JPH04112443A - 二次イオン質量分析装置 - Google Patents

二次イオン質量分析装置

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JPH04112443A
JPH04112443A JP2231339A JP23133990A JPH04112443A JP H04112443 A JPH04112443 A JP H04112443A JP 2231339 A JP2231339 A JP 2231339A JP 23133990 A JP23133990 A JP 23133990A JP H04112443 A JPH04112443 A JP H04112443A
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JP
Japan
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ion beam
primary ion
screen
beam irradiation
analysis range
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Application number
JP2231339A
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Hiroshi Hirose
広瀬 博
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は二次イオン質量分析装置に関する。
〔従来の技術〕
従来より、一次イオンビームを試料面に走査させつつ照
射し、この一次イオンビーム照射により放出される試料
面からの二次イオンを収束した後、質量分析計に導く二
次イオン質量分析装置が実用化されている。
二次イオン質量分析では、試料の深さ方向の分析が重要
な課題であり、この場合、試料面における一次イオンビ
ームの照射跡(以下、クレータと称する)のエツジから
検出される情報が分析精度を低下させる原因となる。例
えば、第6図に示すように試料Oに分析対象たる物質が
予め打ち込まれ、その濃度分布が深さ方向に一様でない
とする。
一次イオンビームBの照射によりクレータCが形成され
ると、クレータCの底部より浅いエツジEが生じる。こ
のような状況で一次イオンビーム照射の影響がエツジE
に及ぶと、クレータ底部の分析に誤差を与えることにな
る。
この効果は、エツジ効果と呼ばれており、エツジ効果を
軽減する方法としては、エレクトロニックアパーチャ法
(例えば、特公昭53−2599号公報に開示される)
と制限視野法(例えば、ヒタチサイエンティフィク イ
ンストルメント ニュース 33巻、1号、1990年
、第23頁〜第27頁に記載される)とがある。
いずれも、試料面から放出される二次イオンを取り込む
場合に、試料の分析範囲を一次イオンビーム照射領域の
中から更に狭い範囲に絞って(通常、一次イオンビーム
照射領域の中央部)、この分析範囲から放出される二次
イオンを取り込むようにしている点で共通する。
エレクトロニックアパーチャ法の場合は、二次イオンの
取り込みを、一次イオンビーム走査信号が分析範囲内に
あるときにゲート信号を発生させて行っている。制限゛
視野法の場合は、一次イオンビーム照射により試料面か
ら放出される二次イオンを制限スリット上に収束させる
光学系を設ける。
この制限スリットにより、試料面における二次イオン取
り込み領域(分析範囲)を一次イオンビーム照射領域の
中から更に絞っている。
制限視野法は、エレクトロニックアパーチャ法に較べて
分析範囲の二次イオンの取り込み精度が良いものとして
評価されている。
第4図に制限視野法を採用した従来の二次イオン質量分
析装置を示す。
第4図において、一次イオンビーム1は、対物レンズ3
により収束され、また偏向電極2により試料4面上でX
、Y方向に走査される。
一方、一次イオンビーム1の照射により発生する二次イ
オン5は、引出電極6によって引出され、投射レンズ7
により出射スリット(制限スリット)9上に結象される
。すなわち一次イオンビームlが照射されている試料4
面は制限スリット9上に写像されることになる。
従って、制限スリット9のX方向、Y方向の幅を適当に
選ぶことによって、試料4面の二次イオン取り込み領域
を、一次イオンビーム照射領域よりも狭く限定すること
ができる。換言すれば、制限スリット9により試料4面
の分析範囲を特定できる。
以上の条件で制限スリット9を通過した二次イオン5は
、電場10によりエネルギー分散され、更に磁場16を
通すことによりコレクタスリット17上で質量分離され
、検出器(二次電子増倍管)18により検出される。こ
のようにすれば、クレータ(一次イオンビーム照射領域
)のエツジ部の情報を分析計に送らないで済み、エツジ
効果を除去することができる。
上記効果を充分に発揮させるためには、クレータの中央
部の情報のみを制限スリット9を通過させること、投射
レンズ7が引出電極6の効果も含めて充分写像している
ことが重要であり、これらをモニタするものが全イオン
モニタ14である。
全イオンモニタ14は、制限スリット9を通過した二次
イオン5め一部を受けて電子変換させるイオン電子コン
バータ11と、この変換された電子により発光するシン
チレータ12と、シンチレータ12の発光を検出するホ
トマルチプライヤ13より構成される。この検出信号を
CRT15の輝度変調信号として用いる。
一方、C:RT15の画面の走査信号は、一次イオンビ
ームの走査信号と同期させている。このようにして得ら
れたCRT画像を第5図に示す。
第5図は分析範囲をCRT15の画面26に制限視野的
に表示したもので、外枠イは二次イオンビーム1の全走
査領域(照射領域)を、中央部の斜線部口は制限スリッ
ト9で制限した二次イオン検出信号取り込み領域(分析
範囲)を示し、斜線部端面の鮮明度が投射レンズ7の収
束度をそれぞれ表わしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、二次イオン質量分析では、何らの配慮がない
と絶縁物を分析する場合に二次イオンビーム照射により
試料面にチャージアップが生じる。
このチャージアップは、一次イオンビーム照射に悪影響
を及ぼすため、従来よりエレクトロンスプレーにより試
料面の電荷中和を行っている。しかし、チャージアップ
の度合は二次イオンビーム照射の時間経過とともに変化
し常に一様ではないので、エレクトロンスプレーによっ
ても完全に防止を図ることは難しい。何らかの理由でチ
ャージアップが発生し、試料電位が変化すると、CRT
画面での像(分析範囲)口が移動する。この主原因は、
試料上の電位の変化により、一次イオンビームの照射位
置が変化するためである。
ここで、CRT上で像が移動する理由を、第8図により
説明する。
第8図(a)は、試料4への一次イオンビームlの照射
とそれによって放出される二次イオン5の取り込み状態
を示す。試料4における■〜■の範囲がX方向の二次イ
オンビーム1の照射領域で、その中の■〜■の範囲が二
次イオン取り込み領域である。■〜mの範囲外の領域に
て二次イオンビーム照射によって放出される二次イオン
5′は制限スリット9の通過を遮断される。第8図(b
)は、X方向のCRTの走査信号(一次イオンビーム走
査信号と同期して出力する)と二次イオン検出信号との
関係を示すタイミングチャート、第8図(C)は第8図
(b)に対応させたCRTの画面26である。
第8図(a)における実線の一次イオンビーム1は、正
常な出力状態を示す。チャージアップが発生し試料電位
が変化すると、破線1′に示すように一次イオンビーム
は偏向し照射位置に誤差が生じる。例えば、現時点で本
来はクレータ底部の■′の位[(n〜■の範囲外)を一
次イオンビームが照射すべきところを、誤差により■〜
■の範囲内にかかると、それによって生じる二次イオン
5は制限スリット9内を通過する。その結果、第8図(
b)に示すように一次イオンビーム走査信号ひいてはC
RT走査信号が■′の位置にある時でも二次イオン検出
信号が取り込まれ(破線で示す部分)、第8図(C)に
示すようにCRT画面26に表示の分析範囲口の像が実
線から破線の位置にずれる。
このことは、実際の二次イオン取り込み領域(分析範囲
)は変わっていないにもかかわらず、一次イオンビーム
照射位置ひいては全体の一次イオンビーム照射領域が変
化して、一次イオンビーム照射領域と分析範囲との相対
的な位置ずれが生じたことを意味する。この位置ずれは
、分析範囲がクレータのエツジの一辺に偏ることになり
、また、一次イオン照射領域も次第に変化し、今まで照
射していない箇所を照射すること等から、これらの影響
を受けて深さの濃度分析精度を低下させる。
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、その目的と
するところは、制限スリットを用いて二次イオン質量分
析を行う場合において、試料のチャージアップに起因し
て一次イオンビーム照射位置に変化が生じ、一次イオン
ビーム照射領域に対するその中の分析範囲に相対的な位
置ずれが生じた場合に、これを補正することにより、二
次イオン質量分析精度を向上させることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するために、基本的には次の
ような課題解決手段を提案する。
第1の課題解決手段は、制限スリットにより、一次イオ
ン取り込み領域を試料面の一次イオンビーム照射領域よ
り狭くした範囲(分析範囲)に限定して質量分析を行う
二次イオン質量分析装置において、 一次イオンビームの照射位置の変化に起因した一次イオ
ンビーム照射領域と前記分析範囲との相対的な位置ずれ
を検出する手段と、 前記位置ずれから位置補正量を求め、この位置補正量に
より前記一次イオンビームの照射位置を補正して前記位
置ずれを補正する手段とを備えてなる。
なお、以上のような分析範囲の位置ずれを検出する場合
には、通常、この種の装置はCRT等の画像装置により
一次イオンビーム照射領域及びその中の分析範囲を表示
するので、この画像の信号状態からとらえることを一例
として提案する。
例えば、前記一次イオンビームの走査信号と同期して画
面の走査信号を出力させる画像装置を備え、この画像装
置の画面に前記一次イオンビーム照射領域を表示すると
共に、前記制限スリットを通過した二次イオンの一部を
検出し、この検出信号を前記画面に出力させることで前
記分析範囲を前記画面に表示の前記一次イオンビーム照
射領域の中に制限視野的に表示し、 且つ前記一次イオンビーム照射領域・分析範囲の相対的
位置ずれは、■前記一次イオンビーム或るいは前記画面
の走査信号に対する前記二次イオン検出信号の取り込み
時期の変化をとらえて検出することが提案される。或る
いは0画面の重心点とこの画面に表示された前記分析範
囲の重心点のずれから、或るいは■前記画面上の数箇所
に光検出素子を配置して、分析範囲のずれを検出する手
段等が考えられる。
また、第2の課題解決手段としては、上記同様に画像装
置を備えた制限視野方式の二次イオン質量分析装置にお
いて、前記画面に表示された一次イオンビーム照射領域
と分析範囲とに相対的な位置ずれが生βた場合に、この
画面を見ながら手動操作で前記一次イオンビームの照射
位置を補正して、この位置ずれを補正する手段を設けた
ものを提案する。
前述の第1.第2の課題解決手段における前記位置ずれ
を補正する場合には、例えば一次イオンビーム走査用偏
向電極の電圧印加量或るいはエレクトロンスプレー量を
可変調整すればよい。
〔作用〕
第1の課題解決手段の作用・絶縁物の試料にチャージア
ップが生じると、これにより試料電位ひいては一次イオ
ンビーム照射位置に変化が生じることは前述した。これ
に起因して、一次イオンビーム照射領域とその中の分析
範囲(二次イオン取り込み範囲)とに相対的な位置ずれ
が生じると、これが検出される。
例えば、前記■のような検出手段を採用すれば、一次イ
オンビーム或るいはこれと同期した画面の走査信号に対
する二次イオン検出信号の取り込み時期の変化をとらえ
るので、その変化後の取り込み時期と基準の取り込み時
期との差から一次イオンビーム照射領域・分析範囲の位
置的なずれを検出できる。■の検出手段を採用すれば、
画面の重心点と分析範囲の重心点のずれから、直接的[
二次イオンビーム照射領域・分析範囲同士の位置ずれを
検出できる。■の検出手段を採用すれば、例えば、分析
位置が画面の適正な位置にある状態を基準にして、この
画面上の分析位置の周りに光検出素子を配置することで
、分析位置が許容量以上にずれた場合にのみ、いずれか
の光検出素子がその分析範囲の輝度【ご反応してこれを
検出することができる。なお、■、■については、実施
例で詳述しである。
そして、前記位置ずれ量が零になるような位置補正量を
求めて、一次イオンビームの照射位置を補正する。一次
イオンビームの照射位置の補正は、具体的には、例えば
一次イオンビームを走査させる偏向電極の印加電圧を位
置補正量分だけ変化させるか、あるいは、エレクトロン
スプレー量を調整して試料電位を変えることで間接的に
行うことも可能である。
本課題解決手段では、一次イオンビーム照射領域と分析
範囲との相対的な位置ずれが自動的に補正される。
第2の課題解決手段の作用 本課題解決手段では、画面
に写し出される一次イオンビーム照射領域とその中に制
限視野的に表示される分析範囲とに相対的位置ずれが生
じると、操作者がこれを視覚を通して認識する。そして
、操作者は、一次イオンビームの照射位置に変化が生じ
たものとして、一次イオンビーム照射位置を調整できる
要素(例えば、一次イオンビーム走査用電極の電圧調整
部、エレクトロンスプレー調整部等)を手動操作して、
一次イオンビーム照射位置が適正になるように画面をみ
ながら補正する。この場合、一次イオンビーム照射位置
の補正に伴い画面上の分析範囲が自ずと移動調整される
ので、その補正を容易に実行することができる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を第1図により説明する。
第1図は、本実施例に係る二次イオン質量分析装置の構
成図であり、既述した第4図の従来例と同一符号は、同
−或いは共通する要素を示す。
第1図において、一次イオンビームlの光学系は、イオ
ン源19、走査用の偏向電極(第1の偏向電極)2、偏
向電極電源21.対物レンズ3、補正用の偏向電極(第
2偏向電極)23及び第2偏向電極電′a22で構成さ
れる。イオン源19は、デュオプラズマ形イオン源を用
いている。
二次イオン5を発生させる試料室部は、試料4、引出電
極6、投射レンズ7、第3の偏向電極8などで構成され
る。
質量分析部は、制限スリット9、電場10、磁場16、
コレクタスリット17、検出器18などで構成される。
トータルイオンモニタ14は、イオン電子コンバータ1
1、シンチレータ12、ホトマルチプライア13よりな
り、CRT l 5及び電源20と接続される。
次に一連の動作について説明する。
デュオプラズマイオン源lで生成された酸素イオンは、
約20KVに加速され、コンデンサレンズ(図示せず)
と対物レンズ3の2段のレンズにより試料上で直径約5
0μmに収束される。
試料4の深さ方向の分析を行う場合、深さ方向に均一に
(底面が平坦に)掘る必要があるため、一次イオンビー
ムlは偏向電極2により約500μm〜1000μm走
査しながら分析するのが通例である。
試料4は3KVに印加されているために、一次イオンの
衝突エネルギーは17 K e Vである。17eVで
衝撃された試料4(ここでの試料は、Slを予めイオン
打ち込みしたGaAsとする)は、スパッタされ引出電
極6と試料4との電位差によって引出され二次イオンビ
ーム5を形成する。
二次イオンビーム5は、投射レンズ7により制限スリッ
ト9上に収束されている。この場合にレンズ倍率は約1
である。すなわち、一次イオンビーム1が700tLm
だけ試料4上で走査されると、二次イオン5も制限スリ
ット9上で700μmだけ動くことになる。
ここで、制限スリット9の幅を300μmX300μm
にしておくと、投射レンズ7の焦点が合っている場合は
、試料上300μmX300rim(実際には、一次イ
オンビーム幅と投射レンズの収差によりもう少し広い)
の範囲でスパッタされた二次イオン5のみが制限スリッ
ト9を通過し、質量分析されることになる。また、試料
4は、次イオンビーム照射によりチャージアップが生じ
るために、エレクトロンスプレー25により試料面の電
荷中和を行っている。
以上の条件で制限スリット9を通過した二次イオン5は
、電場10によりエネルギー分散され、そのビーム中心
のイオンがさらに磁場16を通ることにより、コレクタ
スリット17上で質量分析され、中性粒子の影響を除去
するため更に偏向されて検出器18に達し、その検出値
によりコンピュータ24が質量分析を行う。
一方、電場10を通過した二次イオンビーム5のうちビ
ーム中心から外れたイオンは、イオン電子変換コンバー
タ11に当てられ、ここで電子に変換される。この電子
は、シンチレータ12に印加された約10KeVのエネ
ルギーによって、シンチレータ12を発光させる。この
光は、ホトマルチプライア13で増幅され、CRT15
の輝度変調回路に送られる。CRT15の走査信号は、
一次イオン偏向電極2の電圧(一次イオンビーム走査信
号)と同期しているため、符号26で示すような画面を
描くことができる。画面26は、中央斜線部口が制限ス
リット9を通過した部分、その外側の領域イが全一次イ
オンビーム照射領域を示している。
CRT画面26の中心に二次イオン取り込み領域(分析
範囲)口がある場合は、走査領域の中心部が正しく分析
されていることを意味する。
試料4の表面電位がチャージアップなどの原因で変化し
た場合には、一次イオンビーム照射位置、ひいてはCR
T画面26の二次イオン取り込み領域口が左右に移動す
る。この原因は、若干複雑であり、次の3つのケースが
考えられる。
まず、第1は、試料電位の変化により、試料4と引出電
極6との間で作るレンズ作用が変化し、光学的軸ずれ現
象を起こす。第2は、試料電位の変化により二次イオン
ビームが偏向され、みかけの二次イオン取り込み領域口
が移動する。この場合は原理的には、制限スリットを通
過した後、CRT画面26に写し出される実際の二次イ
オン取り込み領域は変化しないが、一次イオンビームの
照射位置ひいてはその照射領域が変化することで、次イ
オンビーム照射領域(換言すれば画面26全体)に対す
る二次イオン取り込み領域が相対的に位置ずれする。こ
れは、〔発明が解決しようとする課題〕の項でも、第7
図を用いて既述した。
そして、このような位置ずれが生じると、一次イオン照
射領域が次第に代わって新たに表面層の濃度の濃い部分
を照射(スパッタ)され、また表面の電荷中和の位置な
どのバランスが(ずれ、また、分析範囲が二次イオン照
射領域のエツジ−辺に近づく。以上からして分析に悪影
響を及ぼす。第3の理由は上記1.2の組み合わせによ
って起こることも考えられる。
本実施例では、このような一次イオンビーム照射位置の
変化を次のようにして補正する。
この補正原理を第2図に基づき説明する。
第2図(a)は、一次イオンビーム走査信号(CRT走
査信号も同様)のX方向成分(走査波形X)及びY方向
成分(走査波形Y)を示す。走査波形Yは、実際は多段
状になっているが作図の便宜上直線的な傾きとしである
。これらの走査信号はすべてコンピュータ(制御装置)
24かり出されている。
第2図(b)は、CRT画面26に写し出される二次イ
オン取り込み領域口にずれが生じていない場合である。
この場合、走査波形Xの1走査分x0とトータルイオン
モニタの二次イオン検出信号のX方向出力BXo(BX
、のうち矩形波形となっている部分が制限スリット9を
通過した二次イオンビームの領域である)とを観察する
と、両者の波形の横軸の中心が一致しており、△X0=
0である。
第2図(C)の場合は、+△X1だけずれている場合を
示す。第2図(d、 )は、走査波形Yと1・−タルイ
オンモニタの二次イオン検出信号の)゛方向出力B Y
を示し、このうちBYoがずれが生じていない場合、B
Y、が)′方向に+△Y1だけずれが生じている場合を
示す。
本実施例では、コンピュータ24が走査波形X)′に関
するデータと、]・−タルイオンモニタの出力BX、B
Yに関するデータを入力し、これらのデータから一画面
の重心点と、二次イオン取り込み領域との重心点のずれ
(△X1.△)′1)を求め、この値を基に△X、△Y
が零となるような一次イオンビームの偏向補正量を演算
し、第2の偏向電極23によって一次イオ゛ンビーム照
射位置の補正を行っている。
第3図は、本実施例により得られた効果を示すものであ
る。記録の方法は、磁場16の強度を5iAs(質量数
103)に合わせ、上記方法でCRTをモニタし、ずれ
を補正しながら測定した結果が(a)、ずれが生じた場
合の補正しない結果を(b)に示す。
半導体にイオン打ち込みをした場合の深さ方向の分布は
、理論的にも求められており、この場合の(b)の結果
は、明らかに帯電に起因する測定不良であり、(a)の
結果はより正しい分布を示す。
なお、本実施例では、一次イオンビームの位置を補正す
る手段として、第2の偏向電極23を用いるが、これに
代わって、第1の偏向電極2の印加電圧を補正して行う
ことも可能である。
また、エレクトロンスプレィの電子電流や電子加速電圧
を用いても目的は達成される。ただし、この場合、ずれ
の大きさと補正する値が一義的に決まらない傾向がある
が、帯電に起因するずれを電荷中和で補正することは本
質的である。
また、制限視野条件のずれは、コンピュータで重心点を
求める例を示したが、CRT画面26上にXYの光検出
素子を数箇所設置し、大まかなずれを検知することも可
能である。例えば、第7図に示すようにCRT画面26
上に、4箇所の光検出素子27を配置する。これらの光
検出素子27は、二次信号取り込み領域口が画面の中央
部(適正位置)にある時にその周りを4点で囲むように
配置される。
このようにすれば、二次イオン信号取り込み領域口かは
イ適正位置の範囲内に収まっている場合には、4個の光
検出素子27はいずれも二次イオン取り込み領域口の輝
度を感知せず、適正位置から大幅にずれた場合には、い
ずれかの光検出素子27がこれを感知することで、位置
ずれを検出することができる。
この方式によれば、位置ずれの検出システムの簡易化を
図り得る利点がある。
なお、上記実施例では、一次イオン照射位置の変化ひい
ては二次イオン信号の取り込みを自動的に補正している
が、補正用偏向電極23の電圧源を手動調整する操作つ
まみやエレクトロンスプレー量を手動調整する操作つま
み等を備えて、前記CRT画面26をモニタリングしな
がら、補正用偏向電極23の電圧゛やエレクトロンスプ
レー量を手動調整して一次イオンビーム照射位置ひいて
は一次イオンビーム照射領域と二次イオン信号取り込み
領域との相対的な位置補正を行うことも可能である。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば一次イオンビーム照射に
よる試料面のチャージアップに起因する制限視野条件(
一次イオンビーム照射領域とその中の分析範囲の相対的
位置関係)のずれを補正できるので、二次イオン質量分
析計の測定結果の信頼性を大幅に高めることができる。
また、二次イオン質量分析は局所破壊分析であるため、
測定が失敗しないことが重要であり、本発明によれば測
定結果の信頼性を高めることで測定時間の短縮を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る二次イオン質量分析
装置の構成を示す説明図、第2図は、次イオンビーム照
射域と二次イオン取り込み領域(分析範囲)の相対的位
置ずれを検知するための説明図、第3図は、本発明と従
来の質量分析結果を比較した説明図、第4図は、従来の
二次イオン質量分析装置の構成を示す説明図、第5図は
、上記実施例に用いるCRT画面に写し出された一次イ
オンビーム照射領域と二次イオン信号取り込み領域を示
す説明図、第6図は、一次イオンビームを試料に照射し
た時の状態を示す説明図、第7図は、CRT画面に写し
出された二次イオン信号取り込み領域の位置ずれを検知
する一例を示す説明図、第8図は、CRT画面の二次イ
オン信号取り込み領域の位置ずれが生じる原理説明図で
ある。 ■・・・一次イオンビーム、2・走査用偏向電極、3・
・対物レンズ、4・試料、5・・二次イオンビーム、6
・引出電極、7・・投射レンズ、8・偏向電極、9・・
制限スリット、10・・・電場、14・・・トータルイ
オンモニタ、15・CRT、23・・補正電極、24・
・コンピュータ(演算手段、制御手段)、26 ・CR
T画面、イ 走査領域、口・二次イオン取り込み領域(
分析範囲)、27・・光検出素子。7−−≧・代理人 
弁理士 高橋明夫(他2名) 第 図 第 図 第 図 第 図 光検出素子 第 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、一次イオンビームを走査して試料面に照射する手段
    と、この一次イオンビーム照射により前記試料面から放
    出される二次イオンを制限スリット上に収束させる手段
    とを有し、この制限スリットにより、二次イオン取り込
    み領域を前記試料面の一次イオンビーム照射領域より狭
    くした範囲(以下、分析範囲とする)に限定して質量分
    析を行う二次イオン質量分析装置において、前記一次イ
    オンビームの照射位置の変化に起因した前記一次イオン
    ビーム照射領域と前記分析範囲との相対的な位置ずれを
    検出する手段と、前記位置ずれから位置補正量を求め、
    この位置補正量により前記一次イオンビームの照射位置
    を補正して前記位置ずれを補正する手段とを備えてなる
    ことを特徴とする二次イオン質量分析装置。 2、第1請求項において、前記一次イオンビームの走査
    信号と同期して画面の走査信号を出力させる画像装置を
    備え、この画像装置の画面に前記一次イオンビーム照射
    領域を表示すると共に、前記制限スリットを通過した二
    次イオンの一部を検出し、この検出信号を前記画面に出
    力させることで前記分析範囲を前記画面に表示の前記一
    次イオンビーム照射領域の中に制限視野的に表示し、且
    つ前記一次イオン照射領域・分析範囲の相対的位置ずれ
    を、前記一次イオンビーム或るいは前記画面の走査信号
    に対する前記二次イオン検出信号の取り込み時期の変化
    から検出するよう設定してなる二次イオン質量分析装置
    。 3、第1請求項において、前記一次イオンビーム照射領
    域及びその中の前記分析範囲を画面に表示する画像装置
    を備え、且つ前記一次イオンビーム照射領域・分析範囲
    の相対的な位置ずれを、前記画面の重心点とこの画面に
    表示された前記分析範囲の重心点のずれから検出するよ
    う設定してなる二次イオン質量分析装置。 4、第1請求項において、前記一次イオンビーム照射領
    域及びその中の前記分析範囲を画面に表示する画像装置
    を備え、且つ前記一次イオンビーム照射領域・分析範囲
    の相対的位置ずれを、前記画面上の数箇所に光検出素子
    を配置して検出するよう設定してなる二次イオン質量分
    析装置。 5、第1請求項ないし第4請求項のいずれか1項におい
    て、前記一次イオンビーム照射領域・分析範囲の相対的
    位置ずれを補正する手段は、前記位置補正量に基づき前
    記一次イオンビームの走査用偏向電極の電圧印加量を調
    整する手段よりなる二次イオン質量分析装置。 6、第1請求項ないし第4請求項のいずれか1項におい
    て、前記一次イオンビーム照射領域・分析範囲の相対的
    位置ずれを補正する手段は、前記試料面に施されるチャ
    ージアップ防止用のエレクトロンスプレー量を前記位置
    補正量に基づき調整する手段よりなる二次イオン質量分
    析装置。 7、一次イオンビームを走査して試料面に照射する手段
    と、この一次イオンビーム照射により前記試料面から放
    出される二次イオンを制限スリットにて収束させる手段
    とを有し、この制限スリットにより、二次イオン取り込
    み領域を前記試料面の一次イオンビーム走査領域より狭
    くした範囲(分析範囲)に限定して質量分析を行う二次
    イオン質量分析装置において、 前記一次イオンビーム照射領域及びその中の前記分析範
    囲を画面に表示する画像装置と、前記画面に表示された
    前記一次イオンビーム照射領域と前記分析範囲とに相対
    的な位置ずれが生じた場合に、この画面を見ながら手動
    操作で前記一次イオンビームの照射位置を補正してこの
    位置ずれを補正する手段とを備えてなることを特徴とす
    る二次イオン質量分析装置。 8、第7請求項において、前記一次イオンビーム照射領
    域・分析範囲の相対的位置ずれを補正する手段は、手動
    操作で前記一次イオンビーム走査用偏向電極の電圧印加
    量或るいはエレクトロンスプレイ量を可変調整する手段
    よりなる二次イオン分析装置。
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