JP3089764B2 - 合成繊維用処理剤 - Google Patents

合成繊維用処理剤

Info

Publication number
JP3089764B2
JP3089764B2 JP30964491A JP30964491A JP3089764B2 JP 3089764 B2 JP3089764 B2 JP 3089764B2 JP 30964491 A JP30964491 A JP 30964491A JP 30964491 A JP30964491 A JP 30964491A JP 3089764 B2 JP3089764 B2 JP 3089764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic fiber
weight
yarn
treating agent
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP30964491A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05148756A (ja
Inventor
秀夫 長原
栄治 大坪
正憲 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP30964491A priority Critical patent/JP3089764B2/ja
Publication of JPH05148756A publication Critical patent/JPH05148756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3089764B2 publication Critical patent/JP3089764B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成繊維用処理剤に関
するものである。詳しくは、産業用途、とくにエアバッ
クなどの高強力布帛用の高強力合成繊維用処理剤に関す
るものであり、さらに詳しくは、高強力合成繊維の製糸
性および該合成繊維をウォータージェットルームを用い
て織成するなどの製織工程における製織性を向上し得る
合成繊維用処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、チオジプロピオン酸エステルとヒ
マシ油、もしくは硬化ヒマシ油にエチレンオキサイド付
加物を配合した組成物からなる合成繊維用処理剤を合成
繊維に付与することは、例えば特開昭54−14721
4号公報に記載されている。
【0003】前記特開昭54−147214号公報に記
載された合成繊維用処理剤の場合は、耐熱性にすぐれ、
該処理剤が付与された合成繊維は製糸性を向上し、高倍
率延伸を可能として高強力糸が得られると共に、合成繊
維の製造工程における発煙も少なく、作業環境を向上す
ることのできるものである。
【0004】一方、合成繊維の製糸性を向上する方法と
して、合成繊維を形成する各単糸を交絡することが特公
昭36−12230号公報により知られている。
【0005】本発明者らは、合成繊維の製造工程におい
て、前記の特開昭54−147214号公報に記載され
た合成繊維用処理剤を付与すると共に、前記の特公昭3
6−12230号公報に記載された記載された各単糸の
交絡技術を兼用することによって、より製糸性が向上
し、高倍率延伸が可能となり、高強力糸が得られるかど
うかについて試みた。
【0006】しかしながら、前記の特開昭54−147
214号公報に記載された合成繊維用処理剤と、前記の
特公昭36−12230号公報に記載された技術との双
方を併合しても、各々の作用効果を兼ね備えた合成繊維
を得ることができないことが判った。
【0007】その最大の理由の一つは、前記の特開昭5
4−147214号公報に記載された合成繊維用処理剤
が付与された合成繊維は、各単糸の交絡性および交絡保
持性が悪く、これは前記特公昭36−12230号公報
に記載の交絡効果が十分に発揮されないことに起因する
ことが判った。
【0008】さらにその原因を追及した結果、各単糸間
の摩擦係数が低いために、交絡効果が不十分であること
が判明した。
【0009】また、別の欠点として、前記特開昭54−
147214号公報に記載された合成繊維用処理剤を用
いた場合、加熱ローラーの表面にタールが付着し、長時
間安定した操業を行うことができないという問題が生じ
た。さらに、特開昭54−147214号公報に記載さ
れた合成繊維用処理剤の場合、水との相溶性が悪いた
め、水と接するとスカムが発生するという問題点が見出
され、この処理剤を適用した合成繊維は、ウォータージ
ェットルームで製織する用途には不適切であることが判
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、合成
繊維の各単糸間の摩擦係数を高くし、各単糸の交絡性お
よび交絡保持性がすぐれ、かつ耐熱性、平滑性および糸
と金属ローラーとの平滑性がよく、さらに加熱ローラー
の表面にタールが堆積され難く、長時間安定した操業を
行うことのできる合成繊維用処理剤を提供することにあ
る。
【0011】上記特性を有する合成繊維用処理剤を適用
した合成繊維は、製糸工程における糸切れ、単糸切れが
少なく、品位の良い高強力糸が得られる。そして、上記
特性を有する合成繊維用処理剤が適用された合成繊維
は、例えばウォータージェットルーム製織する際に、合
成繊維に付着されている処理剤によるスカムが発生せ
ず、容易に水に溶解するため、製織が極めてスムーズに
行われる。
【0012】本発明のさらに他の目的は、合成繊維を製
織した後の精練工程で脱油する際に、効率よく脱油する
ことの可能な合成繊維用処理剤を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の本発明の合成繊維用処理剤は、分子量が
600〜1000でアルキレンオキサイドを含有しない
二価脂肪酸エステル合物(A)、分子量が600〜10
00でエチレンオキサイドを20〜50重量%含有する
二価脂肪酸エステル合物(B)、分子量が1000〜5
000のポリエーテル系高分子活性剤(C)および分子
量が600〜1000でエチレンオキサイドを25〜5
5重量%含有するPEGエステル化合物(D)を、前記
(A)が15〜50重量%、前記(B)が15〜50重
量%、前記(C)が5〜20重量%、前記(D)が20
〜40重量%の範囲で混合して得られた混合物が90重
量%以上を占めることを特徴とする。
【0014】
【実施態様】本発明に係る合成繊維用処理剤について、
以下具体的に詳述する。
【0015】本発明に係る合成繊維用処理剤は、分子量
が600〜1000でアルキレンオキサイドを含有しな
い二価脂肪酸エステル合物(A)15〜50重量%、分
子量が600〜1000でエチレンオキサイドを20〜
50重量%含有する二価脂肪酸エステル合物(B)15
〜50重量%、分子量が1000〜5000のポリエー
テル系高分子活性剤(C)5〜20重量%および分子量
が600〜1000でエチレンオキサイドを25〜55
重量%含有するPEGエステル化合物(D)20〜40
重量%の混合物を、90重量%以上の主成分として含有
するものである。
【0016】前記アルキレンオキサイドを含有しない二
価脂肪酸エステル化合物(A)(以下、化合物(A)と
いう)は、分子量が600〜1000二価エステルであ
るが、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグライ
コール、ネオペンチルグライコールオキシピバレートな
どと、一塩基酸、例えばオレイン酸、エルシン酸、イソ
ステアリン酸、ラウリン酸、オクチル酸などとのエステ
ル、ジオレイルアジペート、ジイソステアリルアジペー
ト、ジオクチルアジペートなどのアジビン酸エステル、
ジオレイルセバケート、ジオクチルセバケートなどのセ
バシン酸エステル、ジオレイルチオジプロピオネート。
ジオクチルプロピオネートなどのチオジプロピオネート
酸エステルが好ましく用いられる。
【0017】前記化合物(A)の分子量が600以下に
なると、合成繊維用処理剤を付与した合成繊維の極圧性
が低く、製糸性が低下して合成繊維を高倍率延伸できな
くなり、7g/d以上を有する高強力の合成繊維を得る
ことができない。また、分子量が1000を越えると、
延伸ローラーなどとの摩擦、すなわち対金属摩擦が高く
なり、高倍率延伸によるローラー表面と合成繊維の各単
糸との摺動が円滑に行われなくなって、単糸切れが生じ
やすい。すなわち、分子量を600〜1000とするこ
とによって、製糸性を安定させて高倍率延伸を施すこと
が可能となり、高強力の合成繊維を得ることができる。
【0018】また、本発明で使用される分子量が600
〜1000でエチレンオキサイドを含有する二価脂肪酸
エステル合物(B)(以下、化合物(B)という)とし
ては、ジオクチルアルコールEO3 アジペート、ジラウ
リルアルコールEO3 アジペートおよびジオレイルアル
コールEO3 アジペートなどのアジピン酸エステル、な
らびにセバチン酸エステル、ジオクチルアルコールEO
3 チオジプロピオネートジラウリルアルコールEO3
オジプロピオネートおよびジオレイルアルコールEO3
チオジプロピオネートなどのチオジプロピオン酸エステ
ルなどが挙げられる。
【0019】また、この化合物(B)は、エチレンオキ
サイドを含有することが必須であり、エチレンオキサイ
ドの含有量が20重量%未満の場合、製織工程において
処理剤成分と水とが混ざった際に粘度が高くなり、この
混合物の処理が困難となる。一方、化合物(B)中のエ
チレンオキサイドの含有量が50重量%をこえると、合
成繊維用処理剤を付与した合成繊維の極圧性が低く、製
糸性が低下して合成繊維を高倍率延伸できなくなり、得
られた合成繊維を7g/d以上の高強力とすることが困
難である。したがって、化合物(B)中のエチレンオキ
サイドの含有量は20〜50重量%の範囲内とする。好
ましくは30〜45重量%である。
【0020】ポリエーテル系高分子活性剤(C)(以
下、活性剤(C)という)は、分子量が1000〜50
00、好ましくは2000〜3000である。
【0021】活性剤(C)の分子量が1000未満の場
合、合成繊維を高倍率延伸する際に発煙が多く、環境を
著しく悪化すると共に、延伸ローラーなどの加熱体の表
面の汚れが生じやすく、この汚れによって延伸中の合成
繊維の単糸切れおよび糸切れを生じ、高強力の合成繊維
を円滑に得ることが困難となる。
【0022】一方、活性剤(C)の分子量が5000を
越えると、合成繊維用処理剤を合成繊維に付与した際
に、合成繊維の表面における処理剤の拡展性が小さく、
処理剤の付着斑を生じやすくなる。したがって、合成繊
維用処理剤の付着量が少ない部分において単糸切れ、糸
切れおよび単糸の分離が発生しやすく、製糸性が悪く、
得られた合成繊維の品質も均一とならない。
【0023】前記活性剤(C)は、例えば高級アルコー
ルアルキレンオキサイド付加物および多価アルコールア
ルキレンオキサイド付加物から選ばれた化合物にモノカ
ルボン酸および/またはジカルボン酸を反応して得られ
る非イオン活性剤である。
【0024】前記多価アルコールのエチレンオキサイド
付加物としては、例えば多価アルコールにアルキレンオ
キサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドなど)を付加したものであっ
て、例えば硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、ヒ
マシ油エチレンオキサイド付加物、ソルビトールエチレ
ンオキサイド付加物およびトリメチロールプロパンエチ
レンオキサイド付加物などが挙げられる。なかでも好ま
しくは硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、ソルビ
トールエチレンオキサイド付加物または高級アルコール
アルキレンオキサイド付加物である。
【0025】前記モノカルボン酸としては、例えばカプ
ロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸およびイソステアリン酸などが挙
げられるが、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸およびイソステアリン酸である。
【0026】前記ジカルボン酸としては、マレイン酸、
アジピン酸、チオジプロピオン酸、セバチン酸、ドデカ
ン酸およびブラシル酸などが挙げられるが、好ましくは
マレイン酸、アジピン酸およびプロピオン酸である。
【0027】活性剤(C)におけるアルキレンオキサイ
ドの含量は、40〜70重量%が好ましく、アルキレン
オキサイドの含量が40重量%未満の場合は、低分子で
炭化水素の割合が増えることにより、合成繊維を高倍率
熱延伸する際に、熱ローラーなどの加熱体の表面の汚れ
発生が著しく、また発煙量も多くなる。
【0028】一方、活性剤(C)におけるアルキレンオ
キサイドの含量が70重量%を越えると、合成繊維と延
伸ローラーとの摩擦、すなわち対金属摩擦が高くなって
合成繊維を高倍率延伸できなくなり、したがって合成繊
維を高強力とすることができない。
【0029】前記PEGエステル化合物(D)(以下、
化合物(D)という)は、分子量が600〜1000で
あり、分子量が600未満の場合は合成繊維を高倍率熱
延伸する際に発煙が多く、環境を著しく悪化すると共
に、延伸ローラーなどの加熱体の表面の汚れが生じやす
く、この汚れによって延伸中の合成繊維の単糸切れおよ
び糸切れを生じ、高強力の合成繊維を得ることができな
い。
【0030】一方、化合物(D)の分子量が1000を
越えると、合成繊維の各単糸間同士、すなわち単糸と単
糸との摩擦が低くなって交絡性が低下すると共に、交絡
保持性が低く、製織工程において単糸切れした単糸の端
部が製織された基布の表面に突出し、この基布にエラス
トマーを塗布した際に前記単糸端部の突出部分にエラス
トマーが多く付着するため、その周辺部は逆に薄くなっ
たり、また単糸端部が突出した部分の影の部分にエラス
トマーが存在しなくなることがあり、このようなエラス
トマーコーティング布帛をエアーバックに用いた場合
に、折り畳まれた布帛を膨脹空気で急激に拡開する際に
一部が破裂するなどの障害を生じ、エアーバックとして
の機能を満足し得ないものとなる。
【0031】前記化合物(D)におけるモノカルボン酸
としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ラウリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびイ
ソステアリン酸などが挙げられ、なかでもラウリン酸お
よびオレイン酸が好ましく用いられる。
【0032】前記化合物(D)におけるエチレンオキサ
イドの含量は、25〜55重量%の範囲が好ましく、エ
チレンオキサイドの含量が25重量%未満の場合は、熱
延伸する際に加熱体の表面の汚れが著しく、また発煙も
多くなるため好ましくない。
【0033】一方、前記化合物におけるエチレンオキサ
イドの含量が55重量%を越えると、合成繊維と延伸ロ
ーラとの摩擦が高くなり、合成繊維を高倍率延伸するこ
とができなくなるため好ましくない。
【0034】本発明の合成繊維用処理剤の主成分を構成
する混合物における前記化合物(A)、化合物(B)、
活性剤(C)および化合物(D)の配合比は、前記
(A)が15〜50重量%、前記(B)が15〜50重
量%、前記(C)が5〜20重量%、前記(D)が20
〜40重量%の範囲内である。
【0035】前記混合物における化合物(A)と化合物
(B)の配合割合が50重量%未満になると、合成繊維
を高倍率延伸する際に、合成繊維の表面と延伸ローラー
との摩擦、すなわち対金属摩擦が高くなり、合成繊維の
高倍率延伸が円滑に行われず、単糸切れが生じやすくな
ると共に、高強力の合成繊維を得ることができない。
【0036】一方、前記混合物における化合物(A)と
化合物(B)の配合割合が65重量%を越えると、合成
繊維の交絡性および交絡保持性が悪くなって、延伸中に
糸割れを生じると共に、製織工程において得られる布帛
の表面に単糸切れした単糸の端部が突出し易くなり、高
品質の布帛を得ることが困難となる。
【0037】前記混合物における活性剤(C)の配合割
合が5重量%未満の場合、合成繊維の延伸工程で糸割
れ、単糸切れによる毛羽の発生、糸切れを生じやすく、
高品質の高強力合成繊維を得ることができない。
【0038】一方、前記混合物における活性剤(C)の
配合割合が20重量%を越えると、合成繊維の単糸と単
糸との摩擦が低くなって交絡性が低下すると共に、交絡
保持性が低く、製織工程において単糸切れした単糸の端
部が突出し、高品位の布帛を得ることができない。
【0039】前記混合物における化合物(D)の配合割
合が20重量%未満の場合、合成繊維の単糸と単糸との
摩擦が低くなって交絡性および交絡保持性が低く、延伸
時に生じた単糸切れが製織工程で得られた布帛の表面に
突出し、高品位の布帛を得ることができない。
【0040】一方、前記混合物における化合物(D)の
配合割合が40重量%を越えると、合成繊維を高倍率延
伸することができなく、単糸切れ、糸切れが多くなる。
【0041】前記のように、混合物における化合物
(A)、化合物(B)、活性剤(C)および化合物
(D)の混合比率は、製糸性および製織後の布帛の品質
に大きく影響する。
【0042】前記混合物は合成繊維用処理剤の主成分で
あり、合成繊維用処理剤全体の90重量%以上を占める
ようにすることによって、合成繊維の製糸性および得ら
れた合成繊維の製織性を維持し、混合物に含まれる化合
物(A)、化合物(B)、活性剤(C)および化合物
(D)を形成する各配合物の作用を十分に発揮させる。
【0043】本発明に係る合成繊維用処理剤を繊維に付
与する方法としては、非水系油剤、あるいは水で乳化し
エマルジョン処理剤となし、ローラーあるいはガイド給
油装置を用いて紡糸工程あるいは延伸工程で付与する方
法がある。
【0044】本発明に係る合成繊維用処理剤は極圧性、
潤滑性、耐熱性にすぐれており、繊維の製造工程および
/または加工工程で付与されるが、とくにナイロン、ポ
リエステルなどの強度の高い産業資材用合成繊維に適す
る。
【0045】
【実施例】各実施例および各比較例における評価は、次
の方法で行い、表示した。
【0046】延伸性:ポリマーの重量で1トン分のナイ
ロン66フィラメントを延伸する間に発生した糸切れ回
数により示した。 原糸品位:毛羽の発生状況を肉眼で観察した。 ○;毛羽の発生がほとんどない ×;毛羽の発生が多い 発煙性:延伸時のホットローラーにおける発煙状態を肉
眼観察した。 ○;発煙がない △;発煙がほとんどない ×;発煙が多い 汚れ:延伸時のホットローラーにおける汚れの状態を観
察した。 ○;汚れがない △;汚れがほとんどない ×;汚れが多い 糸−糸間の摩擦: ○;摩擦係数0.26以上 △;摩擦係数0.25〜0.26 ×;摩擦係数0.25以下 交絡性:無撚の糸に100gの荷重を加えたピンを引掛
け、ピンが移動した距離により交絡性を算出する。 製織性:製織効率で判断。95%以上を良とする。 油剤の脱落性:水への浸漬前後の残指率で判断。水に浸
漬して落ちやすいものを良とする。
【0047】実施例1,2、比較例1〜4 840デニール、132フィラメントのナイロン66フ
ィラメントを通常の方法で溶融紡糸し、得られた糸条に
表1の組成からなる処理剤をローラー給油法により糸条
に対し、1重量%付与した後、巻き取ることなく200
℃で延伸倍率5倍に、ホットローラーを用いて多段熱延
伸した。
【0048】表1における処理剤成分の各記号の詳細は
下記に示した通りである。 A1……ジオレイルアジペート A2……ジオレイルチオジプロピオン酸エステル A3……2エチルヘキシルパルミテート A4……チオジプロピオン酸エステル B1……ジオクチルアルコールEO2 アジペート B2……ジラウリルアルコールEO3 チオジプロピオン
酸エステル C1……硬化ヒマシ油EOA分子量2000 C2……ソルビトールEOA分子量850 D1……PEG400ジラウレート D2……PEG200ジオレート D3……PEG600ジオレート
【0049】
【表1】
【0050】上記評価を行ったところ、表2に示すよう
な結果が得られた。表2から明らかなごとく、実施例
1,2は比較例1〜4に比較して著しく延伸性、交絡
性、水への脱落性が向上するという効果を有する。
【0051】
【表2】
【0052】実施例3,4、比較例5〜8 840デニール、132フィラメントのナイロン66フ
ィラメント糸を、通常の方法で溶融紡糸し、得られた糸
条に表3の組成からなる処理剤をローラー給油法により
繊維に対し、1重量%付与した後、巻き取ることなく2
00℃で延伸倍率5倍に、ホットローラーを用いて多段
熱延伸した。繊維に対する処理剤付着量は1.0重量%
であった。延伸時のホットロラーでの発煙性、ホットロ
ーラーの汚れ状態、延伸性(延伸時の糸切れ回数)など
を測定した。
【0053】表3における処理剤成分の各記号の詳細は
下記に示した通りである。 A5……ジイソステアリルアルコールチオジプロピオン
酸エステル A6……オレイルオレート B2……ジラウリルアルコールEO3 チオジプロピオン
酸エステル B3……ジイソステアリルアルコールEO3 チオジプロ
ピオン酸エステル C2……ソルビトールEOA分子量850 C3……硬化ヒマシ油EOA分子量1300 C4……硬化ヒマシ油EOA分子量2000アジピン
酸、ステアリン酸エステル D4……PEG400ジオレート D5……PEG200ジラウレート D6……PEG600モノラウレート
【0054】
【表3】
【0055】上記評価を行ったところ、表4に示すよう
な結果が得られた。表4から明らかなごとく、本発明に
係る実施例3,4は比較例5に比較して延伸性、水への
脱落性がすぐれ、比較例6に比較して交絡性、耐熱性が
すぐれ、比較例8に比較して延伸性、延伸時の毛羽減少
にすぐれている。
【0056】
【表4】
【0057】実施例5,6、比較例9〜12 840デニール、132フィラメントのナイロン66フ
ィラメント糸を通常の方法で溶融紡糸し、得られた糸条
に表5の組成からなる処理剤をローラー給油法により繊
維に対し、1重量%付与した後、巻き取ることなく20
0℃で延伸倍率5倍に、ホットローラーを用いて多段熱
延伸した。繊維に対する処理剤付着量は1.0重量%で
あった。延伸時のホットロラーでの発煙性、ホットロー
ラーの汚れ状態、延伸性(延伸時の糸切れ回数)を測定
した。
【0058】表5における処理剤成分の各記号の詳細は
下記に示した通りである。 A2……ジオレイルチオジプロピオン酸エステル A5……ジイソステアリルアルコールチオジプロピオン
酸エステル B4……ジラウリルアルコールEO2 アジペート B5……ジオクチルアルコールEO3 チオジプロピオン
酸エステル C1……硬化ヒマシ油EOA分子量2000 C6……硬化ヒマシ油EOA分子量2500チオジプロ
ピオン酸エステル D4……PEG200ジオレート D5……PEG200ジラウレート D7……PEG300ジラウレート
【0059】
【表5】
【0060】上記評価を行ったところ、表6に示すよう
な結果が得られた。表6から明らかなごとく、本発明に
係る実施例5,6は比較例11に比較して交絡性、製織
性、水への脱落性にすぐれ、比較例12に比較して延伸
性、発煙性、延伸時の毛羽減少にすぐれている。
【0061】
【表6】
【0062】
【発明の効果】本発明の合成繊維用処理剤を付与するこ
とにより、糸〜金属間の動摩擦係数減少および耐熱性向
上がはかれるため、製糸時の糸切れを減らすことがで
き、また各単糸間の摩擦係数を高くし、各単糸の交絡性
および交絡保持性を高めている。さらに、ウォータージ
ェットルーム製織工程では、合成繊維に付着されている
処理剤によるスカムが発生せず、容易に水に溶解するた
め、製織がスムーズに行われ、製織効率を著しく高める
ことができる。
【0063】すなわち、本発明に係る合成繊維用処理剤
は、原糸強度7g/d以上の高強力の合成繊維を得る際
に糸切れがなく、高倍率延伸が可能な高強力繊維を得る
製糸性および製織性にすぐれた効果を奏すると共に、単
糸の飛び出しがない高品質の産業用布帛、とくにエアバ
ック用基布が得られるというすぐれた効果をも奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−30931(JP,A) 特開 昭54−147214(JP,A) 特開 昭63−295763(JP,A) 特開 昭53−31898(JP,A) 特公 昭48−32315(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/224 D06M 15/53

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量が600〜1000でアルキレンオ
    キサイドを含有しない二価脂肪酸エステル合物(A)、
    分子量が600〜1000でエチレンオキサイドを20
    〜50重量%含有する二価脂肪酸エステル合物(B)、
    分子量が1000〜5000のポリエーテル系高分子活
    性剤(C)および分子量が600〜1000でエチレン
    オキサイドを25〜55重量%含有するPEGエステル
    化合物(D)を、前記(A)が15〜50重量%、前記
    (B)が15〜50重量%、前記(C)が5〜20重量
    %、前記(D)が20〜40重量%の範囲で混合して得
    られた混合物が90重量%以上を占めることを特徴とす
    る合成繊維用処理剤。
JP30964491A 1991-11-26 1991-11-26 合成繊維用処理剤 Expired - Lifetime JP3089764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30964491A JP3089764B2 (ja) 1991-11-26 1991-11-26 合成繊維用処理剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30964491A JP3089764B2 (ja) 1991-11-26 1991-11-26 合成繊維用処理剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05148756A JPH05148756A (ja) 1993-06-15
JP3089764B2 true JP3089764B2 (ja) 2000-09-18

Family

ID=17995527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30964491A Expired - Lifetime JP3089764B2 (ja) 1991-11-26 1991-11-26 合成繊維用処理剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3089764B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011162073A1 (ja) * 2010-06-24 2011-12-29 松本油脂製薬株式会社 エアバッグ用合成繊維処理剤、エアバッグ用合成繊維フィラメントおよびエアバッグ用基布
JP6619336B2 (ja) * 2014-06-06 2019-12-11 松本油脂製薬株式会社 合成繊維用処理剤及びその利用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05148756A (ja) 1993-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3089764B2 (ja) 合成繊維用処理剤
JP3089763B2 (ja) 合成繊維用処理剤
JP3856617B2 (ja) 仮撚加工用ポリエステル繊維
JP3089895B2 (ja) 合成繊維用処理剤
JP2003020566A (ja) ポリアミド繊維
JP3099472B2 (ja) 合成繊維用処理剤
JPH08269870A (ja) エアーバッグ用ポリエステルマルチフィラメント糸及びエアーバッグ用ポリエステル織物の製造方法
JP2007247120A (ja) 織物用極細ポリアミドフィラメント繊維
JPH11124772A (ja) スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント
JPH05148767A (ja) 合成繊維用処理剤
JPH05148764A (ja) 合成繊維用処理剤
JPH05148763A (ja) 合成繊維用処理剤
JP2000017573A (ja) 合成繊維用処理剤および合成繊維
JPH0127195B2 (ja)
JPH07173768A (ja) 合成繊維用処理剤
JP3510744B2 (ja) シートベルト用原着ポリエステル繊維
JP3132271B2 (ja) 合成繊維の処理方法
JPS5926547A (ja) ポリアミドフイラメント平織物
JPH0784707B2 (ja) 無撚無糊織物経糸用の油剤組成物および該油剤組成物を用いる高速製糸方法
JP3909265B2 (ja) 合成繊維の延伸仮撚加工方法
JP2005029936A (ja) ポリエステル系複合繊維
US7579047B2 (en) Lubricant and soil release finish for textured yarns, methods using same and fabrics produced therefrom
JP2983397B2 (ja) シートベルト用合成繊維
JP2901815B2 (ja) ポリエステルシボ織物の製造方法
JP2948022B2 (ja) 産業資材織物用合成繊維

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 10