JPH07167234A - 連続可変変速機の変速制御方法 - Google Patents

連続可変変速機の変速制御方法

Info

Publication number
JPH07167234A
JPH07167234A JP34299993A JP34299993A JPH07167234A JP H07167234 A JPH07167234 A JP H07167234A JP 34299993 A JP34299993 A JP 34299993A JP 34299993 A JP34299993 A JP 34299993A JP H07167234 A JPH07167234 A JP H07167234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine speed
target engine
control
speed
nesprf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP34299993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3095197B2 (ja
Inventor
Yoshinobu Yamashita
佳宣 山下
Hiroaki Yamamoto
博明 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp, Suzuki Motor Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP34299993A priority Critical patent/JP3095197B2/ja
Publication of JPH07167234A publication Critical patent/JPH07167234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3095197B2 publication Critical patent/JP3095197B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、変速制御後にエンジン回転速度の
アンダシュートが発生しても、エンジン回転速度が十分
に高くし、エンジンストールを惹起したり、走行フィー
リングの悪化を招く惧れを回避するとともに、制御用プ
ログラムの変更のみで対処し得ることを目的としてい
る。 【構成】 このため、最終目標エンジン回転速度が予め
設定される所定値以下となった際に、過渡修正時に目標
エンジン回転速度の変化量を制限する過渡修正変化量の
減少方向制御値を小とすべく変速制御している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は連続可変変速機の変速
制御方法に係り、特に最終目標エンジン回転速度が所定
値以下となった際に適正な変速制御を果たし得る連続可
変変速機の変速制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両において、内燃機関と駆動車輪間に
変速機を介在している。この変速機は、広範囲に変化す
る車両の走行条件に合致させて駆動車輪の駆動力と走行
速度とを変更し、内燃機関の性能を充分に発揮させてい
る。変速機には、例えば回転軸に固定された固定プーリ
部片とこの固定プーリ部片に接離可能に回転軸に装着さ
れた可動プーリ部片とを有するプーリの両プーリ部片間
に形成される溝幅を油圧により増減することによりプー
リに巻掛けられたベルトの回転半径を減増させ動力を伝
達し、ベルトレシオ(変速比)を変える連続可変変速機
がある。
【0003】また、連続可変変速機には、油圧により動
力を断続する油圧クラッチを有するものがある。この油
圧クラッチは、エンジン回転数や気化器絞り弁開度等の
信号に基づいて各種の制御モードで制御されている。
【0004】前記連続可変変速機としては、例えば過渡
修正を加えて最終目標エンジン回転速度を求め、この最
終目標エンジン回転速度に一致させるように実際のエン
ジン回転速度をレートリミット制御するものがあるとと
もに、スロットル開度急増時やシフト操作時に通常の制
御値よりも大なる値によってレートリミット制御を行う
ものもある。
【0005】また、特公平4−28947号公報に開示
されるものがある。この特公平4−28947号公報に
開示されるものは、予め定められた関係から実際の加速
操作量に基づいて制御目標値を決定し、機関回転速度あ
るいは変速比を制御目標値に追従するように制御する制
御方法であって、車両の加速操作部材が急速に操作され
る過渡時においては、制御目標値よりも緩やかに変化し
且つ少なくとも車両の加速ペダルの操作速度に関連して
変化する過渡時制御目標値を、制御目標値に替えて設定
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の連続
可変変速機の変速制御方法においては、図20に示す如
く、スロットル開度(THR)を急閉して場合やシフト
位置をロー(L位置)からドライブ(D位置)に切換操
作した場合に、定常状態の目標エンジン回転速度(NE
SPR)は急激に減少する。
【0007】この定常状態の目標エンジン回転速度(N
ESPR)の変化を受け、過渡修正後の最終目標エンジ
ン回転速度(NESPRF)も速く減少するものであ
る。
【0008】また、エンジン回転速度(NE)は、最終
目標エンジン回転速度(NESPRF)に一致するよう
に制御されるため、エンジン回転速度(NE)も急激に
減少する。
【0009】一般に、エンジン回転速度(NE)を最終
目標エンジン回転速度(NESPRF)に一致させるた
めには、比例積分微分(PID)制御が用いられてい
る。
【0010】しかし、最終目標エンジン回転速度(NE
SPRF)の変化傾向が急変した場合には、積分制御へ
の依存度合が高いほど追従性が悪化する。これは、積分
量の蓄積によって応答遅れが生ずるためである。
【0011】この結果、図14の記号Aに示す如く、エ
ンジン回転速度(NE)のアンダシュートが発生する惧
れがあり、エンジンストールを惹起したり、走行フィー
リングの悪化を招き、実用上不利であるという不都合が
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、固定プーリ部片とこの固定
プーリ部片に接離可能に装着された可動プーリ部片との
両プーリ部片間の溝幅を油圧により増減して前記両プー
リに巻掛けられるベルトの回転半径を減増させ、実際の
エンジン回転速度をスロットル開度と車速との変速スケ
ジュールマップで得た定常状態の目標エンジン回転速度
にこの目標エンジン回転速度の変化量を制限する過渡修
正を加えた後の最終目標エンジン回転速度に一致させる
べく変速制御する連続可変変速機の変速制御方法におい
て、前記最終目標エンジン回転速度が予め設定される所
定値以下となった際には過渡修正時に目標エンジン回転
速度の変化量を制限する過渡修正変化量の減少方向制御
値を小とすべく変速制御することを特徴とする。
【0013】
【作用】上述の如く発明したことにより、最終目標エン
ジン回転速度が予め設定される所定値以下となった際に
は、過渡修正時に目標エンジン回転速度の変化量を制限
する過渡修正変化量の減少方向制御値を小とし、不必要
なエンジン回転速度の低下を防止すべく変速制御してい
る。
【0014】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。
【0015】図1〜図19はこの発明の実施例を示すも
のである。図2において、2は連続可変変速機、4はベ
ルト、6は駆動側プーリ、8は駆動側固定プーリ部片、
10は駆動側可動プーリ部片、12は被駆動側プーリ、
14は被駆動側固定プーリ部片、16は被駆動側可動プ
ーリ部片である。前記駆動側プーリ6は、図2に示す如
く、原動機で回転される回転軸18に固定する駆動側固
定プーリ部片8と、回転軸18の軸方向に移動可能且つ
回転不可能に前記回転軸18に装着した駆動側可動プー
リ部片10とを有する。また、前記被駆動側プーリ12
は、前記駆動側プーリ6と同様な構成で、被駆動側固定
プーリ部片14と被駆動側可動プーリ部片16とを有す
る。
【0016】前記駆動側可動プーリ部片10と被駆動側
可動プーリ部片16とには第1、第2ハウジング20、
22が夫々装着され、これにより第1、第2油圧室2
4、26が夫々形成される。被駆動側の第2油圧室26
内には、被駆動側可動プーリ部片16を被駆動側固定プ
ーリ部片14に接近すべく付勢する押圧スプリング28
を設ける。
【0017】前記回転軸18の端部には、オイルポンプ
30が設けられている。このオイルポンプ30は、オイ
ルパン32のオイルを、オイルフィルタ34を経て、油
圧回路36を構成する第1、第2オイル通路38、40
によって前記第1、第2油圧室24、26に送給するも
のである。第1オイル通路38途中には、入力軸シーブ
圧たるプライマリ圧を制御すべく圧力制御手段42を構
成する変速制御弁たるプライマリ圧制御弁44が介設さ
れる。また、プライマリ圧制御弁44よりもオイルポン
プ30側の第1オイル通路38に連通した第3オイル通
路46には、ライン圧(一般に5〜25〓/〓2 )を一
定圧(例えば3〜4〓/〓2 )に制御する定圧制御弁4
8が設けられる。更に、プライマリ圧制御弁44には、
第4オイル通路50を介してプライマリ圧力制御用第1
三方電磁弁52を連設される。
【0018】また、前記第2オイル通路40途中には、
ポンプ圧たるライン圧を制御する逃し弁機能を有するラ
イン圧制御弁54が第5オイル通路56を介して連設さ
れる。ライン圧制御弁54は、第6オイル通路58を介
してライン圧力制御用第2三方電磁弁60に連設され
る。
【0019】更に、前記ライン圧制御弁54の連通する
部位よりも第2油圧室26側の第2オイル通路40途中
には、クラッチ圧を制御するクラッチ圧制御弁62が前
記第5オイル通路56の分岐する他端を利用して設けら
れている。このクラッチ圧制御弁62には、第8オイル
通路66を介してクラッチ圧制御用第3三方電磁弁68
を連通する。
【0020】また、前記プライマリ圧制御弁44及びプ
ライマリ圧制御用第1電磁弁52、定圧制御弁48、ラ
イン圧制御弁54、ライン圧制御用第2三方電磁弁6
0、クラッチ圧制御弁62、そしてクラッチ圧制御用第
3三方電磁弁68は、第9オイル通路70によって夫々
連通している。
【0021】前記クラッチ圧制御弁62は、第7オイル
通路64に連通した第10オイル通路72を介して油圧
クラッチ74に連絡している。この第10オイル通路7
2途中には、第11オイル通路76を介して圧力変換器
78を連絡している。この圧力変換器78は、ホールド
およびスタートモード等のクラッチ圧力を制御する際に
直接油圧を検出することができ、この検出油圧を目標ク
ラッチ圧力とすべく指令する機能を有し、また、ドライ
ブモード時にはクラッチ圧力がライン圧と略等しくなる
ので、ライン圧制御にも寄与するものである。
【0022】前記油圧クラッチ74は、ピストン80、
円環状スプリング82、第1圧力プレート84、フリク
ションプレート86、第2圧力プレート88等から構成
されている。
【0023】また、車両の図示しない気化器のスロット
ル開度やエンジン回転等の種々条件を入力しデューティ
率を変化させ変速制御を行う電子コントロールユニット
たる制御手段(ECU)90を設け、この制御手段90
によって前記プライマリ圧制御用第1三方電磁弁52、
ライン圧制御用第2三方電磁弁60、そしてクラッチ圧
制御用第3三方電磁弁68の開閉動作を制御させるとと
もに、前記圧力変換器78をも制御させるべく構成され
ている。また、前記制御手段90に入力される各種信号
と入力信号の機能について詳述すれば、 、シフトレバー位置の検出信号……P、R、N、D、
L等の各レンジ信号により各レンジに要求されるライン
圧力やベルトレシオ、クラッチの制御 、キャブレタスロットル開度の検出信号……予めプロ
グラム内にインプットしたメモリからエンジントルクを
検知し、目標ベルトレシオあるいは目標エンジン回転数
の決定 、キャブレタアイドル位置の検出信号……キャブレタ
スロットル開度センサの補正と制御における精度の向上 、アクセルペダル信号……アクセルペダルの踏込み状
態によって運転者の意志を検知し、走行時あるいは発進
時の制御方向を決定 、ブレーキ信号……ブレーキペダルの踏込み動作の有
無を検知し、クラッチの切り離し等制御方法を決定 、パワーモードオプション信号……車両の性能をスポ
ーツ性(あるいはエコノミー性)とするためのオプショ
ンとして使用 等がある。
【0024】前記制御手段90は、最終目標エンジン回
転速度が予め設定される所定値以下となった際には過渡
修正時に目標エンジン回転速度の変化量を制限する過渡
修正変化量の減少方向制御値を小とすべく変速制御する
ものである。
【0025】前記制御手段90は、図3の如き構成を有
し、最終目標エンジン回転数(NESPRF)を得るも
のである。
【0026】図3に示す如く、スロットル開度(TH
R)及び車速(NCO)の値、そしてシフト操作を基
に、定常状態の目標エンジン回転速度(NESPR)が
設定される(201)。
【0027】設定された目標エンジン回転速度(NES
PR)は、運転操作と車両の走行状態とによって過渡修
正が行われ(202)、過渡修正を施した最終目標エン
ジン回転速度(NESPRF)となる。
【0028】そして、実際のエンジン回転速度(NE)
が過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度(NES
PRF)に一致すべく変速比を調整し、エンジン回転制
御、つまり変速制御を行うものである。
【0029】すなわち、最終目標エンジン回転速度(N
ESPRF)は、積分値によるPI制御(203)やベ
ルトスリップ防止処理(204)を施された後に、レシ
オソレノイドデューティUrの中立値Unに基づいて変
速比となるレシオソレノイドデューティUrを調整して
いる。
【0030】前記目標エンジン回転速度(NESPR)
の設定を行う際に、スロットル開度(THR)を因子と
するマップ(RACRVT)(図4参照)からスロット
ル開度(THR)に対するエンジン回転速度(NESP
RT)を求めるとともに、車速(NCO)を因子とする
マップ(RACRVH、RACRVL)(図5参照)か
らスロットル開度(THR)に対するエンジン回転速度
(NESPRT)の上限値(NESPRH)と下限値
(NESPRL)とを求め、スロットル開度(THR)
に対するエンジン回転速度(NESPRT)と上限値
(NESPRH)、下限値(NESPRL)とによって
制限することで目標エンジン回転速度(NESPR)の
設定が行われる。
【0031】また、スロットル開度(THR)を因子と
するマップ(RACRVT)や車速(NCO)を因子と
するマップ(RACRVH、RACRVL)は、シフト
位置毎に夫々設けられており、同じスロットル開度(T
HR)や車速(NCO)であっても、シフト位置が異な
る場合には、当然に目標エンジン回転速度(NESP
R)の値が異なるものである。
【0032】更に、目標エンジン回転速度(NESP
R)の過渡修正は、図7に示す如く、目標エンジン回転
速度(NESPR)にフィルタ処理(301)を施し、
処理値をNESPFとするとともに、単位時間当りの最
終目標エンジン回転速度(NESPRF)の変化量を制
限値、つまり単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の増加方向制限値である上限
値(RATUP)と減少方向制限値である下限値(RA
TLO)とにて制限するレートリミット制御(302)
とにより行う。
【0033】このレートリミット制御(302)におい
て、運転操作と車両の走行状態とによって設定される単
位時間当りの最終目標エンジン回転速度(NESPR
F)の変化量の下限値(RATLO)(303)及び上
限値(RATUP)(304)は、図7から明らかな如
く、前回の最終目標エンジン回転速度(NESPR
F)、つまりNESPRNを勘案して設定される(図8
参照)。このレートリミット制御の減少方向制限値(R
ATLO)の設定は、エンジン回転速度(NE)が所定
値(NETRL)よりも低い場合に、一般のレートリミ
ット制御値(RATLON)とシフトトランジェント制
御値(RATLOS)との大きさに関係なく、最小RA
TLO(MINRL)をRATLOとする。
【0034】また、運転操作によってスロットル開度
(THR)を急増した場合やシフト操作を行う場合に
は、通常の制限値よりも大なる制限値でレートリミット
制御(トランジェント制御)している。
【0035】そして、前記制御手段90には、上述の通
常制御に加えて、式 |NESPR−NESPRF| から、つまり定常状態の目標エンジン回転速度(NES
PR)と最終目標エンジン回転速度(NESPRF)と
差(絶対値)(ERRN)と、式 NESPRU−NESPRF から、つまりスロットルトランジェント制御時のエンジ
ン回転速度トリガ(NESPRU)と最終目標エンジン
回転速度(NESPRF)と差(ERRT)を求め、こ
れらの差(ERRN、EERT)によって単位時間当り
の最終目標エンジン回転速度(NESPRF)の変化量
の上限値(RATUP)と下限値(RATLO)とを設
定し、これらの差(ERRN、EERT)に応じて単位
時間当りの最終目標エンジン回転速度(NESPRF)
の変化量の上限値(RATUP)と下限値(RATL
O)とを夫々変化させエンジン回転速度(NE)の定常
状態の目標エンジン回転速度(NESPR)に対する追
従性を向上すべく制御する機能が付加されている。
【0036】そして、単位時間当りの最終目標エンジン
回転速度(NESPRF)の変化量の上限値(RATU
P)と下限値(RATLO)との設定は、図15〜図1
7に示す如く、レートリミットマップによって行われ
る。
【0037】また、図2に示す如く、前記第1ハウジン
グ20外側に入力軸回転検出歯車102が設けられ、こ
の入力軸回転検出歯車102の外周部位近傍には入力軸
側の第1回転検出器104が設けられる。また、前記第
2ハウジング22外側に出力軸回転検出歯車106が設
けられ、この出力軸回転検出歯車106の外周部位近傍
に出力軸側の第2回転検出器108が設けられる。前記
第1回転検出器104と第2回転検出器108との検出
信号は、前記制御手段90に出力され、エンジン回転数
とベルトレシオとを把握するために利用される。
【0038】前記油圧クラッチ74に出力伝達用歯車1
10が設けられ、この出力伝達用歯車110外周部位近
傍には最終出力軸の回転を検出する第3回転検出器11
2が設けられる。つまり、この第3回転検出器112
は、減速歯車および差動機、駆動軸、タイヤに直結する
最終出力軸の回転を検出するものであり、車速の検出を
可能とするものである。また、前記第2回転検出器10
8と第3回転検出器112とにより、油圧クラッチ74
の入力軸と出力軸との回転検出が可能であり、クラッチ
スリップ量の検出を果し得るものである。
【0039】次に、この実施例の作用について説明す
る。
【0040】前記連続可変変速機2は、図2に示す如
く、回転軸18上に位置するオイルポンプ30が回転軸
18の回転に応じて作動し、そして、オイルパン32の
オイルは、オイルフィルタ34を介して吸入される。ポ
ンプ圧力であるライン圧力はライン圧制御弁54で制御
され、このライン圧制御弁54からの洩れ量、つまりラ
イン圧制御弁54の逃がし量が大であればライン圧力は
低くなり、反対に少なければライン圧力は高くなる。
【0041】前記ライン圧制御弁54の動作は専用の第
2三方電磁弁60により制御され、この第2三方電磁弁
60の動作に追従して前記ライン圧制御弁54が動作す
る。第2三方電磁弁60は、一定周波数のデューティ率
で制御される。即ち、デューティ率0%とは第2三方電
磁弁60が全く動作しない状態であり、出力側が大気側
に導通し出力油圧は零となる。また、デューティ率10
0%とは、第2三方電磁弁60が動作して出力側が入力
側に導通し、制御圧力と同一の最大出力油圧となる。つ
まり、第2三方電磁弁60へのデューティ率の変化によ
り、出力油圧を変化させている。従って、前記第2三方
電磁弁60の特性は、前記ライン圧制御弁54をアナロ
グ的に動作させることが可能となり、第2三方電磁弁6
0のデューティ率を任意に変化させてライン圧を制御す
ることができる。また、この第2三方電磁弁60の動作
は前記制御手段90によって制御されている。
【0042】変速制御用のプライマリ圧はプライマリ圧
制御弁44によって制御され、このプライマリ圧制御弁
44も前記ライン圧制御弁54と同様に、専用の第1三
方電磁弁52によって動作が制御されている。この第1
三方電磁弁52は、プライマリ圧を前記ライン圧に導
通、あるいはプライマリ圧を大気側に導通させるために
使用され、ライン圧に導通させてベルトレシオをフルオ
ーバドライバ側に移行、あるいは大気側に導通させてフ
ルロー側に移行させるものである。
【0043】クラッチ圧を制御するクラッチ圧制御弁6
2は、最大クラッチ圧を必要とする際にライン圧側と導
通させ、また最低クラッチ圧とする際には大気側と導通
させるものである。このクラッチ圧制御弁62も前記ラ
イン圧制御弁54やプライマリ圧制御弁44と同様に、
専用の第3三方電磁弁68によって動作が制御されてい
るので、ここでは説明を省略する。クラッチ圧は最低の
大気圧(ゼロ)から最大のライン圧までの範囲内で変化
するものである。
【0044】クラッチ圧の制御には、例えば、5つのパ
ターンがある。 (1)、ニュートラルモード……シフト位置がNまたは
Pで油圧クラッチを完全に切り離す場合、クラッチ圧は
最低圧(ゼロ) (2)、ホールドモード……シフト位置がDまたはRで
スロットルを離して走行意志の無い場合、あるいは走行
中に減速しエンジントルクを切りたい場合、クラッチ圧
はクラッチが接触する程度の低いレベル (3)、ノーマルスタートモード……発進時あるいはク
ラッチ切れの後に再びクラッチを結合しようとする場
合、クラッチ圧をエンジンの吹き上がりを防止するとと
もに車両をスムースに動作できるエンジン発生トルク
(クラッチインプットトルク)に応じた適切なレベル (4)、スペシャルスタートモード……(イ)、車速が
8〓/H以上でシフトレバーをD→N→Dと繰り返して
使用した状態、あるいは、(ロ)、減速運転時に8〓/
H<車速<15〓/Hでブレーキ状態を解除した状態、 (5)、ドライブモード……完全な走行状態に移行しク
ラッチが完全に結合した場合、クラッチ圧はエンジント
ルクに充分に耐えるだけの余裕のある高いレベル の5つがある。
【0045】このパターンの(1)はシフト操作と連動
する専用の図示しない切換バルブで行われ、他の
(2)、(3)、(4)、(5)は制御手段90による
第1、第2、第3三方電磁弁52、60、68のデュー
ティ率制御によって行われている。特に(5)の状態お
いては、クラッチ圧制御弁62によって第7オイル通路
64と第10オイル通路72とを連通させ、最大圧発生
状態とし、クラッチ圧はライン圧と同一となる。
【0046】また、前記プライマリ圧制御弁44やライ
ン圧制御弁54、そしてクラッチ圧制御弁62は、第
1、第2、第3三方電磁弁52、60、68からの出力
油圧によって夫々制御されているが、これら第1、第
2、第3三方電磁弁52、60、68を制御するコント
ロール油圧は定圧制御弁48で調整される一定油圧であ
る。このコントロール油圧はライン圧より常に低い圧力
であるが、安定した一定の圧力である。また、コントロ
ール油圧は各制御弁44、54、62にも導入され、こ
れら制御弁44、54、62の安定化を図っている。
【0047】次に、連続可変変速機2の電子制御につい
て説明する。
【0048】連続可変変速機2は油圧制御されていると
ともに、制御手段90からの指令により、ベルト保持と
トルク伝達のための適切なライン圧や、変速比(ベルト
レシオ)の変更のためのプライマリ圧、及び油圧クラッ
チ74を確実に結合させるためのクラッチ圧が夫々確保
されている。
【0049】図1について説明すると、スロットル開度
(THR)が急閉した場合には、スロットル開度(TH
R)の急閉に伴って定常状態の目標エンジン回転速度
(NESPR)と最終目標エンジン回転速度(NESP
RF)とは共に速く減少するが、NESPRF≦NET
RLとなると、RATLO=MINRLとなるため、最
終目標エンジン回転速度(NESPRF)の減少がなだ
らかとなる。
【0050】このため、エンジン回転速度(NE)の減
少状態は、先ず最初に速く減少するが、最終目標エンジ
ン回転速度(NESPRF)がRATLO用エンジン回
転速度トリガ(NETRL)以下となると、なだらかに
減少するものである。
【0051】このとき、最終目標エンジン回転速度(N
ESPRF)の変化傾向が急変するため、図1のBで示
す如きエンジン回転速度(NE)のアンダシュートが発
生する場合があるが、このときのエンジン回転速度(N
E)は十分に高い値となっており、エンジンストールの
発生や走行フィーリングの悪化を招く不具合はない。
【0052】次いで、図6の定常状態の目標エンジン回
転速度の設定用フローチャートに沿って説明する。
【0053】設定用プログラムが開始(401)する
と、スロットル開度(THR)に対するエンジン回転速
度(NESPRT)を求めるとともに、スロットル開度
(THR)に対するエンジン回転速度(NESPRT)
の上限値(NESPRH)及び下限値(NESPRL)
を求め(402)、スロットル開度(THR)に対する
エンジン回転速度(NESPRT)とスロットル開度
(THR)に対するエンジン回転速度(NESPRT)
の上限値(NESPRH)とを比較判断(403)す
る。
【0054】この比較判断(403)において、NES
PRT<NESPRHの場合には、スロットル開度(T
HR)に対するエンジン回転速度(NESPRT)とス
ロットル開度(THR)に対するエンジン回転速度(N
ESPRT)の下限値(NESPRL)との比較判断
(404)に移行させ、NESPRT≧NESPRHの
場合には、スロットル(THR)に対するエンジン回転
速度(NESPRH)を定常状態の目標エンジン回転速
度(NESPR)とし(405)、終了(408)へ移
行させる。
【0055】また、上述の比較判断(404)におい
て、NESPRT>NESPRLの場合には、スロット
ル開度(THR)に対するエンジン回転速度(NESP
RT)を定常状態の目標エンジン回転速度(NESP
R)とし(406)、終了(408)へ移行させ、NE
SPRT≦NESPRLの場合には、スロットル開度
(THR)に対するエンジン回転速度(NESPRT)
の下限値(NESPRL)を定常状態の目標エンジン回
転速度(NESPR)とし(407)、終了(408)
へ移行させる。
【0056】図9の目標エンジン回転速度の過渡修正用
フローチャートに沿って説明する。
【0057】定常状態の目標エンジン回転速度(NES
PR)の過渡修正用プログラムが開始(501)する
と、定常状態の目標エンジン回転速度(NESPR)を
フィルタ処理し、NESPFとする(502)。
【0058】そして、単位時間当りの最終目標エンジン
回転速度(NESPRF)の変化量の増加方向制限値で
ある上限値(RATUP)と減少方向制限値である下限
値(RATLO)との設定を行う(503)。
【0059】この設定処理(503)は、図10に示す
如く、上限値(RATUP)設定用フローチャートが開
始(601)すると、式 |NESPR−NESPRF| から、つまり定常状態の目標エンジン回転速度(NES
PR)と最終目標エンジン回転速度(NESPRF)と
差(絶対値)(ERRN)を求め(602)、一般の上
限値(RATUP)であるRATUPNマップ、つまり
図16のRUCRVN(ERRN)から一般上限値(R
ATUPN)を求める(603)。
【0060】次に、走行モードがLOWであるか否かの
判断(604)を行い、この判断(604)がNOの場
合には、走行モードがPOWERであるか否かの判断
(605)に移行させ、判断(604)がYESの場合
には、LOW時のRACRVUであるRACRVUL
(THR)をスロットルトランジェント制御時のエンジ
ン回転速度トリガ(NESPRU)とする(606)。
【0061】また、走行モードがPOWERであるか否
かの判断(605)がNOの場合には、ECONIMY
時のRACRVUであるRACRVUE(THR)をス
ロットルトランジェント制御時のエンジン回転速度トリ
ガ(NESPRU)とし(607)、判断(605)が
YESの場合には、POWER時のRACRVUである
RACRVUP(THR)をスロットルトランジェント
制御時のエンジン回転速度トリガ(NESPRU)とす
る(608)。
【0062】そして、過渡修正を施した最終目標エンジ
ン回転速度(NESPRF)とスロットルトランジェン
ト制御時のエンジン回転速度トリガ(NESPRU)と
を比較判断(609)し、NESPRF<NESPRU
の場合には、式 NESPRU−NESPRF にて差(ERRT)を算出し(610)、RATUPT
マップであるRUCRVT(ERRT)からスロットル
トランジェント制御時の上限値(RATUP)であるR
ATUPTを求め(611)、シフトトランジェント制
御の設定(612)に移行させる。
【0063】また、比較判断(609)において、NE
SPRF≧NESPRUの場合には、0(ゼロ)をRA
TUPTとし(613)、シフトトランジェント制御の
設定(612)に移行させる。
【0064】次に、シフトトランジェント制御時の上限
値(RATUP)であるRATUPS用フラグ(RAT
FLGU)がセット(SET)あるいはクリア(CLE
AR)のいずれであるかの判断(614)を行い、判断
(614)において、RATUPS用フラグ(RATF
LGU)がセット(SET)されている場合には、RA
TUPS用タイマ(TIMESU)から1を減じた値を
RATUPS用タイマ(TIMESU)とし(61
5)、判断(614)において、RATUPS用フラグ
(RATFLGU)がクリア(CLEAR)されている
場合には、0(ゼロ)をRATUPSとするとともに、
0(ゼロ)をRATUPS用タイマ(TIMESU)と
し、そしてRATUPS用フラグ(RATFLGU)を
クリア(CLEAR)する(616)。
【0065】RATUPS用タイマ(TIMESU)か
ら1を減じた値をRATUPS用タイマ(TIMES
U)とする処理(615)の後に、RATUPS用タイ
マ(TIMESU)と0(ゼロ)とを比較判断(61
7)し、TIMESU>0の場合には、RUCRVS
(ERRN)をRATUPSとし(618)、TIME
SU≦0の場合には、上述の処理(616)に移行させ
る。
【0066】また、RUCRVS(ERRN)をRAT
UPSとする処理(618)の後に、通常状態の目標エ
ンジン回転速度(NESPR)と最終目標エンジン回転
速度(NESPRF)+RATUPSとを比較判断(6
19)し、NESPR>NESPRF+RATUPSの
場合には、MAX(RATUPN、RATUPS、RA
TUPT)中の最大のものをRATUPとして選択し
(620)、設定用プログラムを終了(621)させ
る。
【0067】更に、NESPR≦NESPRF+RAT
UPSの場合には、上述の処理(616)に移行させ
る。この処理(616)が終了すると、MAX(RAT
UPN、RATUPS、RATUPT)中の最大のもの
をRATUPとする処理(620)を経て、設定用プロ
グラムの終了(621)に移行される。
【0068】更にまた、図11に示す如く、下限値(R
ATLO)設定用フローチャートが開始(701)する
と、最終目標エンジン回転速度(NESPRF)とRA
TLO用エンジン回転速度トリガ(NETRL)との比
較判断(702)を行い、NESPRF>NETRLの
場合には、式 |NESPR−NESPRF| から、つまり定常状態の目標エンジン回転速度(NES
PR)と最終目標エンジン回転速度(NESPRF)と
差(絶対値)(ERRN)を求め(703)、NESP
RF≦NETRLの場合には最小RATLOであるMI
NRLをRATLOとし(704)、設定用プログラム
の終了(714)に移行させる。
【0069】そして、差(絶対値)(ERRN)の算出
処理(703)の後に、RATLOSマップであるRL
CRVN(ERRN)を一般のRATLOであるRAT
LONとし(705)、シフトトランジェント制御の設
定(706)に移行させる。
【0070】次に、RATLOS用フラグ(RATFL
GL)がセット(SET)あるいはクリア(CLEA
R)のいずれであるかの判断(707)を行い、判断
(707)において、RATLOS用フラグ(RATF
LGL)がセット(SET)されている場合には、RA
TLOS用タイマ(TIMESL)から1を減じた値を
RATLOS用タイマ(TIMESL)とし(70
8)、判断(707)において、RATLOS用フラグ
(RATFLGL)がクリア(CLEAR)されている
場合には、0(ゼロ)をシフトトランジェント制御時の
RATLOであるRATLOSとするとともに、0(ゼ
ロ)をRATLOS用タイマ(TIMESL)とし、そ
してRATLOS用フラグ(RATFLGL)をクリア
(CLEAR)する(709)。
【0071】RATLOS用タイマ(TIMESL)か
ら1を減じた値をRATLOS用タイマ(TIMES
L)とする処理(708)の後に、RATLOS用タイ
マ(TIMESL)と0(ゼロ)とを比較判断(71
0)し、TIMESL>0の場合には、RUCRVS
(ERRN)をRATLOSとし(711)、TIME
SL≦0の場合には、上述の処理(709)に移行させ
る。
【0072】また、RUCRVS(ERRN)をRAT
LOSとする処理(711)の後に、通常状態の目標エ
ンジン回転速度(NESPR)と最終目標エンジン回転
速度(NESPRF)−RATLOSとを比較判断(7
12)し、NESPR<NESPRF−RATLOSの
場合には、MAX(RATLON、RATLOS)の中
から最大のものをRATLOとして選択し(713)、
設定用プログラムを終了(714)させる。
【0073】更に、NESPR≧NESPRF−RAT
LOSの場合には、上述の処理(709)に移行させ
る。この処理(709)が終了すると、MAX(RAT
LON、RATLOS)のかなから最大のものをRAT
LOとする処理(713)を経て、設定用プログラムの
終了(714)に移行される。
【0074】そして、単位時間当りの最終目標エンジン
回転速度(NESPRF)の変化量の上限値(RATU
P)と下限値(RATLO)との設定(503)の後に
は、フィルタ処理後の定常状態の目標エンジン回転速度
(NESPF)と前回の最終目標エンジン回転速度(N
ESPRN)とを比較判断(504)する。
【0075】そして、比較判断(504)においてNE
SPR<NESPRNの場合には、前回の最終目標エン
ジン回転速度(NESPRN)からフィルタ処理後の定
常状態の目標エンジン回転速度(NESPF)を引いた
値と単位時間当りの最終目標エンジン回転速度(NES
PRF)の変化量の下限値(RATLO)との比較判断
(505)に移行させる。
【0076】また、比較判断(504)においてNES
PR≧NESPRNの場合には、フィルタ処理後の定常
状態の目標エンジン回転速度(NESPF)から前回の
最終目標エンジン回転速度(NESPRN)を引いた値
と単位時間当りの最終目標エンジン回転速度(NESP
RF)の変化量の上限値(RATUP)との比較判断
(506)に移行させる。
【0077】上述の比較判断(505)において、NE
SPRN−NESPF>RATLOの場合には、NES
PRN−RATLOの値を最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)とする(507)とともに、NESP
RN−NESPF≦RATLOの場合には、フィルタ処
理後の定常状態の目標エンジン回転速度(NESPF)
を最終目標エンジン回転速度(NESPRF)とする
(508)。
【0078】また、上述の比較判断(506)におい
て、NESPF−NESPRN≦RATUPの場合に
は、フィルタ処理後の定常状態の目標エンジン回転速度
(NESPF)を最終目標エンジン回転速度(NESP
RF)とする処理(508)に移行させ、NESPF−
NESPRN>RATUPの場合には、前回の最終目標
エンジン回転速度(NESPRN)に単位時間当りの最
終目標エンジン回転速度(NESPRF)の変化量の上
限値(RATUP)を加えた値を最終目標エンジン回転
速度(NESPRF)とする(509)。
【0079】そして、各処理(507)、(508)、
(509)の最終目標エンジン回転速度(NESPR
F)を前回の最終目標エンジン回転速度(NESPR
N)とし(510)、終了(511)させる。
【0080】ここで、参考としてシフトトランジェント
制御の設定用フローチャートを図13に沿って説明す
る。
【0081】シフトトランジェント制御の設定用フロー
チャートが開始(801)すると、図12に示す如き設
定用マップに移行(802)する。
【0082】そして、図14に示す如き設定用マップに
おいて、設定が前回の目標エンジン回転速度である前回
値Z-1であるか否かの判断(803)を行い、この判断
(803)がNOの場合には、図14に示す如き設定用
マップにおいて設定がLOであるか否かの判断(80
4)を行う。
【0083】また、判断(803)がYESの場合に
は、シフトトランジェント制御の設定用フローチャート
を終了(807)させる。
【0084】上述の判断(804)がNOの場合には、
RATUPS用フラグ(RATFLGU)をセット(S
ET)し、TIMESUIをTIMESUとし(80
5)、シフトトランジェント制御の設定用フローチャー
トを終了(807)させ、判断(804)がYESの場
合には、RATLOS用フラグ(RATFLGL)をセ
ット(SET)し、TIMESUIをTIMESLとし
(806)、シフトトランジェント制御の設定用フロー
チャートを終了(807)させるものである。
【0085】なお、図12において使用される記号を以
下に説明する。 D :シフト位置がドライブ L :シフト位置がロー ECONOMY :走行モードがエコノミー POWER :走行モードがパワー LOW :走行モードがロー RACRVTE :ECONOMY時のRACRVT RACRVTP :POWER時のRACRVT RACRVTL :LOW時のRACRVT RACRVHE :ECONOMY時のRACRVH RACRVHP :POWER時のRACRVH RACRVHL :LOW時のRACRVH RACRVLE :ECONOMY時のRACRVL RACRVLEI:アイドルスイッチON時のRACR
VLI RACRVLP :POWER時のRACRVL RACRVLL :LOW時のRACRVL
【0086】これにより、図1の記号Bに示す如く、エ
ンジン回転速度(NE)のアンダシュートが発生して
も、このときのエンジン回転速度が十分に高いために、
エンジンストールを惹起したり、走行フィーリングの悪
化を招く惧れが全くなく、実用上有利である。
【0087】また、前記制御手段90の制御用プログラ
ムの変更のみで対処し得ることにより、付加部品を必要
とせず、構成を簡略に維持し得て、経済的に及び実用上
有利である。
【0088】なお、この発明は上述実施例に限定される
ものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0089】例えば、この発明の実施例においては、エ
ンジン回転速度が所定値以下となった場合に制御を開始
する設定としたが、図18に示す如く、最小減少方向制
御値を最終目標エンジン回転速度を因子とする関係より
設定したり、図19に示す如く、最小減少方向制御値を
エンジン回転速度を因子とする関係より設定することも
可能である。
【0090】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、最終目標エンジン回転速度が予め設定される所定値
以下となった際に、過渡修正時に目標エンジン回転速度
の変化量を制限する過渡修正変化量の減少方向制御値を
小とすべく変速制御していることにより、変速制御後に
エンジン回転速度のアンダシュートが発生しても、エン
ジン回転速度が十分に高いために、エンジンストールを
惹起したり、走行フィーリングの悪化を招く惧れがな
く、実用上有利である。また、制御用プログラムの変更
のみで対処し得ることにより、付加部品を必要とせず、
構成を簡略に維持し得て、経済的に及び実用上有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続可変変速機の変速制御のタイムチャートを
示し、(a)はスロットル開度(THR)のタイムチャ
ート、(b)はエンジン回転速度(NE)のタイムチャ
ート、(c)はERRN=|NESPR−NESPRF
|のタイムチャート、(d)は単位時間当りの最終目標
エンジン回転速度(NESPRF)の変化量の減少方向
制限値(RATLO)のタイムチャートである。
【図2】連続可変変速機及び油圧回路の概略構成図であ
る。
【図3】変速制御ループのブロック図である。
【図4】スロットル開度(THR)とスロットル開度
(THR)による定常状態の目標エンジン回転速度(N
ESPR)との関係を示す図である。
【図5】車速(NCO)と定常状態の目標エンジン回転
速度(NESPR)の上限値(NESPRH)、下限値
(NESPRL)との関係を示す図である。
【図6】定常状態の目標エンジン回転速度の設定用フロ
ーチャートである。
【図7】目標エンジン回転速度の過渡修正のブロック図
である。
【図8】定常状態の目標エンジン回転速度のタイムチャ
ートである。
【図9】定常状態の目標エンジン回転速度の過渡修正用
フローチャートである。
【図10】単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の増加方向制限値(RATU
P)の設定用フローチャートである。
【図11】単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の減少方向制限値(RATL
O)の設定用フローチャートである。
【図12】各種走行モードの設定条件を示す図である。
【図13】シフトトランジェント制御の設定用フローチ
ャートである。
【図14】シフトトランジェント制御の設定状態を示す
図である。
【図15】単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の増加方向制限値(RATU
P)のマップである。
【図16】単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の減少方向制限値(RATL
O)のマップである。
【図17】スロットルトランジェント制御時のエンジン
回転速度トリガ(NESPRU)のマップである。
【図18】この発明の他の第1の実施例を示す最小減少
方向制御値の設定用マップである。
【図19】この発明の他の第2の実施例を示す最小減少
方向制御値の設定用マップである。
【図20】この発明の従来技術を示す連続可変変速機の
変速制御のタイムチャートであり、(a)はスロットル
開度(THR)のタイムチャート、(b)はエンジン回
転速度(NE)のタイムチャート、(c)はERRN=
|NESPR−NESPRF|のタイムチャート、
(d)は単位時間当りの最終目標エンジン回転速度(N
ESPRF)の変化量の減少方向制限値(RATLO)
のタイムチャートである。
【符号の説明】
2 連続可変変速機 4 ベルト 6 駆動側プーリ 12 被駆動側プーリ 18 回転軸 30 オイルポンプ 38 第1オイル通路 40 第2オイル通路 42 圧力制御弁手段 44 プライマリ圧制御弁 46 第3オイル通路 48 定圧制御弁 50 第4オイル通路 52 プライマリ圧制御用第1三方電磁弁 54 ライン圧制御弁 56 第5オイル通路 58 第6オイル通路 60 ライン圧制御用第2三方電磁弁 62 クラッチ圧制御弁 64 第7オイル通路 66 第8オイル通路 68 クラッチ圧制御用第3三方電磁弁 70 第9オイル通路 72 第10オイル通路 74 油圧クラッチ 76 第11オイル通路 78 圧力変換器 90 制御手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 連続可変変速機の変速制御方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は連続可変変速機の変速
制御方法に係り、特に最終目標エンジン回転速度が所定
値以下となった際に適正な変速制御を果たし得る連続可
変変速機の変速制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両において、内燃機関と駆動車輪間に
変速機を介在している。この変速機は、広範囲に変化す
る車両の走行条件に合致させて駆動車輪の駆動力と走行
速度とを変更し、内燃機関の性能を充分に発揮させてい
る。変速機には、例えば回転軸に固定された固定プーリ
部片とこの固定プーリ部片に接離可能に回転軸に装着さ
れた可動プーリ部片とを有するプーリの両プーリ部片間
に形成される溝幅を油圧により増減することによりプー
リに巻掛けられたベルトの回転半径を減増させ動力を伝
達し、ベルトレシオ(変速比)を変える連続可変変速機
がある。
【0003】また、連続可変変速機には、油圧により動
力を断続する油圧クラッチを有するものがある。この油
圧クラッチは、エンジン回転数や気化器絞り弁開度等の
信号に基づいて各種の制御モードで制御されている。
【0004】前記連続可変変速機としては、例えば過渡
修正を加えて最終目標エンジン回転速度を求め、この最
終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度を一
致させるように、変速比を調整する変速制御がある。定
常状態の目標エンジン回転速度に過渡修正を加え、最終
目標エンジン回転速度を求める方法にレートリミット制
御がある。レートリミット制御とは、単位時間当りの最
終目標エンジン回転速度の変化量を制限するものであ
る。レートリミット制御には、通常の変化量、制御値よ
りも大なる値によってレートリミット制御を行うトラン
ジェント制御がある。スロットル開度急増時のトランジ
ェント制御がスロットルトランジェント制御である。シ
フト操作時のトランジェント制御がシフトトランジェン
ト制御である。
【0005】また、特公平4−28947号公報に開示
されるものがある。この特公平4−28947号公報に
開示されるものは、予め定められた関係から実際の加速
操作量に基づいて制御目標値を決定し、機関回転速度あ
るいは変速比を制御目標値に追従するように制御する制
御方法であって、車両の加速操作部材が急速に操作され
る過渡時においては、制御目標値よりも緩やかに変化し
且つ少なくとも車両の加速ペダルの操作速度に関連して
変化する過渡時制御目標値を、制御目標値に替えて設定
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の連続
可変変速機の変速制御方法においては、図20に示す如
く、スロットル開度(THR)を急閉した場合やシフト
位置をロー(L位置)からドライブ(D位置)に切換操
作した場合に、定常状態の目標エンジン回転速度(NE
SPR)は急激に減少する。
【0007】この定常状態の目標エンジン回転速度(N
ESPR)の変化を受け、過渡修正後の最終目標エンジ
ン回転速度(NESPRF)も速く減少するものであ
る。
【0008】また、エンジン回転速度(NE)は、最終
目標エンジン回転速度(NESPRF)に一致するよう
に制御されるため、エンジン回転速度(NE)も急激に
減少する。
【0009】一般に、エンジン回転速度(NE)を最終
目標エンジン回転速度(NESPRF)に一致させるた
めには、比例積分微分(PID)制御が用いられてい
る。
【0010】しかし、最終目標エンジン回転速度(NE
SPRF)の変化傾向が急変した場合には、積分制御へ
の依存度合が高いほど追従性が悪化する。これは、積分
量の蓄積によって応答遅れが生ずるためである。
【0011】この結果、図14の記号Aに示す如く、エ
ンジン回転速度(NE)のアンダシュートが発生する惧
れがあり、エンジンストールを惹起したり、走行フィー
リングの悪化を招き、実用上不利であるという不都合が
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、固定プーリ部片とこの固定
プーリ部片に接離可能に装着された可動プーリ部片との
両プーリ部片間の溝幅を油圧により増減して前記両プー
リに巻掛けられるベルトの回転半径を減増させ、実際の
エンジン回転速度をスロットル開度と車速との変速スケ
ジュールマップで得た定常状態の目標エンジン回転速度
にこの目標エンジン回転速度の変化量を制限する過渡修
正を加えた後の最終目標エンジン回転速度に一致させる
べく変速制御する連続可変変速機の変速制御方法におい
て、前記最終目標エンジン回転速度が予め設定される所
定値以下となった際には過渡修正時に目標エンジン回転
速度の変化量を制限する過渡修正変化量の減少方向制御
値を小とすべく変速制御することを特徴とする。
【0013】
【作用】上述の如く発明したことにより、最終目標エン
ジン回転速度が予め設定される所定値以下となった際に
は、過渡修正時に目標エンジン回転速度の変化量を制限
する過渡修正変化量の減少方向制御値を小とし、不必要
なエンジン回転速度の低下を防止すべく変速制御してい
る。
【0014】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。
【0015】図1〜図19はこの発明の実施例を示すも
のである。図2において、2は連続可変変速機、4はベ
ルト、6は駆動側プーリ、8は駆動側固定プーリ部片、
10は駆動側可動プーリ部片、12は被駆動側プーリ、
14は被駆動側固定プーリ部片、16は被駆動側可動プ
ーリ部片である。前記駆動側プーリ6は、図2に示す如
く、原動機で回転される回転軸18に固定する駆動側固
定プーリ部片8と、回転軸18の軸方向に移動可能且つ
回転不可能に前記回転軸18に装着した駆動側可動プー
リ部片10とを有する。また、前記被駆動側プーリ12
は、前記駆動側プーリ6と同様な構成で、被駆動側固定
プーリ部片14と被駆動側可動プーリ部片16とを有す
る。
【0016】前記駆動側可動プーリ部片10と被駆動側
可動プーリ部片16とには第1、第2ハウジング20、
22が夫々装着され、これにより第1、第2油圧室2
4、26が夫々形成される。被駆動側の第2油圧室26
内には、被駆動側可動プーリ部片16を被駆動側固定プ
ーリ部片14に接近すべく付勢する押圧スプリング28
を設ける。
【0017】前記回転軸18の端部には、オイルポンプ
30が設けられている。このオイルポンプ30は、オイ
ルパン32のオイルを、オイルフィルタ34を経て、油
圧回路36を構成する第1、第2オイル通路38、40
によって前記第1、第2油圧室24、26に送給するも
のである。第1オイル通路38途中には、入力軸シーブ
圧たるプライマリ圧を制御すべく圧力制御手段42を構
成する変速制御弁たるプライマリ圧制御弁44が介設さ
れる。また、プライマリ圧制御弁44よりもオイルポン
プ30側の第2オイル通路40に連通した第3オイル通
路46には、ライン圧(一般に5〜25〓/〓2 )を一
定圧(例えば3〜4〓/〓2 )に制御する定圧制御弁4
8が設けられる。更に、プライマリ圧制御弁44には、
第4オイル通路50を介してプライマリ圧力制御用の第
1三方電磁弁52を連設される。
【0018】また、前記第2オイル通路40途中には、
ポンプ圧たるライン圧を制御する逃し弁機能を有するラ
イン圧制御弁54が第5オイル通路56を介して連設さ
れる。ライン圧制御弁54は、第6オイル通路58を介
してライン圧力制御用の第2三方電磁弁60に連設され
る。
【0019】更に、前記ライン圧制御弁54の連通する
部位よりも第2油圧室26側の第2オイル通路40途中
には、クラッチ圧を制御するクラッチ圧制御弁62が前
記第5オイル通路56の分岐する他端を利用して設けら
れている。このクラッチ圧制御弁62には、第8オイル
通路66を介してクラッチ圧制御用の第3三方電磁弁6
8を連通する。
【0020】また、前記プライマリ圧制御弁44及びプ
ライマリ圧制御用の第1電磁弁52、定圧制御弁48、
ライン圧制御弁54、ライン圧制御用の第2三方電磁弁
60、クラッチ圧制御弁62、そしてクラッチ圧制御用
の第3三方電磁弁68は、第9オイル通路70によって
夫々連通している。
【0021】前記クラッチ圧制御弁62は、第7オイル
通路64に連通した第10オイル通路72を介して油圧
クラッチ74に連絡している。この第10オイル通路7
2途中には、第11オイル通路76を介して圧力変換器
78を連絡している。この圧力変換器78は、ホールド
およびスタートモード等のクラッチ圧力を制御する際に
直接油圧を検出することができ、この検出油圧を目標ク
ラッチ圧力に一致させる。また、ドライブモード時には
クラッチ圧力がライン圧と略等しくなるので、ライン圧
制御にも寄与するものである。
【0022】前記油圧クラッチ74は、ピストン80、
円環状スプリング82、第1圧力プレート84、フリク
ションプレート86、第2圧力プレート88等から構成
されている。
【0023】また、車両の図示しない気化器のスロット
ル開度やエンジン回転等の種々条件を入力しデューティ
率を変化させ変速制御を行う電子コントロールユニット
たる制御手段(ECU)90を設け、この制御手段90
によって前記プライマリ圧制御用の第1三方電磁弁5
2、ライン圧制御用の第2三方電磁弁60、そしてクラ
ッチ圧制御用の第3三方電磁弁68の開閉動作を制御さ
せるとともに、前記圧力変換器78に電源を供給すべく
構成されている。また、前記制御手段90に入力される
各種信号と入力信号の機能について詳述すれば、 、シフトレバー位置の検出信号……P、R、N、D、
L等の各レンジ信号により各レンジに要求されるライン
圧力やベルトレシオ、クラッチの制御 、キャブレタスロットル開度の検出信号……予めプロ
グラム内にインプットしたメモリからエンジントルクを
検知し、目標ベルトレシオあるいは目標エンジン回転数
の決定 、キャブレタアイドル位置の検出信号……キャブレタ
スロットル開度センサの補正と制御における精度の向上 、アクセル操作信号……アクセルペダルの踏込み状態
によって運転者の意志を検知し、走行時あるいは発進時
の制御方向を決定 、ブレーキ信号……ブレーキペダルの踏込み動作の有
無を検知し、クラッチの切り離し等制御方法を決定 、パワーモードオプション信号……車両の性能をスポ
ーツ性(あるいはエコノミー性)とするためのオプショ
ンとして使用 等がある。
【0024】前記制御手段90は、最終目標エンジン回
転速度が予め設定される所定値以下となった際には過渡
修正時に目標エンジン回転速度の変化量を制限する過渡
修正変化量の減少方向制御値を小とすべく変速制御する
ものである。
【0025】前記制御手段90は、図3の如き構成を有
し、最終目標エンジン回転数(NESPRF)を得るも
のである。
【0026】図3に示す如く、スロットル開度(TH
R)及び車速(NCO)の値、そしてシフト操作を基
に、定常状態の目標エンジン回転速度(NESPR)が
設定される(201)。
【0027】設定された目標エンジン回転速度(NES
PR)は、運転操作と車両の走行状態とによって過渡修
正が行われ(202)、過渡修正を施した最終目標エン
ジン回転速度(NESPRF)となる。
【0028】そして、実際のエンジン回転速度(NE)
が過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度(NES
PRF)に一致すべく変速比を調整し、エンジン回転制
御、つまり変速制御を行うものである。
【0029】すなわち、最終目標エンジン回転速度(N
ESPRF)は、比例積分(PI)制御(203)やベ
ルトスリップ防止処理(204)を施された後に、レシ
オソレノイドデューティUrの中立値Unに基づいて変
速比となるレシオソレノイドデューティUrを調整して
いる。
【0030】前記目標エンジン回転速度(NESPR)
の設定を行う際に、スロットル開度(THR)を因子と
するマップ(RACRVT)(図4参照)からスロット
ル開度(THR)に対するエンジン回転速度(NESP
RT)を求めるとともに、車速(NCO)を因子とする
マップ(RACRVH、RACRVL)(図5参照)か
らスロットル開度(THR)に対するエンジン回転速度
(NESPRT)の上限値(NESPRH)と下限値
(NESPRL)とを求め、スロットル開度(THR)
に対するエンジン回転速度(NESPRT)と上限値
(NESPRH)、下限値(NESPRL)とによって
制限することで目標エンジン回転速度(NESPR)の
設定が行われる。
【0031】また、スロットル開度(THR)を因子と
するマップ(RACRVT)や車速(NCO)を因子と
するマップ(RACRVH、RACRVL)は、シフト
位置毎に夫々設けられており、同じスロットル開度(T
HR)や車速(NCO)であっても、シフト位置が異な
る場合には、当然に目標エンジン回転速度(NESP
R)の値が異なるものである。
【0032】更に、目標エンジン回転速度(NESP
R)の過渡修正は、図7に示す如く、目標エンジン回転
速度(NESPR)にフィルタ処理(301)を施し、
処理値をNESPFとするとともに、単位時間当りの最
終目標エンジン回転速度(NESPRF)の変化量を制
御値、つまり単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の増加方向制御値である上限
値(RATUP)と減少方向制御値である下限値(RA
TLO)とにて制限するレートリミット制御(302)
とにより行う。
【0033】このレートリミット制御(302)におい
て、運転操作と車両の走行状態とによって設定される単
位時間当りの最終目標エンジン回転速度(NESPR
F)の変化量の下限値(RATLO)(303)及び上
限値(RATUP)(304)は、図7から明らかな如
く、前回の最終目標エンジン回転速度(NESPR
F)、つまりNESPRNを勘案して設定される(図8
参照)。このレートリミット制御の減少方向制御値(R
ATLO)の設定は、エンジン回転速度(NE)が所定
値(NETRL)よりも低い場合に、一般のレートリミ
ット制御値(RATLON)とシフトトランジェント制
御値(RATLOS)との大きさに関係なく、最小RA
TLO(MINRL)をRATLOとする。
【0034】また、運転操作によってスロットル開度
(THR)を急増した場合やシフト操作を行う場合に
は、通常の制御値よりも大なる制御値でレートリミット
制御(トランジェント制御)している。
【0035】そして、前記制御手段90には、上述の通
常制御に加えて、式 |NESPR−NESPRF| から、つまり定常状態の目標エンジン回転速度(NES
PR)と最終目標エンジン回転速度(NESPRF)と
差(絶対値)(ERRN)と、式 NESPRU−NESPRF から、つまりスロットルトランジェント制御時のエンジ
ン回転速度トリガ(NESPRU)と最終目標エンジン
回転速度(NESPRF)と差(ERRT)を求め、こ
れらの差(ERRN、EERT)によって単位時間当り
の最終目標エンジン回転速度(NESPRF)の変化量
の上限値(RATUP)と下限値(RATLO)とを設
定し、これらの差(ERRN、EERT)に応じて単位
時間当りの最終目標エンジン回転速度(NESPRF)
の変化量の上限値(RATUP)と下限値(RATL
O)とを夫々変化させエンジン回転速度(NE)の定常
状態の目標エンジン回転速度(NESPR)に対する追
従性を向上すべく制御する機能が付加されている。
【0036】そして、単位時間当りの最終目標エンジン
回転速度(NESPRF)の変化量の上限値(RATU
P)と下限値(RATLO)との設定は、図15〜図1
6に示す如く、レートリミットマップによって行われ
る。
【0037】また、図2に示す如く、前記第1ハウジン
グ20外側に入力軸回転検出歯車102が設けられ、こ
の入力軸回転検出歯車102の外周部位近傍には入力軸
側の第1回転検出器104が設けられる。また、前記第
2ハウジング22外側に出力軸回転検出歯車106が設
けられ、この出力軸回転検出歯車106の外周部位近傍
に出力軸側の第2回転検出器108が設けられる。前記
第1回転検出器104と第2回転検出器108との検出
信号は、前記制御手段90に出力され、エンジン回転数
とベルトレシオとを把握するために利用される。
【0038】前記油圧クラッチ74に出力伝達用歯車1
10が設けられ、この出力伝達用歯車110外周部位近
傍には最終出力軸の回転を検出する第3回転検出器11
2が設けられる。つまり、この第3回転検出器112
は、減速歯車および差動機、駆動軸、タイヤに直結する
最終出力軸の回転を検出するものであり、車速の検出を
可能とするものである。また、前記第2回転検出器10
8と第3回転検出器112とにより、油圧クラッチ74
の入力軸と出力軸との回転検出が可能であり、クラッチ
スリップ量の検出を果し得るものである。
【0039】次に、この実施例の作用について説明す
る。
【0040】前記連続可変変速機2は、図2に示す如
く、回転軸18上に位置するオイルポンプ30が回転軸
18の回転に応じて作動し、そして、オイルパン32の
オイルは、オイルフィルタ34を介して吸入される。ポ
ンプ圧力であるライン圧力はライン圧制御弁54で制御
され、このライン圧制御弁54からの洩れ量、つまりラ
イン圧制御弁54の逃がし量が大であればライン圧力は
低くなり、反対に少なければライン圧力は高くなる。
【0041】前記ライン圧制御弁54の動作は専用の第
2三方電磁弁60により制御され、この第2三方電磁弁
60の動作に追従して前記ライン圧制御弁54が動作す
る。第2三方電磁弁60は、一定周波数のデューティ率
で制御される。即ち、デューティ率0%とは第2三方電
磁弁60が全く動作しない状態であり、出力側が大気側
に導通し出力油圧は零となる。また、デューティ率10
0%とは、第2三方電磁弁60が動作して出力側が入力
側に導通し、制御圧力と同一の最大出力油圧となる。つ
まり、第2三方電磁弁60へのデューティ率の変化によ
り、出力油圧を変化させている。従って、前記第2三方
電磁弁60の特性は、前記ライン圧制御弁54をアナロ
グ的に動作させることが可能となり、第2三方電磁弁6
0のデューティ率を任意に変化させてライン圧を制御す
ることができる。また、この第2三方電磁弁60の動作
は前記制御手段90によって制御されている。
【0042】変速制御用のプライマリ圧はプライマリ圧
制御弁44によって制御され、このプライマリ圧制御弁
44も前記ライン圧制御弁54と同様に、専用の第1三
方電磁弁52によって動作が制御されている。この第1
三方電磁弁52は、プライマリ圧を前記ライン圧に導
通、あるいはプライマリ圧を大気側に導通させるために
使用され、ライン圧に導通させてベルトレシオをオーバ
ドライバ側に移行、あるいは大気側に導通させてフルロ
ー側に移行させるものである。
【0043】クラッチ圧を制御するクラッチ圧制御弁6
2は、最大クラッチ圧を必要とする際にライン圧側と導
通させ、また最低クラッチ圧とする際には大気側と導通
させるものである。このクラッチ圧制御弁62も前記ラ
イン圧制御弁54やプライマリ圧制御弁44と同様に、
専用の第3三方電磁弁68によって動作が制御されてい
るので、ここでは説明を省略する。クラッチ圧は最低の
大気圧(ゼロ)から最大のライン圧までの範囲内で変化
するものである。
【0044】クラッチ圧の制御には、例えば、5つのパ
ターンがある。 (1)、ニュートラルモード……シフト位置がNまたは
Pで油圧クラッチを完全に切り離す場合、クラッチ圧は
最低圧(ゼロ) (2)、ホールドモード……シフト位置がDまたはRで
スロットルを離して走行意志の無い場合、あるいは走行
中に減速しエンジントルクを切りたい場合、クラッチ圧
はクラッチが接触する程度の低いレベル (3)、ノーマルスタートモード……発進時あるいはク
ラッチ切れの後に再びクラッチを結合しようとする場
合、クラッチ圧をエンジンの吹き上がりを防止するとと
もに車両をスムースに動作できるエンジン発生トルク
(クラッチインプットトルク)に応じた適切なレベル (4)、スペシャルスタートモード……(イ)、車速が
8〓/H以上でシフトレバーをD→N→Dと繰り返して
使用した状態、あるいは、(ロ)、減速運転時に8〓/
H<車速<15〓/Hでブレーキ状態を解除した状態、 (5)、ドライブモード……完全な走行状態に移行しク
ラッチが完全に結合した場合、クラッチ圧はエンジント
ルクに充分に耐えるだけの余裕のある高いレベル の5つがある。
【0045】このパターンの(1)はシフト操作と連動
する専用の図示しない切換バルブで行われ、他の
(2)、(3)、(4)、(5)は制御手段90による
第1、第2、第3三方電磁弁52、60、68のデュー
ティ率制御によって行われている。特に(5)の状態お
いては、クラッチ圧制御弁62によって第7オイル通路
64と第10オイル通路72とを連通させ、最大圧発生
状態とし、クラッチ圧はライン圧と同一となる。
【0046】また、前記プライマリ圧制御弁44やライ
ン圧制御弁54、そしてクラッチ圧制御弁62は、第
1、第2、第3三方電磁弁52、60、68からの出力
油圧によって夫々制御されているが、これら第1、第
2、第3三方電磁弁52、60、68を制御するコント
ロール油圧は定圧制御弁48で調整される一定油圧であ
る。このコントロール油圧はライン圧より常に低い圧力
であるが、安定した一定の圧力である。また、コントロ
ール油圧は各制御弁44、54、62にも導入され、こ
れら制御弁44、54、62の安定化を図っている。
【0047】次に、連続可変変速機2の電子制御につい
て説明する。
【0048】連続可変変速機2は油圧制御されていると
ともに、制御手段90からの指令により、ベルト保持と
トルク伝達のための適切なライン圧や、変速比(ベルト
レシオ)の変更のためのプライマリ圧、及び油圧クラッ
チ74を確実に結合させるためのクラッチ圧が夫々確保
されている。
【0049】図1について説明すると、スロットル開度
(THR)が急閉した場合には、スロットル開度(TH
R)の急閉に伴って定常状態の目標エンジン回転速度
(NESPR)と最終目標エンジン回転速度(NESP
RF)とは共に速く減少するが、NESPRF≦NET
RLとなると、RATLO=MINRLとなるため、最
終目標エンジン回転速度(NESPRF)の減少がなだ
らかとなる。
【0050】このため、エンジン回転速度(NE)の減
少状態は、先ず最初に速く減少するが、最終目標エンジ
ン回転速度(NESPRF)がRATLO用エンジン回
転速度トリガ(NETRL)以下となると、なだらかに
減少するものである。
【0051】このとき、最終目標エンジン回転速度(N
ESPRF)の変化傾向が急変するため、図1のBで示
す如きエンジン回転速度(NE)のアンダシュートが発
生する場合があるが、このときのエンジン回転速度(N
E)は十分に高い値となっており、エンジンストールの
発生や走行フィーリングの悪化を招く不具合はない。
【0052】次いで、図6の定常状態の目標エンジン回
転速度の設定用フローチャートに沿って説明する。
【0053】設定用プログラムが開始(401)する
と、スロットル開度(THR)に対するエンジン回転速
度(NESPRT)を求めるとともに、スロットル開度
(THR)に対するエンジン回転速度(NESPRT)
の上限値(NESPRH)及び下限値(NESPRL)
を求め(402)、スロットル開度(THR)に対する
エンジン回転速度(NESPRT)とスロットル開度
(THR)に対するエンジン回転速度(NESPRT)
の上限値(NESPRH)とを比較判断(403)す
る。
【0054】この比較判断(403)において、NES
PRT<NESPRHの場合には、スロットル開度(T
HR)に対するエンジン回転速度(NESPRT)とス
ロットル開度(THR)に対するエンジン回転速度(N
ESPRT)の下限値(NESPRL)との比較判断
(404)に移行させ、NESPRT≧NESPRHの
場合には、スロットル(THR)に対するエンジン回転
速度(NESPRT)の上限値(NESPRH)を定常
状態の目標エンジン回転速度(NESPR)とし(40
5)、終了(408)へ移行させる。
【0055】また、上述の比較判断(404)におい
て、NESPRT>NESPRLの場合には、スロット
ル開度(THR)に対するエンジン回転速度(NESP
RT)を定常状態の目標エンジン回転速度(NESP
R)とし(406)、終了(408)へ移行させ、NE
SPRT≦NESPRLの場合には、スロットル開度
(THR)に対するエンジン回転速度(NESPRT)
の下限値(NESPRL)を定常状態の目標エンジン回
転速度(NESPR)とし(407)、終了(408)
へ移行させる。
【0056】図9の目標エンジン回転速度の過渡修正用
フローチャートに沿って説明する。
【0057】定常状態の目標エンジン回転速度(NES
PR)の過渡修正用プログラムが開始(501)する
と、定常状態の目標エンジン回転速度(NESPR)を
フィルタ処理し、NESPFとする(502)。
【0058】そして、単位時間当りの最終目標エンジン
回転速度(NESPRF)の変化量の増加方向制御値で
ある上限値(RATUP)と減少方向制御値である下限
値(RATLO)との設定を行う(503)。
【0059】この設定処理(503)は、図10に示す
如く、上限値(RATUP)設定用フローチャートが開
始(601)すると、式 |NESPR−NESPRF| から、つまり定常状態の目標エンジン回転速度(NES
PR)と最終目標エンジン回転速度(NESPRF)と
差(絶対値)(ERRN)を求め(602)、一般の上
限値(RATUP)であるRATUPNマップ、つまり
図15のRUCRVN(ERRN)から一般上限値(R
ATUPN)を求める(603)。
【0060】次に、走行モードがLOWであるか否かの
判断(604)を行い、この判断(604)がNOの場
合には、走行モードがPOWERであるか否かの判断
(605)に移行させ、判断(604)がYESの場合
には、LOW時のRACRVUであるRACRVUL
(THR)をスロットルトランジェント制御時のエンジ
ン回転速度トリガ(NESPRU)とする(606)。
【0061】また、走行モードがPOWERであるか否
かの判断(605)がNOの場合には、ECONIMY
時のRACRVUであるRACRVUE(THR)をス
ロットルトランジェント制御時のエンジン回転速度トリ
ガ(NESPRU)とし(607)、判断(605)が
YESの場合には、POWER時のRACRVUである
RACRVUP(THR)をスロットルトランジェント
制御時のエンジン回転速度トリガ(NESPRU)とす
る(608)。
【0062】そして、過渡修正を施した最終目標エンジ
ン回転速度(NESPRF)とスロットルトランジェン
ト制御時のエンジン回転速度トリガ(NESPRU)と
を比較判断(609)し、NESPRF<NESPRU
の場合には、式 NESPRU−NESPRF にて差(ERRT)を算出し(610)、RATUPT
マップであるRUCRVT(ERRT)からスロットル
トランジェント制御時の上限値(RATUP)であるR
ATUPTを求め(611)、シフトトランジェント制
御の設定(612)に移行させる。
【0063】また、比較判断(609)において、NE
SPRF≧NESPRUの場合には、0(ゼロ)をRA
TUPTとし(613)、シフトトランジェント制御の
設定(612)に移行させる。
【0064】次に、シフトトランジェント制御時の上限
値(RATUP)であるRATUPS用フラグ(RAT
FLGU)がセット(SET)あるいはクリア(CLE
AR)のいずれであるかの判断(614)を行い、判断
(614)において、RATUPS用フラグ(RATF
LGU)がセット(SET)されている場合には、RA
TUPS用タイマ(TIMESU)から1を減じた値を
RATUPS用タイマ(TIMESU)とし(61
5)、判断(614)において、RATUPS用フラグ
(RATFLGU)がクリア(CLEAR)されている
場合には、0(ゼロ)をRATUPSとするとともに、
0(ゼロ)をRATUPS用タイマ(TIMESU)と
し、そしてRATUPS用フラグ(RATFLGU)を
クリア(CLEAR)する(616)。
【0065】RATUPS用タイマ(TIMESU)か
ら1を減じた値をRATUPS用タイマ(TIMES
U)とする処理(615)の後に、RATUPS用タイ
マ(TIMESU)と0(ゼロ)とを比較判断(61
7)し、TIMESU>0の場合には、RUCRVS
(ERRN)をRATUPSとし(618)、TIME
SU≦0の場合には、上述の処理(616)に移行させ
る。
【0066】また、RUCRVS(ERRN)をRAT
UPSとする処理(618)の後に、通常状態の目標エ
ンジン回転速度(NESPR)と最終目標エンジン回転
速度(NESPRF)+RATUPSとを比較判断(6
19)し、NESPR>NESPRF+RATUPSの
場合には、MAX(RATUPN、RATUPS、RA
TUPT)中の最大のものをRATUPとして選択し
(620)、設定用プログラムを終了(621)させ
る。
【0067】更に、NESPR≦NESPRF+RAT
UPSの場合には、上述の処理(616)に移行させ
る。この処理(616)が終了すると、MAX(RAT
UPN、RATUPS、RATUPT)中の最大のもの
をRATUPとする処理(620)を経て、設定用プロ
グラムの終了(621)に移行される。
【0068】更にまた、図11に示す如く、下限値(R
ATLO)設定用フローチャートが開始(701)する
と、最終目標エンジン回転速度(NESPRF)とRA
TLO用エンジン回転速度トリガ(NETRL)との比
較判断(702)を行い、NESPRF>NETRLの
場合には、式 |NESPR−NESPRF| から、つまり定常状態の目標エンジン回転速度(NES
PR)と最終目標エンジン回転速度(NESPRF)と
差(絶対値)(ERRN)を求め(703)、NESP
RF≦NETRLの場合には最小RATLOであるMI
NRLをRATLOとし(704)、設定用プログラム
の終了(714)に移行させる。
【0069】そして、差(絶対値)(ERRN)の算出
処理(703)の後に、RATLONマップであるRL
CRVN(ERRN)を一般のRATLOであるRAT
LONとし(705)、シフトトランジェント制御の設
定(706)に移行させる。
【0070】次に、RATLOS用フラグ(RATFL
GL)がセット(SET)あるいはクリア(CLEA
R)のいずれであるかの判断(707)を行い、判断
(707)において、RATLOS用フラグ(RATF
LGL)がセット(SET)されている場合には、RA
TLOS用タイマ(TIMESL)から1を減じた値を
RATLOS用タイマ(TIMESL)とし(70
8)、判断(707)において、RATLOS用フラグ
(RATFLGL)がクリア(CLEAR)されている
場合には、0(ゼロ)をシフトトランジェント制御時の
RATLOであるRATLOSとするとともに、0(ゼ
ロ)をRATLOS用タイマ(TIMESL)とし、そ
してRATLOS用フラグ(RATFLGL)をクリア
(CLEAR)する(709)。
【0071】RATLOS用タイマ(TIMESL)か
ら1を減じた値をRATLOS用タイマ(TIMES
L)とする処理(708)の後に、RATLOS用タイ
マ(TIMESL)と0(ゼロ)とを比較判断(71
0)し、TIMESL>0の場合には、RUCRVS
(ERRN)をRATLOSとし(711)、TIME
SL≦0の場合には、上述の処理(709)に移行させ
る。
【0072】また、RUCRVS(ERRN)をRAT
LOSとする処理(711)の後に、通常状態の目標エ
ンジン回転速度(NESPR)と最終目標エンジン回転
速度(NESPRF)−RATLOSとを比較判断(7
12)し、NESPR<NESPRF−RATLOSの
場合には、MAX(RATLON、RATLOS)の中
から最大のものをRATLOとして選択し(713)、
設定用プログラムを終了(714)させる。
【0073】更に、NESPR≧NESPRF−RAT
LOSの場合には、上述の処理(709)に移行させ
る。この処理(709)が終了すると、MAX(RAT
LON、RATLOS)のかなから最大のものをRAT
LOとする処理(713)を経て、設定用プログラムの
終了(714)に移行される。
【0074】そして、単位時間当りの最終目標エンジン
回転速度(NESPRF)の変化量の上限値(RATU
P)と下限値(RATLO)との設定(503)の後に
は、フィルタ処理後の定常状態の目標エンジン回転速度
(NESPF)と前回の最終目標エンジン回転速度(N
ESPRN)とを比較判断(504)する。
【0075】そして、比較判断(504)においてNE
SPR<NESPRNの場合には、前回の最終目標エン
ジン回転速度(NESPRN)からフィルタ処理後の定
常状態の目標エンジン回転速度(NESPF)を引いた
値と単位時間当りの最終目標エンジン回転速度(NES
PRF)の変化量の下限値(RATLO)との比較判断
(505)に移行させる。
【0076】また、比較判断(504)においてNES
PR≧NESPRNの場合には、フィルタ処理後の定常
状態の目標エンジン回転速度(NESPF)から前回の
最終目標エンジン回転速度(NESPRN)を引いた値
と単位時間当りの最終目標エンジン回転速度(NESP
RF)の変化量の上限値(RATUP)との比較判断
(506)に移行させる。
【0077】上述の比較判断(505)において、NE
SPRN−NESPF>RATLOの場合には、NES
PRN−RATLOの値を最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)とする(507)とともに、NESP
RN−NESPF≦RATLOの場合には、フィルタ処
理後の定常状態の目標エンジン回転速度(NESPF)
を最終目標エンジン回転速度(NESPRF)とする
(508)。
【0078】また、上述の比較判断(506)におい
て、NESPF−NESPRN≦RATUPの場合に
は、フィルタ処理後の定常状態の目標エンジン回転速度
(NESPF)を最終目標エンジン回転速度(NESP
RF)とする処理(508)に移行させ、NESPF−
NESPRN>RATUPの場合には、前回の最終目標
エンジン回転速度(NESPRN)に単位時間当りの最
終目標エンジン回転速度(NESPRF)の変化量の上
限値(RATUP)を加えた値を最終目標エンジン回転
速度(NESPRF)とする(509)。
【0079】そして、各処理(507)、(508)、
(509)の最終目標エンジン回転速度(NESPR
F)を前回の最終目標エンジン回転速度(NESPR
N)とし(510)、終了(511)させる。
【0080】ここで、参考としてシフトトランジェント
制御の設定用フローチャートを図13に沿って説明す
る。
【0081】シフトトランジェント制御の設定用フロー
チャートが開始(801)すると、図14に示す如き設
定用マップに移行(802)する。
【0082】そして、図14に示す如き設定用マップに
おいて、設定が前回の目標エンジン回転速度の下限値
(NESPRL)の設定マップ(RACRVL)である
前回値Z-1であるか否かの判断(803)を行い、この
判断(803)がNOの場合には、図14に示す如き設
定用マップにおいて設定がLOであるか否かの判断(8
04)を行う。
【0083】また、判断(803)がYESの場合に
は、シフトトランジェント制御の設定用フローチャート
を終了(807)させる。
【0084】上述の判断(804)がNOの場合には、
RATUPS用フラグ(RATFLGU)をセット(S
ET)し、TIMESUIをTIMESUとし(80
5)、シフトトランジェント制御の設定用フローチャー
トを終了(807)させ、判断(804)がYESの場
合には、RATLOS用フラグ(RATFLGL)をセ
ット(SET)し、TIMESLIをTIMESLとし
(806)、シフトトランジェント制御の設定用フロー
チャートを終了(807)させるものである。
【0085】なお、図12において使用される記号を以
下に説明する。 D :シフト位置がドライブ L :シフト位置がロー ECONOMY :走行モードがエコノミー POWER :走行モードがパワー LOW :走行モードがロー RACRVTE :ECONOMY時のRACRVT RACRVTP :POWER時のRACRVT RACRVTL :LOW時のRACRVT RACRVHE :ECONOMY時のRACRVH RACRVHP :POWER時のRACRVH RACRVHL :LOW時のRACRVH RACRVLE :ECONOMY時のRACRVL RACRVLEI:アイドルスイッチON時のRACR
VLI RACRVLP :POWER時のRACRVL RACRVLL :LOW時のRACRVL
【0086】これにより、図1の記号Bに示す如く、エ
ンジン回転速度(NE)のアンダシュートが発生して
も、このときのエンジン回転速度が十分に高いために、
エンジンストールを惹起したり、走行フィーリングの悪
化を招く惧れが全くなく、実用上有利である。
【0087】また、前記制御手段90の制御用プログラ
ムの変更のみで対処し得ることにより、付加部品を必要
とせず、構成を簡略に維持し得て、経済的に及び実用上
有利である。
【0088】なお、この発明は上述実施例に限定される
ものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0089】例えば、この発明の実施例においては、最
終目標エンジン回転速度が所定値以下となった場合に制
御を開始する設定としたが、図18に示す如く、最小減
少方向制御値を最終目標エンジン回転速度を因子とする
関係より設定したり、図19に示す如く、最小減少方向
制御値をエンジン回転速度を因子とする関係より設定す
ることも可能である。
【0090】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、最終目標エンジン回転速度が予め設定される所定値
以下となった際に、過渡修正時に目標エンジン回転速度
の変化量を制限する過渡修正変化量の減少方向制御値を
小とすべく変速制御していることにより、変速制御後に
エンジン回転速度のアンダシュートが発生しても、エン
ジン回転速度が十分に高いために、エンジンストールを
惹起したり、走行フィーリングの悪化を招く惧れがな
く、実用上有利である。また、制御用プログラムの変更
のみで対処し得ることにより、付加部品を必要とせず、
構成を簡略に維持し得て、経済的に及び実用上有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続可変変速機の変速制御のタイムチャートを
示し、(a)はスロットル開度(THR)のタイムチャ
ート、(b)はエンジン回転速度(NE)のタイムチャ
ート、(c)はERRN=|NESPR−NESPRF
|のタイムチャート、(d)は単位時間当りの最終目標
エンジン回転速度(NESPRF)の変化量の減少方向
制御値(RATLO)のタイムチャートである。
【図2】連続可変変速機及び油圧回路の概略構成図であ
る。
【図3】変速制御のブロック図である。
【図4】スロットル開度(THR)とスロットル開度
(THR)による定常状態の目標エンジン回転速度(N
ESPR)との関係を示す図である。
【図5】車速(NCO)と定常状態の目標エンジン回転
速度(NESPR)の上限値(NESPRH)、下限値
(NESPRL)との関係を示す図である。
【図6】定常状態の目標エンジン回転速度の設定用フロ
ーチャートである。
【図7】目標エンジン回転速度の過渡修正のブロック図
である。
【図8】定常状態の目標エンジン回転速度のタイムチャ
ートである。
【図9】定常状態の目標エンジン回転速度の過渡修正用
フローチャートである。
【図10】単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の増加方向制御値(RATU
P)の設定用フローチャートである。
【図11】単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の減少方向制御値(RATL
O)の設定用フローチャートである。
【図12】各種走行モードNESPRT、NESPR
H、NESPRLの設定条件を示す図である。
【図13】シフトトランジェント制御の設定用フローチ
ャートである。
【図14】シフトトランジェント制御の設定状態を示す
図である。
【図15】単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の増加方向制御値(RATU
P)のマップである。
【図16】単位時間当りの最終目標エンジン回転速度
(NESPRF)の変化量の減少方向制御値(RATL
O)のマップである。
【図17】スロットルトランジェント制御時のエンジン
回転速度トリガ(NESPRU)のマップである。
【図18】この発明の他の第1の実施例を示す最小減少
方向制御値の設定用マップである。
【図19】この発明の他の第2の実施例を示す最小減少
方向制御値の設定用マップである。
【図20】この発明の従来技術を示す連続可変変速機の
変速制御のタイムチャートであり、(a)はスロットル
開度(THR)のタイムチャート、(b)はエンジン回
転速度(NE)のタイムチャート、(c)はERRN=
|NESPR−NESPRF|のタイムチャート、
(d)は単位時間当りの最終目標エンジン回転速度(N
ESPRF)の変化量の減少方向制御値(RATLO)
のタイムチャートである。
【符号の説明】 2 連続可変変速機 4 ベルト 6 駆動側プーリ 12 被駆動側プーリ 18 回転軸 30 オイルポンプ 38 第1オイル通路 40 第2オイル通路 42 圧力制御弁手段 44 プライマリ圧制御弁 46 第3オイル通路 48 定圧制御弁 50 第4オイル通路 52 プライマリ圧制御用の第1三方電磁弁 54 ライン圧制御弁 56 第5オイル通路 58 第6オイル通路 60 ライン圧制御用の第2三方電磁弁 62 クラッチ圧制御弁 64 第7オイル通路 66 第8オイル通路 68 クラッチ圧制御用の第3三方電磁弁 70 第9オイル通路 72 第10オイル通路 74 油圧クラッチ 76 第11オイル通路 78 圧力変換器 90 制御手段
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図15】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図11】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定プーリ部片とこの固定プーリ部片に
    接離可能に装着された可動プーリ部片との両プーリ部片
    間の溝幅を油圧により増減して前記両プーリに巻掛けら
    れるベルトの回転半径を減増させ、実際のエンジン回転
    速度をスロットル開度と車速との変速スケジュールマッ
    プで得た定常状態の目標エンジン回転速度にこの目標エ
    ンジン回転速度の変化量を制限する過渡修正を加えた後
    の最終目標エンジン回転速度に一致させるべく変速制御
    する連続可変変速機の変速制御方法において、前記最終
    目標エンジン回転速度が予め設定される所定値以下とな
    った際には過渡修正時に目標エンジン回転速度の変化量
    を制限する過渡修正変化量の減少方向制御値を小とすべ
    く変速制御することを特徴とする連続可変変速機の変速
    制御方法。
JP34299993A 1993-12-15 1993-12-15 連続可変変速機の変速制御方法 Expired - Fee Related JP3095197B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34299993A JP3095197B2 (ja) 1993-12-15 1993-12-15 連続可変変速機の変速制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34299993A JP3095197B2 (ja) 1993-12-15 1993-12-15 連続可変変速機の変速制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07167234A true JPH07167234A (ja) 1995-07-04
JP3095197B2 JP3095197B2 (ja) 2000-10-03

Family

ID=18358160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34299993A Expired - Fee Related JP3095197B2 (ja) 1993-12-15 1993-12-15 連続可変変速機の変速制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3095197B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5993338A (en) * 1997-02-27 1999-11-30 Denso Corporation Apparatus for controlling dynamic system in sliding mode and feedforward control

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5993338A (en) * 1997-02-27 1999-11-30 Denso Corporation Apparatus for controlling dynamic system in sliding mode and feedforward control
DE19808454B4 (de) * 1997-02-27 2007-06-28 Denso Corp., Kariya Vorrichtung zum Steuern eines dynamischen Systems in einem Gleitmoden- und Vorwärtskopplungssteuern

Also Published As

Publication number Publication date
JP3095197B2 (ja) 2000-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6942598B2 (en) Drive control apparatus for a vehicle and control method thereof
KR930003785B1 (ko) 연속가변변속기의 벨트비율제어장치
KR950002934B1 (ko) 연속 가변 변속기 제어방법
JP3402080B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置
CA2004188C (en) Revolution controller for a continously variable transmission
EP2053281A2 (en) Vehicle control apparatus
US9482337B2 (en) Controller for continuously variable transmission
JPH07167234A (ja) 連続可変変速機の変速制御方法
JP4362943B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP2003329122A (ja) 無段変速機の制御装置
JPS63125446A (ja) 副変速機および無段変速機を備えた車両用変速機の制御方法
JP4389380B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3637712B2 (ja) 車両用無段変速機の変速制御装置
JP2857783B2 (ja) 連続可変変速機の変速制御方法
JPH07167235A (ja) 連続可変変速機の変速制御方法
JP2706791B2 (ja) 連続可変変速機の回転数制御装置
JP3010192B2 (ja) 連続可変変速機の変速制御方法
JP2931861B2 (ja) 連続可変変速機制御装置
JP2620792B2 (ja) 連続可変変速機のクラッチ圧制御方法
JPH07167233A (ja) 連続可変変速機の変速制御方法
JP2961316B2 (ja) 連続可変変速機のライン圧制御方法
JPH06300097A (ja) 連続可変変速機の変速制御方法
JPH0626373A (ja) 自動変速機を備えた車両の制御装置
JPH0285559A (ja) 車両用無段変速機の変速比制御方法
JP3010193B2 (ja) 連続可変変速機の変速制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070804

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080804

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees