JPH07162024A - 半導体紫外線センサ - Google Patents
半導体紫外線センサInfo
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- JPH07162024A JPH07162024A JP5309363A JP30936393A JPH07162024A JP H07162024 A JPH07162024 A JP H07162024A JP 5309363 A JP5309363 A JP 5309363A JP 30936393 A JP30936393 A JP 30936393A JP H07162024 A JPH07162024 A JP H07162024A
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Abstract
いて簡易に形成することができ、UV光だけに感度を持
つ半導体UVセンサを実現する。 【構成】 絶縁基板11上に非常に薄くN型の半導体層
12が形成されている。このN型半導体層12の厚みは
UV光の吸収は起こるが青や緑の光に関しては透過して
しまう厚みに形成されている。また、N型半導体層12
の内側にP型の不純物が例えばイオン注入されることに
より、P+ 型拡散層13が形成されている。このイオン
注入はP型不純物が絶縁基板11の表面に達する深さま
で行われ、P+ 型拡散層13が絶縁基板11に接して形
成されている。また、N型半導体層12にはN+ 型拡散
層14が形成されており、この上にはアルミ金属配線1
5aが、また、P+ 型拡散層13上にはアルミ金属配線
15bが形成されている。
Description
度,可視光から赤外線に対しては感度が無い半導体紫外
線センサに関するものである。
しては、断面構造が図7に示されるものがある。
に形成されており、この基板1には、紫外(UV)域に
高感度を出すため、Si−Si酸化膜の界面にいわゆる
界面準位が少ない(100)ウエハが一般的に使用され
る。このSi基板1の所定領域にボロン(B)がイオン
注入され、P+ 型不純物層2が形成されている。UV高
感度とするためには、このP+ 型不純物層2は出来る限
り薄いことが望ましく、イオン注入技術によって約0.
3μmと浅く形成されている。Si基板1およびP+ 型
不純物層2の表面にはSi酸化膜3が形成されており、
Si酸化膜3の一部を貫通してP+ 型不純物層2に電気
的に接触したアルミニウム(Al)電極4が形成されて
いる。また、Si酸化膜3の他の部分を貫通してAl電
極5が形成されており、電極5とSi基板1との接触部
には、オーミックコンタクトをとるためのN+ 型拡散層
6が形成されている。
オードの分光感度特性を示すグラフであり、同グラフの
横軸は入射光の波長[nm],縦軸は放射感度[A/
W]を示している。同グラフに示すように、上記ホトダ
イオードは近赤外域まで感度があり、感度のピークは9
00[nm]になっている。これはSiウエハの厚みが
500μm程度あるため、近赤外域までの入射光を吸収
するからである。従って、上記ホトダイオードをそのま
まUVセンサに用いると、紫外域以外の光に対しても反
応してしまう。よって、このホトダイオードをUVセン
サとして使用するためには、可視域から近赤外域までの
感度を何等かの方法でカットする必要がある。このた
め、従来においては、ホトダイオードの入射面前面にU
V透過フィルタ7を設け、このUV透過フィルタ7によ
って入射光の長波長光をカットしていた。この結果、紫
外光だけが上記ホトダイオードに照射され、ホトダイオ
ードの出力はUV光だけに感応するものとなり、半導体
UVセンサとして使用されていた。
サには幾つかの問題点があった。まず、UV透過フィル
タ7のコストがホトダイオードのチップ単価よりも高い
ことである。さらに、フィルタ7をホトダイオードに貼
るための組み立て工賃を考慮すると、UVセンサとして
の製品価格はどうしても高いものとなってしまった。さ
らに、UV透過フィルタ7は使用中にUV光によって劣
化を生じ、次第に透過率が低下してしまうといった問題
もあった。
るため、UV透過フィルタを用いることなく、UV光だ
けに感度を持つ半導体UVセンサを実現させる技術が、
例えば特開平1−309387号公報に開示されてい
る。同公報においては、SIMOX(サイモクス:Sepa
ration by Implanted Oxygen) ウエハを用いてUVセン
サが形成されている。つまり、N型Si基板に酸素イオ
ンが150KeVの加速電圧、1.2×1018cm-2の
ドーズ量でイオン注入されてSi酸化膜が形成され、S
OI(シリコン・オン・インシュレータ)構造が形成さ
れている。また、この基板表面のSi層上にはエピタキ
シャル成長法によって厚さ1μmのN型Si層が形成さ
れ、Si層が上乗せされている。このN型Si層の表層
部の一部には、アクセプタ不純物が選択的にイオン注入
されてP+ 層が形成されている。このP+ 層とN型半導
体層とはPN接合を形成し、ホトダイオードを構成して
いる。同公報では、このようなホトダイオードの厚さは
1μm程度であるため、短波長の紫外線がここで吸収さ
れ、紫外線にだけ感度を持つ半導体UVセンサが実現さ
れる旨が記載されている。
で提案されている上記従来の構成をした半導体UVセン
サにおいては、ホトダイオードを構成するPN接合は基
板の縦方向、つまり、基板の厚さ方向に形成されてお
り、PN接合部に形成される空乏層は縦方向に伸びる構
造になっている。一方、SIMOXウエハにおけるSi
酸化膜上のSi層の厚さは数千Åしかない。従って、こ
の薄いSi層に熱拡散法やイオン注入法といった通常の
方法を用いて縦方向にPN接合を形成することは不可能
である。このため、上記従来のように、Si酸化膜上の
Si層上にさらに約1μmのSi層をエピタキシャル成
長し、SIMOXウエハ表面のSi厚の上乗せを行う必
要がある。
いては、Si酸化膜上のSi層の厚さは全体として1μ
m以上になってしまう。この程度のSi膜厚があると、
UVセンサはUV光から青色、緑色の光までを有効に吸
収するようになり、UV光から青色、緑色の光までに感
度を持つようになる。従って、波長180〜400nm
程度のUV光だけに感度を有する半導体UVセンサにす
るには、やはり前述のUV透過フィルタが必要になり、
前述した問題が再び生じる。
せするため、このウエハ上に良質なエピタキシャル成長
層を形成することが非常に困難な点も問題であった。つ
まり、SIMOXウエハにおけるSi酸化膜上のSi層
には酸素イオン注入時の残留欠陥がある程度残されてお
り、また、エピタキシャル成長は非常に高温で行われ、
この欠陥層を核としてさらに欠陥層が増長されるからで
ある。
を解消するためになされたもので、絶縁層上に形成され
た第1導電領域およびこの第1導電領域に並ぶ絶縁層上
の所定領域に形成された第2導電領域からなる半導体層
と、第1導電領域および第2導電領域にそれぞれ接した
第1の電極および第2の電極とを備えたものである。
れ、上記第2導電領域がこの第1導電領域の櫛形に噛み
合う櫛形に形成されているものである。
その表面および底面において高く、これらの中間部にお
いて低く形成されているものである。
その表面および底面において高く、これらの中間部にお
いて低く形成されているものである。
素原子がイオン注入されて形成された酸化Si層である
ものである。
よび第2導電領域によってPN接合が形成され、受光素
子を構成するこのPN接合は基板の横方向、つまり基板
の面方向に形成される。従って、従来のようにP層とN
層とを縦方向に積層する必要はなく、入射光を受光する
半導体層は紫外線だけを吸収する厚さに薄く形成され
る。また、従来のようにPN接合を縦方向に薄く形成す
るため、エピタキシャル成長法を用いてPN接合を形成
する必要もなくなる。
により、各導電領域の対向部分が長くなり、基板横方向
に形成される空乏領域は拡大する。
表面および底面において高く、これらの中間部において
低く形成されていると、この中間部のエネルギ障壁は低
くなり、この中間部を谷とするポテンシャル井戸が形成
される。従って、第2導電領域に入射した光によって生
じた光電荷は一旦このポテンシャル井戸に集められ、集
められた光電荷はこのポテンシャル井戸内を基板横方向
に移動して空乏領域に到達する。
表面および底面において高く、これらの中間部において
低く形成されていると、第1導電領域に入射した光によ
って生じた光電荷もこの中間部に形成されたポテンシャ
ル井戸に一旦集められ、ポテンシャル井戸内を基板横方
向に移動して空乏領域に到達する。
Vセンサを示しており、同図(a)は断面図,同図
(b)は平面図を示している。
体層12が形成されている。この絶縁基板11はガラ
ス,石英,またはサファイヤ等からなる。N型半導体層
12は、単結晶,ポリ,またはアモルファス相のいずれ
かの結晶構造層によって形成されており、N型の不純物
が添加されている。また、絶縁基板11上にN型半導体
層12が形成されたこの構造は、前述したSIMOXウ
エハや、酸化膜を介してSiを貼り合わせた貼り合わせ
ウエハ等のSOI構造であっても構わない。また、N型
半導体層12の厚みは、例えばこのN型半導体層12が
Si単結晶によって形成されている場合には、2000
〜3000Åの厚さに形成される。つまり、N型半導体
層12の厚みは、UV光の吸収は起こるが、青や緑の光
に関しては透過してしまう程度の厚みに形成されてい
る。3000〜4000Åの厚さにもなれば、青色にも
感度を示すようになると考えられる。
型拡散層13が形成されている。このP+ 型拡散層13
は、N型半導体層12の所定領域にP型の不純物が例え
ばイオン注入されることによって形成される。このイオ
ン注入はP型不純物が絶縁基板11の表面に達する深さ
まで行われ、P+ 型拡散層13が絶縁基板11に接して
形成されている。ただし、もともとN型半導体層12は
非常に薄いので、通常どうりに熱拡散やイオン注入を行
えば、上記構造は容易に形成することができる。絶縁基
板11に接して形成されたこのP+ 型拡散層13は、絶
縁基板11上に形成されたN型半導体層12と基板横方
向に並んで形成されている。このN型半導体層12とP
+ 型拡散層13との境界線は四角形をなしており、この
境界にはPN接合が形成されている。
N+ 型拡散層14が形成されており、このN+ 型拡散層
14上にアルミ(Al)金属配線15aが形成されてい
る。このN+ 型拡散層14は、アルミ金属配線15aと
N型半導体層12との間でオーミックコンタクトをとる
ために形成されているものである。また、このPN接合
面から遠ざかった位置のP+ 型拡散層13上には、アル
ミ金属配線15bが形成されている。
2に電気的に接して形成された金属配線15aには正極
性の電圧が印加され、P+ 型拡散層13に電気的に接し
て形成された金属配線15bには負極性の電圧が印加さ
れる。この電圧印加によってN型半導体層12とP+ 型
拡散層13との間には図示の空乏層16が形成される。
通常のホトダイオードでは空乏層は基板の深さ方向に広
がる構造であるが、本実施例によるホトダイオードでは
空乏層16は基板の横方向に広がる構造になっている。
すなわち、本実施例においては、絶縁基板11上におい
て横方向に並ぶN型半導体層12およびP+ 型拡散層1
3によってPN接合が形成され、ホトダイオードを構成
するこのPN接合は基板の横方向、つまり基板の面方向
に形成されている。従って、従来のようにP層とN層と
を縦方向に積層する必要はなく、入射光を受光する、N
型半導体層12およびP+ 型拡散層13からなる半導体
層は数1000Å程度に薄く形成される。このため、本
実施例によるUVセンサ構造によれば、光を吸収して光
電荷を発生する半導体層の厚みは、UV光のみが半導体
層に吸収される厚さになる。よって、青色,緑色を始
め、黄色、赤色および赤外光には感度を持たなくなり、
UV光だけに感度を持つ半導体UVセンサが実現され
る。
く形成するため、エピタキシャル成長法を用いてPN接
合を形成する必要もなくなる。このため、SIMOXウ
エハの酸化Si層を形成するためのイオン注入で生じた
結晶欠陥が、エピタキシャル成長工程において増長する
といった従来の問題は生じない。よって、本実施例によ
れば、上述したように、熱拡散やイオン注入といった通
常の方法を用いて、良質なPN接合を簡易に形成するこ
とが可能になる。
UVセンサついて説明する。
導体UVセンサの製造方法を示す工程断面図であり、以
下これら各図を用いて第2実施例によるUVセンサの製
造方法について説明する。
1Ω−cm、厚さが500μmのN型単結晶Si半導体
基板21に酸素原子がイオン注入される。このイオン注
入は、ドーズ量が0.4×1018cm-2、加速電圧が1
20keVで行われる。このイオン打ち込み後、132
0℃の温度で基板21に熱処理が加えられることによ
り、打ち込まれた酸素原子と基板21とが反応し、Si
基板内部にSi酸化膜層22が形成される(図2(a)
参照)。上記した条件で形成されたSi酸化膜層22の
厚みは800Å、このSi酸化膜層22上にあるSi半
導体層23の厚みは2000Åであった。この技術は前
述したSIMOXと呼ばれる技術である。Si半導体層
23の表面の比抵抗は、元のSi半導体基板21の比抵
抗に等しい。
らに低抵抗の方が好ましい場合があるが、実用的には、
1Ω−cmより低抵抗なウエハをSIMOXとすること
は、N型,P型に関わらず出来ない。つまり、上述した
ように、打ち込んだ酸素原子の活性化は1320℃とい
う非常に高い温度で行われるので、使用する熱処理炉は
通常の石英のものでは適当でなく、シリコン・カーバイ
ドで作られた管が用いられる。ところが、この管は洗浄
が非常に困難なので、一旦汚染されると、高価なのにも
関わらず使い捨てにせざるを得ない。また、熱処理する
基板の不純物濃度が高いと、熱処理中にそれがアウト・
ディフュージョンして管内壁を汚染し、管の寿命を縮め
てしまう。こういった理由により、比抵抗の低減には限
度がある。
ファ酸化膜24が形成される(同図(b)参照)。酸化
を行うとSiと酸素とが反応し、表面のSi半導体層2
3の厚さも徐々に薄くなる。SIMOXウエハでは表面
のSi半導体層23の厚さが2000Åしかないので、
バッファ酸化膜24の膜厚は1000Åとし、Si半導
体層23は1500Åにして出来る限り厚いままに残し
ておく。なお、酸化によって酸化膜になるSi半導体層
の量は酸化膜厚のおよそ1/2である。
る。つまり、後述する工程で受光面を構成するP+ 領域
をSi半導体層23に形成するが、このP+ 領域の不純
物プロファイルがUV感度に大きく影響する。不純物プ
ロファイルは、Si半導体層23と基板表面のバッファ
酸化膜24との界面が不純物濃度のピーク点になり、以
降、深くなるに従って徐々に不純物濃度が下がるのが望
ましい。基板表面に酸化膜のないベア−なSi基板にイ
オン注入を行うと、加速電圧で決められる飛程のところ
が不純物濃度のピーク点になり、いわゆるハイ・ロー・
ジャンクションを形成する。このため、ピーク濃度より
浅い基板表面側の部分は、デッド・レイヤーになり、光
電変換に寄与できなくなる。ボロン(B)を30keV
でイオン注入したときの飛程はおよそ1000Åである
から、これをベア−なSi基板にイオン注入すると、基
板表面から1000Å入ったところに不純物濃度のピー
クができる。従って、ベア−なSi基板にそのまま不純
物をイオン注入した場合には、不純物ピーク点より浅い
ところで生じた光電荷はPN接合方面に移動できず、表
面Si層−Si酸化膜の界面方向に移動し、光電荷は界
面準位を介して再結合し、消滅する。例えば、波長20
0nm〜300nmのUV光のシリコン中の吸収長は約
100Åであるから、入射光のほとんどはデッド・レイ
ヤーで吸収されることになる。従って、このような不純
物プロファイルのホトダイオードではUV光に対して感
度を出すことが不可能になる。すなわち、バッファ酸化
膜24の役割は、1000Åのこのバッファ酸化膜24
を通してイオン注入することにより、P+ 領域における
不純物濃度のピークを入射面表面に一致させることにあ
り、受光感度のないデッド・レイヤーを形成しないよう
にすることにある。
領域25が形成される(同図(c)参照)。このN+ 領
域25は単にSi基板21とのコンタクトをとる目的の
ために形成されるのではない。つまり、同図(c)の平
面図を表す同図(d)に示すように、N+ 領域25は櫛
形に形成され、後に形成するP+ 領域との対向長を可能
な限り長くするためにも形成されている。このようなN
+ 領域25は次のように形成される。まず、バッファ酸
化膜24上にレジスト26が塗布され、このレジスト2
6が「E]字状に選択的に除去されて「E」字状にバッ
ファ酸化膜24が露出する。その後、この露出したバッ
ファ酸化膜24がエッチングされる。次に、レジスト2
6を残したまま、燐(P)または砒素(As)がイオン
注入され、N+ 領域25が形成される。この際、レジス
ト26がある部分は注入原子がレジスト26内でストッ
プするため、Si層内にN+ 層は形成されない。例え
ば、注入原子が燐ならば、50keVから100keV
程度の加速電圧でイオン注入すればよい。イオン注入
後、レジスト26が除去されて熱処理が行われ、イオン
注入層のダメージの回復と注入原子の活性化が行われ
る。このようにバッファ酸化膜24を介さずにイオン注
入するのは、バッファ酸化膜24をエッチングすること
によって基板表面に段差を設け、N+ 領域25がどこに
存在するのかが目視出来るようにするためである。
レジスト27が基板表面に塗布され、このレジスト27
が所定形状にパターニングされる。引き続いて、このレ
ジスト27をマスクにし、バッファ酸化膜24を通して
ボロンがイオン注入される。このイオン注入によって前
述したP+ 領域28が形成される(図3(e)参照)。
同図(f)はこの図3(e)の平面図を示しており、P
+ 領域28は図2(d)に示されるN+ 領域25に噛み
合う櫛形に形成されている。このP+ 領域28の不純物
プロファイルは前述したようにUV感度を高める上で非
常に重要である。今、バッファ酸化膜24の膜厚が10
00Åで、P型不純物としてボロンを用いるならば、3
0〜35keVの加速電圧でイオン注入すれば、デッド
・レイヤーなしでP+ 領域28を形成することができ、
高いUV感度を得ることが可能となる。イオン注入後レ
ジスト27が除去され、イオン注入層のダメージの回復
と、注入原子の活性化のための熱処理が行われる。
接してアルミ金属配線29aが形成される。また、バッ
ファ酸化膜24が選択的に除去され、露出したP+ 領域
25に電気的に接してアルミ金属配線29bが形成され
る(同図(g)参照)。同図(h)はこの同図(g)の
平面図を表しており、N+ 領域25の櫛形とP+ 領域2
8の櫛形とが噛み合った状態が示されている。
て、金属配線29aに正極性の電圧が印加され、金属配
線29bに負極性の電圧が印加される。この電圧印加に
よってN+ 領域25とP+ 領域28との間には空乏領域
30(同図(g),(h)参照)が形成される。本実施
例においても、PN接合部に形成される空乏層16は基
板の横方向に広がる構造になっている。
膜層22上において横方向に並ぶN+ 領域25およびP
+ 領域28によってPN接合が形成される。従って、本
実施例においても上記実施例と同様な効果が奏される。
つまり、N+ 領域25およびP+ 領域28からなる光電
面は薄く形成され、UV光のみを吸収する厚さに形成さ
れる。よって、本実施例によってもUV光だけに感度を
持つ半導体UVセンサが実現される。また、PN接合は
イオン注入法や熱拡散法といった通常の方法を用いて形
成され、従来のように、エピタキシャル成長法を用いて
形成する必要はない。このため、本実施例においても、
良質なPN接合が簡易に形成される。
5およびP+ 領域28がそれぞれ櫛形に形成され、各導
電領域が噛み合わさった構造になっている。このため、
この第2の実施例によれば各導電領域の対向長が長くな
り、基板横方向に形成される空乏層30は、上述した第
1の実施例における空乏層16(図1参照)に比較して
格段に拡大する。上述の第1実施例の構造においては、
P+ 領域13内に生じた光電荷の寿命が十分に長ければ
問題はないが、実際には光電荷の寿命は有限であり、光
電荷の移動距離が余り長ければ再結合して失われ、信号
出力として寄与しなくなることがある。信号電荷の再結
合の割合を減少させるには、空乏領域内で光が吸収され
るか、P+ 領域28内で吸収されたとしても、短い距離
を移動するだけで空乏層30に到達できれる構造であれ
ばよい。本実施例による櫛形構造はこのような構造を実
現したものであり、N+ 領域25を形成する櫛形は空乏
層30の広がりを妨げない程度にP+ 領域28に近接し
て配置されており、ホトダイオードの直列インピーダン
スが小さくなっている。このため、空乏層30に入射光
が吸収される確率は高くなり、また、空乏領域以外に入
射光が吸収されても、光電荷は短い距離を移動するだけ
で空乏層30に到達できる。よって、光入射によって生
じる光電荷が再結合によって失われる率は低下し、UV
光の検出感度は向上する。
UVセンサについて図4を用いて説明する。
基板表面にあるSi酸化膜とP+ 型不純物層との界面に
不純物濃度のピークを設定する必要がある。この第4実
施例ではUV感度をさらに高めるため、P+ 型不純物層
の不純物濃度が、結晶内部の酸化膜との界面に近付くほ
ど高くなるようにも形成してある。つまり、図4に示す
ように、Si半導体基板41の一部にSi酸化膜層42
が形成されたSIMOXウエハにおいて、N領域43お
よびP+ 領域44は共にSi酸化膜層42上に並んで形
成されている。このP+ 領域44はバッファSi酸化層
45を通したイオン注入法によって形成されており、こ
のイオン注入法は高い加速電圧と低い加速電圧との2回
の工程に別けて行われている。このイオン注入により、
P+ 領域44の不純物プロファイルは図5に示すプロフ
ァイルに形成されている。ここで、同グラフの横軸は基
板表面からの距離、縦軸はボロン濃度[cm-3]を示し
ている。また、同プロファイルは、図4のA−a線に沿
った断面におけるプロファイルを示している。同グラフ
に示されるように、P+ 領域44の不純物濃度は、バッ
ファSi酸化層45に接する基板表面側および基板内部
のSi酸化膜層42に接する底面側において高く、これ
らの中間部において低く形成されている。つまり、基板
表面と内側の両方でハイ・ロー・ジャンクションが形成
され、P+ 領域44の深さ方向でみて中央付近に不純物
濃度の低い部分が出来ている。この低不純物濃度部分に
はポテンシャルの井戸が形成されている。また、N領域
43およびP+ 領域44に電気的に接し、アルミ金属配
線46aおよび46bが形成されている。アルミ金属配
線46aはN+ 領域48を介してN領域43に接触して
いる。
およびP+ 領域44からなるPN接合に逆バイアスを与
えると、P+ 領域44の周囲には空乏層47が形成され
る。光入射によってP+ 領域44に生じた光電子は、図
4の縦方向の矢印に示すように、ポテンシャル井戸に集
められる。そして、同図の横方向の矢印に示すように、
ポテンシャル井戸内を横方向に移動してPN接合界面の
空乏層47に到達する。Si層−Si酸化膜の界面は結
晶が不連続になるため、界面準位が存在し、界面準位の
近くに光電荷がいくと捕獲されて失われる。しかし、本
実施例によるUVセンサによれば、光入射によって生じ
た光電子はポテンシャル井戸内を移動するため、界面準
位にほとんど捕獲されることなく空乏層47まで到達す
る。従って、光入射によって生じた光電荷は再結合しに
くく、効率良く検出される。このため、半導体UVセン
サの検出効率は向上し、UV感度は高くなる。
UVセンサについて図6を用いて説明する。なお、同図
において、図4と同一部分には同一符号を付してその説
明は省略する。
ためにP+ 型領域44の不純物濃度が、結晶表面のバッ
ファ酸化膜45との界面、および結晶内部のSi酸化膜
42との界面に近付くほど高くなるように形成してあっ
たが、本実施例による半導体UVセンサでは、N型領域
51の不純物濃度も、結晶表面のバッファ酸化膜45と
の界面、および結晶内部のSi酸化膜42との界面に近
付くほど高くなるように形成してある。プロセス上は、
N型領域51を形成するためのイオン注入が高い加速電
圧と低い加速電圧との2回に別けて行われる。つまり、
高い加速電圧のイオン注入により、結晶内部のSi酸化
膜42との界面に不純物濃度のピークが形成され、低い
加速電圧のイオン注入により、結晶表面のバッファ酸化
膜45との界面に不純物濃度のピークが形成される。従
って、P+ 領域44と同様に半導体層の中間に低不純物
濃度領域が形成され、ポテンシャル井戸が構成される。
なお、図4の断面構造には空乏領域47を図示して説明
したが、図6の本実施例の断面構造には空乏領域は図示
していない。しかし、この空乏領域は現実には必ず存在
する。
も、P+ 領域44で生じた光電子は不純物濃度差による
ハイ・ロー・ジャンクションのビルトインポテンシャル
で図示の縦向きの矢印の方向に移動し、ポテンシャル井
戸に集められる。ポテンシャル井戸内に集められた光電
子はさらに横向きの矢印の方向に移動し、P+ 領域44
とN領域51とからなるPN接合部に生じた空乏領域に
到達する。さらに、本実施例による構造においては、N
領域51にもポテンシャル井戸が形成されているため、
N領域51で生じた正孔も不純物濃度差によるハイ・ロ
ー・ジャンクションのビルトイン・ポテンシャルで同領
域の縦向きの矢印の方向に移動してポテンシャル井戸に
集められ、さらに、横向きの矢印の方向に移動して空乏
領域に注入される。前述したように、Si層−Si酸化
膜の界面には界面準位が存在し、界面準位の近くに光電
荷がいくと捕獲されて失われるが、ビルトイン・ポテン
シャルによってP+ 領域44およびN領域51の双方で
生じた信号電荷が一旦各ポテンシャル井戸に集められ、
これら井戸内を横に移動してPN接合界面の空乏領域に
それぞれ到達する。このため、本実施例においてはP+
領域44およびN領域51の双方で生じた信号電荷が再
結合しにくい状態で空乏層に注入されるため、上述の第
3の実施例の構造よりもさらに高いUV感度を持つ半導
体UVセンサが実現される。
縁層上において横方向に並ぶ第1導電領域および第2導
電領域によってPN接合が形成され、受光素子を構成す
るこのPN接合は基板の横方向に形成される。従って、
従来のようにP層とN層とを縦方向に積層する必要はな
く、入射光を受光する半導体層は紫外線だけを吸収する
厚さに薄く形成される。このため、UV光のみが半導体
層に吸収されるようになり、青色,緑色といった必要の
ない光に対しては感度を持たなくなる。つまり、可視域
から近赤外域に感度を持たない半導体UVセンサがUV
透過フィルタ等を用いずに実現することが可能になる。
また、従来のようにPN接合を縦方向に薄く形成するた
め、エピタキシャル成長法を用いてPN接合を形成する
必要もなくなる。このため、SIMOXウエハを形成す
るためのイオン注入で生じた結晶欠陥が、エピタキシャ
ル成長工程において増長するといったことはない。よっ
て、熱拡散やイオン注入といった通常の方法を用いて、
良質なPN接合を簡易に形成することが可能になり、安
価で劣化のない半導体UVセンサが得られる。
により、各導電領域の対向部分が長くなり、基板横方向
に形成される空乏領域は拡大する。このため、空乏領域
に入射光が吸収される確率は高くなり、また、空乏領域
以外に入射光が吸収されても、光電荷は短い距離を移動
するだけで空乏領域に到達できる。よって、光入射によ
って生じる光電荷が再結合によって失われる率は低下
し、UV光の検出感度は向上する。
表面および底面において高く、これらの中間部において
低く形成されていると、この中間部のエネルギ障壁は低
くなり、この中間部を谷とするポテンシャル井戸が形成
される。従って、第2導電領域に入射した光によって生
じた光電荷は一旦このポテンシャル井戸に集められ、集
められた光電荷はこのポテンシャル井戸内を基板横方向
に移動して空乏領域に到達する。このため、光入射によ
って生じた光電荷は、半導体層の表面に生じる表面準位
に捕獲されることなく、空乏領域まで輸送される。従っ
て、光入射によって生じた光電荷は効率良く検出され、
半導体UVセンサの検出効率は向上する。
が、その表面および底面において高く、これらの中間部
において低く形成されていると、第1導電領域に入射し
た光によって生じた光電荷もこの中間部に形成されたポ
テンシャル井戸に集められ、再結合することなく基板横
方向を移動して空乏領域に到達する。このため、第1導
電領域および第2導電領域の各領域に生じた光電荷がよ
り効率良く検出され、半導体UVセンサの検出効率はよ
り向上する。
を示す図である。
の製造工程の前半を示す工程断面図である。
程の後半を示す工程断面図である。
を示す断面図である。
P+ 領域の不純物プロファイルを示すグラフである。
を示す断面図である。
ードの分光感度特性を示すグラフである。
3…P+ 型拡散層、14…N+ 型拡散層、15a,b…
アルミ配線金属、16…空乏領域。
Claims (5)
- 【請求項1】 絶縁層上に形成された第1導電領域およ
びこの第1導電領域に並ぶ前記絶縁層上の所定領域に形
成された第2導電領域からなる半導体層と、前記第1導
電領域および前記第2導電領域にそれぞれ接した第1の
電極および第2の電極とを備えて形成された半導体紫外
線センサ。 - 【請求項2】 前記第1導電領域は櫛形に形成され、前
記第2導電領域はこの第1導電領域の櫛形に噛み合う櫛
形に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半
導体紫外線センサ。 - 【請求項3】 前記第2導電領域の不純物濃度は、その
表面および底面において高く、これらの中間部において
低く形成されていることを特徴とする請求項1または請
求項2記載の半導体紫外線センサ。 - 【請求項4】 前記第1導電領域の不純物濃度は、その
表面および底面において高く、これらの中間部において
低く形成されていることを特徴とする請求項3記載の半
導体紫外線センサ。 - 【請求項5】 前記絶縁層は、シリコン半導体基板に酸
素原子がイオン注入されて形成された酸化シリコン層で
あることを特徴とする請求項1または請求項2または請
求項3または請求項4記載の半導体紫外線センサ。
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- 1993-12-09 JP JP30936393A patent/JP3471394B2/ja not_active Expired - Fee Related
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