JPH07168582A - 車室内騒音低減装置 - Google Patents

車室内騒音低減装置

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JPH07168582A
JPH07168582A JP5315317A JP31531793A JPH07168582A JP H07168582 A JPH07168582 A JP H07168582A JP 5315317 A JP5315317 A JP 5315317A JP 31531793 A JP31531793 A JP 31531793A JP H07168582 A JPH07168582 A JP H07168582A
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JP
Japan
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signal
circuit
filter coefficient
coefficient
filter
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JP5315317A
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English (en)
Inventor
Manpei Tamamura
万平 玉村
Hiroshi Iitaka
宏 飯高
Eiji Shibata
英司 柴田
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スピーカの再生能力を越えた出力を有効かつ
素早く防止することのできる車室内騒音低減装置を提供
する。 【構成】 Ig パルスをプライマリソースPS とし適応
フィルタ3のフィルタ係数Wと畳み込み積和しスピーカ
8から受聴点の騒音への相殺音として出力する。騒音低
減状態はエラーマイク9でエラー信号として検出しLM
S演算回路5に入力する。LMS演算回路5はCMN0 回
路4を介し入力されたプライマリソースPS とエラー信
号から係数修正量を求めフィルタ係数Wを更新する。一
方、適応フィルタ3の出力は出力信号モニタ回路6aで
モニタし出力信号比較回路6bでモニタ信号Sm と最大
出力値βとの比較を行いSm <βの際は通常の制御を行
いSm ≧βの際はフィルタ係数Wが小さくなるようα選
択設定回路11aでαメモリ回路11bから更新率補正
係数αを選択しLMS演算回路5に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの振動騒音を
主要因として発生する車室内の騒音を、相殺音と干渉さ
せて低減させる車室内騒音低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの振動騒音を主要因として発生
する車室内騒音に対し、この騒音と同一振幅で逆位相と
なる音(相殺音)を音源から発生させ、車室内騒音を低
減させる種々の技術が提案されている。
【0003】また、最近では、LMS(Least Mean Squa
re) アルゴリズム、或いは、このLMSアルゴリズムを
多チャンネルに拡大したMEFX−LMS(Multiple Er
rorFiltered X−LMS) アルゴリズムを利用した車
室内騒音低減装置が提案され、一部実用化され始めてい
る。
【0004】一般に、このLMSアルゴリズムを利用し
た車室内騒音低減装置では、エンジン振動を主要因とし
て発生する車室内騒音を消音する場合、エンジン振動と
相関の高い信号を騒音振動源信号(プライマリソース)
として検出し、このプライマリソースから適応フィルタ
によって騒音に対する相殺音を合成してスピーカから発
生する。そして、受聴点における騒音低減状態を誤差信
号(エラー信号)としてマイクにより検出し、このエラ
ー信号と、上記プライマリソースに補償係数列(主にス
ピーカ/マイク間の車内伝達特性を有限のインパルスレ
スポンスで表現した係数列)を合成した信号とからLM
Sアルゴリズムにより上記適応フィルタのフィルタ係数
Wを更新して受聴点における騒音低減を最適な値とする
ようになっている。
【0005】また、上述のLMSアルゴリズムによる上
記適応フィルタのフィルタ係数の更新は以下の式により
行われる。ここで、更新後のフィルタ係数(i番目)を
Wik+1,現在のフィルタ係数をWik,エラー信号をek
,補償係数列をCMN0 (CMN0 =[C0,C1,C2,…,
Cj ]),入力信号をxk とすると、 Wik+1=Wik−μ・ek ・CMN0 ・Xk-i ・・・・・・(1) ただし、Xk =[xk,xk-1,xk-2,…, xk-j+1 ] また、上記(1)式中のμは、ステップサイズで、フィ
ルタ係数の更新率を表す。すなわち、このステップサイ
ズμが大きく設定されていれば、現在のフィルタ係数W
k の更新が大きくなり、ステップサイズμが小さく設定
されていれば、現在のフィルタ係数Wk の更新も小さく
なる。
【0006】ところで、上記(1)式で、ステップサイ
ズμの値が不適当な場合(特に大きすぎる場合)や、補
償係数列CMN0 と実際のスピーカ/マイク間の車内伝達
特性とに大きな位相ずれがある場合等には、スピーカに
再生能力を越えた信号が入力され、スピーカ出力が大き
くなりすぎたりスピーカからの再生音が歪んだりする場
合がある。
【0007】また、騒音中にスピーカ再生能力のない周
波数成分が含まれている場合でも、フィルタ係数W中の
この周波数成分が次第に成長していき、スピーカ出力が
大きくなりすぎたりスピーカからの再生音が歪む原因と
なる。
【0008】さらに、MEFX−LMSアルゴリズムを
利用した車室内騒音低減装置では、チャンネル間の競合
が生じ、場合によってはスピーカ出力が大きくなりすぎ
たりスピーカからの再生音が歪んでしまうことがある。
【0009】このため、スピーカの再生能力を越えた出
力が行われないような対策を車室内騒音低減装置に組み
入れておく必要があり、例えば、特開平4−33164
3号公報では、スピーカへの出力信号とマイクからの入
力信号とを比較し、マイクからの入力信号がスピーカへ
の出力信号よりも大きな場合には、ハウリング状態と認
識してスピーカと接続された増幅器のゲインを抑制でき
るようにし、スピーカに大きな出力信号が入力されない
ようにした技術が示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の技術で
は、フィルタ係数W中に含まれるスピーカに再生能力の
ない周波数成分の成長や、MEFX−LMSアルゴリズ
ムを利用した車室内騒音低減装置でのチャンネル間の競
合を原因とするスピーカの再生能力を越えた出力を有効
に防止することが難しいという問題がある。
【0011】また、上述の技術では、マイクからの入力
信号がスピーカへの出力信号よりも大きくなりハウリン
グ状態となるような適応フィルタのフィルタ係数Wの成
長があった場合、相殺音を合成するフィルタ係数Wを積
極的に改善してスピーカへの大きな出力信号の入力を防
止するものではないため、ハウリング状態からフィルタ
係数Wが更新されて通常の制御状態に収束していくのに
時間がかかるという問題がある。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、例え、フィルタ係数中に含まれるスピーカに再生能
力のない周波数成分の成長やチャンネル間の競合を原因
とするスピーカの再生能力を越えた出力であっても有効
に防止することができ、また、ハウリング状態となるよ
うな適応フィルタのフィルタ係数の成長があった場合で
も素早く正常な制御に復帰することのできる車室内騒音
低減装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による車室内騒音低減装置は、エンジン振動
と相関の高い騒音振動源信号を適応フィルタによりキャ
ンセル信号として合成するキャンセル信号合成手段と、
上記キャンセル信号を騒音に対する相殺音として音源か
ら発生する相殺音発生手段と、受聴点における騒音低減
状態を誤差信号として検出する誤差信号検出手段と、上
記騒音振動源信号と上記誤差信号とに基づき上記適応フ
ィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段
と、上記キャンセル信号合成手段からの上記キャンセル
信号をモニタし、このモニタ信号と予め設定しておいた
最大出力値とを比較するキャンセル信号比較手段と、こ
のキャンセル信号比較手段での比較結果に基づき上記フ
ィルタ係数更新手段の上記フィルタ係数の更新率を選択
的に設定する係数更新率選択設定手段とを備えたもので
ある。
【0014】
【作 用】上記構成において、まず、エンジンの振動騒
音を主要因として車室内に騒音が発生すると、キャンセ
ル信号合成手段で、エンジン振動と相関の高い騒音振動
源信号を適応フィルタによりキャンセル信号として合成
し、相殺音発生手段で、上記キャンセル信号を騒音に対
する相殺音として音源から発生する。そして、誤差信号
検出手段により、受聴点における騒音低減状態を誤差信
号として検出し、フィルタ係数更新手段で、上記騒音振
動源信号と上記誤差信号とに基づき上記適応フィルタの
フィルタ係数を更新する。一方、上記キャンセル信号合
成手段からの上記キャンセル信号は、キャンセル信号比
較手段でモニタされ、このモニタ信号と予め設定してお
いた最大出力値との比較が行われる。このキャンセル信
号比較手段の比較の結果、上記モニタ信号が上記最大出
力値よりも小さい場合には、係数更新率選択設定手段
で、通常の制御が行われるように上記フィルタ係数更新
手段の上記フィルタ係数の更新率が設定される。また、
上記キャンセル信号比較手段での比較の結果、上記モニ
タ信号が上記最大出力値以上となった場合には、上記係
数更新率選択設定手段で、上記フィルタ係数更新手段の
上記フィルタ係数の更新率を小さく、あるいは、逆符号
の値に選択的に設定する。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1および図2は本発明の一実施例を示し、図1
は車室内騒音低減装置のシステム概略図、図2は入力信
号変換回路の説明図である。
【0016】図1において、符号1は4サイクルエンジ
ンを示し、このエンジン1の図示しないイグニッション
コイルへのイグニッションパルス信号(Ig パルス信
号)は、入力信号変換回路2に対しても出力される。
【0017】この入力信号変換回路2は、図2に示すよ
うに、波形成形回路2aと間引回路2bとで構成されて
おり、この入力信号変換回路2に入力された上記Ig パ
ルス信号は、エンジン回転に同期してエンジン2回転で
1パルスで、エンジン回転の0.5×n(n:整数)次
成分の周波数からなる信号に成形・間引されて、騒音振
動源信号(プライマリソースPs )として、キャンセル
信号合成手段としての適応フィルタ3およびスピーカ/
マイク間伝達特性補正回路(以下「CMN0 回路」と略
称)4に出力される。
【0018】これは、4サイクルエンジン関連の振動騒
音は、エンジン1が2回転(720℃A)で吸入・圧縮
・爆発・排気の4行程を完了するために、エンジン2回
転を1周期とする振動騒音となっており、周波数領域で
はエンジン回転の0.5次成分を基本波とし、その高次
成分が主体となったスペクトルとなっている(0.5×
n(n:整数)次成分により構成されている)ためであ
る。従って、Ig パルス信号を前述のように成形・加工
することにより、消音したい振動騒音と極めて相関の高
いプライマリソースPs を得ることができる。
【0019】また、上記適応フィルタ3は、フィルタ係
数更新手段としてのLMS演算回路5により更新可能な
フィルタ係数Wを有するFIR(Finite Impulse Respo
nse)フィルタであり、所定のタップ数(例えば、51
2タップ)に形成されている。この適応フィルタ3に入
力された上記プライマリソースPs は、上記フィルタ係
数Wと畳み込み積和され、キャンセル信号として、キャ
ンセル信号比較手段としてのキャンセル信号判定回路6
を構成する出力信号モニタ回路6aを経て出力信号処理
回路7を介し、相殺音発生手段としてのスピーカ8から
相殺音を発生するようになっている。
【0020】上記出力信号処理回路7は、D/A変換
器,アナログフィルタ回路(波形整形や特定の周波数域
のみ通過させることを目的としたフィルタ回路)および
アンプ回路等により構成されている。
【0021】また、上記スピーカ8は、例えば、図示し
ない車内のフロントドア等に配設されており、車内の受
聴点(例えば、運転席の乗員の耳位置に近接する位置)
には、誤差信号検出手段としてのエラーマイク9が設け
られている。
【0022】上記エラーマイク9にて検出された騒音低
減状態を示す誤差信号(相殺音とエンジン関連の振動騒
音との干渉の結果を示す信号;エラー信号)は、アンプ
回路,フィルタ回路およびA/D変換器等からなる検出
信号処理回路10を介し、上記LMS演算回路5に入力
されるようになっている。
【0023】また、上記出力信号モニタ回路6aは、上
記キャンセル信号判定回路6を構成する出力信号比較回
路6bと接続されており、上記適応フィルタ3からの上
記キャンセル信号を、ハード的に実効値に変換、あるい
は、ソフト的に演算処理しモニタ信号Sm として上記出
力信号比較回路6bに対して出力するようになってい
る。
【0024】上記出力信号モニタ回路6aでの上記キャ
ンセル信号のソフト的な処理としては、得られるモニタ
信号Sm をYm 、過去I個の各々得られたデータym(j)
として、n個(nサンプル)の平均値を次式で求める手
法、 あるいは、得られるモニタ信号Sm をYm(n)、前回の結
果をYm(n-1)、今回得られたデータをym(n)、データの
重みづけを決定する定数をNとして次式の指数平均によ
る手法、 Ym(n)={(N−1)・Ym(n-1)+ym(n)2 } /N ・・・・・(3) などにより求めるようになっている。
【0025】また、上記出力信号比較回路6bには、上
記モニタ信号Sm と比較する最大出力値βが、上記スピ
ーカ8の再生能力に応じて予め設定されている。
【0026】さらに、上記出力信号比較回路6bは、係
数更新率選択設定手段としての係数更新率選択設定回路
11を構成するα選択設定回路11aと接続されてお
り、このα選択設定回路11aは、上記係数更新率選択
設定回路11を構成するαメモリ回路11bと、上記L
MS演算回路5とに接続されている。
【0027】上記α選択設定回路11aは、上記出力信
号比較回路6bからの信号(上記モニタ信号Sm と上記
最大出力値βとの比較結果)に基づき、上記αメモリ回
路11bから、上記LMS演算回路5の上記フィルタ係
数Wの更新率を修正する更新率補正係数αを選択して、
上記LMS演算回路5に設定する回路である。
【0028】すなわち、上記αメモリ回路11bには、
本実施例では、上記α選択設定回路11aにより、Sm
≧βとなった場合に選択される定数α=−1と、Sm <
βとなった場合に選択される定数α=+1とが設定され
ている。尚、この更新率補正係数αは、構成されるシス
テムにより出力制限制御が安定して行われるように上述
の±1以外の定数を設定しても良い。
【0029】一方、前記CMN0 回路4には、予め、上記
適応フィルタ3から出力された信号が、上記出力信号モ
ニタ回路6aを経て上記出力信号処理回路7を介し上記
スピーカ8から相殺音として発生され、スピーカ/マイ
ク間伝達特性CMNの影響を受けて上記エラーマイク9に
て検出され、上記検出信号処理回路10を介し上記LM
S演算回路5に入力されるまでの時間の遅れや、特性の
変化(例えば、車両固有の経時変化,車室内の温度変
化,搭乗員数による変化等)が有限のインパルスレスポ
ンスで近似して(補償係数列CMN0 として)設定されて
おり、入力されたプライマリソースPs に、上記補償係
数列CMN0 を畳み込み積和することで補償して上記LM
S演算回路5に信号を出力する回路に形成されている。
【0030】また、上記LMS演算回路5では、上記検
出信号処理回路10からのエラー信号と、上記CMN0 回
路4で補償されたプライマリソースPs とから、周知の
LMSアルゴリズムにより前記適応フィルタ3のフィル
タ係数Wの修正量を求め、フィルタ係数Wを更新する回
路に構成されている。ここで、上記適応フィルタ3の上
記フィルタ係数Wの更新は、前述の(1)式より、 Wik+1=Wik−α・μ・ek ・CMN0 ・Xk-i ・・・・・・(1)' で行われるように設定されている。
【0031】すなわち、上記(1)'式から明らかなよう
に、本実施例では、Sm ≧βとなった場合には、α=−
1となり、上記フィルタ係数Wの更新が逆方向に行うよ
う制御されるようになっている。
【0032】尚、図1中、符号Cはエンジン1の振動騒
音に対する車体伝達特性を示す。
【0033】次に、本実施例の作用について説明する。
まず、エンジンの振動騒音は、エンジン1から図示しな
いマウント等を伝達して車内音となり、また、吸気や排
気の音等も車室内に伝播する。これらのエンジン関連振
動騒音は、周波数領域では、いずれも0.5×n(n:
整数)次成分の周波数スペクトルにより主に構成されて
おり、各々の振動源に対する車体伝達特性Cが乗ぜられ
て受聴点(例えばドライバーの耳に近接する位置)に達
する。
【0034】一方、エンジン1のイグニッションコイル
(図示せず)へのイグニッションパルス信号(Ig パル
ス信号)は、入力信号変換回路2に入力され、波形成形
回路2aと間引回路2bにより、エンジン回転に同期し
てエンジン2回転で1パルスで、エンジン回転の0.5
×n(n:整数)次成分の周波数からなる信号に成形・
間引されて、騒音振動源信号(プライマリソースPs )
として、適応フィルタ3とCMN0 回路4とに出力され
る。
【0035】上記適応フィルタ3に入力されたプライマ
リソースPs は、この適応フィルタ3のフィルタ係数W
との畳み込み積和により、振動騒音を相殺するキャンセ
ル信号として、キャンセル信号判定回路6を構成する出
力信号モニタ回路6aに出力され、出力信号処理回路7
を介して、スピーカ8に出力され、このスピーカ8から
上記受聴点における振動騒音に対する相殺音として出力
される。このとき、上記相殺音は、スピーカ/マイク間
伝達特性CMNを受けて上記受聴点に達する。
【0036】このため、上記受聴点では、上記エンジン
関連の振動騒音と上記相殺音とが干渉して振動騒音が低
減させられると同時に、上記受聴点の近傍に配設されて
いるエラーマイク9により、振動騒音と相殺音との干渉
の結果が検出され、エラー信号として、検出信号処理回
路10を介してLMS演算回路5に入力される。
【0037】また、上記CMN0 回路4に入力されたプラ
イマリソースPs は、補償係数列CMN0 と畳み込み積和
され、上記LMS演算回路5に出力される。
【0038】そして、上記LMS演算回路5で、上記検
出信号処理回路10からのエラー信号と、上記CMN0 回
路4で補償されたプライマリソースPs とから、LMS
アルゴリズムにより上記適応フィルタ3のフィルタ係数
Wの修正量を求め、フィルタ係数Wを更新する。
【0039】上述のような通常の消音制御を行っている
際、消音対象成分が非常に大きかったり、消音制御を行
っても消音ができずに、エラー信号がいつになっても小
さくならない場合には、上記フィルタ係数Wの係数更新
量が次第に蓄積されて、上記フィルタ係数Wが大きくな
り、上記適応フィルタ3からの出力(キャンセル信号)
が次第に大きくなっていく。
【0040】上記キャンセル信号は、上記出力信号モニ
タ回路6aにてモニタされており、ハード的に実効値に
変換、あるいは、ソフト的に演算処理されモニタ信号S
m として出力信号比較回路6bに対して出力される。
【0041】そして、上記出力信号比較回路6bにて、
上記モニタ信号Sm と、予め設定されている最大出力値
βとの比較が行われ、この比較結果が、α選択設定回路
11aに出力される。
【0042】上記比較の結果、Sm <βの場合には、上
記α選択設定回路11aは、αメモリ回路11bから、
上記LMS演算回路5の上記フィルタ係数Wの更新率を
修正する更新率補正係数α=+1を選択して上記LMS
演算回路5に設定する(前述のフィルタ係数更新式
(1)'式に設定する)。
【0043】一方、上記比較の結果、Sm ≧βの場合に
は、上記α選択設定回路11aは、上記αメモリ回路1
1bから、更新率補正係数α=−1を選択して上記LM
S演算回路5に設定する(上記フィルタ係数更新式
(1)'式に設定する)。このため、上記LMS演算回路
5での上記フィルタ係数Wの更新が逆方向に行なわれる
ことになる。
【0044】すなわち、上記キャンセル信号の上記モニ
タ信号Sm が一定値(最大出力値β)以下の場合には、
消音制御を行うべく上記フィルタ係数Wを成長させる方
向に係数更新していくが、上記キャンセル信号の上記モ
ニタ信号Sm が一定値(最大出力値β)以上となった場
合には、上記フィルタ係数Wを小さくしていく方向に係
数更新することになる。
【0045】そして、上記更新率補正係数α=−1のま
ま制御を続行すると、増音の制御となるが、上記フィル
タ係数Wが小さくなれば、上記適応フィルタ3からのキ
ャンセル信号の上記モニタ信号Sm も小さくなり、再
び、Sm <βとなって、更新率補正係数α=+1が上記
LMS演算回路5に設定され、通常の消音制御に戻るこ
とになる。
【0046】以上の制御を繰り返し行うことで、上記キ
ャンセル信号が一定の値に収束させられ安定していくこ
とになる。
【0047】このように、本実施例によれば、適応フィ
ルタからスピーカへの出力信号(キャンセル信号)が大
きくなりすぎたとき、システムをOFFさせることなく
出力信号を制限できるので、システムOFFに伴う不快
感(急に音が悪化する等)が発生することなくスムーズ
に制御することができる。
【0048】また、フィルタ係数を積極的に改善してス
ピーカへの大きな出力信号の入力を防止する制御として
いるため、フィルタ係数中に含まれるスピーカに再生能
力のない周波数成分の成長やチャンネル間の競合(後述
するMEFX−LMSアルゴリズムを利用した消音シス
テムでの場合)を原因とするスピーカの再生能力を越え
た出力であっても有効に防止することができ、さらに、
ハウリング状態となるような適応フィルタのフィルタ係
数の成長があった場合でも素早く正常な制御を行うこと
ができる。
【0049】尚、本実施例では、プライマリソースPs
としてIg パルスを用いるように構成しているが、他の
エンジン関連の振動騒音と相関の高い信号(例えば、燃
料噴射パルスTi 等)をプライマリソースPs としても
良い。
【0050】また、本実施例では、1チャンネル(マイ
ク1個、スピーカ1個)のLMSアルゴリズムを利用し
た消音システムの例について説明したが、LMSアルゴ
リズムを多チャンネルに拡大したMEFX−LMSアル
ゴリズムを利用した消音システム(例えば、マイク4
個、スピーカ4個等のシステム)についても適用可能で
ある。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
例え、フィルタ係数中に含まれるスピーカに再生能力の
ない周波数成分の成長やチャンネル間の競合を原因とす
るスピーカの再生能力を越えた出力であっても有効に防
止することができ、また、ハウリング状態となるような
適応フィルタのフィルタ係数の成長があった場合でも素
早く正常な制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による車室内騒音低減装置の
システム概略図
【図2】本発明の一実施例による入力信号変換回路の説
明図
【符号の説明】
1 エンジン 2 入力信号変換回路 3 適応フィルタ(キャンセル信号合成手段) 5 LMS演算回路(フィルタ係数更新手段) 6 キャンセル信号判定回路(キャンセル信号比較
手段) 6a 出力信号モニタ回路 6b 出力信号比較回路 8 スピーカ(相殺音発生手段) 9 エラーマイク(誤差信号検出手段) 11 係数更新率選択設定回路(係数更新率選択設
定手段) 11a α選択設定回路 11b αメモリ回路 α 更新率補正係数 β 最大出力値 Ps プライマリソース(騒音振動源信号) Sm モニタ信号 W フィルタ係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 21/00 8842−5J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン振動と相関の高い騒音振動源信
    号(Ps )を適応フィルタによりキャンセル信号として
    合成するキャンセル信号合成手段(3)と、 上記キャンセル信号を騒音に対する相殺音として音源か
    ら発生する相殺音発生手段(8)と、 受聴点における騒音低減状態を誤差信号として検出する
    誤差信号検出手段(9)と、 上記騒音振動源信号(Ps )と上記誤差信号とに基づき
    上記適応フィルタのフィルタ係数(W)を更新するフィ
    ルタ係数更新手段(5)と、 上記キャンセル信号合成手段(3)からの上記キャンセ
    ル信号をモニタし、このモニタ信号(Sm )と予め設定
    しておいた最大出力値(β)とを比較するキャンセル信
    号比較手段(6)と、 上記キャンセル信号比較手段(6)での比較結果に基づ
    き上記フィルタ係数更新手段(5)の上記フィルタ係数
    (W)の更新率を選択的に設定する係数更新率選択設定
    手段(11)とを備えたことを特徴とする車室内騒音低
    減装置。
JP5315317A 1993-12-15 1993-12-15 車室内騒音低減装置 Pending JPH07168582A (ja)

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JP2000112483A (ja) * 1998-10-07 2000-04-21 Fujitsu Ltd 能動雑音制御方法及び受話装置
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