JPH0716348Y2 - スライドレールにおける走行抵抗低減装置 - Google Patents

スライドレールにおける走行抵抗低減装置

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JPH0716348Y2
JPH0716348Y2 JP1990114466U JP11446690U JPH0716348Y2 JP H0716348 Y2 JPH0716348 Y2 JP H0716348Y2 JP 1990114466 U JP1990114466 U JP 1990114466U JP 11446690 U JP11446690 U JP 11446690U JP H0716348 Y2 JPH0716348 Y2 JP H0716348Y2
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【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、後端部にローラが軸支され、引出しの側部に
設けられるインナーレールと、前端部にローラが軸支さ
れ、キャビネット等の側板に固定されるアウターレール
とがスライド自在に係嵌してなるスライドレールにつ
き、両レールが走行する際の抵抗を低減しようとする装
置に関する。
《従来の技術》 既知のように、ローラタイプのスライドレールとして
は、各種のものが知られており、例えば第7図に示され
ているように、インナーレールaの取付側bを、引出し
fに取着し、キャビネット等の側板cに固定されるアウ
ターレールdのローラeに係合させるため、インナーレ
ールaのレール部gは横断面略逆L字形状に曲成して案
内凹溝条hを形成するようにし、これまた既知の如く、
インナーレールaのローラiは、アウターレールdのレ
ール部j上にて、走行自在なるよう構成されている。
《考案が解決しようとする課題》 ところが、第7図に明示の如く、上記したアウターレー
ルdのローラeは、案内凹溝条hにおける横向頂面h′
に当接しており、かつ横向頂面h′の幅長よりも、ロー
ラeの幅長が小さくなっているため、引出しfを出し入
れたとき、インナーレールaは、左右へスライドし、こ
のことが、ローラEによる走行に対して抵抗となるだけ
でなく、当該左右へのスライドにより、ローラeの外周
端縁kが、案内凹溝条hの横向頂面h′における左右の
面l、l′に押当摺接することとなり、当該摩擦抵抗
が、スライドレールとしての円滑な走行を阻害すること
となっている。
本考案は、上記従来のスライドレールにおける欠陥を解
消しようとするもので、インナーレールのローラと、ア
ウターレールのレール部における案内凹溝条にあって、
その横向きに形成された頂板部に対して、上記ローラを
当接することなく、当該頂板部に連設されている基端側
傾斜当接板部と、自由端側傾斜当接板部とに同上ローラ
の両外周端縁を当接することによって、当該案内凹溝条
の不本意な左右動を阻止すると共に、同上ローラ両外周
面と、上記両傾斜当接板部との摺接を解消し、これによ
り、インナーレールとアウターレールとのスライドによ
る走行を、円滑にしようとするのが、その目的である。
《課題を解決するための手段》 本考案は、上記目的を達成するため、取付側が引出しの
側部に取りつけられるインナーレールと、取付側がキャ
ビネット等の側板に取付けられるアウターレールとを具
備し、上記インナー、アウター両レールの各後端、前端
の内側にあって、夫々の各レール側に各ローラが軸支さ
れ、これらの各ローラが係合して案内される夫々のレー
ル部を備えてなるスライドレールにおいて、上記アウタ
ーレールのレール部に、垂直板部から前記側板寄りに上
向傾設した基端側傾斜当接板部と、これにより横向きに
曲設された頂板部と、この頂板部から斜め下方へ曲設し
た自由端側傾斜当接板部とによって案内凹溝条を形成
し、上記インナーレールのローラが、その両外周端縁
を、上記案内凹溝条の夫々基端側傾斜当接板部と自由端
側傾斜当接板部とに当接して走行自在であることを特徴
とするスライドレールにおける走行抵抗低減装置を提供
しようとするものである。
《作用》 インナーレールは、その取付側を引出しの側部に固定
し、一方、アウターレールは、キャビネット等の側板の
内面にビス等にて固定する。
引出しの後端を、キャビネット等の開口部に挿入するよ
うにして、インナーレールの後端部に軸支したローラ
を、アウターレールのレール部に、また、アウターレー
ルの前端部に軸支したローラを、インナーレールのレー
ル部に、インナー、アウター両レールが、スライド自在
となるように係合し、このようにして、引出しはキャビ
ネット等に取りつけられる。
上記の引出し取付け状態において、引出しを手前に引き
出し、又は後方へ押し込むことで、キャビネット等に対
し引き出され、又は収納されるが、この際、本考案にあ
っては、前記のインナーレールのローラにおける両外周
端縁が、アウターレールのレール部に形成した基端側と
自由端側における傾斜当接板部とに当接しているから、
当該ローラとレール部とは相対的に左右動することな
く、このためインナーレールとアウターレールとの相対
的な走行が、円滑に行われることとなる。
《実施例》 以下、本考案を、その実施例について図面を参照して説
明する。
第1図ないし第4図の第1実施例にあっては、インナー
レール1が、アルミニウム等で押し出し成形法によって
成形され、引出し2の側枠をも兼ねた取付側3を具有し
ている。
この取付側3は、内側板部3aと、外側板部3cと、それら
上端を接続する頂板部3bとで横断面略逆U字形状に形成
され、かつ、上記内側板部3aの下端内側には、引出し2
の後述する底板12に固定するための受板部3dが直交状に
曲成されている。
さらに、インナーレール1の取付側3における内側板部
3aの下端部1aと、外側板部3c間には水平板部1bが架設さ
れていると共に取付側3における当該水平板部1bの先端
からは、レール側である垂直板部1cと底板部1dとにより
横断面略L字形状としたレール部1eが連設されている。
すなわち、上記レール部1eは、取付側3の外側板部3cを
下方へ延出させ、その延出端を内側へ水平に折曲するこ
とで形成される。
また、上記レール部1eには、その底板部1dの余端を上方
へ折曲することで、後述するアウターレール6のローラ
7を転動自在に係合し、前後方向に案内される案内凹条
溝1fが前後方向に長く形成されている。
さらに、上記レール部1eの後端部には、その垂直板部1c
に固定された横軸5によって、後述するようにアウター
レール6と係合されるローラ4が軸支されている。
一方、アウターレール6は、第1図乃至第4図に示した
ように、取付垂直板部6aと、底板部6bとで取付側が横断
面略逆L字形状に形成され、その先端には、上記底板部
6bの先端から上方へ略直角に折曲した垂直板部6cと、該
垂直板部6cの上端から外側へ略直角に折曲した頂板部6d
とで横断面略逆L字形状のレール側であるレール部6e
が、前後方向に長く設けられている。
さらに、上記のレール部6eにつき詳記すると、第3図と
第4図に明示されている通り、当該レール部6eは、上記
の垂直板部6cから取付垂直板部6a寄りに上向傾設した基
端側傾斜当接板部6gと、これより横向きに曲設された前
記頂板部6dと、この頂板部6dから斜め下方へ曲設した自
由端側傾斜当接板部6hとにより構成され、このことによ
ってレール部6eの下側には、案内凹溝条6fが、前後方向
へ長く形成されている。
上記の案内凹溝条6fには、上記したインナーレール1の
ローラ4が転動自在に係合案内されることとなるが、本
発明によるときは、当該転動に際してローラ4における
左右の両外周端縁4a、4bが、夫々の上記の案内凹溝条6f
における基端側傾斜当接板部6gと、自由端側傾斜当接板
部6hとに当接させるよう構成してあり、従って、ローラ
4の外周面4cは、案内凹溝条6fにおける頂板部6dと接触
することがない。
さらに、上記レール部6eの前端部には、その垂直板部6c
に固定された横軸8により、前記したインナーレール1
のレール部1eに転動自在なるよう係合されるローラ7が
軸支されている。
そして、既知の如く上記インナーレール1は、そのレー
ル部1eにおける後端部の先端に切欠部9が前後方向へ所
要の長さだけ形成され、一方、アウターレール6も、そ
のレール部6eにおける前端部の先端に切欠部10が前後方
向へ所要の長さだけ形成されており、これにより、イン
ナーレール1とアウターレール6相互が、その後端部、
前端部において、左右方向へ係脱自在なるように係合さ
れるようになっている。
上記引出し2は、第1図及び第3図、第4図に示した通
り、上記取付側3の前端に鏡板11を、後端に図示しない
背板を各々装着する共に、取付側3の前記受板部3d上に
底板12をビス13……にて固定されている。
第5図、第6図は、上記インナーレール1に取付側3を
形成せず、引出し2の取板14を別体に形成した第2実施
例を示している。
この実施例では、インナーレール1を、垂直板部1aと水
平板部1bとで横断面略逆L字形状に形成し、その先端
に、垂直板部1cと底板部1dとで横断面略L字形状のレー
ル部1eを一体に設けて構成されている。
すなわちインナーレール1は、左右の両垂直板部1a,1c
と、頂板部1bとで横断面略逆U字形状に形成され、その
底板部1dの余端を上方へ折曲することで、レール部1eの
内側に案内凹条溝1fが形成されている。
又、前記した受板部3dは、垂直板部1aの下端に一体に形
成されるもので、その他は前記した第1実施例と同じで
ある。
この実施例によるときは、第6図に示したように、引出
し2における側板14の下端に、凹条溝14aを前後方向に
長く凹設し、該凹条溝14aにインナーレール1を嵌合
し、ビス止め等にして固定されることとなる。
尚、アウターレール6は、第1、第2両実施例と共に、
既存のスライドレールと同様、第1図に示すキャビネッ
ト15における側板16の内側に、第3図、第4図及び第6
図に示した如く、垂直板部6aをビス17……にて固定して
前後方向に長く、かつ水平に装着される。
《考案の効果》 本考案は、以上説明したように構成されているので、ア
ウターレールに対して引出し等と共に走行することとな
るインナーレールのローラが、アウターレールのレール
部内を転動する際、当該ローラの両外周端縁に、上記レ
ール部の基端側傾斜当接板部と自由端側傾斜当接板部が
当接されることとなるから、当該ローラは上記の走行に
際し、案内凹溝条の頂板部と接触せず、しかも左右に振
れ動くことがないので、ローラの左右外側面が、アウタ
ーレールのレール部に摺接してしまうことなく、このた
め、走行に際しても不本意な抵抗を低減することがで
き、円滑なスライドレールの作動を保証することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本考案に係るスライドレールの第
1実施例を示し、第1図はその使用状態を一部切欠して
示す斜視図、第2図(イ),(ロ)はその部品を示した
斜視図、第3図、第4図はその使用状態における前部と
後部の各横断面図、第5図、第6図は第2実施例を示し
たもので、第5図はそのインナーレールの斜視図、第6
図はその使用状態での横断面図、第7図は従来のスライ
ドレールの使用状態での横断面図である。 1……インナーレール 1e……インナーレールのレール部 2……引出し 3……インナーレールの取付側 4……インナーレールのローラ 4a……ローラの外周端縁 4b……ローラの外周端縁 6……アウターレール 6c……垂直板部 6d……頂板部 6e……アウターレールのレール部 6f……案内凹溝条 6g……基端側傾斜当接板部 6h……自由端側傾斜当接板部 15……キャビネット 16……側板

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】取付側が引出しの側部に取りつけられるイ
    ンナーレールと、取付側がキャビネット等の側板に取付
    けられるアウターレールとを具備し、上記インナー、ア
    ウター両レールの各後端、前端の内側にあって、夫々の
    各レール側に各ローラが軸支され、これらの各ローラが
    係合して案内される夫々のレール部を備えてなるスライ
    ドレールにおいて、上記アウターレールのレール部に、
    垂直板部から前記側板寄りに上向傾設した基端側傾斜当
    接板部と、これより横向きに曲設された頂板部と、この
    頂板部から斜め下方へ曲設した自由端側傾斜当接板部と
    によって案内凹溝条を形成し、上記インナーレールのロ
    ーラが、その両外周端縁を、上記案内凹溝条の夫々基端
    側傾斜当接板部と自由端側傾斜当接板部とに当接して走
    行自在であることを特徴とするスライドレールにおける
    走行抵抗低減装置。
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