JPH07165740A - 2−(2−アミノチアゾリル)−2−(1−カルボキシ−1−ビニルオキシイミノ)酢酸及びその製法 - Google Patents

2−(2−アミノチアゾリル)−2−(1−カルボキシ−1−ビニルオキシイミノ)酢酸及びその製法

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JPH07165740A
JPH07165740A JP6297861A JP29786194A JPH07165740A JP H07165740 A JPH07165740 A JP H07165740A JP 6297861 A JP6297861 A JP 6297861A JP 29786194 A JP29786194 A JP 29786194A JP H07165740 A JPH07165740 A JP H07165740A
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acetic acid
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tert
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JP6297861A
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Susumu Nakagawa
晋 中川
Takashi Mitomo
隆司 三友
Koji Yamada
耕司 山田
Kenichi Otake
憲一 大嶽
Fumio Nakano
文雄 中野
Hikari Asai
光 浅井
Satoru Azeyanagi
悟 畔柳
Yoshiharu Tanaka
芳治 田中
Moriaki Ishikawa
守明 石川
Ryosuke Ushijima
良輔 牛嶋
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Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子又はアミノ保護基、R2及びR3
は同一又は異なって水素原子又はカルボキシル保護基を
示す]で表される化合物又はその塩及びその製法。 【効果】本発明により、セファロスポリン誘導体の7−
位側鎖として有用な一般式[I]の化合物又はその塩及
びその効率的製法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セファロスポリン誘導
体の7−位側鎖として有用な新規2−(2−アミノチア
ゾリル)−2−(1−カルボキシ−1−ビニルオキシイ
ミノ)酢酸又はその塩及びそれらの製法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、セファロスポリン誘導体の7位側
鎖に2−(2−アミノチアゾリル)−2−置換オキシイ
ミノ酢酸基を有する化合物は極めて多く合成されている
が、置換オキシイミノ基の置換基としてビニル基を有す
る2−(1−ビニルオキシイミノ)酢酸誘導体は、特開
昭54−22392号公報(Ger.Offen.,
2,831,332;Chem.Abstr.,90−
168630nに対応)に記載されており、その合成は
下記反応式の通りである。
【0003】
【化5】 [式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素原子を表し、alkは
1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す]該公報
による開示は、2−(2−アミノチアゾリル)−2−
(1−ビニルオキシイミノ)酢酸誘導体にのみ限られて
おり、本発明化合物である2−(2−アミノチアゾリ
ル)−2−(1−カルボキシ−1−ビニルオキシイミ
ノ)酢酸誘導体に関しては合成はおろか示唆もされてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】β−ラクタム抗生物質
は、細菌にのみ選択毒性を示し、動物細胞に対しては、
影響を与えないことから、副作用の少ない抗生物質とし
て細菌による感染症の治療に広く使用され有用性の高い
薬剤である。しかしながら、近年、感染症の起炎菌とし
て耐性のグラム陽性菌及び耐性のブドウ糖非発酵グラム
陰性桿菌の分離頻度が増加の傾向にあり、これらの菌に
対する抗菌力の増強が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は新規な2−(2
−アミノチアゾリル)−2−(1−カルボキシ−1−ビ
ニルオキシイミノ)酢酸又はその塩及びその製法に関す
るものであり、該化合物は優れた抗菌力を有する新規な
セファロスポリン誘導体の7−位側鎖残基として有用で
ある。本発明者らは、セファロスポリン誘導体の7位に
2−(2−アミノチアゾリル)−2−置換オキシイミノ
アセトアミド基を有するセファロスポリン誘導体を数多
く合成した結果、2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2−(1−カルボキシ−1−ビニルオキシイミ
ノ)アセトアミド基を有する一般式[IV]
【0006】
【化6】 [式中、Rは水素原子、カルボキシル保護基又は陰電
荷、Qは水素原子、ハロゲン原子、アジド基、置換基を
有していてもよい、第4級アンモニオ基、又は置換基を
有していてもよい窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から
なる群から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1個有する
複素環チオ基を示す]の化合物は合成はおろか出願明細
書における開示も全くなされていない文献未記載の新規
化合物であり、感受性・耐性のグラム陰性菌及びグラム
陽性菌に対して、強い抗菌力を有すること、及びβ−ラ
クタマ−ゼに対する安定性に優れていることを見出した
(特許出願昭和62年 502318号)。本発明者ら
はその7−位残基である2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−ビニルオキシ
イミノ)酢酸誘導体の展開及びその製法を開発すべく鋭
意検討した結果、原料化合物の2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)グリオキシル酸誘導体[II]をO−
(1−カルボキシ−1−ビニル)ヒドロキシルアミン誘
導体[III]と反応させ、要すれば保護基を除去する
ことにより、本発明化合物[I]を高収率で製造するこ
とができることを見出し本発明を完成した。次に本明細
書に記載された各種記号及び用語について説明する。
【0007】カルボキシル保護基とは有機合成化学上通
常用いられるものを意味し、例えばtert−ブチル
基、2,2,2−トリクロロエチル基、アセトキシメチ
ル基、プロピオニルオキシメチル基、ピバロイルオキシ
メチル基、1−アセトキシエチル基、1−プロピオニル
オキシエチル基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エ
チル基、フタリジル基、ベンジル基、4−メトキシベン
ジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−ニトロベ
ンジル基、ベンズヒドリル基、ビス(4−メトキシフェ
ニル)メチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−
ジオキソ−ル−4−イル)メチル基、トリメチルシリル
基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられ、
特にベンズヒドリル基、tert−ブチル基、シリル基
等が好ましい。
【0008】アミノ保護基とは有機合成化学上通常用い
られるものを意味し、例えばトリチル基、ホルミル基、
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、tert
−ブトキシカルボニル基、トリメチルシリル基、ter
t−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。
【0009】又、一般式[I]のオキシイミノ基におけ
る部分構造はシン異性体(Z配位)及びアンチ異性体
(E配位)が存在し、一般にシン異性体が優れた抗菌活
性を示し、本明細書における置換オキシイミノ基はすべ
てシン異性体である。E/Z命名法はジャーナル オブ
ジ アメリカン ケミカル ソサエティ(J.Am.
Chem.Soc.)第90巻、509頁(1968
年)に記述されている。
【0010】一般式[I]の好適な塩としては、例えば
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ア
ルミニウム等との金属塩、N,N’−ジベンジルエチレ
ンジアミン、プロカイン等との有機アミン塩、グルタミ
ン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン等とのアミ
ノ酸塩等が挙げられる。次に一般式[I]の化合物につ
いて説明する。本発明の化合物は一般式[I]
【0011】
【化7】 [式中、R1は水素原子又はアミノ保護基、R2及びR3
は同一又は異なって水素原子又はカルボキシル保護基を
示す]で表される化合物である。該化合物にはオキシイ
ミノ基における部分構造におけるシン異性体(Z配位)
及びアンチ異性体(E配位)が存在し、本明細書におけ
る置換オキシイミノ基はシン異性体が好ましいが、該シ
ン異性体はアンチ異性体を少量含むものであってもよ
い。本発明により提供される一般式[I]の化合物の好
ましい例としては、以下のものが挙げられる。
【0012】1) 2−(2−アミノチアゾール−4−
イル)−2−(1−カルボキシ−1−ビニルオキシイミ
ノ)酢酸 2) 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニルオキ
シイミノ)酢酸 3) 2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ
チアゾール−4−イル)−2−(1−tert−ブトキ
シカルボニル−1−ビニルオキシイミノ)酢酸 4) 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−
ビニルオキシイミノ)−2−(2−ホルムアミドチアゾ
ール−4−イル)酢酸 5) 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−
ビニルオキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチア
ゾール−4−イル)酢酸 6) 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−
ビニルオキシイミノ)−2−(2−クロロアセトアミド
チアゾール−4−イル)酢酸 7) 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−1−ビニルオ
キシイミノ)酢酸 8) 2−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−1
−ビニルオキシイミノ)−2−(2−tert−ブトキ
シカルボニルアミノチアゾール−4−イル)酢酸 9) 2−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−1
−ビニルオキシイミノ)−2−(2−ホルムアミドチア
ゾール−4−イル)酢酸 10) 2−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−
1−ビニルオキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノ
チアゾール−4−イル)酢酸 11) 2−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−
1−ビニルオキシイミノ)−2−(2−クロロアセトア
ミドチアゾール−4−イル)酢酸 12) 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニルオ
キシイミノ)酢酸メチルエステル 13)2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ
チアゾール−4−イル)−2−(1−tert−ブトキ
シカルボニル−1−ビニルオキシイミノ)酢酸メチルエ
ステル 14) 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1
−ビニルオキシイミノ)−2−(2−ホルムアミドチア
ゾール−4−イル)酢酸メチルエステル 15) 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1
−ビニルオキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチ
アゾール−4−イル)酢酸メチルエステル 16) 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1
−ビニルオキシイミノ)−2−(2−クロロアセトアミ
ドチアゾール−4−イル)酢酸メチルエステル 17) 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−1−ビニル
オキシイミノ)酢酸メチルエステル 18) 2−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−
1−ビニルオキシイミノ)−2−(2−tert−ブト
キシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)酢酸メチ
ルエステル 19) 2−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−
1−ビニルオキシイミノ)−2−(2−ホルムアミドチ
アゾール−4−イル)酢酸メチルエステル 20) 2−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−
1−ビニルオキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノ
チアゾール−4−イル)酢酸メチルエステル 21) 2−(1−ベンズヒドリルオキシカルボニル−
1−ビニルオキシイミノ)−2−(2−クロロアセトア
ミドチアゾール−4−イル)酢酸メチルエステル等が挙
げられ上記化合物の内1)、2)、4)、5)、1
2)、14)、15)が特に好ましい。
【0013】前記一般式におけるカルボキシル基、アミ
ノ基又は水酸基の保護及びその除去方法は、β−ラクタ
ム合成の分野で通常使用されている保護基を適宜選択し
て用いることができる。保護基の導入及び除去方法は、
例えばワイレイ(Wiley)社より1981年に発行
されたティ ダブリュー グリ−ン(T.W.Gree
ne)著のプロテクティブ グループス イン オーガ
ニック シンセシス(Protective Grou
ps in Organic Synthesis)、
プレナム プレス(Plenum Press)社より
1973年に発行されたジェイ エフ ダブリュー マ
コミィー(J.F.W.McOmie)著のプロテクテ
ィブ グループス イン オーガニック ケミストリー
(Protective Groups in Org
anic Chemistry)等に記載されている方
法に準じて行うことができる。
【0014】カルボキシル保護基としては、例えばte
rt−ブチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ア
セトキシメチル基、プロピオニルオキシメチル基、ピバ
ロイルオキシメチル基、1−アセトキシエチル基、1−
プロピオニルオキシエチル基、1−(エトキシカルボニ
ルオキシ)エチル基、フタリジル基、ベンジル基、4−
メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、
4−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビス(4−
メトキシフェニル)メチル基、(5−メチル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基、トリ
メチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等
が挙げられ、特にベンズヒドリル基、tert−ブチル
基、シリル基等が好ましい。
【0015】アミノ保護基としては、例えばトリチル
基、ホルミル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセ
チル基、tert−ブトキシカルボニル基、トリメチル
シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げ
られる。
【0016】保護基の除去方法は、その保護基の種類に
応じて、常用の方法を適宜選択して行うことができる。
特に酸処理、加水分解、還元等の常法により容易に除去
できる保護基が好ましい。
【0017】例えば、トリチル基、ホルミル基、ter
t−ブトキシカルボニル基、ベンズヒドリル基、ter
t−ブチル基、2−メトキシエトキシメチル基等の保護
基の除去は塩酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の無機酸又は有機
酸等で行うことができ、特にトリフルオロ酢酸が好まし
い。酸としてトリフルオロ酢酸を用いる場合、アニソー
ル、チオアニソール、フェノール等を添加することによ
り反応は促進され、副反応も抑制される。反応は水、塩
化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン、ベンゼン等
の反応に悪影響を与えない溶媒中、或いはこれらの混合
溶媒中で行うことができる。反応温度及び反応時間は一
般式[I]の本発明化合物の化学的性質、保護基の種類
に応じて有機合成化学の分野で通常使用されている除去
方法を適宜選択し、特に氷冷ないしは室温程度の緩和な
条件で行うのが好ましい。
【0018】例えば、アミノ保護基R1がホルミル基、
ベンズヒドリル基、トリチル基若しくはtert−ブト
キシカルボニル基及び/又はカルボキシル保護基R2
びR3が同一又は異なって、tert−ブチル基若しく
はベンズヒドリル基である場合、本発明化合物[I]
を、例えば塩酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の無機酸又は有機
酸等で処理することにより、保護基を除去することがで
きる。特にトリフルオロ酢酸が好ましい。酸としてトリ
フルオロ酢酸を用いる場合、アニソール、チオアニソー
ル又はフェノールを添加することにより反応は促進さ
れ、副反応も抑制される。反応は、例えば水、塩化メチ
レン、クロロホルム、塩化エチレン、ベンゼン等の反応
に悪影響を与えない溶媒中、或いはこれらの混合溶媒中
で本発明化合物1当量に対して、0.1〜20倍量(V
/W)好ましくは0.5〜10倍量(V/W)の酸を用
いて行うことができる。反応温度は氷冷ないしは加温程
度の緩和な条件で行うことができる。例えば、アミノ保
護基R1がトリフルオロアセチル基、トリメチルシリル
基及び/又はカルボキシル保護基R2及びR3が同一又は
異なって、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、tert−ブチル基、ベンジル基又はベンズヒ
ドリル基である場合、本発明化合物[I]を、例えばア
ルカリ又は酸加水分解することにより、保護基を除去す
ることができる。該アルカリとしては、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、
例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属
炭酸塩等が挙げられ、該酸としては、例えば塩酸、臭化
水素酸、希硫酸等が挙げられる。反応は、例えば水、メ
タノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、又はこれらの混合溶媒中、本発明化合物1当量に対
して、0.5〜5当量モル、好ましくは1〜3当量の塩
基又は0.1〜20倍量(V/W)、好ましくは0.5
〜10倍量(V/W)の酸を用い、反応温度は0〜80
℃である。
【0019】例えば、アミノ保護基R1がベンジルオキ
シカルボニル基及び/又はカルボキシル保護基R2及び
3が同一又は異なって、ベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−ニトロ
ベンジル基若しくはベンズヒドリル基である場合、本発
明化合物[III]を水素ガス気流中、例えばパラジウ
ム黒等の触媒の存在下に、常圧乃至は加圧下に10〜7
0℃で接触還元することにより、保護基を除去すること
ができる。反応溶媒は、例えば水、メタノール、エタノ
ール、テトラヒドロフラン又はこれらの有機溶媒と水と
の混合溶媒を用いることができる。 実施例1 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニル
オキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール
−4−イル)酢酸(シン異性体)の製造 英国特許明細書第1,602,725号に記載の方法に
より製造したN−(1−tert−ブトキシカルボニル
−1−ビニルオキシ)フタルイミド6.03g(20.
8mmol)を塩化メチレン200mlとメタノール1
0mlの混合溶液に溶解した後、80%抱水ヒドラジン
1.88mlとメタノール40mlの溶液を滴下し、室
温で1.5時間撹拌する。不溶物を除去した後、濾液を
8%アンモニア水で3回及び飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去し、O
−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニル)
ヒドロキシルアミンの残渣を得る。この残渣をメタノー
ル120mlに溶解した後、2−(2−トリチルアミノ
チアゾール−4−イル)グリオキシル酸7.46g(1
8mmol)を加え、室温で3時間撹拌する。析出結晶
を濾取し、標記化合物7.08g(収率70.9%)を
得る。
【0020】mp:110〜115℃(分解) IR(KBr)cm-1:3400,2970,172
5,1630,1100,700 NMR(DMSO−d6)δ:1.45(9H,s),
5.20(1H,brs),5.33(1H,br
s),7.05(1H,s),7.10〜7.40(1
5H,m),8.82(1H,br s) 元素分析値:C312935Sとして 計算値(%):C,67.00;H,5.26;N,
7.56;S,5.77 実測値(%):C,67.30;H,5.58;N,
7.74;S,5.54 実施例2 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニル
オキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール
−4−イル)酢酸(シン異性体)の製造 N−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニル
オキシ)フタルイミド392mg(1.3mmol)を
塩化メチレン8mlとメタノール0.8mlの混合溶液
に溶解した後、80%抱水ヒドラジン0.165ml
(2.6mmol)とメタノール2mlの溶液を滴下
し、室温で1時間撹拌する。不溶物を除去した後、濾液
を8%アンモニア水で3回及び飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去し、
O−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニ
ル)ヒドロキシルアミンの残渣を得る。この残渣をメタ
ノール5mlに溶解した後、2−(2−トリチルアミノ
チアゾール−4−イル)グリオキシル酸414mg
(1.0mmol)を加え、室温で2時間撹拌する。析
出結晶を濾取し、標記化合物400mg(収率76.1
%)を得る。本品のIR及びNMRスペクトルは実施例
1のそれに全く一致する。 実施例3 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−
tert−ブトキシカルボニル−1−ビニルオキシイミ
ノ)酢酸(シン異性体)の製造 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)グリオキシル
酸172mg(1.0mmol)を用いて、実施例1と
同様の操作を行い、標記化合物207.5mg(収率6
6.2%)を得る。
【0021】mp:120℃(分解) IR(KBr)cm-1:3400,3150,299
0,1720,1640,1380,1320,120
0,1150,980,850,730NMR(DMS
O−d6/CD3OD)δ:1.48(9H,s),5.
29(1H,s),5.39(1H,s),7.10
(1H,s),7.30(2H,br s) 実施例4 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニル
オキシイミノ)−2−(2−ホルムアミドチアゾール−
4−イル)酢酸(シン異性体)の製造 2−(2−ホルムアミドチアゾール−4−イル)グリオ
キシル酸200mg(1.0mmol)を用いて、実施
例1と同様の操作を行い、標記化合物183mg(収率
53.6%)を得る。
【0022】mp:130℃(分解) IR(KBr)cm-1:3400,3150,298
0,1720,1690,1630,1560,140
0,1380,1280,1210,1150,98
0,850,740 NMR(DMSO−d6)δ:1.48(9H,s),
5.18(1H,s),5.24(1H,s),7.4
9(1H,s),8.51(1H,s) 実施例5 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−
カルボキシ−1−ビニルオキシイミノ)酢酸 トリフル
オロ酢酸塩(シン異性体)の製造 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニル
オキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール
−4−イル)酢酸(シン異性体)350mg(0.63
mmol)を塩化メチレン4mlとアニソール0.8m
lの混合溶液に溶解し、0℃に冷却した後、予め0℃に
冷却したトリフルオロ酢酸4mlを加え、同温度で30
分間、室温で1.5時間撹拌する。減圧下に溶媒を留去
し、油状残渣にジイソプロピルエーテル20mlを加
え、析出粉末を濾取、ジイソプロピルエーテルで洗浄
し、標記化合物200mg(収率85.5%)を得る。
【0023】mp:110〜115℃(分解) IR(KBr)cm-1:3400,3120,165
0,1630,1610,1590,1190,118
0,980 NMR(DMSO−d6/D2O)δ:5.40(1H,
s),5.47(1H,s),7.15(1H,s)
【0024】
【発明の効果】セファロスポリン誘導体の7−位の側鎖
として有用な2−(2−アミノチアゾリル)−2−(1
−カルボキシ−1−ビニルオキシイミノ)酢酸又はその
塩及びその製法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 光 愛知県岡崎市柱町上荒子23番地 (72)発明者 畔柳 悟 愛知県岡崎市上六名2丁目11番地8 (72)発明者 田中 芳治 愛知県岡崎市大門3丁目14番地18 (72)発明者 石川 守明 愛知県岡崎市舳越町本郷88番地1 (72)発明者 牛嶋 良輔 愛知県岡崎市戸崎元町14番地3

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子又はアミノ保護基、R2及びR3
    は同一又は異なって水素原子又はカルボキシル保護基を
    示す]で表される化合物又はその塩。
  2. 【請求項2】2−(1−tert−ブトキシカルボニル
    −1−ビニルオキシイミノ)−2−(2−トリチルアミ
    ノチアゾール−4−イル)酢酸(シン異性体)、 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−
    tert−ブトキシカルボニル−1−ビニルオキシイミ
    ノ)酢酸(シン異性体)、 2−(1−tert−ブトキシカルボニル−1−ビニル
    オキシイミノ)−2−(2−ホルムアミドチアゾール−
    4−イル)酢酸(シン異性体)又は2−(2−アミノチ
    アゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−ビ
    ニルオキシイミノ)酢酸(シン異性体)である特許請求
    の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】一般式 【化2】 [式中、R4は水素原子又はアミノ保護基、R5は水素原
    子又はカルボキシル保護基を示す]で表される化合物を
    一般式[III] 【化3】 [式中、R6は水素原子又はカルボキシル保護基を示
    す]で表される化合物と反応させ、要すれば保護基を除
    去することを特徴とする一般式[I] 【化4】 [式中、R1は水素原子又はアミノ保護基、R2及びR3
    は同一又は異なって水素原子又はカルボキシル保護基を
    示す]で表される化合物又はその塩の製造法。
JP6297861A 1994-11-07 1994-11-07 2−(2−アミノチアゾリル)−2−(1−カルボキシ−1−ビニルオキシイミノ)酢酸及びその製法 Pending JPH07165740A (ja)

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