JPH07164000A - 凝集剤、凝集剤組成物及び凝集方法 - Google Patents
凝集剤、凝集剤組成物及び凝集方法Info
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- JPH07164000A JPH07164000A JP5341751A JP34175193A JPH07164000A JP H07164000 A JPH07164000 A JP H07164000A JP 5341751 A JP5341751 A JP 5341751A JP 34175193 A JP34175193 A JP 34175193A JP H07164000 A JPH07164000 A JP H07164000A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 早い濾過速度で懸濁液を濾別でき、濾布など
からの剥離性に優れ且つ含水率の低い脱水ケーキを得る
為の凝集剤及び凝集剤組成物を提供する。 【構成】 メタクリル酸25重量%、アクリル酸25重
量%、アクリルアミド20重量%、ブタジエン20重量
%及びスチレン10重量%を重合してなる重合体ラテッ
クスからなる凝集剤を得る。この凝集剤に水溶性高分子
を配合して凝集剤組成物を得る。 【効果】 この凝集剤または凝集剤組成物を懸濁液に添
加することによって、懸濁液を容易に凝集することがで
きる。
からの剥離性に優れ且つ含水率の低い脱水ケーキを得る
為の凝集剤及び凝集剤組成物を提供する。 【構成】 メタクリル酸25重量%、アクリル酸25重
量%、アクリルアミド20重量%、ブタジエン20重量
%及びスチレン10重量%を重合してなる重合体ラテッ
クスからなる凝集剤を得る。この凝集剤に水溶性高分子
を配合して凝集剤組成物を得る。 【効果】 この凝集剤または凝集剤組成物を懸濁液に添
加することによって、懸濁液を容易に凝集することがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凝集剤及び凝集剤組成
物に関する。さらに詳しくは、懸濁粒子を効率良く凝集
でき、早い濾過速度で懸濁液を濾別でき、濾布からの剥
離性に優れ且つ含水率の低い脱水ケーキを得ることがで
きる凝集剤及び凝集剤組成物に関する。
物に関する。さらに詳しくは、懸濁粒子を効率良く凝集
でき、早い濾過速度で懸濁液を濾別でき、濾布からの剥
離性に優れ且つ含水率の低い脱水ケーキを得ることがで
きる凝集剤及び凝集剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】環境問題への関心の高まりに伴って、建
設、土木工事、下水処理などにおいて発生する泥土の脱
水処理又は湖沼、内湾、都市河川などの水浄化処理など
における効率化が要望されるようになってきた。汚泥な
どの泥漿状の懸濁液は、懸濁粒子の粒子径が非常に小さ
いため懸濁液を静置しても懸濁粒子が容易に沈降せず、
通常の濾過装置では懸濁粒子が流出するので、水と懸濁
粒子との分離が難しい。従来、このような懸濁液の脱水
処理あるいは水浄化処理には、ポリ塩化アルミニウムな
どの無機凝集剤又はポリアクリルアミドなどの有機凝集
剤を使用して圧搾脱水機、遠心脱水機、真空脱水フィル
タープレスなどを用いて、懸濁粒子と水とを分離してい
た。しかし、これらの方法では、懸濁粒子の濾布への付
着や目詰まりに依り濾過速度が遅くなるか、脱水ケーキ
の含水率が高く、その後処理が問題となるか、或いは流
逸する懸濁粒子が多くなるという問題があった。この問
題に対処する為に、懸濁液に、ラテックスと保護コロイ
ド形成物質とを凝集剤として添加して、懸濁粒子を凝集
させ、非粘着性の大きな凝集物を形成させて、これを濾
過分離する方法が提案されている(特開昭57−147
500号公報、特開平3−232600号公報)。しか
し、この方法で使用する凝集剤では、濾過分離する際の
濾過速度が未だ低く、重力脱水時間が長く、且つ脱水ケ
ーキがベルトコンベアー等に付着し作業性が悪かった。
しかも、凝集剤等を多量に添加しなければならず運転経
費がかさみ不経済であった。
設、土木工事、下水処理などにおいて発生する泥土の脱
水処理又は湖沼、内湾、都市河川などの水浄化処理など
における効率化が要望されるようになってきた。汚泥な
どの泥漿状の懸濁液は、懸濁粒子の粒子径が非常に小さ
いため懸濁液を静置しても懸濁粒子が容易に沈降せず、
通常の濾過装置では懸濁粒子が流出するので、水と懸濁
粒子との分離が難しい。従来、このような懸濁液の脱水
処理あるいは水浄化処理には、ポリ塩化アルミニウムな
どの無機凝集剤又はポリアクリルアミドなどの有機凝集
剤を使用して圧搾脱水機、遠心脱水機、真空脱水フィル
タープレスなどを用いて、懸濁粒子と水とを分離してい
た。しかし、これらの方法では、懸濁粒子の濾布への付
着や目詰まりに依り濾過速度が遅くなるか、脱水ケーキ
の含水率が高く、その後処理が問題となるか、或いは流
逸する懸濁粒子が多くなるという問題があった。この問
題に対処する為に、懸濁液に、ラテックスと保護コロイ
ド形成物質とを凝集剤として添加して、懸濁粒子を凝集
させ、非粘着性の大きな凝集物を形成させて、これを濾
過分離する方法が提案されている(特開昭57−147
500号公報、特開平3−232600号公報)。しか
し、この方法で使用する凝集剤では、濾過分離する際の
濾過速度が未だ低く、重力脱水時間が長く、且つ脱水ケ
ーキがベルトコンベアー等に付着し作業性が悪かった。
しかも、凝集剤等を多量に添加しなければならず運転経
費がかさみ不経済であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、懸濁
粒子を効率よく凝集でき、早い濾過速度で懸濁液を濾別
でき、濾布などからの剥離性に優れ且つ含水率の低い脱
水ケーキを得る為の凝集剤及び凝集剤組成物を提供する
ことにある。本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、エチレン性不飽和親水性単量体を共重合
させて得られる共重合体のラテックスを凝集剤として用
いることによって、前記目的を達成できることを見出
し、この知見に基づいて本発明の凝集剤及び凝集剤組成
物を完成するに至った。
粒子を効率よく凝集でき、早い濾過速度で懸濁液を濾別
でき、濾布などからの剥離性に優れ且つ含水率の低い脱
水ケーキを得る為の凝集剤及び凝集剤組成物を提供する
ことにある。本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、エチレン性不飽和親水性単量体を共重合
させて得られる共重合体のラテックスを凝集剤として用
いることによって、前記目的を達成できることを見出
し、この知見に基づいて本発明の凝集剤及び凝集剤組成
物を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、エチレン性不飽和親水性単量体5〜90重量%及び
これと共重合可能な単量体10〜95重量%を共重合し
てなる共重合体のラテックスからなる凝集剤が提供され
る。また、本発明によれば、前記凝集剤と、水溶性高分
子とを必須成分とする凝集剤組成物が提供される。
ば、エチレン性不飽和親水性単量体5〜90重量%及び
これと共重合可能な単量体10〜95重量%を共重合し
てなる共重合体のラテックスからなる凝集剤が提供され
る。また、本発明によれば、前記凝集剤と、水溶性高分
子とを必須成分とする凝集剤組成物が提供される。
【0005】本発明の凝集剤は、エチレン性不飽和親水
性単量体5〜90重量%及びこれと共重合可能な単量体
10〜95重量%を共重合してなる共重合体のラテック
スからなるものである。
性単量体5〜90重量%及びこれと共重合可能な単量体
10〜95重量%を共重合してなる共重合体のラテック
スからなるものである。
【0006】本発明の凝集剤としての共重合体のラテッ
クスに用いるエチレン性不飽和親水性単量体は、20℃
における水に対する溶解度が10重量%以上、好ましく
は20重量%以上のものである。具体例として、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性不飽
和モノカルボン酸及びその塩;フマル酸、マレイン酸、
イタコン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不
飽和多価カルボン酸、その無水物及び塩;マレイン酸モ
ノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽
和多価カルボン酸の部分エステル化物;ビニルスルホン
酸などのエチレン性不飽和スルホン酸及びその塩;アク
リルアミド、メタクリルアミドなどのエチレン性不飽和
カルボン酸アミド等を挙げる事ができる。これらのエチ
レン性不飽和親水性単量体のうち、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリルアミド及びメタクリルアミドが好適で
ある。
クスに用いるエチレン性不飽和親水性単量体は、20℃
における水に対する溶解度が10重量%以上、好ましく
は20重量%以上のものである。具体例として、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性不飽
和モノカルボン酸及びその塩;フマル酸、マレイン酸、
イタコン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不
飽和多価カルボン酸、その無水物及び塩;マレイン酸モ
ノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽
和多価カルボン酸の部分エステル化物;ビニルスルホン
酸などのエチレン性不飽和スルホン酸及びその塩;アク
リルアミド、メタクリルアミドなどのエチレン性不飽和
カルボン酸アミド等を挙げる事ができる。これらのエチ
レン性不飽和親水性単量体のうち、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリルアミド及びメタクリルアミドが好適で
ある。
【0007】前記共重合体のラテックスにおいて、エチ
レン性不飽和親水性単量体の量は、全単量体の5〜90
重量%、好ましくは15〜80重量%、さらに好適には
20〜75重量%である。5重量%未満では、凝集剤を
泥漿状の懸濁液に添加しても凝集物が生じず、濾過速度
が低い。逆に90重量%を超えると、懸濁粒子が目詰ま
りを起こしやすくなり、得られる脱水ケーキは濾布など
からの剥離性が悪く、含水率が高くなる。
レン性不飽和親水性単量体の量は、全単量体の5〜90
重量%、好ましくは15〜80重量%、さらに好適には
20〜75重量%である。5重量%未満では、凝集剤を
泥漿状の懸濁液に添加しても凝集物が生じず、濾過速度
が低い。逆に90重量%を超えると、懸濁粒子が目詰ま
りを起こしやすくなり、得られる脱水ケーキは濾布など
からの剥離性が悪く、含水率が高くなる。
【0008】エチレン性不飽和親水性単量体と共重合可
能な他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニ
ル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエ
チレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;アリルグリ
シジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエー
テル;1,3−ブタジエン、イソプレン、2、3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなど
の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体等が挙げ
られる。これらの単量体のうちスチレン、メタクリル酸
メチル及びアクリロニトリルからなる群の少なくとも一
種と、ブタジエン及びアクリル酸ブチルからなる群の少
なくとも一種とを組合せたもの、好ましくはスチレンと
ブタジエンとを組み合わせたものは、凝集剤の凝集性能
が高くなるので好適に用いられる。スチレン、メタクリ
ル酸メチル及びアクリロニトリルからなる群と、ブタジ
エン及びアクリル酸ブチルからなる群との重量比率は、
通常、8/2〜1/9、好ましくは7/3〜2/8であ
る。
能な他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニ
ル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエ
チレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;アリルグリ
シジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエー
テル;1,3−ブタジエン、イソプレン、2、3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなど
の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体等が挙げ
られる。これらの単量体のうちスチレン、メタクリル酸
メチル及びアクリロニトリルからなる群の少なくとも一
種と、ブタジエン及びアクリル酸ブチルからなる群の少
なくとも一種とを組合せたもの、好ましくはスチレンと
ブタジエンとを組み合わせたものは、凝集剤の凝集性能
が高くなるので好適に用いられる。スチレン、メタクリ
ル酸メチル及びアクリロニトリルからなる群と、ブタジ
エン及びアクリル酸ブチルからなる群との重量比率は、
通常、8/2〜1/9、好ましくは7/3〜2/8であ
る。
【0009】本発明の凝集剤としての共重合体のラテッ
クスは、通常、乳化重合法、懸濁重合法などによって得
られる。共重合体のラテックスの製法の具体例として
は、特公昭49−44948号公報、特開平60−16
2897号公報、特開昭60−162898号公報、特
開平4−73293号公報などに開示される重合法が挙
げられる。
クスは、通常、乳化重合法、懸濁重合法などによって得
られる。共重合体のラテックスの製法の具体例として
は、特公昭49−44948号公報、特開平60−16
2897号公報、特開昭60−162898号公報、特
開平4−73293号公報などに開示される重合法が挙
げられる。
【0010】本発明の凝集剤組成物は前記凝集剤と、水
溶性高分子とを必須成分とするものである。本発明の凝
集剤組成物は、前記凝集剤と水溶性高分子と併用するこ
とにより、さらに凝集性能が高くなるので、濾過速度が
早くなり且つ剥離性が高くなる。
溶性高分子とを必須成分とするものである。本発明の凝
集剤組成物は、前記凝集剤と水溶性高分子と併用するこ
とにより、さらに凝集性能が高くなるので、濾過速度が
早くなり且つ剥離性が高くなる。
【0011】水溶性高分子としては、アルギン酸ソー
ダ、ポリ(メタ)アクリル酸ソーダ、カルボキシメチル
セルロースのソーダ塩、アニオン性のポリ(メタ)アク
リルアミド、リグニンスルホン酸ナトリウム、カ性デン
プン、ノニオン性のポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ
オキシエチレン、デンプン、セルロース等のアニオン性
又はノニオン性の水溶性高分子が挙げられる。これらの
水溶性高分子のうち、ポリ(メタ)アクリルアミドは、
凝集剤組成物の凝集性能が高くなるので好適である。
ダ、ポリ(メタ)アクリル酸ソーダ、カルボキシメチル
セルロースのソーダ塩、アニオン性のポリ(メタ)アク
リルアミド、リグニンスルホン酸ナトリウム、カ性デン
プン、ノニオン性のポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ
オキシエチレン、デンプン、セルロース等のアニオン性
又はノニオン性の水溶性高分子が挙げられる。これらの
水溶性高分子のうち、ポリ(メタ)アクリルアミドは、
凝集剤組成物の凝集性能が高くなるので好適である。
【0012】水溶性高分子の量は、前記凝集剤の固形分
100重量部に対して、通常、10〜900重量部、好
ましくは40〜400重量部である。10重量部より少
なすぎると懸濁液の濾過速度が低下傾向になり、900
重量部より多すぎると脱水ケーキの剥離性が悪化傾向に
なる。
100重量部に対して、通常、10〜900重量部、好
ましくは40〜400重量部である。10重量部より少
なすぎると懸濁液の濾過速度が低下傾向になり、900
重量部より多すぎると脱水ケーキの剥離性が悪化傾向に
なる。
【0013】本発明の凝集剤組成物の調製方法として
は、前記凝集剤と水溶性高分子とを混合する方法、水溶
性高分子の存在下に前記凝集剤を構成する単量体を共重
合して得る方法などが挙げられる。
は、前記凝集剤と水溶性高分子とを混合する方法、水溶
性高分子の存在下に前記凝集剤を構成する単量体を共重
合して得る方法などが挙げられる。
【0014】本発明の凝集剤及び凝集剤組成物の性状は
水分散液である。凝集剤及び凝集剤組成物の固形分濃度
は、通常、0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜
20重量%である。
水分散液である。凝集剤及び凝集剤組成物の固形分濃度
は、通常、0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜
20重量%である。
【0015】本発明の凝集方法は、前記凝集剤または凝
集剤組成物を、懸濁液に添加するものである。凝集剤ま
たは凝集剤組成物の添加量は、懸濁液の固形分100重
量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは
0.3〜2重量部(固形分換算)である。5重量部より
多いと脱水ケーキの剥離性が低下傾向になり、0.1重
量部より少ないと濾過速度が低下傾向になる。
集剤組成物を、懸濁液に添加するものである。凝集剤ま
たは凝集剤組成物の添加量は、懸濁液の固形分100重
量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは
0.3〜2重量部(固形分換算)である。5重量部より
多いと脱水ケーキの剥離性が低下傾向になり、0.1重
量部より少ないと濾過速度が低下傾向になる。
【0016】凝集剤または凝集剤組成物を懸濁液に添加
した後、無機凝集剤又はカチオン系高分子凝集剤を添加
することによって、濾過速度がさらに速くなり、剥離性
がさらに良くなる。カチオン系高分子凝集剤の具体例と
しては、カチオン化デンプン、水溶性アニリン樹脂、ポ
リチオ尿素、ポリエチレンイミン、第4級アンモニウム
塩、ポリビニルピリジン類、キトサン等が挙げられる。
無機凝集剤の具体例としては硫酸アルミニウム、ポリ塩
化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸
第一鉄、硫酸第二鉄、消石灰、ケイ酸ソーダ、アルミン
酸ソーダ、アルミニウムミョウバン等が挙げられる。
した後、無機凝集剤又はカチオン系高分子凝集剤を添加
することによって、濾過速度がさらに速くなり、剥離性
がさらに良くなる。カチオン系高分子凝集剤の具体例と
しては、カチオン化デンプン、水溶性アニリン樹脂、ポ
リチオ尿素、ポリエチレンイミン、第4級アンモニウム
塩、ポリビニルピリジン類、キトサン等が挙げられる。
無機凝集剤の具体例としては硫酸アルミニウム、ポリ塩
化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸
第一鉄、硫酸第二鉄、消石灰、ケイ酸ソーダ、アルミン
酸ソーダ、アルミニウムミョウバン等が挙げられる。
【0017】適用できる懸濁液としては、通常、建設、
土木工事あるいは下水処理などにおいて発生する汚泥;
湖沼、内湾、都市河川などの汚泥;工場などから排出さ
れる触媒残渣に代表される産業廃棄物等のスラッジある
いは汚泥等が挙げられる。また、乳製品等の食品などに
も適用することもできる。
土木工事あるいは下水処理などにおいて発生する汚泥;
湖沼、内湾、都市河川などの汚泥;工場などから排出さ
れる触媒残渣に代表される産業廃棄物等のスラッジある
いは汚泥等が挙げられる。また、乳製品等の食品などに
も適用することもできる。
【0018】本発明の凝集剤の好適な態様を以下に示
す。 (1) エチレン性不飽和親水性単量体がアクリル酸、
メタクリル酸、アクリルアミド又はメタクリルアミドで
ある本発明の凝集剤。 (2) エチレン性不飽和親水性単量体と共重合可能な
単量体が、スチレン、メタクリル酸メチル又はアクリロ
ニトリルと、ブタジエン又はアクリル酸ブチルとを組み
合わせたものである本発明の凝集剤。 本発明の凝集剤組成物の好適な態様を以下に示す。 (1) 本発明の凝集剤の固形分100重量部に対して
水溶性高分子10〜900重量部を配合してなる本発明
の凝集剤組成物。 (2) 固形分濃度が0.01〜30重量%である本発
明の凝集剤及び凝集剤組成物。
す。 (1) エチレン性不飽和親水性単量体がアクリル酸、
メタクリル酸、アクリルアミド又はメタクリルアミドで
ある本発明の凝集剤。 (2) エチレン性不飽和親水性単量体と共重合可能な
単量体が、スチレン、メタクリル酸メチル又はアクリロ
ニトリルと、ブタジエン又はアクリル酸ブチルとを組み
合わせたものである本発明の凝集剤。 本発明の凝集剤組成物の好適な態様を以下に示す。 (1) 本発明の凝集剤の固形分100重量部に対して
水溶性高分子10〜900重量部を配合してなる本発明
の凝集剤組成物。 (2) 固形分濃度が0.01〜30重量%である本発
明の凝集剤及び凝集剤組成物。
【0019】本発明の凝集方法の好適な態様を以下に示
す。 (1) 本発明の凝集剤または凝集剤組成物を懸濁液に
添加した後、無機凝集剤又はカチオン系高分子凝集剤を
添加する本発明の凝集方法。
す。 (1) 本発明の凝集剤または凝集剤組成物を懸濁液に
添加した後、無機凝集剤又はカチオン系高分子凝集剤を
添加する本発明の凝集方法。
【0020】
【発明の効果】本発明の凝集剤及び凝集剤組成物を用い
ることによって、懸濁粒子を効率く良く凝集でき、早い
濾過速度で懸濁液を濾別でき、分離機器での剥離性に優
れ且つ低い含水率の脱水ケーキを得ることができる。し
かも、本発明の凝集剤及び凝集剤組成物を用いて得られ
る脱水ケーキは流動性が低く、再泥漿化し難いので、セ
メント用、農業資材用として再利用が可能であり、資源
のリサイクル化に有用である。
ることによって、懸濁粒子を効率く良く凝集でき、早い
濾過速度で懸濁液を濾別でき、分離機器での剥離性に優
れ且つ低い含水率の脱水ケーキを得ることができる。し
かも、本発明の凝集剤及び凝集剤組成物を用いて得られ
る脱水ケーキは流動性が低く、再泥漿化し難いので、セ
メント用、農業資材用として再利用が可能であり、資源
のリサイクル化に有用である。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例中の部及び%は重量基準であ
る。
説明する。なお、実施例中の部及び%は重量基準であ
る。
【0022】本実施例で行った評価方法を以下に説明す
る。 凝集性能 浄水場から排出された固形分濃度4.2%、pH7.
1、B型粘度59cp及び灰分72.0%の汚泥105
部に、固形分濃度0.25%の凝集剤又は凝集剤組成物
9部を添加し2分間攪拌した後、濃度4%のカチオン化
デンプンの水溶液3.5部を添加し2分間攪拌して、試
験用サンプルを得た。試験用サンプルにおける凝集物の
形成状態を肉眼で観察し評価した。 ○:凝集物の大きさが1〜5mmである。 △:凝集物の大きさが1mm未満あるいは5mmを超え
ている。 ×:凝集していない。
る。 凝集性能 浄水場から排出された固形分濃度4.2%、pH7.
1、B型粘度59cp及び灰分72.0%の汚泥105
部に、固形分濃度0.25%の凝集剤又は凝集剤組成物
9部を添加し2分間攪拌した後、濃度4%のカチオン化
デンプンの水溶液3.5部を添加し2分間攪拌して、試
験用サンプルを得た。試験用サンプルにおける凝集物の
形成状態を肉眼で観察し評価した。 ○:凝集物の大きさが1〜5mmである。 △:凝集物の大きさが1mm未満あるいは5mmを超え
ている。 ×:凝集していない。
【0023】濾過速度 ブフナー漏斗に、布厚0.7mm、通気度1250mm
/秒のポリプロピレン製濾布を取付け、さらに懸濁液の
濾過面積を一定にするために濾布の上に内径49mmφ
の円筒を載せた。上記凝集性能試験で得られた試験用サ
ンプル130mlを上記円筒に注ぎ込み、濾過し、その
漏水をメスシリンダーで受け、漏水が40mlになるま
での時間を測定した。
/秒のポリプロピレン製濾布を取付け、さらに懸濁液の
濾過面積を一定にするために濾布の上に内径49mmφ
の円筒を載せた。上記凝集性能試験で得られた試験用サ
ンプル130mlを上記円筒に注ぎ込み、濾過し、その
漏水をメスシリンダーで受け、漏水が40mlになるま
での時間を測定した。
【0024】脱水ケーキの剥離性 上記の濾過速度試験において、濾過後、濾布に貯った脱
水ケーキを取り出し、そのケーキを別の濾布で包み、簡
易プレス機を用いて、脱水ケーキに0.1Kg/cm2
の圧力を2分間加えた。その後、濾布をケーキから剥
し、その剥がれ状態を以下の方法で評価した。 ◎:脱水ケーキが濾布に殆ど付着しない。 ○:濾布にやや付着する。スパチラで掻くと簡単に剥が
れる。 △:濾布にかなり付着する。スパチラで掻いてなんとか
剥がれる。 ×:濾布にべったり付着する。スパチラで掻いても剥が
れない。
水ケーキを取り出し、そのケーキを別の濾布で包み、簡
易プレス機を用いて、脱水ケーキに0.1Kg/cm2
の圧力を2分間加えた。その後、濾布をケーキから剥
し、その剥がれ状態を以下の方法で評価した。 ◎:脱水ケーキが濾布に殆ど付着しない。 ○:濾布にやや付着する。スパチラで掻くと簡単に剥が
れる。 △:濾布にかなり付着する。スパチラで掻いてなんとか
剥がれる。 ×:濾布にべったり付着する。スパチラで掻いても剥が
れない。
【0025】脱水ケーキの含水率 濾過速度試験において、濾過後、濾布に貯った脱水ケー
キを約5gを105℃で2hr乾燥し、乾燥前後の重量
変化から含水率を求めた。
キを約5gを105℃で2hr乾燥し、乾燥前後の重量
変化から含水率を求めた。
【0026】(凝集剤) 実施例1 温度計、攪拌機、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反
応器内を窒素ガスで置換した後、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ3.5部、過硫酸アンモニウム0.5部、
軟水300部及び表1に示す処方の単量体100部を仕
込んだ。次いで、反応器を60℃まで加熱し、8時間反
応を続け、最後に20℃まで冷却して、凝集剤としての
共重合体のラテックスを得た。この凝集剤の性能評価結
果を表1に示した。
応器内を窒素ガスで置換した後、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ3.5部、過硫酸アンモニウム0.5部、
軟水300部及び表1に示す処方の単量体100部を仕
込んだ。次いで、反応器を60℃まで加熱し、8時間反
応を続け、最後に20℃まで冷却して、凝集剤としての
共重合体のラテックスを得た。この凝集剤の性能評価結
果を表1に示した。
【0027】実施例2〜3及び比較例1 実施例1において、単量体処方を表1に示すものに変え
た他は実施例1と同様にして凝集剤としての共重合体ラ
テックスを得た。これら凝集剤の性能評価結果を表1に
示した。
た他は実施例1と同様にして凝集剤としての共重合体ラ
テックスを得た。これら凝集剤の性能評価結果を表1に
示した。
【0028】
【表1】
【0029】比較例2 凝集剤としての水溶性高分子(ポリアクリルアミド:重
合度約16万)の性能評価結果を表2に示した。
合度約16万)の性能評価結果を表2に示した。
【0030】(凝集剤組成物) 実施例4〜6及び比較例3 実施例1において、単量体処方を表2に示すものに変え
た他は実施例1と同様にして共重合体ラテックスを得、
これに水溶性高分子(ポリアクリルアミド:重合度約1
6万)を表2の処方に従って添加し攪拌して、凝集剤組
成物を得た。これらの凝集剤組成物の性能評価結果を表
2に示した。
た他は実施例1と同様にして共重合体ラテックスを得、
これに水溶性高分子(ポリアクリルアミド:重合度約1
6万)を表2の処方に従って添加し攪拌して、凝集剤組
成物を得た。これらの凝集剤組成物の性能評価結果を表
2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】以上より、エチレン性不飽和親水性単量体
5〜90重量%を共重合して得られる共重合体のラテッ
クスからなる凝集剤を用いることによって、懸濁粒子を
効率よく凝集でき、懸濁液の濾過速度が高く、剥離性に
優れ且つ含水率が低い脱水ケーキが得られることがわか
る。
5〜90重量%を共重合して得られる共重合体のラテッ
クスからなる凝集剤を用いることによって、懸濁粒子を
効率よく凝集でき、懸濁液の濾過速度が高く、剥離性に
優れ且つ含水率が低い脱水ケーキが得られることがわか
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 エチレン性不飽和親水性単量体5〜90
重量%及びこれと共重合可能な単量体10〜95重量%
を共重合してなる共重合体のラテックスからなる凝集
剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の凝集剤と、水溶性高分子
とを必須成分とすることを特徴とする凝集剤組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載の凝集剤または請求項2記
載の凝集剤組成物を、懸濁液に添加することを特徴とす
る凝集方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5341751A JPH07164000A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | 凝集剤、凝集剤組成物及び凝集方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5341751A JPH07164000A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | 凝集剤、凝集剤組成物及び凝集方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07164000A true JPH07164000A (ja) | 1995-06-27 |
Family
ID=18348486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5341751A Pending JPH07164000A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | 凝集剤、凝集剤組成物及び凝集方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07164000A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6900171B1 (en) | 1998-06-03 | 2005-05-31 | Arkema | Polyacrylates with improved biodegradability |
JP2010203176A (ja) * | 2009-03-05 | 2010-09-16 | Taisei Corp | 緑化工法 |
CN116002837A (zh) * | 2022-03-22 | 2023-04-25 | 江苏泰际材料科技有限公司 | 六氟磷酸锂废水处理所用的添加剂 |
-
1993
- 1993-12-10 JP JP5341751A patent/JPH07164000A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6900171B1 (en) | 1998-06-03 | 2005-05-31 | Arkema | Polyacrylates with improved biodegradability |
JP2010203176A (ja) * | 2009-03-05 | 2010-09-16 | Taisei Corp | 緑化工法 |
CN116002837A (zh) * | 2022-03-22 | 2023-04-25 | 江苏泰际材料科技有限公司 | 六氟磷酸锂废水处理所用的添加剂 |
CN116002837B (zh) * | 2022-03-22 | 2024-06-21 | 江苏泰际材料科技有限公司 | 六氟磷酸锂废水处理所用的添加剂 |
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