JPH0962270A - 車室内騒音低減装置 - Google Patents

車室内騒音低減装置

Info

Publication number
JPH0962270A
JPH0962270A JP7220812A JP22081295A JPH0962270A JP H0962270 A JPH0962270 A JP H0962270A JP 7220812 A JP7220812 A JP 7220812A JP 22081295 A JP22081295 A JP 22081295A JP H0962270 A JPH0962270 A JP H0962270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
error signal
threshold value
signal
noise
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7220812A
Other languages
English (en)
Inventor
Manpei Tamamura
万平 玉村
Eiji Shibata
英司 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP7220812A priority Critical patent/JPH0962270A/ja
Publication of JPH0962270A publication Critical patent/JPH0962270A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】消音対象外の入力があっても適応フィルタが不
必要に適応して乗員に違和感を与えることのない車室内
騒音低減装置を提供する。 【解決手段】Ig パルスを基に形成したプライマリソー
スPs を適応フィルタ3のフィルタ係数と畳み込み積和
しスピーカ9から受聴点での振動騒音に対する相殺音と
して出力する。騒音低減状態をマイク10でエラー信号
として検出し誤差信号処理回路5に入力する。そして誤
差信号処理回路5で、エラー信号と算出しておいた閾値
とを比較し、エラー信号が閾値より大きい場合はエラー
信号を0として出力する一方、エラー信号が閾値以下の
場合は、エラー信号から指数平均値を算出し、この値を
基に閾値を更新してエラー信号をそのまま出力する。L
MS演算回路6ではCMN0 回路4を介して入力されたプ
ライマリソースPs と誤差信号処理回路5からの出力か
ら係数修正量を求めフィルタ係数を更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの振動騒
音を主要因として発生する車室内の騒音を、相殺音と干
渉させて低減させる車室内騒音低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、エンジンの振動騒音を主要因に発
生する車室内騒音に対し、この騒音と同一振幅で逆位相
となる音(相殺音)を音源から発生させ、車室内騒音を
低減させる技術として、LMS(Least Mean Squar
e )アルゴリズム、あるいは、このLMSアルゴリズム
を多チャンネルに拡大したMEFX−LMS(Multipl
e Error Filtered X−LMS)アルゴリズムを利用
した車室内騒音低減装置が提案され、一部実用化され始
めている。
【0003】このLMSアルゴリズムを利用した車室内
騒音低減装置では、エンジン振動を主要因として発生す
る車室内騒音を消音する場合、エンジン振動と相関の高
い信号を騒音振動源信号(プライマリソース)として検
出し、このプライマリソースから適応フィルタによって
騒音に対する相殺音を合成してスピーカから発生する。
そして、受聴点における騒音低減状態を誤差信号(エラ
ー信号)としてマイクにより検出し、このエラー信号と
上記プライマリソースとからLMSアルゴリズムにより
適応フィルタのフィルタ係数を所定の更新量で更新して
受聴点における騒音低減を最適な値とするようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な車室内騒音低減装置では、人の話し声やオーディオの
音等の消音対象外の入力があった場合でも、適応が行わ
れ(適応フィルタのフィルタ係数の更新が行われ)、ス
ピーカからこの消音対象外の入力に対する周期的な相殺
音が発せられエコーとなって感じられ、特に消音対象外
の入力が大きな場合に乗員に違和感を与えることがあ
る。
【0005】このため、特開平6−130970号公報
において、過大入力があった場合の適応フィルタのフィ
ルタ係数の不要な変動を防止するため、フィルタ係数の
収束速度に関わる収束係数(ステップサイズ)を、フィ
ルタ係数の更新量に反比例する方向に変更する技術が示
されている。
【0006】しかし、この先行技術では、人の声やクラ
クション等の突発的な過大入力があった場合の適応フィ
ルタのフィルタ係数の不要な変動を防止することはでき
るが、消音対象外の過大入力が比較的長く続く場合は、
次第にフィルタ係数が不必要に更新されてしまうといっ
た問題がある。
【0007】また、特開平6−149269号公報に
は、周期信号分離器によりエラー信号を周期性の信号と
非周期性の信号とに分離し、非周期性の信号の混入によ
る周期性の信号に対する消音性能の悪化を防止する技術
が示されている。
【0008】しかしながら、人の声やオーディオからの
音等の消音対象外の入力には、周期性のものも多く(例
えば、声帯の振動によってある時間継続する周期音であ
る母音等)、これら周期性の消音対象外の入力に対して
も適応が行われて、消音性能が悪化するといった問題が
ある。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、人の声やオーディオからの音等の消音対象外の入力
の周期性の有無に関わらず、消音対象外の入力があった
際に、適応フィルタが不必要に適応して乗員に違和感を
与えることを防止することのできる車室内騒音低減装置
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1による車室内騒音低減装置は、振動源振動と相
関の高い騒音振動源信号を適応フィルタによりキャンセ
ル信号として合成するキャンセル信号合成手段と、上記
キャンセル信号を騒音に対する相殺音として発生する相
殺音発生手段と、受聴点における騒音低減状態を誤差信
号として検出する誤差信号検出手段と、上記誤差信号検
出手段からの上記誤差信号と算出しておいた閾値とを比
較し、上記誤差信号が上記閾値より大きい場合は、誤差
信号をゼロとして出力する一方、上記誤差信号が上記閾
値以下の場合は、上記誤差信号を今回のデータとして指
数平均値を算出し、この指数平均値を基に上記閾値を更
新するとともに、誤差信号をそのまま出力する誤差信号
処理手段と、上記騒音振動源信号と上記誤差信号処理手
段からの信号とに基づき上記適応フィルタのフィルタ係
数を更新するフィルタ係数更新手段とを備えたものであ
る。
【0011】また、請求項2による車室内騒音低減装置
は、請求項1の車室内騒音低減装置において、上記誤差
信号処理手段で指数平均値を基に上記閾値を更新する際
に、上記指数平均値を基に算出した閾値が予め設定して
おいた最大閾値と予め設定しておいた最小閾値との間の
値であるか否か判定し、上記閾値が上記最大閾値以上と
なる場合は、更新する閾値を上記最大閾値とする一方、
上記閾値が上記最小閾値以下となる場合は、更新する閾
値を上記最小閾値とするものである。
【0012】上記請求項1の車室内騒音低減装置の構成
において、まず、エンジンの振動騒音等の振動源振動を
主要因として車室内に騒音が発生すると、キャンセル信
号合成手段で、振動源振動と相関の高い騒音振動源信号
を適応フィルタによりキャンセル信号として合成し、相
殺音発生手段から、上記キャンセル信号を騒音に対する
相殺音として発生する。次いで、誤差信号検出手段によ
り、受聴点における騒音低減状態を誤差信号として検出
し、誤差信号処理手段で、上記誤差信号検出手段からの
上記誤差信号と算出しておいた閾値とを比較し、上記誤
差信号が上記閾値より大きい場合は、誤差信号をゼロと
して出力する一方、上記誤差信号が上記閾値以下の場合
は、上記誤差信号を今回のデータとして指数平均値を算
出し、この指数平均値を基に上記閾値を更新するととも
に、誤差信号をそのまま出力する。そして、フィルタ係
数更新手段で、上記騒音振動源信号と上記誤差信号処理
手段からの信号とに基づき上記適応フィルタのフィルタ
係数を更新する。ここで、上記誤差信号処理手段からの
信号がゼロの場合、上記適応フィルタのフィルタ係数の
更新は行われない。
【0013】また、請求項2のように、上記誤差信号処
理手段で指数平均値を基に上記閾値を更新する際に、上
記指数平均値を基に算出した閾値が予め設定しておいた
最大閾値と予め設定しておいた最小閾値との間の値であ
るか否か判定し、上記閾値が上記最大閾値以上となる場
合は、更新する閾値を上記最大閾値とする一方、上記閾
値が上記最小閾値以下となる場合は、更新する閾値を上
記最小閾値とすることで、上記誤差信号検出手段からの
誤差信号を判定する閾値を、適切な範囲内に保つ。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図3は本発明の実施の形態
を示し、図1は車室内騒音低減装置のシステム概略図、
図2は入力信号変換回路の説明図、図3は誤差信号処理
回路で行われる処理のフローチャートである。
【0015】図1において、符号1は振動源としての4
サイクルエンジンを示し、このエンジン1の図示しない
イグニッションコイルへのイグニッションパルス信号
(Igパルス信号)は、入力信号変換回路2に対しても
出力される。
【0016】この入力信号変換回路2は、図2に示すよ
うに、波形成形回路2aと間引回路2bとで構成されて
おり、この入力信号変換回路2に入力された上記Ig パ
ルス信号は、エンジン回転に同期してエンジン2回転で
1パルスで、エンジン回転の0.5×n(n:整数)次
成分の周波数からなる信号に成形・間引されて、騒音振
動源信号(プライマリソースPs )として、キャンセル
信号合成手段としての適応フィルタ3、スピーカ/マイ
ク間伝達特性補償回路(以下「CMN0 回路」と略称)4
および誤差信号処理手段としての誤差信号処理回路5に
出力される。
【0017】これは、4サイクルエンジン関連の振動騒
音は、エンジン1が2回転(720℃A)で吸入・圧縮
・爆発・排気の4行程を完了するために、エンジン2回
転を1周期とする振動騒音となっており、周波数領域で
はエンジン回転の0.5次成分を基本波とし、その高次
成分が主体となったスペクトルとなっている(0.5×
n(n:整数)次成分により構成されている)ためであ
る。従って、Ig パルス信号を前述のように成形・加工
することにより、消音したい振動騒音と極めて相関の高
いプライマリソースPs を得ることができる。
【0018】また、上記適応フィルタ3は、フィルタ係
数更新手段としてのLMS演算回路6により更新可能な
フィルタ係数W(n) を有するFIR(Finite Impulse
Response )フィルタであり、所定のタップ数(例え
ば、512タップ)に形成されている。この適応フィル
タ3に入力された上記プライマリソースPs は、上記フ
ィルタ係数W(n) と畳み込み積和され、キャンセル信号
として、D/A変換器7に出力され、図示しないフィル
タ回路およびアンプ回路(AMP回路)8を介して、相
殺音発生手段としてのスピーカ9から相殺音を発生する
ようになっている。
【0019】上記スピーカ9は、例えば、図示しない車
内のフロントドア等に配設されており、車内の受聴点
(例えば、運転席の乗員の耳位置に近接する位置)に
は、誤差信号検出手段としてのマイク10が設けられて
いる。
【0020】上記マイク10にて検出された騒音低減状
態を示す誤差信号(相殺音とエンジン関連の振動騒音と
の干渉の結果を示す信号;エラー信号)は、アンプ回路
(AMP回路)11、フィルタ回路(図示せず)および
A/D変換器12を介して上記誤差信号処理回路5に入
力されるようになっている。
【0021】上記誤差信号処理回路5は、プライマリソ
ースPs のパルスをトリガパルスとして実行される後述
の図3に示すフローチャートに従って処理を行い、信号
E(n) を上記LMS演算回路6に出力する回路となって
いる。
【0022】一方、前記CMN0 回路4には、予めスピー
カ/マイク間伝達特性CMNが有限のインパルスレスポン
スで近似して(補償係数CMN0 として)設定されてお
り、入力されたプライマリソースPs に、上記補償係数
CMN0 を乗じる(畳み込み積和する)ことにより補償し
て、上記LMS演算回路6に信号を出力する回路となっ
ている。
【0023】また、上記LMS演算回路6では、上記誤
差信号処理回路5からの信号E(n)と、上記CMN0 回路
4で補償された(畳み込み積和された)プライマリソー
スPs とから、周知のLMSアルゴリズムにより前記適
応フィルタ3のフィルタ係数W(n) の修正量を求め、フ
ィルタ係数W(n) を更新する。
【0024】ここで、更新後のi番目のフィルタ係数を
Wi(n+1),更新するi番目のフィルタ係数をWi(n),ス
テップサイズをμ,上記LMS演算回路6に入力される
上記誤差信号処理回路5からの信号をE(n) ,上記補償
係数CMN0 (Jタップ)のj番目の係数をCMjN0,プラ
イマリソースPs の値をx(n) とすると、 となる。
【0025】尚、図1中、符号Cはエンジン1の振動騒
音に対する車体伝達特性を示す。
【0026】次に、上記誤差信号処理回路5で行われる
処理を、図3に示すフローチャートに従って説明する。
この信号処理のプログラムは、プライマリソースPs の
パルスをトリガパルスとして実行される。
【0027】プログラムがスタートすると、ステップ
(以下「S」と略称)101で、今回の入力されたエラ
ー信号en(l)の自乗と算出しておいた閾値ermsm×αと
の比較が行われ、エラー信号en(l)の自乗値{en(l)}
2 が閾値ermsm×α以下の場合[{en(l)}2 ≦ermsm
×α]は、エラー信号en(l)に消音対象外の過大な入力
が含まれない(正常)と判断してS102に進み、エラ
ー信号en(l)の自乗値{en(l)}2 が閾値ermsm×αよ
り大きい場合[{en(l)}2 >ermsm×α]は、エラー
信号en(l)に消音対象外の過大な入力が含まれる(異
常)と判断してS111に進む。ここで、エラー信号e
n(l)の()内のlは、エンジン回転と同期するトリガ信号
からl番目のサンプルであることを示す。また、αは予
め設定していた定数、例えば、2(1/2) 等の、予め実験
により求めておいた値である。また、ermsmは、後述す
るように正常と判断されるエラー信号が入力される毎に
更新される値である。
【0028】上記S101で、{en(l)}2 ≦ermsm×
αとなり、エラー信号en(l)が正常と判断してS102
に進むと、エラー信号en(l)についての今回の指数平均
em(l)' が次式により算出される。 em(l)' =em(l)×(1−1/N)+en(l)×1/N …(2) ここで、em(l)は前回の指数平均値,データの重み付け
を決定するNは実験等により設定しておいた1以上の数
値で、例えば、4、8等の数値である。
【0029】尚、このNは、運転状態により可変できる
ようにしておいてもよい。例えば、アクセルセンサやエ
ンジン回転数センサからの信号を受け、急加速が行われ
た場合にはNを1に近い小さい値に設定するようにし
て、過渡状態のシステムレスポンスの向上を計る。一
方、運転状態が安定している場合には、Nを8に近い小
さい値に設定するようにして正確な制御を行うようにす
るのである。
【0030】その後、S103に進み、今回の指数平均
em(l)' と前回の指数平均値em(l)とのデータの入れ替
えを行い(em(l)=em(l)' )、S104に進むと、以
下の(3)式に従って、閾値のermsmの更新が行われ
る。ermsmの更新された値をermsm' とすると、 ermsm' =ermsm×(1−1/N)+ {em(l)} 2 ×1/N …(3) このS104でのNの値は、上記S102のNの値とは
異なる値であってもよく、予め実験等によって設定して
おいた1以上の数値である。また、上記S102のNの
値と同様に、運転条件によって可変できるようにしても
よい。
【0031】次いで、S105に進むと、上記(3)式
から求めたermsm' が大きくなり過ぎていないか否か、
すなわち、予め実験等により求め設定しておいた値erm
sm(max) 以上か否かの判定が行われ、ermsm' が大きく
なり過ぎて、ermsm' ≧ermsm(max) の場合はS106
に進み、ermsm' にermsm(max) を代入{ermsm' =e
rmsm(max) }して、S109に進む。
【0032】また、上記S105で、ermsm' が大きく
なり過ぎていない{ermsm' <ermsm(max) }と判定さ
れた場合、S107に進み、ermsm' が小さくなり過ぎ
ていないか否か、すなわち、予め実験等により求め設定
しておいた値ermsm(min) 以下か否かの判定が行われ、
ermsm' が小さくなり過ぎて、ermsm' ≦ermsm(min)
の場合はS108に進み、ermsm' にermsm(min) を代
入{ermsm' =ermsm(min) }して、S109に進む。
また、上記S107でermsm' が小さくなり過ぎていな
いと判定された場合{このときのermsm' は、ermsm(m
ax) >ermsm'>ermsm(min) }は、そのままS109
に進む。
【0033】そして、上記S106、S107およびS
108からS109に進むと、今回のermsm' と前回の
ermsmとの入れ替えが行われる(ermsm=ermsm' )。
すなわち、上記S105〜上記S108の手順は、更新
する閾値を一定範囲内に保つ手順となっており、それを
判定するermsm(max) とermsm(min) は、エンジンが発
し得る騒音を基に設定されている。
【0034】上述のように前記S101で、入力された
エラー信号が正常と判断され、閾値の更新を行って上記
S109からS110に進むと、出力信号E(n) にen
(l)がそのまま設定される。一方、前記S101で、入
力されたエラー信号が異常と判断されS111に進む
と、出力信号E(n) に0が設定され、プログラムを終了
する。
【0035】このため、エラー信号に消音対象外の過大
な入力が含まれるような場合は、前記(1)式からも明
らかなように、適応フィルタ3のフィルタ係数W(n) の
更新は行われないため、人の声やクラクション等の突発
的な過大入力があった場合の適応フィルタのフィルタ係
数の不要な変動を防止することができ、例え、消音対象
外の過大入力が比較的長く続く場合であっても、フィル
タ係数が不必要に更新されてしまうといったことがな
い。
【0036】また、入力されたエラー信号が正常か異常
かの判定は、更新・算出された閾値との比較によって行
われるので、周期性の有無に関係なく消音対象外の大き
な入力に対するフィルタ係数の不必要な更新を防止す
る。
【0037】さらに、入力されたエラー信号が正常か異
常かの判定を行う閾値は、エラー信号の指数平均を基に
設定されるため、その運転条件に適した閾値となる。ま
た、閾値は、エンジンが発生し得る所定の騒音レベルの
範囲内で設定されるため、安定した消音システムを実現
できる。
【0038】次に、上記構成による本発明の実施の形態
の作用について説明する。まず、エンジンの振動騒音
は、エンジン1から図示しないマウント等を伝達して車
内音となり、また、吸気や排気の音等も車室内に伝播す
る。これらのエンジン関連振動騒音は、周波数領域で
は、いずれも0.5×n(n:整数)次成分の周波数ス
ペクトルにより主に構成されており、各々の振動源に対
する車体伝達特性Cが乗ぜられて受聴点(例えばドライ
バーの耳に近接する位置)に達する。
【0039】一方、エンジン1のイグニッションコイル
(図示せず)へのイグニッションパルス信号(Ig パル
ス信号)は、入力信号変換回路2に入力され、波形成形
回路2aと間引回路2bにより、エンジン回転に同期し
てエンジン2回転で1パルスで、エンジン回転の0.5
×n(n:整数)次成分の周波数からなる信号に成形・
間引されて、騒音振動源信号(プライマリソースPs )
として、適応フィルタ3、スピーカ/マイク間伝達特性
補償回路(以下「CMN0 回路」と略称)4および誤差信
号処理回路5に出力される。
【0040】上記適応フィルタ3に入力されたプライマ
リソースPs は、この適応フィルタ3のフィルタ係数W
(n) との畳み込み積和により、振動騒音を相殺するキャ
ンセル信号として、D/A変換器7に出力され、図示し
ないフィルタ回路およびアンプ回路(AMP回路)8を
介して、スピーカ9に出力され、このスピーカ9から上
記受聴点における振動騒音に対する相殺音として出力さ
れる。このとき、上記相殺音は、スピーカ/マイク間伝
達特性CMNを受けて上記受聴点に達する。
【0041】このため、上記受聴点では、上記エンジン
関連の振動騒音と上記相殺音とが干渉して振動騒音が低
減させられると同時に、上記受聴点の近傍に配設されて
いるマイク10により、振動騒音と相殺音との干渉の結
果が検出され、エラー信号en(l)として、アンプ回路
(AMP回路)11、フィルタ回路(図示せず)および
A/D変換器12を介して上記誤差信号処理回路5に入
力される。
【0042】ここで、上記マイク10により検出される
エラー信号en(l)には、場合によって、人の話し声や、
オーディオからの音等の消音対象外の過大な入力が含ま
れる。
【0043】上記誤差信号処理回路5は、プライマリソ
ースPs のパルスを信号処理のトリガパルスとして、入
力されたエラー信号en(l)の自乗値と算出しておいた閾
値ermsm×αとを比較し、上記エラー信号en(l)の自乗
値が上記閾値ermsm×αより大きい場合は、上記エラー
信号en(l)に消音対象外の過大な入力が含まれると判定
して出力信号E(n) を0としてLMS演算回路6に出力
する一方、上記エラー信号en(l)の自乗値が上記閾値e
rmsm×α以下の場合は、上記エラー信号en(l)を今回の
データとして指数平均値を算出し、この指数平均値を基
に上記閾値ermsm×αのermsmを予め設定しておいた一
定範囲内で更新するとともに、上記エラー信号en(l)を
出力信号E(n) として、そのまま上記LMS演算回路6
に出力する。
【0044】そして、上記LMS演算回路6で、上記誤
差信号処理回路5からの信号E(n)と、上記CMN0 回路
4で補償されたプライマリソースPs とから、周知のL
MSアルゴリズムにより前記適応フィルタ3のフィルタ
係数W(n) の修正量を求め、フィルタ係数W(n) を更新
する。ここで、上記誤差信号処理回路5からの信号E
(n) が0のときは、フィルタ係数W(n) の更新は行われ
ない。
【0045】尚、本発明の実施の形態では、プライマリ
ソースPs としてIg パルスを用いるように構成してい
るが、他のエンジン関連の振動騒音と相関の高い信号
(例えば、燃料噴射パルスTi 等)をプライマリソース
Ps としても良い。
【0046】また、本発明の実施の形態では、1チャン
ネル(マイク1個、スピーカ1個)のLMSアルゴリズ
ムを利用した騒音低減装置の例について説明したが、L
MSアルゴリズムを多チャンネルに拡大したMEFX−
LMS(Multiple ErrorFiltered X−LMS)アル
ゴリズムを利用した車室内騒音低減装置(例えば、マイ
ク4個、スピーカ4個等の装置)についても適用可能で
ある。
【0047】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
人の声やオーディオからの音等の消音対象外の入力の周
期性の有無に関わらず、消音対象外の入力があった際
に、適応フィルタが不必要に適応して乗員に違和感を与
えることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車室内騒音低減装置のシステム概略図
【図2】入力信号変換回路の説明図
【図3】誤差信号処理回路で行われる処理のフローチャ
ート
【符号の説明】
1 エンジン(振動源) 3 適応フィルタ(キャンセル信号合成手段) 5 誤差信号処理回路(誤差信号処理手段) 6 LMS演算回路(フィルタ係数更新手段) 9 スピーカ(相殺音発生手段) 10 マイク(誤差信号検出手段) ermsm×α 閾値 em(l) 指数平均値(サンプル毎の周期間の平均値) E(n) 出力信号(誤差信号処理手段からの出力信
号) en(l) エラー信号(誤差信号検出手段からの誤差信
号) Ps プライマリソース(騒音振動源信号) W(n) フィルタ係数

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動源振動と相関の高い騒音振動源信号
    を適応フィルタによりキャンセル信号として合成するキ
    ャンセル信号合成手段と、 上記キャンセル信号を騒音に対する相殺音として発生す
    る相殺音発生手段と、 受聴点における騒音低減状態を誤差信号として検出する
    誤差信号検出手段と、 上記誤差信号検出手段からの上記誤差信号と算出してお
    いた閾値とを比較し、上記誤差信号が上記閾値より大き
    い場合は、誤差信号をゼロとして出力する一方、上記誤
    差信号が上記閾値以下の場合は、上記誤差信号を今回の
    データとして指数平均値を算出し、この指数平均値を基
    に上記閾値を更新するとともに、誤差信号をそのまま出
    力する誤差信号処理手段と、 上記騒音振動源信号と上記誤差信号処理手段からの信号
    とに基づき上記適応フィルタのフィルタ係数を更新する
    フィルタ係数更新手段とを備えたことを特徴とする車室
    内騒音低減装置。
  2. 【請求項2】 上記誤差信号処理手段で指数平均値を基
    に上記閾値を更新する際に、上記指数平均値を基に算出
    した閾値が予め設定しておいた最大閾値と予め設定して
    おいた最小閾値との間の値であるか否か判定し、上記閾
    値が上記最大閾値以上となる場合は、更新する閾値を上
    記最大閾値とする一方、上記閾値が上記最小閾値以下と
    なる場合は、更新する閾値を上記最小閾値とすることを
    特徴とする請求項1記載の車室内騒音低減装置。
JP7220812A 1995-08-29 1995-08-29 車室内騒音低減装置 Pending JPH0962270A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7220812A JPH0962270A (ja) 1995-08-29 1995-08-29 車室内騒音低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7220812A JPH0962270A (ja) 1995-08-29 1995-08-29 車室内騒音低減装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0962270A true JPH0962270A (ja) 1997-03-07

Family

ID=16756953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7220812A Pending JPH0962270A (ja) 1995-08-29 1995-08-29 車室内騒音低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0962270A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0903726B1 (en) Active acoustic noise and echo cancellation system
US6549629B2 (en) DVE system with normalized selection
JP3410141B2 (ja) 車室内騒音低減装置
US20020071573A1 (en) DVE system with customized equalization
JPH0720884A (ja) 車室内騒音低減装置
JPH06230788A (ja) 車室内騒音低減装置
JP3410129B2 (ja) 車室内騒音低減装置
JPH06332470A (ja) 車室内騒音低減装置
JPH09288489A (ja) 車室内騒音低減装置
JP5383008B2 (ja) 音声明瞭度改善システム及び音声明瞭度改善方法
JP2980007B2 (ja) 排気音質改良装置
JPH0962270A (ja) 車室内騒音低減装置
JP3621718B2 (ja) 車室内騒音低減装置
JPH0651787A (ja) 能動型消音装置
JP2000172281A (ja) 車室内音制御装置
JPH07168582A (ja) 車室内騒音低減装置
JP3621719B2 (ja) 車室内騒音低減装置
JP3122192B2 (ja) 能動型騒音制御装置及び適応騒音制御方法
JP3621714B2 (ja) 車室内騒音低減装置
JP3273051B2 (ja) 能動型騒音制御装置及び適応的騒音制御方法
JP2791510B2 (ja) アクティブ消音装置
JPH11133981A (ja) 消音装置
JP3278180B2 (ja) 車両用騒音制御装置
JP2000172277A (ja) 車室内音制御装置
JP2023131419A (ja) 能動型騒音低減装置