JPH07163534A - 眼底血流速度測定方法及び測定装置 - Google Patents

眼底血流速度測定方法及び測定装置

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JPH07163534A
JPH07163534A JP5343091A JP34309193A JPH07163534A JP H07163534 A JPH07163534 A JP H07163534A JP 5343091 A JP5343091 A JP 5343091A JP 34309193 A JP34309193 A JP 34309193A JP H07163534 A JPH07163534 A JP H07163534A
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JP
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blood flow
flow velocity
blood vessel
fundus
light
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JP5343091A
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Mamoru Tsukada
護 塚田
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Canon Inc
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼底の血流速度を測定する際に心臓の鼓動に
応じてその流速が変化しても、実時間で血流速を測定す
る。 【構成】 He−Neレーザー光を出射する測定用光源
38からの光束が、眼底Ea上の血管Evに投射され、血管
Evからの反射光は孔あきミラー30の後方の小ミラー対
31a、31bで反射され、フォトマルチプライヤ40
a、40bで受光される。フォトマルチプライヤ40
a、40bからのドップラ信号を位相同期ループ回路7
6に入力し、その自走周波数をドップラ信号が存在しな
い高周波数側から接近させることにより、層流を成す血
管Evの最大血流速度に位相同期を掛け、更に位相同期ル
ープ回路76に適当な入力感度と同期レンジを設定し
て、実時間で血流速度を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼底上の血管内の血流
測定を行う眼底血流速度測定方法及び測定装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のドップラ信号を用いて移動物体を
検出する例は、移動する物体が単一であるために、得ら
れる信号が物体の速度に比例した単一の周波数である場
合が多い。これに対し血管内では血流は層流を成すた
め、得られるドップラ信号は連続した多数のスペクトラ
ムで構成されている。従って、最大周波数のドップラ信
号を求める手段としては、デジタルフーリエ変換(DF
T)や、非常に狭い帯域のバンドパスフィルタを掃引す
るスペクトラムアナライザ方式によって、最大周波数の
ドップラ信号を求める眼底血流計が知られている。
【0003】例えば、図10は従来のスペクトラムアナ
ライザ方式による眼科血流速計であり、眼科診断に通常
用いられるスリットランプを改造したものである。白色
観察用光源1から出射し、孔あきミラー2で反射された
照明光は、スリット3、レンズ4を通り、被検眼Eの角
膜の屈折力を相殺して眼底Eaを観察可能とするコンタク
トレンズ5を介して、眼底Ea上の測定血管Evを照明す
る。測定用のHe−Neレーザー光源6から出射したレ
ーザー光は、孔あきミラー2の中央の孔を通り、照明光
と同軸にされた後に同様に測定血管Evを照明する。
【0004】血管Ev内を流れる血球及びそれ以外の眼底
部から散乱反射されたレーザー光は、α’の角を成す方
向からそれぞれ対物レンズ7a、7b、ミラー8a、8
b、9a、9b、ファイバ10a、10bを介してフォ
トマルチプライヤ11a、11bで受光される。この受
光信号は血管Ev内を流れる血流によりドップラシフトを
受けた成分と、眼底Eaで反射された成分とが干渉するた
め、所定のビート信号を含んでいる。このビート信号を
周波数解析することによって血管Ev内の血流速度が求め
られる。なお、測定血管Evを含む眼底Eaは対物レンズ7
a、7b、ミラー8a、8b、9a、9b、接眼レンズ
12a、12bによって検者による観察が可能である。
検者は眼底像を観察しながらレーザー光を血管Evに照射
するという操作を行う。
【0005】図11はスペクトラムアナライザを用いて
受光信号を解析した結果の一例であり、横軸は周波数Δ
f、縦軸はそのパワーΔSを示している。図示のΔfmax
が各受光信号から算出され、これから血管Ev内の血流の
最大速度Vmaxが算出される。即ち、Δfmax=(κs −κ
i )・υであり、ここで、κs 、κi はそれぞれ受光方
向、入射方向の波数ベクトル、υは血流の速度ベクトル
である。各受光信号からのそれぞれの最大ドップラシフ
トの結果をΔfmax1、Δfmax2とすると、Vmax=λ・|
Δfmax1−Δfmax2|/(n・α・cos β)となる。こ
こで、λはレーザー光の波長、nは測定部位の屈折率、
αは眼内における2つの受光方向の成す角、βは2つの
受光方向の作る平面と血流の方向との成す角である。こ
のようにして、入射光の方向に係る寄与は相殺され、眼
底Ea上の任意の部位の血流を測定することができる。
【0006】図12は検者により観察される眼底像の一
例である。測定対象の血管Evは接眼レンズ12a、12
bの焦点面に用意されたスケールSCに合軸される。PSは
測定用He−Neレーザー光のスポットを示し、Iは照
明光により照明されている領域を示している。また、2
つの受光方向の作る面と眼底Eaとの交線Aと、血管Evの
流れの方向の速度がベクトルυとの成す角がβである。
従って、真の血流速度を測定するためには、交線Aを速
度ベクトルυに一致させるという操作が必要となる。こ
れは受光光学系全体を回転させるか、又は受光光学系中
にイメージローテータを配置して光学的に一致させるこ
とにより行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来例の眼底血流計において、特にその最大周波数のド
ップラシフトを測定する際には、スペクトラムアナライ
ザ方式での位相同期ループ(以下PLLという)フィル
タの掃引時間や、DFT方式でのサンプリング時間など
によって制約を受けることになるので、実時間で連続的
に最大周波数のドップラ信号を測定することは困難であ
る。
【0008】本発明の目的は、位相同期ループ回路を用
いて最大周波数のドップラ信号の位相を同期させること
によって、心臓の鼓動に応じて周期的に変化する最大周
波数を、連続的に実時間で測定することを可能にする眼
底血流速度測定方法及び測定装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明に係る眼底血流速度測定方法は、可干渉光を
眼底上の血管を含む領域に照射し、該領域からの散乱光
を受光し、受光成分に含まれるドップラ信号に基づい
て、前記血管の血流速を求める眼底血流速計において、
前記受光出力信号に対し固定又は可変の変調レンジを有
する位相同期ループフィルタを高周波側から接近させ、
層流を成す血管からの反射光に含まれるドップラ信号の
最大周波数に位相を同期をさせ、前記血管の最大血流速
度を測定することを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る眼底血流速度測定装置
は、可干渉光を眼底上の血管を含む領域に照射する照射
手段と、該領域からの反射光を受光する受光手段と、該
受光手段により検出される受光成分に含まれるドップラ
信号に基づいて前記血管の血流速度を測定する測定手段
とを有する眼底血流計において、前記受光手段からの信
号を調節するゲイン可変式増幅手段と、該増幅手段から
の信号に位相を同期をさせる位相同期ループ回路と、前
記増幅手段及び前記位相同期ループ回路を制御して前記
血管の血流速度を測定する制御手段とを備えたことを特
徴とする。
【0011】
【作用】上述の構成を有する眼底血流速度測定方法は、
可干渉光の眼底血管からの反射光を受光し、受光信号に
含まれるドップラ信号を適当な大きさの信号に処理した
後に位相同期ループ回路に入力する。位相同期ループ回
路はその自走周波数を、実際のドップラ信号が存在しな
い大きい周波数域から近付けることによって、層流を成
す血管の最大血流速度に位相を同期させる。
【0012】また、上述の構成を有する眼底血流速度測
定装置は、照射手段により眼底上の血管に可干渉光を照
射し、この反射光を受光手段により受光し、検出された
ドップラ信号をゲイン可変式増幅手段により増幅し、位
相同期ループ回路によりその最大周波数に位相を同期さ
せて血管の最大血流速度を測定する。
【0013】
【実施例】本発明を図1〜図9に図示の実施例に基づい
て詳細に説明する。図1は本実施例による眼底血流計の
構成図であり、眼底カメラの形式を利用している。ハロ
ゲンランプ等から成る照明用光源20から対物レンズ2
1に至る光路上には、可視光カットフィルタ22、コン
デンサレンズ23、ミラー24、フィールドレンズ2
5、リングスリット26、リレーレンズ27、28、孔
あきミラー29、イメージローテータ30が配列されて
いる。
【0014】更に、孔あきミラー29の背後の光路上に
は、小ミラー対31a、31b、アパーチャ32、イメ
ージスタビライザ33、観察光学系34、レンズ35、
アパーチャ36、レンズ37、He−Neレーザー光を
出射する測定用光源38が配列されている。小ミラー対
31a、31bのそれぞれの反射方向の光路上には、レ
ンズ39a、39b、フォトマルチプライヤ40a、4
0bが配置されている。なお、図1には重複を避けるた
めに、小ミラー対31a、31bのうち、小ミラー31
aの光軸上の部材のみを示してある。
【0015】イメージスタビライザ33には、レンズ4
1、42、ガルバノメトリックミラー43、レンズ4
4、45、ガルバノメトリックミラー46が順次に配列
されており、ガルバノメトリックミラー43、46は外
部に付設された操作桿47の操作により回転されるよう
になっている。。このイメージスタビライザ33では、
眼底Eaがレンズ41、42によりガルバノメトリックミ
ラー43と共役に、更にレンズ44、45によりガルバ
ノメトリックミラー46と共役にされている。ガルバノ
メトリックミラー43の回転軸は紙面に対し垂直に設定
され、ガルバノメトリックミラー46の回転軸はこの回
転軸に直交し、紙面と平行な方向に設定されている。
【0016】観察光学系34には、光路上を移動し得る
フォーカシングレンズ48、ダイクロイックミラー49
が設けられ、ダイクロイックミラー49の反射方向に、
ハーフミラー50、レンズ51を介してテレビカメラ5
2が配置され、テレビカメラ52の出力はテレビモニタ
53に接続されている。また、ハーフミラー50の反射
方向には血管検出系54が設けられ、ミラー55、レン
ズ56、フィルタ57を介して、イメージインテンシフ
ァイヤ付きの一次元CCDセンサ58が配置されてい
る。
【0017】フォトマルチプライヤ40a、40bの出
力は血流速度算出部60の入力側に接続され、血流速度
算出部60の出力は血流量算出部61と表示部62に接
続され、血流量算出部61の出力も表示部62に接続さ
れている。一次元CCDセンサ58の出力はトラッキン
グ用制御部63、血管径算出部64に接続されており、
制御部63の出力はガルバノメトリックミラー43に接
続され、血管径算出部64の出力は血流量算出部61と
表示部62に接続されている。また、同期信号発生回路
65の出力信号が、CCDセンサ58、血流速度算出部
60、血管径算出部64に接続されている。
【0018】上述の構成を有する眼底血流計において、
照明用光源20から発せられた照明光は、フィルタ2
2、コンデンサレンズ23、ミラー24を介してリング
スリット26に結像される。リングスリット26はリレ
ーレンズ27、28により孔あきミラー29に一度結像
された後に、イメージローテータ30を通り対物レンズ
21により再び被検眼Eの瞳上に結像され、眼底Eaをほ
ぼ一様に照明する。なお、フィールドレンズ25は光束
を効率良く被検眼E内に導く作用をする。
【0019】眼底Eaからの反射光は、再び対物レンズ2
1、イメージローテータ30を通り、孔あきミラー29
の中央の孔部、アパーチャ32を通り、イメージスタビ
ライザ33を通過した後に観察光学系34へ導かれる。
イメージスタビライザ33では、操作桿47の操作によ
りガルバノメトリックミラー43、46を回転移動さ
せ、眼底Ea上の測定部位を指定することができる。
【0020】観察光学系34では、フォーカシングレン
ズ48、レンズ51は共働してテレビカメラ52に眼底
像Ea’を結像する。ダイクロイックミラー49及びハー
フミラー50は、それぞれ測定用レーザー光源38及び
血管検出系54の光路の合成、分離のためのものであ
る。テレビカメラ52の出力はモノクロのテレビモニタ
53に表示され、検者はその眼底像Ea’を用いて装置の
アライメント及び測定部位の選択を行う。
【0021】血管検出系54において、ハーフミラー5
0により分配された光束は、ミラー55、レンズ56に
より、テレビカメラ52に結像する像よりも強拡大した
像を、一次元CCDセンサ58上に結像する。CCDセ
ンサ58の手前にはフィルタ57が設けられ、測定用レ
ーザー光の波長を遮光する作用をする。従って、測定用
レーザー光のスポットはCCDセンサ58上には到達せ
ず、CCDセンサ58は照明用光源20からの照明光の
みによる血管像を撮像する。
【0022】CCDセンサ58の出力はトラッキング用
制御部63へ送られ、この制御部63は血管像を解析
し、CCDセンサ58上での血管Evの一次元の移動量を
算出することによって、ガルバノメトリックミラ−43
の駆動信号SRを作成する。
【0023】図2はガルバノメトリックミラー43の駆
動信号SRの作成過程を示すブロック回路構成図である。
一次元CCDセンサ58の出力は増幅器66を経てA/
D変換器67に接続され、A/D変換器67の出力は加
算器68を介して比較器69に接続されている。比較器
69の出力は増幅器70、D/A変換器71を介して制
御部63に接続されている。なお、CCDセンサ58、
A/D変換器67には同期信号発生回路65の同期信号
SSが接続されている。また、制御部63からの駆動信号
Srがガルバノメトリックミラー43、46に接続されて
いる。
【0024】256個のピクセルから成る一次元CCD
センサ58の出力は増幅器66で増幅され、A/D変換
器67でデジタル化される。その後に、1〜128ピク
セルの出力を加算したものと、129〜256ピクセル
の出力を加算したものとを、比較器69で比較すること
により血管Evの移動方向が分かる。その方向を表す信号
に予め定められたステップサイズを乗じた後に、D/A
変換器71でD/A変換を行う。その値に基づいて、制
御部63はガルバノメトリックミラー43を駆動する。
本実施例では、1KHzの周波数でこの操作を繰り返す
ことによって、眼球運動により移動する測定対象血管Ev
の位置と、レーザー光の照射位置及び検出位置との関係
を一定に保つように自動追跡を行う。
【0025】ガルバノメトリックミラー43に関して
は、制御部63からの駆動信号SRによって、被検眼Eの
固視微動を一方向に関してのみ補償する働きをする。即
ち、一度検者が測定したい血管Evを指定した後において
は、常に一次元CCDセンサ58上の血管Ev位置が一定
となるようガルバノメトリックミラー43が駆動され
る。このとき、測定用光源38を発した測定用レーザー
光は、ダイクロイックミラー49によって観察光学系3
4と同軸になった後に、その光路を逆に辿って被検眼E
の眼底Ea上に導かれるため、常に選択された血管Ev上に
存在することが同時に保証される。
【0026】測定用レーザー光はダイクロイックミラー
49により観察光学系34に結像される前に、レンズ3
7により眼底Eaと共役な位置のアパーチャ36にスポッ
トを形成し、レンズ35を経てその共役関係が調整され
ている。従って、検者がフォーカシングレンズ48を光
軸上を移動して眼底Eaのピント合わせを行うと、テレビ
カメラ52の撮像面、一次元CCDセンサ58の撮像
面、測定光スポットが同時に眼底Eaと共役になる。
【0027】被検眼Eの眼底Ea上の血管Evで反射された
測定用レーザー光は、同様に対物レンズ21、イメージ
ローテータ30を通り受光されるが、そのうちの一部分
は孔あきミラー29の後方に設けられた小ミラー対31
a、31bで反射された後に、それぞれレンズ39a、
39bを経てフォトマルチプライヤ40a、40bで受
光される。また、反射されない部分はそのまま観察光学
系34へ導光され、テレビカメラ52で測定部位を示す
指標としての作用をする。
【0028】図3は小ミラー対31a、31b及び照明
光束、観察光束の瞳孔上の配置を示している。31
a’、31b’はそれぞれ小ミラー対31a、31bの
像で受光用の光束位置を示し、32’はアパーチャ32
の像で観察用光束及び測定用レーザー光の位置、26’
はリングスリット26の透光部の像で照明光束の位置を
示している。受光用光束位置31a’、31b’から測
定部位を見込む角は、図10における測定角αを形成す
る。従って、フォトマルチプライヤ40a、40bで受
光された信号を従来例と同様に処理することによって、
測定対象となっている血管Ev内の血流速度を求めること
ができる。
【0029】図4はテレビモニタ46で観察される眼底
像Ea’の様子を示し、座標軸Aの方向は小ミラー対31
a、31bの中心を結んだ平面と被検眼Eの眼底Eaと交
差線の方向を示し、Sは測定用レーザー光の像で測定部
位を示している。検者は操作桿47を操作し、測定すべ
き血管とスポットSを合致させる。このとき検者にはス
ポットSは視野に対し中心に位置したまま固定であり、
眼底像Ea’が移動して観察される。
【0030】その後にイメージローテータ30を回転
し、測定すべき血管Evの走行方向を軸Aの方向に合致さ
せる。これは、図12においてβ=0°とすることを意
味している。即ち、イメージローテータ30を回転する
と眼底像Ea’が図の矢印Eの方向に視野の中心を軸とし
て回転する。このように測定部位が選択されている場合
においては、血管検出系54のCCDセンサ58は軸A
と直交する方向のD軸方向の一次元像を撮像することに
なる。即ち、測定中においてはD方向における血管Evの
位置が一定となるように、イメージスタビライザ33の
ガルバノメトリックミラー43が駆動される。
【0031】従来例で述べたように、速度検出の原理
は、血管壁からの散乱反射光と血流中の散乱反射光との
干渉信号から得られるので、測定中において軸Aの方向
に眼球が移動しても、血管EvはA方向にほぼ平行なた
め、その測定結果は影響を受けない。一方、D方向に移
動した場合には、測定用レーザー光が血管Ev上から逸脱
してしまい測定が不能となる。このため、血管検出系5
4とイメージスタビライザ33は共働してこの軸D方向
の一次元トラッキングを行う。
【0032】図5は血流速度算出系のブロック回路構成
図を示し、フォトマルチプライヤ40a、40bの出力
はゲイン可変式増幅器75に接続され、このゲイン可変
式増幅器75の出力は位相同期ループ回路76と検波回
路77に接続されている。また、検波回路77の出力は
A/D変換器78を介してMPU(マイクロプロセッサ
ユニット)79に接続されている。更に、MPU79の
出力はフォトマルチプライヤ40a、40b及び位相同
期ループ回路76に接続されている。
【0033】眼底Eaからの散乱反射光は、小ミラー対3
1a、31bで反射され、フォトマルチプライヤ40
a、40bで受光されると、フォトマルチプライヤ40
a、40bから出力される信号は血流速度算出部60に
導かれる。ここでは、先ず受光したドップラビート信号
DBをゲイン可変式増幅器75で増幅し、増幅された信号
は検波回路77を通して信号強度に変換され、A/D変
換器78を通してその信号強度がMPU79により読み
取られる。その後に、予め決めてある位相同期ループ信
号の入力感度に適合するように、増幅手段ゲイン制御信
号線W1を通して増幅器75のゲインが設定される。これ
により、適当な大きさに調整されたドップラビート信号
DBは位相同期ループ回路76に入力される。
【0034】MPU79は位相同期ループ信号の自走中
心周波数SFを制御する信号線W2を通して、ドップラビー
ト信号DBには存在しない程度の高い周波数から最大ビー
ト周波数に向けて自走中心周波数SFを掃引させる。最大
ビート周波数が見付かると、位相同期ループ回路76は
同期検出信号線W3により同期検出信号LDをMPU79に
送る。MPU79は同期検出信号LDを確認した上で、そ
の同期した周波数を信号線W4により読み取る。また、同
期レンジは信号線W5により予めその範囲を設定してお
く。
【0035】図6及び図7はドップラビート信号DBの測
定データの例を示し、図6は自走中心周波数SFを最大ビ
ート周波数に向けて掃引しているところで、図7は最大
ビート周波数を検知し、同期検出信号LDを立ち上げたと
ころである。
【0036】図8は血管径算出部64のブロック回路構
成図、図9はそのタイミングチャート図である。同期信
号発生回路65からの同期信号SSに同期して、一次元C
CDセンサ58からイメージ信号SGが比較器81に入力
される。比較器81は予め定められた基準電圧発生回路
82からの基準電圧Vcとイメージ信号SGとを比較して、
比較器出力Waを積分器83に入力する。積分器83では
比較器81の出力Waを積分し積分器出力Vを得る。この
積分器出力Vは初期化信号発生回路84からの初期化信
号ISによって各測定毎にクリアされ、クリアされる直前
の信号Vが血管径に対応している。
【0037】同期信号発生回路65は測定のタイミング
を表す同期信号SSを一次元CCDセンサ58と血流速度
算出部60とに供給している。同期信号SSに同期して、
CCDセンサ58から測定部位のイメージが、トラッキ
ング用制御部63と血管径算出部64とに供給される。
制御部63ではガルバノメトリックミラー43の駆動信
号SRが作られ、血管径算出部64では血管径が算出され
る。血流量算出部61では、血管径算出部64及び血流
速度算出部60からそれぞれ供給される血管径及び血流
速度から血流量を算出する。血管径、血流速度、血流量
は、例えばCRT、プロッタ等のような表示部62に表
示され、実時間で血管径、血流速度、血流量を観測する
ことを可能にする。これらの情報を基にして、例えば動
脈硬化、糖尿病等の医学的診断に役立てることができ
る。
【0038】血管に限らず管内を流れる物体からドップ
ラビート信号DBが得られる場合に、乱流状態となる状況
が無ければ、管内の流体は層流を成すために、管壁を流
れる最も遅い粒子から管の中心を流れる最も早い粒子ま
で、そのドップラビート信号DBは連続した周波数成分を
持つ。中心を流れる最も早い粒子から得られる最大ビー
ト周波数よりも高い周波数域においては、それ以下の周
波数域と比べて、より大きい振幅の信号成分は存在しな
いので、本実施例のように位相同期ループ回路76の入
力感度を適当に設定し、最大ビート周波数よりも高い周
波数から位相同期ループ回路76の自走周波数(中心周
波数)SFを低周波側へ移動してゆけば、管の中心を流れ
る最大ビート周波数に位相同期ループ回路76の自走周
波数SFを同期させることができる。更に、位相同期ルー
プ回路76のフィルタ帯域(変調レンジ)を、心臓の鼓
動によって変動する最大ビート周波数の変動帯域と同程
度又は稍々大きめとすることによって、実時間に最大ビ
ート周波数に位相同期ループ回路76の自走周波数SFを
追従させて位相同期し、その位相同期した自走周波数SF
から血流速度を実時間に求めることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る眼底血
流速度測定方法は、眼底血管からの反射光に含まれるド
ップラシフト信号を、位相同期ループ回路により位相を
同期させ、その最大周波数を求めることにより、周期的
に変化する血流速度を容易にかつ正確に実時間により測
定することができる。
【0040】また、本発明に係る眼底血流速度測定装置
は、眼底血管からの反射光に含まれるドップラシフト信
号を調節する増幅手段と、この信号に位相を同期させる
位相同期ループ回路と、これらを制御するMPUとを備
えることにより、スペクトラムアナライザ方式に見られ
るような掃引時間を必要とせずに、迅速かつ容易な血流
速度の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の構成図である。
【図2】制御部のブロック回路構成図である。
【図3】照明光束と観察光束の関係の説明図である。
【図4】観察眼底像の説明図である。
【図5】血流速算出部のブロック回路構成図である。
【図6】ドップラビート信号の測定例のグラフ図であ
る。
【図7】ドップラビート信号の測定例のグラフ図であ
る。
【図8】血管径算出部のブロック回路構成図である。
【図9】血管径算出部のタイミングチャート図である。
【図10】従来例の構成図である。
【図11】受光信号の周波数分析のグラフ図である。
【図12】観察眼底像の説明図である。
【符号の説明】
30 イメージローテータ 31a、32b 小ミラー対 33 イメージスタビライザ 34 観察光学部 38 測定用光源 43、46 ガルバノメトリックミラー 52 テレビカメラ 53 テレビモニタ 54 血管検出部 58 CCDセンサ 60 血流速度算出部 61 血流量算出部 63 制御部 64 血管径算出部 65 同期信号発生回路 75 ゲイン可変式増幅回路 76 位相同期ループ回路 77 MPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61B 3/12 E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可干渉光を眼底上の血管を含む領域に照
    射し、該領域からの散乱光を受光し、受光成分に含まれ
    るドップラ信号に基づいて、前記血管の血流速を求める
    眼底血流速計において、前記受光出力信号に対し固定又
    は可変の変調レンジを有する位相同期ループフィルタを
    高周波側から接近させ、層流を成す血管からの反射光に
    含まれるドップラ信号の最大周波数に位相を同期をさ
    せ、前記血管の最大血流速度を測定することを特徴とす
    る眼底血流速度測定方法。
  2. 【請求項2】 前記最大血流速度が心臓の鼓動に応じて
    周期的に変化する場合に、その周波数の変動幅に対応す
    る同期レンジと、ドップラ信号の強度に対応する入力感
    度とを選択して、適時位相同期ループ回路に設定するこ
    とによって、実時間で最大周波数を計測する請求項1に
    記載の眼底血流速度測定方法。
  3. 【請求項3】 可干渉光を眼底上の血管を含む領域に照
    射する照射手段と、該領域からの反射光を受光する受光
    手段と、該受光手段により検出される受光成分に含まれ
    るドップラ信号に基づいて前記血管の血流速度を測定す
    る測定手段とを有する眼底血流計において、前記受光手
    段からの信号を調節するゲイン可変式増幅手段と、該増
    幅手段からの信号に位相を同期をさせる位相同期ループ
    回路と、前記増幅手段及び前記位相同期ループ回路を制
    御して前記血管の血流速度を測定する制御手段とを備え
    たことを特徴とする眼底血流速度測定装置。
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