JPH07164518A - ポリエステル化粧板用賦型フィルム及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル化粧板用賦型フィルム及びその製造方法

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JPH07164518A
JPH07164518A JP5311779A JP31177993A JPH07164518A JP H07164518 A JPH07164518 A JP H07164518A JP 5311779 A JP5311779 A JP 5311779A JP 31177993 A JP31177993 A JP 31177993A JP H07164518 A JPH07164518 A JP H07164518A
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alcohol copolymer
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリエステル樹脂に対して耐性があり、その凹
凸形状が非常にシャープで繰り返し使用にも耐え、しか
もいかなるポリエステル樹脂硬化方法にも使用できるポ
リエステル化粧板用賦型フィルム及びその製造方法を提
供すること。 【構成】溶融したエチレン・ビニルアルコール共重合樹
脂、官能基をグラフト重合させたオレフィン系接着性樹
脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂をこの順に
積層するように3層共押出機を用いて、前記溶融したエ
チレン・ビニルアルコール共重合樹脂の側が凹凸形状の
付与された冷却ロール上に押し出してなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面にエンボス形状を有
するポリエステル化粧板の製造に使用する賦型フィルム
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル化粧板の表面に凹凸模様を
付与する為の賦型フィルムは、従来より種々の製造方法
により得られている。最も一般的なのは凹凸模様を付与
した母型にシリコン樹脂を流し込み、硬化後脱片したも
のを使用する方法である。
【0003】この方法は、凹凸模様の再現に非常に優れ
たものであるが、材料となるシリコン樹脂が非常に高価
なもので、またシリコン自身はポリエステルに対する耐
性が良くないためフィルムの可使回数が20回程度しか
なく、この結果、実用型としては非常に高価なものとな
る欠点がある。またポリエステル樹脂の硬化に際して、
熱風等で硬化させる場合は問題ないが、昨今その硬化速
度から注目されている紫外線硬化を利用した場合、シリ
コンフィルム自体紫外線の透過率が低く、硬化速度が異
常に遅くなることから、硬化方法にも限りがある。
【0004】この問題を解決するための方法としてポリ
エステル耐性のあるフィルム、例えばビニロンフィルム
やフッ素フィルム、低温で凹凸を付与できる樹脂フィル
ム、例えばポリプロピレン、ポリエステル。ポリエチレ
ン、塩化ビニルフィルムとを積層した後、凹凸模様の付
与された母型に被覆し、熱プレス法によりフィルムに凹
凸を付与し、賦型フィルムとする方法がある。しかしな
がら、前記ポリエステル耐性のあるフィルムの中でフッ
素フィルムは非常に高価である。また、凹凸を付与する
ための裏打ちフィルムとしてのポリプロピレンやポリエ
チレンは、ある一定の温度で急峻に溶融し、可塑化領域
が非常に狭いことから、熱プレスの際の温度制御が非常
に困難である。また、塩化ビニル樹脂は熱に対する可塑
化領域は広いが、ポリエステル樹脂硬化の際の熱により
凹凸模様が浅くなり、繰り返し使用するうちに凹凸形状
が変化していく欠点がある。そこで、前記ビニロンフィ
ルムとオレフィン系熱可塑性エラストマーフィルムを積
層して使用する方法が最も有効である。
【0005】しかし、この方法ではフィルムに凹凸を付
与する前に予めビニロンフィルムとオレフィン系熱可塑
性エラストマーフィルムを接着剤を介して貼り合わせて
おく必要がある。また、母型を使用しての熱プレスによ
り凹凸付与のための母型の凹凸を100%再現するのが
困難である。これらの問題を解決するために溶融押出に
よるエンボス付与が考えられるが、現在ビニロンフィル
ム即ちその原料となるポリビニルアルコール樹脂を押出
成形する技術がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものであり、その課題と
するところは、ポリエステル樹脂に対して耐性があり、
その凹凸形状が非常にシャープで繰り返し使用にも耐
え、しかもいかなるポリエステル樹脂硬化方法にも使用
できるポリエステル化粧板用賦型フィルム及びその製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するため、表面に凹凸を形成したエチレン・ビニルアル
コール共重合樹脂フィルムに、オレフィン系接着性樹脂
フィルムと、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂フ
ィルムとを順次積層してなることを特徴とするポリエス
テル化粧板の賦型フィルムを提供するものであり、溶融
したエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、官能基を
グラフト重合させたオレフィン系接着性樹脂、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー樹脂をこの順に積層するよう
に3層共押出機を用いて、前記溶融したエチレン・ビニ
ルアルコール共重合樹脂の側が凹凸形状の付与された冷
却ロール上に押し出してなることを特徴とするポリエス
テル化粧板用賦型フィルムの製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。図1に、
本発明のポリエステル化粧板用賦型フィルムの製造方法
の一実施例の工程を簡略に示す。3層共押出機2を使用
して、溶融したエチレン・ポリビニルアルコール共重合
樹脂5、官能基をグラフト重合させた接着性オレフィン
系樹脂6、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂3
を、図のような構成で表面に凹凸形状の付与された冷却
ロール6上に押し出すことにより、ポリエステル化粧板
用賦型フィルム8を得る
【0009】ここで冷却ロール側に、その凹凸形状を付
与する為の、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂を
使用する。エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂の構
造はビニロンとなるビニルアルコールにエチレンを重合
させただけで、その物性、特にポリエステル樹脂耐性は
ビニロンに匹敵するものである。ポリビニルアルコール
樹脂は溶融押出でフィルム化できなかったものが、エチ
レン・ビニルアルコール共重合樹脂では可能となった。
ここでフィルムの厚みは、特に規定されるものではない
が、強度との兼ね合いで10〜30μmが好適である。
【0010】中間層として、官能基をグラフト重合させ
た接着性オレフィン樹脂を使用する。組成等は特に限定
しないが、通常はオレフィン系樹脂に接着性を付与する
ために、グラフト重合を行なうのはフィルム表面のみ
で、これにより両側のフィルムを密着させる。ここでフ
ィルムの厚みは、特に規定されるものではないが、接着
が目的であることから、5〜20μmが好適である。
【0011】最外層に、裏打ちフィルムとして、賦型フ
ィルム全体の強度を持たすために、オレフィン系熱可塑
性エラストマー樹脂を使用する。オレフィン系熱可塑性
エラストマー樹脂であることで溶融押出が可能となり、
また、ポリエステル樹脂の賦型フィルムとして使用した
際、ポリエステル樹脂を硬化させる際に如何なる硬化方
法でも可能となる。ここでフィルムの厚みは、強度を持
たせることが目的であることから、100〜300μm
が好適である。
【0012】このようにして得られた賦型フィルムを、
化粧板基材上に絵柄の施された化粧紙が貼られ、ポリエ
ステル樹脂が塗布された上に被覆し、樹脂を圧延脱泡し
たあと、熱風、赤外線、紫外線等により、ポリエステル
樹脂を硬化し、その後剥離する。これにより表面にエン
ボス形状の付与されたポリエステル化粧板を得る。
【0013】
【作用】以上に示したように本発明により、ポリエステ
ル耐性に優れ、エンボス形状いシャープな、また、如何
なる硬化方法にも適した、繰り返し使用可能な、ポリエ
ステル化粧板用賦型フィルムの製造が可能となった。
【0014】
【実施例】
<実施例1>エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂と
して(株)クラレ製:「エバール」を用い、と接着性オ
レフィン系樹脂として日本石油化学(株)製:「日石N
ポリマー」を用い、オレフィン系熱可塑性エラストマー
樹脂として(日本石油化学(株)製:「ソフトレック
ス」)を用い、これらを3層共押出機により180℃
で、木目導管エンボス模様の付与された冷却ロール上に
押し出してエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂フィ
ルム20μm、接着性オレフィン系樹脂フィルム10μ
m、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂フィルム2
00μmの賦型フィルムを得た。
【0015】<比較例1>木目導管エンボスの施された
母型にシリコン樹脂(信越化学(株)製:「信越シリコ
ーンKE112」)を流し込み、常温で24時間硬化さ
せた後脱型し、賦型フィルムを得た。
【0016】<比較例2>厚さ100μmの塩化ビニル
フィルム(理研ビニル工業(株)製:「Rタイプ」上に
ウレタン系接着剤を塗布した後、厚さ25μmのビニロ
ンフィルム((株)クラレ製:「クラレビニロンN」)
を被覆し、ドライラミネートした後、該フィルムを木目
導管エンボス模様の付与された母型に被覆し、140℃
40kg/cm2 で10分間熱プレスし、賦型フィルム
を得た。
【0017】<比較例3>オレフィン系熱可塑性エラス
トマー樹脂(日本石油化学(株)製:「ソフトレック
ス」)を押出て得た厚さ200μmのフィルムにコロナ
処理をほどこした後、ウレタン系の接着剤を塗布し、厚
さ25μmのビニロンフィルム((株)クラレ製:「ク
ラレビニロンN」)とドライラミネートした後、<比較
例2>と同一条件で熱プレスをして賦型フィルムを得
た。
【0018】このようにして得られたフィルムのエンボ
ス深さを母型の深さと比較した。たた、これらのフィル
ムを使用して、熱風及び紫外線によりポリエステル樹脂
を硬化させ、この硬化性及び繰り返し使用可能回数等を
評価した。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1からも明らかにように、本発明及び本
発明による賦型フィルムの使用可能回数は100以上あ
り、エンボス形状も母型に対して100%再現してお
り、そのエンボスも熱により劣化することもなく、紫外
線硬化においてはその硬化速度も比較例と比べて優れた
ものであった。
【0021】
【発明の効果】以上に示したように、本発明及び本発明
の製造方法による賦型フィルムにより、裏打ちフィルム
にオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂を使用するこ
とから如何なる硬化方法にも対応でき、中間層として接
着性オレフィン系樹脂を使用しることから3層共押出で
作成することが可能となり、溶融押出成形するフィルム
であることからエンボスの再現性及び耐熱性に優れた賦
型フィルムを得ることが可能となった。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリエステル化粧板用賦型フィル
ムの製造方法の一実施例の工程概略図である。
【符号の説明】
1…加圧ロール 2…3層共押出機 3…オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂 4…接着性オレフィン系樹脂 5…エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂 6…エンボス付き冷却ロール 7…剥離ロール 8…ポリエステル化粧板用賦型フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 33/00 7148−4F // B29K 23:00 B29L 7:00 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に凹凸を形成したエチレン・ビニルア
    ルコール共重合樹脂フィルムに、オレフィン系接着性樹
    脂フィルムと、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂
    フィルムとを順次積層してなることを特徴とするポリエ
    ステル化粧板の賦型フィルム。
  2. 【請求項2】溶融したエチレン・ビニルアルコール共重
    合樹脂、官能基をグラフト重合させたオレフィン系接着
    性樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂をこの
    順に積層するように3層共押出機を用いて、前記溶融し
    たエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂の側が凹凸形
    状の付与された冷却ロール上に押し出してなることを特
    徴とするポリエステル化粧板用賦型フィルムの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101068982B1 (ko) * 2008-12-09 2011-09-30 데코론(주) 패널 제조 방법

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