JPH07165933A - ポリフェニレンスルフィド系樹脂成形品 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド系樹脂成形品

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JPH07165933A
JPH07165933A JP32204593A JP32204593A JPH07165933A JP H07165933 A JPH07165933 A JP H07165933A JP 32204593 A JP32204593 A JP 32204593A JP 32204593 A JP32204593 A JP 32204593A JP H07165933 A JPH07165933 A JP H07165933A
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molded article
polyphenylene sulfide
pps
melt viscosity
resin
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孝 川村
Toshinori Sugie
敏典 杉江
Takumi Yanagida
拓巳 柳田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形時の成形性が良好で成形品外観に優れ、
しかも靱性に優れる架橋型ポリフェニレンスルフィド系
樹脂製の押出成形品、ブロー成形品、回転成形品を得
る。 【構成】 溶融粘度が150ポイズ以上(温度=31
5.6℃、せん断速度=100sec-1)の熱架橋してい
ないポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)を、て固相
状態のまま減圧度が0.1〜600Torrで温度が1
50℃以上〜融点未満である条件下で加熱処理すること
によって1000〜100000ポイズ(温度=31
5.6℃、せん断速度=100sec-1)のポリフェニレ
ンスルフィド系樹脂(B)を得、次いでこの樹脂(B)
を用いて押出成形、ブロー成形或いは回転成形する架橋
型ポリフェニレンスルフィド系樹脂成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐薬品性、靱
性に優れ、かつ成形品外観も優れるポリフェニレンスル
フィド系樹脂成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド系樹脂(以
下、PPSと略す)はそれ自体優れた耐熱性、耐薬品性
を有しており、ポリテトラフルオロエチレン樹脂に匹敵
する、優れた耐食性、耐薬品性、耐熱性を生かして、射
出成形法による各種自動車部品、電気電子機器部品への
応用、粉末PPSを用い金属へのコーティング等の分野
へ使用されている。従来の熱架橋型PPSは、一般に酸
素の存在下でPPS融点未満の固相状態で加熱するか、
融点以上の溶融状態で加熱することによって得られる
(特公昭45−3368号、米国特許3354129
号、同3717620号、同3793256号、特開昭
62ー177027号参照)。しかしこのような従来の
熱架橋型PPSを用い、押出成形法により例えば化学プ
ラントの配管用としてのパイプを成形した場合は、強
度、靱性が低く、パイプ内を通過する液体の圧力に耐え
られず破壊するという欠点を有していた。
【0003】この欠点を改良するために金属とPPSの
複合化(特開昭59−145131号)、他の熱可塑性
樹脂とPPSとの複合化(特開昭59−85747
号)、繊維強化熱硬化樹脂との複合化(特開昭59−4
7590号)、特定の製法によって得られた直鎖状PP
Sによるパイプ(特開昭62−90216号、特開平3
−255162号)等がある。またPPSに特定のオレ
フィン系エラストマーをブレンドしたものを使用したパ
イプ(特開平2−200415号)は、強度、靱性は問
題ないが、エラストマーを使用しているため、耐熱性、
耐薬品性に問題があった。これらはすべて従来から使用
していた熱架橋型PPSを用いたPPS製パイプでは実
用上問題があるための改良方法であった。
【0004】また、特開昭54−155255号には実
質的に酸素の存在しない雰囲気下で290℃以上の温度
で加熱処理したPPSを押出成形用に用いる例がある
が、PPSの融点以上で加熱するため実用性に乏しく、
また得られたPPSも充分な強度、靱性を持っていなか
った。
【0005】このように、熱架橋型PPSを使用したパ
イプ等の押出成形品、ブロー成形品或いは回転成形品
は、強度、靱性、成形性等の諸問題があって実用化され
ていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれらの
問題点を解決すべく鋭意努力した結果、特定の溶融粘度
を有するPPSを用い、これを特定の条件下で熱処理し
て得た架橋型PPSは、架橋型で有りながら押し出し成
形、ブロー成形、回転成形することが出来、これによっ
て充分実用性に達するこれら成形法による架橋型PPS
製成形品がはじめて得られることが判明し、本発明に至
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、実
質的に線状であるか或いは分岐構造を有する溶融粘度が
150ポイズ以上(温度=315.6℃、せん断速度=
100sec-1、オリフィスL/D=5/0.5mm、キャ
ピラリー型溶融粘度測定機による測定)の熱架橋してい
ないポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)を、固相状
態のまま減圧下に加熱処理することによって該樹脂
(A)より溶融粘度を高めたポリフェニレンスルフィド
系樹脂(B)を得、次いで該樹脂(B)を用いて押出成
形、ブロー成形或いは回転成形することを特徴とするポ
リフェニレンスルフィド系樹脂成形品にある。
【0008】なお、本発明において固相状態にあるPP
Sとは、示差走差熱量計(以下、DSCと略す。)によ
り、昇温速度 20℃/分、窒素雰囲気下で測定された
融点のピーク温度未満にあるPPSの状態をいう。
【0009】本発明において用いるPPS(A)は、ー
般にその製造法により実質的に線状のPPS(例えば
特公昭45−3368号、特公昭63ー33775号参
照)、三官能単量体を用いた分岐構造を持つPPS(例
えば 特公昭54ー8719号参照)などがあり、本発
明に於いてはその何れのタイプのものも有効であるが、
その溶融粘度は特定値以上であることが必要である。す
なわち溶融粘度が150ポイズ以上(温度=315.6
℃、せん断速度=100sec-1、オリフィスL/D=5
/0.5mm、キャピラリー型溶融粘度測定器で測定)の
ものであり、好ましくは200ポイズ以上、更に好まし
くは300ポイズ以上必要である。溶融粘度が150ポ
イズ未満であると、固相状態のまま減圧下で熱処理を行
っても、ゲル状物が多くなり、充分な靱性、外観を有す
る押し出し、ブロー等の成形品が得られない。
【0010】本発明に用いるPPSは、繰り返し単位と
してー般式〔−φ−S−〕(ただし、−φ−はp−フェ
ニレン基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含
有するポリマ−である。この繰り返し単位が70モル%
未満だと結晶性ポリマ−としての特徴である結晶化度が
低くなり十分な強度が得られなくなる傾向があり、靱
性、耐薬品性にも劣るものとなる傾向にある。PPSに
共重合が可能な単位としては例えば以下の化1〜化9に
示すものが挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】このうち三官能単位は1モル%以下である
ことが結晶性を低下させない意味から好ましい。
【0021】前記したPPS(A)から押し出し成形、
ブロー成形或いは回転成形するのに供せられるPPS
(B)を得るには、PPS(A)を固相状態のままで減
圧下に加熱処理して該PPS(A)より溶融粘度を高め
ておくことが必要である。具体的には、PPS(B)の
溶融粘度を該PPS(A)より高めて1000〜100
000ポイズ(温度=315.6℃、せん断速度=10
0sec-1、オリフィスL/D=10/2mm、キャピラリ
ー型溶融粘度測定機による測定)の範囲とするとよい。
溶融粘度が1000ポイズ未満であると、ドローダウン
が大きく成形困難となり、100000ポイズを越える
と、成形品の外観が悪くなる。押し出し成形や回転成形
を施す場合においては、PPS(B)の溶融粘度は10
00〜50000ポイズ、好ましくは1000〜400
00ポイズ、更に好ましくは2000〜30000ポイ
ズの範囲がよい。またブロー成形する場合においては、
好ましくは10000ポイズ以上、更に好ましくは20
000ポイズ以上とするとよい。
【0022】PPS(A)を処理する条件として、温度
は150℃以上〜融点(DSCにより、昇温速度 20
℃/分、窒素雰囲気下で測定)未満の範囲、好ましくは
200℃〜260℃の範囲である。温度が150℃未満
では処理しても充分な粘度のPPS(B)が得られず、
融点を越えると従来と同様にゲル状物の多いPPS
(B)になる。減圧度は0.1〜600Torr、好ま
しくは1.0〜300Torrであり、0.1Torr
未満であると、充分な粘度に達するまでに長時間を要し
て経済性が悪い。また、600Torrを越えると、ゲ
ル状物が多くなる。これらの条件下においてPPS
(A)は固相状態のまま処理される。熱処理時間は熱処
理温度、減圧度、PPS(A)の溶融粘度、目的の溶融
粘度により自由に選ばれる。
【0023】また前記した熱処理はその雰囲気が不活性
ガス中において行われるとき、本発明成形品のために供
するPPS(B)として好ましいものが得られる。不活
性ガスとしては例えばCO2、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン等が用いられる。この中で窒素ガスが好ましい。
【0024】更に本発明成形品を、例えば食品製造ライ
ン、または純水製造ライン等に用いる高純度パイプ等を
その用途とする場合、ナトリウム含有量(ポリマーを硫
酸分解後、原子吸光法により測定)を2000ppm以
下、好ましくは1500ppm以下のPPSを使用する
ことが好ましい。このようなナトリウム含有量のPPS
を得るには公知の方法が取られる。例えば特開平3−2
36930号記載のように、PPS(A)またはPPS
(B)に酸処理、熱水処理、または有機溶媒による洗浄
等の処理を施すとナトリウムの低減はなされる。
【0025】本発明における押出成形、ブロー成形ある
いは回転成形の方法としては、公知(プラスチック加工
技術便覧 日刊工業新聞社編等)の方法が取られる。な
お、押出成形においてダイより押し出された直後の溶融
状態のPPSに水冷等の急冷を施す、あるいはブロー成
形において120℃未満の金型温度で成形される等の成
形手段がなされた場合においては、できれば該成形品を
120℃以上〜PPS樹脂(B)の融点(DSCによ
り、昇温速度 20℃/分、窒素雰囲気下で測定)未
満、好ましくは140℃〜260℃の温度で10分以上
100時間以下で熱処理することが好適である。このよ
うな熱処理を施すことにより、結晶化が進んだ、耐薬品
性、耐熱性の優れたPPS押出成形品やブロー成形品が
得られる。
【0026】本発明の成形品には必要に応じて、以下に
示す強化材および/または充填材を配合しておくことが
できる。これら強化材および/または充填材としては、
粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状または中空状およ
び繊維状が挙げられる。具体的には硫酸カルシウム、珪
酸カルシウム、クレー、タルク、アルミナ、珪砂、ガラ
ス粉、金属粉、グラファイト、炭化珪素、窒化珪素、シ
リカ、チッ化ホウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラ
ックなどの粉粒状充填材、雲母、ガラス板、セリサイ
ト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛などの平板状も
しくは鱗片状充填材、シラスバルーン、金属バルーン、
ガラスバルーンなどの中空状充填材、ガラス繊維、炭素
繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、金属繊維、アス
ベスト、ウォスナイト、繊維状充填材、芳香族ポリアミ
ド繊維等の有機繊維状充填材を挙げることが出来る。
【0027】また本発明のPPS成形品には他の熱可塑
性樹脂を1種以上を添加配合されていても差し支えな
い。他の熱可塑性樹脂とはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、イミド変性ポリスチレン、ポリブチ
レンテレフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレ−ト、、
ポリエチレンナフタレ−ト、ポリブチレンナフタレ−
ト、ポリアミド、ポリカーボネート、ABS樹脂、イミ
ド変性ABS樹脂、AES樹脂、ポリサルホン、ポリフ
ェニレンエ−テル、ポリフェニレンエ−テルとポリスチ
レンとの共重合体および/または混合物、ポリエ−テル
サルホン、ポリスルフィドケトン、ポリスルフィドサル
ホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド
等の熱可塑性樹脂、ポリエステル系、ポリアミド系、ポ
リウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系等の
熱可塑性エラストマ−等が挙げられる。さらに、水添S
BR、水添SIS、水添エポキシ基含有SBR、水添エ
ポキシ基含有SIS、水添酸無水物基SBR、水添酸無
水物基SIS、エチレンーグリシジルメタクリレート共
重合体、エチレンーグリシジルメタクリレートーアクリ
レート共重合体、エチレンー無水マレイン酸ーアクリレ
ート共重合体、シリコンゴム、アミノ基含有シリコンゴ
ム、エポキシ基含有シリコンゴム、好ましくは、エチレ
ンーグリシジルメタクリレート共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリアミド、ポリフ
ェニレンエ−テル、ポリフェニレンエ−テルとポリスチ
レンとの共重合体および/または混合物である。
【0028】本発明では、更に本発明の要旨を逸脱しな
い範囲に於て水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、三酸化アンチモン等の無機難燃剤、ハロゲン系、リ
ン系等の有機難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑
剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、架橋剤、着色剤
等の添加剤を添加することができる。
【0029】
【実施例】さらに実施例により本発明を説明する。参考例1 1M3オートクレーブに、72.5%水硫化ナトリウム
110kg(1420モル)およびNーメチルピロリド
ン480Kgを仕込んだ。90℃まで昇温した後、窒素
雰囲気下で48.0%水酸化ナトリウム116Kg(1
390モル)を仕込み、200℃まで約2時間かけて攪
はんしながら昇温して57リットルの水を留出させた。
反応系を密閉にし、pージクロルベンゼン209kg
(1420モル)およびNーメチルピロリドン150K
gを加え、230℃で1時間、ついで260℃で2時間
反応させた。重合終了時の内圧は10.5Kg/cm2
であった。反応器を冷却後、内容物をろ別した。固形物
をオートクレーブ中で170℃の熱水で1時間煮沸洗浄
し、150℃で10時間乾燥し、溶融粘度350ポイ
ズ、ナトリウム含有量980ppmの粉末状PPS 1
40Kg得た。これをPPS(A−1)とする。
【0030】参考例2 1M3オートクレーブにN−メチルピロリドン340K
g、硫化ナトリウム2.7水塩132kg(1040モ
ル)および水酸化ナトリウム500g(12.5モル)
および無水酢酸ナトリウム430Kg(520モル)を
仕込んだ。窒素雰囲気下で、200℃まで約2時間かけ
て攪はんしながら昇温して28リットルの水を留出させ
た。反応系を密閉にし、pージクロルベンゼン153k
g(1010モル)およびNーメチルピロリドン100
Kgを加え、230℃で1時間、ついで260℃で2時
間反応させた。重合終了時の内圧は9.5Kg/cm2
であった。反応器を冷却後、内容物をろ別した。固形物
を90℃に加熱されたpH4の酢酸水溶液中に投入し、
30分間攪はんし続けた後、ろ過し、ろ液のpHが7に
なるまで90℃のイオン交換水で洗浄し、120℃で3
0時間減圧乾燥して、溶融粘度1100ポイズ、ナトリ
ウム含有量560ppmの粉末状PPS 105Kg得
た。これをPPS(A−2)とする。
【0031】参考例3 1M3オートクレーブにN−メチルピロリドン340K
g、水硫化ナトリウム2.7水塩132kg(1040
モル)および水酸化ナトリウム500g(12.5モ
ル)および無水酢酸ナトリウム430Kg(520モ
ル)を仕込んだ。窒素雰囲気下で、200℃まで約2時
間かけて攪はんしながら昇温して28リットルの水を留
出させた。反応系を密閉にし、pージクロルベンゼン1
52.5kg(1038モル)およびトリクロルベンゼ
ン381g(2モル)、Nーメチルピロリドン100K
gを加え、230℃で1時間、ついで260℃で2時間
反応させた。重合終了時の内圧は9.5Kg/cm2
あった。反応物を取り出し後、内容物をろ別した。固形
物を100℃に加熱したNーメチルピロリドン中に投入
し、30分間攪はんした後、ろ過し、90℃のイオン交
換水で洗浄した。これを150℃で10時間乾燥し、溶
融粘度2000ポイズ、ナトリウム含有量120ppm
の粉末状PPS 106Kg得た。これをPPS(A−
3)とする。
【0032】参考例4 1M3オートクレーブに72.5%水硫化ナトリウム1
10kg(1420モル)およびNーメチルピロリドン
480Kgを仕込んだ。90℃まで昇温した後、窒素雰
囲気下で48.0%水酸化ナトリウム116Kg(13
90モル)を仕込み、200℃まで約2時間かけて攪は
んしながら昇温して57リットルの水を留出させた。反
応系を密閉にし、pージクロルベンゼン218kg(1
483モル)およびNーメチルピロリドン150Kgを
加え、250℃で2時間反応させた。重合終了時の内圧
は9.0Kg/cm2であった。反応器を冷却後、内容
物をろ別した。固形物をオートクレーブ中で170℃の
熱水で3時間煮沸熱水で洗浄し、150℃で10時間乾
燥し、溶融粘度103ポイズ、ナトリウム含有量980
ppmの粉末状PPS 140Kg得た。これをPPS
(A−4)とする。
【0033】実施例1〜6 参考例1、2、3に示すPPS(A)を用い、表−1に
示す減圧熱処理条件で熱処理し、PPS(B)を得、溶
融粘度を測定した。結果を表ー1に示す。また得られた
PPS(B)を2軸押出機(TEM35B 東芝機械)
を用いて、320℃のバレル温度で溶融押出しペレット
化した。得られたペレットを150℃で2時間乾燥した
後、射出成形機(日精製PS60E9ASE)で引っ張
り試験用(ASTM IV号ダンベル、厚み1.6m
m)およびアイゾット衝撃試験用(長さ63.5mm×
幅12.7mm×厚み3.01mm)テストピースを成
形し、引っ張り試験およびアイゾット衝撃試験を行っ
た。さらにPPS(B)を用いて30mm1軸押出機に
外径8.1mmのチューブダイをつけ、真空サイジング
法にて直径8.3mmの円筒状のパイプを押し出し、成
形性、外観を観察した。結果を表ー1にしめす。
【0034】
【表1】
【0035】 1)引っ張り速度 10mm/分、標線間隔 25mm 2)上段 ノッチ付き(切削)、下段 ノッチ無し
【0036】実施例7〜8、 参考例1に示すPPS(A)を用い、窒素ガス雰囲気下
で表−2に示す減圧熱処理条件で熱処理してPPS
(B)を得、溶融粘度を測定した。結果を表ー2に示
す。このようにして得られたPPS(B)を用い、以下
実施例1と同様にしてテストピースを成形し、引っ張り
試験およびアイゾット衝撃試験を行った。さらに実施例
1と同様にパイプを押し出し、成形性、外観を観察し
た。結果を表ー2にまとめる。
【0037】
【表2】
【0038】 1)窒素ガス雰囲気下における熱処理条件である。 2)引っ張り速度 10mm/分、標線間隔 25mm 3)上段 ノッチ付き(切削)、下段 ノッチ無し
【0039】比較例1〜5 比較例として参考例1、2に示すPPS(A)を用い、
これに通常の熱処理を施したもの、および溶融粘度が本
発明の範囲外にある参考例4のPPS(A)を用いこれ
に減圧熱処理を施したものの例を挙げる。これらの結果
を表ー3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】 1)引っ張り速度 10mm/分、標線間隔 25mm 2)上段 ノッチ付き(切削)、下段 ノッチ無し
【0042】表ー1、表ー2および表ー3の結果より、
本発明の架橋型PPS製押し出しパイプは靱性に優れ、
また成形時の成形性が良好で外観も優れていることが解
る。
【0043】実施例9〜11、比較例6〜7 参考例3にしめすPPS(Aー3)を用い、表−4に示
す減圧熱処理条件で熱処理し、PPS(B)を得、溶融
粘度を測定した。結果を表ー4に示す。得られたPPS
(B)を2軸押出機(TEM35B 東芝機械)を用い
て、320℃のバレル温度で溶融押出しペレット化し
た。得られたペレットを140℃で2時間乾燥した後、
射出成形機(日精製PS60E9ASE)で引っ張り試
験用およびアイゾット衝撃試験用テストピースを成形
し、実施例1と同様の引っ張り試験およびアイゾット衝
撃試験を行った。
【0044】またPPS(B)を用いて50mm、L/
D=22の中空成形機(JB105日本製綱所製)を用
い、1リットルのボトルを成形し、成形性、外観を観察
した。結果を表ー4にしめす。比較例として、通常の熱
処理による例をあわせて表ー4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】1)、2)は前記と同じ。
【0047】結果より、本発明の架橋型PPS製ボトル
は靱性に優れ、また成形時の成形性が良好で外観も優れ
ていることが解る。
【0048】実施例12、比較例8 実施例1のPPS(B)を用い、内径1.5mm、外径
2.5mmのクロスヘットダイを付けた30mm1軸押
出機で、直径0.45mm、7本よりのより線を用い、
厚さ0.4mmのPPSを被覆させPPS被覆電線を作
成した。この電線を用い、JASO D 608ー87
記載の耐熱性II、絶縁体引張強さ、絶縁体伸びを測定
した。比較例として、比較例3のPPS(B)を用いて
同様にテストした。結果を表ー5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】
【発明の効果】本発明の架橋型PPS成形品は、成形時
の成形性が良好であって成形品外観に優れ、しかも靱性
が高くて優れている。このため電線被覆成形品、シー
ト、繊維、インフレーションフィルム、2軸延伸フィル
ム等の押出成形品やブロー成形品或いは燃料電池用成形
品等の回転成形品として実用性がある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に線状であるか或いは分岐構造を
    有する溶融粘度が150ポイズ以上(温度=315.6
    ℃、せん断速度=100sec-1、オリフィスL/D=5
    /0.5mm、キャピラリー型溶融粘度測定機による測
    定)の熱架橋していないポリフェニレンスルフィド系樹
    脂(A)を、固相状態のまま減圧下に加熱処理すること
    によって該樹脂(A)より溶融粘度を高めたポリフェニ
    レンスルフィド系樹脂(B)を得、次いで該樹脂(B)
    を用いて押出成形、ブロー成形或いは回転成形すること
    を特徴とするポリフェニレンスルフィド系樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 ポリアリーレンスルフィド系樹脂(B)
    の溶融粘度が、1000〜100000ポイズ(温度=
    315.6℃、せん断速度=100sec-1、オリフィス
    L/D=10/2mm、キャピラリー型溶融粘度測定機に
    よる測定)の範囲にある請求項1記載のポリアリーレン
    スルフィド系樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 減圧下における熱処理条件が、温度が1
    50℃以上〜融点未満で、減圧度が0.1〜600To
    rrの範囲である請求項1記載のポリフェニレンスルフ
    ィド系樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 不活性ガス雰囲気中において減圧下に熱
    処理する請求項1または3記載のポリフェニレンスルフ
    ィド系樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 ポリアリーレンスルフィド系樹脂(B)
    のナトリウム含有量が2000ppm以下である請求項
    1記載のポリフェニレンスルフィド系樹脂成形品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の成
    形品をさらに120℃以上ポリフェニレンスルフィド系
    樹脂(B)の融点未満の温度で10分以上100時間以
    下熱処理するポリアリーレンスルフィド系樹脂成形品。
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