JPH0716791B2 - 抵抗スポット溶接方法 - Google Patents
抵抗スポット溶接方法Info
- Publication number
- JPH0716791B2 JPH0716791B2 JP2303727A JP30372790A JPH0716791B2 JP H0716791 B2 JPH0716791 B2 JP H0716791B2 JP 2303727 A JP2303727 A JP 2303727A JP 30372790 A JP30372790 A JP 30372790A JP H0716791 B2 JPH0716791 B2 JP H0716791B2
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- Japan
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- welding
- diameter
- electrode
- energization
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は抵抗スポット溶接方法に関するものである。
(従来の技術及びその問題点) 抵抗スポット溶接用に開発された従来のモニタリングシ
ステムや適応制御システムは、被溶接材の材質を亜鉛め
っき鋼板にするとほとんど役に立っていない。また溶接
電流と電極加圧力、及び通電時間の3大パラメータを直
接的に制御する方式を採っているため、板厚が変化する
と基準となる標準溶接条件が大幅に変化してしまう。こ
のため溶接機の条件設定ダイヤルを一定にしたままで種
々の材料を高品質に溶接し続けるという汎用性に富んだ
溶接機システムも未だ実現されていない。もちろん電極
消耗に対応して溶接条件を自動的に補正する溶接システ
ムは既にいくつか提案・実用されてはいるが、このシス
テムでも被溶接材が混ざったり、板の合いにばらつきが
存在する場合には、充分な対応ができていないのが実情
である。しかもこの従来の溶接品質保証・制御システム
を利用するためには、それぞれの被溶接材料ごとに生産
現場で予備実験を行い、溶接品質とモニタリング量との
関係を予め求めておくという作業が不可欠となる。これ
は従来の品質制御システムが基礎イメージと実験式だけ
を基にして制御アルゴリズムを作成していたために現れ
た欠点である。
ステムや適応制御システムは、被溶接材の材質を亜鉛め
っき鋼板にするとほとんど役に立っていない。また溶接
電流と電極加圧力、及び通電時間の3大パラメータを直
接的に制御する方式を採っているため、板厚が変化する
と基準となる標準溶接条件が大幅に変化してしまう。こ
のため溶接機の条件設定ダイヤルを一定にしたままで種
々の材料を高品質に溶接し続けるという汎用性に富んだ
溶接機システムも未だ実現されていない。もちろん電極
消耗に対応して溶接条件を自動的に補正する溶接システ
ムは既にいくつか提案・実用されてはいるが、このシス
テムでも被溶接材が混ざったり、板の合いにばらつきが
存在する場合には、充分な対応ができていないのが実情
である。しかもこの従来の溶接品質保証・制御システム
を利用するためには、それぞれの被溶接材料ごとに生産
現場で予備実験を行い、溶接品質とモニタリング量との
関係を予め求めておくという作業が不可欠となる。これ
は従来の品質制御システムが基礎イメージと実験式だけ
を基にして制御アルゴリズムを作成していたために現れ
た欠点である。
本発明は、このような「汎用性がない」「制御則を被溶
接材料毎に実験で決めねばならない」という従来シシス
テムの欠点を除くために理論式を基にして開発されたも
ので、物理モデルに基づいた制御則の決め方と、このア
ルゴリズムを組込んで溶接品質を自動的に汎用性をもっ
てリアルタイム制御することのできる新しいタイプの抵
抗スポット溶接方法を提供することを目的としている。
接材料毎に実験で決めねばならない」という従来シシス
テムの欠点を除くために理論式を基にして開発されたも
ので、物理モデルに基づいた制御則の決め方と、このア
ルゴリズムを組込んで溶接品質を自動的に汎用性をもっ
てリアルタイム制御することのできる新しいタイプの抵
抗スポット溶接方法を提供することを目的としている。
(問題点を解決するための手段) そこでこの発明の抵抗スポット溶接方法は、溶接電流と
チップ間電圧を検出し、両検出値から熱伝導モデルに基
づいて母材温度分布を算出すると共に、この温度分布か
らナゲット寸法特性値を推算し、推算結果を当該時点で
の基準値と比較して上記推算結果が基準値に近づくよう
に溶接電流と電極加圧力との少なくともいずれか一方を
制御し、また上記推算されたナゲット特性値が要求特性
値に達したときに溶接を終了すべく構成して成る抵抗ス
ポット溶接方法であって、さらに溶接開始後の電極移動
量を検出すると共に、この電極移動量から把握される母
材平均温度に基づいて、当該時点での上記算出された母
材温度分布を修正することを特徴としている。
チップ間電圧を検出し、両検出値から熱伝導モデルに基
づいて母材温度分布を算出すると共に、この温度分布か
らナゲット寸法特性値を推算し、推算結果を当該時点で
の基準値と比較して上記推算結果が基準値に近づくよう
に溶接電流と電極加圧力との少なくともいずれか一方を
制御し、また上記推算されたナゲット特性値が要求特性
値に達したときに溶接を終了すべく構成して成る抵抗ス
ポット溶接方法であって、さらに溶接開始後の電極移動
量を検出すると共に、この電極移動量から把握される母
材平均温度に基づいて、当該時点での上記算出された母
材温度分布を修正することを特徴としている。
(作用) 上記抵抗スポット溶接方法においては、まず最初に被溶
接材の板厚は既知として、室温の固有抵抗値と通電開始
時のチップ間抵抗値とからフリンジングの修正係数を考
慮して最初の通電径を決め、発熱密度を計算して一次元
熱伝導差分方程式を解いて板厚方向の温度分布を決め
る。また推算された溶接部平均温度を電極移動量から確
認し、誤差があれば修正する。そして次のステップのチ
ップ間抵抗と、この温度分布で決まる平均固有抵抗か
ら、次ステップの計算に使用する通電径を決め、温度分
布を計算するという作業を繰り返すことによって溶接部
の状態を高速に推測できるようになる。
接材の板厚は既知として、室温の固有抵抗値と通電開始
時のチップ間抵抗値とからフリンジングの修正係数を考
慮して最初の通電径を決め、発熱密度を計算して一次元
熱伝導差分方程式を解いて板厚方向の温度分布を決め
る。また推算された溶接部平均温度を電極移動量から確
認し、誤差があれば修正する。そして次のステップのチ
ップ間抵抗と、この温度分布で決まる平均固有抵抗か
ら、次ステップの計算に使用する通電径を決め、温度分
布を計算するという作業を繰り返すことによって溶接部
の状態を高速に推測できるようになる。
(実施例) 次にこの発明の抵抗スポット溶接方法の具体的な実施例
について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
第1図において、1は抵抗溶接電源、2は溶接電源の制
御部、3は溶接電流検出部、4は二次導体、5は下部ア
ーム、6は被溶接材料、7は電極、8は加圧シリンダ、
9は上部アーム、10は電空比例弁、11は圧力センサ、12
は電空比例弁の制御部、13はチップ間電圧の検出ケーブ
ル、14は電極移動量の検出器、15は電圧加圧力と電極移
動量、チップ間電圧、溶接電流のハード的な信号処理
部、16は通電径とナゲット径、及び入熱密度の推算部、
17は溶接電流値と電極加圧力の制御信号の作成部であ
る。
御部、3は溶接電流検出部、4は二次導体、5は下部ア
ーム、6は被溶接材料、7は電極、8は加圧シリンダ、
9は上部アーム、10は電空比例弁、11は圧力センサ、12
は電空比例弁の制御部、13はチップ間電圧の検出ケーブ
ル、14は電極移動量の検出器、15は電圧加圧力と電極移
動量、チップ間電圧、溶接電流のハード的な信号処理
部、16は通電径とナゲット径、及び入熱密度の推算部、
17は溶接電流値と電極加圧力の制御信号の作成部であ
る。
第2図に本発明の制御システムに組み込まれた数値計算
シミュレータ部の動作過程を表す流れ図を示す。被溶接
材の板厚又は重ね枚数がCADデータなどから入力された
後、通電を開始し、この時検出されたチップ間電圧と溶
接電流、及び電極移動量とから溶接部の平均温度、通電
径とを順に同定し、この通電径とこれから求まる発熱密
度とを予め定めてある標準通電径増大パターン及び標準
発熱密度パターンとに対比し、この結果を用いて溶接電
流と電極加圧力をリアルタイムに適応制御することを繰
り返して常に適正なナゲット成長状況を確保し、同時に
行っているナゲット寸法の予測結果によって通電の終了
時期を決定するという手順をこのシステムでは採ってい
る。以下にその内容について詳述する。
シミュレータ部の動作過程を表す流れ図を示す。被溶接
材の板厚又は重ね枚数がCADデータなどから入力された
後、通電を開始し、この時検出されたチップ間電圧と溶
接電流、及び電極移動量とから溶接部の平均温度、通電
径とを順に同定し、この通電径とこれから求まる発熱密
度とを予め定めてある標準通電径増大パターン及び標準
発熱密度パターンとに対比し、この結果を用いて溶接電
流と電極加圧力をリアルタイムに適応制御することを繰
り返して常に適正なナゲット成長状況を確保し、同時に
行っているナゲット寸法の予測結果によって通電の終了
時期を決定するという手順をこのシステムでは採ってい
る。以下にその内容について詳述する。
まず最初に、使用部材の公称板厚と重ね枚数及び材質
(鋼とかアルミニウム合金という程度の区分)をCADデ
ータなどから入力する。板厚のデータが必要なのは、第
3図にみるように、抵抗スポット溶接では被溶接材中で
電流が広がり、この修正を行わないと正しい溶接部の発
熱密度が推定できなくなるためである。この修正比率
は、第4図に示すように、板厚と通電径の比率によって
変化する。材質は、本システムで採用する数値計算シミ
ュレーションによるナゲット形成状況同定プログラムの
ために必要となる。また重ね枚数は溶接開始後求める総
板厚検出量と合わせてプレス加工などによる板厚変化と
溶接部がずれていないかの確認に利用する。
(鋼とかアルミニウム合金という程度の区分)をCADデ
ータなどから入力する。板厚のデータが必要なのは、第
3図にみるように、抵抗スポット溶接では被溶接材中で
電流が広がり、この修正を行わないと正しい溶接部の発
熱密度が推定できなくなるためである。この修正比率
は、第4図に示すように、板厚と通電径の比率によって
変化する。材質は、本システムで採用する数値計算シミ
ュレーションによるナゲット形成状況同定プログラムの
ために必要となる。また重ね枚数は溶接開始後求める総
板厚検出量と合わせてプレス加工などによる板厚変化と
溶接部がずれていないかの確認に利用する。
次に溶接を開始し、予め決めた板厚と一致するかどうか
を確認すると共に、実加圧力と電極の移動量との関係を
計測して、板の合いが充分確保できる電極加圧力値を設
定する。これは現実の溶接部ではプレス精度の関係で被
溶接材の板−板間がうまく密着しない場合を避けるため
である。
を確認すると共に、実加圧力と電極の移動量との関係を
計測して、板の合いが充分確保できる電極加圧力値を設
定する。これは現実の溶接部ではプレス精度の関係で被
溶接材の板−板間がうまく密着しない場合を避けるため
である。
そして次にこの確認された板厚と重ね枚数をもとに、予
め数値計算と実験によって決められている、第5図に示
すような好ましい標準通電径増大パターンと標準入熱密
度パターンを選定する。この通電径増大パターンと入熱
密度パターンとを選定しているのは、このような態様に
両者を制御すれば、溶接中にできるだけ散りが飛ばず
に、しかも第6図に示すようなナゲット径の単調増加を
示す状況を作り出すことが可能であるためである。例え
ばこの形の入熱密度制御を行うだけで、裸鋼板に比べて
溶接性がかなり劣るとされている亜鉛めっき鋼板を被溶
接材に採用した場合にでも、第7図にみるように、溶接
可能電流域を従来の定電流電源を用いた場合(I)に対
して2倍にも拡大できている(II)。
め数値計算と実験によって決められている、第5図に示
すような好ましい標準通電径増大パターンと標準入熱密
度パターンを選定する。この通電径増大パターンと入熱
密度パターンとを選定しているのは、このような態様に
両者を制御すれば、溶接中にできるだけ散りが飛ばず
に、しかも第6図に示すようなナゲット径の単調増加を
示す状況を作り出すことが可能であるためである。例え
ばこの形の入熱密度制御を行うだけで、裸鋼板に比べて
溶接性がかなり劣るとされている亜鉛めっき鋼板を被溶
接材に採用した場合にでも、第7図にみるように、溶接
可能電流域を従来の定電流電源を用いた場合(I)に対
して2倍にも拡大できている(II)。
これだけの準備作業の終わった後に溶接部への通電を開
始する。そして本システムでは時々刻々のナゲット径を
数値計算シミュレータ中でモニタリングし、推定ナゲッ
ト径が要求ナゲット径より大きくなったとき、通電を終
了することによって良好な溶接部を信頼性をもって実現
できるようにしている。
始する。そして本システムでは時々刻々のナゲット径を
数値計算シミュレータ中でモニタリングし、推定ナゲッ
ト径が要求ナゲット径より大きくなったとき、通電を終
了することによって良好な溶接部を信頼性をもって実現
できるようにしている。
しかしこのためには数値計算シミュレータによってナゲ
ット径だけでなく、時々刻々の通電径や入熱密度も高精
度に推定することが要求される。本システムではこの推
定のために、チップ間電圧と溶接電流値及び電極移動量
とを検出し、これらの値数値計算シミュレータに代入
し、必要な情報を同定する作業を行っている。
ット径だけでなく、時々刻々の通電径や入熱密度も高精
度に推定することが要求される。本システムではこの推
定のために、チップ間電圧と溶接電流値及び電極移動量
とを検出し、これらの値数値計算シミュレータに代入
し、必要な情報を同定する作業を行っている。
具体的に説明すると、溶接部の平均固有抵抗が既知で
あるとすると代表通電径dcは、 但し、R0:電極の抵抗分 Σhi:総板厚 A:第4図で示した電流広がりの修正係数 Rtip:チップ間抵抗(=Vtip/I) Vtip:チップ間電圧 I:溶接電流 から求まる。
あるとすると代表通電径dcは、 但し、R0:電極の抵抗分 Σhi:総板厚 A:第4図で示した電流広がりの修正係数 Rtip:チップ間抵抗(=Vtip/I) Vtip:チップ間電圧 I:溶接電流 から求まる。
通電開始時(t=0)にはは室温の固有抵抗値で代用
できるので、VtipとIだけで通電開始時の通電径dcが求
まることになる。この通電径値は微小時間Δt(0.01秒
程度)の間は一定と考えてもよいので、このdcとIだけ
を使ってΔt秒後の温度分布を数値計算だけから求める
ことができることになる。
できるので、VtipとIだけで通電開始時の通電径dcが求
まることになる。この通電径値は微小時間Δt(0.01秒
程度)の間は一定と考えてもよいので、このdcとIだけ
を使ってΔt秒後の温度分布を数値計算だけから求める
ことができることになる。
ここではこのΔt秒後の温度分布を(2)式に示す一次
元熱伝導方程式を差分化した差分式から求めている。な
おこの一次元化に 但し、c:比熱、σ:密度、K:熱伝導率、 t:時間、x:板厚方向の距離 ∂:偏微分記号 よって計算の飛躍的な高速化が図れている。
元熱伝導方程式を差分化した差分式から求めている。な
おこの一次元化に 但し、c:比熱、σ:密度、K:熱伝導率、 t:時間、x:板厚方向の距離 ∂:偏微分記号 よって計算の飛躍的な高速化が図れている。
このようにしてΔt秒後の溶接部温度分布が求まると、
この温度分布から各部の固有抵抗が定まり、が計算さ
れる。そしてこのときのチップ間電圧と溶接電流値を検
出し、(1)式からdcを求め、(2)式の差分式からさ
らにΔt秒後のT分布を求めるということを繰り返す
と、通電開始から任意の時刻までの通電径や溶接部温度
分布、入熱密度パターンが時々刻々同定できることにな
る。また各半径位置での加熱開始遅れ時間を考慮すると
正確なナゲット径が推定できる。そしてここで求まった
通電径の値と入熱密度の値を、上で述べた標準通電径増
大パターンと標準入熱パターンに一致するように溶接電
流や電極加圧力を適応制御すると、第6図に示すような
ナゲット成長パターンが実現でき、要求ナゲット径と推
定ナゲット径との対比から通電の終了時刻を決定できる
ことになる。
この温度分布から各部の固有抵抗が定まり、が計算さ
れる。そしてこのときのチップ間電圧と溶接電流値を検
出し、(1)式からdcを求め、(2)式の差分式からさ
らにΔt秒後のT分布を求めるということを繰り返す
と、通電開始から任意の時刻までの通電径や溶接部温度
分布、入熱密度パターンが時々刻々同定できることにな
る。また各半径位置での加熱開始遅れ時間を考慮すると
正確なナゲット径が推定できる。そしてここで求まった
通電径の値と入熱密度の値を、上で述べた標準通電径増
大パターンと標準入熱パターンに一致するように溶接電
流や電極加圧力を適応制御すると、第6図に示すような
ナゲット成長パターンが実現でき、要求ナゲット径と推
定ナゲット径との対比から通電の終了時刻を決定できる
ことになる。
しかし現実の材料を溶接した場合には、板表面に残存す
る微小な凹凸や、裸鋼板と亜鉛めっき鋼板の混合打点に
伴う電極先端表面の凹凸に起因して、いわゆる界面抵抗
が通電の初期の段階に出現し、チップ間抵抗による通電
径推定結果の信頼性を下げる。そこで本発明では、この
通電初期での通電径推定結果の信頼性を上げるために電
極移動量の検出結果も合わせて利用している。
る微小な凹凸や、裸鋼板と亜鉛めっき鋼板の混合打点に
伴う電極先端表面の凹凸に起因して、いわゆる界面抵抗
が通電の初期の段階に出現し、チップ間抵抗による通電
径推定結果の信頼性を下げる。そこで本発明では、この
通電初期での通電径推定結果の信頼性を上げるために電
極移動量の検出結果も合わせて利用している。
これはナゲットが形成されていないような通電の極初期
の段階に限れば、電極移動量に代表通電面積を掛けた値
は電極も含めた溶接部全体の熱膨張量と密接に関連して
いるという原理に基づいている。今溶接に伴う電極移動
量Δlとすると、溶接部の周囲が拘束されている事実を
考えて熱膨張理論より Δl∝3∫Tdx・・・(3) 但し、は線膨張率の平均値 という関係が得られる。
の段階に限れば、電極移動量に代表通電面積を掛けた値
は電極も含めた溶接部全体の熱膨張量と密接に関連して
いるという原理に基づいている。今溶接に伴う電極移動
量Δlとすると、溶接部の周囲が拘束されている事実を
考えて熱膨張理論より Δl∝3∫Tdx・・・(3) 但し、は線膨張率の平均値 という関係が得られる。
ここで溶接部の平均温度をとすると(3)式は、 と書き換えられ、第8図に示す関係が得られる。
この関係の比例定数を予め実験等で求めておくと、第9
図に示すような電極の移動量から溶接部の平均温度が同
定できることになる。差分式から推定されるがこの
(4)式から推算される値とほぼ一致すれば、もちろん
推定は正しいことになる。しかし通電初期に限れば、こ
の(4)式から推算したの方が原理的に正しいので、
両者が異なる場合には差分式から推算した温度分布を通
電の初期の段階だけこの(4)式のに一致するように
修正する。このようにすれば界面抵抗の無視できない場
合にも信頼性をもって対応できる高性能な品質保証シス
テムが確立できることになる。
図に示すような電極の移動量から溶接部の平均温度が同
定できることになる。差分式から推定されるがこの
(4)式から推算される値とほぼ一致すれば、もちろん
推定は正しいことになる。しかし通電初期に限れば、こ
の(4)式から推算したの方が原理的に正しいので、
両者が異なる場合には差分式から推算した温度分布を通
電の初期の段階だけこの(4)式のに一致するように
修正する。このようにすれば界面抵抗の無視できない場
合にも信頼性をもって対応できる高性能な品質保証シス
テムが確立できることになる。
なお最初に板のなじみを確保したのはこの電極移動量の
検出によって通電初期のを正しく推定するためであ
る。
検出によって通電初期のを正しく推定するためであ
る。
第10図はこの入熱密度制御機能に加えて、ナゲット径推
定機能を同時に働かせた場合の設定ナゲット径と、この
溶接部の断面試験から求めたナゲット径とを対比した図
である。○印は裸鋼板の場合、△印は亜鉛めっき鋼板の
場合をそれぞれ表している。被溶接材の種類によらず設
定ナゲット径(=通電終了時の推定ナゲット径に等し
い)と断面試験から求めたナゲット径とはよく一致し、
その誤差はほぼ0.5mm程度以内であった。もちろんこの
結果は、ナゲット径のモニタリング部の精度評価として
みても同様に当てはまる。
定機能を同時に働かせた場合の設定ナゲット径と、この
溶接部の断面試験から求めたナゲット径とを対比した図
である。○印は裸鋼板の場合、△印は亜鉛めっき鋼板の
場合をそれぞれ表している。被溶接材の種類によらず設
定ナゲット径(=通電終了時の推定ナゲット径に等し
い)と断面試験から求めたナゲット径とはよく一致し、
その誤差はほぼ0.5mm程度以内であった。もちろんこの
結果は、ナゲット径のモニタリング部の精度評価として
みても同様に当てはまる。
(発明の効果) 以上のようにこの発明の抵抗スポット溶接方法によれ
ば、タガネ試験や断面試験のような溶接部の破壊検査な
しに、しかもリアルタイムにナゲット径を推測できる。
また溶接電流や電極加圧力を指定しなくても必要なナゲ
ット径を指定するだけで適正な溶接条件を自動的に選ん
で目的の溶接部を確保することができるようになる。こ
れは従来に比べて多数のモニタリング量を検出し、これ
らを数値計算シミュレータに代入してナゲット径と通電
径をリアルタイムに同定するシステムとそのアルゴリズ
ムが通電径可変型の一次元熱伝導モデルから開発された
結果実現されたものである。
ば、タガネ試験や断面試験のような溶接部の破壊検査な
しに、しかもリアルタイムにナゲット径を推測できる。
また溶接電流や電極加圧力を指定しなくても必要なナゲ
ット径を指定するだけで適正な溶接条件を自動的に選ん
で目的の溶接部を確保することができるようになる。こ
れは従来に比べて多数のモニタリング量を検出し、これ
らを数値計算シミュレータに代入してナゲット径と通電
径をリアルタイムに同定するシステムとそのアルゴリズ
ムが通電径可変型の一次元熱伝導モデルから開発された
結果実現されたものである。
第1図は本発明による溶接品質保証型抵抗スポット溶接
機の一例の構成図、第2図は本発明の制御部の制御アル
ゴリズムを示す流れ図、第3図は板中での電流通路の広
がりを示す説明図、第4図は実効電流密度推定のための
説明図、第5図は制御に用いる標準入熱密度パターンと
標準通電径増大パターンの代表例、第6図はナゲット成
長パターンの説明図、第7図は上記パターンの採用によ
る効果の説明図、第8図は電極移動量と平均温度との関
係を示す説明図、第9図は電極移動量を経時的に示す説
明図、第10図は本発明方法の効果の一例を示す説明図で
ある。 3……溶接電流検出部、13……チップ間電圧の検出ケー
ブル、14……電極移動量の検出器、15……電極加圧力と
電極移動量、チップ間電圧、溶接電流の信号処理部、16
……通電径とナゲット径、及び入熱密度の推算部、17…
…溶接電流値と電極加圧力の制御信号の作成部。
機の一例の構成図、第2図は本発明の制御部の制御アル
ゴリズムを示す流れ図、第3図は板中での電流通路の広
がりを示す説明図、第4図は実効電流密度推定のための
説明図、第5図は制御に用いる標準入熱密度パターンと
標準通電径増大パターンの代表例、第6図はナゲット成
長パターンの説明図、第7図は上記パターンの採用によ
る効果の説明図、第8図は電極移動量と平均温度との関
係を示す説明図、第9図は電極移動量を経時的に示す説
明図、第10図は本発明方法の効果の一例を示す説明図で
ある。 3……溶接電流検出部、13……チップ間電圧の検出ケー
ブル、14……電極移動量の検出器、15……電極加圧力と
電極移動量、チップ間電圧、溶接電流の信号処理部、16
……通電径とナゲット径、及び入熱密度の推算部、17…
…溶接電流値と電極加圧力の制御信号の作成部。
Claims (1)
- 【請求項1】溶接電流とチップ間電圧を検出し、両検出
値から熱伝導モデルに基づいて母材温度分布を算出する
と共に、この温度分布からナゲット寸法特性値を推算
し、推算結果を当該時点での基準値と比較して上記推算
結果が基準値に近づくように溶接電流と電極加圧力との
少なくともいずれか一方を制御し、また上記推算された
ナゲット特性値が要求特性値に達したときに溶接を終了
すべく構成して成る抵抗スポット溶接方法であって、さ
らに溶接開始後の電極移動量を検出すると共に、この電
極移動量から把握される母材平均温度に基づいて、当該
時点での上記算出された母材温度分布を修正することを
特徴とする抵抗スポット溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2303727A JPH0716791B2 (ja) | 1990-11-08 | 1990-11-08 | 抵抗スポット溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2303727A JPH0716791B2 (ja) | 1990-11-08 | 1990-11-08 | 抵抗スポット溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04178275A JPH04178275A (ja) | 1992-06-25 |
JPH0716791B2 true JPH0716791B2 (ja) | 1995-03-01 |
Family
ID=17924543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2303727A Expired - Fee Related JPH0716791B2 (ja) | 1990-11-08 | 1990-11-08 | 抵抗スポット溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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1990
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