JPH07165603A - オーレオバシジン類含有エマルション製剤 - Google Patents

オーレオバシジン類含有エマルション製剤

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JPH07165603A
JPH07165603A JP5341220A JP34122093A JPH07165603A JP H07165603 A JPH07165603 A JP H07165603A JP 5341220 A JP5341220 A JP 5341220A JP 34122093 A JP34122093 A JP 34122093A JP H07165603 A JPH07165603 A JP H07165603A
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JP
Japan
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aureobasidins
emulsion
oil
preparation
emulsion preparation
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JP5341220A
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Kazuo Ootsuki
和男 大朏
Fumiko Okawa
文子 大川
Takaaki Okuma
高明 大熊
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗真菌剤として有用なオーレオバシジン類を、
エマルション製剤とし、例えば注射用製剤としての使用
を可能にする。 【構成】オーレオバシジン類、油脂、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレングリコール類及び水を必須成分
とし、オーレオバシジン類を含む油相が水相に分散乳化
していることを特徴とするエマルション製剤である。例
えば、好ましくは油脂濃度が1〜30%w/vであり、
また高級脂肪酸又は酸性リン酸脂質を乳化安定剤として
含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗真菌剤として有用なオ
ーレオバシジン類含有エマルション製剤に関するもので
注射用製剤などとして使用できる。
【0002】
【従来の技術】オーレオバシジン類は既知化合物であ
り、例えばオーレオバシディウム属に属する1菌株(FE
RM-BP1938)によって生産され、抗真菌剤としての有用性
が期待されている (特開平2-138296、同3-22995 、同3-
44398)。深在性真菌症は癌や臓器移植、後天性免疫不全
症候群など免疫の抑制状態にある患者にとり致命的な疾
患であり、近年増加しつつある。これらの重症の患者に
対し、オーレオバシジン類を注射により投与できる製剤
が望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】オーレオバシジン類は
水に実質的に溶解しない環状のペプチドであり、水に溶
解して注射用製剤とすることが困難である。また、オー
レオバシジン類は非常にミセル可溶化しにくく、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類やポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレングリコール類では可溶化
できない。そのため安全性が高く、注射に使用できる製
剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】水に実質的に不溶性のオ
ーレオバシジン類を注射用にも使用できる安全性の高い
製剤とするため鋭意検討した結果、オーレオバシジン
類、油脂及び水を必須成分とし、オーレオバシジン類を
含む油相を水相に分散乳化して得られるエマルション製
剤とすれば、安定性もよくかつ安全性の高い製剤が得ら
れることを見出し、本発明を完成した。
【0005】本発明のエマルション製剤は、通常オーレ
オバシジン類を油脂に溶解し、次いで分散乳化剤を添加
し、均一に分散懸濁し、次いで適量の水を加えて乳化す
ることにより得ることが出来る。
【0006】本発明におけるオーレオバシジン類として
は特開平2-138296記載の新規抗生物質R106 (オーレオバ
シジンA : 以下R106-Iと略す) 及びそれらの類縁化合
物、誘導体などがあげられ、具体的には前記公報開示の
化合物などがあげられる。オーレオバシジン類を溶解す
る油脂としては大豆油、紅花油、トウモロコシ油、オリ
ーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、綿実油、菜種油やヤシ
油などの天然由来の植物油やカプリン酸トリグリセリド
やカプリル酸トリグリセリドなど中鎖脂肪酸 (炭素数6
〜12)トリグリセリドのような合成油脂等の脂肪酸ト
リグリセリド(脂肪酸の炭素数6〜22、好ましくは8
〜20)を用いることが可能である。溶解度の点からい
えば、炭素数8〜12の中鎖脂肪酸を用いることが好ま
しい。また、オーレオバシジン類の油脂中の溶解性を向
上させるなどの目的でこれらの2種以上油脂を混合して
用いても構わない。これらの油脂は常温(約10〜30
℃)で液状のものが好ましく、例えば炭素数6〜20の
脂肪酸のトリグリセリドがあげられる。使用される油脂
の量は油脂の種類によっても異なるが、オーレオバシジ
ン類1部に対し通常5部以上であり、好ましくは10部
から100部、より好ましくは10部から50部の範囲
である。
【0007】オーレオバシジンを溶解した油相を水相に
分散乳化するために使用されるポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレングリコール類としては、ポリプロピレ
ングリコールにエチレンオキシドを付加重合した分子式
HO(C2 4 O)a (C36 O)b (C2 4 O)
a Hで表されるもので、エチレンオキシドの平均重合度
aは12〜141、プロピレンオキシドの平均重合度b
は20〜56が好ましい。ポリプロピレングリコール部
分の平均分子量は約1800且つエチレングリコール部
分の平均分子量が全体の平均分子量の約80%のものが
より好ましい。すなわち、通常aが約80、bが約30
であるポリオキシエチレン〔160〕ポリオキシプロピ
レン〔30〕グリコール(ポロクサマー188)が用い
られる。これらのポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レングリコール類の添加量は油相100部に対して1部
から200部、好ましくは5部から150部、より好ま
しくは10部から100部、最も好ましくは15部から
50部の範囲である。
【0008】水はオーレオバシジン類の最終製剤におけ
る濃度が0.01%〜5%w/v 、好ましくは0.1〜2
%w/v 、最も一般的には0.2〜1%w/v 程度になるよ
うに使用される。
【0009】また本発明のエマルション製剤には上記成
分以外に他の医薬品添加剤が添加されていてもよい。そ
れらの添加剤としては、オーレオバシジン類の溶解補助
剤、乳化安定剤、pH調整剤、pH緩衝剤、浸透圧調節
剤、保存剤などがあげられる。
【0010】乳化安定剤としては、エマルション製剤の
粒子どうしの凝集合一を防止する作用を有する中級から
高級脂肪酸が好ましく、医薬用に使用しうるものであれ
ば特に制限はないが、通常炭素数8〜24程度、好まし
くは炭素数10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸などがあ
げられ、最も好ましいものとしては炭素数14から20
の不飽和脂肪酸があげられる。これらの脂肪酸の例とし
ては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等が
あげられる。これらの化合物はまたオーレオバシジン類
の油脂に対する溶解性を向上させる作用もあり、これら
の化合物の添加は好ましい。これらの脂肪酸の添加量は
油脂に対して、0.1%〜40%w/w 、好ましくは1%
〜20%w/w 、通常2%〜15%w/w 程度である。乳化
安定剤の添加量は、通常、エマルション製剤全体に対
し、0.1〜10%w/v 、好ましくは0.2〜5%w/v
である。
【0011】pH調整剤及びpH緩衝剤としては、注射
剤に通常使用される生理的に安全性の高い酸及び塩基を
使用することができる。この例として、塩酸、硫酸、リ
ン酸などの無機酸やクエン酸などの有機酸及びこれらの
アルカリ金属塩が使用される。調整するpHは生理的に
許容されるpHならば制限はないが、安全性及び乳化の
安定性を保持するためには4〜9の範囲が好ましく、一
般的には5〜8である。浸透圧調整剤としては、生理的
に安全性の高い塩類や糖類、糖アルコール類やアルコー
ル類が用いられるが、エマルション製剤の安定性を保持
するためにはブドウ糖などの糖類、マンニトールなどの
糖アルコールやグリセリンなどの多価アルコールや炭素
数2〜4の低級アルコール等の非イオン性物質を用いる
ことが好ましい。これらの添加量はエマルション製剤の
浸透圧を生理的に安全な程度の浸透圧に保つのに必要な
量であればよく、通常生理食塩液の浸透圧に対する比と
して0.7以上、好ましくは0.7から4の浸透圧を得
るのに必要な浸透圧調整剤固有の濃度を得る量であれば
よい。
【0012】その他の添加剤としては、酸化防止剤や保
存剤などがあげられる。特に不飽和結合を含む油脂を含
むときは油脂の酸化を防止する目的で酸化防止剤として
ビタミンE類、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒド
ロキシアニソールなどの脂溶性の抗酸化剤を用いること
ができる。これらの抗酸化剤の添加量は通常油脂1部に
対し0.0001部から0.01部の範囲である。ま
た、脂質の酸化による変化を防ぐため、容器中の大気を
窒素ガスなどの不活性ガスで置換することも通常行われ
る。
【0013】オーレオバシジン類は水に実質的に溶解し
ないため、長期保存において乳化液中にオーレオバシジ
ン類の結晶が析出する可能性がある。この結晶析出を防
ぐために例えば炭素数2〜3のアルコール、具体的には
エタノール、グリセリン等の注射剤に通常使用される生
理的に安全性の高い極性有機溶媒を使用することができ
る。エタノール等の極性有機溶媒の添加量はエマルショ
ン製剤に対し20%w/v 以下、好ましくは1〜10%w/
v である。
【0014】次に本発明の製造法をより詳しく説明す
る。オーレオバシジン類の油脂への溶解は常温でもよい
が、通常30℃〜80℃程度に加熱して溶解するのが好
ましい。又、少量のエタノールに溶解し、この溶液を油
脂に溶解してもよい。溶解補助剤、乳化安定剤及び保存
剤等を使用する場合にはこれらをあらかじめ油脂中に混
合溶解しておくのが好ましいが、場合により後で添加し
てもよい。
【0015】通常オーレオバシジン類を溶解した油脂溶
液にポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコー
ル類を加え、じゅうぶんに混合し、均一に分散させる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類
の混合は加温下、常温下いずれで行ってもよい。乳化工
程は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ
ール類を分散した油脂溶液を水相に添加して乳化機を用
いて乳化することにより行うことができる。用いる乳化
機としてはホモミキサーやホモジナイザーなどの乳化機
を用いることができる。注射剤として好ましい粒径のエ
マルション製剤を調製するためには、マントンゴーリン
(登録商標)型ホモジナイザーやマイクロフルイダイザ
ー(登録商標)等の高圧乳化装置を用いて乳化すること
が好ましい。
【0016】乳化した油脂の粒子径は注射したときの安
全性及びエマルション製剤の安定性を保持するためには
0.05〜1μmであることが好ましく、平均粒子径は
0.4μm以下の範囲にあることが好ましい。得られた
乳濁液はメンブランフィルターを用いて、異物を除くこ
とができる。また、ろ過した乳濁液は滅菌した容器に充
填し密封したのち高圧蒸気滅菌することも可能である。
【0017】得られたエマルション製剤の好ましい組成
を下記に示す。組成割合はいずれもエマルション製剤全
体に対する割合である。 オーレオバシジン類 0.01〜5%w/v 、好ましくは0.1〜2%w/v 油脂 1〜30%w/v 、好ましくは5〜20%w/v ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類 0.5〜20%w/v 、好ましくは1〜10%w/v その他の医薬品添加剤 0.1〜20%w/v 、好ましくは1〜10%w/v 水 残部
【0018】更に好ましい組成を下記に示す。組成割合
はいずれも乳化製剤全体に対する割合である。 オーレオバシジン 0.01〜5%w/v 、好ましくは0.1〜2%w/v R106−1 油脂として炭素数 1〜30w/v 、好ましくは5〜20%w/v 8〜20の脂肪酸 トリグリセリド (天然由来の植物油 を含む) 乳化剤としてポリオキ 0.5〜20%w/v 、好ましくは1〜8%w/v シエチレンポリオキシプ ロピレングリコール類 乳化安定剤として 0.1〜5%w/v 、好ましくは0.2〜2%w/v オレイン酸 エタノール 0〜18%w/v 、好ましくは1〜10%w/v その他の医薬品添加剤 0〜18%w/v 、好ましくは1〜8%w/v 水 残部
【実施例】
【0019】本発明を実施例をあげて詳しく説明する
が、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0020】実施例1 オーレオバシジンR106−I,0.5gを大豆油9g
とオレイン酸1gに50〜60℃で加熱溶解し、これに
ポリオキシエチレン[160] ポリオキシプロピレン[30]グ
リコール,2.5gを均一に分散懸濁した。得られた混
合物にグリセリン2gを加え、注射用水適量を加え全量
100mlとし、ホモジナイザー(イカ社製)により一次
乳化を行った。得られた乳濁液を更にマイクロフルイダ
イザー(マイクロフルイディクス社製)により高圧で二
次乳化を行った。この乳化した液に適量の塩酸及び水酸
化ナトリウムを加えてpHを6.6に調整した。得られ
た乳濁液をメンブランフィルター(孔径0.45μm)
を用いてろ過し滅菌した注射用の容器に充填し、窒素ガ
ス置換して密封した後、高圧蒸気滅菌(121℃,20
分間)を施し注射用製剤とした。得られた注射剤は均一
な白色の乳濁液であり、光散乱粒子測定装置による平均
粒子径は0.15μmであり、滅菌前の平均粒子径0.
16μmから変化が認められなかった。滅菌による含量
の大きな低下は認められず、滅菌前に対する含量は9
6.8%であった。
【0021】実施例2 オーレオバシジンR106−I,0.5gをエタノール
1gに溶解し、大豆油9gとオレイン酸1gを加え均一
溶液とした。これにポリオキシエチレン[160]ポリオキ
シプロピレン[30]グリコール,2.5gを均一に分散懸
濁した。得られた混合物にエタノール4gを加え、注射
用水適量を加え全量100mlとし、ホモジナイザー(イ
カ社製)により一次乳化を行った。得られた乳濁液を更
にマイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社
製)により高圧で二次乳化を行った。この乳化した液に
適量の塩酸及び水酸化ナトリウムを加えてpHを6.6
に調整した。得られた乳濁液をメンブランフィルター
(孔径0.45μm)を用いてろ過し滅菌した注射用の
容器に充填し、窒素ガス置換して密封した後、高圧蒸気
滅菌(121℃,20分間)を施し注射用製剤とした。
得られた注射剤は均一な白色の乳濁液であり、光散乱粒
子測定装置による平均粒子径は0.13μmであり、滅
菌前の平均粒子径0.12μmから変化が認められなか
った。滅菌による含量の大きな低下は認められず、滅菌
前に対する含量は96.0%であった。
【0022】対照例1 オーレオバシジンR106−I,1.75gを大豆油3
1.5gとオレイン酸3.5gの混合物に50〜60℃
で加熱溶解し、これに精製卵黄リン脂質7gを均一に分
散懸濁する。得られた混合物に注射用水適量及びエタノ
ール17.5gを加え全量350mlとし、ホモジナイザ
ー(イカ社製)により一次乳化を行った。得られた乳濁
液を更にマイクロフルイダイザー(マイクロフルイディ
クス社製)により高圧で二次乳化を行った。この乳化し
た液に適量の塩酸及び水酸化ナトリウムを加えてpHを
7.2に調製した。得られた乳濁液をメンブランフィル
ター(孔径0.4μm)を用いてろ過し滅菌した注射用
の容器に充填し、窒素ガス置換して密封した後、高圧蒸
気滅菌(121℃,20分間)を施し注射用製剤とし
た。得られた注射剤は均一な白色の乳濁液であり、光散
乱粒子測定装置による平均粒子径は0.18μmであ
り、滅菌前の平均粒子径0.18μmから変化が認めら
れなかった。滅菌による含量の低下は認められず、滅菌
前に対する含量は102.3%であった。
【0023】(試験例1:本発明品のin vivo抗
真菌効果)本発明品実施例1の製剤の抗真菌効果を示
す。カンジダ菌(Candida albicans TIMM1768), 2×1
6 /0.2mlをマウス尾静脈より静注して感染させ、
感染当日より5日間、本発明品の実施例1の製剤をR1
06−Iの投与量で20mg/kgを投与した。各投与
群のマウスは10匹とし、真菌感染当日より31日間そ
の生死及び体重を観察した。生死及び体重の観察では、
感染及び薬剤投与を行わない非感染無処置群と比較し
た。
【0024】本発明品実施例1の製剤の抗真菌効果を生
存曲線により図1に非感染無処理群と比較して示した。
また、実施例1の製剤の体重変化を図2に非感染無処置
群と比較して示した。本発明品実施例1の製剤におい
て、生存率の延長及び体重変動における回復が認めら
れ、本発明品の抗真菌効果及び安全性が高いことが示さ
れた。
【0025】(試験例2:本発明品の赤血球形態に対す
る影響)本発明品実施例2の製剤及び乳化剤として脂肪
乳剤に通常使用されるリン脂質を使用した対照例1の製
剤の赤血球に対する影響を示す。ヒト血液 0.2 ml に実
施例2及び対照例1の製剤を5%ブドウ糖液で10倍に希
釈した液 0.2 ml を加え、37℃ 30 分間保温した。その
後、リン酸緩衝生理食塩液(PBS) 4 mlを加え、遠心分離
して上清を取り除いた。得られた残渣に 0.9% グルタル
アルデヒド−PBSを 5 ml を加え、室温で 2時間放置
後、遠心分離し上清を取り除いた。残渣に蒸留水約 10
mlを加え懸濁して、カバーガラス上で乾燥した。カバー
ガラスを試料台に固定し、金−白金蒸着し、走査型電子
顕微鏡で観察した。
【0026】赤血球形態の評価は Fujiiらの方法 (Bioc
hemical Pharmacology, 28, 613 (1979)) にしたがっ
た。本発明品実施例2の製剤の5%ブドウ糖液10倍希釈
液の場合は赤血球の形態変化はほとんどなくまれに棘状
+1の形態が認められるのみであった。対照例1の製剤
の5%ブドウ糖液10倍希釈液の場合は赤血球のほとんど
が棘状+1から棘状+2へ形態変化していた。本発明品
実施例2の製剤において、赤血球形態に対する影響の顕
著な軽減が認められ、本発明品の安全性が高いことが示
された。
【0027】
【発明の効果】本発明において乳化剤としてポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレングリコール類を用いて得
られた注射剤は優れた抗真菌効果を有し、更にアナフィ
ラキシー様作用の副作用を有せず、赤血球に対する影響
も非常に小さく安全性が高い。また、本発明のエマルシ
ョン製剤では高圧蒸気滅菌により油相の分離や、分散油
粒子径の増大が認められず、高圧蒸気滅菌が可能であ
る。したがって、注射剤の調製における無菌性の保証も
容易であり、安定性の優れた製剤を得ることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】カンジダ菌感染マウスに、実施例1の製剤を投
与した場合の生存率曲線
【図2】カンジダ菌感染マウスに実施例1の製剤を投与
した場合ならびに非感染無処置の場合の体重変化曲線
【符号の説明】
図1において、1は実施例1の製剤をR106−Iの投
与量として20mg/kg投与した群、Aは非感染無処
置群を示す。図2において、1は実施例1の製剤をR1
06−Iの投与量として20mg/kg投与した群、A
は非感染無処置群を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/34 H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーレオバシジン類、油脂、ポリオキシエ
    チレンポリオキシプロピレングリコール類及び水を必須
    成分とし、オーレオバシジン類を含む油相が水相に分散
    乳化していることを特徴とするオーレオバシジン類含有
    エマルション製剤
  2. 【請求項2】エマルション製剤中の油脂濃度が1〜30
    %w/v である請求項1の製剤
  3. 【請求項3】全体の油脂量100部に対してポリオキシ
    エチレンポリオキシプロピレングリコール類の量が1〜
    200部である請求項1の製剤
  4. 【請求項4】中級及び/又は高級脂肪酸を含む請求項1
    の製剤
  5. 【請求項5】極性有機溶媒を含む請求項1の製剤
  6. 【請求項6】全体に対する組成割合がオーレオバシジン
    類0.1〜2%w/v 、油脂5〜20%w/v 、ポリオキシ
    エチレンポリオキシプロピレングリコール類1〜10%
    w/v 、その他の医薬品添加剤1〜10%w/v 、水が残部
    である請求項1の製剤
JP5341220A 1993-12-13 1993-12-13 オーレオバシジン類含有エマルション製剤 Pending JPH07165603A (ja)

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