泡率化と薄肉
化とが必要である。
【0007】ところで、従来の発泡フッ素樹脂絶縁電線
は、被覆厚0.5mm以上で発泡率60%以下のものが
多く、発泡フッ素樹脂にはメルトフローレート(以下M
FRと略す)が20g/10分以下のものを使用したも
のが多かった。
は、被覆厚0.5mm以上で発泡率60%以下のものが
多く、発泡フッ素樹脂にはメルトフローレート(以下M
FRと略す)が20g/10分以下のものを使用したも
のが多かった。
【0008】上述したような信号の高速伝送と低特性イ
ンピーダンス実現のための発泡フッ素樹脂絶縁電線にお
ける発泡絶縁層の薄肉化と高発泡率化の要求に対し、既
に発明者等は、特開平2−90418号で、フッ素樹脂
としてMFRが20〜30g/10分のテトラフルオロ
エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)を使用した発泡フッ素樹脂絶縁電線を提案
して、被覆厚0.21mmで発泡率70%という薄肉で
高発泡の発泡フッ素樹脂被覆電線を実現し、多大な成果
を収めている。
ンピーダンス実現のための発泡フッ素樹脂絶縁電線にお
ける発泡絶縁層の薄肉化と高発泡率化の要求に対し、既
に発明者等は、特開平2−90418号で、フッ素樹脂
としてMFRが20〜30g/10分のテトラフルオロ
エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)を使用した発泡フッ素樹脂絶縁電線を提案
して、被覆厚0.21mmで発泡率70%という薄肉で
高発泡の発泡フッ素樹脂被覆電線を実現し、多大な成果
を収めている。
【0009】また、特開平1−173511号には、M
FRの異なる2種のフッ素樹脂の混合物を使用した発泡
フッ素樹脂絶縁電線の製造方法が提案され、被覆厚0.
3mmという薄肉で高発泡率の発泡フッ素樹脂絶縁電線
が得られることが示されている。
FRの異なる2種のフッ素樹脂の混合物を使用した発泡
フッ素樹脂絶縁電線の製造方法が提案され、被覆厚0.
3mmという薄肉で高発泡率の発泡フッ素樹脂絶縁電線
が得られることが示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】高速信号ケーブルに使
用される発泡フッ素樹脂絶縁電線には、信号の高速伝
送、低特性インピーダンスのために、発泡絶縁層のさら
なる薄肉化と高発泡率化が要求され、最近では、被覆厚
0.2mm以下で発泡率70%以上が要求されている。
用される発泡フッ素樹脂絶縁電線には、信号の高速伝
送、低特性インピーダンスのために、発泡絶縁層のさら
なる薄肉化と高発泡率化が要求され、最近では、被覆厚
0.2mm以下で発泡率70%以上が要求されている。
【0011】上記したような従来の製造方法において
も、被覆厚が0.2mmより厚いものについては、発泡
率60%、70%という高発泡率のものを得ることは可
能であった。しかしながら、被覆厚が0.2mm以下と
いう薄肉で高発泡のものを得ようとすると、押出被覆の
際、被覆厚が薄肉であるため気化した発泡剤が被覆層表
面から抜けやすく高発泡率のものが得られないばかり
か、気化した発泡剤の表面からの抜けのため表面外観も
悪くなるという問題が生じてくる。
も、被覆厚が0.2mmより厚いものについては、発泡
率60%、70%という高発泡率のものを得ることは可
能であった。しかしながら、被覆厚が0.2mm以下と
いう薄肉で高発泡のものを得ようとすると、押出被覆の
際、被覆厚が薄肉であるため気化した発泡剤が被覆層表
面から抜けやすく高発泡率のものが得られないばかり
か、気化した発泡剤の表面からの抜けのため表面外観も
悪くなるという問題が生じてくる。
【0012】従来の製造方法では、上述したようにMF
R20g/10分以下のフッ素樹脂を使用することが多
いが、このようにMFR20g/10分以下のフッ素樹
脂を使用して被覆厚0.2mm以下という薄肉で高発泡
の絶縁電線を得ようとすると、溶融粘度が大きいため、
押出被覆の際ダイス吐出後に気泡が十分に成長せずその
ため発泡率は上がらず、さらに押出機内、特にダイス出
口付近の圧力が高くなるため、得られる絶縁電線の被覆
厚の変動、ひいては静電容量の変動が大きくなるという
問題が生じる。また、むやみに発泡剤の注入量を増やす
と、薄肉のため上述したように気化した発泡剤が被覆表
面から抜け易くなり、発泡率も上がらず外観も悪くな
る。例えば、特開平1−173511号の実施例に示さ
れているフッ素樹脂のMFRはいずれも14g/10分
以下と低いものである。
R20g/10分以下のフッ素樹脂を使用することが多
いが、このようにMFR20g/10分以下のフッ素樹
脂を使用して被覆厚0.2mm以下という薄肉で高発泡
の絶縁電線を得ようとすると、溶融粘度が大きいため、
押出被覆の際ダイス吐出後に気泡が十分に成長せずその
ため発泡率は上がらず、さらに押出機内、特にダイス出
口付近の圧力が高くなるため、得られる絶縁電線の被覆
厚の変動、ひいては静電容量の変動が大きくなるという
問題が生じる。また、むやみに発泡剤の注入量を増やす
と、薄肉のため上述したように気化した発泡剤が被覆表
面から抜け易くなり、発泡率も上がらず外観も悪くな
る。例えば、特開平1−173511号の実施例に示さ
れているフッ素樹脂のMFRはいずれも14g/10分
以下と低いものである。
【0013】一方、特開平2−90418号で提案した
ようなMFRの高いフッ素樹脂を使用して被覆厚0.2
mm以下という薄肉で高発泡の絶縁電線を得るため、例
えばMFRが25g/10分以上のフッ素樹脂を用いる
と、被覆厚が薄肉でかつ樹脂の溶融粘度が小さいためダ
イス吐出後に気化した発泡剤が被覆表面から抜け易く発
泡率も上がらず外観も悪くなる。
ようなMFRの高いフッ素樹脂を使用して被覆厚0.2
mm以下という薄肉で高発泡の絶縁電線を得るため、例
えばMFRが25g/10分以上のフッ素樹脂を用いる
と、被覆厚が薄肉でかつ樹脂の溶融粘度が小さいためダ
イス吐出後に気化した発泡剤が被覆表面から抜け易く発
泡率も上がらず外観も悪くなる。
【0014】このように従来の製造方法では、被覆厚
0.2mm以下という薄肉で、発泡率60%、70%と
いう高発泡率の絶縁電線を外観よく得るのは極めて困難
であり、被覆厚0.2mmを境として高発泡率の絶縁電
線を得るには大きな壁があった。
0.2mm以下という薄肉で、発泡率60%、70%と
いう高発泡率の絶縁電線を外観よく得るのは極めて困難
であり、被覆厚0.2mmを境として高発泡率の絶縁電
線を得るには大きな壁があった。
【0015】本発明は、上記した従来の製造方法におけ
る問題を回避し、外観が優れ、被覆厚が0.2mm以下
と薄肉でかつ高発泡率の発泡フッ素樹脂絶縁電線とその
製造方法を提供することを目的とする。
る問題を回避し、外観が優れ、被覆厚が0.2mm以下
と薄肉でかつ高発泡率の発泡フッ素樹脂絶縁電線とその
製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、導体の外周にフッ素樹脂を主体とする発
泡絶縁層が形成された発泡フッ素樹脂絶縁電線におい
て、前記フッ素樹脂がMFRが25〜30g/10分の
フッ素樹脂(A)50〜90重量%とMFRが4〜20
g/10分のフッ素樹脂(B)50〜10重量%とから
なり、前記発泡絶縁層の被覆厚が0.2mm以下、かつ
前記発泡絶縁層の発泡率が70%以上であることを特徴
とする発泡フッ素樹脂絶縁電線を提供するものである。
また、本発明は、導体の外周に、少なくともフッ素樹脂
と発泡剤とを含む溶融状態の樹脂組成物を押出被覆して
薄肉の発泡絶縁層を形成する発泡フッ素樹脂絶縁電線の
製造方法において、前記フッ素樹脂として、MFRが2
5〜30g/10分のフッ素樹脂(A)50〜90重量
%とMFRが4〜20g/10分のフッ素樹脂(B)5
0〜10重量%との混和物を用いることを特徴とする発
泡フッ素樹脂絶縁電線の製造方法を提供するものであ
る。
に、本発明は、導体の外周にフッ素樹脂を主体とする発
泡絶縁層が形成された発泡フッ素樹脂絶縁電線におい
て、前記フッ素樹脂がMFRが25〜30g/10分の
フッ素樹脂(A)50〜90重量%とMFRが4〜20
g/10分のフッ素樹脂(B)50〜10重量%とから
なり、前記発泡絶縁層の被覆厚が0.2mm以下、かつ
前記発泡絶縁層の発泡率が70%以上であることを特徴
とする発泡フッ素樹脂絶縁電線を提供するものである。
また、本発明は、導体の外周に、少なくともフッ素樹脂
と発泡剤とを含む溶融状態の樹脂組成物を押出被覆して
薄肉の発泡絶縁層を形成する発泡フッ素樹脂絶縁電線の
製造方法において、前記フッ素樹脂として、MFRが2
5〜30g/10分のフッ素樹脂(A)50〜90重量
%とMFRが4〜20g/10分のフッ素樹脂(B)5
0〜10重量%との混和物を用いることを特徴とする発
泡フッ素樹脂絶縁電線の製造方法を提供するものであ
る。
【0017】本発明に用いるフッ素樹脂としては、テト
ラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフ
ルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等が挙
げられ、特に、樹脂固有の誘電率εSが小さいPFA
(εS=2.1)、FEP(εS=2.1)が好ましい。
ラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフ
ルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等が挙
げられ、特に、樹脂固有の誘電率εSが小さいPFA
(εS=2.1)、FEP(εS=2.1)が好ましい。
【0018】本発明に用いる発泡剤としては、液状の不
活性フッ化炭化水素、ハイドロクロロフルオロカーボン
22(HCFC22)等が挙げられる。また、必要に応
じて発泡核剤(発泡の拠点となる助剤)、顔料等の添加
剤を添加してもよい。
活性フッ化炭化水素、ハイドロクロロフルオロカーボン
22(HCFC22)等が挙げられる。また、必要に応
じて発泡核剤(発泡の拠点となる助剤)、顔料等の添加
剤を添加してもよい。
【0019】
【作用】MFRが20g/10分以下の発泡フッ素樹脂
だけを使用すると、溶融粘度が大きいため、ダイス吐出
後に気泡が十分に成長せず、そのため発泡率は上がら
ず、さらに押出機内、特にダイス出口付近圧力が高くな
るため得られる絶縁電線の、被覆厚の変動、ひいては静
電容量の変動が大きくなる。また、むやみに発泡剤の注
入量を増やすと、薄肉のため気化した発泡剤が被覆表面
からぬけ易くなり、発泡率は上がらず外観も悪くなる。
一方、MFRが25g/10分以上のフッ素樹脂だけを
使用すると、樹脂の溶融粘度が小さくまた被覆が薄肉で
あるため、ダイス吐出後に気化した発泡剤が絶縁線の被
覆表面からぬけ易くなり、発泡率は上がらず外観も悪く
なる。
だけを使用すると、溶融粘度が大きいため、ダイス吐出
後に気泡が十分に成長せず、そのため発泡率は上がら
ず、さらに押出機内、特にダイス出口付近圧力が高くな
るため得られる絶縁電線の、被覆厚の変動、ひいては静
電容量の変動が大きくなる。また、むやみに発泡剤の注
入量を増やすと、薄肉のため気化した発泡剤が被覆表面
からぬけ易くなり、発泡率は上がらず外観も悪くなる。
一方、MFRが25g/10分以上のフッ素樹脂だけを
使用すると、樹脂の溶融粘度が小さくまた被覆が薄肉で
あるため、ダイス吐出後に気化した発泡剤が絶縁線の被
覆表面からぬけ易くなり、発泡率は上がらず外観も悪く
なる。
【0020】本発明の製造方法によれば、フッ素樹脂と
して、MFRが25〜30g/10分のフッ素樹脂
(A)とMFRが4〜20g/10分のフッ素樹脂
(B)とを特定の割合で混ぜた混和物を用いることによ
って、高圧雰囲気の押出機内で溶融樹脂中に溶け込んだ
発泡剤が、ダイス吐出後に気化する際に拡散速度に差が
生じ、すなわち、溶融樹脂中での気泡の成長に差が生じ
ることによって、大きめの気泡と小さめの気泡が共存す
ることによって高発泡率が得られるものと思われる。
して、MFRが25〜30g/10分のフッ素樹脂
(A)とMFRが4〜20g/10分のフッ素樹脂
(B)とを特定の割合で混ぜた混和物を用いることによ
って、高圧雰囲気の押出機内で溶融樹脂中に溶け込んだ
発泡剤が、ダイス吐出後に気化する際に拡散速度に差が
生じ、すなわち、溶融樹脂中での気泡の成長に差が生じ
ることによって、大きめの気泡と小さめの気泡が共存す
ることによって高発泡率が得られるものと思われる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。表
1に、使用したフッ素樹脂の組み合わせと得られた発泡
絶縁電線の外径、被覆厚、発泡率および表面外観を示
す。なお、本発明における発泡率は、発泡絶縁層の実効
比誘電率、ポリオレフィン樹脂の比誘電率および空気の
比誘電率との関係式から算出した。発泡絶縁層の実効比
誘電率は発泡絶縁層の静電容量、導体外径、および発泡
絶縁電線外径を測定し、それらの関係式から求めた。
1に、使用したフッ素樹脂の組み合わせと得られた発泡
絶縁電線の外径、被覆厚、発泡率および表面外観を示
す。なお、本発明における発泡率は、発泡絶縁層の実効
比誘電率、ポリオレフィン樹脂の比誘電率および空気の
比誘電率との関係式から算出した。発泡絶縁層の実効比
誘電率は発泡絶縁層の静電容量、導体外径、および発泡
絶縁電線外径を測定し、それらの関係式から求めた。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、実施例1〜8で
は高発泡率が得られると共に、絶縁電線の表面外観も滑
らかであった。一方、比較例1〜4および比較例7〜9
は、フッ素樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の配合割合が
不適当なフッ素樹脂を用いているため、被覆厚0.2m
m以下では発泡率は上がらず、絶縁電線の表面外観も悪
かった。また、比較例1と比較例5、比較例2と比較例
6、および比較例7と比較例10はそれぞれ同じ樹脂を
用いているが、これらの対比からさらに明らかなよう
に、フッ素樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の配合割合が
不適当なフッ素樹脂では、0.2mm以下の薄い被覆厚
では70%以上の発泡率と優れた外観を得ることはでき
なかった。なお、フッ素樹脂(A)とフッ素樹脂(B)
は、押出機内に別々に導入し、押出機内で混練混合し混
和物としてもよいことはいうまでもない。
は高発泡率が得られると共に、絶縁電線の表面外観も滑
らかであった。一方、比較例1〜4および比較例7〜9
は、フッ素樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の配合割合が
不適当なフッ素樹脂を用いているため、被覆厚0.2m
m以下では発泡率は上がらず、絶縁電線の表面外観も悪
かった。また、比較例1と比較例5、比較例2と比較例
6、および比較例7と比較例10はそれぞれ同じ樹脂を
用いているが、これらの対比からさらに明らかなよう
に、フッ素樹脂(A)とフッ素樹脂(B)の配合割合が
不適当なフッ素樹脂では、0.2mm以下の薄い被覆厚
では70%以上の発泡率と優れた外観を得ることはでき
なかった。なお、フッ素樹脂(A)とフッ素樹脂(B)
は、押出機内に別々に導入し、押出機内で混練混合し混
和物としてもよいことはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、以上で述べたようにフ
ッ素樹脂として、MFRが25〜30g/10分のフッ
素樹脂(A)とMFRが4〜20g/10分のフッ素樹
脂(B)とを特定の割合で混ぜた混和物を用いることに
よって、外観の優れた薄肉高発泡の絶縁電線が得られ、
特に、被覆厚が0.2mm以下で、外観の優れた、発泡
率60%、70%、あるいはそれ以上という薄肉高発泡
の絶縁電線が安定して得られるという極めて大きな実益
がある。
ッ素樹脂として、MFRが25〜30g/10分のフッ
素樹脂(A)とMFRが4〜20g/10分のフッ素樹
脂(B)とを特定の割合で混ぜた混和物を用いることに
よって、外観の優れた薄肉高発泡の絶縁電線が得られ、
特に、被覆厚が0.2mm以下で、外観の優れた、発泡
率60%、70%、あるいはそれ以上という薄肉高発泡
の絶縁電線が安定して得られるという極めて大きな実益
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 27:12
Claims (2)
- 【請求項1】 導体の外周にフッ素樹脂を主体とする発
泡絶縁層が形成された発泡フッ素樹脂絶縁電線におい
て、前記フッ素樹脂がメルトフローレートが25〜30
g/10分のフッ素樹脂(A)50〜90重量%とメル
トフローレートが4〜20g/10分のフッ素樹脂
(B)50〜10重量%とからなり、前記発泡絶縁層の
被覆厚が0.2mm以下、かつ前記発泡絶縁層の発泡率
が70%以上であることを特徴とする発泡フッ素樹脂絶
縁電線。 - 【請求項2】 導体の外周に、少なくともフッ素樹脂と
発泡剤とを含む溶融状態の樹脂組成物を押出被覆して薄
肉の発泡絶縁層を形成する発泡フッ素樹脂絶縁電線の製
造方法において、前記フッ素樹脂として、メルトフロー
レートが25〜30g/10分のフッ素樹脂(A)50
〜90重量%とメルトフローレートが4〜20g/10
分のフッ素樹脂(B)50〜10重量%との混和物を用
いることを特徴とする発泡フッ素樹脂絶縁電線の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6223057A JPH07169334A (ja) | 1993-10-08 | 1994-09-19 | 発泡フッ素樹脂絶縁電線およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25306693 | 1993-10-08 | ||
JP5-253066 | 1993-10-08 | ||
JP6223057A JPH07169334A (ja) | 1993-10-08 | 1994-09-19 | 発泡フッ素樹脂絶縁電線およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07169334A true JPH07169334A (ja) | 1995-07-04 |
Family
ID=26525245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6223057A Pending JPH07169334A (ja) | 1993-10-08 | 1994-09-19 | 発泡フッ素樹脂絶縁電線およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07169334A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1994
- 1994-09-19 JP JP6223057A patent/JPH07169334A/ja active Pending
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