JPH07166433A - 合成繊維の処理方法 - Google Patents

合成繊維の処理方法

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JPH07166433A
JPH07166433A JP31755893A JP31755893A JPH07166433A JP H07166433 A JPH07166433 A JP H07166433A JP 31755893 A JP31755893 A JP 31755893A JP 31755893 A JP31755893 A JP 31755893A JP H07166433 A JPH07166433 A JP H07166433A
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alcohol
acid
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秀夫 長原
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栄治 大坪
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裕之 寺澤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 紡糸後延伸前の段階において、イ.チオジプ
ロピオン酸と炭素数12〜20の一価分岐アルコールと
のジエステル化合物75〜85重量%、ロ.2個以上の
ヒドロキシル基を有する多価アルコール脂肪酸エステル
のエチレンオキサイド付加物、モノカルボン酸およびジ
カルボン酸からなり、かつエチレンオキサイド含量が2
0〜60重量%である非イオン活性剤3〜10重量%、
およびハ.炭素数8〜20のアルコールの燐酸化物と、
炭素数8〜20のアルキルアミンまたはアルキルアミン
エチレンオキサイド1〜10付加物との塩0.5〜5重
量%を必須成分とする処理剤を付与する。さらに非イオ
ン活性剤を成分の割合が15〜30重量%となるように
付与する。 【効果】 繊維を熱延伸および/または熱処理する際の
延伸性、耐熱性、潤滑性および極圧性にすぐれ、かつ延
伸時の糸切れ、毛羽の発生が少ないばかりか、柔軟性の
すぐれた繊維が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に産業用合成繊維を
製造する工程に適用される合成繊維の処理方法に関する
ものである。さらに詳しくは繊維製造時、とくに繊維を
熱延伸および/または熱処理する際の延伸性、耐熱性
(発煙性、ホットローラの汚れ)および極圧性にすぐ
れ、かつ延伸時の糸切れ、毛羽の発生が少ないばかり
か、柔軟性がすぐれ、しかも後加工工程において繊維機
能を十分発揮することができる処理繊維を提供すること
ができる合成繊維の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維の紡糸、延伸工程には種
々の処理剤が必要に応じて使用されてきたが、生産性お
よび品質向上のために、近年ますます紡糸、延伸速度が
速くなり、それに併ない延伸ローラなどの加熱体の温度
も高くなつていることから、合成繊維用処理剤には耐熱
性、極圧性および潤滑性などの生産工程における性能向
上が強く望まれている。
【0003】また、合成繊維用処理剤には、処理して得
られた高性能合成繊維の特性を十分に発揮しうる性能に
ついてもあわせて要求されている。
【0004】そして、従来の合成繊維用処理剤として
は、例えばチオジプロピオン酸エステルに、多価アルコ
ールエチレンオキサイド付加物のモノカルボン酸および
ジカルボン酸反応物を配合した組成物からなるものが、
特開平4−34074号公報により知られている。
【0005】上記特開平4−34074号公報に記載さ
れた合成繊維用処理剤は、具体的には(A)チオジプロ
ピオン酸と炭素数12〜18の一価アルコールとのジエ
ステル化合物75〜90重量%および(B)多価アルコ
ールエチレンオキサイド付加物エステルと、モノカルボ
ン酸およびジカルボン酸との反応物25〜10重量%と
からなり、この処理剤を使用することによって、熱延伸
および/または熱処理する際の発煙をなくし、熱処理後
の耐熱性を保持することを目的とするものである。
【0006】しかし、近年の技術の発展につれて、糸条
の延伸速度がより高速となったことから、例え上記特開
平4−34074号公報に記載された合成繊維用処理剤
を適用したとしても、熱処理温度が高くなった場合に
は、潤滑性および耐熱性が不十分であり、延伸時に糸切
れが多く発生し、熱ローラーの清掃周期が短くなって、
操業性が低下するというするという問題を生じていた。
【0007】一方、合成繊維用処理剤で処理された合成
繊維は、実際に使用される段階において、高性能化され
た繊維機能を十分発揮させるために、繊維の柔軟性が必
要とされるが、従来の合成繊維用処理剤で処理された合
成繊維は柔軟性が不十分であり、繊維の生産性および品
質向上の目的を十分に達成することができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点を解決するためになされたもので
あり、とくに繊維を熱延伸および/または熱処理する際
の延伸性、耐熱性(発煙性、ホットローラの汚れ)、潤
滑性および極圧性にすぐれ、かつ延伸時の糸切れ、毛羽
の発生が少ないばかりか、柔軟性がすぐれ、しかも後加
工工程において繊維機能を十分発揮することができる処
理繊維を提供することができる合成繊維の処理方法を確
立することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の合成繊維の処理方法は、熱可塑性合成繊
維を直接紡糸延伸法により製造するに際し、紡糸後延伸
前の段階において、 イ.チオジプロピオン酸と、炭素数12〜20の一価分
岐アルコールとのジエステル化合物75〜95重量%、 ロ.2個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール
脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、モノカル
ボン酸およびジカルボン酸からなり、かつエチレンオキ
サイド含量が20〜60重量%である非イオン活性剤3
〜10重量%、および ハ.炭素数8〜20のアルコールの燐酸化物と、炭素数
8〜20のアルキルアミンまたはアルキルアミンエチレ
ンオキサイド1〜10付加物との塩0.5〜5重量%を
必須成分とする処理剤を付与することを特徴とする。
【0010】また、紡糸後延伸前の段階において上記処
理剤(以下、第1処理剤と呼ぶ)を付与し、さらに延伸
終了後、繊維を巻き取るまでの段階において、2個以上
のヒドロキシル基を有する多価アルコール脂肪酸エステ
ルのエチレンオキサイド付加物、モノカルボン酸および
ジカルボン酸からなり、かつエチレンオキサイド含量が
20〜60重量%である非イオン活性剤を必須成分とし
て含有する処理剤(以下、第2処理剤と呼ぶ)を、繊維
に対し付与された全処理剤中に占める前記非イオン活性
剤成分の割合が15〜30重量%となるように付与する
ことをも特徴とする。
【0011】
【実施態様】本発明に係る合成繊維の処理方法につい
て、以下具体的に詳述する。
【0012】本発明に係る合成繊維の処理方法におい
て、繊維の実質延伸前に付与される第1処理剤は、上記
(イ)、(ロ)および(ハ)成分を特定の比率で含有す
ることによって、耐熱性にすぐれるため、合成繊維を加
熱処理する際における加熱ローラ上での発煙を少なく
し、かつ加熱体へのタールの付着が減少し、また、極圧
性にすぐれるため、走行糸条と金属ローラとの間に介在
する油膜切れを起こすことがなく、さらには、潤滑性に
すぐれるため、走行糸条と金属ローラ間の平滑性が良好
であることから、製糸性を向上させ、単糸切れや糸割れ
を生じることなく、高品質の合成繊維を得ることを可能
とする。
【0013】上記第1処理剤の(イ)成分は、チオジプ
ロピオン酸と、炭素数12〜20の一価分岐アルコール
とのジエステル化合物からなるが、ここで一価アルコー
ルとしてオレイルアルコールなどの不飽和アルコールを
用いる場合には、延伸ローラの汚れが著しく増大し、操
業性の低下を招くため好ましくない。
【0014】また、一価アルコールとしてラウリルアル
コールやステアリルアルコールなどの直鎖飽和アルコー
ルを用いる場合には、処理剤が固状となり、製糸工程や
後加工工程において接糸部への付着物が増加して、操業
性が低下するため好ましくない。
【0015】さらに、一価分岐アルコールの炭素数が1
2未満では、製糸工程における発煙が増加して作業環境
の悪化を招き、また20を越えると、処理剤の拡展性が
損なわれ、且つ糸条と延伸ローラとの摩擦が高くなっ
て、延伸性の低下、糸切れや毛羽の多発を生じ、操業性
が悪化するため好ましくない。
【0016】なお、炭素数12〜20の一価分岐アルコ
ールのなかでは、ジイソステアリルアルコール、ジラウ
リルアルコール、ジイソセチルアルコールなどが、好ま
しく使用される。
【0017】上記(イ)成分の全処理剤中に占める割合
は、75〜95重量%、好ましくは80〜90重量%で
ある。
【0018】上記(イ)成分の全処理剤中に占める割合
が75重量%未満では処理剤の拡展性が低下し、かつ糸
条と延伸ローラとの摩擦が高くなって、糸切れや毛羽発
生の原因となり、また95重量%を越えると、集束性が
低下して、延伸ローラーで糸割れを起し、操業性が悪化
するため好ましくない。
【0019】第1処理剤に含まれる(ロ)成分は、2個
以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール脂肪酸エ
ステルのエチレンオキサイド付加物、モノカルボン酸お
よびジカルボン酸からなり、かつエチレンオキサイド含
量が20〜60重量%の非イオン活性剤である。
【0020】この(ロ)成分の具体例としては、グリセ
リンモノステアレートのエチレンオキサイド付加物、硬
化ヒマシ油のエチレンオキサイド付加物、ヒマシ油のエ
チレンオキサイド付加物、ソルビトールのエチレンオキ
サイド付加物およびトリメチロールプロパンエチレンオ
キサイド付加物などが挙げられるが、なかでも好ましく
は硬化ヒマシ油のエチレンオキサイド付加物が用いられ
る。
【0021】上記(ロ)成分に付加されるエチレンオキ
サイドの量は、非イオン活性剤中に20〜60重量%、
好ましくは25〜55重量%となる割合である。エチレ
ンオキサイドの付加量が20重量%未満では、集束性が
不足して延伸ローラ上で糸切れが多発する傾向となり、
また60重量%を越えると、チオジプロピオン酸エステ
ル成分との相溶性が悪化し、第1処理剤の機能が低下す
るため好ましくない。
【0022】また、上記(ロ)成分におけるモノカルボ
ン酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エルカ酸およびイソステアリン酸など
が挙げられるが、なかでもステアリン酸およびオレイン
酸の使用が好ましい。
【0023】さらに、上記(ロ)成分におけるジカルボ
ン酸としては、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸お
よびドデカン酸などが挙げられるが、なかでもマレイン
酸およびアジピン酸の使用が好ましい。
【0024】上記(ロ)非イオン活性剤成分の全処理剤
中に占める割合は、3〜10重量%、好ましくは4〜9
重量%である。
【0025】上記(ロ)非イオン活性剤成分の全処理剤
中に占める割合が3重量%未満では延伸ローラー上で糸
割れを起して操業性が悪化し、また10重量%を越える
と、処理剤の耐熱性および湿潤性が低下して、延伸ロー
ラの清掃周期が短くなるばかりか、糸切れや毛羽発生が
多発して、操業性と糸品位が悪化する傾向となるため好
ましくない。
【0026】さらに、第1処理剤に含まれる(ハ)成分
は、炭素数8〜20のアルコールの燐酸化物と、炭素数
8〜20のアルキルアミンまたはアルキルアミンエチレ
ンオキサイド1〜10付加物との塩であり、上記(イ)
および(ロ)成分と併用することによって、繊維および
延伸ローラの汚れの洗浄を容易にするために機能する。
【0027】上記(ハ)成分における炭素数8〜20の
アルコ−ルとしては、オクチルアルコール、2−エチル
ヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアル
コール、イソセチルアルコール、オレイルアルコールお
よびイソエイコサノールなどが挙げられる。
【0028】ここで、アルコールの炭素数が8未満で
は、分子量が小さいため、製糸工程の熱により揮発して
発煙発生の原因となり、合成繊維の製造工程における環
境が悪化し、また20よりも大きくなると、極圧性が低
下して、延伸ローラーと糸条の摩擦が増大し、毛羽や糸
切れが多発する傾向となるため好ましくない。
【0029】また、上記(ハ)成分において、上記アル
コールの燐酸化物と共に塩を形成する炭素数8〜20の
アルキルアミンまたはアルキルアミンエチレンオキサイ
ド1〜10付加物のアルキルアミンとしては、オクチル
アミン、ドデシルアミン、ラウリルアミン、ラウリルモ
ノメチルアミン、オレイルアミンおよびジメチルステア
リルアミンなどが挙げられる。
【0030】ここで、アルキルアミンの炭素数が8未満
では、処理剤から発生する臭気が著しくなって製糸環境
の悪化を招き、また20を越えると、極圧性および潤滑
性が低下して、操業性が悪化するため好ましくない。
【0031】上記(ハ)成分において、アルキルアミン
のエチレンオキサイド付加物を使用する場合には、エチ
レンオキサイドの付加モル数が、1〜10モルであるこ
とが好ましい。
【0032】エチレンオキサイドの付加モル数が10モ
ルを超えると、アミンの塩基性が弱くなって、アミンの
使用量が増加することとなり、相対的にアルコールの燐
化合物の量が少なくなり、極圧性および潤滑性が低下し
て、操業性の悪化を招く傾向となるため好ましくない。
【0033】なお、リン化合物の金属塩、例えばナトリ
ウム塩およびカリウム塩などの使用は、これらが他の処
理剤成分との相溶性に劣ることから、延伸ローラ上に堆
積して、延伸ローラの清掃周期の短縮を招き、操業性を
低下させるため好ましくない。
【0034】上記(ハ)成分の全処理剤中に占める割合
は0.5〜5重量%が好ましく、0.5重量%未満で
は、処理剤の極圧性および潤滑性が低下し、かつ静電気
の発生が多くなって、延伸ローラの汚れ洗浄が困難とな
り、また5重量%を越えると、延伸ローラの汚れが増加
する傾向となるため好ましくない。
【0035】上記第1処理剤には、上記各成分(イ)、
(ロ)、(ハ)以外に、PH調整剤、制電防止剤、粘度
安定剤および極圧剤などの調整剤を必要に応じて追加混
合して用いることができるが、これらの調整剤などの添
加量は、処理剤全体に対して10重量%未満の範囲内と
することが望ましい。
【0036】上記第1処理剤を実質延伸前の繊維に付与
する方法としては、上記処理剤を非水系低粘度鉱物油で
希釈あるいは水で乳化しエマルジョン処理剤となすか、
または原液のままの処理剤を準備し、ローラー給油装置
あるいはガイド給油装置を用いて、実質延伸前の段階で
繊維に対し付与する方法が挙げられる。
【0037】本発明においては、かくして実質延伸前の
繊維に対し上記第1処理剤を付与し、次いで所望の熱延
伸および/または熱処理工程を施した後、巻き取ること
により、すぐれた製糸性のもとに、延伸工程で発煙、単
糸切れおよび糸割れなどの不具合を生じることなく、高
品質の合成繊維を得ることができる。
【0038】そして、好ましくは、延伸終了後、繊維を
巻き取るまでの段階において、2個以上のヒドロキシル
基を有する多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオ
キサイド付加物、モノカルボン酸およびジカルボン酸か
らなり、かつエチレンオキサイド含量が20〜60重量
%である非イオン活性剤を必須成分として含有する処理
剤(第2処理剤)を、繊維に対し付与された全処理剤中
に占める前記非イオン活性剤成分の割合が15〜30重
量%となるように付与することによって、一層高品質の
合成繊維を得ることができる。
【0039】ここで、上記第2処理剤が必須成分として
含有する非イオン活性剤は、上記第1処理剤における
(ロ)成分と同一であってもよく、また異なるものであ
ってもよい。
【0040】ようするに、非イオン活性剤は、合成繊維
に対し柔軟性を付与する機能を果たすものであるが、上
述したように、実質延伸前に施す第1処理剤中に占める
非イオン活性剤が多い場合には、処理剤の耐熱性および
湿潤性が低下して、延伸ローラの清掃周期が短くなるば
かりか、糸切れや毛羽発生が多発して、操業性と糸品位
が悪化する傾向となるため、その付与量が10重量%以
下に制限されることになり、得られる繊維の柔軟性がや
や不十分である。
【0041】また、合成繊維に柔軟性を付与するために
は、ポリエチレンワックス類、高分子量ポリプロピレン
オキサイド/ポリエチレンオキサイド共重合物および高
分子量シリコーン類などの処理剤の使用が有効であるこ
とが知られているが、これらの処理剤はいずれも上記第
1処理剤の各成分との相溶性が悪いことから、延伸終了
後、繊維を巻き取るまでの段階で合成繊維に付与したと
しても、繊維に対する付着性が劣り、繊維が容易に脱落
して作業環境を悪化させる傾向が強く、しかも繊維に対
し十分な、柔軟性を付与することができない。
【0042】そこで、本発明の方法においては、延伸終
了後、繊維を巻き取るまでのもはや高温熱処理を必要と
しない段階で、上記非イオン活性剤を必須成分とする第
2処理剤をさらに付与することによって、合成繊維に付
与された全処理剤中に占める上記非イオン活性剤の割合
を高め、一層望ましく柔軟化された合成繊維の取得が可
能となるのである。
【0043】しかして、本発明においては、上記非イオ
ン活性剤の単独あるいは他の平滑剤や活性剤との混合物
を、非水系低粘度鉱物油で希釈あるいは水で乳化しエマ
ルジョン処理剤となすか、または原液のままの第2処理
剤を準備し、これをローラー給油装置あるいはガイド給
油装置を用いて、延伸終了後巻き取るまでの段階で繊維
に対し付与するのが一層望ましいのである。
【0044】なお、上記のように第2処理剤を付与して
得られる合成繊維において、繊維に対し付与された全処
理剤中に占める前記非イオン活性剤成分の割合が15重
量%未満では繊維の後加工工程における柔軟性がいまだ
に不十分で、合成繊維としての機能を十分に発揮するこ
とができず、また30重量%を越えると、合成繊維の粘
着性が増加し、繊維の後加工工程においてガイドなどへ
の脱落付着物が多くなり、後加工工程の操業性が低下す
る傾向となるため好ましくない。
【0045】本発明の合成繊維の処理方法は、とくにナ
イロン、ポリエステルなどの熱可塑性合成繊維を材料と
する強度の高い産業資材用合成繊維の製造加工に適して
いる。
【0046】そして、上記したように、本発明の方法に
より処理して得られた合成繊維は、耐熱性、極圧性、潤
滑性および柔軟性がすぐれており、とくにタイヤコー
ド、シートベルト、重布、漁網、ロープ、およびVベル
トなどの各種産業用途に対し、好適に適用することがで
きる。
【0047】以下に実施例を挙げて、本発明の構成およ
び効果をさらに詳述する。
【0048】
【実施例】各実施例および各比較例における評価は、次
の方法で行い、表示した。
【0049】延伸性:ポリマーの重量で1トン分の合成
繊維を延伸する間に発生した糸切れ回数により示した。
【0050】発煙性:延伸時のホットローラーにおける
発煙状態を肉眼観察した。
【0051】○;発煙がない ×;発煙が多い。
【0052】ホットローラの汚れ:延伸時のホットロー
ラーにおける汚れの状態を肉眼観察した。
【0053】○;汚れがない ×;汚れが多い。
【0054】汚れの洗浄性:24時間延伸した後にホッ
トローラに堆積したタール状の汚れを、アルカリ洗浄剤
で拭き取った際の拭き取りやすさを確認した。
【0055】○;拭き取りやすい ×;拭き取りにくい。
【0056】臭気:延伸時にホットローラで発生する臭
気を機能評価した。
【0057】○;臭気を許容できる ×;臭気に不快感を覚える。
【0058】糸割れ:ホットローラ上での糸のバラケ度
合いを糸条幅のmmで表した。
【0059】処理剤脱落量:製糸した原糸を撚糸した
後、レピア織機にて製織した後の脱落物を観察した。
【0060】○;脱落物がほとんど認められない ×;脱落物が多く認められる。
【0061】柔軟性:上記脱落量判定で製織した織物に
ついての触感にて判定。
【0062】○;柔軟性良好 ×;柔軟性不良。
【0063】[実施例1〜3、比較例1〜5]1000
デニール、192フィラメントのポリエチレンテレフタ
レートを通常の方法で溶融紡糸し、得られた繊維に対し
表1に示した組成からなる処理剤をローラー給油法によ
り0.5重量%付与した後、巻き取ることなく、240
℃のホットローラーを用いる2段延伸により、全延伸倍
率5倍に熱延伸した。
【0064】
【表1】
【0065】上記の処理をして得られた各繊維につい
て、上記の評価を行ったところ、表2に示すような結果
が得られた。
【0066】表2の結果から明らかなごとく、実施例1
〜3は、比較例1〜5に比較して、延伸性、発煙性、ホ
ットローラの汚れ、汚れの取りやすさ、臭気および糸割
れが著しく向上している。
【0067】
【表2】
【0068】[実施例4〜5、比較例6〜12]100
0デニール、192フィラメントのポリエチレンテレフ
タレートを通常の方法で溶融紡糸し、得られた繊維に対
し表3に示した組成からなる処理剤をローラー給油法に
より0.5重量%付与した後、巻き取ることなく、24
0℃のホットローラーを用いる2段延伸により、全延伸
倍率5倍に熱延伸した。
【0069】
【表3】
【0070】上記の処理をして得られた各繊維につい
て、上記の評価を行ったところ、表4に示すような結果
が得られた。
【0071】なお、表4の比較例8は、処理剤の相溶性
が不良のため、評価不能であった。
【0072】表4の結果から明らかなごとく、本発明に
係る実施例4〜5は、比較例6,10、11に比較して
耐熱性が、比較例7、9に比較して延伸性が、比較例1
0に比較して臭気が少ない。
【0073】
【表4】
【0074】[実施例6〜9、比較例13〜17]10
00デニール、192フィラメントのポリエチレンテレ
フタレートを通常の方法で溶融紡糸し、得られた繊維に
対し表5に示した組成からなる第1処理剤A〜C(処理
剤の種類は表7参照)を、ローラー給油法によりそれぞ
れ0.4重量%付与した後、巻き取ることなく、240
℃のホットローラーを用いる2段延伸により、全延伸倍
率5倍に熱延伸した。
【0075】次に、上記延伸後巻き取る前の段階にある
繊維に対し、表6に示した組成からなる第2処理剤D〜
J(処理剤の種類は表7参照)を、ローラー給油法によ
りそれぞれ0.3重量%付与した後、巻き取った。
【0076】この場合には、延伸性、発煙性および汚れ
の洗浄性がすぐれ、しかもホットローラの汚れ、臭気お
よび糸割れを起こすことなく、良好に延伸することがで
きた。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】次いで、得られた各繊維をレピア織機で製
織し、撚糸工程と製織機上での処理剤脱落物を観察する
と共に、得られた織物の柔軟性を評価した結果を表7に
合わせて示す。
【0080】
【表7】
【0081】表7の結果から明らかなごとく、本発明に
係る実施例6〜9は、比較例13〜17に比較して、最
終的に得られた繊維の性能における処理剤の脱落が少な
く、柔軟性がはるかにすぐれている。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる合
成繊維の処理方法によれば、とくに繊維を熱延伸および
/または熱処理する際の延伸性、耐熱性(発煙性、ホッ
トローラの汚れ)、潤滑性および極圧性にすぐれ、かつ
延伸時の糸切れ、毛羽の発生が少ないばかりか、柔軟性
のすぐれた合成繊維を得ることができる。
【0083】また、合成繊維の生産性が向上するだけで
はなく、十分な柔軟性が付与されることから、後加工工
程におけるすぐれた繊維機能を十分に発揮することがで
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成繊維を直接紡糸延伸法によ
    り製造するに際し、紡糸後延伸前の段階において、 イ.チオジプロピオン酸と、炭素数12〜20の一価分
    岐アルコールとのジエステル化合物75〜95重量%、 ロ.2個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール
    脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、モノカル
    ボン酸およびジカルボン酸からなり、かつエチレンオキ
    サイド含量が20〜60重量%である非イオン活性剤3
    〜10重量%、および ハ.炭素数8〜20のアルコールの燐酸化物と、炭素数
    8〜20のアルキルアミンまたはアルキルアミンエチレ
    ンオキサイド1〜10付加物との塩0.5〜5重量%を
    必須成分とする処理剤を付与することを特徴とする合成
    繊維の処理方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性合成繊維を直接紡糸延伸法によ
    り製造するに際し、紡糸後延伸前の段階において、 イ.チオジプロピオン酸と、炭素数12〜20の一価分
    岐アルコールとのジエステル化合物75〜85重量%、 ロ.2個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール
    脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、モノカル
    ボン酸およびジカルボン酸からなり、かつエチレンオキ
    サイド含量が20〜60重量%である非イオン活性剤3
    〜10重量%、および ハ.炭素数8〜20のアルコールの燐酸化物と、炭素数
    8〜20のアルキルアミンまたはアルキルアミンエチレ
    ンオキサイド1〜10付加物との塩0.5〜5重量%を
    必須成分とする処理剤を付与し、 さらに延伸終了後、繊維を巻き取るまでの段階におい
    て、 2個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール脂肪
    酸エステルのエチレンオキサイド付加物、モノカルボン
    酸およびジカルボン酸からなり、かつエチレンオキサイ
    ド含量が20〜60重量%である非イオン活性剤を必須
    成分として含有する処理剤を、繊維に対し付与された全
    処理剤中に占める前記非イオン活性剤成分の割合が15
    〜30重量%となるように付与することを特徴とする合
    成繊維の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100408385B1 (ko) * 1995-08-01 2004-04-14 칫소가부시키가이샤 내구친수성섬유,직물및성형품

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