JPH07163887A - 物体の防黴方法およびこれにより防黴された物体 - Google Patents

物体の防黴方法およびこれにより防黴された物体

Info

Publication number
JPH07163887A
JPH07163887A JP5315455A JP31545593A JPH07163887A JP H07163887 A JPH07163887 A JP H07163887A JP 5315455 A JP5315455 A JP 5315455A JP 31545593 A JP31545593 A JP 31545593A JP H07163887 A JPH07163887 A JP H07163887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fungi
matter
semiconductive
mold
photocatalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5315455A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoaki Shinohara
清晃 篠原
Akira Tanaka
彰 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP5315455A priority Critical patent/JPH07163887A/ja
Publication of JPH07163887A publication Critical patent/JPH07163887A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半永久的に防黴効果のある新規な防黴方法を
見いだし、防黴された物体を提供することを目的とす
る。 【構成】 物体の表面に、黴を光分解することが可能な
半導体光触媒を露出させることにより、有機物である黴
を酸化分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物体表面の黴の発生を防
止する方法、およびそれにより防黴された物体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】黴による被害は、これまで、日本では高
温多湿となる5月から9月にかけて多く発生したが、最
近住宅の気密性が高まると共に、暖房が普及したので暖
房による室内の乾燥し過ぎを防ぐために加湿器が必要と
なり、そのため一年中高温多湿の環境が作られ、黴の被
害はますます甚大なものとなっている。
【0003】黴にも多くの種類があり、黴の被害は食料
品や皮革製品だけでなく、プラスチック、塗装面、金
属、セラミックス、ガラスなどあらゆる物体に及ぶよう
になってきた。浴室、台所など高湿度になりやすい場所
においては、あらゆるものの表面に黴が繁殖しやすくそ
れら本来の性能や美観を著しく損なう。物体に黴を繁殖
させないためには、発生した黴を殺菌する方法が考えら
れるが、手間がかかり、また殺菌後に発生する黴は防げ
ない。
【0004】そこで、あらかじめ黴の発生を防止する防
黴剤として、蒸散性の防黴剤であるBCA(ブロモシン
ナムアルデヒド)などの有機物薬剤や、防黴性のある金
属イオン等を溶出できる無機物などを用いることが考え
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
防黴剤を用いた防黴方法では、上記有機物薬剤や金属イ
オンが存在している間のみ防黴効果があるため有効期限
が限られたものであり、半永久的に防黴効果を持続させ
ることはできなかった。本発明の目的は、半永久的に防
黴効果のある新規な防黴方法を見いだし、防黴された物
体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
物体表面に付着する黴の分生子や胞子を排除することに
より黴の繁殖を防ぐことに着目し、さらに防黴効果を半
永久的に持続させるために鋭意研究した結果、半導体光
触媒を用いることにより、従来とは全く異なった機構に
より黴の発生を防ぐことができることを見いだし、本発
明を成すに至った。
【0007】よって、本発明は「物体の表面に、黴を光
分解することが可能な半導体光触媒を露出させてなる物
体の防黴方法」、及び「表面に黴を光分解することが可
能な半導体光触媒が露出していることを特徴とする、防
黴された物体」である。
【0008】
【作用】本発明は、従来の防黴方法とは全く違った方法
である半導体光触媒を用いることにより、黴の発生を防
ぐことができ、あらゆる物体を黴の被害から防ぐことが
可能であることを特徴とする。その機構は次のように説
明できる。半導体光触媒はその強い反応性により、有機
物を酸化分解することができる。一方、黴も有機物から
なっており黴の分生子や胞子を酸化分解することにより
黴の発生を抑えることができる。
【0009】半導体光触媒が防黴に効果を及ぼすために
は半導体のバンドギャップ以上のエネルギーの光が必要
であるが、通常の太陽光や室内の蛍光灯の光でも充分効
果がある。光触媒反応は表面反応であるため、半導体光
触媒は、物体の表面に露出させ、光エネルギーを吸収で
きるようにする。好ましくは、半導体光触媒を、物体の
表面を覆う膜形状に形成させる。例えば、プラスチッ
ク、金属製品や塗装面である場合にはその上に半導体光
触媒をコーティングし、布製品の場合には布を構成する
繊維自体に予めコーティングする。
【0010】膜の形成方法は、CVD法やスパッタ法等
の気相法でも、ディッピング法やスピンコート法、スプ
レー法等の液相法でも良い。また厚膜の場合には半導体
光触媒が分散されたペーストを用いた塗布法やスクリー
ン印刷法等により成膜する事ができる。膜形状にするこ
とにより、物体の外観の色や形を損なうこと無く黴の発
生を防ぐことが可能となる。また膜形状であると光エネ
ルギーを吸収し易く表面反応である光触媒反応が進行し
易く効果が大きい。
【0011】半導体光触媒はよく知られているような酸
化チタンやそれを含む複合酸化物、酸化ニオブやそれを
含む複合酸化物等を使用することができる。酸化チタン
や酸化ニオブは酸化物であり安定で安全なものであり、
あらゆるものに利用し易い。酸化チタンのバンドギャッ
プは約3eV、酸化ニオブのバンドギャップは約3.2eV
であるので、半導体光触媒が反応するためには、それぞ
れ約420nm、約400nm程度の波長の光が必要である。
これらの波長は通常の太陽光や室内の蛍光灯の光にも含
まれており、黴の分解には充分である。
【0012】また、光触媒反応を促進させるために、一
般的によく使われるPt、NiO、RuO2等を助触媒
として担持させてもよい。本発明においては、半導体光
触媒は蒸散性(揮発性)でなく、安定で安全な物質であ
る。このため、無害、無臭であり、人体や環境に優し
い。また、プラスチック、塗装面、金属、セラミック
ス、ガラス等、あらゆる物体に使用可能である。さら
に、光触媒反応であるので、半永久的に防黴効果が持続
する。
【0013】以下、実施例において本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれに限られたものではない。
【0014】
【実施例1】ガラス基板上に、酸化チタン薄膜をrfス
パッタ法により1μmの厚さにコーティングを施した。
その上に、Aspergillus vitricolae という種の分生子
及び胞子をそれぞれ接種した。その後、25℃、90%
R.H.(相対湿度)の雰囲気中にて疑似太陽光を照射
し、3カ月間放置した。
【0015】しかしながら、黴は発生しなかった。
【0016】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、黴の生育
に最適な高温多湿の環境下にあっても、半導体光触媒膜
を表面に露出することにより、半永久的に黴の発生が防
止される。また、この半導体光触媒は透明でありそのも
の本来の外観や色彩や形状を損ねることなく、黴の被害
から守ることができ視覚的に全く障害がでない。
【0017】さらに、半導体光触媒物質は非揮発性で、
安定、安全な物質であるため、人体に被害を及ぼすこと
もなく、また環境にも優しい。半導体光触媒は有機物を
酸化分解することができるため、黴以外の有機物の汚れ
やゴミも分解し、これらも同時に防ぐことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体の表面に、黴を光分解することが可能
    な半導体光触媒を露出させてなる物体の防黴方法。
  2. 【請求項2】表面に黴を光分解することが可能な半導体
    光触媒が露出していることを特徴とする、防黴された物
    体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の半導体光触媒が、酸化チ
    タンまたは酸化チタンを含む複合酸化物であることを特
    徴とする物体の防黴方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の半導体光触媒が、酸化ニ
    オブまたは酸化ニオブを含む複合酸化物であることを特
    徴とする物体の防黴方法。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の半導体光触媒が、酸化チ
    タンまたは酸化チタンを含む複合酸化物であることを特
    徴とする物体の防黴方法。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の半導体光触媒が、酸化ニ
    オブまたは酸化ニオブを含む複合酸化物であることを特
    徴とする物体の防黴方法。
JP5315455A 1993-12-15 1993-12-15 物体の防黴方法およびこれにより防黴された物体 Pending JPH07163887A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5315455A JPH07163887A (ja) 1993-12-15 1993-12-15 物体の防黴方法およびこれにより防黴された物体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5315455A JPH07163887A (ja) 1993-12-15 1993-12-15 物体の防黴方法およびこれにより防黴された物体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07163887A true JPH07163887A (ja) 1995-06-27

Family

ID=18065575

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5315455A Pending JPH07163887A (ja) 1993-12-15 1993-12-15 物体の防黴方法およびこれにより防黴された物体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07163887A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021246111A1 (ja) * 2020-06-04 2021-12-09

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6183106A (ja) * 1984-10-01 1986-04-26 Giken Kogyo Kk 水と接触する固体表面の汚損防止方法
JPS635301A (ja) * 1986-06-25 1988-01-11 Matsushita Electric Works Ltd 反射鏡
JPH0483537A (ja) * 1990-07-24 1992-03-17 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 光触媒の製造方法
JPH05309267A (ja) * 1992-05-11 1993-11-22 Japan Storage Battery Co Ltd 光触媒体
JPH06278241A (ja) * 1992-09-22 1994-10-04 Takenaka Komuten Co Ltd 建築材料
JPH0751646A (ja) * 1993-08-12 1995-02-28 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 固体表面の汚れ浄化方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6183106A (ja) * 1984-10-01 1986-04-26 Giken Kogyo Kk 水と接触する固体表面の汚損防止方法
JPS635301A (ja) * 1986-06-25 1988-01-11 Matsushita Electric Works Ltd 反射鏡
JPH0483537A (ja) * 1990-07-24 1992-03-17 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 光触媒の製造方法
JPH05309267A (ja) * 1992-05-11 1993-11-22 Japan Storage Battery Co Ltd 光触媒体
JPH06278241A (ja) * 1992-09-22 1994-10-04 Takenaka Komuten Co Ltd 建築材料
JPH0751646A (ja) * 1993-08-12 1995-02-28 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 固体表面の汚れ浄化方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021246111A1 (ja) * 2020-06-04 2021-12-09
WO2021246111A1 (ja) * 2020-06-04 2021-12-09 三井金属鉱業株式会社 ニオブ酸化合物及びニオブ含有スラリー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220073759A1 (en) Surface coating
JP2545727B2 (ja) 消臭灯及びその製造方法
JP2020537565A (ja) 水性組成物の順次送出のための方法及びシステム
JPH07163887A (ja) 物体の防黴方法およびこれにより防黴された物体
RU2002121635A (ru) Фотокаталитическое покрытие и способ очистки поверхностей космического летательного аппарата
JP2003095805A (ja) 抗菌材料及びそれを用いた抗菌製品
JPH08296060A (ja) 抗菌・抗黴性のアルミニウム建築材及びそれを用いた建具
JP2003306992A (ja) 防汚性パネル建材
CN107053932A (zh) 一种空气净化装饰物
JP2001019431A (ja) 酸化チタン膜形成用溶液の生成方法
JP2021021061A (ja) Uv光を用いた滅菌用コーティング
JP2001232713A (ja) 壁紙部材
KR102176682B1 (ko) 하이브리드 광촉매 살균제의 제조방법 및 그에 의해 제조된 하이브리드 광촉매 살균제
KR20210014445A (ko) 폴리우레탄(PU)필름에 TiO2 나노-졸 광촉매를 코팅하는 제조 기술을 이용한 다목적 살균 필름지
JPH10156988A (ja) 光触媒機能を有する合成樹脂成形品及び物品
JP2003306563A (ja) 防汚性フィルム及びその製法
JP3068598U (ja) 観賞用植物
JP2000290779A (ja) チタニア造膜部材及びその製造方法
JP2007327192A (ja) 防カビ構造
JP3154362B2 (ja) 抗菌性被膜
JP3210771U (ja) 光触媒効果のある塗布剤を塗布してなる皮製品及び光触媒作用のある部材を織り込んでなる皮製品及びこれ等の皮製品を光触媒作用を発生すべく収納する収納箱体
JP2005111323A (ja) 塗装構造およびこの塗装構造の作製方法
JP3108611U (ja) 光触媒機能を有する網戸
JP2001139408A (ja) 抗菌材料
JPH09140479A (ja) 厨房設備