JPH07167258A - 回転伝達機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構造で、主動軸の回転を主動軸の広い
角度範囲で従動軸に伝達する。 【構成】 周方向に磁極Ｓ，Ｎを有する主動磁石５と従
動磁石６（図(c)）とを各々互いに平行な磁力が及び距
離Ｌを隔てた主動側面８と従動側面９上に配置し（図
(b)）、従動磁石６を主動側面８上に投影したとき、投
影した従動磁石６と主動磁石５との軸とが成す角度を９
０゜を除く０〜±１８０゜の角度範囲で主動部１の回転
力を従動部２に伝達する（図(a)）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転伝達機構に関し、
より詳細には主動部の回転軸の回転を任意角度に離隔し
て配設された従動軸に磁力を介して伝達する回転伝達機
構に関する。

【０００２】

【従来の技術】主動軸の回転を負荷側の従動軸に伝達す
る回転伝達機構としては、通常、歯車やプーリやカム等
が使用されている。しかし、これらの回転伝達機構で
は、回転伝達の方向は主動軸と従動軸と軸平行な同一軸
方向であるか、又は直角方向である場合が一般的であ
り、主動軸に対して従動軸を任意な角度に傾斜して、主
動軸の回転力を従動軸に伝達しようとすると、主動軸と
従動軸との間に、特殊な中間回転伝達機を介装させなけ
ればならない。

【０００３】また、容積流量計の回転子の回転をケーシ
ング外部に取付けられた計数部等に伝達する場合は、周
知のように、ケーシングと計数部との間に非磁性金属材
の隔板を液密に配設し、回転子軸の端部に固着された円
柱状の主動磁石と、隔板を介して、主動磁石と対向して
配設され主動磁石を収容するカップ状の従動磁石との磁
力によって、計数部側に同軸に回転伝達している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、歯車や
摩擦力を利用した従来の，歯車やカム等を用いた回転伝
達機構は、主動軸側と従動軸側とを液密にシールする場
合、回転伝達機構は密封されたケーシング内に収納され
入出力軸を液シールするので形状が大きく、しかもシー
ル材の寿命等信頼性に欠けるものであった。

【０００５】また、容積流量計とに用いられている主動
磁石と従動磁石を用いた回転伝達機構は、主動磁石軸と
従動磁石軸とが同一軸をなしている。このために、従動
回転側の計数部の取り付け位置や構造等が制約され容積
流量計等の設計の自由度がなかった。

【０００６】本発明は、主動軸に対し、広い角度範囲で
従動軸側に回転力を伝達する簡易小形な回転伝達機構を
提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、（１）長手方向の範囲で周方向に磁極を
有する柱状の主動磁石と主動軸とを同軸に固着した主動
部と、長手方向の範囲で周方向に磁極を有する柱状の従
動磁石と従動軸とを同軸に固着した従同部とからなり、
従動磁石との前記主動磁石との位置関係を前記主動磁石
の軸を含む主動側平面と、該主動側平面と面平行で前記
従動磁石の軸を含む従動側平面とにおいて、前記主動側
平面上に前記従動磁石を投影したとき、投影した従動磁
石と前記主動磁石とが交叉し、交叉角が９０゜を除く０
〜１８０゜の範囲にあり、前記主動側平面と従動側平面
との距離を前記主動磁石と従動磁石との間に磁力が作用
する範囲内とし、前記主動部の回転を前記従動部に伝達
すること、更には、（２）前記（１）において、前記主
動部及び／又は従動部を非磁性の密封された隔筒内に収
納し、前記主動部の回転力を従動部に伝達することを特
徴とするものである。

【０００８】

【作用】主動軸に同軸に固着され、長さ範囲で周方向に
磁極を有する主動磁石を有する主動部と、従動軸に同軸
に固着され長さ範囲で周方向に磁極を有する従動磁石を
有する従動部とからなり、主動磁石の軸を含む主動側平
面に従動磁石の軸を含み主動磁石面と平行な従動側平面
の従動磁石を投影したとき主動磁石と投影された従動磁
石とが交叉するようにして交叉角が９０゜となる角を除
いた任意角度で主動部の回転を従動側に伝える。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明による回転伝達機構の一実施
例を説明するための図で、図１(a)は平面図、図１(b)は
側面図、図1（ｃ）は主動磁石と従動磁石の極極の配置
の例を示し、図中、１は主動部、２は従動部、３は主動
軸、４は従動軸、５は主動磁石、６は従動磁石、７はベ
アリング、８は主動側平面、９は従動側平面である。

【００１０】本発明による回転伝達機構は、主動部１と
従動部２とからなる。主動部１は、長さ範囲に亘り、周
方向に磁極を有する柱状の主動磁石５を軸Ａ−Ａを軸と
する主動軸３に同軸に固着してベアリング７、７で両端
を軸受した構造を持っており、駆動源（図示せず）によ
り駆動される。

【００１１】従動部２は、長さ範囲に亘り、周方向に磁
極を有する柱状の従動磁石６を軸Ｂ−Ｂを軸とする従動
軸４に同軸に固着してベアリング７、７で両端を軸受し
た構造を持っており、前記主動部１の回転駆動部により
回動されている。

【００１２】主動部１は、軸Ａ−Ａを含む紙面に垂直な
主動側平面８上にあり、従動部２は軸Ｂ−Ｂを含む紙面
に直角で主動側平面８に平行な従動側平面９上にあり、
従動磁石６を主動側平面８上に投影したとき、主動磁石
５と従動磁石６の投影とは軸０−０で交叉し、交叉角θ
を持っている。また、主動側平面８と従動側平面９とは
主動磁石５と従動磁石６との間に磁力が作用し、負荷ト
ルクに打ち勝つための充分な磁力を有する距離Ｌを隔て
ている。

【００１３】磁力は、主動磁石５と従動磁石６との間の
磁束の大きさと、主動磁石５の軸Ａ−Ａと従動磁石６の
軸Ｂ−Ｂとのなす角θの余弦の関数であらわされるので
θ＝９０゜を除く±０〜１８０゜の範囲で回転力が伝達
される。回転の方向は図１（ｃ）に示すように、主動磁
石５と従動磁石６とは反対側±Ｒ方向に回転する。ま
た、主動側１の軸Ａ−Ａを含む主動側平面８は軸Ａ−Ａ
まわりに３６０゜の任意範囲に亘るので、主動側平面８
と平行な従動側平面９も主動側平面８に従って、任意に
定められる。

【００１４】図１（ｃ）において、主動磁石５と従動磁
石６とは周方向にＳ、Ｎ極を有する４極の磁石を図示し
ているが磁極の数は２でも８でもよく、例えば、ニッケ
ル、コバルト系の金属磁石やフェライト磁石でもよい。

【００１５】図２は、本発明による回転伝達機構の、他
の実施例を説明するための斜視図であり、図中１０は隔
筒で、図１と同じ作用をする部分には図１と等しい参照
番号を付している。

【００１６】隔筒１０はステンレ鋼又は樹脂等の非磁性
材からなる筒状体で、従動部２を回転可能に封止して主
動部１との間を隔離したもので、従動軸部２と主動部１
とが異なる媒質内にあるときに利用される。また、隔筒
１０は、主動部１側のみにある場合、或いは主動部１と
従動部２とが各々有している場合でも同様の効果が得ら
れる。

【００１７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、以下の効果がある。 （１）主動軸Ａ−Ａと、従動軸Ｂ−Ｂのなす角θが９０
゜以外の交叉角の場合に回転伝達できるので、略全空間
角範囲で回転伝達が可能となる。 （２）小形で安価な回転伝達機構が得られる。 （３）隔筒を用いることにより、主動部又は従動部、或
いは、主動部及び従動部が共に高圧状態でも任意角度に
回転伝達が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明による回転伝達機構の一実施
例を説明するための図である。

【図２】 図２は、本発明による回転伝達機構の、他の
実施例を説明するための斜視図である。

【符号の説明】

１…主動部、２…従動部、３…主動軸、４…従動軸、５
…主動磁石、６…従動磁石、７…ベアリング、８…主動
側平面、９…従動側平面、１０…隔筒。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向の範囲で周方向に磁極を有する
   柱状の主動磁石と主動軸とを同軸に固着した主動部と、
   長手方向の範囲で周方向に磁極を有する柱状の従動磁石
   と従動軸とを同軸に固着した従動部とからなり、前記主
   動磁石と従動磁石との位置関係を前記主動磁石の軸を含
   む主動側平面と、該主動側平面と面平行で前記従動磁石
   の軸を含む従動側平面とにおいて、前記主動側平面上に
   前記従動磁石を投影したとき、投影した従動磁石と前記
   主動磁石とが交叉し、交叉角が９０゜を除く０〜１８０
   ゜の範囲にあり、前記主動側平面と従動側平面との距離
   を前記主動磁石と従動磁石との間に磁力が作用する範囲
   内とし、前記主動部の回転を前記従動部に伝達すること
   を特徴とする回転伝達機構。
2. 【請求項２】 前記主動部及び／又は従動部を非磁性の
   密封された隔筒内に収納し、前記主動部の回転力を従動
   部に伝達することを特徴とする請求項１記載の回転伝達
   機構。