JPH07166148A - 可溶性ポリイミドを用いた接着方法 - Google Patents

可溶性ポリイミドを用いた接着方法

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JPH07166148A
JPH07166148A JP5317798A JP31779893A JPH07166148A JP H07166148 A JPH07166148 A JP H07166148A JP 5317798 A JP5317798 A JP 5317798A JP 31779893 A JP31779893 A JP 31779893A JP H07166148 A JPH07166148 A JP H07166148A
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Japan
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polyimide
group
solvent
soluble
dianhydride
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JP5317798A
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English (en)
Inventor
Wataru Yamashita
渉 山下
Yuichi Okawa
祐一 大川
Masaji Tamai
正司 玉井
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶剤に可溶で、しかも熱可塑性であるポリイ
ミドを汎用の有機溶剤に溶解してポリイミドワニスと
し、耐熱性接着剤として使用する接着方法を提供する事
にある。 【構成】次式(1) (式中、m、nはそれぞれ独立して0または1の整数で
あり、Rはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、
および特定の芳香環、アルキル基等を示し、Arは炭素
数6〜27である特定の芳香族基を示す。)である可溶
性でなおかつ熱可塑性のポリイミドを用いた接着方法。 【効果】 本発明において用いられるポリイミドは、従
来公知のポリイミドに比べて高度の溶剤可溶性を有する
ため、ポリイミドワニス接着剤としての利用が可能であ
り、耐熱性、機械的強度を必要とする各種高性能材料の
接着剤、接着方法として非常に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は可溶性ポリイミドを用い
た接着方法に関する。更に詳しくは、溶剤に可溶で、し
かも熱可塑性を有するポリイミドを用いて接着する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス、航空宇宙機器、輸送
機器などの分野に用いられる各種高性能材料の接着剤と
して、従来より多くの有機合成高分子からなる耐熱性接
着剤が知られており、これらの内で耐熱性に優れたもの
としてはポリベンズイミダゾール系、ポリイミド系の接
着剤が開発されている。
【0003】特に、ポリイミド系の耐熱性接着剤とし
て、耐熱性及び接着力共に優れているものとしてUSP
4,065,345等が知られている。しかしながら、
これらのポリイミド系耐熱性接着剤は、優れた耐熱性、
接着性を有してるものの、その接着には高温・高圧、い
わゆるホットメルトの条件が必要であり、実際にはポリ
イミドフィルムを接着面に挿入して用いる方法、あるい
はポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の有機溶剤ワ
ニスを用いて接着面に塗布した後加熱によりイミド化
し、前記ポリイミドフィルムと同様に接着する方法等に
限られている。しかしながら、前者のポリイミドフィル
ムを用いる場合作業性に問題があり、また、後者のポリ
アミド酸ワニスを用いる場合は、ポリアミド酸自体の保
存安定性に問題があり、加えて、ポリアミド酸からポリ
イミドへのイミド化においては脱水反応を伴い、形状変
形も起こり易い。さらに、従来のポリイミドは汎用の有
機溶剤に不溶のためポリイミドワニス接着剤としての利
用は不可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ポリイ
ミドフィルムあるいはポリアミド酸ワニスを用いた接着
方法は、様々な問題を有している。そこで本発明の課題
は、可溶性のポリイミドを用いる事により、ポリイミド
ワニス接着剤としての使用を可能にする事である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、溶剤に可溶で
なおかつ熱可塑性を有する特定のポリイミドを用いるこ
とにより、ポリイミドワニス接着剤としての利用が可能
である事を見いだし、本発明を完成した。すなわち本発
明において、溶剤に可溶なポリイミドは、接着操作の際
の条件下において汎用溶剤に可溶であればどのようなも
のでも使用できるが、特に好ましくは一般式(1)(化
3)
【0006】
【化3】 (式中のm、n、R、R1 〜R7 、およびArは前記に
同じ)で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポ
リイミドである。本発明で用いられる前記式(1)の熱
可塑性ポリイミドは、一般式(2)(化4)
【0007】
【化4】 (式中のm、n、R、およびR1 〜R7 は前記に同じ)
で表される芳香族ジアミンと、一般式(3)(化5)
【0008】
【化5】 Arは炭素数6〜27であり、かつ単環式芳香族基、縮
合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により
相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より
選ばれた少なくとも4価の基を示す。)、具体的には、
式(a)(化6)
【0009】
【化6】 で表される単環式芳香族基、式(b)(化7)
【0010】
【化7】 で表される縮合多環式芳香族基、および式(c)(化
8)
【0011】
【化8】 (式中、Xは直接結合、−CO−、−O−、−S−、−
SO−、−CH−、−C(CH−、−
C(CF−および式(d)(化9)
【0012】
【化9】 式(e)(化10)
【0013】
【化10】 または式(f)(化11)
【0014】
【化11】 (ここで、Yは直接結合、−CO−、−O−、−S−、
−SO−、−CH −、−C(CH−、
−C(CF−を示す)で表される芳香族テト
ラカルボン酸二無水物を反応させることにより得られ
る。
【0015】一般式(2)で表される芳香族ジアミン
は、具体的には、3,3'−ジアミノ-4,4'-ジフェノキシベ
ンゾフェノン、4,4'−ジアミノ-5,5'-ジフェノキシベン
ゾフェノン、3,4'−ジアミノ-4,5'-ジフェノキシベンゾ
フェノン、3,3'−ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノ
ン、4,4'−ジアミノ-5-フェノキシベンゾフェノン、3,
4'−ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジ
アミノ-5-フェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ-
4,4'-ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ-
5,5'-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ-
4,5'-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ-
4-ビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ-5-ビ
フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ-4-ビフェ
ノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ-5-ビフェノキ
シベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ-4,4'-ジメトキシベ
ンゾフェノン、4,4'−ジアミノ-5,5'-ジメトキシベンゾ
フェノン、3,4'−ジアミノ-4,5'-ジメトキシベンゾフェ
ノン、3,3'−ジアミノ-4-メトキシベンゾフェノン、4,
4'−ジアミノ-5-メトキシベンゾフェノン、3,4'−ジア
ミノ-4-メトキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ-5-メ
トキシベンゾフェノン、1,3-ビス(3−アミノ-4−フェノ
キシベンゾイル) ベンゼン、1,4-ビス(3−アミノ-4−フ
ェノキシベンゾイル) ベンゼン、1,3-ビス(4−アミノ-5
−フェノキシベンゾイル) ベンゼン、1,4-ビス(4−アミ
ノ-5−フェノキシベンゾイル) ベンゼン、1,3-ビス(3−
アミノ-4−ビフェノキシベンゾイル) ベンゼン、1,4-ビ
ス(3−アミノ-4−ビフェノキシベンゾイル) ベンゼン、
1,3-ビス(4−アミノ-5−ビフェノキシベンゾイル) ベン
ゼン、1,4-ビス(4−アミノ-5−ビフェノキシベンゾイ
ル) ベンゼン、1,3-ビス(3−アミノ-4−メトキシベンゾ
イル) ベンゼン、1,4-ビス(3−アミノ-4−メトキシベン
ゾイル) ベンゼン、1,3-ビス(4−アミノ-5−メトキシベ
ンゾイル) ベンゼン、1,4-ビス(4−アミノ-5−メトキシ
ベンゾイル) ベンゼンなどが例示される。
【0016】これらの芳香族ジアミンは単独または2種
以上を混合して使用してもよい。本発明のポリイミドは
以上の芳香族ジアミンを必須原料モノマーとして用いる
が、このポリイミドの良好な物性を損なわない範囲で他
の芳香族ジアミンを混合して使用することも可能であ
る。
【0017】また、一般式(3)で表される芳香族テト
ラカルボン酸二無水物としては、具体的には、ピロメリ
ット酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,2-ビス(3,4−ジカルボキシフェニル) プロパ
ン二無水物、2,2-ビス(2,3−ジカルボキシフェニル) プ
ロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル) エ
ーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル) ス
ルホン二無水物、1,1-ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル) エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、
2,2-ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘ
キサフルオロプロパン二無水物、
【0018】1,3-ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイ
ル〕ベンゼン二無水物、1,4-ビス〔(3,4−ジカルボキ
シ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2-ビス{4-〔4-
(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン
二無水物、2,2-ビス{4-〔3-(1,2−ジカルボキシ)フェ
ノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、ビス{4-〔4-
(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二
無水物、ビス{4-〔3-(1,2−ジカルボキシ)フェノキ
シ〕フェニル}ケトン二無水物、4,4'−ビス〔4-(1,2−
ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4'
−ビス〔3-(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニ
ル二無水物、ビス{4-〔4-(1,2−ジカルボキシ)フェノ
キシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4-〔3-(1,2
−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無
水物、ビス{4-〔4-(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕
フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4-〔3-(1,2−ジ
カルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水
物、2,2-ビス{4-〔4-(1,2−ジカルボキシ)フェノキ
シ〕フェニル}-1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン
二無水物、2,2-ビス{4-〔3-(1,2−ジカルボキシ)フェ
ノキシ〕フェニル}-1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10
−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アント
ラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-アントラセ
ンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0019】これらは単独あるいは2種以上を混合して
用いられる。更に、一般式(1)で表された繰り返し構
造単位を有するポリイミドの分子末端は、本質的に置換
基を有しないか、あるいはアミンまたはジカルボン酸無
水物と反応性を有しない基で置換された芳香環である。
また、本ポリイミド粉は、9重量部のp-クロロフェノー
ルと1重量部のフェノールの混合溶媒に0.5g/dl
の濃度で加熱溶解した後、35℃において測定した対数
粘度の値が0.01〜3.0dl/gであるのが好まし
い。
【0020】本発明において、一般式(1)で表される
ポリイミドを接着剤として使用する場合、使用できる有
機溶剤としては、汎用のハロゲン系炭化水素溶剤、アミ
ド系溶剤、フェノール系溶剤などが考えられるが、具体
的には、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロ
エタン、1,1,2-トリクロロエタン、ジブロモメタン、ト
リブロモメタン、1,2-ジブロモエタン、1,1,2-トリブロ
モエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セトアミド、N,N-ジメトキシアセトアミド、N-メチル-2
-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メ
チルカプロラクタム、フェノール、クレゾール、キシレ
ノール、ハロゲン化フェノール、ハロゲン化クレゾー
ル、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどであ
る。これらの溶剤の中で、性質面、実用面および溶剤の
揮発温度から最も好ましいものは、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、1,1,2-トリクロロエタン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドである。また、
これらの溶剤は単独でも、2種以上を混合しても使用で
きる。
【0021】本発明において、一般式(1)のポリイミ
ド粉を上記の溶剤に溶解する場合、その濃度は、ポリイ
ミドの溶解度が許す限り溶解させて構わないが、接着塗
工時の作業性から、1〜50wt%が好ましい。この時
のポリイミド溶液の機械粘度は、10〜100000セ
ンチポイズであるが、作業性からは500〜50000
センチポイズが望ましい。さらに、溶解時の温度は特に
限定されず、常温で充分実施できる。上記のポリイミド
ワニスを塗工する場合、均一に塗工できれば、いかなる
方法でもよく、例えば、バーコーター、ドクターブレー
ドを用いて実施することができる。
【0022】実際の接着方法は次の二通りが可能であ
る。即ち、ポリイミドワニスを接着面に塗工後、接着面
と被接着面を合わせ、溶媒が揮散する条件下で脱溶媒し
て接着する非ホットメルトの接着方法、あるいは、本発
明のポリイミドが熱可塑性である事を利用し、ポリイミ
ドワニスを接着面に塗工後溶媒の沸点以上で脱溶媒しポ
リイミド層を形成して、その後接着面と被接着面を合わ
せて高温・高圧下での通常のホットメルトによる接着方
法である。更に、ポリイミド溶液を塗工した接着面から
溶剤を除去する場合、その雰囲気下は窒素気流下でも、
空気気流下でもよい。また、本発明のポリイミドが可溶
性・熱可塑性である事から、有機溶剤に溶解した状態か
ら通常のキャスト法で得られたフィルム、あるいはポリ
イミド粉を熱プレスする事により得られたフィルムを、
前述のポリイミドフィルムを用いたホットメルトの接着
に供する事もできる。
【0023】本発明のポリイミド複合体の製造方法は、
一般式(1)の熱可塑性ポリイミドの可溶性、溶融流動
性、および接着性を損なわない範囲内で他の樹脂を配合
してもかなわない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニル
スルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、
変成ポリフェニレンオキシド、本発明以外のポリイミド
等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド等
の熱硬化性樹脂などである。更に、通常の樹脂組成物に
使用する次のような充填剤等を発明の目的を損なわない
範囲で用いてもよい。すなわち、グラファイト、カーボ
ランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素系樹脂
などの耐摩耗性向上剤、三酸化アンチモン、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウムなどの難燃性向上剤、クレー、
マイカなどの電気的特性向上剤、アスベスト、シリカ、
グラファイトなどの耐クラッキング向上剤、硫酸バリウ
ム、シリカ、メタケイ酸カルシウムなどの耐酸性向上
剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉などの熱伝導
度向上剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、ア
ルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着
色料などである。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。尚、実施例中のポリイミドの物性は以下の方法によ
り測定した。 Tg,Tc,Tm:DSC(島津DE−40シリーズ,
DSC−41M)により測定。 5%重量減少温度:空気中にてDTG(島津DT−40
シリーズ,DTG−40M)により測定。 対数粘度(ηinh):p-クロロフェノール/フェノール
(重量比9/1)混合溶媒にポリイミド粉を0.5g/
100mlの濃度で溶解した後、35℃において測定。 機械粘度:東機産業(株)E型粘度計により、室温で測
定。 溶融開始温度:島津高化式フローテスター(CFT50
0A)により、荷重100kg、昇温速度5℃/min
で測定。 溶融粘度:島津高化式フローテスター(CFT500
A)により、荷重100kgで測定。 接着試験(引張り剪断接着力):接着体の引張り剪断強
さは測定方法は、JIS K−6848に基づいた。使
用した接着体・被接着体は冷間圧延鋼板(JIS G-3141,SP
CC.SD, サイズ1.6×25×100m)である。
【0025】実施例1 ジアミン成分が3,3'−ジアミノ-5,5'-ジフェノキシベン
ゾフェノン、酸無水物成分が3,3',4,4'-ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物からなるポリイミド(ηinh
=0.45dl/g,Tg=245℃,流動開始温度3
25℃、380℃の溶融粘度13500ポイズ)20g
を、室温、窒素気流下でクロロホルム80gに溶解し
た。得られたポリイミド溶液の機械粘度は6500セン
チポイズであった。
【0026】このポリイミド溶液をガラス繊維織布(日
東紡績社製 JIS R3416 処理ガラスクロス(EPF 10A) )
12.5×25.0mmに塗布、含浸させ、2枚の冷間圧延鋼板間
に挿入した。この接着体が動かないように固定した後、
70℃の約3時間放置し、脱溶媒、接着を完了した。こ
の接着体について引張剪断接着力を測定したところ、室
温(23℃)で166kg/mm2、177℃で113kg/mm2
であった。
【0027】実施例2〜5 実施例1と同様にして、表1に示すようなジアミン成
分、酸無水物成分から得られる可溶性ポリイミドを用い
て、ポリイミドワニス接着剤を調製した。表1には、ジ
アミン成分、酸無水物成分、ポリイミド粉の対数粘度、
ガラス転移温度(Tg)、流動開始温度、380℃の溶
融粘度、ポリイミド溶液の機械粘度、および室温(23
℃)、177℃における引張り剪断接着力を実施例1の
結果と併せて示す。
【0028】比較例1 ジアミン成分が3,3'−ジアミノベンゾフェノン、酸無水
物が3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物からなるポリイミド(ηinh =0.44dl/g,ガ
ラス転移温度240℃)を、実施例1と同じくクロロホ
ルムに濃度20wt%で溶解しようとしたが、全く溶解
不能であり、そのためポリイミドワニスとしての接着は
不可能であった。
【0029】比較例2 市販のポリエーテルイミドであるUltem1000(ゼネ
ラル・エレクトリック社製,ηinh =0.60dl/
g)を実施例1と全く同様にして、ポリイミドワニス接
着剤を調製した。しかしながら、このポリエーテルイミ
ドは、ガラス転移温度が216℃と低く、先の実施例の
ポリイミドに比べて耐熱性が劣ることが解った。また、
177℃における引張り剪断接着力が23kg/mm2であ
り、さきに示した実施例のポリイミドに比べて高温下で
の接着力が劣っていることがわかる。本比較例の結果
は、前述の実施例と併せて表1に示す。
【0030】実施例6〜10 実施例1〜5で得られたポリイミドワニスを、先の冷間
圧延鋼板に直接塗布し、約100℃のオーブン中で脱溶
媒して、鋼板上に約50μmのポリイミド層を形成し
た。この接着体と被接着体(同様の鋼板)を接着面積1
2.5×25.0mmになるように重ね合わせ、熱プレスを用い
て高温・高圧下(350℃/300psi)ホットメル
ト接着を行った。この接着体について引張り剪断接着力
を測定したところ(室温(23℃) ,207℃)、表2
に示すような結果が得られた。
【0031】比較例3 比較例2で得られたポリイミドワニスを、実施例6〜1
0と同様に用いてホットメルト接着を行った。しかしな
がら、207℃における接着力が93kg/mm2 であ
り、先の実施例のポリイミドに比べて高温下での接着力
が劣る事が判った。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明における可溶性ポリイミドを用い
た接着方法では、従来のポリイミド系接着剤と同様なホ
ットメルトによる接着が可能である事に加えて、ポリイ
ミドワニスを用い、単に脱溶媒する事によって接着する
事も可能である。それに加えて、200℃付近の高温下
においてもその接着力が保持されている。従って、本発
明の接着方法は、耐熱性、機械的強度を必要とする各種
高性能材料の接着剤、接着方法として非常に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶剤に可溶で、しかも熱可塑性であるポリ
    イミドを含む溶液を接着面に塗布した後、脱溶媒する事
    により接着する方法。
  2. 【請求項2】溶剤に可溶で、しかも熱可塑性であるポリ
    イミドが下記一般式(1)(化1)で表されるポリイミ
    ドまたは当該ポリイミドの分子末端が本質的に置換基を
    有しないか、あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物
    と反応性を有しない基で置換された芳香族環であるポリ
    イミド、あるいはそれらの混合物である請求項1に記載
    の可溶性ポリイミドを用いた接着方法。 【化1】 (式中、m、nはそれぞれ独立して0または1の整数で
    あり、Rは 【化2】 (ここで、R1 、R2 、R3 、R4 は各々独立して水素
    原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリ
    ール基、アルケニル基、アラルキル基、または炭素数1
    〜5のアルコキシ基を示し、R5 、R6 、R7 は各々独
    立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール
    基、アルケニル基、アラルキル基、または炭素数1〜1
    0で酸素数1〜3のω−アルキルオキシオリゴ(アルキ
    レンオキシ)アルキル基を示す)を表し、Arは炭素数
    6〜27であり、かつ単環式芳香族基、縮合多環式芳香
    族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結さ
    れた非縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた少な
    くとも4価の基を示す。)
  3. 【請求項3】溶剤が、ハロゲン系炭化水素溶剤、アミド
    系溶剤、フェノール系溶剤である請求項1に記載の可溶
    性ポリイミドを用いた接着方法。
JP5317798A 1993-12-17 1993-12-17 可溶性ポリイミドを用いた接着方法 Pending JPH07166148A (ja)

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