JP2000172277A - 車室内音制御装置 - Google Patents

車室内音制御装置

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JP2000172277A
JP2000172277A JP10344646A JP34464698A JP2000172277A JP 2000172277 A JP2000172277 A JP 2000172277A JP 10344646 A JP10344646 A JP 10344646A JP 34464698 A JP34464698 A JP 34464698A JP 2000172277 A JP2000172277 A JP 2000172277A
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sound
reverberation
signal
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vehicle interior
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JP10344646A
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English (en)
Inventor
Manpei Tamamura
万平 玉村
Eiji Shibata
英司 柴田
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない演算量、少ないメモリ数で形成でき、車
室内騒音低減装置が簡単に併設可能で、また、車室内で
発生される音声等に対して積極的に反響音を付加し、車
室内空間を音響ホールなどのような深みのある音場空間
にする。 【解決手段】マイク1で、音声等の車室内で反響させる
対象音が検出され、反響音演算出力部4の反響音演算部
4aに入力される。反響音演算部4aでは、反響音の周
期1周期前のメモリデータに今回検出したマイク1から
の音信号を設定量反映させ今回のメモリデータとすると
ともに、1周期前のメモリデータを今回の反響出力信号
として発生音特性調整部4bに出力する。反響音演算部
4aで必要な反響音の周期と減衰係数は、反響音特性設
定部3により予め選択され設定されている。発生音特性
調整部4bは、反響音演算部4aから入力された反響音
の周波数特性を調整して出力し、スピーカ2により再生
し発生される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内の音場、特
に車室内での音の反響を制御し、車室内を乗員にとって
快適な音場にする車室内音制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乗員にとって快適な車室内空
間を実現するため、車室内騒音を低減させることが行わ
れており、最近では、例えば特開平3−178845号
公報等に示されるような、LMS(Least Mean Squ
are )アルゴリズム、或いは、MEFX−LMS(Mul
tiple Error Filtered X−LMS)アルゴリズムを
利用した車室内騒音低減装置が提案され、一部実用化さ
れ始めている。
【0003】このようなLMSアルゴリズムを利用した
車室内騒音低減装置では、エンジン振動を主要因として
発生する車室内騒音を消音する場合、エンジン振動と相
関の高い信号を騒音振動源信号(プライマリソース)と
して検出し、このプライマリソースから適応フィルタに
よって騒音に対する相殺音を合成してスピーカから発生
する。そして、受聴点における騒音低減状態をエラー信
号としてマイクにより検出し、このエラー信号と上記プ
ライマリソースとからLMSアルゴリズムにより適応フ
ィルタのフィルタ係数を更新して受聴点における騒音低
減を最適にするようになっている。
【0004】このため、上記LMSアルゴリズムを利用
した車室内騒音低減装置では、一般に、DSP(Digit
al Signal Processor)で信号処理を行うように構成
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、乗員にとっ
て快適な車室内空間は、上述のように車室内の騒音を低
減させること以外にも、車室内で発生される音声等に対
して積極的に反響音を付加し、車室内空間を風呂場や音
響ホールなどのような深みのある音場空間にすることに
よっても実現可能である。このような音場空間にすれ
ば、車室内空間を単なる移動空間としてではなく、反響
音を利用して、娯楽空間として利用でき、また、車室内
を前後席で一体となるような音場として、車室内前後の
乗員間のコミュニケーションの改善にも役立つ。
【0006】そして、このような反響音発生のシステム
を、可能な限り共通部品等を使用し、低コストにして前
記車室内騒音低減装置と併設すれば、乗員がそのときの
状況に合わせて両装置の機能を選択的に使うことがで
き、より快適なドライブを楽しめるようになる。
【0007】反響音は音声等が壁面などで反射し、また
共鳴等も生じていつまでも減衰しない状態である。従っ
て音声等に反響音を付加する反響音付加の回路は一般に
は残響特性を模擬した回路(ディレーなどで数秒間を制
御するなど)で構成されるが、デジタル信号の処理回路
でこれを構成しようとすると、数秒間という長い残響特
性を得るには非常に多くのメモリ(サンプリング周波数
×残響時間=メモリ数)が必要となる。このため、共通
部品を使って低コストに反響音発生のシステムと車室内
騒音低減装置とを併設することは難しい。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、少ない演算量、少ないメモリ数のデジタル信号処理
回路で形成でき、車室内騒音低減装置が簡単に併設可能
で、また、車室内で発生される音声等に対して積極的に
反響音を付加し、車室内空間を風呂場や音響ホールなど
のような深みのある音場空間にすることができ、車室内
空間を単なる移動空間としてではなく、娯楽空間として
利用でき、さらに、車室内を前後席で一体となるような
音場として、車室内前後の乗員間のコミュニケーション
の改善にも役立てることが可能な車室内音制御装置を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の本発明による車室内音制御装置は、反響
させる対象音を検出する音検出手段と、反響音の設定周
期1周期前の演算記憶データに今回検出した上記音検出
手段からの音信号を設定量反映させ今回の演算記憶デー
タとするとともに、上記1周期前の演算記憶データを今
回の反響出力信号として出力する反響音演算出力手段
と、上記反響出力信号を再生し発生する音源とを備えた
ものである。
【0010】また、請求項2記載の本発明による車室内
音制御装置は、受聴点における騒音低減状態を誤差信号
として検出自在であるとともに反響させる対象音を検出
自在な音検出手段と、エンジンの回転信号を検出処理し
て相殺音の原信号を生成する相殺音原信号生成手段と、
上記相殺音原信号を適応フィルタにより相殺音信号とし
て合成する相殺音信号合成手段と、上記誤差信号と上記
相殺音原信号とに基づき上記適応フィルタのフィルタ係
数を更新するフィルタ係数更新手段と、反響音の設定周
期1周期前の演算記憶データに今回検出した上記音検出
手段からの音信号を設定量反映させ今回の演算記憶デー
タとするとともに、上記1周期前の演算記憶データを今
回の反響出力信号として出力する反響音演算出力手段
と、上記相殺音信号合成手段からの相殺音信号と上記反
響音演算出力手段からの反響出力信号のどちらかを再生
し発生する音源とを備えたものである。
【0011】さらに、請求項3記載の本発明による車室
内音制御装置は、請求項1又は請求項2記載の車室内音
制御装置において、上記反響音演算出力手段は、上記今
回の演算記憶データを今回の反響出力信号として出力す
るものである。
【0012】また、請求項4記載の本発明による車室内
音制御装置は、請求項1,2,3のいずれか一に記載の
車室内音制御装置において、上記反響音演算出力手段
は、上記今回の反響出力信号をさらに音の特性を変化調
整し今回の反響出力信号として出力するものである。
【0013】さらに、請求項5記載の本発明による車室
内音制御装置は、請求項1,2,3,4のいずれか一つ
に記載の車室内音制御装置において、上記反響音演算出
力手段は、反響音の設定周期と1周期前の演算記憶デー
タに反映させる今回検出した上記音検出手段からの音信
号の設定量の少なくとも一方が可変に形成されているも
のである。
【0014】上記請求項1記載の車室内音制御装置は、
まず、音検出手段は反響させる対象音を検出し、反響音
演算出力手段は、反響音の設定周期1周期前の演算記憶
データに今回検出した上記音検出手段からの音信号を設
定量反映させ今回の演算記憶データとするとともに、上
記1周期前の演算記憶データを今回の反響出力信号とし
て出力し、この今回の反響出力信号が、音源から再生し
発生される。上記今回の演算記憶データは1周期後に反
響出力信号として上記反響音演算出力手段から出力され
る。
【0015】また、上記請求項2記載の車室内音制御装
置は、音源から反響出力信号が再生し発生される場合、
まず、音検出手段で反響させる対象音を検出し、反響音
演算出力手段で、反響音の設定周期1周期前の演算記憶
データに今回検出した上記音検出手段からの音信号を設
定量反映させ今回の演算記憶データとするとともに、上
記1周期前の演算記憶データを今回の反響出力信号とし
て出力し、この今回の反響出力信号が、音源から再生し
発生される。一方、上記音源から相殺音信号を再生し発
生してエンジン音による車室内騒音を相殺し低減する場
合、相殺音原信号生成手段により、エンジンの回転信号
が検出処理され相殺音の原信号が生成され、相殺音信号
合成手段により、上記相殺音原信号が適応フィルタによ
り相殺音信号として合成され、この相殺音信号が上記音
源から再生し発生される。そして、上記音検出手段によ
り、受聴点における騒音低減状態が誤差信号として検出
され、フィルタ係数更新手段により、上記誤差信号と上
記相殺音原信号とに基づき上記適応フィルタのフィルタ
係数が更新される。
【0016】さらに、上記請求項3記載の車室内音制御
装置は、請求項1又は請求項2記載の車室内音制御装置
において、上記反響音演算出力手段は、上記今回の演算
記憶データを今回の反響出力信号として出力する。
【0017】また、請求項4記載の本発明による車室内
音制御装置は、請求項1,2,3のいずれか一に記載の
車室内音制御装置において、上記反響音演算出力手段
は、上記今回の反響出力信号をさらに音の特性を変化調
整し今回の反響出力信号として出力する。
【0018】さらに、請求項5記載の本発明による車室
内音制御装置は、請求項1,2,3,4のいずれか一つ
に記載の車室内音制御装置において、乗員は、上記反響
音演算出力手段の、反響音の設定周期と1周期前の演算
記憶データに反映させる今回検出した上記音検出手段か
らの音信号の設定量の少なくとも一方を好みに応じて設
定し、反響音特性を変化させる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態1によ
る車室内音制御装置のシステム概略図を示す。
【0020】車両に搭載される車室内音制御装置は、図
1に示すように、マイク1,スピーカ2,反響音特性設
定部3,反響音演算出力部4とで主要に構成され、上記
マイク1で音が検出されて上記反響音演算出力部4に入
力され、上記反響音特性設定部3によりパラメータが設
定された上記反響音演算出力部4からの出力信号がスピ
ーカ2から再生され発生されるようになっている。
【0021】上記マイク1は音検出手段としてのもの
で、車室内で反響させる対象音、例えばドライバの話し
声を検出可能な位置、例えば運転席のヘッドレスト部分
等に設けられ、このマイク1からの信号は、アンプ回
路,フィルタ回路およびA/D変換器(いずれも図示せ
ず)を介して上記反響音演算出力部4に入力されるよう
になっている。
【0022】また、上記スピーカ2は、上記反響音演算
出力部4からの信号を、図示しないD/A変換器,フィ
ルタ回路及びアンプ回路を介し再生して音を発生する音
源としてのものである。
【0023】上記反響音特性設定部3は、乗員により操
作されて、上記反響音演算出力部4に、反響音の減衰係
数及び周期とを設定する部分に形成されている。
【0024】上記反響音演算出力部4は反響音演算出力
手段としてのもので、反響音演算部4aと発生音特性調
整部4bとで主に形成されている。
【0025】上記反響音演算部4aは、反響音の周期1
周期前の演算記憶データ(メモリデータ)に今回検出し
た上記マイク1からの音信号を設定量反映させ今回のメ
モリデータとするとともに、上記1周期前のメモリデー
タを今回の反響出力信号として上記発生音特性調整部4
bに出力するようになっている。
【0026】すなわち、上記発生音特性調整部4bに出
力する今回の反響出力信号をout(n) ,反響音の周期
1周期前のメモリデータをmemo(n-T) ,今回のメモ
リデータをmemo(n) ,上記反響音特性設定部3によ
り設定された反響音の減衰係数をA,周期をT,今回検
出した上記マイク1からの音信号をe(n) として、 out(n) =memo(n-T) …(1) memo(n) =memo(n-T) ×A+e(n) ×(1−A) …(2) となる。そして、1周期後に今回のメモリデータが出力
される。
【0027】上記(2)式を基に、1周期後(n+
T),2周期後(n+2T),3周期後(n+3T),
…,p(pは1以上の整数)周期後(n+p×T)にお
けるメモリデータのe(n) に関する項を求めると、e
(n) ×(1−A),e(n) ×(1−A)×A,e(n) ×
(1−A)×A2 ,e(n) ×(1−A)×A3 ,…,e
(n)×(1−A)×A(p-1) となり、A=(N−1)/
Nとして指数平均になるように定めることによって、上
記マイク1からの音信号が、減衰しながら繰り返し出力
されるようになっている。
【0028】このため、メモリデータは、memo(n)
〜memo(n+T) の1周期分のサンプリングデータがあ
れば良いため、数秒間という長い反響音も少ないメモリ
で表現可能になっている。
【0029】尚、上記e(n) に乗じられる(1−A)
は、最初の反響音のレベルを調整する値と考えることが
できるので、(1−A)に限定することなく設定しても
良い。
【0030】また、反響させる対象音を拡声する場合に
は、上記(1)式を、out(n) =memo(n) とし
て、今回のメモリデータmemo(n) を今回の反響出力
信号out(n) としても良い。このように拡声すること
により車室内でのコミュニケーションを良好にすること
ができる。
【0031】上記発生音特性調整部4bは、洞窟等の共
鳴特性(周波数特性)を模擬したフィルタで、例えばF
IR(Finite Impulse Response )フィルタで形成
され、上記反響音演算部4aで生成された反響音の周波
数特性を調整し、出力するようになっている。
【0032】ここで、上記発生音特性調整部4bからの
出力をout1(n) ,フィルタ係数をhとすると、 次に、上記構成による作用について説明する。まず、マ
イク1により、音声等の車室内で反響させる対象音が検
出され、このマイク1からの信号は、アンプ回路,フィ
ルタ回路およびA/D変換器を介し、反響音演算出力部
4の反響音演算部4aに入力される。
【0033】上記反響音演算部4aでは、上記(1)式
に基づき信号の出力が行われると共に、上記(2)式に
基づきメモリデータの演算が行われる。すなわち、反響
音の周期1周期前のメモリデータに今回検出した上記マ
イク1からの音信号を設定量反映させ今回のメモリデー
タとするとともに、上記1周期前のメモリデータを今回
の反響出力信号として上記発生音特性調整部4bに出力
する。
【0034】ここで、上記反響音演算部4aで必要な反
響音の周期と減衰係数(今回検出した上記マイク1から
の音信号を反映させる量)は、反響音特性設定部3によ
り、乗員により予め選択され設定されている。
【0035】上記発生音特性調整部4bでは、上記
(3)式に従い上記反響音演算部4aから入力された反
響音の周波数特性を調整し、快適な反響音にして出力
し、この出力信号は、D/A変換器,フィルタ回路及び
アンプ回路を介し、スピーカ2により再生し発生され
る。
【0036】このように本発明の実施の形態1によれ
ば、車室内で発生される音声等に対して積極的に反響音
を付加し、車室内空間を風呂場や音響ホールなどのよう
な深みのある音場空間にすることができ、車室内空間を
単なる移動空間としてではなく、娯楽空間として利用で
きる。
【0037】また、少ない演算量、少ないメモリ数のデ
ジタル信号処理回路で形成でき、低コストであり、エン
ジン音を基に車室内のエンジンによる振動騒音を低減さ
せるLMSアルゴリズムを利用した車室内騒音低減装置
とも併設しやすい構造となっている。
【0038】さらに、反響を利用し、車室内を前後席で
一体となるような音場として、車室内前後の乗員間のコ
ミュニケーションの改善にも役立てることが可能にな
る。
【0039】また、反響音の周期、減衰係数が乗員の好
みに応じて可変でき、様々な特性の反響音を容易に表現
できる。
【0040】次に、図2および図3は本発明の実施の形
態2を示し、図2は車室内音制御装置のシステム概略
図、図3は相殺音原信号生成部での信号変換の説明図で
ある。尚、本発明の実施の形態2は、車室内音制御部
が、反響音の発生を制御する部分と、車室内のエンジン
による振動騒音を低減させる相殺音の発生を制御する部
分とを有し、これらが選択的に使用可能に形成されたも
のである。
【0041】すなわち、図2において、符号11は4サ
イクルエンジンを示し、このエンジン11の図示しない
イグニッションコイルへのイグニッションパルス信号
(Igパルス信号)は、車室内音制御部12に入力され
るようになっている。
【0042】また、音検出手段としてのマイク1が、受
聴点における騒音低減状態を誤差信号として検出可能
で、車室内で反響させる対象音、例えばドライバの話し
声を検出可能な位置、例えば運転席のヘッドレスト部分
等に設けられ、このマイク1からの信号は、アンプ回
路,フィルタ回路およびA/D変換器(いずれも図示せ
ず)を介して上記車室内音制御部12に入力されるよう
になっている。
【0043】また、上記車室内音制御部12からの信号
を、図示しないD/A変換器,フィルタ回路及びアンプ
回路を介し再生して音を発生する音源としてスピーカ2
が設けられている。
【0044】上記車室内音制御部12は、反響音の発生
を制御する反響音発生制御部12aと、車室内のエンジ
ンによる振動騒音を低減させる相殺音の発生を制御する
相殺音発生制御部12bとを有し、これらの制御部12
a,12bのどちらかが乗員により選択され動作される
ように構成されている。
【0045】ここで、上記反響音発生制御部12aは、
前記発明の実施の形態1で説明したものと略同様に構成
されるので、その説明は省略する。
【0046】上記相殺音発生制御部12bは、相殺音原
信号生成部13,適応フィルタ14,スピーカ/マイク
間補償部15およびLMS演算部16から主に構成され
ている。
【0047】上記相殺音発生制御部12bが動作される
と、Ig パルス信号が、相殺音原信号生成手段としての
上記相殺音原信号生成部13に入力され、この相殺音原
信号生成部13に入力されたIg パルス信号は、図3に
示すように、エンジン回転に同期してエンジン2回転で
1パルスで、エンジン回転の0.5×n(n:整数)次
成分の周波数からなる信号に成形・間引されて、相殺音
原信号として、上記適応フィルタ14と上記スピーカ/
マイク間補償部15に入力されるようになっている。
【0048】これは、4サイクルエンジン関連の振動騒
音は、エンジン11が2回転(720℃A)で吸入・圧
縮・爆発・排気の4行程を完了するために、エンジン2
回転を1周期とする振動騒音となっており、周波数領域
ではエンジン回転の0.5次成分を基本波とし、その高
次成分が主体となったスペクトルとなっている(0.5
×n(n:整数)次成分により構成されている)ためで
ある。従って、Ig パルス信号を前述のように成形・加
工することにより、消音したい振動騒音と極めて相関の
高い相殺音原信号を得ることができる。
【0049】また、上記適応フィルタ14は、上記LM
S演算部16により更新可能なフィルタ係数W(n) を有
する相殺音信号合成手段としてのFIRフィルタであ
り、所定のタップ数(例えば、512タップ)に形成さ
れている。この適応フィルタ14に入力された上記相殺
音原信号は、上記フィルタ係数W(n) と畳み込み積和さ
れ、相殺音信号として出力され、D/A変換器,フィル
タ回路およびアンプ回路(いずれも図示せず)を介し
て、上記スピーカ2から相殺音を発生するようになって
いる。
【0050】また、上記マイク1にて検出された騒音低
減状態を示す誤差信号(相殺音とエンジン関連の振動騒
音との干渉の結果を示す信号)は、アンプ回路,フィル
タ回路およびA/D変換器(いずれも図示せず)を介し
て、上記LMS演算部16に入力されるようになってい
る。
【0051】一方、上記スピーカ/マイク間補償部15
には、予めスピーカ/マイク間伝達特性CMNが有限のイ
ンパルスレスポンスで近似して(補償係数CMN0 とし
て)設定されており、入力された相殺音原信号に、上記
補償係数CMN0 を乗じる(畳み込み積和する)ことによ
り補償して、上記LMS演算部16に信号を出力するよ
うになっている。
【0052】また、上記LMS演算部16は、フィルタ
係数更新手段としてのもので、上記マイク1からの信号
と、上記スピーカ/マイク間補償部15で補償された
(畳み込み積和された)相殺音原信号とから、周知のL
MSアルゴリズムにより前記適応フィルタ14のフィル
タ係数W(n) の修正量を求め、フィルタ係数W(n) を更
新する。
【0053】ここで、更新後のi番目のフィルタ係数を
Wi(n+1),更新するi番目のフィルタ係数をWi(n),更
新率(ステップサイズ)をμ,上記LMS演算部16に
入力される上記マイク1からの信号をE(n) ,マイクチ
ャンネルMとスピーカNとの間のスピーカ/マイク間補
償係数CMN0 のj番目の係数をCMjN0,X(n) で代表す
る入力信号のi+j個前の値をX(n-i-j) とし、補償係
数CMN0 のタップ数をJとすると、適応フィルタのフィ
ルタ係数の更新は、 となる。
【0054】尚、図2中、符号Cはエンジン11の振動
騒音に対する車体伝達特性を示す。次に、上記構成によ
る本発明の実施の形態の作用について説明する。まず、
乗員が反響音を発生させるために車室内音制御部12の
反響音発生制御部12aを動作させると、マイク1によ
り、音声等の車室内で反響させる対象音が検出され、こ
のマイク1からの信号は、アンプ回路,フィルタ回路お
よびA/D変換器を介し、反響音演算出力部4の反響音
演算部4aに入力される。
【0055】上記反響音演算部4aでは、上記(1)式
に基づき信号の出力が行われると共に、上記(2)式に
基づきメモリデータの演算が行われる。すなわち、反響
音の周期1周期前のメモリデータに今回検出した上記マ
イク1からの音信号を設定量反映させ今回のメモリデー
タとするとともに、上記1周期前のメモリデータを今回
の反響出力信号として上記発生音特性調整部4bに出力
する。
【0056】ここで、上記反響音演算部4aで必要な反
響音の周期と減衰係数(今回検出した上記マイク1から
の音信号を反映させる量)は、反響音特性設定部3によ
り、乗員により予め選択され設定されている。
【0057】上記発生音特性調整部4bでは、上記
(3)式に従い上記反響音演算部4aから入力された反
響音の周波数特性を調整し、快適な反響音にして出力
し、この出力信号は、D/A変換器,フィルタ回路及び
アンプ回路を介し、スピーカ2により再生し発生され
る。
【0058】次いで、乗員が車室内のエンジンによる振
動騒音を低減させる相殺音を発生させるために車室内音
制御部12の相殺音発生制御部12bを動作させると、
Igパルス信号が、車室内音制御部12の相殺音発生制
御部12bに入力される。
【0059】この場合、エンジンの振動騒音は、エンジ
ン11から図示しないマウント等を伝達して車内音とな
り、また、吸気や排気の音等も車室内に伝播し、これら
のエンジン関連振動騒音は、周波数領域では、いずれも
0.5×n(n:整数)次成分の周波数スペクトルによ
り主に構成されて、各々の振動源に対する車体伝達特性
Cが乗ぜられて受聴点に達する。
【0060】一方、エンジン11のイグニッションコイ
ルへのIg パルス信号は、上記相殺音発生制御部12b
の相殺音原信号生成部13に入力され、エンジン回転に
同期してエンジン2回転で1パルスで、エンジン回転の
0.5×n(n:整数)次成分の周波数からなる信号に
成形・間引されて、相殺音原信号として、適応フィルタ
14、スピーカ/マイク間補償部15に出力される。
【0061】上記適応フィルタ14に入力された相殺音
原信号は、この適応フィルタ14のフィルタ係数W(n)
との畳み込み積和により、振動騒音を相殺する相殺音信
号として出力され、D/A変換器,フィルタ回路および
アンプ回路を介して、スピーカ2に出力され、このスピ
ーカ2から上記受聴点における振動騒音に対する相殺音
として出力される。このとき、上記相殺音は、スピーカ
/マイク間伝達特性CMNを受けて上記受聴点に達する。
【0062】このため、上記受聴点では、上記エンジン
関連の振動騒音と上記相殺音とが干渉して振動騒音が低
減させられると同時に、上記受聴点の近傍に配設されて
いるマイク1により、振動騒音と相殺音との干渉の結果
が検出され、誤差信号として、アンプ回路,フィルタ回
路およびA/D変換器を介してLMS演算部16に入力
される。
【0063】上記スピーカ/マイク間補償部15に入力
された相殺音原信号は、補償係数CMN0 が乗じられ(畳
み込み積和され)補償されて、上記LMS演算部16に
出力される。
【0064】そして、上記LMS演算部16で、上記マ
イク1からの誤差信号と、上記スピーカ/マイク間補償
部15で補償された相殺音原信号とから、周知のLMS
アルゴリズムにより上記適応フィルタ14のフィルタ係
数W(n) の修正量を求めフィルタ係数W(n) を更新す
る。
【0065】このように、本発明の実施の形態2によれ
ば、乗員は、その状況に応じて自分の好みの反響音の発
生と、エンジン関連の車室内騒音の低減が選択でき、よ
り快適なドライブを行うことができる。
【0066】また、反響音の発生システムは、前記発明
の実施の形態1で説明したように優れた効果を有し、L
MSアルゴリズムを利用した車室内騒音低減システムと
簡単に併設でき、多くの部品を共用することで車室内音
制御装置自体の部品点数の低下、小型軽量化及び低コス
ト化を図ることができる。
【0067】尚、上記発明の実施の形態2における相殺
音原信号は、Ig パルス信号を用いて生成されるように
構成しているが、他のエンジン関連の同様の信号(例え
ば、燃料噴射パルスTi 等)を用いるようにしても良
い。
【0068】また、上記発明の実施の形態2では、車室
内騒音低減システムが1チャンネル(マイク1個、スピ
ーカ1個)のLMSアルゴリズムを利用したものの例に
ついて説明したが、LMSアルゴリズムを多チャンネル
に拡大したMEFX−LMSアルゴリズムを利用した車
室内騒音低減装置(例えば、マイク4個、スピーカ4個
等の装置)についても適用可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、少
ない演算量、少ないメモリ数のデジタル信号処理回路で
形成でき、車室内騒音低減装置が簡単に併設可能で、ま
た、車室内で発生される音声等に対して積極的に反響音
を付加し、車室内空間を風呂場や音響ホールなどのよう
な深みのある音場空間にすることができ、車室内空間を
単なる移動空間としてではなく、娯楽空間として利用で
き、さらに、車室内を前後席で一体となるような音場と
して、車室内前後の乗員間のコミュニケーションの改善
にも役立てることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発明の実施の形態1による車室内音制
御装置のシステム概略図
【図2】本発明の発明の実施の形態2による車室内音制
御装置のシステム概略図
【図3】本発明の発明の実施の形態2による相殺音原信
号生成部での信号変換の説明図
【符号の説明】
1 マイク(音検出手段) 2 スピーカ(音源) 3 反響音特性設定部 4 反響音演算出力部(反響音演算出力手段) 4a 反響音演算部 4b 発生音特性調整部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反響させる対象音を検出する音検出手段
    と、反響音の設定周期1周期前の演算記憶データに今回
    検出した上記音検出手段からの音信号を設定量反映させ
    今回の演算記憶データとするとともに、上記1周期前の
    演算記憶データを今回の反響出力信号として出力する反
    響音演算出力手段と、上記反響出力信号を再生し発生す
    る音源とを備えたことを特徴とする車室内音制御装置。
  2. 【請求項2】 受聴点における騒音低減状態を誤差信号
    として検出自在であるとともに反響させる対象音を検出
    自在な音検出手段と、エンジンの回転信号を検出処理し
    て相殺音の原信号を生成する相殺音原信号生成手段と、
    上記相殺音原信号を適応フィルタにより相殺音信号とし
    て合成する相殺音信号合成手段と、上記誤差信号と上記
    相殺音原信号とに基づき上記適応フィルタのフィルタ係
    数を更新するフィルタ係数更新手段と、反響音の設定周
    期1周期前の演算記憶データに今回検出した上記音検出
    手段からの音信号を設定量反映させ今回の演算記憶デー
    タとするとともに、上記1周期前の演算記憶データを今
    回の反響出力信号として出力する反響音演算出力手段
    と、上記相殺音信号合成手段からの相殺音信号と上記反
    響音演算出力手段からの反響出力信号のどちらかを再生
    し発生する音源とを備えたことを特徴とする車室内音制
    御装置。
  3. 【請求項3】 上記反響音演算出力手段は、上記今回の
    演算記憶データを今回の反響出力信号として出力するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車室内音制
    御装置。
  4. 【請求項4】 上記反響音演算出力手段は、上記今回の
    反響出力信号をさらに音の特性を変化調整し今回の反響
    出力信号として出力することを特徴とする請求項1,
    2,3のいずれか一に記載の車室内音制御装置。
  5. 【請求項5】 上記反響音演算出力手段は、反響音の設
    定周期と1周期前の演算記憶データに反映させる今回検
    出した上記音検出手段からの音信号の設定量の少なくと
    も一方が可変に形成されていることを特徴とする請求項
    1,2,3,4のいずれか一つに記載の車室内音制御装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110136685A (zh) * 2019-05-30 2019-08-16 中国汽车工程研究院股份有限公司 一种基于车车通讯的噪声控制实现方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110136685A (zh) * 2019-05-30 2019-08-16 中国汽车工程研究院股份有限公司 一种基于车车通讯的噪声控制实现方法

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