JPH07161331A - 集束イオンビーム装置における質量分析方法 - Google Patents

集束イオンビーム装置における質量分析方法

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JPH07161331A
JPH07161331A JP5307906A JP30790693A JPH07161331A JP H07161331 A JPH07161331 A JP H07161331A JP 5307906 A JP5307906 A JP 5307906A JP 30790693 A JP30790693 A JP 30790693A JP H07161331 A JPH07161331 A JP H07161331A
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sample
ion beam
ion
ions
irradiation
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JP5307906A
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Yasushi Kokubo
靖 小久保
Naoki Date
直毅 伊達
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Jeol Ltd
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により精度良く試料の特定部分の
質量分析を行うことができる集束イオンビーム装置にお
ける質量分析方法を実現する。 【構成】 イオンビームを試料28に照射することによ
って2次電子と2次イオンが発生し、それらは検出器3
2,33によって検出される。検出信号はAD変換され
てそれぞれフレームメモリー36,39に供給される。
フレームメモリー36,39の映像信号は陰極線管4
1,43に供給されて2次電子像と2次イオン像が表示
される。また、コンピュータ45はフレームメモリーに
記憶された映像信号を読みだし、両映像信号に基づいて
2種の画像の中の注目部分の画素のずれを求め、この画
素のずれから注目部分の質量分析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料に細く集束したイ
オンビームを照射すると共に、試料上でイオンビームの
走査を行う集束イオンビーム装置における質量分析方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子ビームのカラムとイオンビー
ムのカラムとを同一の試料室上に設けた複合荷電粒子ビ
ーム装置が開発されている。この装置では、イオンビー
ムのカラムにおいて発生したイオンビームを試料の特定
領域に照射して加工し、この加工した領域に電子ビーム
のカラムにおいて発生した電子ビームを走査し、電子ビ
ームの走査に応じて発生した2次電子などを検出するこ
とにより、走査像を得るようにしている。
【0003】このような装置の概略を図1に示す。この
図で、試料室1内には観察すべき試料2が配置される。
試料室1上には、イオンビーム照射カラム3と電子ビー
ム照射カラム4とが設けられている。
【0004】イオンビーム照射カラム3内には、イオン
銃5、イオン銃5からイオンを引き出すための引き出し
電極6、加速電極7、集束レンズ8、ビームブランキン
グ電極9、アパーチャ10、ビーム偏向電極11、対物
レンズ12が含まれている。また、電子ビーム照射カラ
ム4内には、電子銃13、電子銃13からイオンを引き
出すための引き出し電極14、アノード15、集束レン
ズ16、ビームブランキング電極17、アパーチャ1
8、ビーム偏向電極19、対物レンズ20が含まれてい
る。さらに、試料室1には試料2から発生した2次電子
を検出するための2次電子検出器21、2次イオンを検
出するための2次イオン検出器22、X線を検出するた
めのEDS型X線検出器23が設けられている。このよ
うな構成における動作を次に説明する。
【0005】まず、通常のイオンビームによる試料の加
工と電子ビームによる像観察の動作を説明する。試料室
1内の試料2に対し、イオンビーム照射カラム3からイ
オンビームが照射される。すなわち、イオン銃5から引
き出し電極6によってイオンが引き出され、そのイオン
は加速電極7によって加速される。そして、加速された
イオンは集束レンズ8、対物レンズ12によって試料2
上に細く集束される。試料2におけるイオンビームの照
射位置は、ビーム偏向電極11に走査信号を供給するこ
とによって走査され、その結果、試料の所望部分がイオ
ンビームによって切削加工される。
【0006】この加工によって試料の所望部分の断面が
現れることになり、次いでこの断面部分に電子ビーム照
射カラム4からの電子ビームが照射される。この電子ビ
ームが照射される際には、イオンビームはビームブラン
キング電極へのブランキング信号の供給により偏向さ
れ、アパーチャ10に照射されることから試料2へのイ
オンビームの照射は停止される。
【0007】電子ビーム照射カラム4においては、電子
銃13から引き出し電極14によって電子が引き出さ
れ、その電子は加速電極7によって加速される。そし
て、加速された電子は集束レンズ16、対物レンズ20
によって試料2上に細く集束される。試料2における電
子ビームの照射位置は、ビーム偏向電極19に走査信号
を供給することによって走査され、その結果、イオンビ
ームによって削られ、露出された試料部分で2次元的に
走査される。
【0008】電子ビームの走査に伴って試料から発生し
た2次電子は、2次電子検出器21によって検出され
る。この検出器21の検出信号は図示していないが、電
子ビームの走査信号が供給されている陰極線管に供給さ
れ、その陰極線管上に試料の断面の2次電子像が表示さ
れる。
【0009】また、上記した2次電子の検出以外にも、
電子ビームの照射によって試料2から発生したX線をE
DS型X線検出器23によって検出し、X線の情報によ
って切削された試料部分の分析を行うことができる。更
に、イオンビームを試料に照射することによって発生し
た2次イオンを検出器22によって検出し、2次イオン
の像を得ることもできる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成の装置に
更に2次イオン質量分析器(SIMS)を設け、試料2
の特定部分の元素分析を行うことも実行されている。し
かしながら、集束イオンビームによる加工(穴掘り)
は、そのエッチングレートが比較的遅いため、実際に加
工されるサイズは、10μm×10μm×10μm程度
である。
【0011】このような小さな穴に電子ビームやイオン
ビームを入射させ、EDSやSIMS分析を行うと、穴
の内部での電子の散乱などによりバックグランドが高く
なり、必ずしも良い方法とは言えない。すなわち、穴の
特定の断面に対して電子ビームやイオンビームを照射し
た場合、その断面から発生した反射電子,2次電子など
が他の断面に照射され、その部分からX線や2次イオン
を発生させる。更に、試料近傍にEDS検出器やSIM
S検出器を配置するためのスペースを確保しなければな
らないが、通常、そのような余裕を試料室に設けること
は困難である。
【0012】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、簡単な構成により精度良く試料の
特定部分の質量分析を行うことができる集束イオンビー
ム装置における質量分析方法を実現するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に基づく集束イオ
ンビーム装置における質量分析方法は、イオン銃と、イ
オン銃からのイオンビームを試料上に細く集束するため
のイオンビーム集束手段と、イオンビームを試料上で走
査するためのイオンビーム走査手段と、試料へのイオン
ビームの照射に基づいて発生した2次電子を検出する2
次電子検出器と、試料へのイオンビームの照射に基づい
て発生した2次イオンを検出する2次イオン検出器とを
備えた集束イオンビーム装置において、イオンビームに
よる試料の特定領域の走査に基づいて2次電子検出器か
ら得られた第1の映像信号と、2次イオン検出器から得
られた第2の映像信号とを比較し、試料の特定部分の像
のずれの量を求めることにより、試料の特定部分の質量
分析を行うようにしたことを特徴としている。
【0014】また、本発明に基づく集束イオンビーム装
置における質量分析方法は、試料の特定領域に短時間イ
オンビームを照射し、このイオンビームの照射に基づい
て発生した2次イオンを検出し、イオンビームの照射時
点から2次イオンの検出までの時間に基づいて該試料の
特定部分の質量分析を行うようにしたことを特徴として
いる。
【0015】更に、本発明に基づく集束イオンビーム装
置における質量分析方法は、試料の特定領域に短時間イ
オンビームを照射し、このイオンビームの照射に基づい
て発生した2次電子と2次イオンを検出し、この2次電
子の検出時と2次イオンの検出時との間の時間に基づい
て該試料の特定部分の質量分析を行うようにしたことを
特徴としている。
【0016】
【作用】まず、本発明の原理について説明する。試料に
集束イオンビームを照射した結果、試料から発生する2
次電子は、一般的には20eV程度の初速度を有し、2
次電子検出器によって検出される。この場合の飛行速度
vは、meを電子の質量、eVをエネルギとすると、次
にように表すことができる。
【0017】(1/2)me2=eV 従って、
【0018】
【数1】
【0019】となる。すなわち、飛行速度は、およそ
2.65×108cm/secとなる。この結果、試料と2次
電子検出器との間の距離を10cmとすると、試料から発
生した2次電子の検出器までの到達時間Teは、次の値
となる。
【0020】 Te=10cm÷2.65×108cm/sec=37nsec 次に、試料にイオンビームを照射した結果、試料から発
生する2次イオンは、一般的には20eV程度の初速度
を有し、2次イオン検出器によって検出される。この場
合の飛行速度vは、Mを電子の質量、eVをエネルギ、
AMuを原子質量単位とすると、次にように表すことが
できる。
【0021】(1/2)Mv2=eV 従って、
【0022】
【数2】
【0023】となる。この結果、試料と2次イオン検出
器との間の距離を10cmとすると、試料から発生した2
次イオンの検出器までの到達時間Tiは、1価のイオン
に対して図2に示す値となる。
【0024】上記のように、試料から検出器までの到達
時間は、2次電子では37nsec程度であるのに対して、
2次イオンの場合は、5μsec 〜11μsec と大幅に遅
れる。本発明は、このような点に注目してなされたもの
で、第1の発明では、イオンビームによる試料の特定領
域の走査に基づいて2次電子検出器から得られた第1の
映像信号と、2次イオン検出器から得られた第2の映像
信号とを比較し、試料の特定部分の像のずれの量を求め
ることにより、試料の特定部分の質量分析を行う。
【0025】また、本発明の第2の発明では、イオンビ
ームの照射に基づいて発生した2次イオンを検出し、イ
オンビームの照射時点から2次イオンの検出までの時間
に基づいて該試料の特定部分の質量分析を行う。更に、
本発明の第3の発明では、イオンビームの照射に基づい
て発生した2次電子と2次イオンを検出し、この2次電
子の検出時と2次イオンの検出時との間の時間に基づい
て該試料の特定部分の質量分析を行う。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図3は、本発明の一実施例を実施するため
の集束イオンビーム装置の一例を示しており、25はイ
オン銃である。イオン銃25からのイオンビームIB
は、コンデンサレンズ26、対物レンズ27によって試
料28上に細く集束される。イオンビームIBの光軸に
沿って、ブランキング電極29、偏向電極30、非点補
正電極31が配置されている。試料28へのイオンビー
ムの照射によって発生した2次電子は、正の電圧が印加
された2次電子検出器32によって検出される。また、
試料28へのイオンビームの照射によって発生した2次
イオンは、負の電圧が印加された2次イオン検出器33
によって検出される。
【0027】2次電子検出器32の出力信号は増幅器3
4によって増幅され、AD変換器35によってディジタ
ル信号に変換された後、第1のフレームメモリー36に
供給されて記憶される。2次イオン検出器33の出力信
号は増幅器37によって増幅され、AD変換器38によ
ってディジタル信号に変換された後、第2のフレームメ
モリー39に供給されて記憶される。
【0028】第1のフレームメモリー36に記憶された
映像信号は、読み出され、DA変換器40を介して2次
電子像表示用の陰極線管41に供給される。また、第2
のフレームメモリー39に記憶された映像信号は、読み
出され、DA変換器42を介して2次イオン像表示用の
陰極線管43に供給される。これらの陰極線管41,4
3には、偏向電極30に走査信号を供給する走査信号発
生回路44からこの走査信号に同期した信号が供給され
る。更に、第1と第2のフレームメモリー36,39に
記憶されている映像信号は、読み出されてコンピュータ
45に供給される。このような構成の動作を次に説明す
る。
【0029】まず、通常のイオンビームの照射に基づく
2次電子像や2次イオン像の表示を行う場合、イオン銃
25からのイオンビームがコンデンサレンズ26、対物
レンズ27によって試料28上に細く集束されて照射さ
れる。また、イオンビームは走査信号発生回路38から
偏向電極30に供給される走査信号に応じて偏向され、
試料の所定領域はイオンビームによって走査されること
になる。試料28へのイオンビームの照射によって発生
した2次電子は、正の電圧が印加された2次電子検出器
32に引き寄せられ、この検出器32によって検出され
る。
【0030】2次電子検出器32の検出信号は、第1の
フレームメモリー36に供給されて記憶される。この第
1のフレームメモリー36に記憶された信号は、読み出
されて陰極線管41に供給される。陰極線管41には走
査信号発生回路44からの信号も供給されており、この
陰極線管41にはイオンビームの照射に基づく2次電子
像が表示される。
【0031】試料28へのイオンビームの照射によって
2次電子以外にも2次イオンが発生する。この2次イオ
ンは負の電圧が印加された2次イオン検出器33に引き
寄せられ、この検出器33によって検出される。2次イ
オン検出器33の検出信号は、第2のフレームメモリー
39に供給されて記憶される。この第2のフレームメモ
リー39に記憶された信号は、読み出されて陰極線管4
3に供給される。陰極線管43には走査信号発生回路4
4からの信号も供給されており、この陰極線管43には
イオンビームの照射に基づく2次イオン像が表示され
る。
【0032】さて、走査信号発生回路44から偏向電極
30に供給される走査信号が通常のTVレートである場
合、図4に示すように、TVレート画像の水平方向の画
素数が512とし、水平方向の走査速度を51.2μse
c とすると、1画素当たりの走査時間は100nsecとな
る。また、画像の垂直方向の画素数が255、垂直方向
の走査速度を16.6msecとすると、垂直方向の1画素
当たりの走査時間は54μsec となる。
【0033】前記したように、2次電子の発生から検出
までの時間(2次電子の飛行時間)は、37nsecである
ので、この2次電子の飛行時間による画像上の表示位置
のずれはほとんど無視することができる。一方、2次イ
オンの場合、2次イオンの発生から検出までの時間(2
次イオンの飛行時間)は、図2に示したように、5〜1
1μsec と長く、そのため、画像上の表示位置のずれが
生じることになる。
【0034】ここで、試料中の一部にボロンの領域があ
り、そのボロン部分に注目すると、ボロンの場合は、図
2より5.26μsec 遅れた位置に表示される。水平方
向の1画素当たりの走査速度が100nsecであることか
ら、 5.26/100=52.6 となり、ボロンの部分は52.6画素分走査方向にずれ
て表示される。また、試料中のアルミニウムの部分に注
目すると、アルミニウムの場合、図2より8.26μse
c 遅れた位置に表示される。この結果、 8.26/100=82.6 となり、アルミニウムの場合は82.6画素分走査方向
にずれて表示される。
【0035】図5はボロンとアルミニウムの領域の表示
位置の関係を示した図であり、図5(a)が2次電子
像、図5(b)が2次イオン像であり、図中Bがボロン
の領域、Alがアルミニウムの領域を示している。な
お、図5(b)中で、点線はボロンとアルミニウムの2
次電子像表示位置を便宜的に示したものである。
【0036】図5(a)の映像信号は、第1のフレーム
メモリー35に記憶されており、図5(b)の映像信号
は第2のフレームメモリー39に記憶されている。コン
ピュータ45は、第1と第2のフレームメモリー35,
39に記憶された映像信号を読みだし、例えば、像中の
注目部分について、両映像信号からその部分の座標値を
読み取る。この2種の座標値から、映像信号のずれの量
を算出し、更に、ずれの量に基づいて当該注目部分の材
料の質量数の決定を行う。
【0037】すなわち、図5(a)のボロンの場合、像
中の注目部分Pの座標がXa,Ya、図5(b)ではそ
の注目部分Pの座標がXb,Ybであると、この座標間
の画素数が求められる。この画素数と1画素当たりの走
査時間とから、注目部分からの2次イオンの飛行時間が
求められる。コンピュータ45は、求めた飛行時間と図
2に示した各元素の飛行時間のデータとから、質量数、
すなわち注目部分の物質の元素の同定を行う。なお、2
種の画像信号から注目部分を対応させる際には、パター
ンマッチング技術などを用いることができる。
【0038】図6は本発明の他の実施例を示しており、
図3の実施例と同一部分には同一番号を付してある。こ
の実施例では、走査信号発生回路44は、試料の特定の
位置にイオンビームを照射するための偏向信号を発生す
るようなスポットモードに対応できるように構成されて
いる。そして、ブランキング電極29に短時間イオンビ
ームを試料28に照射するようなブランキング信号を供
給する。
【0039】また、この実施例では、2次電子検出器3
2によって検出された信号は、AD変換器35によって
ディジタル信号に変換された後、計数回路46に供給さ
れる。更に、2次イオン検出器33によって検出された
信号は、AD変換器38によってディジタル信号に変換
された後、計数回路46に供給される。この計数回路4
6には、走査信号発生回路44からブランキング信号も
供給されている。計数回路46によって計数された信号
は、コンピュータ45に供給される。このような構成の
動作を次に説明する。
【0040】まず、イオンビームIBは試料の所定領域
で2次元的に走査され、陰極線管41上に2次電子の走
査像が表示される。オペレータは、この陰極線管41上
の像を観察し、その像の中での質量分析すべき部分の特
定を行う。そして、その部分にイオンビームがスポット
モードで照射されるように走査信号発生回路44を制御
する。この動作は、例えば、陰極線管41に輝点を表示
させ、その輝点の位置を質量分析すべき部分に一致さ
せ、その後、コンピュータ45によってその輝点の位置
に対応した試料部分にイオンビームが照射されるよう、
走査信号発生回路44を制御するように構成することは
好ましい。
【0041】このようにして試料の特定部分にイオンビ
ームが照射されるように制御した後、走査信号発生回路
44からブランキング電極29に図7(a)に示すブラ
ンキング信号が供給される。このブランキング信号によ
り、極めて短い時間のみイオンビームはブランキングさ
れず、試料28に照射される。このイオンビームパルス
の試料28への照射によって2次電子と2次イオンが試
料の特定部分から発生する。試料28からの2次電子
は、2次電子検出器32によって検出される。図7
(b)はこの2次電子検出信号を示しており、この信号
は計数回路46に供給される。試料28からの2次イオ
ンは、2次イオン検出器33によって検出される。図7
(c)はこの2次イオン検出信号を示しており、この信
号は計数回路46に供給される。
【0042】計数回路46には図7(a)に示したブラ
ンキング信号も供給されている。計数回路46は、ブラ
ンキング信号のイオンビーム照射パルス信号Q1と2次
電子検出信号Q2をトリガーとして2次イオン検出信号
3までの時間の計測を行う。
【0043】ここで、Teの時間には、エミッターから
放出したイオンビームがブランキング電極を通り、試料
に入射し、2次電力が放出されそれが2次電子検出器に
入るまでの時間が含まれており(即ちイオンビームがブ
ランキング電極より試料に入射するまでのイオンの到達
時間が含まれており)、イオンの鏡筒が長い場合大きな
測定誤差となってしまう。
【0044】従って、2次電子検出のQ2パルスをトリ
ガーとしてイオン検出Q3までの時間Tiを測定するこ
とが重要である。もちろん入射イオンの種類,加速電
圧,ブランキング電極と試料の距離が決まっていれば計
算により対応が可能である。しかし先に述べたように2
次電子検出Q2でトリガーをかければ入射イオンの種
類,加速電圧,等を全く考慮しなくて良い。
【0045】ここで、2次イオンの質量Mは、前記した
ように、次の関係がある。なお、Sは試料と2次イオン
検出器の距離である。 (1/2)Mv2=eV M=2eV/v2=2eV/(S/Ti2 コンピュータ45は、上式に基づいて2次イオンの質量
を求め、元素の同定を行う。なお、この質量の演算にお
いては、試料の注目部分に複数回イオンビームをパルス
的に照射し、その都度、2次イオンの検出の遅れ時間を
計測し、その計測値を平均化することは望ましい。
【0046】また、イオン照射の為の走査をディジタル
的に行いブランキングを使って1pixel(1画素)
ごとに2次電子信号Q2を記録し、これをトリガーとし
てイオン発生を時間ズレより検出することにより、図8
に示すように、酸素イオン信号Q3+,アルミイオン信
号Q3Al+,シリコンイオン信号Q3Si+等の元素分析
が可能である。この際、計数回路で2次電子信号出力後
Tiの遅れのみを検出するようにして、全面をディジタ
ル的に走査することにより酸素イオンO+のみのマッピ
ングが可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づく集
束イオンビーム装置における質量分析方法は、イオンビ
ームによる試料の特定領域の走査に基づいて2次電子検
出器から得られた第1の映像信号と、2次イオン検出器
から得られた第2の映像信号とを比較し、試料の特定部
分の像のずれの量を求めることにより、試料の特定部分
の質量分析を行ったり、また、イオンビームの照射に基
づいて発生した2次イオンを検出し、イオンビームの照
射時点から2次イオンの検出までの時間に基づいて該試
料の特定部分の質量分析を行ったり、更に、イオンビー
ムの照射に基づいて発生した2次電子と2次イオンを検
出し、この2次電子の検出時と2次イオンの検出時との
間の時間に基づいて該試料の特定部分の質量分析を行う
ようにした。その結果、簡単な構成で精度良く質量分析
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の複合荷電粒子ビーム装置を示す図であ
る。
【図2】各イオンの試料から2次イオン検出器までの到
達時間を示す図である。
【図3】本発明の一実施例を実施するためのイオンビー
ム装置の一例を示す図である。
【図4】TVレート画像を示す図である。
【図5】2次電子像と2次イオン像中のボロンとアルミ
ニウムの領域の表示位置を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例を実施するためのイオンビ
ーム装置の一例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例における信号波形図であ
る。
【図8】本発明の他の実施例における元素分析のための
信号波形図である。
【符号の説明】
25 イオン銃 26 コンデンサレンズ 27 ラリ 28 試料 29 ブランキング電極 30 偏向電極 31 非点補正電極 32 2次電子検出器 33 2次イオン検出器 34,37 増幅器 35,38 AD変換器 36,39 フレームメモリー 40,42 DA変換器 41,43 陰極線管 44 走査信号発生回路 45 コンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン銃と、イオン銃からのイオンビー
    ムを試料上に細く集束するためのイオンビーム集束手段
    と、イオンビームを試料上で走査するためのイオンビー
    ム走査手段と、試料へのイオンビームの照射に基づいて
    発生した2次電子を検出する2次電子検出器と、試料へ
    のイオンビームの照射に基づいて発生した2次イオンを
    検出する2次イオン検出器とを備えた集束イオンビーム
    装置において、イオンビームによる試料の特定領域の走
    査に基づいて2次電子検出器から得られた第1の映像信
    号と、2次イオン検出器から得られた第2の映像信号と
    を比較し、試料の特定部分の像のずれの量を求めること
    により、試料の特定部分の質量分析を行うようにした集
    束イオンビーム装置における質量分析方法。
  2. 【請求項2】 イオン銃と、イオン銃からのイオンビー
    ムを試料上に細く集束するためのイオンビーム集束手段
    と、イオンビームを試料上で走査するためのイオンビー
    ム走査手段と、試料へのイオンビームの照射に基づいて
    発生した2次イオンを検出する2次イオン検出器とを備
    えた集束イオンビーム装置において、試料の特定領域に
    短時間イオンビームを照射し、このイオンビームの照射
    に基づいて発生した2次イオンを検出し、イオンビーム
    の照射時点から2次イオンの検出までの時間に基づいて
    該試料の特定部分の質量分析を行うようにした集束イオ
    ンビーム装置における質量分析方法。
  3. 【請求項3】 イオン銃と、イオン銃からのイオンビー
    ムを試料上に細く集束するためのイオンビーム集束手段
    と、イオンビームを試料上で走査するためのイオンビー
    ム走査手段と、試料へのイオンビームの照射に基づいて
    発生した2次電子を検出する2次電子検出器と、試料へ
    のイオンビームの照射に基づいて発生した2次イオンを
    検出する2次イオン検出器とを備えた集束イオンビーム
    装置において、試料の特定領域に短時間イオンビームを
    照射し、このイオンビームの照射に基づいて発生した2
    次電子と2次イオンを検出し、この2次電子の検出時と
    2次イオンの検出時との間の時間に基づいて該試料の特
    定部分の質量分析を行うようにした集束イオンビーム装
    置における質量分析方法。
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