JPH07164862A - 車両用暖房装置 - Google Patents

車両用暖房装置

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JPH07164862A
JPH07164862A JP5310541A JP31054193A JPH07164862A JP H07164862 A JPH07164862 A JP H07164862A JP 5310541 A JP5310541 A JP 5310541A JP 31054193 A JP31054193 A JP 31054193A JP H07164862 A JPH07164862 A JP H07164862A
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cooling water
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heat
heating
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Shigenori Doi
重紀 土井
Takahiro Sato
敬博 佐藤
Fumio Hitase
文雄 日當瀬
Takayuki Kuwabara
孝之 桑原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大容量の蓄熱材を配置しなくとも、エンジンの
早期の暖機と車室内の早期の暖房とを高いレベルで両立
させることができる車両用暖房装置を提供する。 【構成】冷却水の持つ熱を蓄えておく蓄熱器21と、冷
却水の持つ熱を車室内に吹き出す空気に与えて暖めるた
めのヒータコアH/Cと、冷却水を、蓄熱器21とヒー
タコアH/Cとの間で循環させる第1の循環経路と、冷
却水を、蓄熱器21とヒータコアH/CとエンジンEG
との間で循環させる第2の循環経路と、冷却水が第1の
循環経路内を循環している状態と、第2の循環経路内を
循環している状態とを切り換えるバルブ14,16,2
0と、エンジンEGの始動直後の冷却水温が低い状態に
おいては、冷却水を第2の循環経路内で循環させ、冷却
水温が所定値以上となったときには、冷却水を第1の循
環経路内で循環させる様にバルブ14,16,20を制
御する制御装置とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン始動初期にお
いても高い暖房能力を発揮することができる車両用暖房
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両においては、
エンジンを冷却する冷却水の熱を利用して車室内の暖房
が行われているが、この様な車両用の暖房装置において
は、エンジンの始動直後には、冷却水が十分に暖まって
いないため、暖房がきかないという問題点がある。冷却
水が暖房のために十分な温度まで暖まるには、5〜6分
程度の時間を要するため、冬期等においては、エンジン
を始動してから5〜6分の間は乗員は車室内の寒さを我
慢しなければならない。
【0003】近年、この様な問題点を解決するために、
冷却水の循環パイプに蓄熱材を配置し、エンジンが暖ま
るまでの間はこの蓄熱材によって冷却水を補助的に暖
め、車室内を早く暖める暖房方法が開発されている。
【0004】この様な蓄熱材を備える暖房装置として
は、特開平2−41921号に開示されている様なもの
が知られている。この従来技術においては、冷却水を蓄
熱材と、車室内に吹き出す空気を暖めるためのヒータコ
アとの間で循環させ、エンジンには蓄熱材で暖められた
温水を供給しない第1のモードと、冷却水を蓄熱材とヒ
ータコアとエンジンの間で循環させ、エンジンにも蓄熱
材で暖められた温水を供給する第2のモードが備えられ
ている。第1のモードでは、蓄熱材の熱はヒータコアの
みに供給されるので、車室内の暖房能力が高く車室内は
早く暖められ、第2のモードでは、蓄熱材の熱はエンジ
ンとヒータコアの双方に供給されるので、車室内の暖房
能力は低下するがエンジンの暖機運転を早期に終了させ
ることができる。そしてこれらの第1のモードと第2の
モードが乗員によって切り換え可能になされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例においては、第1のモードでは車室内の暖房が即
座に行われる反面、エンジン内の冷却水は、エンジン自
身の発熱のみによって暖められるため、暖機運転の時間
が長くなるという問題点がある。また、第2のモードで
は、エンジン内の冷却水の体積は大きく、それに伴って
熱容量が大きいため、蓄熱材に蓄えられている熱量の多
くがエンジン内の冷却水を暖めるために使用されてしま
い、車室内の暖房能力が極めて低下するという問題点が
ある。従って、乗員が第1のモードと第2のモードを切
り換えられる様にされているとはいっても、どちらのモ
ードを選択してもエンジンの早期の暖機と車室内の早期
の暖房とを両立させることは難しいという問題点があっ
た。
【0006】勿論、蓄熱材が、エンジン内の冷却水もヒ
ータコアに流れる冷却水も共に十分に暖めることができ
る程の熱容量を持っていれば、上記の問題点は解決され
るのであるが、車両という限られたスペースの中では、
その様な大容量の蓄熱材を配置することは困難である。
【0007】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、大容量の
蓄熱材を配置しなくとも、エンジンの暖機に使用される
熱量と車室内の暖房に使用される熱量とを適切なレベル
でバランスさせ、エンジンの早期の暖機と車室内の早期
の暖房とを高いレベルで両立させることができる車両用
暖房装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の車両用暖房装置は、エン
ジンの冷却水の温度が高いときに冷却水の持つ熱を蓄え
ておく蓄熱器と、冷却水の持つ熱を車室内に吹き出す空
気に与えて暖めるためのヒータコアと、冷却水を、前記
蓄熱器と前記ヒータコアとの間で循環させる第1の循環
経路と、冷却水を、前記蓄熱器と前記ヒータコアと前記
エンジンとの間で循環させる第2の循環経路と、冷却水
が前記第1の循環経路内を循環している状態と、前記第
2の循環経路内を循環している状態とを切り換える切り
換え手段と、前記エンジンの始動直後の冷却水温が低い
状態においては、冷却水を前記第2の循環経路内で循環
させ、冷却水温が所定値以上となったときには、冷却水
を前記第1の循環経路内で循環させる様に前記切り換え
手段を制御する制御手段とを具備することを特徴として
いる。
【0009】また、この発明に係わる車両用暖房装置に
おいて、前記所定値は車室外の気温に基づいて設定され
ることを特徴としている。
【0010】また、この発明に係わる車両用暖房装置に
おいて、前記所定値は、車室内の気温と車室内の気温に
基づいて算出される暖房必要度に基づいて設定されるこ
とを特徴としている。
【0011】
【作用】以上の様に、この発明に係わる車両用暖房装置
は構成されているので、エンジンの始動直後において
は、蓄熱器によって暖められた冷却水をエンジンにも供
給してエンジンの暖機を促進させ、エンジンの冷却水温
が所定値以上となった後に、蓄熱器によって暖められた
冷却水をヒータコアのみに供給して暖房を優先させるこ
とにより、エンジンの暖機と車室の暖房の双方を高いレ
ベルで両立させることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について、添
付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は、一実施例の車両用暖房装置の冷却
水の循環回路を示したものである。図1において、車室
内に吹き出す空気を暖めるためのヒータコアH/Cに
は、エンジンEGの冷却水を還流させるための冷却水通
路12が配管されている。冷却水通路12は、エンジン
EGから流れ出た冷却水がヒータコアH/Cに向かって
流れる上流側通路12aと、ヒータコアH/Cから流れ
出た冷却水がエンジンEGに向かって流れる下流側通路
12bとから構成されている。上流側通路12aと下流
側通路12bの中間部には、バイパス通路12c,12
dが接続されている。上流側通路12aとバイパス通路
12c,12dとが交差する点A,Bの中間には、上流
側通路12aを開閉するための第1バルブ14が設けら
れている。また、下流側通路12bとバイパス通路12
c,12dとが交差する点C,Dの中間には下流側通路
12bを開閉するための第2バルブ16が設けられてい
る。更にバイパス通路12cの中間部には、冷却水を矢
印F方向にのみ流す逆止弁から成る第3バルブ18が設
けられており、バイパス通路12dの中間部には、この
バイパス通路12dを開閉するための第4バルブ20が
設けられている。また、下流側通路12b上の点Cとヒ
ータコアH/Cとの間には冷却水を循環させるための電
動式の第1ポンプP1 が介設されている。
【0014】一方、上流側通路12a上の点Aとヒータ
コアH/Cの中間には蓄熱器21が配置されている。蓄
熱器21は、断熱容器22とこの断熱容器22内に配置
された蓄熱材H/Bとから構成されている。断熱容器2
2は、前回の運転時にエンジンによって暖められた冷却
水を高温の状態で保存しておくためのものであり、冷却
水を保存するために所定の容積を有している。この断熱
容器22内の高温の冷却水をエンジン始動直後にヒータ
コアH/Cに流すことにより、エンジン始動直後からす
ぐに車室内の暖房を行うことができる。なお、断熱容器
22の前後には、この断熱容器22内の高温の冷却水が
上流側通路12a内の冷却水と混ざらない様にするため
に、第5バルブ24と第6バルブ26とが設けられてい
る。第5及び第6バルブ24,26は、エンジン始動
後、オート空調制御を行うオートスイッチ28がONさ
れると共に開放され、断熱容器22内の高温の冷却水が
ヒータコアH/Cに向かって流れ出し、断熱容器22内
には、上流からの低温の冷却水が流入し始める。
【0015】また、蓄熱材H/Bは、断熱容器22内の
高温の冷却水がヒータコアH/Cに向かって流れ出した
後に、上流側から断熱容器22内に流れ込む低温の冷却
水を暖める働きをする。蓄熱材H/Bとしては、例えば
過冷却現象を示す物質を用いても良いし、単に比熱の大
きい物質を用いても良い。ここで、過冷却現象を示す材
料とは、熱を吸収し融点以上になると溶融するが、一旦
完全に溶融すると温度が融点以下に低下しても結晶化す
ることなく溶融状態を保ち、機械的あるいは電気的刺激
を与えたり、種結晶を与えることによって直ちに溶融潜
熱を放出して結晶化する材料である。従って、蓄熱材H
/Bに過冷却現象を示す材料を用いた場合には、蓄熱材
H/Bは、冷却水がエンジンにより暖められて定常温度
になったときに、冷却水の熱を吸収して溶融し、その後
冷却されても液体状態を保持して潜熱を蓄える。そし
て、所定のトリガーが加えられると蓄熱材H/Bは、直
ちに結晶化を始め、それまで蓄えられていた熱が放出さ
れる。従って、エンジン始動後、蓄熱材H/Bにトリガ
ーが加えられる様にしておけば、断熱容器22内に低温
の冷却水が流入し始めたときに、この低温の冷却水を即
座に暖めることができる。また、蓄熱材H/Bに単に比
熱の大きい物質を用いた場合には、特にトリガー等を必
要とせず、蓄熱材H/Bからは断熱容器22内に流入し
てきた低温の冷却水に熱が放散され、冷却水が暖められ
ることとなる。
【0016】なお、蓄熱器21からの冷却水の出口近傍
には、この蓄熱器21から排出される冷却水の温度を検
出するための水温センサ27が配設されている。
【0017】一方、上流側通路12aと下流側通路12
bのヒータコアH/Cが接続されている側と反対側の端
部には、エンジンEGの冷却水が必要以上に高温になる
ことを防止するために、この冷却水を車体外部から取り
入れた空気により冷やすためのラジエータ30が接続さ
れている。このラジエータ30とエンジンEGとをつな
ぐ上流側通路12aの中間部には冷却水を循環させるた
めのもう一つのポンプである第2ポンプP2 が配置され
ている。この第2ポンプP2 はエンジンの回転力により
直接駆動されるポンプである。またラジエータ30と第
2ポンプP2 との間には、感温弁T/Sが配設されてお
り、この感温弁T/Sには上流側通路12aと下流側通
路12bとをつなぐバイパス通路32が接続されてい
る。感温弁T/Sは、冷却水が必要以上に高温になった
ときには、冷却水をラジエータ30を通過させる様に働
き、冷却水が高温でないときには、冷却水をバイパス通
路32を通過させる様に働く。
【0018】なお、エンジンEGからの冷却水の出口付
近には、エンジンEGから排出される冷却水の温度を検
出するための水温センサ34が配設されている。
【0019】次に、図1の循環回路に配設された第1乃
至第6バルブ14〜26と第1ポンプP1 の動作を制御
するための制御装置について説明する。
【0020】図2は、制御装置40と上記の温度セン
サ、バルブ、ポンプ等の接続状態を示した図である。
【0021】図2に示す様に、制御装置40には、バッ
テリ42が接続されており、このバッテリ42から制御
に必要な電力が供給される。制御装置40には制御に必
要な信号として、オートスイッチ28のON・OFF信
号、不図示の車室内温度センサからの室内温度tr 、不
図示の外気温度センサからの外気温度ta 、水温センサ
27からの水温tB 、水温センサ34からの水温tE
入力される。また、制御装置40には室内の温度を何°
Cにしたいかという目標室温tset を設定するための目
標温度設定装置44も接続されており、制御装置40に
は目標温度設定装置44から出力される目標室温tset
も入力される。
【0022】制御装置40は、上記の入力信号に基づい
て、第1バルブ14、第2バルブ16、第4バルブ2
0、第5バルブ24、第6バルブ26、及び第1ポンプ
P1 の動作を制御する。
【0023】次に上記の様に構成された車両用暖房装置
の動作について図3に示すフローチャートを参照して説
明する。なお、下記の説明では、蓄熱材H/Bとして過
冷却現象を示す材料を用いるものとする。
【0024】まず、エンジンが始動されるとプログラム
がスタートする。
【0025】プログラムがスタートすると、まず、蓄熱
材H/Bにトリガー信号が加えられ、蓄熱材H/Bは放
熱を開始する(ステツプS2)。
【0026】次に、第1バルブ14、第2バルブ16、
第5バルブ24、第6バルブ26が開かれ、第4バルブ
20が閉じられる(ステツプS4)。この状態において
は、エンジンが始動されてポンプP2 が既に作動してい
るので、冷却水は図1に一点鎖線で示した様な経路で冷
却水通路12内を流れる様になる。これにともない断熱
容器22からは、今まで蓄えられていた温水が冷却水通
路12a内に流れ出る。また、蓄熱材H/Bは既に放熱
を開始しているので、断熱容器22内に新たに流入して
きた冷却水が蓄熱材H/Bから放出される熱により暖め
られる。
【0027】次に、オートスイッチ28がONされたか
否かが判断される(ステツプS6)。もしオートスイッ
チ28がONされない場合には、乗員は暖房を特に必要
としないと判断して、ステツプS4を繰り返し、冷却水
が図1の一点鎖線で示した経路を流れる状態がそのまま
維持される。この状態は、エンジンEGが定常状態まで
暖まった後の状態と同じである。この状態では、断熱容
器22から流れ出た温水、及びその後新たに蓄熱材H/
Bで暖められた温水は、ヒータコアH/Cを通過して下
流側通路12bに流れ込み、更にエンジンEG内へと流
入する。これにより、エンジンEG内へも蓄熱器21か
らの温水が流れ込む様になり、エンジンの暖機が促進さ
れる。なお、この状態では、今までエンジン内に存在し
ていた冷却水の体積が大きいため、断熱容器22内に蓄
えられていた温水の熱及び蓄熱材H/Bから放出される
熱は、この大量の冷却水を暖めるために使用されるの
で、結果として冷却水通路12内を流れる全体の冷却水
の温度上昇は小さくなる。そのため、ヒータコアH/C
を流れる冷却水の温度も余り高くならないため、暖房能
力は低い状態である。ただし、現在はオートスイッチ2
8がONにされていない状態なので、暖房能力は特に必
要とされない。
【0028】次に、ステツプS6でオートスイッチ28
がONされると、乗員が車室の暖房を必要としていると
判断されるので、制御装置40は、車室内温度tr 、外
気温度ta 、断熱容器22から排出される冷却水の水温
B 、エンジンEGから排出される冷却水の水温tE
目標室温tset を取り込む(ステツプS8)。次に冷却
水の目標水温Tを算出する(ステツプS10)。この目
標水温Tとは、エンジンEGを通過した冷却水の水温t
E がこの目標水温Tになるまでは、エンジンEG側にも
蓄熱器21内の温水を流してエンジンの暖気を促進する
目標水温である。エンジンEGを通過した冷却水の温度
がこの目標水温Tを越えた場合には、後述する様に蓄熱
器21内の温水はヒータコアH/Cのみに供給され、車
室の暖房が優先される。ここでは、目標水温Tを30°
Cに設定している。
【0029】次に、エンジンEGから排出される冷却水
の水温tE が目標水温Tを越えたか否かが判断される
(ステツプS12)。水温tE が目標水温Tを越えてい
ない場合には、水温tE が目標水温Tを越えるまでステ
ツプS4〜ステツプS10を繰り返し、冷却水が図1に
一点鎖線で示した経路を流れる状態が維持される。
【0030】ステツプS12において、水温tE が目標
水温Tを越えた場合には、エンジンEGの暖機がある程
度進んだと考えられるので、今度は蓄熱器21に蓄えら
れていた熱量を車室の暖房に優先的に使用するべくステ
ツプS14に進む。ステツプS14では今まで開いてい
た第1バルブ14と第2バルブ16を閉じて、第4バル
ブ20を開き、これと同時に第1ポンプP1 の動作を開
始させる。これにより、冷却水通路12内の冷却水は、
図1に矢印G、矢印Hで示した経路を流れる様になる。
【0031】冷却水が矢印G、矢印Hで示した経路を流
れる様になると、蓄熱器21に蓄えられていた熱量のう
ちまだ蓄熱器21内に残っている熱量は、ヒータコアH
/Cのみに供給される様になり、車室内は急速に暖房さ
れる。一方、エンジンEG内を流れる冷却水は、エンジ
ンEGを繰り返し通過することとなり、エンジンEG自
身の発熱により暖められることになる。ただし、この時
点では、既にエンジンEGを流れる冷却水の水温はtE
まで上昇しているので、エンジンEG内の冷却水をエン
ジンEGのみで暖めるとしても比較的早期に冷却水の温
度は更に上昇していく。一方、蓄熱器21に蓄えられて
いた熱量は、ヒータコアH/Cから車室内に供給される
ので、しだいに減少し、ヒータコアH/Cから排出され
る冷却水の水温tB は次第に低下していく。従って、冷
却水が矢印Gと矢印Hの経路を流れる状態を維持したま
まで放置しておくと、ヒータコアH/C側の水温が低下
して、今度は、車室内の暖房が不十分となっくる。
【0032】そこで、ステツプS16では、エンジンE
Gから排出される冷却水温tE と蓄熱器21から排出さ
れる冷却水温tB が比較される。そして、水温tE が水
温t B を越えた場合には、冷却水がエンジンEG側で十
分に暖められたと考えられるので、このエンジンEG側
の暖かい冷却水をヒータコアH/Cに導入するべくステ
ツプS18に進む。ステツプS18では、第1バルブ1
4と第2バルブ16を再び開き、第4バルブ20を再び
閉じる。そして第1ポンプP1 も停止させる。これによ
り、冷却水は、再び図1に一点鎖線で示した経路を流れ
る様になる。すなわち、エンジンEGの始動初期の暖房
状態から、エンジンEGの冷却水により暖房を行う定常
状態の暖房状態へと移行し、本実施例の動作を終了す
る。
【0033】このように、本実施例においては、エンジ
ンEGの始動初期においては、蓄熱器21からの熱をエ
ンジンEGとヒータコアH/Cの双方に供給してエンジ
ンEGの暖機を促進し、エンジンEG内を流れる冷却水
の温度がある程度上昇した時点で、蓄熱器21の熱をヒ
ータコアH/Cのみに供給して暖房を促進させる様にし
ているので、蓄熱器21を大型にすることなく、エンジ
ンEGの早期の暖機と車室内の早期の暖房とを両立させ
ることが可能となる。
【0034】次に、図4は、上述した動作におけるエン
ジンEGから排出される冷却水温t E と冷却水が流れる
経路の切り換えとの関係を示した図である。
【0035】図4において、横軸は外気温ta を示し、
縦軸はエンジンEGから排出される冷却水温(以下エン
ジン水温と呼ぶ)tE を示している。また、図中の曲線
は、外気温ta とエンジンEGの始動前のエンジン水
温tE との関係を示しており、通常はエンジン始動前の
エンジン水温tE は、図示した様に外気温ta と同一と
考えられる。また曲線は目標水温Tの値を示してい
る。ここでは、上記の説明の通り目標水温Tは、外気温
にかかわらず30°Cの一定値に設定されている。ま
た、曲線は、エンジン水温tE と蓄熱器21から排出
される冷却水温tBが等しくなる時のエンジン水温tE
を示している。曲線は、エンジン、冷却水通路、蓄熱
器21の設計等により変化するものであり一義的に決ま
るものではないので、仮想線として二点鎖線で示してい
る。また、破線で示した曲線は、外気温が25°Cの
ラインであり、この曲線を境にして、これより外気温
が低ければ、暖房が必要であると考えられるのでオート
スイッチをONとし、これより外気温が高ければ、暖房
が必要ないと考えられるのでオートスイッチ28をOF
Fとするラインである。
【0036】ここで、説明の便宜上、図1において、冷
却水が一点鎖線で示した経路を流れる状態を「暖機動
作」と呼び、冷却水が矢印Gと矢印Hで示した経路を流
れる状態を「暖房動作」と呼ぶことにする。
【0037】まず、図4において、オートスイッチ28
がONにされており、エンジン水温tE がAで示される
領域にあるときには、まだエンジン水温tE が目標水温
Tに達していない状態なので、図3のフローチャートの
ステツプS4〜ステツプS12で説明した通り「暖機動
作」を選択し、蓄熱器21の温水をエンジンEGにも流
す様にする。
【0038】また、エンジン水温tE がBで示される領
域にあるときには、エンジン水温t E が、目標水温Tを
越えており、且つ、まだ蓄熱器水温tB を越えていない
状態なので、図3のフローチャートのステツプS14〜
ステツプS16で説明した通り「暖房動作」を選択し、
蓄熱器21の温水をヒータコアH/Cのみに供給する。
【0039】更に、エンジン水温tE がCで示される領
域まで上昇したときには、エンジン水温tE が、蓄熱器
水温tB を越えている状態なので、図3のフローチャー
トのステツプS16〜ステツプS18で説明した通り、
「暖機動作」に戻り、通常の定常状態の暖房動作を行
う。
【0040】一方、外気温が25°Cを越えている場合
には、通常、オートスイッチ28がOFFされていると
考えられるので、この場合は図3のフローチャートのス
テツプS4〜ステツプS6で説明した通り、「暖機動
作」を行う。
【0041】なお、上記の説明では、目標水温Tを30
°C一定として説明したが、目標水温Tを外気温ta
関数として、 T=f(ta ) の様に設定することも可能である。
【0042】このときには、図4に示したエンジン水温
E と冷却水の流れる経路との関係は、図5に示す様に
なる。すなわち、外気温ta が高ければ、エンジン水温
Eも高いと考えられるので、目標水温Tを30°C一
定にしていたのでは、蓄熱器21からの熱がエンジンE
Gの方に少し流れただけでエンジン水温tE が目標水温
Tに達してしまい、蓄熱器21の熱のほとんどの部分
は、ヒータコアH/Cに流れることになる。一方、外気
温ta が高い場合には、車室の暖房に必要とされる熱量
も少ないと考えられるので、蓄熱器21の熱の多くがヒ
ータコアH/Cに流れても無駄となる熱量が発生してし
まうこととなる。この欠点を解決するために、外気温t
a が高い場合には、目標水温Tも高くなる様に関数fを
設定し、エンジンEGの暖機と車室の暖房に蓄熱器21
からの熱が適量だけ配分される様にするわけである。
【0043】また、他の例としては、目標水温Tを、外
気温度ta と室温tr と目標室温t set の関数として、 T=g(ta ,tr ,tset ) の様に設定することも可能である。
【0044】この場合には、図5において、曲線を矢
印Iで示す様に、上下に移動させたりすることも可能と
なる。具体的には、例えば、車両を一度運転してあまり
時間がたたないうちに再び運転する様な場合には、室温
r はある程度暖かい状態に保持されていることがあ
る。この様な場合には、曲線を上方にずらして、蓄熱
器21が発生する熱を、室内の暖房よりもエンジンEG
の暖機の方により多く配分する様にするわけである。
【0045】以上説明した様に、本実施例においては、
エンジンの始動初期においては、蓄熱器からの熱をエン
ジンとヒータコアの双方に供給してエンジンの暖機を促
進し、エンジン内を流れる冷却水の温度がある程度上昇
した時点で、蓄熱器の熱をヒータコアのみに供給して暖
房を促進させる様にしているので、蓄熱器を大型にする
ことなく、エンジンの早期の暖機と車室内の早期の暖房
とを両立させることが可能となる。
【0046】なお、本発明はその主旨を逸脱しない範囲
で、上記実施例を修正または変形したものに適用可能で
ある。
【0047】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の車両用暖房
装置によれば、エンジンの始動直後においては、蓄熱器
によって暖められた冷却水をエンジンにも供給してエン
ジンの暖機を促進させ、エンジンの冷却水温が所定値以
上となった後に、蓄熱器によって暖められた冷却水をヒ
ータコアのみに供給して暖房を優先させることにより、
エンジンの暖機と車室の暖房の双方を高いレベルで両立
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の車両用暖房装置の冷却水の循環回路
を示したものである。
【図2】制御装置と温度センサ、バルブ、ポンプ等の接
続状態を示した図である。
【図3】一実施例の車両用暖房装置の動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図4】エンジンから排出される冷却水温と、冷却水が
流れる経路の切り換えとの関係を示した図である。
【図5】エンジンから排出される冷却水温と、冷却水が
流れる経路の切り換えとの関係を示した図である。
【符号の説明】
12 冷却水通路 14 第1バルブ 16 第2バルブ 18 第3バルブ 20 第4バルブ 21 蓄熱器 22 断熱容器 24 第5バルブ 26 第6バルブ 27,34 水温センサ 28 オートスイッチ 30 ラジエータ 32 バイパス通路 40 制御装置 42 バッテリ 44 目標温度設定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 孝之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの冷却水の温度が高いときに冷
    却水の持つ熱を蓄えておく蓄熱器と、 冷却水の持つ熱を車室内に吹き出す空気に与えて暖める
    ためのヒータコアと、 冷却水を、前記蓄熱器と前記ヒータコアとの間で循環さ
    せる第1の循環経路と、 冷却水を、前記蓄熱器と前記ヒータコアと前記エンジン
    との間で循環させる第2の循環経路と、 冷却水が前記第1の循環経路内を循環している状態と、
    前記第2の循環経路内を循環している状態とを切り換え
    る切り換え手段と、 前記エンジンの始動直後の冷却水温が低い状態において
    は、冷却水を前記第2の循環経路内で循環させ、冷却水
    温が所定値以上となったときには、冷却水を前記第1の
    循環経路内で循環させる様に前記切り換え手段を制御す
    る制御手段とを具備することを特徴とする車両用暖房装
    置。
  2. 【請求項2】 前記所定値は車室外の気温に基づいて設
    定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用暖房
    装置。
  3. 【請求項3】 前記所定値は、車室内の気温と車室内の
    気温に基づいて算出される暖房必要度に基づいて設定さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の車両用暖房装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126046A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Nippon Soken Inc 暖房装置
JP2013147117A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Isuzu Motors Ltd 自動車用暖房装置

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JP2007126046A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Nippon Soken Inc 暖房装置
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