JPH0716662A - 内面溝付管製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工ロールとバックアップロールの滑りを抑
制し、装置の部品寿命および加工精度を向上させた内面
溝付管製造装置を提供することにある。 【構成】 内面溝に応じた溝切り部を外周に有する溝切
り加工プラグと、前記被加工管の軸と平行な複数の軸上
でのみ接触するように構成された複数の第１のロールお
よび複数の第２のロールとを有するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は内面溝付管製造装置に関
し、特に、加工精度および装置の耐久性を向上させた内
面溝付管製造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は、従来の内面溝付管製造装置を示
し、被加工管１は、送り出し側の引き抜き部５と引き取
り側の引き抜き部６の間に配置された回転ヘッド２に挿
通されている。この回転ヘッド２は、内周部に設けられ
た押さえリング３と、押さえリング３によって２点支持
される複数のボール４を内蔵しており、被加工管１の周
囲を矢印方向に回転しながら押圧する。

【０００３】被加工管１の内部には、引き抜き部５にお
いて減径される当該被加工管の内径より大なる外径を有
するフローティングプラグ８と、タイロッド９によって
フローティングプラグ８と連結される溝切り加工プラグ
７が挿入されて、それぞれ回転自在に支持されている。
この溝切り加工プラグ７は、外周部に螺旋状の突起７ａ
を有する。

【０００４】上記した回転ヘッド２に被加工管１が送り
込まれると、ボール４によって被加工管１の外周が押圧
され、溝切り加工プラグ７の突起７ａに内壁が押し付け
られることによって溝１０を有する内面溝付管１１が形
成される。

【０００５】ところが、このような内面溝付管製造装置
によると、引抜き速度を早めた場合にボールによる押圧
が追従しきれずに未押圧部分が生じ、溝切り加工プラグ
が被加工管の内壁に完全に食い込まず、その結果、不完
全な形状の溝が形成されることがある。

【０００６】更に、この押圧時にはボールが被加工管に
点接触することによって摩擦熱が生じるが、その構造
上、充分な冷却を行うことが難しく、またボールの押圧
量を調整する場合には押さえリングを交換しなければな
らない等、煩雑な作業を要するという不都合を有する。

【０００７】上記した不都合を解決するものとして、図
４に示す内面溝付管製造装置が、特願平４−１６４２９
０号として本出願人から平成４年５月２９日に出願され
ている。この装置は、溝切り加工プラグ７が内部に位置
する部分の被加工管１を線状に押圧する複数の加工ロー
ル１２と、加工ロール１２と線接触し、回転ヘッド１５
の駆動力をシャフト１３によって伝達されるバックアッ
プロール１４とを有する。

【０００８】この内面溝付管製造装置において、加工ロ
ール１２は被加工管１の周囲に所定の間隔を有して配置
され、送り込み側が窄められた形状を有している。この
加工ロール１２の周囲には加工ロール１２の胴形状に対
応する形状を有し、シャフト１３によって回転ヘッド１
５に接続されているバックアップロール１４が同数個配
置されており、回転ヘッド１５との接触部にはスラスト
ベアリング１６が挿入されている。

【０００９】引抜き部５において外径を減径された被加
工管１は引き抜かれながら加工ロール１２によって挟持
されることにより、内部に挿入された溝切り加工プラグ
７によって内壁に溝部１０を有する内面溝付管１１が形
成される。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の内面溝
付管製造装置によると、先端を窄められた加工ロールの
前端から後端までバックアップロールを当接させている
ため、加工ロールとバックアップロールの接触部に部分
的な周速度の違いが生じて発熱や摩耗を引き起こし、溝
切り加工精度の低下や、装置の部品寿命を低下させると
いう問題がある。従って、本発明の目的は、加工ロール
とバックアップロールの滑りを抑制し、装置の部品寿命
および加工精度を向上させた内面溝付管製造装置を提供
することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は加工ロールとバ
ックアップロールの滑りを抑制し、装置の部品寿命およ
び加工精度を向上させるため、被加工管の被加工部の内
面に接触して位置する溝切り加工プラグと、被加工管の
軸と平行な複数の軸上でのみ接触するように構成され、
被加工管の被加工部に外周部に位置する複数の第１のロ
ール、および被加工管の被加工部の外面と複数の第１の
ロールの内側の間に形成される空間に位置する複数の第
２のロールを備え、複数の第１のロールの自転公転運動
によって複数の第２のロールが被加工管の被加工部を減
径するように自転公転し、被加工管の軸方向の移動によ
り溝切り加工プラグが回転することにより被加工管の被
加工部の内面に溝を形成するようにした内面溝付管製造
装置を提供する。

【００１２】

【作用】本発明の内面溝付管製造装置によると、第１の
ロールと第２のロールとをそれぞれ同一外径で形成され
た部分において線状に当接させることにより、接触部に
おける周速度の差の発生を防止する。

【００１３】

【実施例１】以下、本発明の内面溝付管製造装置を図面
を基に詳細に説明する。従来技術と同一の構成を有する
部分については同一の符号および引用数字を付している
ので、重複する説明を省略する。

【００１４】本発明の内面溝付管製造装置は、図１に示
されるように、円筒状の胴形状を有するバックアップロ
ール２０が加工ロール１２に直線的に当接している。本
実施例においてバックアップロール２０の接触幅は加工
ロール１２の直線部分に応じた長さを与えられている
が、加工ロール１２の幅より大なる幅を与えても良い。

【００１５】図２は、図１におけるＡ−Ａ断面を示し、
回転ヘッド（図示せず）が図中に示すＡ方向（時計方
向）に回転すると、バックアップロール２０と接してい
る加工ロール１２はこの回転に伴ってＢ方向（時計方
向）に回転しながら被加工管１の外周を時計回りにＣの
軌跡を描く。一方、シャフト１３に設けられるバックア
ップロール２０はＤの軌跡を描きながら、加工ロール１
２と反対方向、即ち、反時計方向にＡ’の軌跡で回転す
る。

【００１６】ここで、加工ロール１２の押圧量を増加さ
せる場合、バックアップロール２０を固定しているシャ
フト１３の調整機構を操作することによって被加工管１
の中心方向に移動させる。この調整機構によると、バッ
クアップロール２０は全てを同時に同量だけ移動するこ
とができるとともに、個々に移動量を調整することがで
きる。

【００１７】そのため、加工ロール１２の押圧力が高ま
り、その結果、被加工管１の内壁が溝切り加工プラグ７
に強く押し当てられる。

【００１８】このことによって、被加工管１は外周を線
状に押圧されるので、管内に設けられた溝切り加工プラ
グ７の突起７ａが所定の幅で押し当てられることによ
り、内壁に連続した溝１０を有する内面溝付管１１が形
成される。

【００１９】この溝切り加工時に、例えば、溝切り加工
プラグ７と被加工管１，被加工管１と加工ロール１２の
摺動部に生じる熱は、被加工管１に対して線接触してい
る加工ロール１２に伝達され、さらにバックアップロー
ル２０に伝達することによって効率的に放散されるの
で、放熱性の不足に基づく摺動部の摩耗の進行が抑制さ
れる。

【００２０】また、加工ロール１２とバックアップロー
ル２０とがそれぞれ同一外径で線状に接していることか
ら、周速度の差に基づく加工ロールの偏摩耗が防止され
るのでがたつき等の不具合が抑制されて部品寿命が向上
するとともに加工精度を向上させることができる。

【００２１】以上説明した実施例では、被加工中の被加
工管１が加工ロール１２をスラストベアリング１６の方
へ押し込む動きをするので、加工ロール１２がバックア
ップロール２０との接触関係から脱落することはない。
しかし、バックアップロール２０を図１の点線で示す形
状にすれば、加工ロール１２の脱落を完全に防ぐことが
できる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明の内面溝付管
製造装置によると、被加工管の被加工部の内面に接触し
て位置する溝切り加工プラグと、被加工管の軸と平行な
複数の軸上でのみ接触するように構成され、被加工管の
被加工部に外周部に位置する複数の第１のロール、およ
び被加工管の被加工部の外面と複数の第１のロールの内
側の間に形成される空間に位置する複数の第２のロール
を備え、複数の第１のロールの自転公転運動によって複
数の第２のロールが被加工管の被加工部を減径するよう
に自転公転し、被加工管の軸方向の移動により溝切り加
工プラグが回転することにより被加工管の被加工部の内
面に溝を形成するようにしたため、加工ロールとバック
アップロールの滑りが抑制され、装置の部品寿命および
加工精度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の内面溝付管製造装置の一実施例を示す
説明図である。

【図２】本発明の内面溝付管製造装置のＡ−Ａ断面にお
ける説明図である。

【図３】従来の内面溝付管製造装置を示す説明図であ
る。

【図４】従来の内面溝付管製造装置を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 被加工管 ２，１５ 回転ヘッド ３ 押さえリング ４ ボール ５，６ 引抜き部 ７ 溝切り加工プラ
グ ７ａ 突起 ８ フローティング
プラグ ９ タイロッド １０ 溝 １１ 内面溝付管 １２ 加工ロール １３ シャフト １４，２０ バックアッ
プロール １６ スラストベアリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被加工管の被加工部の内面に接触して位
   置し、内面溝に応じた溝切り部を外周に有する溝切り加
   工プラグと、 前記被加工管の被加工部の外周部に位置し、第１の円軌
   跡上で自転しながら公転する複数の第１のロールと、 前記被加工管の被加工部の外面と前記複数の第１のロー
   ルの内側の間に形成される空間に位置し、前記複数の第
   １のロールと接触することによってその回転力を受ける
   ことにより前記第１の円軌跡より小なる半径の第２の円
   軌跡上で自転しながら公転する複数の第２のロールを備
   え、 前記複数の第１のロールと前記複数の第２のロールは、
   前記被加工管の軸と平行な複数の軸上でのみ接触するよ
   うに構成されており、 前記複数の第１のロールの自転公転運動によって前記複
   数の第２のロールが前記被加工管の被加工部を減径する
   ように自転公転し、前記被加工管の軸方向の移動により
   前記溝切り加工プラグが回転することにより前記被加工
   管の被加工部の内面に溝を形成することを特徴とする内
   面溝付管製造装置。